JP2003027338A - 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維およびそれからなる伸縮性不織布 - Google Patents

潜在捲縮性ポリエステル複合繊維およびそれからなる伸縮性不織布

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JP2003027338A
JP2003027338A JP2001213819A JP2001213819A JP2003027338A JP 2003027338 A JP2003027338 A JP 2003027338A JP 2001213819 A JP2001213819 A JP 2001213819A JP 2001213819 A JP2001213819 A JP 2001213819A JP 2003027338 A JP2003027338 A JP 2003027338A
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Noriaki Munakata
則明 宗像
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた切断性と伸縮性を兼ね備えた不織布を
得ることができる潜在捲縮性ポリエステル複合繊維、お
よびそれからなる不織布を提供する。 【解決手段】 3官能以上の官能基を有する酸成分およ
び/またはグリコール成分を0.1〜2モル%、イソフ
タル酸を7〜15モル%共重合したポリエステル(A)
と、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステル(B)とが偏心的に配されている潜在捲
縮性ポリエステル複合繊維およびそれからなる伸縮性不
織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた切断性と伸
縮性を兼ね備えた不織布を得ることができる潜在捲縮性
ポリエステル複合繊維およびそれからなる不織布に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維を用いた不織布は、機
能性、リサイクル性等に優れているため、幅広い用途で
使用されている。特に潜在捲縮性を有しているポリエス
テル繊維を含有した不織布は、伸縮性、弾性回復性に優
れており、衛生材料用途や貼付材用途として幅広く用い
られている。
【0003】一般的に、潜在捲縮性ポリエステル繊維を
用いた伸縮性不織布は、短繊維をカードでウェブとし、
ニードルパンチ加工やスパンレース加工等により短繊維
を絡合させた後、熱処理を施して捲縮を発現させること
により得られる。得られた伸縮性不織布は、用途に応じ
て所定の寸法に裁断加工される。
【0004】不織布中の短繊維は、微細なスパイラルク
リンプを発現しているため、優れた伸縮性を示すが、ス
パイラルクリンプを発現した状態の短繊維は、スパイラ
ルクリンプの無い通常の短繊維(機械捲縮を有するも
の、ノークリンプのもの)と比較すると、弛緩状態であ
るため(すなわち、張力が低いため)、裁断時の切断性
が悪く、不織布の切断面に毛羽が発生して均一な断面の
製品を得ることが難しい。すなわち、図1、図2の短繊
維が切断される際の様子を示す概略模式図により説明す
ると、図1(a)のノークリンプの短繊維1の場合、刃
2が短繊維に接触する(b)と、接触部分が伸びること
なく(c)、切断される(d)。一方、図2(a’)の
スパイラルクリンプを有する短繊維3の場合、刃が短繊
維に接触する(b’)と、スパイラルクリンプを有する
短繊維は、弛緩状態であって、張力が低いため、刃の応
力により繊維が伸ばされ(c’)、伸ばされた状態で切
断され(d’)、すなわち、伸ばされた部分が毛羽とし
て不織布の切断面に生じることとなる。
【0005】これを解決するために、スパイラルクリン
プを有する短繊維において、刃が接触した場合に、刃の
応力によって伸ばされることなく短繊維が切断できるだ
けの低い強度を短繊維に付与することが考えられる。短
繊維の強度を低くする方法としては、延伸工程で延伸倍
率を低く設定する方法が容易に考えられるが、この場
合、短繊維の切断伸度が高くなるため、裁断加工時に短
繊維が切断される前に伸びてしまい、結局、刃の応力に
よって伸ばされることなく短繊維が切断されることはな
い。したがって、不織布の切断面に、毛羽が発生し、均
一な断面の製品を得ることが困難である。
【0006】したがって、近年の衛生材料や貼付材には
伸縮性が最も不可欠な要素となっているが、 優れた伸
縮性と優れた切断性を同時に有する不織布用の繊維は、
未だ開発されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した潜
在捲縮性ポリエステル複合繊維の欠点を解消し、裁断工
程での切断性が良好で、優れた伸縮性を有する不織布を
得ることができる潜在捲縮性ポリエステル複合繊維をお
