JP2003027042A - 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤および潤滑油組成物

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JP2003027042A
JP2003027042A JP2001213086A JP2001213086A JP2003027042A JP 2003027042 A JP2003027042 A JP 2003027042A JP 2001213086 A JP2001213086 A JP 2001213086A JP 2001213086 A JP2001213086 A JP 2001213086A JP 2003027042 A JP2003027042 A JP 2003027042A
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meth
carbon atoms
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JP2001213086A
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Yoshihisa Ota
義久 太田
Takeshi Yuki
剛 由岐
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剪断安定性に優れた粘度指数向上剤およびそ
れを含む潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるラジカル共
重合性単量体(a)から誘導される単位を必須構成単位
とする共重合体(A)を含有する粘度指数向上剤;なら
びにこれらを含有する潤滑油組成物。 CH2=CQ−CH2 −O−R1 (1) (式中、Qは、水素原子、炭素数1〜40のアルキル
基、炭素数6〜40の芳香環含有炭化水素基、カルボキ
シル基もしくはその塩、又はアルコキシ基の炭素数1〜
18の脂肪族アルコキシカルボニル基;R1は炭素数6
〜80の芳香環含有炭化水素基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘度指数向上剤お
よび潤滑油組成物に関する。詳しくは、剪断安定性に優
れた粘度指数向上剤およびそれを含む潤滑油組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の気運が高まり、自
動車の省燃費性とロングライフ性がより一層要求されて
きている。自動車の省燃費性を向上させるには、潤滑油
に粘度指数向上剤を添加し、マルチグレード化する方法
が一般的に行われている。また、潤滑油のロングライフ
性を向上させるには剪断安定性を向上させる方法が一般
的である。しかし、剪断安定性は従来のPMA系(ポリ
メタクリレート系)粘度指数向上剤では十分といえず改
良が必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、PMA系粘度指
数向上剤の剪断安定性を向上させる方法として、比較的
低分子量のPMAを使用する方法が提案されている。し
かし、この方法では、剪断安定性の向上は見られるが、
粘度指数向上効果および低温粘度の低下効果が悪化する
という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、特定の共重合体(A)か
らなる粘度指数向上剤が、剪断安定性に優れ、かつ粘度
指数向上効果と低温粘度においても優れていることを見
いだし、本発明に到達した。即ち本発明は、下記一般式
(1)で示されるラジカル共重合性単量体(a)から誘
導される単位を必須構成単位とする共重合体(A)から
なる粘度指数向上剤、並びに100℃における動粘度が
2〜6mm2/s、流動点が−10℃以下の基油と、該
粘度指数向上剤とを含有する潤滑油組成物である。 CH2=CQ−CH2 −O−R1 (1) 式中、Qは、水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、
炭素数6〜40の芳香環含有炭化水素基、カルボキシル
基もしくはその塩、又はアルコキシ基の炭素数1〜18
の脂肪族アルコキシカルボニル基;R1は炭素数6〜8
0の芳香環含有炭化水素基である。
【発明の実施の形態】
【0005】一般式(1)においてQは、 水素原子; 炭素数1〜40のアルキル基;直鎖また分岐のアルキ
ル基、例えば、メチル基、エチル基、n−およびiso−
プロピル基、n−、iso−、sec−およびt−ブチル基、
n−、iso−、sec−およびネオペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、n−およびiso−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、n−およびiso−ノニル基、n−およ
びiso−デシル基、n−およびiso−ドデシル基、n−お
よびiso−トリデシル基、n−およびiso−テトラデシル
基、n−およびiso−ペンタデシル基、n−およびiso−
ヘキサデシル基、n−およびiso−オクタデシル、エイ
コシル並びにドコシル等。 炭素数6〜40の芳香環含有炭化水素基;アリール基
[フェニル、ナフチルおよびアンスラニル等]、アルキ
ル基の炭素数1〜24のアルキルおよび/またはアラル
キル置換アリール基[2−メチルフェニル、クミル、
2、4−ジメチルフェニル、オクチルフェニル、2−メ
チルナフチル、2−メチルアンスラニル、(ポリ)(n
=1〜4)スチレン化フェニル、および(ポリ)(n=
1〜4)スチレン化クミル等]、並びにアラルキル置換
アリールアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)基
[(ポリ)(n=1〜4)スチレン化ベンジル等]。 カルボキシル基もしくはその塩;塩としては、アルカ
リ金属塩[リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム
塩]、アミン塩[例えば、炭素数1〜10の1級アミン
(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、モノ
エタノールアミンおよびフェニルアミンなど)との塩:
炭素数1〜20の2級アミン(ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジエタノールアミンおよびジフェニルアミン
など)との塩:および、炭素数1〜30の3級アミン
(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミンおよびトリフェニルアミンなど)との塩]、ア
