JP2003029382A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003029382A JP2001215106A JP2001215106A JP2003029382A JP 2003029382 A JP2003029382 A JP 2003029382A JP 2001215106 A JP2001215106 A JP 2001215106A JP 2001215106 A JP2001215106 A JP 2001215106A JP 2003029382 A JP2003029382 A JP 2003029382A
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Shoji Yasuda
庄司 安田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存時に写真性への影響が少ない遮光性
ロール形態のハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
と。 【解決手段】 対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)
の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線にお
いて、光学濃度0.3〜3.0におけるガンマーが5.
0以上である特性曲線を有することを特徴とする、遮光
性感光材料ロールの形態を有するハロゲン化銀写真感光
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、特に写真製版用スキャナー、イメージセッター
に適した超硬調ネガ型写真感光材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】写真製版におけるスキャナー、イメージ
セッター用ハロゲン化銀写真感光材料は、ロール形態で
使用される場合が多い。感光材料シートを巻芯の周囲に
巻き付けてなる感光材料ロールの巻芯の両端部に円盤状
遮光部材(遮光フランジともいう)を取り付け、そし
て、その外周に遮光リーダを巻き付けた感光材料ロール
の包装体(以下、遮光性感光材料ロールという)であっ
て、感光材料シートを露光させることなく明室で機械に
装填することができる遮光性感光材料ロールとしては、
以下に示す構成のものが知られている。
【0003】特許第2899594号明細書では、感光
材料ロール、遮光リーダ、そしてシーリングディスク、
その周縁部に切り込み部分(フラップ形状セグメント)
が設けられている可撓部およびハブ形状部からなる端部
キャップから構成され、感光材料ロールの周囲に遮光リ
ーダを巻き付け、端部キャップのハブ形状部を感光材料
ロールの中空コアに挿入し、フラップ形状セグメントを
折り曲げて、遮光リーダと端部キャップとを固定した遮
光性感光材料ロールが提案されている。しかし、この遮
光性感光材料ロールは、端部キャップの可撓部の形状が
複雑であり、かつ製造においても端部キャップの可撓部
を折り曲げるための装置が必要となる。
【0004】特開平11−105941号公報では、感
光材料ロールの周囲に遮光リーダを巻き付けた状態で、
感光材料ロールの両端面に円盤状遮光部材を取り付け、
円盤状遮光部材の周辺部を折り曲げて、遮光リーダと円
盤状遮光部材とを接着した遮光性感光材料ロールが提案
されている。しかし、この遮光性感光材料ロールも、上
記特許第2899594号明細書に提案されている遮光
性感光材料ロールと同様に、製造において、円盤状遮光
部材の可撓部を折り曲げるための装置が必要となる。
【0005】また、特開平8−62783号公報では、
感光材料より幅の広い遮光リーダを引っ張りながら感光
材料ロールに巻き付けることにより、遮光リーダを部分
的に伸ばして、感光材料ロールの遮光フランジの外側面
まで覆うように巻き付けた遮光性感光材料ロールが提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
ている構成では、長期に保存してると増感、減感やカブ
リの上昇と写真性に影響を及ぼすことがあり改良が望ま
れていた。従って、本発明の課題は、長期保存時に写真
性への影響が少ない遮光性ロール形態のハロゲン化銀写
真感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)の単位長の等し
い直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度
0.3〜3.0におけるガンマーが5.0以上である特
性曲線を有し、かつ該感光材料が巻芯の周囲に巻き付け
られてなる感光材料ロールの形態を有しており、ロール
の巻芯の両端部のそれぞれに取り付けられた、感光材料
ロールの半径と略同一の半径を有する円盤状遮光部材、
そして該感光材料ロールの長尺状感光材料シートの先端
部に接合されている、長さが該円盤状遮光部材の円周よ
りも長く、幅が該長尺状感光材料シートの幅と略同一の
長尺遮光シートの両側部に、それぞれ幅方向に張り出す
ように、両側端部に沿って、長さが該円盤状遮光部材の
円周よりも長く、長さ方向に沿って引裂き可能な熱収縮
性遮光フィルム製細片が付設されてなる遮光リーダを含
み、かつ該熱収縮性遮光フィルム製細片の張り出し部が
円盤状遮光部材の外周縁部を超えて外側表面に主として
長さ方向に熱収縮した状態で融着した遮光性感光材料ロ
ールであることを特徴とするハロゲン化銀感光材料を提
供する。
【0008】本発明の前記ハロゲン化銀写真感光材料
は、巻芯が中空であり、かつ円盤状遮光部材がその中心
部分の表面にリング状突起を有していて、そのリング状
突起が中空巻芯の内壁に接触するように、巻芯内部には
め込まれた遮光性感光材料ロールであること、引裂き可
能な熱収縮性遮光フィルム製細片が長さ方向に沿って
0.1〜0.5Nのエルメンドルフ引裂強さを示す遮光
性感光材料ロールであること、引裂き可能な熱収縮性遮
光フィルム製細片が、遮光リーダの巻き出し時に、遮光
シートの側端部に平行な方向もしくは側端部から遠ざか
る方向に引裂かれる特性をもつ遮光性感光材料ロールで
あること、引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細片
が、100℃において長さ方向の熱収縮率が5〜30%
の範囲にあり、幅方向の熱収縮率が長さ方向の熱収縮率
よりも1%以上小さい値を示す遮光性感光材料ロールで
あること、引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細片
が、熱収縮性フィルムとその両側表面のそれぞれに積層
された実質的に熱収縮性を示さない熱可塑性遮光性フィ
ルムとからなる遮光性感光材料ロールであること、及び
長尺遮光シートの両側部に、それぞれ幅方向に張り出す
ように、両側端部に沿って、長さ方向に沿って引裂き可
能な熱収縮性遮光フィルム製細片が付設された遮光リー
ダを有する遮光性感光材料ロールであることが好まし
い。
【0009】また、本発明の前記ハロゲン化銀写真感光
材料は、ヒドラジン化合物を含有することが好ましく、
乳剤層側の膜面pHが6.0以下であることが好まし
い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のハロゲン
化銀写真感光材料について詳細に説明する。なお、本明
細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれ
ぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
【0011】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、対
数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)の単位長の等しい
直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度
0.3〜3.0におけるガンマーが5.0以上である特
性曲線を有することを1つの特徴とする。本発明でいう
ガンマーとは、光学濃度(y軸)と常用対数露光量(x
軸)で表される単位長の等しい直交座標軸上に示される
特性曲線において、光学濃度0.3と3.0との2点で
直線を引いたときの勾配である。即ち、直線とx軸のな
す角度をθとするとtanθで示される。本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料のガンマーは5.0以上である。
【0012】本発明で規定している特性曲線を有する感
光材料の具体的な処理条件と使用液を記載するとすれ
ば、下記の通りである。 現像液: 富士写真フイルム株式会社製ND−1 定着液: 富士写真フイルム株式会社製NF−1 自動現像機: 富士写真フイルム株式会社製FG−68
0AG 現像条件: 35℃で30秒
【0013】本発明で規定している特性曲線を有する感
光材料を得る方法は多岐にわたり、その詳細は特に制限
されない。好ましい具体例として以下のものを挙げるこ
とができる。一つの例としては、ハロゲン化銀乳剤に、
高コントラストを実現できる重金属、例えばVIII族
に属する金属を含有させる方法を挙げることができる。
特に、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム
化合物などを含有させることが好ましい。また、乳剤層
を含む側に造核剤としてヒドラジン誘導体、あるいはア
ミン化合物、ホスホニウム化合物等の化合物を少なくと
も1種含有させる方法を挙げることもできる。図2に、
本発明の遮光性感光材料ロールの一例の分解斜視図を示
す。本発明の遮光性感光材料ロールは、長尺状感光材料
シート3を巻芯2の周囲に巻き付けてなる感光材料ロー
ル1、感光材料ロールの巻芯2の両端部に取り付けら
れ、感光材料ロールの両端面に照射する光を遮光する一
対の円盤状遮光部材4、感光材料ロール1の長尺状感光
材料シート3の先端に接合され、感光材料ロールの外周
に巻き付けられて、感光材料ロールの外周面に照射する
光を遮光する遮光リーダ5、および遮光リーダと感光材
料ロールとを接合する粘着テープ8b、遮光リーダの先
端部に取り付けられ、遮光リーダを封止する接着テープ
8aから構成される。
【0014】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
する遮光性感光材料ロールは、遮光リーダ5が、長尺状
遮光シート6の両側部に、それぞれ幅方向に突き出すよ
うに両側端部に沿って、長さ方向に引裂き可能な熱収縮
性遮光フィルム製細片7が付設されてなるものであるこ
とに主な特徴がある。
【0015】遮光シート6は、長さが円盤状遮光部材の
円周よりも長く、好ましくは円盤状遮光部材の円周の二
倍よりも短く、幅が長尺状感光材料シートの幅と略同一
であるシートである。熱収縮性遮光フィルム製細片7
は、長さが円盤状遮光部材の円周よりも長く、遮光シー
トよりも短いフィルムである。なお、熱収縮性遮光フィ
ルム製細片7は、遮光性シート6の感光材料ロールと接
しない側の表面に付設されていることが好ましい。
【0016】遮光シート6は、熱収縮性をほとんどある
いは全く示さないものであることが好ましく、公知の遮
光性感光材料ロール用遮光リーダを使用することができ
る。具体的な遮光シート6の例としては、カーボンブラ
ックなどの顔料を混入させた低密度ポリエチレンシート
などの遮光性プラスチックシートなどが挙げられる。
【0017】熱収縮性遮光フィルム製細片7の熱収縮率
は、フィルムの長さ方向の熱収縮率が幅方向により相対
的に大きいことが好ましい。例えば、100℃における
熱収縮性遮光フィルム製細片の長さ方向の熱収縮率は、
5%以上、好ましくは10%以上であり、幅方向の収縮
率よりも絶対的な差として1%以上大きいことが望まし
い。なお、本発明における熱収縮性遮光フィルム製細片
の熱収縮率は、JISZ 1709−1976(収縮包
装用フィルム)に規定されている方法に準じて測定した
値である。
【0018】熱収縮性遮光フィルム製細片7は、長さ方
向におけるエンメルドルフ引裂荷重が、0.1〜0.5
Nの範囲内にあることが好ましい。長さ方向におけるエ
ンメルドルフ引裂荷重が、0.5より大きくなると熱収
縮性遮光フィルム製細片が引裂きにくくなり、また、エ
ンメルドルフ引裂荷重が、0.1Nより小さくなると、
遮光性感光材料ロールの輸送時に、熱収縮性遮光フィル
ム製細片が引裂けてしまうことがある。なお、本発明に
おける熱収縮性遮光フィルム製細片のエンメルドルフ引
裂荷重は、JIS K 7128−2:1998(プラ
スチック−フィルムおよびシートの引裂き強さ試験方法
−第2部)に規定されている方法に準じて測定した値で
ある。
【0019】熱収縮性遮光フィルム製細片の例として
は、長さ方向に大きな熱収縮性を有し、かつ長さ方向に
引裂き可能な透明あるいは半透明の熱収縮性フィルム
(シュリンクフィルム)に、熱収縮性をほとんどあるい
は全く示さない遮光性フィルムを貼り合わせた積層フィ
ルムを挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。この積層型の熱収縮性遮光フィルム製細片に使
用できるシュリンクフィルムとしては、例えば、ファン
シーラップ(商品名、グンゼ(株)製)のグレードがT
HS、TNS、TAS、TBS、TRSであるものを挙
げることができる。また、積層型の熱収縮性遮光フィル
ム製細片に使用できる遮光性フィルムとしては、例え
ば、カーボンブラックなどの顔料を混入させた低密度ポ
リエチレンフィルムなどのフィルムを挙げることができ
る。
【0020】積層型の熱収縮性遮光フィルム製細片の層
構成としては、熱収縮性フィルムの両側表面のそれぞれ
に遮光性フィルムを積層した構成、熱収縮性フィルムの
一方の表面に遮光性フィルムを積層した構成、遮光性フ
ィルムの両側表面のそれぞれに熱収縮性フィルムを積層
した構成を挙げることができる。これらの層構成の中で
も、熱収縮性フィルムの両側表面のそれぞれに遮光性フ
ィルムを積層した構成が好ましい。
【0021】熱収縮性遮光フィルム製細片の厚みは10
0μm以下、特に60〜90μmの範囲内にあることが
好ましい。積層型の熱収縮性遮光フィルム製細片の場
合、熱収縮性フィルムの厚みは20〜40μmの範囲内
にあることが好ましい。遮光性フィルムの厚みは20〜
40μmの範囲内にあることが好ましく、熱収縮性フィ
ルムの厚みよりも1μm以上厚いことがより好ましい。
【0022】積層型の熱収縮性遮光フィルム製細片は、
熱収縮性フィルムと遮光性フィルムとの貼り合わせ強度
が大きいほど切り裂き性が良好になる。熱収縮性フィル
ムと遮光性フィルムとの貼り合わせ強度は、15mm幅
で1.5N以上であることが好ましい。なお、この貼り
合わせ強度は、JIS Z 0237に規定されている
方法に準じて測定した値である。
【0023】積層型の熱収縮性遮光フィルム製細片の製
造方法(熱収縮性フィルムと遮光性フィルムとを貼り合
わせる方法)に、特別な制限はなく、押し出しラミネー
ト法、ドライラミネート法(溶剤型接着剤、非溶剤型接
着剤のいずれの接着剤も使用可能)を採用することがで
きる。
【0024】本発明では、遮光性感光材料ロールにおい
て巻芯2は、中空状の紙管あるいはプラスチック管を用
いることができる。また、円盤状遮光部材4は、遮光性
を有し、遮光リーダの熱収縮性遮光フィルム製細片をそ
の表面に融着させる際に変形し難いものであれば、その
材質などには特には制限はない。円盤状遮光部材4に
は、通常、中心部分の表面にリング状突起が設けられて
いるフランジ形状のものが用いられる。円盤状遮光部材
4は、リング状突起とフランジ部分とが一体となってい
なくともよい。図2に示すように、リング4bにキャッ
プ4aをはみ込み、キャップ4aのフランジ部分内側と
リング4bの外側表面とを接着固定することにより形成
してもよい。巻芯2と円盤状遮光部材4との取り付け
は、円盤状遮光部材4のキャップ4aを中空巻芯の内壁
に接触するように、巻芯内部にはめ込むことにより行う
ことが好ましく、リング状突起部と巻芯の内壁とは、接
着剤により接着されていることがさらに好ましい。
【0025】従来より、遮光性感光材料ロールの遮光リ
ーダの表面には、長尺感光材料シートの感光材料(写真
乳剤)の品種、製品番号(ロットナンバー)などを示す
識別記号が外観から一目でわかるように付されている。
本発明では、遮光性感光材料ロールにおいても従来と同
様に、遮光リーダの表面には、長尺感光材料シートの識
別記号が付されていることが好ましい。さらに、本発明
に用いる遮光性感光材料ロールでは、遮光性感光材料ロ
ールの使用後(すわなち、長尺感光材料シートを巻き出
した後)においても、長尺感光材料シートの感光材料の
品種、製品番号がわかるように、円盤状遮光部材あるい
は巻芯にも識別記号を付しておくことが好ましい。円盤
状遮光部材あるいは巻芯に識別記号を付する方法には、
特別な制限はない。具体的には、レーベルに識別記号を
印字して貼り付ける方法、インクジェットプリンタ、感
圧・感熱プリンタ、レーザマーカなどの印刷機で直接、
識別記号を印字する方法を挙げることができる。
【0026】遮光性感光材料ロールにおいて遮光リーダ
と感光材料ロールとを接合する粘着テープ8b、遮光リ
ーダの先端部に取り付けられ、遮光リーダを封止する接
着テープ8aには特に制限はなく、一般に市販されてい
る粘着テープを使用することができる。
【0027】図3に、遮光性感光材料ロールの一例の製
造工程図を示す。本発明において、遮光性感光材料ロー
ルは例えば下記の工程により製造することができる。
【0028】(1)感光材料ロール1の巻芯2の両端部
のそれぞれに円盤状遮光部材4を取り付け、長尺状感光
材料シート3の先端に、遮光リーダ5の先端部を取り付
ける工程(第一工程)。 (2)遮光リーダ5を、感光材料ロール1の周囲に巻き
付けながら、遮光リーダの熱収縮性遮光フィルム製細片
7の表面に熱風を吹き付けて、熱収縮性遮光フィルム製
細片7を収縮させて、円盤状遮光部材4の外側表面に熱
収縮性遮光フィルム製細片を接触(密着)させる工程
(第二工程)。 (3)遮光リーダの巻き終わりの先端部と遮光リーダの
一周回前の外側表面とを接着テープ8aにより封止する
工程(第三工程)。 (4)上記第二工程により、円盤状遮光部材の外側表面
に接触(密着)している熱収縮性遮光フィルム製細片7
の表面にヒータ9を押し当てて、円盤状遮光部材4の外
側表面に熱収縮性遮光フィルム製細片を融着させる工程
(第四工程)。
【0029】図4に、上記の工程により製造された遮光
性感光材料ロールの部分断面図を示す。遮光性感光材料
ロールは、円盤状遮光部材4の内側表面が長尺状感光材
料シート3の両側端面に接触して、長尺状感光材料シー
ト3の両端を遮光し、遮光リーダ5の遮光シート6が感
光材料シートの周りに巻き付けられ、長尺状感光材料シ
ート3の外周面を、熱収縮性遮光フィルム製細片7が遮
光シート6と円盤状遮光部材4との隙間を遮光する。そ
して、遮光リーダ5の熱収縮性遮光フィルム製細片7
が、円盤状遮光部材4の外側表面に融着しているので、
遮光リーダが感光材料ロールから外れにくくなる。
【0030】図5の(a)〜(c)に、遮光性感光材料
ロールから感光材料シートを巻き出す操作を表した概略
図を示す。以下、図を参照しながら遮光性感光材料ロー
ルから感光材料シートを取り出す操作を説明する。遮光
性感光材料ロールの遮光リーダ5を矢印方向に引っ張る
ことにより、遮光リーダの熱収縮性遮光フィルム製細片
7の遮光シート6に融着している部分と円盤状遮光部材
4に密着している部分との間に亀裂が生じる(図5
(a)参照)。なお、この亀裂を生じ易くするために、
熱収縮性遮光フィルム製細片の先端部側に予め切り込み
を設けておくことが好ましい。さらに遮光リーダを引っ
張ると、遮光リーダの亀裂が伸びて、遮光リーダが遮光
性感光材料ロールから引裂かれる(図5(b)参照)。
そして、遮光リーダの熱収縮性遮光フィルム細片7が完
全に引裂れた状態で、遮光リーダを引っ張ると長尺感光
材料シート3を取り出すことができる(図5(c)参
照)。
【0031】遮光性感光材料ロールから熱収縮性遮光フ
ィルム製細片の引裂きにより、遮光リーダの巻き出しを
行う場合、熱収縮性遮光フィルム製細片を、遮光シート
の側端部に平行な方向もしくは側端部から遠ざかる方向
に引裂くことが好ましい。このように熱収縮性遮光フィ
ルム製細片を引裂くことによって、長尺感光材料シート
の搬送(一旦巻き出した長尺感光性材料シートを巻き出
す場合と一旦巻き出した長尺感光性材料シートを再度巻
芯に巻き戻す場合とがある)が、円盤状遮光部材側に残
った熱収縮性遮光フィルム製細片に妨害されにくくな
る。
【0032】熱収縮性遮光フィルム製細片が引裂かれる
方向は、熱収縮性遮光フィルム製細片の配向性の影響を
受ける。従って、熱収縮性遮光フィルム製細片を遮光性
シートに付設する際には、熱収縮性遮光フィルム製細片
の配向が遮光性シートの側端部に沿って平行な方向とな
るように、あるいは、該配向が遮光リーダとした時に長
尺感光材料シートに接合する側に向かって遮光性シート
の側端部から遠ざかる方向となるようすることが好まし
い。なお、熱収縮性遮光フィルム製細片が積層型である
場合、遮光フィルムに実質的に配向のないフィルムを用
い、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)の配向に
より熱収縮性遮光フィルム製細片の配向を決定すること
が好ましい。
【0033】本発明の感光材料は、ヒドラジン化合物を
含有することが好ましい。特に、造核剤として一般式
(D)で表されるヒドラジン誘導体を少なくとも1種含
有することが好ましい。
【0034】一般式(D)
【化1】
【0035】式中、R20は脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック基を
表し、G10は−CO−、−COCO−、−C(=S)
−、−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30
はR10に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異
なっていてもよい。)、またはイミノメチレン基を表
す。A10、A20はともに水素原子、あるいは一方が水素
原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。
【0036】一般式(D)において、R20で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置
換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基である。一般式(D)において、R20
で表される芳香族基は単環もしくは縮合環のアリール基
で、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R
20で表されるヘテロ環基としては、単環または縮合環
の、飽和もしくは不飽和の、芳香族または非芳香族のヘ
テロ環基で、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノリン
環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチア
ゾール環、ピペリジン環、トリアジン環等が挙げられ
る。R20として好ましいものはアリール基であり、特に
好ましくはフェニル基である。
【0037】R20が示す基は置換されていてもよく、代
表的な置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原
子、クロロ原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキ
ル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基
等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基
(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイ
ル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモ
イル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキ
シ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ
もしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(ア
ルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、N−置
換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド
基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル
もしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレ
イド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ
基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテ
ロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル
基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スル
ホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスル
ファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその
塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む
基、等が挙げられる。これら置換基は、これらの置換基
でさらに置換されていてもよい。
【0038】R20が有していてもよい置換基として好ま
しくは、炭素数1〜30のアルキル基(活性メチレン基
を含む)、アラルキル基、ヘテロ環基、置換アミノ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、イミド基、チオウレイド基、リン
酸アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基(その塩を含む)、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含
む)、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基等が挙げられる。
【0039】一般式(D)において、R10は水素原子ま
たはブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基またはヒドラジノ基を表す。
【0040】R10で表されるアルキル基として好ましく
は、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル
基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基,2−
カルボキシテトラフルオロエチル基,ピリジニオメチル
基、ジフルオロメトキシメチル基、ジフルオロカルボキ
シメチル基、3−ヒドロキシプロピル基、メタンスルホ
ンアミドメチル基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、
ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、メチルチオメ
チル基、フェニルスルホニルメチル基、o−ヒドロキシ
ベンジル基などが挙げられる。アルケニル基として好ま
しくは炭素数1〜10のアルケニル基であり、例えばビ
ニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−エトキシカル
ボニルビニル基、2−トリフルオロ−2−メトキシカル
ボニルビニル基等が挙げられる。アルキニル基として好
ましくは炭素数1〜10のアルキニル基であり、例えば
エチニル基、2−メトキシカルボニルエチニル基等が挙
げられる。アリール基としては単環もしくは縮合環のア
リール基が好ましく、ベンゼン環を含むものが特に好ま
しい。例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニル
基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、2−カルバ
モイルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ヒドロ
キシメチルフェニル基などが挙げられる。ヘテロ環基と
して好ましくは、少なくとも1つの窒素、酸素、および
硫黄原子を含む5〜6員の、飽和もしくは不飽和の、単
環もしくは縮合環のヘテロ環基で、4級化された窒素原
子を含むヘテロ環基であってもよく、例えばモルホリノ
基、ピペリジノ基(N−置換)、ピペラジノ基、イミダ
ゾリル基、インダゾリル基(4−ニトロインダゾリル基
等)、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾイミダゾ
リル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリジニオ基
(N−メチル−3−ピリジニオ基等)、キノリニオ基、
キノリル基などがある。モルホリノ基、ピペリジノ基、
ピリジル基、ピリジニオ基等が特に好ましい。
【0041】アルコキシ基としては炭素数1〜8のアル
コキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロキ
シエトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリ
ールオキシ基としてはフェノキシ基が好ましく、アミノ
基としては無置換アミノ基、および炭素数1〜10のア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしく
は不飽和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を
含む含窒素ヘテロ環基を含む)が好ましい。アミノ基の
例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−4−イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキ
シエチルアミノ基、アニリノ基,o−ヒドロキシアニリ
ノ基、5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル
−3−ピリジニオアミノ基等が挙げられる。ヒドラジノ
基としては置換もしくは無置換のヒドラジノ基、または
置換もしくは無置換のフェニルヒドラジノ基(4−ベン
ゼンスルホンアミドフェニルヒドラジノ基など)が特に
好ましい。
【0042】R10で表される基は置換されていてもよ
く、好ましい置換基としてはR20の置換基として例示し
たものがあてはまる。
【0043】一般式(D)に於いてR10はG10−R10
部分を残余分子から分裂させ、−G 10−R10部分の原子
を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するような
ものであってもよく、その例としては、例えば特開昭6
3−29751号公報などに記載のものが挙げられる。
【0044】一般式(D)で表されるヒドラジン誘導体
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メ
ルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号明細書、同第4,459,347
号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−
200231号公報、同59−201045号公報、同
59−201046号公報、同59−201047号公
報、同59−201048号公報、同59−20104
9号公報、特開昭61−170733号公報、同61−
270744号公報、同62−948号公報、同63−
234244号公報、同63−234245号公報、同
63−234246号公報に記載された基があげられ
る。またこれらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサ
ー化されていてもよい。その様なプレカーサーとして
は、特開平2−285344号公報に記載された基が挙
げられる。
【0045】一般式(D)のR10またはR20はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。本発明においてバラスト基とは、6以上の炭素
数を有する、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(または
アルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレンオキ
シ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミノ
基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造とし
て有する基を表し、さらに好ましくは炭素数7〜24
の、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(またはアルキレ
ン基)、アルコキシ基(またはアルキレンオキシ基)、
アルキルアミノ基(またはアルキレンアミノ基)、アル
キルチオ基、あるいはこれらを部分構造として有する基
を表す。またポリマーとしては、例えば特開平1−10
0530号公報に記載のものが挙げられる。
【0046】一般式(D)のR10またはR20は、置換基
としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時
一般式(D)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関し
ての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86
134号公報、特開平4−16938号公報、特開平5
−197091号公報、WO95−32452号公報、
WO95−32453号公報、特開平9−179229
号公報、特開平9−235264号公報、特開平9−2
35265号公報、特開平9−235266号公報、特
開平9−235267号公報等に記載された化合物が挙
げられる。
【0047】一般式(D)のR10またはR20は、その中
に、カチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を
含む基、4級化されたリン原子を含む基、または4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレン
オキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を
含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ
基、あるいは解離性基(アルカリ性の現像液で解離しう
る酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構造、
あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えばカル
ボキシ基/−COOH、スルホ基/−SO3H、ホスホ
ン酸基/−PO3H、リン酸基/−OPO3H、ヒドロキ
シ基/−OH基、メルカプト基/−SH、−SO2NH2
基、N−置換のスルホンアミド基/−SO2NH−基、
−CONHSO2−基、−CONHSO2NH−基、−N
HCONHSO2−基、−SO2NHSO2−基、−CO
NHCO−基、活性メチレン基、含窒素ヘテロ環基に内
在する−NH−基、またはこれらの塩等)が含まれてい
てもよい。これらの基が含まれる例としては、例えば特
開平7−234471号公報、特開平5−333466
号公報、特開平6−19032号公報、特開平6−19
031号公報、特開平5−45761号公報、米国特許
第4,994,365号明細書、米国特許第4,98
8,604号明細書、特開平7−259240号公報、
特開平7−5610号公報、特開平7−244348号
公報、独特許4006032号明細書、特開平11−7
093号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0048】一般式(D)に於いてA10、A20は水素原
子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニ
ル基(好ましくはフェニルスルホニル基、またはハメッ
トの置換基定数の和が−0.5以上となるように置換さ
れたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル
基(好ましくはベンゾイル基、またはハメットの置換基
定数の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾ
イル基、あるいは直鎖、分岐、または環状の置換もしく
は無置換の脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例
えばハロゲン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カ
ルボンアミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ
基等が挙げられる))である。A10、A 20としては水素
原子が最も好ましい。
【0049】次に本発明において、特に好ましいヒドラ
ジン誘導体について述べる。R20は置換フェニル基が特
に好ましく、置換基としてはスルホンアミド基、アシル
アミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、チオウレイド
基、イソチオウレイド基、スルファモイルアミノ基、N
−アシルスルファモイルアミノ基等が特に好ましく、さ
らにスルホンアミド基、ウレイド基が好ましく、スルホ
ンアミド基が最も好ましい。一般式(D)で表されるヒ
ドラジン誘導体は、R20またはR10に、置換基として、
直接または間接的に、バラスト基、ハロゲン化銀への吸
着基、4級のアンモニオ基を含む基、4級化された窒素
原子を含む含窒素ヘテロ環基、エチレンオキシ基の繰り
返し単位を含む基、(アルキル、アリール、またはヘテ
ロ環)チオ基、アルカリ性の現像処理液中で解離しうる
解離性基、もしくは多量体を形成しうるヒドラジノ基
(−NHNH−G10−R10で表される基)の少なくとも
1つが置換されていることが特に好ましい。さらには、
20の置換基として、直接または間接的に、前述の何れ
か1つの基を有することが好ましく、最も好ましいの
は、R20がベンゼンスルホンアミド基で置換されたフェ
ニル基を表し、そのベンゼンスルホンアミド基のベンゼ
ン環上の置換基として、直接または間接的に、前述の何
れか1つの基を有する場合である。
【0050】R10で表される基のうち好ましいものは、
10が−CO−基の場合には、水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテ
ロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル
基、置換アリール基(置換基としては電子吸引性基また
はo−ヒドロキシメチル基が特に好ましい)であり、最
も好ましくは水素原子またはアルキル基である。G10
−COCO−基の場合にはアルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミノ基が好ましく、特に置換アミノ基、詳しく
はアルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和も
しくは不飽和のヘテロ環アミノ基が好ましい。またG10
が−SO2−基の場合には、R10はアルキル基、アリー
ル基または置換アミノ基が好ましい。
【0051】一般式(D)に於いてG10は好ましくは−
CO−基または−COCO−基であり、特に好ましくは
−CO−基である。
【0052】次に一般式(D)で示される化合物の具体
例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化合物に限定
されるものではない。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
【化4】
【0056】
【化5】
【0057】
【化6】
【0058】
【化7】
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】
【化10】
【0062】
【化11】
【0063】
【化12】
【0064】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好
ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導
体はまた、下記の特許に記載された種々の方法により、
合成することができる。
【0065】特公平6−77138号公報に記載の(化
1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁
に記載の化合物。特公平6−93082号公報に記載の
一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8
頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−23
0497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公
報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、
および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6
−7。特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1)。特開平6−313936号公報に
記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具
体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6
−313951号公報に記載の(化1)で表される化合
物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特
開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化
合物I−1〜I−38。特開平7−77783号公報に
記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には
同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−
102。特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体
的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−
44。特開平9−22082号公報に記載の、ヒドラジ
ン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子
と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有すること
を特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に
記載の化合物N−1〜N−30。特開平9−22082
号公報に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体
的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55。この
他、WO95−32452号、WO95−32453
号、特開平9−179229号公報、特開平9−235
264号公報、特開平9−235265号公報、特開平
9−235266号公報、特開平9−235267号公
報、特開平9−319019号公報、特開平9−319
020号公報、特開平10−130275号公報、特開
平11−7093号公報、特開平6−332096号公
報、特開平7−209789号公報、特開平8−619
3号公報、特開平8−248549号公報、特開平8−
248550号公報、特開平8−262609号公報、
特開平8−314044号公報、特開平8−32818
4号公報、特開平9−80667号公報、特開平9−1
27632号公報、特開平9−146208号公報、特
開平9−160156号公報、特開平10−16126
0号公報、特開平10−221800号公報、特開平1
0−213871号公報、特開平10−254082号
公報、特開平10−254088号公報、特開平7−1
20864号公報、特開平7−244348号公報、特
開平7−333773号公報、特開平8−36232号
公報、特開平8−36233号公報、特開平8−362
34号公報、特開平8−36235号公報、特開平8−
272022号公報、特開平9−22083号公報、特
開平9−22084号公報、特開平9−54381号公
報、特開平10−175946号公報、記載のヒドラジ
ン誘導体。
【0066】本発明で用いるアシルヒドラジド部および
ニコチンアミド部の双方を含むモノマーが連結基によっ
て結合された二量体であることを特徴とするヒドラジン
化合物について説明する。造核剤(硬調化剤)として用