よびそれからなる伸縮性不織布を提供することを技術的
な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分を特
定量共重合してなるポリエステルを、潜在捲縮性複合繊
維を構成する一成分として用いることにより、得られる
短繊維の切断強度が高すぎず、また、切断伸度が高すぎ
ない短繊維を得ることができることを知見して、本発明
に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、3官能以上の官能基
を有する酸成分および/またはグリコール成分を0.1
〜2モル%、イソフタル酸を7〜15モル%共重合した
ポリエステル(A)と、主たる繰り返し単位がエチレン
テレフタレートであるポリエステル(B)とが偏心的に
配されていることを特徴とする潜在捲縮性ポリエステル
複合繊維を要旨とするものである。
【0010】また、本発明は、前記潜在捲縮性ポリエス
テル複合繊維を60質量%以上含有することを特徴とす
る伸縮性不織布を要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明において、潜在捲縮性ポリエステル
複合繊維を構成するポリエステル(A)は、3官能以上
の官能基を有する酸成分および/またはグリコール成分
(以下、成分Xと略記する。)を0.1〜2モル%、イ
ソフタル酸を7〜15モル%共重合してなるものであ
る。
【0013】成分(X)の共重合量が0.1モル%未満
であると、得られる潜在捲縮性ポリエステル複合繊維の
強度が高くなるため、本発明が目的とするものではな
く、このような複合繊維からなる不織布は、裁断加工時
の切断性が悪く、不織布の切断面に毛羽が発生する。し
たがって、このような不織布を衛生材料や貼付材に用い
ると、製品の品質を著しく低下させることとなる。一
方、成分(X)の共重合量が2モル%を超えると、得ら
れる潜在捲縮性ポリエステル複合繊維の強度が低くなり
すぎるため、この繊維からなる不織布の強力もまた低く
なり、実用性に乏しいものとなる。
【0014】本発明において、成分(X)としては、例
えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の酸成分やグ
リセリン、トリメチルプロパン、ペンタエリスリトール
等のグリコール成分が挙げられる。本発明の効果を損な
わない限り、3官能以上の官能基を有する酸成分および
/またはグリコール成分であれば、上記以外のものであ
っても、特に限定するものではない。得られる複合繊維
の色調等を考慮すると、中でもトリメリット酸、トリメ
チルプロパンを用いることがより好ましい。
【0015】ポリエステル(A)に共重合するイソフタ
ル酸の共重合量が7モル%未満であると、得られる潜在
捲縮性ポリエステル複合繊維の自由収縮熱処理による捲
縮発現性が劣り、本発明が目的とする優れた伸縮性を有
する不織布を得ることができない。一方、15モル%を
超えると、得られる潜在捲縮性ポリエステル複合繊維の
自由収縮熱処理による捲縮発現性が大きすぎるため、三
次元の微細捲縮を発現しすぎてしまい、このような繊維
からなる不織布は、風合いが硬くなるので好ましくな
い。また、ポリエステルの結晶性が阻害され、チップ乾
燥時にチップ同志の融着がするという問題が発生するた
め好ましくない。
【0016】なお、ポリエステル(A)には、本発明の
目的を阻害しない範囲で、酸化防止剤、顔料、難燃剤、
導電性付与剤、艶消し剤、着色剤、抗菌剤、防ダニ剤、
消臭剤、制電性付与剤等の改質剤や添加剤が含有されて
いてもよい。
【0017】本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維
を構成する他方の成分として、主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートからなるポリエステル(B)を配
する。ポリエステル(B)には、本発明の目的を阻害し
ない範囲で少量の共重合成分や酸化防止剤、顔料、難燃
剤、導電性付与剤、艶消し剤、着色剤、抗菌剤、防ダニ
剤、消臭剤、制電性付与剤等の改質剤や添加剤を含有し
ていてもよい。
【0018】本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維
は、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とが偏心
的に配されてなる複合繊維である。偏芯的に配されてな
るというのは、偏心芯鞘型あるいはサイドバイサイド型
を示すものであり、2種類のポリエステルが偏った複合
形態であれば特に限定するものではない。
【0019】潜在捲縮性ポリエステル複合繊維の断面形
状は、円型に限らず、扁平型、トリローバル型、ヘキサ
ローバル型、W型、H型等の異形断面や、中空部を有す
る中空断面であってもよい。
【0020】本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維
