JP2935835B1 - トンネル冷陰極 - Google Patents

トンネル冷陰極

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JP2935835B1 JP3740298A JP3740298A JP2935835B1 JP 2935835 B1 JP2935835 B1 JP 2935835B1 JP 3740298 A JP3740298 A JP 3740298A JP 3740298 A JP3740298 A JP 3740298A JP 2935835 B1 JP2935835 B1 JP 2935835B1
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典文 江上
秀典 三村
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Abstract

【要約】 【課題】 従来例に比較して信頼性が高く、真空中への
放射電流量の大きいトンネル冷陰極を提供する。 【解決手段】 電極17を介して所定の負電圧Vg1が
印加された電子供給層である半導体基板11と、障壁層
であるシリコン酸化膜12と、接地された第1のゲート
電極層13とが積層されてなり、電子供給層である半導
体基板11において生じる電子が障壁層であるシリコン
酸化膜12を量子力学的トンネル効果によってトンネル
し、第1のゲート電極層13の真空準位よりも高いエネ
ルギーを持つ電子が真空中に放射されるトンネル冷陰極
である。ここで、第1のゲート電極層13上に形成され
た電子加速層15と、電子加速層15上に形成され、引
き出し電極19を介して所定の正電圧Vg2が印加され
た第2のゲート電極16とをさらに備え、第2のゲート
電極16の真空準位を第1のゲート電極13の真空準位
よりも低く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル冷陰極に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の熱陰極に代わり、金属や半
導体材料と半導体プロセス技術を用い、微小冷陰極を開
発し、従来にない薄型ディスプレイや超高周波デバイス
や耐環境デバイスの実現を目指す真空マイクロエレクト
ロニクスの研究が盛んに行われている。最近では、例え
ば、従来技術文献「阿部ほか,“Si−MOSトンネル
陰極の電子放射特性”,電子情報通信学会技術報告,E
D96−142,pp.47−54,1996」におい
て解説されているように、現在広く開発されている陰極
先端を尖らせた微小冷陰極とは異なる構造を有する平面
型冷陰極が提案されている。上記従来技術文献で示され
た冷陰極は、Si−MOSトンネル陰極と呼ばれ、10
nm以下の極薄ゲート酸化膜を量子力学的にトンネルす
る電子のうち、ゲート電極の真空準位より高エネルギー
を持つ電子を真空中に放射させるものである。この冷陰
極は現在広く開発されている微小冷陰極より、真空中へ
放射される電子による電流量が極めて安定であり、また
超高真空が必要でないなどの利点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たSi−MOSトンネル陰極では、極薄ゲート酸化膜を
量子力学的にトンネルする電子は多いものの、ゲート酸
化膜中で強い散乱を受け電子はエネルギーを失うため、
ゲート電極の真空準位に阻止され、真空中へ放射される
電子数が極めて少ない。通常、極薄ゲート酸化膜をトン
ネルする電子数の約1%程度しか真空中へ放射されない
という欠点がある。真空中へ放射される電子数を増すた
めには、ゲート電極の真空準位を下げることが有効で、
上記の従来技術文献ではゲート電極へのセシウム(C
s)のコーティング(被覆)を行い、真空中への放射電
流量を増加させている。しかし、Csのコーティングは
信頼性に薄く、Csのコーティングの冷陰極は実用化に
適さない。
【0004】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、従来例に比較して信頼性が高く、真空中への放射電
流量の大きいトンネル冷陰極を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のトンネル冷陰極は、所定の負電圧が印加された電子
供給層と、障壁層と、接地された第1のゲート電極層と
が積層されてなり、上記電子供給層において生じる電子