いられ、具体的には以下の一般式(1)、(2)で表さ
れる。
【0067】一般式(1)
【化13】 一般式(2)
【化14】
【0068】式中、連結基Lによって結合された各々の
モノマーは同じかまたは異なっており、Jはニコチンア
ミド残基であり、Eは置換アリールまたは複素環であ
り、A 1およびA2の一方は水素原子であり、他方は水素
原子、アシル基、またはアルキルスルホニル基もしくは
アリールスルホニル基であって、それらのいずれが置換
されていてもよく、Dはブロック基であり、そしてLは
連結基であり、X-はアニオン性対イオンである。
【0069】以下の一般式(3)、(4)または(5)
で表される化合物がより好ましく、中でも一般式(3)
の化合物が最も好ましい。
【0070】一般式(3)
【化15】
【0071】一般式(4)
【化16】
【0072】一般式(5)
【化17】
【0073】これらの化合物において、各々のR1CO
はブロック基を含んでなり、特に各々のR1が同じかも
しくは異なっており、水素原子、並びに未置換もしくは
置換アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基
もしくはアリールオキシカルボニル基およびアルキルア
ミノカルボニル基もしくはアリールアミノカルボニル基
から選ばれるか、または各々のR1が少なくとも1個の
窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含有している5
もしくは6員の環を有する未置換もしくは置換複素環式
基であるかもしくは当該複素環式基を含有していて、当
該環が直接にもしくはアルキル基、アルコキシ基、カル
ボニル基、アミノカルボニル基もしくはアルキルアミノ
カルボニル基を介してカルボニル基に結合されていても
よく、そして当該環がベンゼン環に縮合していてもよ
く、各々のR2、R3およびR7は同じかまたは異なって
おり、水素原子および未置換もしくは置換アルキル基ま
たはアリール基から選ばれ、そしてpは0または1であ
り、各々のR4、R5およびR 6は同じかまたは異なって
おり、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ
基、並びに未置換または置換アルキル基、アリール基、
複素環基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオ
キシ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、チオウレイド基、セミカルバジド基、チオセミカ
ルバジド基、ウレタン基、第四級アンモニウム基、アル
キルチオ基もしくはアリールチオ基、アルキルスルホニ
ル基もしくはアリールスルホニル基、アルキルスルフィ
ニル基もしくはアリールスルフィニル基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基もしくはアリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホス
ホンアミド基、ジアシルアミノ基、イミド基、もしくは
アシルウレア基、セレン原子もしくはテルル原子を含有
している基、および第三級スルホニウム構造を有する基
から個別にまたはいっしょに選ばれていてもよく、各々
のqおよびmは同じかまたは異なっており、qは0〜4
の整数であり、mは0〜3の整数であり、各々のXは同
じかまたは異なっており、C、S=O、およびC−NH
から選ばれ、各々の(link1)は同じかまたは異な
っており、未置換または置換アルキレン基、ポリアルキ
レン基、アリール基、アリールアミノカルボニル基、も
しくは複素環式基から選ばれ、各々のnは0または1で
あり、そして各々の(link 2)は未置換または置換
ポリアルキレン、ポリアルキレンオキシド基、アルキレ
ン基によって互いから隔てられている窒素原子、酸素原
子、および硫黄原子から選ばれる1個以上のヘテロ原子
を含有しているポリアルキレン基、またはアルキレン基
が未置換もしくは置換アリール基もしくは複素環基によ
って隔てられている未置換もしくは置換ポリアルキレン
基から選ばれる結合基であり、そしてX-はアニオン性
対イオンである。
【0074】ここでアルキルという用語は、1〜20個
の原子を有する未置換または置換の直鎖または枝分かれ
鎖のアルキル基(アルケニル基を含む)を指し、3〜8
個の炭素原子を有するシクロアルキル基を含む。アリー
ル基という用語は、その範囲内にアラルキル基(および
特定の縮合アリール基)を含む。複素環という用語は、
具体的には、その範囲内に縮合複素環を含む。ポリアル
キレン基という用語は基(CH2)n(nは2〜50の
整数)であると定義する。また、「ブロック基」という
用語は、(ヒドラジン)基を保護するのに好適であるけ
れども、必要な場合には容易に脱離可能な基を指す。
【0075】R1が水素原子であるか、または未置換も
しくは置換アルキル基(例えばメチル基、トリフロロメ
チル基、1,3−メチルスルホンアミド−プロピル基、
メチルスルホニルメチル基もしくはフェニルスルホニル
メチル基、カルボキシテトラフルオロエチル基)、未置
換もしくは置換アリール基(例えばフェニル、3,5−
ジクロロフェニル、o−メタン−スルホンアミドフェニ
ル、4−メタンスルホニルフェニル、2−(2'−ヒド
ロキシエチル)−フェニル、2−ヒドロキシ−4−メチ
ルフェニル、o−ヒドロキシベンジル基)、カルボニル
含有基(例えばアルキルアミノカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、または
ヒドロキシアルキルアミノカルボニル基)であるか、あ
るいはイミダゾリル基、ピラゾールイル基、トリアゾー
ルイル基、テトラゾールイル基、ピリジル基、ピリジニ
ウム基、ピペリジニル基、モルホリノ基、キノリニウム
基またはキノリニル基を含有しているか、あるいはR1
が、写真に有用な断片を分裂する基、例えばフェニルメ
ルカプトテトラゾール基または5−もしくは6−ニトロ
インダゾール基を含んでいてもよい。これらのいくつか
の例は、米国特許第5,328,801号明細書におい
て開示されている。R2およびR3は好ましくは水素原子
であるか、またはpが好ましくは1であるアルキル基で
あり、R4、R5およびR6は好ましくは水素原子である
か、またはqが好ましくは0または1であり、mが好ま
しくは0であるアルキル基またはアルコキシ基である。
7は好ましくは水素原子であるか、または例えばジア
ルキルアミノ基で任意に置換されたアルキル基である。
【0076】XがS=Oである場合、nが1であり、
(link1)がアリールアミノ基またはアリール−ア
ミノカルボニル基、好ましくは1種以上のアルキル基、
カルボニル基またはハロゲン原子で環が置換されていて
もよいフェニルアミノカルボニル基を含んでなることが
好ましい。XがCまたはC−NHである場合は、nが0
であって、(link1)基が存在しないことが好まし
い。
【0077】(link2)基は、アルキレン基、好ま
しくは概して4個または6個のメチレン基(1個以上の
O原子またはS原子によって隔てられていてもよい)を
含むポリアルキレン基を含んでなるのが好ましい。例え
ば、(link2)は(CH2 4、(CH26、(C
22S(CH22または(CH22O(CH22
(CH22であってもよい。あるいは、(link2
は偶数のメチレン基で伸びているポリアルキレンオキシ
ド鎖、例えば(CH2CH2O)14CH2CH2であっても
よく、または、例えばCH264CH2基を含んでいて
もよい。
【0078】アニオン性対イオンは、当該技術分野にお
いて周知のものから選んでもよく、概してCl-、B
-、I-、CF3COO-、CH3SO3 -、TsO-から選
んでもよい。
【0079】特に断らない限り、本明細書中の分子に使
用可能な置換素には,置換または美置換にかかわらず、
写真用途に必要な特性を阻害しない限り如何なる基も含
まれる。置換基は、本明細書中で言及されているいずれ
かの基(複数種であってもよい)でさらに置換された形
も包含する。
【0080】好ましくは、置換基は、ハロゲン原子であ
ってもよく、または炭素、珪素、酸素、窒素、リン、ま
たは硫黄の原子によって分子の残りに結合されていても
よい。置換基は、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子またはフッ素原子)、ニトロ基、ヒドロキ
シル基、シアノ基、カルボキシル基であってもよく、あ
るいは、直鎖または枝分かれ鎖アルキルを含むアルキル
基(例えばメチル基、トリフロロメチル基、エチル基、
tert−ブチル基、3−(2,4−ジ−tert−ペ
ンチルフェノキシ)−プロピル基、およびテトラデシル
基)、アルケニル基(例えばエチレン基、2−ブテン
基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、2−メトキシ−エトキシ
基、sec−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチ
ルヘキシルオキシ基、テトラ−デシルオキシ基、2−
(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)−エト
キシ基、および2−ドデシルオキシエトキシ)基、アリ
ール基(例えばフェニル基、4−tert−ブチルフェ
ニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル
基)、アリールオキシ(例えばフェノキシ、2−メチル
フェノキシ、α−またはβ−ナフチルオキシ、および4
−トリルオキシ)基、カルボンアミド基(例えばアセト
アミド基、ベンズアミド基、ブチルアミド基、テトラデ
カンアミド基、α−(2,4−ジ−tert−ペンチル
フェノキシ)−アセトアミド基、α−(2,4−ジ−t
ert−ペンチルフェノキシ)−ブチルアミド基、α−
(3−ペンタデシルフェノキシ)−ヘキサンアミド基、
α−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェノキ
シ)−テトラデカンアミド,2−オキソ−ピロリジン−
1−イル基、2−オキソ−5−テトラデシルピロリジン
−1−イル基、N−メチルテトラデカンアミド基、N−
スクシンイミド基、N−フタルイミド基、2,5−ジオ
キソ−1−オキサゾリジニル基、3−ドデシル−2,5
−ジオキソ−1−イミダゾリル基、およびN−アセチル
−N−ドデシルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ
基、フェノキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ基、ヘキサデシルオキシカルボニルアミ
ノ基、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボ
ニルアミノ基、フェニル−カルボニルアミノ基、2,5
−(ジ−tert−ペンチルフェニル)−カルボニルア
ミノ基、p−ドデシルフェニルカルボニルアミノ基、p
−トルイルカルボニルアミノ基、N−メチルウレイド
基、N,N−ジメチルウレイド基、N−メチル−N−ド
デシルウレイド基、N−ヘキサデシルウレイド基、N,
N−ジオクタデシルウレイド基、N,N−ジオクチル−
N'−エチルウレイド基、N−フェニルウレイド基、
N,N−ジフェニルウレイド基、N−フェニル−N−p
−トルイルウレイド基、N−(m−ヘキサデシルフェニ
ル)−ウレイド基、N,N−(2,5−ジ−tert−
ペンチルフェニル)−N'−エチルウレイド基、ter
t−ブチルカルボンアミド)基、スルホンアミド基(例
えばメチルスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド
基、p−トルイルスルホンアミド基、p−ドデシルベン
ゼンスルホンアミド基、N−メチルテトラデシルスルホ
ンアミド基、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ
基、およびヘキサデシルスルホンアミド基)、スルファ
モイル基(例えばN−メチルスルファモイル基、N−エ
チルスルファモイル基、N,N−ジプロピル−スルファ
モイル基、N−ヘキサデシルスルファモイル基、N,N
−ジメチル−スルファモイル基、N−[3−(ドデシル
オキシ)−プロピル]−スルファモイル基、N−[4−
(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシブチル]
−スルファモイル基、N−メチル−N−テトラデシルス
ルファモイル基、およびN−ドデシルスルファモイル)
基、カルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル
基、N,N−ジブチル−カルバモイル基、N−オクタデ
シルカルバモイル基、N−[4−(2,4−ジ−ter
t−ペンチルフェノキシ)−ブチル]−カルバモイル
基、N−メチル−N−テトラデシルカルバモイル基、
N,N−ジオクチルカルバモイル基)、アシル基(例え
ばアセチル基、(2,4−ジ−tert−アミルフェノ
キシ)−アセチル基、フェノキシカルボニル基、p−ド
デシルオキシフェノキシカルボニル基、メトキシ−カル
ボニル基、ブトキシカルボニル基、テトラデシルオキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシ
カルボニル基、3−ペンタデシルオキシカルボニル基、
およびドデシルオキシカルボニル基)、スルホニル基
(例えばメトキシスルホニル基、オクチルオキシスルホ
ニル基、テトラデシルオキシスルホニル基、2−エチル
ヘキシルオキシスルホニル基、フェノキシスルホニル
基、2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシスルホ
ニル基、メチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、
2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル
基、ヘキサデシルスルホニル基、フェニルスルホニル
基、4−ノニルフェニルスルホニル基、p−トルイルス
ルホニル基)、スルホニルオキシ基(例えばドデシルス
ルホニルオキシ基、およびヘキサデシルスルホニルオキ
シ基)、スルフィニル基(例えばメチルスルフィニル
基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスル
フィニル基、ドデシルスルフィニル基、ヘキサデシル−
スルフィニル基、フェニルスルフィニル基、4−ノニル
フェニルスルフィニル基、およびp−トルイルスルフィ
ニル基)、チオ基(例えばエチルチオ基、オクチルチオ
基、ベンジルチオ基、テトラデシルチオ基、2−(2,
4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)−エチルチオ
基、フェニルチオ基、2−ブトキシ−5−tert−オ
クチル−フェニルチオ基、p−トリルチオ基)、アシル
オキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ
基、オクタデカノイルオキシ基、p−ドデシルアミドベ
ンゾイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ
基、N−エチル−カルバモイルオキシ基、およびシクロ
ヘキシルカルボニルオキシ基)、アミン基(例えばフェ
ニルアニリノ基、2−クロロアニリノ基、ジエチルアミ
ン基、ドデシルアミン基)、イミド基(例えば1−(N
−フェニルイミド)−エチル基、N−スクシンイミド
基、または3−ベンジルヒダントイニル基)、ホスフェ
ート基(例えばジメチルホスフェート基およびエチルブ
チルホスフェート基)、ホスフィット基(例えばジエチ
ルホスフィット基およびジヘキシルホスフィット基)、
複素環式基、複素環式オキシ基または複素環式チオ基
(各々が置換されていてもよく、酸素原子、窒素原子、
および硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種
のヘテロ原子並びに炭素原子からなる3〜7員の複素環
を含有していてもよい)(例えば2−フリル基、2−チ
ェニル基、2−ベンゾイミダゾリルオキシ基、または2
−ベンゾ−チアゾリル基)、第四級アンモニウム基(例
えばトリエチルアンモニウム基)、並びにシリルオキシ
基(例えばトリメチルシリロキシ基)などの、さらに置
換されていてもよい基であってもよい。望まれる場合に
は、これらの置換基は、それら自体が、上述の置換基で
さらに1回以上置換されていてもよい。使用される個々
の置換基は、特定の用途に望まれる写真特性を達成する
ように当業者が選ぶことができ、例えば疎水基、可溶化
基、ブロック基、放出基または放出可能基およびハロゲ
ン化銀に吸着する基を含むことができる。一般に、上記
の基およびそれらの置換基は、48個以下の炭素原子、
概して1〜36個の炭素原子、通常は24個未満の炭素
原子を有するものを含んでいてもよく、選択される個々
の置換基によっては、より大きい数が可能である。
【0081】以下に造核剤の具体例を示すが、本発明で
用いることができる造核剤はこれらに限定されるもので
はない。
【0082】
【化18】
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】
【化24】
【0089】
【化25】
【0090】
【化26】
【0091】
【化27】
【0092】
【化28】
【0093】
【化29】
【0094】
【化30】
【0095】
【化31】
【0096】
【0097】本発明においてヒドラジン系造核剤は、適
当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用いるこ
とができる。
【0098】本発明においてヒドラジン系造核剤は、支
持体に対してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳
剤層、あるいは他の親水性コロイド層のどの層に添加し
てもよいが、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接
する親水性コロイド層に添加することが好ましい。ま
た、2種類以上のヒドラジン系造核剤を併用して使用す
ることもできる。本発明における造核剤添加量はハロゲ
ン化銀1molに対し1×10-5〜1×10-2molが
好ましく、1×10-5〜5×10-3molがより好まし
く、2×10-5〜5×10-3molが最も好ましい。
【0099】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には造
核促進剤を含有させることができる。本発明に用いられ
る造核促進剤としては、アミン誘導体、オニウム塩、ジ
スルフィド誘導体またはヒドロキシメチル誘導体などが
挙げられる。以下にその例を列挙する。特開平7−77
783号公報48頁2行〜37行に記載の化合物で、具
体的には49頁〜58頁に記載の化合物A−1)〜A−
73)。特開平7−84331号公報に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物。特開
平7−104426号公報に記載の一般式〔Na〕およ
び一般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的には同公
報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−22の化合
物およびNb−1〜Nb−12の化合物。特開平8−2
72023号公報に記載の一般式(1)、一般式
(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、
一般式(6)および一般式(7)で表される化合物で、
具体的には同明細書に記載の1−1〜1−19の化合
物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−36の化
合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−41の化
合物、6−1〜6−58の化合物、および7−1〜7−
38の化合物。特開平9−297377号公報のp5
5、カラム108の8行〜p69、カラム136の44
行までに記載の造核促進剤。
【0100】本発明に用いられる造核促進剤としては、
一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化合物が
好ましく、特に一般式(b)で表される化合物が最も好
ましい。
【0101】
【化32】
【0102】一般式(a)においてQ1は窒素原子また
はリン原子を表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂
肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表し、これらは互いに
結合して環状構造を形成してもよい。MはMに含まれる
炭素原子でQ1+と結合するm 10価の有機基を表し、ここ
にm10は1〜4の整数を表す。一般式(b)、一般式
(c)、または一般式(d)において、A1、A2
3、A4、A5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含
む不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、
10およびL20は2価の連結基を表し、R111、R222
333は置換基を表す。一般式(a)、一般式(b)、
一般式(c)、または一般式(d)で表される4級塩化
合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオ
キシ基の繰り返し単位を、計20個以上有しているが、
これは複数箇所にまたがって有していてもよい。
【0103】
【化33】
【0104】一般式(e)においてQ2は窒素原子また
はリン原子を表す。R200、R210、R220は一般式
(a)のR100、R110、R120と同義の基を表す。一般
式(f)においてA6は一般式(b)におけるA1または
2と同義の基を表す。但しA6が形成する含窒素不飽和
ヘテロ環は置換基を有してもよいが、置換基上に1級の
水酸基を有することはない。一般式(e)および一般式
(f)においてL30はアルキレン基を表し、Yは−C
(=O)−または−SO2−を表し、L40は少なくとも
一つの親水性基を含有する2価の連結基を表す。一般式
(a)〜一般式(f)においてXn-は、n価の対アニオ
ンを表し、nは1〜3の整数を表す。但し、分子内に別
にアニオン基を有し、Q1+、Q2+またはN+と分子内塩
を形成する場合、Xn-は必要ない。
【0105】一般式(a)においてR100、R110、R
120で表される脂肪族基とは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基などの直鎖または分枝状のアルキル基;
置換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基;アリル基、ビニル基、5−
ヘキセニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル
基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フ
ェニルエチニル基等のアルキニル基が挙げられる。芳香
族基としてはフェニル基、ナフチル基、フエナントリル
基などのアリール基が、またヘテロ環基としては、ピリ
ジル基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チア
ゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、
ベンゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピ
ロリジル基などが挙げられる。
【0106】これらの基上に置換した置換基の例として
は、R100、R110、R120で表される基の他に、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子、ニトロ基、(アルキルもしくはアリール)アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキルまた
はアリール)チオ基、カルボンアミド基、カルバモイル
基、ウレイド基、チオウレイド基、スルホニルウレイド
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ヒドロキシ
ル基、スルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラー
トを含む)、スルホ基(スルホナートを含む)、シアノ
基、オキシカルボニル基、アシル基、ヘテロ環基(4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基を含む)等が挙げら
れる。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されて
いてもよい。一般式(a)のR100、R110、R120で表
される基は、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。
【0107】一般式(a)のMで表される基の例として
は、m10が1を表す時、R100、R1 10、R120と同義の
基が挙げられる。m10が2以上の整数を表す時、MはM
に含まれる炭素原子で(Q1+と結合するm10価の連結
基を表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、
ヘテロ環基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−
基、−N(RN)−基、−S−基、−SO−基、−SO2
−、−P=O−基を組みあわせて形成されるm10価の連
結基を表す(RNは水素原子またはR100、R11 0、R120
と同義の基を表し、分子内に複数のRNが存在する時、
これらは同じであっても異なっていてもよく、さらには
互いに結合していてもよい)。Mは任意の置換基を有し
ていてもよく、その置換基としては、R100、R110、R
120で表される基が有していてもよい置換基と同じもの
が挙げられる。
【0108】一般式(a)においてR100、R110、R
120は、好ましくは炭素数20以下の基であり、Q1がリ
ン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に好
ましく、Q1が窒素原子を表す時、炭素数15以下のア
ルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好ましい。
10は1または2が好ましく、m10が1を表す時、Mは
好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数15以
下のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基が特
に好ましい。m10が2を表す時、Mで表される2価の有
機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、さら
にはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N(RN
−基、−S−基、−SO2−基を組みあわせて形成され
る2価の基である。m10が2を表す時、MはMに含まれ
る炭素原子で(Q1+と結合する総炭素数20以下の2
価の基であることが好ましい。なおM、あるいは
100、R110、R120が、エチレンオキシ基もしくはプ
ロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以
上述べた総炭素数の好ましい範囲は、その限りではな
い。またm10が2以上の整数を表す時、分子内に
100、R110、R120はそれぞれ複数存在するが、その
複数のR100、R110、R120はそれぞれ同じであっても
異なっていてもよい。
【0109】一般式(a)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所にまたがって置
換されていてもよい。m10が2以上の整数を表す時、M
で表される連結基に、エチレンオキシ基もしくはプロピ
レンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有している
ことがより好ましい。
【0110】一般式(b)、一般式(c)または一般式
(d)において、A1、A2、A3、A4、A5は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表し、炭素原子、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子および水素原子を含んでも
よく、さらにベンゼン環が縮環してもかまわない。
1、A2、A3、A4、A5が形成する不飽和ヘテロ環の
例としては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン
環、イミダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール
環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリ
ミジン環、ピラゾール環などを挙げることができる。特
に好ましくは、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン
環である。A1、A2、A3、A4、A5が4級化された窒
素原子と共に形成する不飽和ヘテロ環は、置換基を有し
ていてもよい。この場合の置換基の例としては、一般式
(a)のR100、R110、R120で表される基が有してい
てもよい置換基と同じものが挙げられる。置換基として
好ましくは、ハロゲン原子(特にクロロ原子)、炭素数
20以下のアリール基(特にフェニル基が好ましい)、
アルキル基、アルキニル基、カルバモイル基、(アルキ
ルもしくはアリール)アミノ基、(アルキルもしくはア
リール)オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒド
ロキシ基、メルカプト基、カルボンアミド基、スルホン
アミド基、スルホ基(スルホナートを含む)、カルボキ
シル基(カルボキシラートを含む)、シアノ基、等が挙
げられる。特に好ましくは、フェニル基、アルキルアミ
ノ基、カルボンアミド基、クロロ原子、アルキルチオ基
等であり、最も好ましくはフェニル基である。
【0111】L10、L20で表される2価の連結基は、ア
ルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキニレン、
2価のヘテロ環基、−SO2−、−SO−、−O−、−
S−、−N(RN')−、−C(=O)−、−PO−を単
独または組合せて構成されるものが好ましい。ただしR
N'はアルキル基、アラルキル基、アリール基、水素原子
を表す。L10、L20で表される2価の連結基は任意の置
換基を有していてもよい。置換基の例としては、一般式
(a)のR100、R110、R120で表される基が有してい
てもよい置換基と同じものが挙げられる。L10、L20
特に好ましい例として、アルキレン、アリーレン、−C
(=O)−、−O−、−S−、−SO2−、−N
(RN')−を単独または組合せて構成されるものを挙げ
ることができる。
【0112】R111、R222、R333は炭素数1〜20の
アルキル基またはアラルキル基が好ましく、各々同じで
も異なっていてもよい。R111、R222、R333は置換基
を有していてもよく、置換基としては、一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基と同じものが挙げられる。特に好ましくは、R
111、R222、R333は各々炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基である。その好ましい置換基の例と
しては、カルバモイル基、オキシカルボニル基、アシル
基、アリール基、スルホ基(スルホナートを含む)、カ
ルボキシル基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ
基、(アルキルまたはアリール)アミノ基、アルコキシ
基を挙げることができる。但しR111、R222、R333
エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返
し単位を複数個含む場合、以上のR111、R222、R333
について述べた炭素数の好ましい範囲は、その限りでは
ない。
【0113】一般式(b)または一般式(c)で表され
る4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有す
るが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数
箇所に置換されていてもよく、A1、A2、A3、A4、R
111、R222,L10,L20の何れに置換されていてもよい
が、好ましくは、L10またはL20で表される連結基に、
エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返
し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0114】一般式(d)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所
に置換されていても、あるいは複数箇所に置換されてい
てもよく、A5またはR333の何れに置換されていてもよ
いが、好ましくは、R333で表される基に、エチレンオ
キシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計
20個以上有していることが好ましい。
【0115】一般式(a)、一般式(b)、一般式
(c)、および一般式(d)で表される4級塩化合物
は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを、同時
に繰り返し含んでいてもよい。またエチレンオキシ基ま
たはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場
合に、繰り返し個数は、厳密に一つの値を取っていて
も、あるいは平均値として与えられてもよく、後者の場
合、4級塩化合物としては、ある程度の分子量分布を持
つ、混合物となる。本発明においてはエチレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有する場合がより好まし
く、さらに計20個〜計67個有する場合が好ましい。
【0116】一般式(e)においてQ2、R200
210、R220は、それぞれ一般式(a)におけるQ1
100、R110、R120と同義の基を表し、その好ましい
範囲もまた同じである。一般式(f)においてA6は、
一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表し、
その好ましい範囲もまた同じである。但し、一般式
(f)のA6が4級化された窒素原子と共に形成する含
窒素不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよいが、
1級の水酸基を含む置換基を有することはない。
【0117】一般式(e)および一般式(f)において
30はアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直
鎖、分岐、あるいは環状の、置換もしくは無置換のアル
キレン基で、炭素数1〜20のものが好ましい。またエ
チレン基に代表される飽和のもののみならず、−CH2
64CH2−や−CH2CH=CHCH2−に代表され
る不飽和の基が含まれているものでもよい。またL30
置換基を有する時、その置換基としては一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基の例が挙げられる。L30としては炭素数が1〜1
0の、直鎖または分岐の飽和の基が好ましい。さらに好
ましくは、置換もしくは無置換の、メチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基で、特に好ましくは置換もしくは
無置換の、メチレン基またはエチレン基で、最も好まし
くは置換もしくは無置換のメチレン基である。
【0118】一般式(e)および一般式(f)において
40は、少なくとも一つの親水性基を有する2価の連結
基を表す。ここに親水性基とは−SO2−、−SO−、
−O−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、アミノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基の各基、あるいはこれ
らの基の組み合わせからなる基を表す。これらの親水性
基とアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、へ
テロ環基を適宜組み合わせてL40が構成される。L40
構成するアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン
基、へテロ環基等の基は、置換基を有していてもよい。
置換基としては、一般式(a)のR100、R110、R120
で表される基が有していてもよい置換基の例と同じもの
が挙げられる。L40において親水性基はL40を分断する
形態で存在していても、L40上の置換基の一部として存
在していてもよいが、L40を分断する形態で存在してい
ることがより好ましい。例えば−C(=O)−、−SO
2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、カチオン性基(具体的には窒素またはリンの4級
塩構造、あるいは4級化された窒素原子を含む含窒素ヘ
テロ環)、アミノ基、グアジニノ基の各基、あるいはこ
れらの基の組み合わせからなる2価の基が、L40を分断
する形態で存在している場合である。
【0119】L40が有する親水性基として好ましい例の
一つは、エーテル結合とアルキレン基を組み合わせた、
エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基の繰り返し単位
を複数個有する基である。その重合度もしくは平均重合
度は、2〜67個が好ましい。L40が有する親水性基と
してはまた、−SO2−、−SO−、−O−、−P(=
O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2NH
−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミノ
基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素原
子を含むヘテロ環基等の基を組み合わせた結果として、
あるいはまたはL40の有する置換基として、解離性基
を含む場合も好ましい。ここで解離性基とは、アルカリ
性の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有する
基もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、具
体的には、例えばカルボキシ基/−COOH、スルホ基
/−SO3H、ホスホン酸基/−PO3H、リン酸基/−
OPO 3H、ヒドロキシ基/−OH基、メルカプト基/
−SH、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド基
/−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−SO2
HSO2−基、−CONHCO−基、活性メチレン基、
含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこれら
の塩のことである。
【0120】L40は好ましくはアルキレン基またはアリ
ーレン基と、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−
CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−N
HCONH−、およびアミノ基を適宜組み合わせたもの
が用いられる。より好ましくは炭素数2〜5のアルキレ
ン基と−C(=O)−、−SO2−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCO
NH−を適宜組み合わせたものが用いられる。
【0121】Yは−C(=O)−または−SO2−を表
す。好ましくは−C(=O)−が用いられる。
【0122】一般式(a)〜一般式(f)においてXn-
で表される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテー
トイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベ
ンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−
トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンス
ルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネート
イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝
酸イオン等が挙げられる。Xn-で表される対アニオンと
しては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ス
ルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは1また
は2が好ましい。Xn-としては、クロロイオンまたはブ
ロモイオンが特に好ましく、クロロイオンが最も好まし
い。但し、分子内に別にアニオン基を有し、(Q1+
(Q2+またはN+と分子内塩を形成する場合、Xn-
必要ない。
【0123】本発明において、4級塩化合物としては、
一般式(b)、一般式(c)、一般式(f)で表される
4級塩化合物がより好ましく、中でも一般式(b)およ
び一般式(f)で表される4級塩化合物が特に好まし
い。さらに一般式(b)においては、L10で表される連
結基にエチレンオキシ基の繰り返し単位を20個以上有
する場合が好ましく、さらに20個〜67個有する場合
が特に好ましい。また一般式(f)においては、A6
形成する不飽和へテロ環化合物が4−フェニルピリジ
ン、イソキノリン、キノリンを表す時が特に好ましい。
【0124】次に一般式(a)〜一般式(f)で表され
る4級塩化合物の具体例を示す。(式中、Phはフェニ
ル基を表す。)ただし本発明は以下の化合物例によって
限定されるものではない。
【0125】
【化34】
【0126】
【化35】
【0127】
【化36】
【0128】
【化37】
【0129】
【化38】
【0130】
【化39】
【0131】
【化40】
【0132】
【化41】
【0133】一般式(a)〜一般式(f)で表される4
級塩化合物は、公知の方法により容易に合成することが
できる。具体的な合成処方については、後述する合成例
1〜6を参考にすることができる。
【0134】本発明に使用できる造核促進剤は、適当な
水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して用いることができる。
【0135】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水の中
にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって
分散し用いることができる。
【0136】本発明に使用できる造核促進剤は、支持体
に対してハロゲン化銀乳剤層側のハロゲン化銀乳剤を含
まない親水性コロイド層からなる非感光層に添加するこ
とが好ましく、特に該ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間
の親水性コロイド層からなる非感光層に添加することが
好ましい。本発明における造核促進剤の添加量はハロゲ
ン化銀1molに対し1×10-6〜2×10-2molが
好ましく、1×10-5〜2×10-2molがより好まし
く、2×10-5〜1×10-2molが最も好ましい。ま
た、2種類以上の造核促進剤を併用して使用することも
できる。
【0137】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀として特に制限はな
く、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀
を用いることができるが、塩化銀50mol%以上を含
有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が好ましい。ハロゲン化銀
粒子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不定型、板
状いずれでもよいが、立方体が好ましい。ハロゲン化銀
の平均粒径は0.1μm〜0.7μmが好ましいが、よ
り好ましくは0.1〜0.5μmであり、{(粒径の標
準偏差)/(平均粒径)}×100で表される変動係数
が15%以下、より好ましくは10%以下の粒径分布の
狭いものが好ましい。ハロゲン化銀粒子は内部と表層が
均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒
子内部あるいは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有
していてもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、 P.