は、弛緩状態で熱処理を施すことにより、三次元捲縮を
発現する。三次元捲縮とは、コイル状の微細なスパイラ
ル捲縮のことである。
【0021】本発明において、潜在捲縮性ポリエステル
複合繊維は、170℃乾熱処理により60〜130ケ/
25mmの三次元捲縮を発現することが好ましい。前記
熱処理により発現する三次元捲縮数が60ヶ/25mm
未満であると、捲縮発現性が劣るため、この複合繊維か
らなる不織布は、伸縮性に劣る傾向となる。一方、13
0ヶ/25mmを超えると、熱処理による捲縮発現性が
大きすぎるため、三次元の微細捲縮を発現しすぎてしま
い、この繊維からなる不織布の風合いが硬くなる傾向と
なる。
【0022】本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維
は、例えば次の方法で製造することができる。
【0023】すなわち、上記ポリエステル(A)および
ポリエステル(B)を用いて、従来公知の溶融複合紡糸
法で紡糸し、横吹付装置や環状吹付装置等の従来公知の
冷却装置を用いて、吹付風により糸条を冷却した後、油
剤を付与し、引取りローラーを介して捲取機に捲取る。
曳糸性を考慮すると、引取りローラーの速度は500m
/分〜2000m/分であることが好ましい。得られた
未延伸糸を複数本引き揃え、従来公知の延伸機にて周速
の異なるローラー群間で延伸、熱処理を行う。延伸、熱
処理条件によっても、複合繊維の潜在捲縮性の度合いを
コントロールすることができる。また、要求される用途
により、延伸トウを構成するポリマーの融点または軟化
点以下の温度で熱セットして潜在捲縮を顕在化させても
よい。
【0024】次いで、延伸トウを押し込み式捲縮付与装
置にて、機械捲縮を付与した後、所定の繊維長に切断
し、目的とする潜在捲縮性ポリエステル複合繊維を得
る。なお、機械捲縮数としては、不織布のカード工程通
過性を考慮すると8〜23ヶ/25mmの範囲が好まし
い。
【0025】次に、本発明の不織布について説明する。
【0026】本発明の不織布は、前記潜在捲縮性ポリエ
ステル複合繊維を60質量%以上有し、好ましくは80
質量%以上有する。また、本発明の不織布において、構
成繊維すべてが本発明の前記複合繊維からなるものであ
ることがより好ましい。
【0027】不織布が有する前記潜在捲縮性ポリエステ
ル複合繊維の割合が、60質量%未満であると、前記潜
在捲縮性ポリエステル複合繊維以外の繊維が伸縮性を有
しない繊維の場合、得られる不織布は所望の伸縮性を有
しない。また、前記潜在捲縮性ポリエステル複合繊維以
外の繊維が伸縮性を有する従来の潜在捲縮性複合繊維の
場合、不織布の切断性に劣るため、切断面に毛羽が発生
するものとなる。
【0028】本発明の不織布は、例えば次の方法で得る
ことができる。
【0029】まず、本発明の潜在捲縮性ポリエステル複
合繊維を用いて、他の繊維を用いる場合は、他の繊維と
潜在捲縮性ポリエステル複合繊維とを混綿した後、通常
のカード機にて開繊して不織ウエブを作成する。得られ
た不織ウエブに、ニードルパンチ処理やウォーターニー
ドル処理を施して、構成繊維同士を交絡させる。
【0030】次いで、不織ウエブをフリーの状態あるい
はパンチングプレートなどで挟んで処理するホットエア
スルー型熱処理機により弛緩状態で熱処理を施し、潜在
捲縮を顕在化させて三次元捲縮を発現させ、かつ自由収
縮を生じさせて、伸縮性の良好な不織布とする。熱処理
の際の温度条件は、潜在捲縮性ポリエステル複合繊維に
発現させる捲縮数等に応じて適宜調整すればよい。
【0031】
【作用】本発明の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維を用
いると、優れた切断性と伸縮性を兼ね備えた不織布が得
られる理由は明らかではないが、該複合繊維を構成する
一方の成分であるポリエステル(A)に、分子の並びを
直線的でなく、枝分かれした並びとし、繊維強度を低下
させる働きをする3官能以上の官能基を有する酸成分お
よび/またはグリコール成分と、繊維にした場合、高い
熱収縮性能を潜在するイソフタル酸を一定量共重合した
ためであると推察する。
【0032】この考えを図3に示す分子構造模式図に基
づいて説明する。例えば、ポリエチレンテレフタレート
の場合は、図3(a)に示すように、構成成分であるテ
レフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)と
が一直線に結合して並んでいる。
【0033】一方、本発明においては、構成成分である
テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)
とは一直線に結合しているものの、3官能以上の官能基
を有する酸成分および/またはグリコール成分(例とし
てトリメリット酸、TMA)が存在することにより、構
成成分の並びが一直線でなく、枝分かれしている。この
ように、本発明においては分子構造において、分子の並
びが、枝分かれした状態となっているため、繊維強度が