が上記障壁層を量子力学的トンネル効果によってトンネ
ルし、上記第1のゲート電極層の真空準位よりも高いエ
ネルギーを持つ電子が真空中に放射されるトンネル冷陰
極において、上記第1のゲート電極層上に形成された電
子加速層と、上記電子加速層上に形成され所定の正電圧
が印加された第2のゲート電極とをさらに備え、上記障
壁層をトンネルした電子が上記第1のゲート電極層、上
記電子加速層及び上記第2のゲート電極層を通過した
後、真空中に放射される構造を有し、上記第2のゲート
電極の真空準位を上記第1のゲート電極の真空準位より
も低く設定することにより、上記障壁層をトンネルした
電子のうち、上記第1のゲート電極の真空準位よりも低
いエネルギーを有する電子をも、上記電子加速層及び上
記第2のゲート電極層を介して真空中に放射させ、真空
中への放射電流量を増大させることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載のトンネル冷陰極は、
請求項1記載のトンネル冷陰極において、上記障壁層
は、量子構造層にてなり、上記量子力学的トンネル効果
は、共鳴トンネル効果であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0008】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態であるトンネル冷陰極10の構造を示す
縦断面図である。この実施形態のトンネル冷陰極10
は、直流電圧源41により電極17を介して所定の負電
圧Vg1が印加された電子供給層である半導体基板11
と、障壁層であるシリコン酸化膜12と、接地された第
1のゲート電極層13とが積層されてなり、電子供給層
である半導体基板11において生じる電子が障壁層であ
るシリコン酸化膜12を量子力学的トンネル効果によっ
てトンネルし、第1のゲート電極層13の真空準位より
も高いエネルギーを持つ電子が真空中に放射されるトン
ネル冷陰極において、(a)第1のゲート電極層13上
に形成された電子加速層15と、(b)電子加速層15
上に形成され、直流電圧源42により引き出し電極19
を介して所定の正電圧Vg2が印加された第2のゲート
電極16と、をさらに備え、第2のゲート電極16の真
空準位を第1のゲート電極13の真空準位よりも低く設
定したことを特徴としている。ここで、トンネル冷陰極
10はシリコンMOS(金属−酸化膜−半導体)構造を
用いて実現している。なお、当該トンネル冷陰極10
は、真空密封された容器(図示せず。)内に載置され
る。
【0009】次いで、図2乃至図6を参照して、図1の
トンネル冷陰極10の製造工程について説明する。ま
ず、図2において、まず、抵抗率が0.数Ωcmないし
数Ωcmのn型シリコン半導体基板11上にゲート酸化
膜12を形成し、その膜厚は6nmないし10nmであ
る。次いで、ゲート酸化膜12上に、第1のゲート電極
13となるリンドープアモルファスシリコンを堆積し、
その膜厚は10nmないし50nmである。さらに、シ
リコン酸化膜14を膜厚300nmないし1000nm
だけ堆積し、図3に示すように、フォトリソグラフィ法
を用いてシリコン酸化膜14をエッチングし、電子の放
射領域を製作する。その後、図4に示すように、電子加
速層15としてノンドープアモルファスシリコンを膜厚
50nmないし100nmだけ堆積し、さらに、第2の
ゲート電極16となるリンドープアモルファスシリコン
を膜厚10nmないし50nmだけ堆積する。次いで、
図5に示すように、電子加速層15と第2のゲート電極
16をパターニングし、アニーリングを行い全てのアモ
ルファスシリコン層をポリシリコン層に変換する。最後
に、図6に示すように、負電圧Vg1を印加するための
引き出し電極としてシリコン基板11の裏面にAl電極
17を形成し、また、第1のゲート電極13の引き出し
電極18をAlで形成し、第2のゲート電極16の引き
出し電極19をAlで形成して、本実施形態のトンネル
冷陰極10を得る。
【0010】図7は、図1のトンネル冷陰極10の動作
を説明するためのエネルギーバンド図である。第1のゲ
ート電極13を接地してアース電位にし、シリコン半導
体基板11に例えばマイナス数ボルトの電圧Vg1を直
流電圧源41から電極17を介して印加する。ここで、
シリコン酸化膜12の電界が106V/cm以上になる
と、シリコン基板11の伝導帯Ecの電子がゲート酸化
膜12の三角ポテンシャルを量子力学的トンネル効果に