Glafkides 著 Chimie et PhysiquePhotographique
(Paul Montel社刊、1967年)、G. F. Dufin著 Ph
otographic Emulsion Chemistry (The Forcal Press
刊、1966年)、V. L. Zelikmanet al著 Making and
Coating Photographic Emulsion (The Forcal Press
刊、1964年) などに記載された方法を用いて調製
することができる。すなわち、酸性法、中性法等のいず
れでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応
させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それら
の組み合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イ
オン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。
【0138】同時混合法の一つの形式としてハロゲン化
銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すな
わち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用
いることもできる。またアンモニア、チオエーテル、四
置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して
粒子形成させることが好ましい。より好ましくは四置換
チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号公
報、同55−77737号公報に記載されている。好ま
しいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジンチオンである。ハロゲン
化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とす
る粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン
化銀1molあたり10-5〜10-2molが好ましい。
【0139】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号明
細書、特公昭48−36890号公報、同52−163
64号に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化ア
ルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方
法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭
55−158124号公報に記載されているように水溶
液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越え
ない範囲において早く成長させることが好ましい。
【0140】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
VIII族に属する金属を含有してもよい。特に、高コ
ントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム
化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物などを含
有することが好ましい。また、高感度化のためにはK4
[Fe(CN)6]やK4[Ru(CN)6]、K3[Cr
(CN)6]のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有
利に行われる。
【0141】本発明に用いられるロジウム化合物とし
て、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。たと
えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロ
ジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザ
ラト、アコ等を持つもの、たとえば、ヘキサクロロロジ
ウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、
テトラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウ
ム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯
塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられ
る。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒
に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定
化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハ
ロゲン化水素水溶液(たとえば塩酸、臭酸、フッ酸
等)、あるいはハロゲン化アルカリ(たとえばKCl、
NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用い
ることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロ
ゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてあ
る別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可
能である。
【0142】本発明に用いられるレニウム、ルテニウ
ム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開
平1−285941号公報、同2−20852号公報、
同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形
で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示
される六配位錯体が挙げられる。〔ML6n-ここでM
はRu、Re、またはOsを表し、Lは配位子、nは
0、1、2、3または4を表す。この場合、対イオンは
重要性を持たず、アンモニウムもしくはアルカリ金属イ
オンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲ
ン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位
子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げ
られる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示
すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0143】 〔ReCl63- 〔ReBr63- 〔ReCl5(NO)〕2- 〔Re(NS)Br52- 〔Re(NO)(CN)52- 〔Re(O)2(CN)43- 〔RuCl63- 〔RuCl4(H2O)21- 〔RuCl5(NO)〕2- 〔RuBr5(NS)〕2- 〔Ru(CO)3Cl32- 〔Ru(CO)Cl52- 〔Ru(CO)Br52- 〔OsCl63- 〔OsCl5(NO)〕2- 〔Os(NO)(CN)52- 〔Os(NS)Br52- 〔Os(CN)64- 〔Os(O)2(CN)44-
【0144】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
mol当り1×10-9mol〜1×10-5molの範囲
が好ましく、特に好ましくは1×10-8mol〜1×1
-6molである。本発明に用いられるイリジウム化合
物としては、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサブロモイ
リジウム、ヘキサアンミンイリジウム、ペンタクロロニ
トロシルイリジウム等が挙げられる。本発明に用いられ
る鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウ
ム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
【0145】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増
感されることが好ましい。化学増感の方法としては、硫
黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法
などの知られている方法を用いることができ、単独また
は組み合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合
には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセ
レン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金
増感法などが好ましい。
【0146】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たと
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニ
ン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、
チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。チオ尿素化合物と
しては米国特許第4,810,626号明細書に記載の
特定四置換チオ尿素化合物が特に好ましい。硫黄増感剤
の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒
子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲ
ン化銀1mol当り10-7〜10-2molであり、より
好ましくは10-5〜10-3molである。
【0147】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号公報、同43−13489
号公報、特開平4−109240号公報、同4−324
855号公報等に記載の化合物を用いることができる。
特に特開平4−324855号公報中の一般式(VII
I)および(IX)で示される化合物を用いることが好
ましい。
【0148】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−
313284号公報に記載の方法で試験することができ
る。具体的には、米国特許第1,623,499号明細
書、同第3,320,069号明細書、同第3,77
2,031号明細書、英国特許第235,211号明細
書、同第1,121,496号明細書、同第1,29
5,462号明細書、同第1,396,696号明細
書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−
204640号公報、同4−271341号公報、同4
−333043号公報、同5−303157号公報、ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル
・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)6
35(1980),ibid 1102(1979),ibid
645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・
ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Che
m.Soc.Perkin.Trans.) 1,2191(1980)、
S.パタイ(S.patai) 編、ザ・ケミストリー・オブ
・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カ
ンパウンズ(The Chemistry of Organic Serenium and
Tellunium Compounds),Vol 1(1986)、同 Vo
l 2(1987)に記載の化合物を用いることができ
る。特に特開平4−324855号公報中の一般式(I
I)(III)(IV) で示される化合物が好まし
い。
【0149】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1mol
当たり10-8〜10-2mol、好ましくは10-7〜10
-3mol程度を用いる。本発明における化学増感の条件
としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pA
gとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度
としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃であ
る。本発明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白
金、パラジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金
増感が好ましい。本発明に用いられる金増感剤としては
具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カ
リウムオーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、
ハロゲン化銀1mol当たり10-7〜10-2mol程度
を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳
剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程に
おいてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩など
を共存させてもよい。本発明においては、還元増感を用
いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、ア
ミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物な
どを用いることができる。ハロゲン化銀乳剤には、欧州
公開特許EP293,917A号公報に示される方法に
より、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明
に用いられる感光材料中のハロゲン化銀乳剤は、1種だ
けでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異
なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるも
の、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)
併用してもよい。中でも高コントラストを得るために
は、特開平6−324426号公報に記載されているよ
うに、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが
好ましい。
【0150】感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感色素によ
って比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光または赤外
光に分光増感されてもよい。さらに、特開昭55−45
015号公報に記載の一般式〔I〕の化合物、および、
特開平9−160185号公報に記載の一般式〔I〕の
化合物が好ましく、特に、特開平9−160185号公
報に記載の一般式〔I〕の化合物が好ましい。具体的に
は、特開昭55−45015号公報に記載の(1)〜
(19)の化合物、特開平9−160185号公報に記
載のI−1〜I−40の化合物およびI−56〜I−8
5の化合物などを挙げることができる。
【0151】その他の増感色素としては、シアニン色
素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、
コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニ
ン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノー
ル色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができ
る。本発明に使用されるその他の有用な増感色素は例え
ばRESEARCH DISCLOSURE Item17643IV-A項(1978年
12月p.23)、同Item18341X項(1979年8月
p.437)に記載もしくは引用された文献に記載され
ている。特に各種スキャナー、イメージセッターや製版
カメラの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感
色素も有利に選択することができる。例えば、A)アル
ゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−16224
7号公報に記載の(I)−1〜(I)−8の化合物、特
開平2−48653号公報に記載のI−1〜I−28の
化合物、特開平4−330434号公報に記載のI−1
〜I−13の化合物、米国特許第2,161,331号
明細書に記載のExample1〜Example14
の化合物、西独特許第936,071号明細書記載の1
〜7の化合物、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対
しては、特開昭54−18726号公報に記載のI−1
〜I−38の化合物、特開平6−75322号公報に記
載のI−1〜I−35の化合物および特開平7−287
338号公報に記載のI−1〜I−34の化合物、C)
LED光源に対しては特公昭55−39818号公報に
記載の色素1〜20、特開昭62−284343号公報
に記載のI−1〜I−37の化合物および特開平7−2
87338号公報に記載のI−1〜I−34の化合物、
D)半導体レーザー光源に対しては特開昭59−191
032号公報に記載のI−1〜I−12の化合物、特開
昭60−80841号公報に記載のI−1〜I−22の
化合物、特開平4−335342号公報に記載のI−1
〜I−29の化合物および特開昭59−192242号
公報に記載のI−1〜I−18の化合物、E)製版カメ
ラのタングステンおよびキセノン光源に対しては、上記
記載の化合物の他に特開平9−160185号公報に記
載のI−41〜I−55の化合物およびI−86〜I−
97の化合物および特開平6−242547号公報に記
載の4−A〜4−Sの化合物、5−A〜5−Qの化合
物、6−A〜6−Tの化合物なども有利に選択すること
ができる。
【0152】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す
物質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclos
ure)176巻17643(1978年12月発行)第
23頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−255
00号公報、同43−4933号公報、特開昭59−1
9032号公報、同59−192242号公報等に記載
されている。
【0153】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。ま
た、米国特許第3,469,987号明細書等に開示さ
れているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該
溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物
を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号公
報、同44−27555号公報、同57−22091号
公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該
溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて
水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,8
22,135号明細書、同第4,006,025号明細
書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水
溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加
する方法、特開昭53−102733号公報、同58−
105141号公報に開示されているように親水性コロ
イド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添
加する方法、特開昭51−74624号公報に開示され
ているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素
を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いること
もできる。また、溶液に超音波を用いることもできる。
【0154】本発明に用いる増感色素をハロゲン化銀乳
剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認め
られている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。
例えば米国特許第2,735,766号明細書、同第
3,628,960号明細書、同第4,183,756
号明細書、同第4,225,666号明細書、特開昭5
8−184142号公報、同60−196749号公報
等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工
程または/および脱塩前の時期、脱銀工程中および/ま
たは脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭5
8−113920号公報等の明細書に開示されているよ
うに、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成
後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならばいかな
る時期、工程において添加されてもよい。また、米国特
許第4,225,666号明細書、特開昭58−762
9号公報等の明細書に開示されているように、同一化合
物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、
例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成
完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了
後とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割し
て添加する化合物および化合物の組み合わせの種類を変
えて添加してもよい。
【0155】本発明において増感色素の添加量は、ハロ
ゲン化銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感
の方法と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、
ハロゲン化銀1molあたり、4×10-6〜8×10-3
molで用いることができる。例えばハロゲン化銀粒子
サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀
粒子の表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10
-6molの添加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0
×10-6molの添加量がより好ましい。
【0156】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては、特に制限はなく、例えば下記箇所に記載さ
れたものを好ましく用いることができる。
【0157】特開平3−39948号公報第10頁右下
11行目から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒ
ドロキシベンゼン化合物。具体的には、同公報に記載の
化合物(III)−1〜25の化合物。
【0158】特開平1−118832号公報に記載の一
般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持
たない化合物。具体的には、同公報に記載の化合物I−
1〜I−26の化合物。
【0159】特開平2−103536号公報第17頁右
下19行目から同公報18頁右上4行目に記載のかぶり
防止剤。
【0160】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。特開平9−179228号公報に記載の一般式
(I)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテ
ックスで、具体的には同明細書に記載の化合物I−1〜
I−16。特開平9−179228号公報に記載のコア
/シェル構造を有するポリマーラテックスで,具体的に
は同明細書に記載の化合物P−1〜P−55。特開平7
−104413号公報第14頁左1行目から同頁右30
行目に記載の酸性ポリマーラテックスで、具体的には同
公報15頁に記載の化合物II−1)〜II−9)。
【0161】特開平2−103536号公報第19頁左
上15行目から同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤。
【0162】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤。
【0163】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物。
【0164】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物。
【0165】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料。
【0166】特開平9−179243号公報記載の一般
式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一
般式(FA3)で表される固体分散染料。具体的には同
公報記載の化合物F1〜F34、特開平7−15211
2号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平
7−152112号公報記載の(III−5)〜(II
I−18)、特開平7−152112号公報記載の(I
V−2)〜(IV−7)。特開平2−294638号公
報および特開平5−11382号公報に記載の固体分散
染料。
【0167】特開平5ー274816号公報に記載の酸
化されることにより現像抑制剤を放出しうるレドックス
化合物.好ましくは同公報に記載の一般式(R−1),
一般式(R−2),一般式(R−3)で表されるレドッ
クス化合物。具体的には、同公報に記載の化合物R−1
〜R−68の化合物。
【0168】特開平2−18542号公報第3頁右下1
行目から20行目に記載のバインダー。
【0169】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層および保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率は8
0〜150%の範囲が好ましく、より好ましくは90〜
140%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率は、
ハロゲン化銀写真感光材料における乳剤層および保護層
を含めた親水性コロイド層の厚み(d0)を測定し,該
ハロゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間浸
漬し、膨潤した厚み(Δd)を測定し、膨潤率(%)=
(Δd÷d0)×100の計算式によって求める。
【0170】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀乳剤層が塗布されている側の膜面pHは4.0
〜7.5の範囲であり、好ましくは4.2〜6.0であ
る。
【0171】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフイルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。また、特開平
7−234478号公報、およびUS5,558,97
9号に記載のシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体からなる支持体も好ましく用いられる。
【0172】以下に本発明のハロゲン化銀写真感光材料
に用いることができる現像液、定着液などの処理剤およ
び処理方法等について述べるが、言うまでもなく本発明
は以下の記述および具体例に限定されるものではない。
【0173】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理には、公知の方法のいずれを用いることもできる
し、現像処理液には公知のものを用いることができる。
【0174】本発明に使用する現像液(以下、現像開始
液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)
に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキ
シベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノ
ンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用で
も併用でもよい。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主
薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有する
ことが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビ
ン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組み
合わせ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン
酸誘導体とp−アミノフェノール類の組み合わせなどを
挙げることができる。本発明に用いる現像主薬におい
て、ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイド
ロキノンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主
薬としては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸
とそれらの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウム
が素材コストの点から好ましい。
【0175】本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾ
リドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4、4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬として
N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−アミノフ
ェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、
o−メトキシ−p−(N、N−ジメチルアミノ)フェノ
ール、o−メトキシ−p−(N−メチルアミノ)フェノ
ールなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノール、または特開平9−297377号公報および
特開平9−297378号公報に記載のアミノフェノー
ル類が好ましい。
【0176】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.05mol/L〜0.8mol/Lの量で用いられ
るのが好ましい。またジヒドロキシベンゼン類と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類の組み合わせを用いる場合には前者を0.05m
ol/L〜0.6mol/L、好ましくは0.10mo
l/L〜0.5mol/L、後者を0.06mol/L
以下、好ましくは0.03mol/L〜0.003mo
l/Lの量で用いるのが好ましい。
【0177】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常
0.01mol/L〜0.5mol/Lの量で用いられ
るのが好ましく、0.05mol/L〜0.3mol/
Lがより好ましい。またアスコルビン酸誘導体と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類の組み合わせを用いる場合にはアスコルビン酸誘
導体を0.01mol/L〜0.5mol/L、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類を0.005mol/L〜0.2mol/Lの量
で用いるのが好ましい。
【0178】本発明で感光材料を処理する際の現像液に
は、通常用いられる添加剤(たとえば現像主薬、アルカ
リ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤等)を含有する
事ができる。以下にこれらの具体例を示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。本発明で感光材料を
現像処理する際の現像液に用いられる緩衝剤としては、
炭酸塩、特開昭62−186259号公報に記載のほう
酸、特開昭60−93433号公報に記載の糖類(たと
えばサッカロース)、オキシム類(たとえばアセトオキ
シム)、フェノール類(たとえば5−スルホサリチル
酸)、第3リン酸塩(たとえばナトリウム塩、カリウム
塩)などが用いられ、好ましくは炭酸塩、ほう酸が用い
られる。緩衝剤、特に炭酸塩の使用量は、好ましくは
0.05mol/L以上、特に0.08〜1.0mol
/Lである。
【0179】本発明においては、現像開始液および現像
補充液の双方が、「該液1Lに0.1molの水酸化ナ
トリウムを加えたときのpH上昇が0.2〜1.5」の
性質を有することが好ましい。使用する現像開始液ない
し現像補充液がこの性質を有することを確かめる方法と
しては、試験する現像開始液ないし現像補充液のpHを
10.5に合わせ、ついでこの液1Lに水酸化ナトリウ
ムを0.1mol添加し、この時の液のpH値を測定
し、pH値の上昇が0.2〜1.5であれば上記に規定
した性質を有すると判定する。本発明では特に、上記試
験を行った時のpH値の上昇が0.3〜1.0である現
像開始液および現像補充液を用いることが好ましい。
【0180】本発明に用いられる保恒剤としては亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸
アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は好ましくは0.2mol/L以上、特に
0.3mol/L以上用いられるが、あまりに多量添加
すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.
