JP3137742B2 - フィブリル化可能な複合繊維 - Google Patents

フィブリル化可能な複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海成分と島成分とから
なるポリマー混合物成分相同志が貼合せ型に接合したフ
ィブリル化可能な複合繊維に関する。さらに詳しくは、
互いに溶融粘度の異なる混合物成分相同志が貼合せ型に
接合していて立体捲縮能を有するのでカード通過性及び
ニードルパンチ性に優れ、且つ不織布、紡績糸、織編物
等の繊維構造物にした後溶剤等により海成分を除去する
ことが可能で、さらには弾性ポリマーを付与することに
よりスエード調、銀付人工皮革等を得るに適したフィブ
リル化可能な複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶剤に対する溶解性の異なるポリ
マーを組み合わせて、ソフトな風合を呈する各種繊維製
品を得る試みがなされている。例えば、特公昭42−2
7267号公報には、外層と内層とが溶剤に対して溶解
性の異なるポリマーからなる複合繊維が提案されている
が、このものは外層を除去した後の内層が太いため、充
分にソフトな風合のものが得られない。
【0003】特開昭61―194247号公報、特開平
2―251673号公報、特開平3―51313号公報
には、鞘成分としてポリマー混合物を用いる芯鞘型複合
繊維が提案されているが、鞘成分の海相を除去しても芯
成分が太いため、人工皮革等の製品にした時のソフトな
風合、スエード感が不充分である。また、特公昭48―
27443号公報には、互いに溶解性の異なる2種以上
のポリマーよりなりバイメタル型複合繊維が提案されて
いるが、前記と同様に充分にソフトな風合を呈するもの
は得られていない。
【0004】一方特公昭47―15530号公報には、
溶融された異なるポリマーを接合・分割を繰り返して多
層化混合流となし、さらに他のポリマーを再び接合・分
割を繰り返して多層化混合流と成した後、紡糸する方法
が提案されている。しかし、特殊な多層混合機が必要で
あり設備コストが高くなるだけでなく、取扱いも煩雑で
あり、しかも得られる繊維は立体捲縮能を有さず、カー
ド通過性、ニードルパンチング性といった工程通過性に
劣り、且つ得られる繊維製品の嵩高性及び風合も不充分
なものであった。
【0005】さらに、特公昭47―37648号公報に
は島成分がポリマー混合物からなる海島型繊維、特公昭
47―30723号公報及び特開昭51―152019
号公報には海成分がポリマー混合物からなる海島型繊
維、特公昭61―36084号公報及び特開昭63―7
5108号公報には海成分及び島成分がポリマー混合物
からなる海島型繊維が提案されている。しかしながら、
これらの繊維に捲縮を付与するためには、例えば押込み
捲縮機による機械捲縮を付与せねばならないが、繊維断
面が海島の相分離状態であるため捲縮がへたり易く、ウ
ェブとなす際のカード通過性、ウェブを交絡処理して高
密度化する際のニードルパンチング性が低下し、最終的
に得られる人工皮革等の嵩高性、ソフトな風合、スエー
ド感、引裂強力、引張強力、揉み強力といった特性が不
充分であるといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、繊維をウェブ
となす際のカード通過性、ウェブを絡合して高密度化す
る際のニードルパンチング性等が良好で、且つ嵩高性、
ソフトな風合、スエード感、引裂強力、引張強力、揉み
強力等に優れた繊維製品を得るに適したフィブリル化可
能な複合繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、溶融粘度差のある
ポリマー混合物A及びBを貼合せ型に接合することによ
って立体捲縮を付与することができ、かかる立体捲縮繊
維は機械捲縮繊維と比べて捲縮の耐ヘタリ性に優れるこ
とを見い出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明によれば、溶解性の良好な
熱可塑性ポリマーAS を海成分とし、繊維形成性熱可塑
性ポリマーAI を島成分とするポリマー混合物成分相A
と、前記AS と同一もしくは同等の溶解性を有する熱可
塑性ポリマーBS を海成分とし、繊維形成性熱可塑性ポ