よってトンネルし、ゲート酸化膜12の伝導帯Ecに現
れる。ゲート酸化膜12の伝導帯Ecにトンネルした電
子はゲート酸化膜12の伝導帯Ecで強いフォノンの散
乱を受ける。そのため、ゲート酸化膜12と第1のゲー
ト電極13の界面ではエネルギーが広がった分布とな
る。
【0011】従来例のトンネル冷陰極では、第1のゲー
ト電極の真空準位が電子の真空中への放射を阻止するた
め、ゲート酸化膜の伝導帯にトンネルした電子の1%以
下しか真空中へ放射することができない。すなわち、第
1のゲート電極の真空準位より高いエネルギーを持つ電
子はゲート酸化膜の伝導帯にトンネルした全電子のうち
1%以下である。
【0012】一方、本発明に係る第1の実施形態のよう
に、電子加速層15を介して第2のゲート電極16を形
成し、第2のゲート電極16に例えばプラス数ボルトの
正電圧Vg2を印加すると、第2のゲート電極16の真
空準位を第1のゲート電極13の真空準位より低エネル
ギーにすることができる。このことは、ゲート酸化膜1
2の伝導帯にトンネルした電子で第1のゲート電極13
の真空準位より低エネルギーを持つ電子も真空中へ放射
できることを意味している。すなわち、本発明に係る第
1の実施形態により、真空中への放射電流量の大きいト
ンネル冷陰極10を実現できる。また、Csのコーティ
ングを用いないので、従来例に比較して、信頼性が高い
という利点がある。
【0013】なお、半導体基板11のシリコンはn型に
限らず、p型でもよい。また、電子供給層はシリコン半
導体基板11である必要はなく、金属でもよい。さら
に、ゲート酸化膜12もシリコン酸化膜である必要はな
く、Al23、Ta25などでも実現できる。
【0014】<第2の実施形態>図8は、本発明に係る
第2の実施形態であるトンネル冷陰極20の構造を示す
縦断面図である。図8乃至図14において、図1乃至図
7と同様のものについては同一の符号を付している。こ
の第2の実施形態のトンネル冷陰極20は、第1の実施
形態に比較して、図8に示すように、図1の障壁層は、
障壁層31と量子井戸層32と障壁層33からなる量子
構造層30にてなり、上記量子力学的トンネル効果は、
共鳴トンネル効果であることを特徴としている。
【0015】すなわち、第2の実施形態であるトンネル
冷陰極20は、障壁層のトンネルに共鳴トンネル効果を
用いている。共鳴トンネル効果は量子構造層20内の量
子化準位のエネルギーと電子供給層である半導体基板1
1の電子のエネルギーが一致した時、トンネル確率が増
大する効果で、一種のエネルギーフィルタとして働くた
め、共鳴トンネル効果によりトンネルした電子は極めて
狭いエネルギー分布を持っている。従って、第2の実施
形態であるトンネル冷陰極20から、真空中へ放射され
る電子は100meV以下のエネルギー分布を持つ。な
お、当該トンネル冷陰極20は、真空密封された容器
(図示せず。)内に載置される。
【0016】次いで、図9乃至図14を参照して、図8
のトンネル冷陰極20の製造工程について説明する。ま
ず、図9において、ドーパントとしてSiのドープ量が
1018/cm3程度のn型GaAs半導体基板11上に
量子構造層30を形成する。実際は、n型GaAs半導
体基板11と量子構造層30の間には、Siをドープし
たGaAsバッファ層を堆積するが、図8乃至図14で
は省略している。次いで、半導体基板11上に量子構造
層30を形成する。ここで、量子構造層30は例えば、
膜厚2.85nmのAlAs障壁層31と、膜厚2.8
3nmのGaAs井戸層32と、膜厚2.85nmのA
lAs障壁層33とにより構成される。次いで、障壁層
33上に、第1のゲート電極13となるSiドープGa
Asを堆積し、その膜厚は20nmないし100nmで
ある。さらに、シリコン酸化膜14を膜厚300nmな
いし1000nmだけ堆積し、図10に示すように、フ
ォトリソグラフィ法を用いシリコン酸化膜14をエッチ
ングし、電子の放射領域を製作する。その後、図11に
示すように、電子加速層15としてノンドープGaAs
を膜厚100nmないし500nmだけ堆積し、さらに
第2のゲート電極16となるSiドープGaAsを膜厚
20nmないし100nmだけ堆積する。さらに、図1
2に示すように、電子加速層15と第2のゲート電極1
6をパターニングし、最後に、図13に示すように、負
電圧Vg1を印加するための引き出し電極としてGaA
s半導体基板11の裏面にIn電極17を形成し、ま