2mol/Lとするのが望ましい。特に好ましくは、
0.35〜0.7mol/Lである。ジヒドロキシベン
ゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用して前
記のアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。なか
でも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリウムを用
いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベンゼン系
現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲
が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲
である。保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用する
場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好ま
しい。
【0181】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(たとえば3−
(5−メルカプトテトラゾール−1−イル)ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾールなど)、特開昭62−212651号公報に
記載の化合物を物理現像ムラ防止剤として添加すること
もできる。また、メルカプト系化合物、インダゾール系
化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾ
ール系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black
pepper)防止剤として含んでもよい。具体的に
は、5−ニトロインダゾール、5−p−ニトロベンゾイ
ルアミノインダゾール、1−メチル−5−ニトロインダ
ゾール、6−ニトロインダゾール、3−メチル−5−ニ
トロインダゾール、5−ニトロベンゾイミダゾール、2
−イソプロピル−5−ニトロベンゾイミダゾール、5−
ニトロベンゾトリアゾール、4−((2−メルカプト−
1、3、4−チアジアゾール−2−イル)チオ)ブタン
スルホン酸ナトリウム、5−アミノ−1、3、4−チア
ジアゾール−2−チオール、メチルベンゾトリアゾー
ル、5−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベ
ンゾトリアゾールなどを挙げることができる。これらの
添加剤の量は、通常現像液1Lあたり0.01〜10m
molであり、より好ましくは0.1〜2mmolであ
る。
【0182】さらに現像液中には各種の有機、無機のキ
レート剤を単独または併用で用いることができる。無機
キレート剤としてはたとえば、テトラポリリン酸ナトリ
ウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどを用いることが
できる。一方、有機キレート剤としては、主に有機カル
ボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホン酸、アミ
ノホスホン酸および有機ホスホノカルボン酸を用いるこ
とができる。有機カルボン酸としてはたとえば、アクリ
ル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グ
ルコン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アシエライン酸、
セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン
酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン
酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを挙げることがで
きる。
【0183】アミノポリカルボン酸としてはたとえば、
イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1、2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1、3−ジ
アミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号公
報、同55−67747号公報、同57−102624
号公報、および特公昭53−40900号公報に記載の
化合物を挙げることができる。
【0184】有機ホスホン酸としては、たとえば米国特
許3214454号明細書、同3794591号明細書
および西独特許公開2227369号公報等に記載のヒ
ドロキシアルキリデン−ジホスホン酸やリサーチ・ディ
スクロージャー第181巻,Item18170(19
79年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。アミノ
ホスホン酸としては、たとえばアミノトリス(メチレン
ホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホ
ン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる
が、その他上記リサーチ・ディスクロージャー1817
0、特開昭57−208554号公報、同54−611
25号公報、同55−29883号公報、同56−97
347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
【0185】有機ホスホノカルボン酸としては、たとえ
ば特開昭52−102726号公報、同53−4273
0号公報、同54−121127号公報、同55−40
24号公報、同55−4025号公報、同55−126
241号公報、同55−65955号公報、同55−6
5956号公報および前述のリサーチ・ディスクロージ
ャー18170等に記載の化合物を挙げることができ
る。
【0186】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよ
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1L
あたり好ましくは、1×10-4〜1×10-1mol、よ
り好ましくは1×10-3〜1×10-2molである。
【0187】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
たとえば特開昭56−24347号公報、特公昭56−
46585号公報、特公昭62−2849号公報、特開
平4−362942号公報、特開平8−6215号公報
に記載の化合物の他、メルカプト基を1つ以上有するト
リアジン(たとえば特公平6−23830号公報、特開
平3−282457号公報、特開平7−175178号
公報に記載の化合物)、同ピリミジン(たとえば2−メ
ルカプトピリミジン、2、6−ジメルカプトピリミジ
ン、2、4−ジメルカプトピリミジン、5、6−ジアミ
ノ−2、4−ジメルカプトピリミジン、2、4、6−ト
リメルカプトピリミジン、特開平9−274289号公
報記載の化合物など)、同ピリジン(たとえば2−メル
カプトピリジン、2、6−ジメルカプトピリジン、3、
5−ジメルカプトピリジン、2、4、6−トリメルカプ
トピリジン、特開平7−248587号公報に記載の化
合物など)、同ピラジン(たとえば2−メルカプトピラ
ジン、2、6−ジメルカプトピラジン、2、3−ジメル
カプトピラジン、2、3、5−トリメルカプトピラジン
など)、同ピリダジン(たとえば3−メルカプトピリダ
ジン、3、4−ジメルカプトピリダジン、3、5−ジメ
ルカプトピリダジン、3、4、6−トリメルカプトピリ
ダジンなど)、特開平7−175177号公報に記載の
化合物、米国特許5457011号明細書に記載のポリ
オキシアルキルホスホン酸エステルなどを用いることが
できる。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併用
で用いることができ、添加量は現像液1Lあたり0.0
5〜10mmolが好ましく、0.1〜5mmolがよ
り好ましい。また、溶解助剤として特開昭61−267
759号公報記載の化合物を用いることができる。さら
に必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等
を含んでもよい。
【0188】現像液の好ましいpHは9.0〜12.0
であり、特に好ましくは9.0〜11.0、さらに好ま
しくは9.5〜11.0の範囲である。pH調整に用い
るアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(た
とえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等)を用いることができる。
【0189】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、感光材料により現像液が持ち込まれることに
より定着液中のカリウムイオン濃度が高くなり、好まし
くない。以上のことから現像液におけるカリウムイオン
とナトリウムイオンのモル比率は20:80〜80:2
0の間であることが好ましい。カリウムイオンとナトリ
ウムイオンの比率は、pH緩衝剤、pH調整剤、保恒
剤、キレート剤などの対カチオンで、上記の範囲で任意
に調整できる。
【0190】現像液の補充量は、感光材料1m2につき
390mL以下であり、325〜30mLが好ましく、
250〜120mLが最も好ましい。現像補充液は、現
像開始液と同一の組成および/または濃度を有していて
もよいし、開始液と異なる組成および/または濃度を有
していてもよい。
【0191】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜かえることができるが、一般には約0.7〜
約3.0mol/Lである。
【0192】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
もよく、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それにはた
とえば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明
礬、硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウ
ム、乳酸アルミニウムなどがある。これらは使用液にお
けるアルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.1
5mol/Lで含まれることが好ましい。なお、定着液
を濃縮液または固形剤として保存する場合、硬膜剤など
を別パートとした複数のパーツで構成してもよいし、す
べての成分を含む一剤型の構成としてもよい。
【0193】定着処理剤には所望により保恒剤(たとえ
ば亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.0
15mol/L以上、好ましくは0.02mol/L〜
0.3mol/L)、pH緩衝剤(たとえば酢酸、酢酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リ
ン酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1mol/L〜
1mol/L、好ましくは0.2mol/L〜0.7m
ol/L)、アルミニウム安定化能や硬水軟化能のある
化合物(たとえばグルコン酸、イミノジ酢酸、5−スル
ホサリチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ酸、酒石酸、
クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、安息
香酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビン酸、グルタ
ル酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、エチレ
ンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれらの誘導体お
よびこれらの塩、糖類などを0.001mol/L〜
0.5mol/L、好ましくは0.005mol/L〜
0.3mol/L)を含むことができが、近年の環境保
護の点からホウ素系化合物は含まない方が良い。
【0194】このほか、特開昭62−78551号公報
に記載の化合物、pH調整剤(たとえば水酸化ナトリウ
ム、アンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定
着促進剤等も含むことができる。界面活性剤としては、
たとえば硫酸化物スルホン酸化物などのアニオン界面活
性剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−684
0号公報記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡
剤を使用することもできる。湿潤剤としては、アルカノ
ールアミン、アルキレングリコール等がある。定着促進
剤としては、特開平6−308681号公報に記載のア
ルキルおよびアリル置換されたチオスルホン酸およびそ
の塩や、特公昭45−35754号公報、同58−12
2535号公報、同58−122536号公報記載のチ
オ尿素誘導体、分子内に3重結合を有するアルコール、
米国特許第4126459号明細書記載のチオエーテル
化合物、特開昭64−4739号公報、特開平1−47
39号公報、同1−159645号公報および同3−1
01728号公報に記載のメルカプト化合物、同4−1
70539号公報に記載のメソイオン化合物、チオシア
ン酸塩を含むことができる。
【0195】本発明における定着液のpHは、4.0以
上が好ましく、より好ましくは4.5〜6.0を有す
る。定着液は処理により現像液が混入してpHが上昇す
るが、この場合、硬膜定着液では6.0以下好ましくは
5.7以下であり、無硬膜定着液においては7.0以下
好ましくは6.7以下である。
【0196】定着液の補充量は、感光材料1m2につき
500mL以下であり、390mL以下が好ましく、3
20〜80mLがより好ましい。補充液は、開始液と同
一の組成および/または濃度を有していてもよいし、開
始液と異なる組成および/または濃度を有していてもよ
い。
【0197】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、たとえばフジフイルム社製FS−2000などが
ある。また、活性炭などの吸着フィルターを使用して、
色素などを除去することも好ましい。
【0198】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、たとえば特開昭61−73147号公報に記
載されたような、酸素透過性の低い包材で保管する事が
好ましい。さらにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃
度になるように、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の
割合で希釈して使用される。
【0199】本発明における現像処理剤および定着処理
剤は固形にしても液剤同様の結果が得られるが、以下に
固形処理剤に関する記述を行う。本発明における固形剤
は、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)が使用できる。これらの固形剤は、接触して互いに
反応する成分を分離するために、水溶性のコーティング
剤やフィルムで被覆してもよいし、複数の層構成にして
互いに反応する成分を分離してもよく、これらを併用し
てもよい。
【0200】被覆剤、造粒助剤には公知のものが使用で
きるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物が好まし
い。この他、特開平5−45805号公報カラム2の4
8行〜カラム3の13行目が参考にできる。
【0201】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工してもよいし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装してもよい。これ
らの方法は、たとえば特開昭61−259921号公
報、同4−16841号公報、同4−78848号公
報、同5−93991号公報等に示されている。
【0202】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g
/cm3が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/c
3が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ま
しい。
【0203】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。たとえば、特開
昭61−259921号公報、特開平4−15641号
公報、特開平4−16841号公報、同4−32837
号公報、同4−78848号公報、同5−93991号
公報、特開平4−85533号公報、同4−85534
号公報、同4−85535号公報、同5−134362
号公報、同5−197070号公報、同5−20409
8号公報、同5−224361号公報、同6−1386
04号公報、同6−138605号公報、同8−286
329号公報等を参考にすることができる。
【0204】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0205】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でもよい。
【0206】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6−242
585号公報〜同6−242588号公報、同6−24
7432号公報、同6−247448号公報、同6−3
01189号公報、同7−5664号公報、同7−56
66号公報〜同7−5669号公報に開示されているよ
うな折り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管ス
ペース削減のためには好ましい。これらの包材は、処理
剤の取り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、
アルミシールをつけたり、包材をヒートシールしてもよ
いが、このほかの公知のものを使用してもよく、特に限
定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルま
たはリユースすることが好ましい。
【0207】固形処理剤の溶解および補充の方法として
は特に限定はなく、公知の方法を使用することができ
る。これらの方法としてはたとえば、撹拌機能を有する
溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平9−8
0718号公報に記載されているような溶解部分と完成
液をストックする部分とを有する溶解装置で溶解し、ス
トック部から補充する方法、特開平5−119454号
公報、同6−19102号公報、同7−261357号
公報に記載されているような自動現像機の循環系に処理
剤を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵する自
動現像機で感光材料の処理に応じて処理剤を投入し溶解
する方法などがあるが、このほかの公知のいずれの方法
を用いることもできる。また処理剤の投入は、人手で行
ってもよいし、特開平9−138495号公報に記載さ
れているような開封機構を有する溶解装置や自動現像機
で自動開封、自動投入してもよく、作業環境の点からは
後者が好ましい。具体的には取り出し口を突き破る方
法、はがす方法、切り取る方法、押し切る方法や、特開
平6−19102号公報、同6−95331号公報に記
載の方法などがある。
【0208】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される(以下特に断らない限
り、安定化処理を含めて水洗といい、これらに使用する
液を、水または水洗水という)。水洗に使用される水
は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水でも安定化液で
もよい。これらの補充量は、一般的には感光材料1m2
あたり約17L〜約8Lであるが、それ以下の補充量で
行うこともできる。特に3L以下の補充量(0も含む。
すなわち、ため水水洗)では、節水処理が可能となるの
みならず、自動現像機設置の配管を不要とすることもで
きる。水洗を低補充量で行う場合は、特開昭63−18
350号公報、同62−287252号公報等に記載の
スクイズローラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を
設けることがより好ましい。また、少量水洗時に問題と
なる公害負荷低減や、水垢防止のために種々の酸化剤
(たとえばオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウ
ム、活性ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナトリウム過酸化
水素塩など)添加やフィルター濾過を組み合わせてもよ
い。
【0209】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(たとえば2段、3段等)が知られ
ており、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜5
0mLが好ましい。この効果は、独立多段方式(向流に
せず、多段の水洗槽に個別に新液を補充する方法)でも
同様に得られる。
【0210】さらに、上記の方法で水洗工程に水垢防止
手段を施してもよい。水垢防止手段としては公知のもの
を使用することができ、特に限定はしないが、防ばい剤
(いわゆる水垢防止剤)を添加する方法、通電する方
法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁
場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかける方
法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。これ
らの水垢防止手段は、感光材料の処理に応じてなされて
もよいし、使用状況に関係なく一定間隔で行われてもよ
いし、夜間など処理の行われない期間のみ施してもよ
い。またあらかじめ水洗水に施しておいて、これを補充
してもよい。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止
手段を行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好まし
い。節水水垢防止装置としては、富士フイルム社製装置
AC−1000と水垢防止剤として富士フイルム社製A
B−5を用いてもよく特開平11−231485号公報
の方法を用いてもよい。防ばい剤としては特に限定はな
く公知のものが使用できる。前述の酸化剤の他たとえば
グルタルアルデヒド、アミノポリカルボン酸等のキレー
ト剤、カチオン性界面活性剤、メルカプトピリジンオキ
シド(たとえば2−メルカプトピリジン−N−オキシド
など)などがあり、単独使用でも複数の併用でもよい。
通電する方法としては、特開平3−224685号公
報、同3−224687号公報、同4−16280号公
報、同4−18980号公報などに記載の方法が使用で
きる。
【0211】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
よい。また、感光材料から溶出した染料による汚染防止
に、特開昭63−163456号公報に記載の色素吸着
剤を水洗系に設置してもよい。
【0212】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号公報に記載さ
れているように、定着能を有する処理液に混合利用する
こともできる。また微生物処理(たとえば硫黄酸化菌、
活性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質
担体に担持させたフィルターによる処理等)や、通電や
酸化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求量
(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費量
等を低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリマ
ーを用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等の
難溶性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降させ
てフィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下さ
せることも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0213】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号公
報、同2−132435号公報、同1−102553号
公報、特開昭46−44446号公報に記載の化合物を
含有した浴を感光材料の最終浴として使用してもよい。
この安定浴にも必要に応じてアンモニウム化合物、B
i,Al等の金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート
剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカ
ノールアミンや界面活性剤を加えることもできる。
【0214】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0215】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液はたとえば特公平7−83867号公
報、US5439560等に記載されているような濃縮
装置で濃縮液化または固化させてから処分することも可
能である。
【0216】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許第3025779号明細書、同第3545
971号明細書などに記載されており、本明細書におい
ては単にローラー搬送型自動現像機として言及する。こ
の自現機は現像、定着、水洗および乾燥の四工程からな
っている。本発明では他の工程(たとえば停止工程)を
除外するものではないが、この四工程を踏襲するのが最
も好ましい。さらに、現像定着間および/または定着水
洗間にリンス浴,水洗槽や洗浄槽を設けてもよい。
【0217】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に対す
る現像処理では、処理開始から乾燥後まで(dry t