低下すると考えられる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例中における各種の物性値は以下の方法で測
定したものである。
【0035】(1)極限粘度:フェノールと四塩化エタ
ンの等量混合溶媒を用いて、温度20℃で測定した。
【0036】(2)繊維強度(cN/dtex):JI
S L−1015 7−7−1 に準じて測定した。本
発明においては 繊維強度が、1.5〜3.8cN/d
texのものが、切断性が良好で、かつ実用的な強力を
有するとする。さらに好ましくは、繊維強度が、1.5
〜3.0cN/dtexのものである。
【0037】(3)捲縮数(ケ/25mm):JIS
L−1015 7−21−1に準じて測定した。なお、
潜在捲縮の顕在化は、短繊維を170℃で15分間自由
収縮可能な条件で熱処理することによって行った。
【0038】(4)不織布の伸長率(%):横(機械方
向に対して直交する方向)25mm×縦(機械方向)1
50mmの試料を5点作成し、機械方向に30gの荷重
をかけたときの長さをL0、機械方向に240gの荷重
をかけたときの長さをL1とし、次式により伸長率を算
出し、その平均値を不織布の伸長率(%)とした。 伸長率(%)=[(L1−L0)/L0]×100 本発明においては、伸長率が120%以上のものを伸縮
性が良好とする合格基準とした。
【0039】(5)不織布の風合い:横(機械方向と垂
直方向)25mm×縦(機械方向)150mmの試料に
ついて、10人のパネラーが手触りによる官能評価を行
い、以下の基準で○を合格とした。 ○:10人全員が良好な風合いと感じた。 ×:3人以上が硬すぎると感じた。
【0040】(6)不織布の切断性:ギロチンカッター
を用いて、横(機械方向と垂直方向)25mm×縦(機
械方向)150mmの試料を横方向に切断し、切断面に
飛び出した単繊維毛羽の本数を評価指数とし、下記の基
準で評価を行った。本発明においては、◎および○を合
格とした。 ◎:毛羽数0本/25mm ○:毛羽数1〜5本/25mm ×:毛羽数6本以上/25mm
【0041】実施例1 ポリエステル(A)として、トリメリット酸(以下、T
MAと略記する。)を1モル%、イソフタル酸(以下、
IPAと略記する。)を10モル%共重合した極限粘度
0.70の共重合ポリエステルを用いた。
【0042】ポリエステル(B)として、極限粘度0.
65のポリエチレンテレフタレートを用いた。
【0043】上記2種類のポリマーからなるチップを、
それぞれ常法により減圧乾燥した後、従来公知の複合溶
融紡糸装置を用いて、孔径0.45mmの丸断面の細孔
500個を有する紡糸口金を用いて、紡糸温度290
℃、総吐出量230g/分で2種類のポリマーをサイド
バイサイド型に質量比率1/1として配し、複合紡糸し
た。
【0044】紡出した糸条を従来公知の環状吹付装置を
用いて冷却風にて冷却した後、油剤を付与し、速度10
00m/分の引取りローラーを介して捲取機にて捲取る
ことにより未延伸糸を得た。
【0045】次いで、得られた未延伸糸を集束し、60
℃の温度で周速の異なるローラー群間で2.5倍に延伸
し、延伸トウを押し込み式捲縮付与装置を用いて捲縮数
が14個/25mmになるように機械捲縮を付与した。
その後、油剤噴霧装置を用いて仕上げ油剤を繊維質量に
対して0.12%付着するように付与し、乾燥後、51
mmの繊維長に切断して潜在捲縮性ポリエステル複合短
繊維を得た。
【0046】得られた複合短繊維をカード機にかけて、
目付120g/m2のカードウェブとした後、カードウ
エブにニードルパンチ処理を施し、次いで、弛緩状態で
170℃×1分間の自由収縮乾熱処理を施して伸縮性不
織布を得た。
【0047】実施例2〜5、比較例1〜6 ポリエステル(A)の共重合成分および共重合量を表1
に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして複
合繊維および伸縮性不織布を得た。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、実施例1〜5
は、得られた複合繊維の強度は低く、切断性も良好な伸
縮性不織布が得られた。また、捲縮の発現性も適度に高
く、風合いが良好で伸縮性に優れた伸縮性不織布が得ら
れた。
【0050】一方、比較例1〜6は、ポリエステル
(A)の共重合成分、共重合量が本発明の範囲でないも
のであったため、十分な繊維特性および不織布特性は得
られなかった。
【0051】実施例6 実施例5で得られた潜在捲縮性ポリエステル複合繊維
と、比較例5で得られた潜在捲縮性複合繊維とを質量比
で80/20の割合で混綿した後、カード機にかけて、
実施例1と同様にカードウエブとし、ニードルパンチ処
理を施し、次いで、弛緩状態で170℃×1分間の乾熱
処理を施して伸縮性不織布を得た。
【0052】比較例7 実施例6において、実施例5で得られた潜在捲縮性ポリ
エステル複合繊維と、比較例5で得られた潜在捲縮性複