リマーBI を島成分とするポリマー混合物成分相Bより
構成され、前記ポリマー混合物成分相A及びBが貼合せ
型に接合し、且つ該混合物成分相AとBとの溶融粘度差
が200ポイズ以上であることを特徴とするフィブリル
か可能な複合繊維、が提供される。
【0009】本発明で用いられる溶解性の良好な熱可塑
性ポリマー(AS 及びBS )は、単独では曳糸性に劣っ
ていても、繊維形成性熱可塑性ポリマー(AI 及び
I )が島成分となるように混合した状態で溶融紡糸可
能なポリマーであれば特に限定する必要はなく、例えば
芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の有機溶剤に溶
解するポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等を
例示することができる。また、例えばアルカリ水溶液に
可溶性のポリマーとしては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコー
ルとポリエチレンテレフタレート等のポリエステルとの
共重合体もしくはブレンド体、ポリエチレンセバケー
ト、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル、
ジエチレングリコールもしくはトリエチレングリコール
とテレフタル酸との芳香族ポリエステル又はこれら芳香
族ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとの共重
合ポリエステル等をあげることができる。特にアルカリ
処理効率を高めるためには金属スルホネート基を有する
化合物を共重合することが好ましく、全酸成分に対して
1〜20モル%、特に3〜10モル%が望ましい範囲で
ある。なかでもエチレン―5―ナトリウムスルホイソフ
タレート単位を含むポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステルが、アルカリ可溶性、取扱い性及びコストの点
で好適である。
【0010】また、ギ酸、硫酸等の酸性溶液に可溶性の
ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン46、ナイロン12等のポリアミド
をあげることができる。なお、塩化カルシウム/メタノ
ール系の如く無機塩を含有した有機溶媒に可溶であって
もよく、かかる例としては上記ポリアミドをあげること
ができる。
【0011】次に、本発明で用いられる繊維形成性熱可
塑性ポリマー(AI 及びBI )は、前記溶解性の良好な
熱可塑性ポリマーを溶解除去するに用いられる処理剤に
対して安定で、繊維として残存するポリマーであれば特
に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、改質のために第3成分を含有せし
めた共重合ポリエステル等のポリエステル類、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12等の
ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン類、その他ポリウレタンエラストマー、ポリ
エステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリ
オレフィンエラストマー等を好ましく用いることができ
る。なかでもポリエステル類又はポリアミド類が好まし
い。
【0012】本発明においては、繊維形成性熱可塑性ポ
リマーAI とBI とは、同一であっても異なっていても
よいが、同一である場合には最終的に得られる繊維製品
の染色、熱処理等の後加工が容易となる。しかも、この
際AI とBI との間の重合度差が大きくなると、後述す
る立体捲縮能が増大するので固有粘度差は0.1以上あ
ることが望ましい。
【0013】なお、前記熱可塑性ポリマー中(AS 、B
S 、AI 、BI )には、カーボンブラック、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、
マイカ、金属微細粉、有機顔料、無機顔料、抗酸化剤、
蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、撥水剤、吸湿剤、吸
水剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤など、通常用いられる
添加剤を配合してもよく、特に溶融紡糸時の溶融粘度を
増加又は減少させるものは、ポリマー混合物AとBとの
溶融粘度差を任意にコントロールできるので特に好まし
い。
【0014】本発明における海成分と島成分の混合比率
は、用いられるポリマーの種類によって紡糸調子及び分
散状態が変化するので一概には言い難いが、島成分とし
て30〜90重量%の範囲が適当である。
【0015】例えば海成分としてメルトインデックスが
5〜25、密度が0.91〜0.93g/cm3 の低密度
ポリエチレンを用い、島成分として固有粘度が0.3〜
0.5のポリエチレンテレフタレートを用いる場合、ポ
リエチレンの溶融流動性が低く、ポリエステルの溶融流
動性が高いため、島成分の混合比率が高すぎると相反転
してしまい、最終的に得られる溶剤処理後の繊維はレン
コン状の穴あき繊維となってしまう。一方混合比率が少
すぎるとフィブリル繊維密度が低くなり、また繊維長も
短くなりすぎる傾向があるので島成分は30〜50重量
%が好ましい。なお、かかるポリマー混合物では、単独
では紡糸性の劣る低粘度ポリエステルを紡糸することが
可能となり、且つ最終的に得られるフィブリル化繊維の
繊度は0.005デニール以下とすることができるの
で、極めてソフトな風合を呈する各種製品を得ることが
できる。
【0016】また別例として、海成分にメルトインデッ
クスが20〜150、密度が0.91〜0.93g/cm
3 の低密度ポリエチレンを、島成分に固有粘度が0.4
〜1.2のポリエチレンテレフタレートを用いる場合、
ポリエチレンの溶融流動性が高く、ポリエステルの溶融
流動性が低いため、上記例とは異なって島成分の量を増
加することができ、30〜70重量%が適当である。ま
た得られるフィブリル化繊維の繊度も0.2〜0.00
1デニール程度とかなり太く、得られる製品の引裂強
力、引張強力、揉み強力といった機械的特性が向上す
る。
【0017】したがって、例えば上記2例のポリマー混
合物を組み合わせた場合、フィブリル化繊維の繊度差を
大きくすることができ、得られる製品のソフトな風合と
強力とを同時に改善することができるので好ましい。な
かでも海成分AS のメルトインデックスをBS よりも5
以上小さくし、且つ島成分BI の固有粘度をAI よりも
0.1以上大きくした場合、上記効果が大きくなるので
好ましい。
【0018】本発明の複合繊維は、上述の溶解性の良好
な熱可塑性ポリマーと繊維形成性熱可塑性ポリマーとか
らなるポリマー混合物A及びBを貼合せ型に複合した繊
維であるが、これら混合物の溶融粘度差(280℃)は
200ポイズ以上、好ましくは500ポイズ以上である
ことが肝要である。200ポイズ未満の場合には、溶融
紡糸時にA成分相とB成分相に作用する応力に差が出
ず、得られる複合繊維に立体捲縮が発現しないため本発
明の目的を達成することができない。
【0019】また複合形態は、A成分の重心とB成分の
重心とが異なっていればよく偏芯型複合繊維も含まれる
が、特にサイドバイサイド型の貼合せ型複合繊維が好ま
しい。複合比(重量比)は、紡糸安定性、品質の均一
性、立体捲縮発現性、強力等の観点より80:20〜2
0:80、特に70:30〜30:70の範囲が好まし
い。
【0020】また複合繊維の繊度は1〜30デニールが
好ましく、1デニール未満の場合には紡糸性が著しく低
下するし、またカード工程を通過させる際にネップやク
ラウディ等の斑が生じ易くなり、最終製品の品質を低下
させることとなる。一方30デニールを越える場合に
は、紡糸性は良好となるものの、巻取時に複合繊維同志
が膠着し易く、且つ繊維径が太すぎてカード工程での落
綿が多くなり得られるウェブのウラウディ等の斑を生じ
易くなる。さらにニードルパンチ処理しても繊維の絡合
性が不充分となり、得られる最終製品も品質が低下する
といった問題も生じ易くなる。
【0021】複合繊維の70℃熱水収縮率は、70%以
下であれば目的に応じて任意に変更することができる。
人工皮革用の不織布を製造する場合には、不織布を熱処
理して複合繊維を熱収縮させることが、バルキー性に富
み、ソフトさ、ドレープ性、緻密な表面といった特性を