ンモニウム塩並びに4級アンモニウム塩[例えば、炭素
数1〜12のアルキル、アルケニルもしくはアラルキル
基等を有する4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモ
ニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラメチル
エチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウ
ム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩およびトリメ
チルドデシルアンモニウム塩など)]。 アルコキシ基の炭素数1〜18の脂肪族アルコキシカ
ルボニル基;炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪
族アルコールから誘導されるアルコキシ基およびカルボ
ニル基から構成される基であり、例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、n−ブトキシカルボニ
ル、2−エチルへキシルカルボニル、n−ドデシルカル
ボニルおよびn−オクタデシルカルボニル基等。R
1は、炭素数6〜80の芳香環含有炭化水素基であり、
前述で挙げたものの他に、炭素数41〜80の芳香環
含有炭化水素基[ポリ(n=5〜9)スチレン化フェニ
ル、ポリ(n=5〜9)スチレン化クミルおよびポリ
(n=5〜9)スチレン化ベンジル等]が挙げられる。
【0006】一般式(1)で示される単量体(a)の具
体例としては、例えば以下のものが挙げられる。 (メタ)アリルエーテル系化合物;フェニル(メタ)
アリルエーテル、ジスチレン化フェニル(メタ)アリル
エーテル、オクタスチレン化フェニル(メタ)アリルエ
ーテル、α−(フェノキシメチル)スチレン、α−(ジ
スチレン化フェノキシメチル)スチレン、および2−ジ
スチレン化フェニル−3−フェノキシ−1−プロペン
等。 α置換アクリル酸系もしくはα置換アクリル酸アルキ
ルエステル系化合物;α−(フェノキシメチル)アクリ
ル酸、α−(フェノキシメチル)アクリル酸エチルエス
テル、α−(ジスチレン化フェノキシメチル)アクリル
酸、α−(ジスチレン化フェノキシメチル)アクリル酸
エチルエステル等。これらの内で好ましくはであり、
特に好ましくは、α−(フェノキシメチル)アクリル酸
ブチルエステル、α−(ジスチレン化フェノキシメチ
ル)アクリル酸テトラデシルエステル等のα置換アクリ
ル酸アルキルエステルである。
【0007】(a)の好ましい溶解度パラメーター(S
P値)の範囲は8.8〜11である。この範囲内であれ
ば重合溶液への溶解性・分散性の点で好ましい。さらに
好ましくは、(a)の溶解度パラメーター(SP値)が
9〜10である。尚、本発明において溶解性パラメータ
ーは、Fedorsらによって提案された方法[Poy
m.Eng.Sci.14(2)152,(197
4)]によって算出される値である。
【0008】本発明において、(A)は(a)とその他
の単量体(b)との共重合体であり(b)としては、
【0009】(I)アルキルアルケニルエーテル;炭素
数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキ
ルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、
アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペ
ニルエーテルなどが挙げられ、これらのアルキルアルケ
ニルエーテルのアルキル基としては前述のの基が挙げ
られる。具体的には、アルキルビニルエーテルとして
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルな
ど、アルキル(メタ)アリルエーテルとして、アルキル
プロペニルエーテル、およびアルキルイソプロペニルエ
ーテルなどが挙げられる。これらのなかで好ましくはア
ルキルビニルエーテル(さらに好ましくはメチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテルおよびn−プロピルビ
ニルエーテル)、およびアルキル(メタ)アリルエーテ
ル(さらに好ましくはメチルアリルエーテルおよびエチ
ルアリルエーテル)である。
【0010】(II)メタクリル酸アルキルエステル、
およびα位が非置換のアクリル酸アルキルエステル;ア
ルキル基としては前述のと同様の基が挙げられ、好ま
しくは炭素数1〜22のアルキル基である。メタクリル
酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチルエス
テル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロ
ピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メ
タクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエ
ステル、メタクリル酸sec−ブチルエステル、メタク
リル酸tert−ブチルエステル、メタクリル酸ペンチ
ルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリ
ル酸2エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ドデシル
エステル、メタクリル酸トリデシルエステル、メタクリ
ル酸テトラデシルエステル、メタクリル酸ペンタデシル
エステル、メタクリル酸ヘキサデシルエステル、メタク
リル酸オクタデシルエステル、メタクリル酸エイコシル
エステルなど、並びにα位が非置換のアクリル酸アルキ
ルエステルとしてはアクリル酸メチルエステル、アクリ
ル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、ア
クリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸ブチルエス
テル、アクリル酸イソブチルエステル、アタクリル酸s
ec−ブチルエステル、アタクリル酸tert−ブチル
エステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘ
キシルエステル、アクリル酸2エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸ドデシルエステル、アクリル酸トリデシ
ルエステル、アクリル酸テトラデシルエステル、アクリ
ル酸ペンタデシルエステル、アクリル酸ヘキサデシルエ