o dry)で25〜160秒が好ましく、現像および
定着時間が40秒以下、好ましくは6〜35秒、各液の
温度は25〜50℃が好ましく、30〜40℃が好まし
い。水洗の温度および時間は0〜50℃で40秒以下が
好ましい。この方法によれば、現像、定着および水洗さ
れた感光材料は水洗水を絞りきる、すなわちスクイズロ
ーラーを経て乾燥してもよい。乾燥は約40〜約100
℃で行われ、乾燥時間は周囲の状態によって適宜かえら
れる。乾燥方法は公知のいずれの方法も用いることがで
き特に限定はないが、温風乾燥や、特開平4−1553
4号公報、同5−2256号公報、同5−289294
号公報に開示されているようなヒートローラー乾燥、遠
赤外線による乾燥などがあり、複数の方法を併用しても
よい。
【0218】
【実施例】以下に合成例、実施例、比較例を挙げて本発
明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示
す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発
明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限
定的に解釈されるべきものではない。
【0219】(合成例1) 4級塩化合物3の合成 ポリエチレングリコール(平均分子量2000)800
g、塩化チオニル584mlとDMF4mlを室温で混
合した後、90℃に加熱し5時間撹拌した。過剰の塩化
チオニルを留去した後に、4−フェニルピリジン372
gを加え150℃で7時間反応させた。反応混合物を酢
酸エチル/2−プロパノール(10/1)の溶液にし、
冷却して析出した固体を濾取した。これを乾燥して、目
的とする4級塩化合物3を584g得た(収率62
%)。
【0220】(合成例2) 4級塩化合物4の合成 上記合成例1において、ポリエチレングリコール(平均
分子量2000)を用いる代わりに、ポリエチレングリ
コール(平均分子量3000)を用いた以外は、全く同
様にして4級塩化合物4を得た。
【0221】(合成例3) 4級塩化合物6の合成 ポリエチレングリコール(平均分子量2000)10
g、塩化チオニル7.3mlとDMF0.1mlを室温
で混合した後、90℃に加熱し5時間撹拌した。過剰の
塩化チオニルを留去した後に、イソキノリン4.0gを
加え150℃で7時間反応させた。反応混合物を酢酸エ
チル/2−プロパノール(10/1)の溶液にし、冷却
して析出した固体を濾取した。これを乾燥し、目的とす
る4級塩化合物6を7.1g得た(収率60%)。
【0222】(合成例4) 4級塩化合物65の合成 1,10−ジアミノ−4,7−ジオキサデカン17.6
g(0.1mol)、炭酸カリウム27.6g(0.2
mol)、酢酸エチル100ml、水50mlを室温で
激しく撹拌し、そこにクロロアセチルクロリド34g
(0.3mol)を滴下した。この反応液を分液し、酢
酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮すると1,
10−ビス(クロロアセチルアミノ)−4,7−ジオキ
サデカンが23g得られた(収率70%)。この化合物
3.3gとトリフェニルホスフィン7.9gを混合し、
150℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却後酢酸エ
チルで3回洗浄すると、褐色の粘稠な液体として4級塩
化合物65が5.4g(収率63%)が得られた。
【0223】(合成例5) 4級塩化合物62の合成 合成例4におけるトリフェニルホスフィンの代わりに4
−フェニルピリジンを用いた以外、全く同様の操作を行
い、4級塩化合物62を得た。
【0224】(合成例6) 4級塩化合物71の合成 合成例4における1,10−ジアミノ−4,7−ジオキ
サデカンの代わりにO,O'−ビス(2−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコール800を用い、トリフェニ
ルホスフィンの代わりに4−フェニルピリジンを用いた
以外全く同様の操作を行い、4級塩化合物71を得た。
【0225】実施例1 <乳剤Aの調製> 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム (0.005%、KCl、20%水溶液) 5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム (0.001%、NaCl、20%水溶液) 7ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリ
ウム(0.005%、KCl、20%水溶液)およびヘ
キサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%、N
aCl、20%水溶液)は、粉末をそれぞれKClの2
0%水溶液、NaClの20%水溶液に溶解し、40℃
で120分間加熱して調製した。
【0226】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 5mg その後、常法にしたがってフロキュレーション法によっ
て水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、下記に
示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハ
ロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2±
0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去し
た(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハ
ロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液
を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさ
らに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了
した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、p
H5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホ
ン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナ
トリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金
酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学
増感を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、
防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,L
td.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀を70
mol%、沃化銀を0.08mol%含む平均粒子径
0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子
乳剤を得た。最終的に乳剤として、pH=5.7、pA
g=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2〜
1.25x103kg/m3、粘度=50mPa・sとな
った。
【0227】
【化42】
【0228】 <乳剤Bの調製> 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 1g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g 2液 水 300ml 硝酸銀 150g 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム (0.005%、KCl、20%水溶液) 5ml ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム (0.001%、NaCl、20%水溶液) 15ml 3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリ
ウム(0.005%、KCl、20%水溶液)およびヘ
キサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%、N
aCl、20%水溶液)は、粉末をそれぞれKClの2
0%水溶液、NaClの20%水溶液に溶解し、40℃
で120分間加熱して調製した。
【0229】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形
成した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラアザインデン500mgを加え、
続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さら
に、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって
加え、0.18μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カ
リウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了し
た。 4液 水 100ml 硝酸銀 50g 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g 黄血塩 2mg その後、常法にしたがってフロキュレーション法によっ
て水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、上記の
アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハロゲ
ン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2±0.
2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去した
(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハロ
ゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液を
3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさら
に1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了し
た。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、pH
5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホン
酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナト
リウム3mg、トリフェニルホスフィンセレニド2m
g、塩化金酸1mgを加え55℃にて最適感度を得るよ
うに化学増感を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン10
0mg、防腐剤としてプロキセル100mgを加えた。
最終的に塩化銀を70mol%、沃化銀を0.08mo
l%含む平均粒子径0.18μm、変動係数10%のヨ
ウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。最終的に乳剤とし
て、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS
/m、密度=1.2x103kg/m3、粘度=50mP
a・sとなった。
【0230】<非感光性ハロゲン化銀粒子の調製>
【0231】 1液 水 1L ゼラチン 20g 臭化カリウム 0.9g クエン酸 0.2g NH4NO3 20g 過酸化水素 3.5g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 15mg 2液 水 400ml 硝酸銀 200g 3液 水 400ml 臭化カリウム 140.0g ヘキサクロロロジウム(III)酸カリウム(0.001%水溶液) 4000ml
【0232】60℃に保たれた1液を攪拌しながらNa
OH(1N)を40ml添加し、さらに硝酸銀水溶液を
0.7g添加した。その後、2液と3液のそれぞれ1/
2ずつをコントロールダブルジェット法にて、銀電位を
+24mVに保ったまま20分かけて添加し、2分間の
物理熟成後、2液と3液の残りの1/2を同様のコント
ロールダブルジェット法で20分かけて添加し、粒子形
成を行なった。
【0233】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、上記のアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を
用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH
3.1±0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3
L除去した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えて
から、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度
上澄み液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ
操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行
程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを
加え、pH5.7、pAgを7.5に調整し、防腐剤と
して、フェノキシエタノールを加え、最終的に平均塩化
銀を30mol%、沃化銀を0.08mol%含む、平
均粒子径0.8μm、変動係数10%の未後熟臭化銀十
四面体乳粒粒子の分散物を得た。最終的に乳剤とし
て、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS
/m、密度=1.3x103kg/m3、粘度=30mP
a・sとなった。下記X−1〜X−4水溶液中にKBr
1molあたり、1x10-5molに相当する量のヘキ
サクロロジウム(III)酸カリウムを添加して粒子形
成を行った。
【0234】<非感光性ハロゲン化銀粒子の調製>
【0235】 1液 水 1L ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 400ml 硝酸銀 100g 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g ヘキサクロロジウム(III)酸カリウム(0.001%水溶液) 860ml
【0236】70℃、pH4.5に保たれた1液と2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。
【0237】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下
げ、上記のアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用
いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH
3.2±0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3
L除去した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えて
から、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度
上澄み液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ
操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行
程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを
加え、pH5.7、pAgを7.5に調整し、防腐剤と
して、フェノキシエタノールを加え、最終的に平均塩化
銀を30mol%、沃化銀を0.08mol%含む、平
均粒子径0.45μm、変動係数10%の未後熟ヨウ塩
臭化銀立方体乳粒子の分散物を得た。最終的に乳剤と
して、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μ
S/m、密度=1.3〜1.35x103kg/m3
粘度=50mPa・sとなった。
【0238】<非感光性ハロゲン化銀粒子の調製> (1st液の調製)KBrを0.6g、平均分子量15
000のゼラチンを1.1g含む水溶液1300mLを
35℃に保ち、攪拌した。
【0239】(添加1)Ag−1水溶液(100mL中
にAgNO3を4.9g含有する)24mLと、X−1
水溶液(100mL中にKBrを4.1g含有する)2
4mLおよびG−1水溶液(100mL中に平均分子量
15000のゼラチンを1.8g含有する)24mLを
トリプルジェット法で、一定の流量で30秒間にわたっ
て添加した。
【0240】その後、KBr1.3gを添加し、温度を
75℃に昇温した。昇温後12分間の熟成工程を経た
後、G−2水溶液(100mL中にアルカリ処理オセイ
ンゼラチンの水溶液を50℃、pH9.0の条件で無水
トリメリット酸を加えて反応させた後、残留トリメリッ
ト酸を除去して得られたゼラチンを12.7g含有す
る)300mLを添加し、ついで、4,5−ジヒドロキ
シ−1,3−ジスルホン酸ジナトリウム一水和物を2.
1g、二酸化チオ尿素を0.002gを1分間ずつ間隔
をあけて順次添加した。
【0241】(添加2)次に、Ag−2水溶液(100
mL中にAgNO3を22.1g含有する)157mL
と、X−2水溶液(100mL中にKBrを15.5g
含有する)をダブルジェット法で14分間にわたり添加
した。この時、Ag−2水溶液の添加は最終流量が初期
流量の3.4倍になるように流量加速を行い、X−2水
溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
8.3に保つように行った。
【0242】(添加3)次いで、Ag−3水溶液(10
0mL中にAgNO3を32.0g含有する)329m
Lと、X−3水溶液(100mL中にKBrを21.5
g、KIを1.6g含有する)をダブルジェット法で2
7分間にわたり添加した。この時、Ag−3水溶液の添
加は最終流量が初期流量の1.6倍になるように流量加
速を行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバルク乳
剤溶液のpAgを8.3に保つように行った。
【0243】(添加4)さらに、Ag−4水溶液(10
0mL中にAgNO3を32.0g含有する)156m
Lと、X−4水溶液(100mL中にKBrを22.4
g含有する)をダブルジェット法で17分間にわたり添
加した。この時、Ag−4水溶液の添加は一定の流量で
行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶
液のpAgを8.3に保つように行った。
【0244】その後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ムを0.0025g、G−3水溶液(100mL中にア
ルカリ処理オセインゼラチンを12.0含有する)12
5mLを、1分間ずつ間隔をあけて順次添加した。
【0245】次いで、KBr43.7gを添加し、反応
容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.0にしてから、
AgI微粒子(100g中に平均粒径0.047μmの
AgI微粒子を13.0g含有する)73.9gを添加
した。
【0246】(添加5)その2分後から、Ag−4水溶
液249mLと、X−4水溶液をダブルジェット法で添
加した。この時Ag−4水溶液は一定の流量で16分間
にわたって添加し、X−4水溶液はpAgを9.10に
保つように添加した。
【0247】(添加6)続いて10分間は、反応容器の
バルク乳剤のpAgが7.5になるようにして添加を行
った。
【0248】その後、通常のフロキュレーション法によ
り脱塩を行い、次いで、攪拌しながら水、NaOH、ア
ルカリ処理オセインゼラチンを添加し、56℃でpH
5.8、pAg8.9になるように調整した。
【0249】得られた粒子は、円相当径1.0μm、粒
子厚み0.10μm、AgI含有量の平均値が3.94
mol%、平行な主平面が(111)面である平板状ハ
ロゲン化銀粒子からなり、また全粒子の円相当径の変動
係数は24%であった。
【0250】塗布試料の作製下記に示す両面が塩化ビニ
リデンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテレフ
タレートフィルム支持体上に、UL層/乳剤層/保護層
下層/保護層上層の構成となるように塗布して試料を作
製した。以下に各層の調製方法、塗布量および塗布方法
を示す。
【0251】<乳剤層>乳剤Aおよび/または乳剤Bを
表1に示す通りに混合し、増感色素(SD−1)5.7
×10-4mol/molAgを加えて分光増感を施し
た。さらに以下の成分を以下に示す量で混合した。 KBr 3.4×10-4mol/molAg 化合物(cpd−1) 2.0×10-4mol/molAg 化合物(cpd−2) 2.0×10-4mol/molAg 化合物(cpd−3) 8.0×10-4mol/molAg 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン 1.2×10-4mol/molAg ハイドロキノン 1.2×10-2mol/molAg クエン酸 3.0×10-4mol/molAg ヒドラジン誘導体(cpd−4) 添加量は表1に示す 造核促進剤(cpd−5) 6.0×10-4mol/molAg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 90mg/m2 コロイダルシリカ(粒径10nm) ゼラチンに対して15質量% 水性ラテックス(cpd−6) 100mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 メチルアクリレートと2−アクリルアミド−2−メチルプロパン スルホン酸ナトリウム塩と2−アセトキシエチルメタクリレート のラテックス共重合体(重量比88:5:7) 150mg/m2 コアシェル型ラテックス (コア:スチレン/ブタジエン共重合体(重量比37/63) シェル:スチレン/2−アセトキシエチルアクリレート (重量比84/16)、コア/シェル比=50/50) 150mg/m2 さらに、化合物(cpd−7)を乳剤層を有する側の総
ゼラチンに対し4質量%を添加し、クエン酸を用いて塗
布液pHを5.6に調整した。このようにして調製した
乳剤層塗布液を下記支持体上に理論上の塗布銀量、およ
びゼラチン塗布量が表1に示す量になるように塗布し
た。
【0252】 <保護層上層> ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmの不定形シリカマット剤 25mg/m2 化合物(cpd−8) (ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20nmのコロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC) 30mg/m2 化合物(cpd−9) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(cpd−10) 20mg/m2 化合物(cpd−11) 20mg/m2 防腐剤(ICI Co.,Ltd.製、プロキセル) 1mg/m2
【0253】 <保護層下層> ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子(表1に示す種類) 0.1g/m2 化合物(cpd−12) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(cpd−13) 3mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
【0254】 <UL層> ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 0.3g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(cpd−14) 10mg/m2 化合物(cpd−20) 5mg/m2 防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
【0255】尚、各層の塗布液は、下記構造(Z)で表
される増粘剤を加え、粘度調整した。
【0256】
【化43】
【0257】なお、本発明で使用したサンプルは下記組
成のバック層および導電層を有する。 <バック層> ゼラチン 3.3g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 0.3g/m2 化合物(cpd−15) 40mg/m2 化合物(cpd−16) 20mg/m2 化合物(cpd−17) 90mg/m2 化合物(cpd−18) 40mg/m2 化合物(cpd−19) 26mg/m2 化合物(cpd−20) 5mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm) 30mg/m2 流動パラフィン 78mg/m2 硝酸カルシウム 20mg/m2 防腐剤(プロキセル) 12mg/m2 化合物(cpd−7) バック層を有する側の総ゼラチンに対し4質量%
【0258】 <導電層> ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2/Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μm)200mg/m2 防腐剤(プロキセル) 0.3mg/m2
【0259】
【化44】
【0260】
【化45】
【0261】
【化46】
【0262】<支持体>二軸延伸したポリエチレンテレ
フタレート支持体(厚味100μm)の両面の下記組成
の下塗層第1層および第2層を塗布した。
【0263】 <下塗層1層> コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体 15g 2,4−ジクロロ6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g 化合物(Cpd−21) 0.20g コロイダルシリカ (日産化学(株)製、スノーテックスZL:粒径70〜100nm) 0.12g 水を加えて 合計量が100gとなる量 さらに、10重量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.