た、第1のゲート電極13の引き出し電極18をAuで
形成し、正電圧Vg2を印加するための第2のゲート電
極16の引き出し電極19をAuで形成するこにより、
第2の実施形態のトンネル冷陰極20を得る。
【0017】図14は、図8のトンネル冷陰極20の動
作を説明するためのエネルギーバンド図である。第1の
ゲート電極13をアース電位にし、GaAs半導体基板
11に例えばマイナス数ボルトの負電圧Vg1を印加す
る。量子構造層30が、例えば、膜厚2.85nmのA
lAs障壁層31と、膜厚2.83nmのGaAs量子
井戸層32と、膜厚2.85nmのAlAs障壁層33
とにより構成された場合、量子化準位はGaAs量子井
戸層32の伝導帯Ecの底から約240meV高エネル
ギー側に形成される。すなわち、GaAs半導体基板1
1のフェルミレベル付近の電子のエネルギーと、この量
子化準位が同エネルギーになると、共鳴トンネル効果の
ため、GaAs半導体基板11において生成された電子
が量子構造層層30をトンネルする。第2のゲート電極
16に例えばプラス数ボルトの所定の正電圧を印加し、
共鳴トンネルしてきた電子のエネルギーより第2のゲー
ト電極16の真空準位を下げれば、共鳴トンネル電子が
真空中へ放射される。
【0018】以上説明したように、第2の実施形態によ
れば、電子加速層15を介して第2のゲート電極16を
形成し、第2のゲート電極16に例えばプラス数ボルト
の正電圧Vg2を印加すると、第2のゲート電極16の
真空準位を第1のゲート電極13の真空準位より低エネ
ルギーにすることができる。このことは、ゲート酸化膜
12の伝導帯にトンネルした電子で第1のゲート電極1
3の真空準位より低エネルギーを持つ電子も真空中へ放
射できることを意味している。すなわち、本発明に係る
第2の実施形態により、真空中への放射電流量の大きい
トンネル冷陰極20を実現できる。また、Csのコーテ
ィングを用いないので、従来例に比較して、信頼性が高
いという利点がある。
【0019】なお、量子構造層30は本実施形態に限ら
ず、量子井戸層32と障壁層31とが複数周期で交互に
積層されなる量子構造を有する真性半導体i層であって
もよい。また、量子井戸層32と障壁層31の材料も、
GaAsとAlAsに限らず、それぞれ、GaAs及び
AlGaAs、Si及びAl23であってもよい。ま
た、電子加速層15もGaAsに限らず、AlGaAs
でもよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のトンネル冷陰極によれば、所定の負電圧が印加
された電子供給層と、障壁層と、接地された第1のゲー
ト電極層とが積層されてなり、上記電子供給層において
生じる電子が上記障壁層を量子力学的トンネル効果によ
ってトンネルし、上記第1のゲート電極層の真空準位よ
りも高いエネルギーを持つ電子が真空中に放射されるト
ンネル冷陰極において、上記第1のゲート電極層上に形
成された電子加速層と、上記電子加速層上に形成され所
定の正電圧が印加された第2のゲート電極とをさらに備
え、上記障壁層をトンネルした電子が上記第1のゲート
電極層、上記電子加速層及び上記第2のゲート電極層を
通過した後、真空中に放射される構造を有し、上記第2
のゲート電極の真空準位を上記第1のゲート電極の真空
準位よりも低く設定することにより、上記障壁層をトン
ネルした電子のうち、上記第1のゲート電極の真空準位
よりも低いエネルギーを有する電子をも、上記電子加速
層及び上記第2のゲート電極層を介して真空中に放射さ
せ、真空中への放射電流量を増大させる。従って、従来
例に比較して、真空中への放射電流量の大きいトンネル
冷陰極を実現できる。また、Csのコーティングを用い
ないので、従来例に比較して、信頼性が高いという利点
がある。
【0021】また、請求項2記載のトンネル冷陰極によ
れば、請求項1記載のトンネル冷陰極において、上記障
壁層は、量子構造層にてなり、上記量子力学的トンネル
効果は、共鳴トンネル効果である。従って、真空中への
放射電流量の大きいトンネル冷陰極20を実現できる。
また、Csのコーティングを用いないので、従来例に比
較して、信頼性が高いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態であるトンネル
冷陰極10の構造を示す縦断面図である。
【図2】 図1のトンネル冷陰極10の第1の製造工程
を示す縦断面図である。
【図3】 図1のトンネル冷陰極10の第2の製造工程
を示す縦断面図である。