ステル、アクリル酸オクタデシルエステル、アクリル酸
エイコシルエステルなどが挙げられる。
【0011】(III)(ポリ)アルキレングリコール
もしくはそのモノアルキルエーテルのモノメタクリル酸
エステル[(ポリ)アルキレングリコールはアルキレン
グリコールおよびポリアルキレングリコールを表す。以
下同様の表現を用いる。];(ポリ)アルキレングリコ
ールを構成するアルキレン基としては、炭素数が2〜2
0のエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−ブチ
レン基、イソブチレン基、炭素数5〜20のα−アルキ
レン基、トリメチルエチレン基、テトラメチルエチレン
基、スチレン基、α−メチルスチレン基、1,1−ジフ
ェニルエチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基が挙げられ
る。好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基である。
(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリ
コールの単位の数は通常1〜50、好ましくは1〜20
であり、数平均分子量は通常60〜2000であり、好
ましくは60〜1000である。また、モノアルキルエ
ーテルを構成するアルキル基としては前述ののアルキ
ル基のうちの炭素数1〜20のもの、好ましくは炭素数
1〜18のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレ
ングリコールもしくはそのモノアルキルエーテルのモノ
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、ポリエ
チレングリコール(エチレングリコールの単位数9)モ
ノメタクリレート、ポリエチレングリコール(エチレン
グリコールの単位数18)モノメタクリレート、ポリプ
ロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数
3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール、
(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテル
モノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピ
レングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モ
ノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられ
る。
【0012】(IV)ポリ(グリシジルエーテル)のモ
ノメタクリル酸エステルおよびα位が非置換のモノアク
リル酸エステル;(IV)におけるポリ(グリシジルエ
ーテル)としては、炭素数が1〜12個のアルキル基、
アルケニル基もしくは芳香族環を有するアルキルグリシ
ジルエーテル、アルケニルグリシジルエーテルもしくは
芳香族グリシジルエーテルのグリシジル基を開環重合し
て得られる重合体が挙げられ、アルキルグリシジルエー
テルとしては、例えば、エチルグリシジルエーテル、n
−プロピルグリシジルエーテル、n−およびiso−ブチ
ルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなど、アル
ケニルグリシジルエーテルとしては、アリルグリシジル
エーテル、メタリルグリシジルエーテル、プロペニルグ
リシジルエーテルなど、芳香族グリシジルエーテルとし
ては、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ポリ(グリシジルエーテル)のグリシジルエーテル単位
の数は、通常1〜30、好ましくは1〜20であり、数
平均分子量は通常60〜2000、好ましくは60〜1
000である。
【0013】(V)脂肪酸ビニルエステル;脂肪酸を構
成するアルキル基の炭素数が1〜30(直鎖もしくは分
岐アルキル基)の脂肪酸のビニルエステルが含まれ、該
アルキル基としては前述のと同様の基、好ましくは炭
素数が1〜22、さらに好ましくは1〜10のアルキル
基が挙げられる。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸
ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタ
ン酸ビニルなどが挙げられる。
【0014】(VI)窒素原子含有単量体; (VI−1)アミド基含有ビニル単量体:例えば、非置
換もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)
アクリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、
N−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドな
ど]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリ
ルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
n−ブチル(メタ)アクリルアミド]、N−ビニルカル
ボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルア
セトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニル
アミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]などのア
ミド基のみに窒素原子を有するもの、 (VI−2)ニトロ基含有単量体:例えば、4−ニトロ
スチレンなど、 (VI−3)1〜3級アミノ基含有ビニル単量体:1級
アミノ基含有ビニル単量体、例えば、炭素数3〜6のア
ルケニルアミン[(メタ)アリルアミン、クロチルアミ
ンなど]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)ア
クリレート[アミノエチル(メタ)アクリレートな
ど]、2級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、アルキ
ル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜6)
(メタ)アクリレート[t−ブチルアミノエチルメタク
リレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレートな
ど]、ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド[4−
ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、2−ジフェ
ニルアミン(メタ)アクリルアミドなど]、炭素数6〜
12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミンな
ど]、3級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、ジアル
キル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)
(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなど、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル
(炭素数2〜6)(メタ)アクリルアミド[ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミドなど]、3級アミノ基含有芳香
族ビニル系単量体[N,N−ジメチルアミノスチレン、
など]、含窒素複素環含有ビニル系単量体[モルホリノ
エチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2
−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルチオピロリドンなど]、およびこ
れらの塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、低級アルキル(炭素数
1〜8)モノカルボン酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオ
ン酸塩など、 (VI−4)第4級アンモニウム塩基含有ビニル単量
体:例えば、前述の3級アミノ基含有ビニル単量体を、
4級化剤(炭素数1から12のアルキルクロライド、ジ
アルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、およびベンジ
ルクロライド等)を用いて4級化したものなどが挙げら
れる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート系第
4級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアン
モニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)
アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウ
ムクロライドなど;アルキル(メタ)アクリルアミド系
第4級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アク
リロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアン
モニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど;その
他の第4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体として
は、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサル
フェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロ
ライドなど、(VI−5)両性ビニル単量体:N−(メ
タ)アクリロイルオキシ(もしくはアミノ)アルキル
(炭素数1〜10)N,N−ジアルキル(炭素数1〜
5)アンモニウム−N−アルキル(炭素数1〜5)カル
ボキシレート(もしくはサルフェート)、例えば、N−
(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルア
ンモニウムN−メチルカルボキシレート、N−(メタ)
アクリロイルアミノプロピルN,N−ジメチルアンモニ
ウムN−メチルカルボキシレート、およびN−(メタ)
アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウ
ムプロピルサルフェートなど、 (VI−6)ニトリル基含有単量体:(メタ)アクリロ
ニトリルなど、
【0015】(VII)脂肪族炭化水素系ビニル単量
体:例えば、炭素数2〜20のアルケン[エチレン、プ
ロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテ
ン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセ
ンなど]、および炭素数4〜12のアルカジエン[ブタ
ジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6ヘ
プタジエン、1,7−オクタジエンなど]、
【0016】(VIII)脂環式炭化水素系ビニル単量
体:例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエ
ン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセ
ン、およびエチリデンビシクロヘプテンなど、
【0017】(IX)芳香族炭化水素系ビニル単量体:
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、
4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−
フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−
ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、および2−
ビニルナフタレンなど、
【0018】(X)ビニルケトン類:例えば、炭素数1
〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチ
ルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトンなど]、
【0019】(XI)エポキシ基含有ビニル単量体;例
えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アリルエーテルなど、
【0020】(XII)ハロゲン元素含有ビニル単量
体;例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデ
ン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロ
ルスチレンなど)等、
【0021】(XIII)不飽和ジカルボン酸のジエステ
ル;例えば、不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマー
ル酸、イタコン酸など]のアルキル(炭素数1〜1
2)、シクロアルキル(炭素数4〜24)およびアラル
キル(炭素数7〜18)のジエステルが挙げられ、これ
らのうち炭素数1〜8のアルキルジエステル[ジメチル
マレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエー
ト、ジオクチルマレエートなど]が好ましい。
【0022】(XIV)ヒドロキシル基含有ビニル単量
体;例えば、ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体
[p−ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル
(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなど]、モノ−または
ジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)
アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルアルコール
(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素
数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1
−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4
〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、
2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオー
ルなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケ
ニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチ
ルプロペニルエーテルなど]、多価(3〜8価)アルコ
ール(アルカンポリオール、その分子内もしくは分子間
脱水物、糖類、例えばグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖)
のアルケニル(炭素数3〜10)エーテルもしくは(メ
タ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル]な
ど。
【0023】(XV)イオン性基含有ビニル単量体; (XV−1)アニオン性基含有ビニル単量体:不飽和モ
ノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジ
カルボン酸[マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シト
ラコン酸など]、および不飽和ジカルボン酸のモノアル
キル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノメチル
エステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モ
ノブチルエステルなど]。
【0024】(XV−2)スルホン酸基含有ビニル単量
体:例えば、炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニ
ルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素
数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチ
ルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メ
タ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
タンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アク
リルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水
酸基を含有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルア
ミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロ
キシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスル
ホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エ
ステル]など。
【0025】(XV−3)硫酸エステル基含有ビニル単
量体:例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン
(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、
ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エ
ステル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチ
レン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロッ
クでもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレー
トの硫酸エステルなど、
【0026】(XV−4)燐酸基含有ビニル単量体:例
えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2
〜6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシ
エチルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオキ
シホスホン酸[2−アクリロイルオキシエチルホスホン
酸]など、
【0027】(XV)としては、これらの塩であっても
よい。塩としては、前述のと同様の塩が挙げられる。
【0028】(a)以外の単量体(b)のうち、好まし
くは、(I)アルキルアルケニルエーテル、(II)メ
タクリル酸アルキルエステルおよびα位が非置換のアク
リル酸アルキルエステル、並びに(V)脂肪酸ビニルエ