合繊維とを質量比で50/50の割合で混綿したこと以
外は、実施例6と同様にして伸縮性不織布を得た。
【0053】実施例6、比較例8で得られた不織布の評
価結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、実施例6は切断
性、風合いが良好で伸縮性に優れた不織布が得られた。
【0056】一方、比較例7は、比較例5の複合繊維の
含有量が多すぎるため、切断性に欠ける不織布であっ
た。
【0057】実施例7 実施例6において、比較例5で得られた潜在捲縮性複合
繊維に代えて、繊度2.2dtex、繊維長51mm、
円型断面形状のポリエチレンテレフタレート繊維(以
下、PET繊維と略記する。)を用いたこと以外は、実
施例6と同様にして伸縮性不織布を得た。
【0058】比較例6 実施例7において、実施例5で得られた潜在捲縮性ポリ
エステル複合繊維と、PET繊維との混綿比を50/5
0(質量比)としたこと以外は、実施例7と同様にして
不織布を得た。
【0059】実施例7、比較例6で得られた不織布の評
価結果を表3に示した。
【0060】
【表3】
【0061】表3から明らかなように、実施例7は切断
性、風合いが良好で伸縮性に優れた不織布が得られた。
【0062】一方、比較例8は、PET繊維の含有量が
多すぎるため、伸縮性に欠ける不織布であった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、潜在捲縮性ポリエステ
ル複合繊維を構成する一方のポリエステルとして、3官
能以上の官能基を有する酸性分および/またはグリコー
ル成分とイソフタル酸とをそれぞれ特定量共重合してな
るポリエステルを用いることによって、優れた切断性と
伸縮性を兼ね備えた不織布を得ることができる潜在捲縮
性ポリエステル複合繊維が得ることができたものであ
る。
【0064】したがって、前記潜在捲縮性ポリエステル
複合繊維を特定量有する本発明の不織布は、優れた切断
性と伸縮性を兼ね備えたものであり、特に衛生材料用途
や貼付材用途に用いた場合に、品位が高く、製品価値の
高いものを得ることができる。
【0065】また、潜在捲縮性ポリエステル複合繊維を
構成する一方のポリエステルに共重合する成分は、環境
ホルモン物質(内分泌撹乱作用を有すると疑いのある物
質)ではないため、エンドクリン問題に対しても有用で
あるため、本発明の複合繊維からなる不織布を、人体に
直接接するような衛生材料や貼付材に用いた場合でも、
安心して使用することができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノークリンプの短繊維が切断される際の様子を
示す概略模式図である。
【図2】スパイラルクリンプを有する短繊維が切断され
る際の様子を示す概略模式図である。
【図3】分子構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1: ノークリンプの短繊維 2: 刃 3: スパイラルクリンプを有する短繊維

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3官能以上の官能基を有する酸成分およ
    び/またはグリコール成分を0.1〜2モル%、イソフ
    タル酸を7〜15モル%共重合したポリエステル(A)
    と、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
    るポリエステル(B)とが偏心的に配されていることを
    特徴とする潜在捲縮性ポリエステル複合繊維。
  2. 【請求項2】 3官能以上の官能基を有する酸成分およ
    び/またはグリコール成分が、トリメリット酸および/
    またはトリメチルプロパンであることを特徴とする請求
    項1に記載の潜在捲縮性ポリエステル複合繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の潜在捲縮性ポリエステ
    ル複合繊維を60質量%以上含有することを特徴とする
    伸縮性不織布。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10158934A (ja) * 1996-11-21 1998-06-16 Nippon Ester Co Ltd 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維

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JPH10158934A (ja) * 1996-11-21 1998-06-16 Nippon Ester Co Ltd 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維

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