向上させる上で有効であり、特に10〜70%が好まし
い。かかる熱収縮率の高いフィブリル化複合繊維は、他
の比較的熱収縮率の低い繊維と混合することにより、極
めて嵩高で弾力性に富み、ソフトな風合を呈する高品位
の製品を得ることができる。
【0022】さらに本発明の複合繊維は、70℃以下の
温度で機械捲縮を付与されていることが好ましく、立体
捲縮と機械捲縮とがあいまって、丸みを帯びたウェーブ
状の形態を有する捲縮が発現し、ウェブを作成する際の
カード性が向上するので好ましい。
【0023】以上に説明した本発明の複合繊維を製造す
るには、ポリマーAS とAI とをチップ状又はペレット
状で混合溶融し、また別にポリマーBS とBI とを同様
に混合溶融して、従来公知の貼合せ型複合紡糸装置を用
いてフィブリル繊維の単繊度が平均0.2デニール以下
となるよう溶融紡糸すればよい。この際、ノズルの形状
は任意であるが、扁平、Y型、十型、5葉以上の多葉
型、中空、異形中空等の異形断面とすることによって、
最終的に得られる繊維構造体の嵩高性やソフトさを向上
させることができる。
【0024】得られた未延伸複合繊維は、50〜75℃
の温水浴中で、該未延伸複合繊維の最大延伸倍率の60
〜90%の延伸倍率で延伸することにより、70℃熱水
収縮率が10〜70%の複合繊維を得ることができる。
延伸糸は、必要に応じて押込み捲縮機により捲縮を付与
した後、所望の長さに切断すればよい。
【0025】かくして得られる本発明の複合繊維は、カ
ード工程にかけてウェブとなした後、不織布や紡績糸か
らなる織編物等の繊維構造体となし、次いで海成分を除
去することにより、強力、ドレープ性、ソフトな風合、
感触等に優れた、フィブリル化された繊維群からなる製
品となすことができる。
【0026】
【作用】従来の混合紡糸繊維はその海島構造のために機
械捲縮がへたり易く、カード通過性、繊維絡合のための
ニードルパンチ性に劣り、品位の良好なフィブリル化繊
維製品は得難いといった問題があった。
【0027】これに対して本発明の複合繊維は、溶融粘
度の異なる二種類のポリマー混合物を貼合せ型に接合し
たものであるため、立体捲縮を発現することができる。
かかる立体捲縮は機械捲縮に比べて捲縮数を大きくする
ことが容易であり、且つその耐へたり性も良好であるた
め、ウェブ化する時のカード性及びウェブを高密度化す
る時のニードルパンチ性が向上して、最終的に得られる
繊維製品の機械的諸特性及び品位は向上するのである。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、ポリマー混合物の溶融粘度は、280℃下
で測定したものである。
【0029】
【実施例1】海成分AS としてメルトインデックス15
の低密度ポリエチレン60部、島成分AI として固有粘
度0.37のポリエチレンテレフタレート40部を溶融
混合して貼合せ型複合紡糸装置の一方成分導入口に供給
した。また、海成分BS としてメルトインデックス10
0の低密度ポリエチレン40部、島成分BI として固有
粘度0.64のポリエチレンテレフタレート60部を溶
融混合して貼合せ型複合紡糸装置の他方成分導入口に供
給した。この際の混合物の溶融粘度は前者が300ポイ
ズ、後者が1500ポイズで粘度差は1200ポイズで
あった。
【0030】ポリマー混合物を重量比1:1となるよう
吐出し、600m/分の速度で引取って単糸デニール1
8デニールの未延伸糸を得た。この未延伸糸を76℃の
温水浴中で3倍に延伸し、押込み捲縮機により捲縮を付
与した後51mmの長さに切断して、単糸6デニール、ウ
ェーブ状の捲縮8.1ケ/25mmのフィブリル化可能な
複合繊維を得た。この断面写真より島の繊度を測定した
ところ、AI の方は平均0.002デニール、BI の方
は0.055デニールであった。
【0031】この繊維をカード機にかけたところ、カー
ド性は良好でシリンダー巻付、ウェブ斑、ネップ、ウェ
ブ切れ等の発生はなく、良好であった。このウェブをニ
ードルパンチした後、熱トルエン中で処理して海成分の
ポリエチレンを抽出除去したところ、ポリエチレンが抽
出除去される直前に潜在捲縮がより細かく発現し、ポリ
エチレン抽出後において密度が高く、嵩高性で極めてソ
フトな風合を呈し、且つ高い強力の不織布が得られた。