ステルである。
【0029】本発明の共重合体(A)における単量体
(a)から誘導される単位の含有量は、(A)の質量に
基づいて、好ましくは0.001〜5質量%、さらに好
ましくは0.005〜0.3質量%であり、(b)の含
有量は好ましくは99〜99.999質量%、さらに好
ましくは99.7〜99.995質量%である。単量体
(a)から誘導される単位の含有量が0.001%以上
であれば、(a)を使用する効果、すなわち粘度指数向
上効果を低下させずに剪断安定性が良好になる。一方、
5%以下であれば、共重合体(A)の製造時の単量体
(a)を含む重合系の重合速度および重合率が低下する
ことはなく、生産性が良好である。
【0030】また、単量体(a)を、界面活性剤等を併
用して重合液に溶解又は分散させて重合を行うこともで
きる。
【0031】(A)に用いられる単量体(b)のうち、
アルキルアルケニルエーテルの使用割合は(b)のうち
の好ましくは2〜100質量%、メタクリル酸アルキル
エステルおよび/またはα位が非置換のアクリル酸アル
キルエステルの使用割合は(b)のうちの好ましくは1
0〜100質量%、脂肪酸ビニルエステルの使用割合は
(b)のうちの好ましくは0〜45質量%、並びに(メ
タ)アクリロニトリルの使用割合は(b)のうちの好ま
しくは0〜12質量%である。特に好ましくは、アルキ
ルアルケニルエーテルとメタクリル酸アルキルエステル
の合計量が、全構成単量体の合計量に対して30〜10
0重量%である。
【0032】本発明の共重合体(A)の重量平均分子量
は通常5,000〜500,000、 好ましくは8,
000〜300,000、さらに好ましくは10,00
0〜250,000である。5,000以上では増粘効
果が良好であり、500,000以下では剪断安定性が
さらに良好になる。なお、重量平均分子量は、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン
に換算し求めた重量平均分子量である。
【0033】本発明の共重合体(A)は、溶解性パラメ
ーターが、通常8.6〜9.4、好ましくは8.8〜
9.3、さらに好ましくは8.8〜9.2であり、溶解
性パラメーターが8.6〜9.4の範囲内では基油への
溶解性が良好である。
【0034】重合体(A)は示差走査熱量計により測定
した結晶化開始温度が通常−15℃以下であり、好まし
くは−20℃以下、さらに好ましくは−25℃以下であ
る。−15℃より低いと、低温特性が良好である。本発
明の示差走査熱量計による結晶化開始温度は、PERK
IN−ELMER社製『DSC7』を使用し、粘度指数
向上剤5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で14
0℃から−40℃まで冷却したときに観測される結晶化
開始温度である。
【0035】さらに、本発明において用いられる重合体
(A)は、下記一般式(2)で表わされる立体障害ファ
クター(F)の平均値が通常0〜20であり、好ましく
は0〜15、さらに好ましくは0〜13である。 F=4X+Y (1) 立体障害ファクター(F)の平均値が、20以下であれ
ば主鎖まわりの立体障害がさらに小さくなり、低温で収
縮し易くなり低温粘度と粘度指数がさらに良好になる。
【0036】立体障害ファクター(F)とは、(A)の
構成単量体単位において、側鎖が結合した主鎖の原子を
0番目とした場合、側鎖の方向に数えて6番目に位置す
る原子の総数(X)(原子の種類にかかわらない)の4
倍と、7番目に位置する原子の総数(Y)(原子の種類
にかかわらない)との和であり、(A)が共重合体の場
合は、それぞれの構成単位の(F)を構成単量体単位の
モル分率に基づいて平均した値である。立体障害ファク
ター(F)は、ポリマー主鎖から見た側鎖の立体障害の
大きさを便宜的に表したものであり、数字が大きいほど
立体障害が大きくなる。計算例を挙げると次のようにな
る。原子の右肩の数字は主鎖からの原子の順番を示して
いる。なお複数の側鎖がある場合は、それらについても
計算した総和を(F)とする。
【0037】例a) n−ヘキシルメタクリレート単位
の場合
【0038】
【化1】
【0039】6番目の原子数=3、7番目の原子数=3 立体障害ファクター(F)=3×4+3=15
【0040】(A)のHLB値は0.5〜6.0が好ま
しい。この物性値がこの範囲内にあると抗乳化性が特に
良好である。好ましくは、HLB値が1.0〜5.5で
ある。さらに好ましくは、HLB値が1.5〜5.0で
ある。本発明のHLB値は、有機性無機性の概念のHL
B(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行
P197−198)によって算出される値である。
【0041】本発明おける(A)の製造方法は、従来か
ら知られているラジカル重合の方法でよく、例えば溶液
重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄
膜重合法、噴霧重合法等が挙げられ、好ましくは溶液重
合法である。重合制御の方法は断熱重合法、温度制御重
合法が挙げられる。また、アゾ化合物開始剤、過酸化化
合物開始剤、レドックス開始剤などの開始剤による重合
開始の方法の他に、放射線、電子線、または紫外線など
を照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。
好ましくはアゾ化合物開始剤、過酸化化合開始剤、レド
ックス開始剤を使用した溶液重合法である。
【0042】溶液重合に使用できる重合溶媒としては、
例えば溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/
または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成
潤滑油、エステル系合成潤滑油、ナフテン油、単一組成
の有機溶媒、ならびにこれらの混合物が挙げられる。単
一組成の有機溶剤としては、例えば炭化水素系溶剤(ペ
ンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシ
レン等)、アルコール系溶媒(オクタール、ブタノール
等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチル
エチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン等)、およびスルホ
キシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)をあげること
ができる。
【0043】重合反応温度としては、50〜140℃、
好ましくは70〜120℃である。さらに、単量体の重