9μになる様に塗布した。
【0264】 <下塗層第2層> ゼラチン 1g メチルセルロース 0.05g 化合物(Cpd−22) 0.02g C1225O(CH2CH2O)10H 0.03g プロキセル 3.5×10-3g 酢酸 0.2g 水を加えて 合計量が100gとなる量 この塗布液を乾燥膜厚が0.1μmになる様に塗布し
た。乾燥は170℃で2分間行った。
【0265】
【化47】
【0266】<塗布方法>上記下塗層を施した支持体上
に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、乳
剤層、保護層下層、保護層上層の順に4層を、35℃に
保ちながらスライドビードコーター方式により硬膜剤液
を加えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5
℃)を通過させた後、乳剤面とは反対側に支持体に近い
側より、導電層、バック層の順に、カーテンコーター方
式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布し、冷風セ
ットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセットゾーン
を通過した時点では、塗布液は充分なセット性を示し
た。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に下記乾燥条件
にて乾燥した。なお、バック面側を塗布した後、巻き取
りまではローラー、その他には一切無接触の状態で搬送
した。この時の塗布速度は200m/minであった。
【0267】<乾燥条件>セット後、水/ゼラチンの重
量比が800%となるまで30℃の乾燥風で乾燥し、つ
いで800%から200%になるまでを35℃30%の
乾燥風で乾燥させ、さらにそのまま風を当て、表面温度
34℃となった時点(乾燥終了と見なす)より30秒後
に、48℃2%の空気で1分間乾燥した。この時、乾燥
時間は乾燥開始から水/ゼラチン比800%までが50
秒、800%から200%までが35秒、200%から
乾燥終了までが5秒であった。
【0268】この感光材料を25℃55%で巻き取り、
35℃30%において72時間熱処理を行なった。次い
で25℃55%で裁断し、以下のごとく遮光性感光材料
ロールを作製した(加工形態I)。なお、比較のため富
士写真フイルム(株)製イメージセッター用写真感光材
料LLに使用されている包材を使用し遮光性感光材料ロ
ールを作製した(加工形態II)。
【0269】(遮光リーダの製造)厚みが30μmのシ
ュリンクフィルム(グンゼ(株)製、TNS)の両面
に、遮光性フィルム(カーボンブラックを5重量%混入
した厚みが30μmの低密度ポリエチレンシート)を貼
り合わせて熱収縮性遮光フィルム製細片を製造した。得
られた熱収縮性遮光フィルム製細片の熱収縮率は、10
0℃において、長さ方向で13.3%、幅方向で11.
9%であり、長さ方向のエルメンドルフ引裂荷重は0.
43Nであった。この熱収縮性遮光フィルム製細片を、
厚みが100μmのPETシートの両側表面にカーボン
ブラックを5重量%混入した厚みが40μmの低密度ポ
リエチレンシートを貼り合わせてなる遮光シートの両側
部に、それぞれ幅方向に突き出すように両側端部に沿っ
て貼り合わせて遮光リーダを製造した。
【0270】(遮光性感光材料ロールの製造)上記の遮
光リーダを、感光材料ロールの先端に粘着テープで接合
し、円盤状遮光部材を感光材料ロールの両端部に取り付
けた。次いで、ロール状感光材料の遮光リーダを、感光
材料ロールの周囲に巻き付けながら、遮光リーダの熱収
縮性遮光フィルム製細片の表面に270℃の熱風を吹き
付けて、遮光リーダの熱収縮性遮光フィルム製細片を円
盤状遮光部材の外周縁部を超えて外側表面に熱収縮した
状態で接触させた。そして、遮光リーダの巻き終わりの
先端部と該遮光リーダの一周回前の外側表面とを接着テ
ープにより封止した後、円盤状遮光部材の外側表面に密
着している熱収縮性遮光フィルム製細片の表面に130
℃に加熱したヒータを押し当てて、円盤状遮光部材の外
側表面と熱収縮性遮光フィルム製細片とを融着させた。
このロールは幅1130mm、巻き長さ61mであっ
た。
【0271】ロール内の湿度を測定したところ45%で
あった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pHは
5.5〜5.8,バック側の膜面pHは5.7〜6.5
であった。なお、乳剤層側およびバック層側の吸収スペ
クトルは図1に示す通りであった。吸収スペクトルの測
定には、日立製作所(株)社製分光光度系U−3500
型を用い、試料室に設置したφ200積分球の中に測定
面側の反対側の面を脱膜した試料を置いて測定を行なっ
た。
【0272】評価は以下の方法で行なった。 [写真性の評価]得られた試料を667nmにピークを
有する干渉フィルターおよびステップウェッジを介し
て、発光時間10-6秒のキセノンフラッシュ光で露光し
た。そして下記処方の現像液(A)および定着液(B)
を使用し、FG−680AG自動現像機(富士写真フイ
ルム株式会社製)を用い、35℃30秒の現像条件で処
理した。
【0273】 現像液(A):濃縮液1Lあたりの組成 水 600ml 水酸化カリウム 105.0g ジエチレントリアミン−五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 120.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 75.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.24g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.35g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 0.432g 4−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ− 2,6−ジメルカプトピリミジン 0.18g 2−(N−カルボキシメチル−N−メチルアミノ− 4,6−ジメルカプトピリミジン 0.06g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 60.0g 水酸化カリウムと水を加えて1Lとし、pHを10.7に合わせた。 スタート液(母液)は上記液1に対して水3を加えたも
のとした(pHは10.40)。補充液は上記液1に対
して水2を加えたものとした(pHは10.45)。補
充量は大全(50.8×61.0cm)1枚当たり10
0ml、または、1m2当たり323mlとした。
【0274】 定着液(B)処方:濃縮液1Lあたりの組成 チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈した。使用液のpHは4.8であった。
【0275】(階調)光学濃度0.3〜3.0における
ガンマー(γ)は((3.0−0.3)/log(濃度
3.0を与える露光量)−log(濃度0.3を与える
露光量))で表される値で示した。
【0276】(網点品質)大日本スクリーン(株)製の
イメージセッターFT−R5055を使用して175線
/インチで光量を変えながらテストステップを出力し、
前記の処理条件で現像処理を行った。中間網点が50%
になるLV値で露光し、中間網点部の網点を100倍ル
ーペで目視観察し5段階評価を行った。5が最も網点の
品質が良好で、1が最も悪い。3以上が実用上許容され
るレベルである。なお、網%はMacbeth TD9
04を用いて測定した。
【0277】(感光材料の保存安定性)表1に示す通り
作製されたサンプルを、ロール形態で保存性の強制テス
トを実施した。条件は50℃45%の条件下で5日保管
した後、センシトメトリーの評価を行い、感度S1.5
(サーモ)を求めた。ロール状に巻かれたサンプルの最
外周部のサンプルと中央部(最外周部から30mの位
置)のサンプルとの感度変動(ΔS1.5)を下式基づ
いて計算しパーセンテージで表1に示す。 感度変動(ΔS1.5)=(S1.5(最外周部)−S
1.5(中央部))/S1.5(Fr)x100 数値が小さい方が望ましく、絶対値として15%以内で
あることが必要である。
【0278】
【表1】
【0279】表1より、本発明の試料は、網点品質、お
よび保存性に優れていることがわかる。
【0280】実施例2 実施例1と同様の実験を、現像剤は実施例1の処方を基
に、下記積層の順序でポリエチレン容器に細密充填した
固形現像剤(C)および固形定着剤(D)を用いて行っ
たところ、実施例1と同様に本発明の構成の試料が良好
な性能を示した。
【0281】固形現像剤(C)処方 第一層 ハイドロキノン 第二層 その他成分 第三層 KBr 第四層 Na225 第五層 炭酸カリウム 第六層 KOHペレット
【0282】定着剤は、下記処方を現像剤と同じに充て
んしたものを使用した。 固形定着剤(D)処方 第一層 (NH4223/Na223/SS 160.0g 第二層 Na225 15.0g 第三層 無水酢酸ナトリウム 32.7g 第四層 エチレンジアミン四酢酸 0.03g コハク酸 3.3g 酒石酸 3.0g グルコン酸ナトリウム 1.8g 第五層 アンモニウム明バン 23.0g 使用液1LでのpH 4.80
【0283】実施例3 実施例1の現像液(A)の代わりに、下記現像液(E)
を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例
1と同様に本発明の構成の感光材料が良好な性能を示し
た。
【0284】以下に現像液(E)の濃縮液1Lあたりの
組成を示す。 水 600ml 水酸化カリウム 96.0g ジエチレントリアミン−五酢酸 6.0g 炭酸カリウム 48.0g メタ重亜硫酸ナトリウム 120.0g 臭化カリウム 9.0g ハイドロキノン 70.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.24g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.7g 2−メルカプトベンツチアゾール 0.18g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.06g エリソルビン酸ナトリウム 9.0g ジエチレングリコール 40.0g 水酸化カリウムを加えて、水を加えて1LとしpHを1
0.8に合わせる。使用液は上記液1に対して水2を加
えたものを用いた(pHは10.45)。補充量は大全
(50.8×61.0cm)1枚当たり100ml、ま
たは、1m 2当たり323ml用いた。
【0285】実施例4 実施例1の現像液(A)の代わりに、現像液(A)で、
1日あたり80%黒化のそれぞれのフィルムサンプル
を、大全サイズ(50.8cm×61cm)あたり使用
液50ml補充しながら大全サイズ300枚処理し、こ
れを4日間連続して行うことにより、大量のフィルムを
処理することによってpHが10.2に低下し臭素イオ
ン濃度が増加した現像液を用いて実施例1と同様の実験
を行ったところ、実施例1と同様に本発明の構成の感光
材料が良好な性能を示した。
【0286】実施例5 実施例1〜4において現像温度38℃、定着温度37
℃、現像時間20秒に設定して処理を行ったところ、実
施例1〜4と同様の結果となり、本発明の効果は失われ
ることはなかった。
【0287】実施例6 実施例1〜5において自動現像機を富士写真フイルム
(株)製FG−680ASを用い、感光材料の搬送速度
を線速1500mm/分に設定して同様の処理をして
も、同様の結果を得た。
【0288】実施例7 富士写真フイルム(株)製のラックスセッターRC−5
600Vを使用するかわりに、大日本スクリーン(株)
製のイメージセッターFT−R5055アグファゲバル
ト(株)製のセレクトセット5000、アバントラ2
5、もしくはアキュセット1000、サイテックス
(株)製のドレブ450、もしくはドレブ800、ハイ
デル(株)製のライノ630、クエーサー、ハーキュレ
スエリート、もしくはシグナセッター、、もしくはラク
セルF−9000、またはプレプレス(株)製のパンサ
ープロ62のいずれか1機種を用いて実施例1〜5と同
様の評価を行なったところ、本発明の試料にて同様の効
果を得た。
【0289】
【発明の効果】対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)
の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線にお
いて、光学濃度0.3〜3.0におけるガンマーが5.
0以上である特性曲線を有することを特徴とする、遮光
性感光材料ロールの形態を有する本発明のハロゲン化銀
写真感光材料を用いれば、長期保存時においても写真性
への影響を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係る写真感光材料につ
いて、乳剤層側およびバック層側の吸収スペクトルを示
したものである。縦軸は吸光度(0.1間隔)を示し、
横軸は350nm〜950nmまでの波長を示す。実線
は乳剤層側の吸収スペクトルを示し、破線はバック層側
の吸収スペクトルを示す。
【図2】 本発明の遮光性感光材料ロールの形態を有す
るハロゲン化銀写真感光材料の一例の分解斜視図であ
る。
【図3】 本発明の遮光性感光材料ロールの形態を有す
るハロゲン化銀写真感光材料の一例の組立工程図であ
る。
【図4】 本発明の遮光性感光材料ロールの形態を有す
るハロゲン化銀写真感光材料の一例の部分断面図であ
る。
【図5】 本発明の遮光性感光材料ロールの形態を有す
るハロゲン化銀写真感光材料の感光材料シートを巻き出
す操作を表した概略図である。
【符号の説明】
1 感光材料ロール 2 巻芯 3 長尺状感光材料シート 4 円盤状遮光部材 4a キャップ 4b リング 5 遮光リーダ 6 遮光シート 7 熱収縮性遮光フィルム製細片 8a、8b 粘着テープ 9 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 560 G03C 3/00 560E 560Q 565 565E 565H 566 566Z 570 570X 571 571G 572 572A 590 590F 1/06 501 1/06 501 1/76 501 1/76 501 5/02 5/02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)の単位長の等し
    い直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度
    0.3〜3.0におけるガンマーが5.0以上である特
    性曲線を有し、かつ該感光材料が巻芯の周囲に巻き付け
    られてなる感光材料ロールの形態を有しており、ロール
    の巻芯の両端部のそれぞれに取り付けられた、感光材料
    ロールの半径と略同一の半径を有する円盤状遮光部材、
    そして該感光材料ロールの長尺状感光材料シートの先端
    部に接合されている、長さが該円盤状遮光部材の円周よ
    りも長く、幅が該長尺状感光材料シートの幅と略同一の
    長尺遮光シートの両側部に、それぞれ幅方向に張り出す
    ように、両側端部に沿って、長さが該円盤状遮光部材の
    円周よりも長く、長さ方向に沿って引裂き可能な熱収縮
    性遮光フィルム製細片が付設されてなる遮光リーダを含
    み、かつ該熱収縮性遮光フィルム製細片の張り出し部が
    円盤状遮光部材の外周縁部を超えて外側表面に主として
    長さ方向に熱収縮した状態で融着した遮光性感光材料ロ
    ールであることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
  2. 【請求項2】 巻芯が中空であり、かつ円盤状遮光部材
    がその中心部分の表面にリング状突起を有していて、そ
    のリング状突起が中空巻芯の内壁に接触するように、巻
    芯内部にはめ込まれた遮光性感光材料ロールであること
    を特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
  3. 【請求項3】 引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細
    片が長さ方向に沿って0.1〜0.5Nのエルメンドル
    フ引裂強さを示す遮光性感光材料ロールであることを特
    徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀感光材
    料。
  4. 【請求項4】 引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細
    片が、遮光リーダの巻き出し時に、遮光シートの側端部
    に平行な方向もしくは側端部から遠ざかる方向に引裂か
    れる特性をもつ遮光性感光材料ロールであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀感
    光材料。
  5. 【請求項5】 引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細
    片が、100℃において長さ方向の熱収縮率が5〜30
    %の範囲にあり、幅方向の熱収縮率が長さ方向の熱収縮
    率よりも1%以上小さい値を示す遮光性感光材料ロール
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のハロゲン化銀感光材料。
  6. 【請求項6】 引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細
    片が、熱収縮性フィルムとその両側表面のそれぞれに積
    層された実質的に熱収縮性を示さない熱可塑性遮光性フ
    ィルムとからなる遮光性感光材料ロールであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲン化銀
    感光材料。
  7. 【請求項7】 長尺遮光シートの両側部に、それぞれ幅
    方向に張り出すように、両側端部に沿って、長さ方向に
    沿って引裂き可能な熱収縮性遮光フィルム製細片が付設
    された遮光リーダを有する遮光性感光材料ロールである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハロ
    ゲン化銀感光材料。
  8. 【請求項8】 ハロゲン化銀写真感光材料がヒドラジン
    化合物を含有する請求項1〜7のいずれかにに記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  9. 【請求項9】 ハロゲン化銀写真感光材料の、乳剤層側
    の膜面pHが6.0以下である請求項1〜8に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
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