【図4】 図1のトンネル冷陰極10の第3の製造工程
を示す縦断面図である。
【図5】 図1のトンネル冷陰極10の第4の製造工程
を示す縦断面図である。
【図6】 図1のトンネル冷陰極10の第5の製造工程
を示す縦断面図である。
【図7】 図1のトンネル冷陰極10の動作を説明する
ためのエネルギーバンド図である。
【図8】 本発明に係る第2の実施形態であるトンネル
冷陰極20の構造を示す縦断面図である。
【図9】 図8のトンネル冷陰極20の第1の製造工程
を示す縦断面図である。
【図10】 図8のトンネル冷陰極20の第2の製造工
程を示す縦断面図である。
【図11】 図8のトンネル冷陰極20の第3の製造工
程を示す縦断面図である。
【図12】 図8のトンネル冷陰極20の第4の製造工
程を示す縦断面図である。
【図13】 図8のトンネル冷陰極20の第5の製造工
程を示す縦断面図である。
【図14】 図8のトンネル冷陰極20の動作を説明す
るためのエネルギーバンド図である。
【符号の説明】
10,20…トンネル冷陰極、 11…半導体基板、 12…ゲート酸化膜、 13…第1のゲート電極、 14…シリコン酸化膜、 15…電子加速層、 16…第2のゲート電極、 17…電極、 18…引き出し電極、 19…引き出し電極、 30…量子構造層、 31…障壁層、 32…量子井戸層、 33…障壁層、 41,42…直流電圧源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三村 秀典 宮城県仙台市青葉区片平2−1−1 東 北大学電気通信研究所内 (72)発明者 横尾 邦義 宮城県仙台市青葉区片平2−1−1 東 北大学電気通信研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−10448(JP,A) 特開 平7−6687(JP,A) 特開 平5−342995(JP,A) 武内義尚、御子柴宣夫共編,“トンネ ル現象の物理と応用”、培風館、昭和63 年12月15日、p.88 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 1/30,9/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の負電圧が印加された電子供給層
    と、障壁層と、接地された第1のゲート電極層とが積層
    されてなり、上記電子供給層において生じる電子が上記
    障壁層を量子力学的トンネル効果によってトンネルし、
    上記第1のゲート電極層の真空準位よりも高いエネルギ
    ーを持つ電子が真空中に放射されるトンネル冷陰極にお
    いて、 上記第1のゲート電極層上に形成された電子加速層と、 上記電子加速層上に形成され所定の正電圧が印加された
    第2のゲート電極とをさらに備え、 上記障壁層をトンネルした電子が上記第1のゲート電極
    層、上記電子加速層及び上記第2のゲート電極層を通過
    した後、真空中に放射される構造を有し、 上記第2のゲート電極の真空準位を上記第1のゲート電
    極の真空準位よりも低く設定することにより、上記障壁
    層をトンネルした電子のうち、上記第1のゲート電極の
    真空準位よりも低いエネルギーを有する電子をも、上記
    電子加速層及び上記第2のゲート電極層を介して真空中
    に放射させ、真空中への放射電流量を増大させることを
    特徴とするトンネル冷陰極。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトンネル冷陰極におい
    て、 上記障壁層は、量子構造層にてなり、 上記量子力学的トンネル効果は、共鳴トンネル効果であ
    ることを特徴とするトンネル冷陰極。
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JP2006147518A (ja) * 2004-10-22 2006-06-08 National Univ Corp Shizuoka Univ 窒化物半導体共鳴トンネル電子放出素子
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武内義尚、御子柴宣夫共編,"トンネル現象の物理と応用"、培風館、昭和63年12月15日、p.88

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