【0032】
【実施例2】島成分AI 及びBI として夫々固有粘度が
1.00及び1.65のナイロン6を用いる以外は実施
例1と同様にして(ポリマー混合物の溶融粘度差650
ポイズ)、ウエーブ状の捲縮を19ケ/25mm有するフ
ィブリル化複合繊維を得た。
【0033】この断面写真より島成分の繊度を測定した
ところ、AI の方は平均0.004デニール、BI の方
は0.110デニールであった。
【0034】この繊維のカード性、熱トルエンによる溶
出性は極めて良好であり、溶出直前に潜在捲縮がより細
かく発現し、溶出後において密度が高く、嵩高性で極め
てソフトな風合を呈し、且つ高い強力の不織布が得られ
た。
【0035】
【比較例1】実施例2で用いた固有粘度1.00のナイ
ロン6とメルトインデックス15の低密度ポリエチレン
とを重量比60:40で溶融混合し、溶融紡糸した後未
延伸糸を65℃の延伸浴で倍率3倍に延伸し、機械捲縮
を掛け、約51mmの長さに切断して、単糸繊度6デニー
ル、機械捲縮のみ付与された捲縮数8.6ケ/25mmの
フィブリル化可能な複合繊維を得た。この繊維のカード
性は、捲縮へたりのためウェブ切れ、クラウディが問題
であり、実施例1、2で示すような良好なカード性は得
られなかった。また熱トルエンによる溶出性はあまり良
くなかった。溶出直前に潜在捲縮が発現しないため、密
度が低く、粗硬な風合の不織布となった。
【0036】
【比較例2】実施例1で用いたと同じポリマーを重量比
率でメルトインデックス15の低密度ポリエチレン30
%、固有粘度0.37のポリエチレンテレフタレート2
0%、メルトインデックス100の低密度ポリエチレン
20%と固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレー
ト30%の割合で溶融混合して紡糸した。紡糸調子は極
めて悪く、口金下で節糸状となり、満足には紡糸できな
かった。
【0037】
【発明の効果】本発明のフィブリル化複合繊維は、特定
の海成分と島成分とから構成されるポリマー混合物同志
を貼合せ型に接合しているので、捲縮の耐ヘタリ性に優
れ、繊維をウェブ化するときのカード性、ウェブを高密
度化するときのニードルパンチング性、繊維構造体の状
態で海成分を溶解除去する時の溶出性が良好であり、ス
エード調もしくは銀付人工皮革等の最終製品における嵩
高性、ソフトな風合、スエード感、引裂強力、引張強
力、揉み強力等の優れたものが得られる。
【0038】また、紡績糸、織編物等の繊維構造体にし
た後に海成分を溶出することも可能であり、さらには弾
性高分子を付与することにより極めて優れた特性を有す
る人工皮革等の製品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 101:34 (56)参考文献 特開 昭52−27822(JP,A) 特開 昭53−52716(JP,A) 特開 昭63−275707(JP,A) 特開 昭48−13619(JP,A) 特開 昭60−252716(JP,A) 特開 平6−106117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 11/84 D01F 8/00 - 8/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解性の良好な熱可塑性ポリマーAS
    海成分とし、繊維形成性熱可塑性ポリマーAI を島成分
    とするポリマー混合物成分相Aと、前記ASと同一もし
    くは同等の溶解性を有する熱可塑性ポリマーBS を海成
    分とし、繊維形成性熱可塑性ポリマーBI を島成分とす
    るポリマー混合物成分相Bより構成され、前記ポリマー
    混合物成分相A及びBが貼合せ型に接合し、且つ該混合
    物成分相AとBとの溶融粘度差が200ポイズ以上であ
    ることを特徴とするフィブリル化可能な複合繊維。
  2. 【請求項2】 繊維形成性熱可塑性ポリマーAI 及びB
    I がポリエステル又はポリアミドであり、その固有粘度
    差が0.1以上である請求項1記載のフィブリル化可能
    な複合繊維。
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