合様式としては、ランダム共重合または交互共重合のい
ずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共
重合のいずれでもよい。
【0044】重合開始剤としては、従来公知の開始剤が
使用可能であり、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レ
ドックス系開始剤などが挙げられる。アゾ系開始剤とし
ては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉
草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンア
ミド等が挙げられる。過酸化物系開始剤としては無機過
酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[過酸化ベ
ンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒド
ロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−
エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]が挙げ
られ、さらにレドックス系開始剤としては、アルカリ金
属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウ
ム、重亜硫酸アンモニウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、
アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸
塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物な
ど酸化剤との組合せよりなるもの等が挙げられる。これ
らの開始剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以
上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、(A)の
質量に基づいて、好ましくは0.0005〜5質量%、
さらに好ましくは0.001〜2質量%である。
【0045】また、連鎖移動剤を使用してもよく、この
ようなものとしては、例えばチオール類(n−ラウリル
メルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロ
パノール、トリエチレングリコールジメルカプタン
等)、チオールカルボン酸類(チオグリコール酸、チオ
リンゴ酸等)、2級アルコール類(イソプロパノ−ル
等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類
(次亜燐酸ナトリウム等)等を挙げることができ、連鎖
移動剤の量は全ビニル系単量体の量に対して、好ましく
は0.001〜1質量%である。
【0046】本発明の粘度指数向上剤と基油からなる潤
滑油組成物において、用いる基油の流動点(JIS K
2269)は−10℃以下、好ましくは−15℃以下で
ある。基油の流動点がこの範囲であるとワックスの析出
量が少なく低温粘度が良好である。又、基油の100℃
における動粘度が2〜6mm2/sである。基油として
は、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/ま
たは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成潤
滑油、エステル系合成潤滑油、ナフテン油およびこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。
【0047】本発明の粘度指数向上剤は基油に対して好
ましくは1〜30質量%添加し、本発明の潤滑油組成物
として使用される。本発明の潤滑油組成物がエンジン油
の場合には2〜10質量%、ギヤ油や自動変速機油の場
合は、7〜25質量%、トラクション油の場合は0.5
〜10質量%添加された場合に好ましい結果を与える。
【0048】本発明の潤滑油組成物は、他の任意成分、
例えば清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フ
ェネート系、ナフテネート系のもの等)、分散剤(イソ
ブテニルコハク酸イミド系、マンニッヒ縮合物系等)、
抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒ
ンダードフェノール系等)、油性向上剤(脂肪酸系、脂
肪酸エステル系等)、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチ
オフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧
剤(硫黄リン系、クロル系等)を含んでいてもよい。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。以下特
に定めない限り、部は質量部を示す。 尚、実施例にお
いては以下の略号を使用した。 PMAB;2−(フェノキシメチル)アクリル酸ブチル
エステル(SP値=9.8) DSAT;2−(ジスチレン化フェノキシメチル)アク
リル酸テトラデシルエステル (SP値=9.8) [GPCによる重量平均分子量の測定法] 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK gel GMH6 2本 測定温度 : 40℃ 試料溶液 : 0.5質量%のTHF溶液 溶液注入量 : 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 標準 : ポリスチレン
【0050】(剪断安定性の試験方法)JASO M3
47−95の方法で測定した。
【0051】(粘度指数の試験方法)JIS−K−22
83の方法で行った。
【0052】実施例1 撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み
管を備えた反応容器に、トルエンを1,500部、単量
体としてドデシルメタクリレート8075部、メチルア
リルエーテル425部およびPMAB10部、重合開始
剤としてアゾビスバレロニトリル40部、連鎖移動剤と
してドデシルメルカプタン50部を仕込み、窒素置換を
行った後に密閉下85℃で4時間重合反応を行った。得
られたポリマーをメタノール10,000部で再沈殿
し、メタノール8,700部で2回洗浄後、100℃で
4時間減圧乾燥し共重合体(A1)を製造し、これを本
発明の粘度指数向上剤(実1)とした。
【0053】実施例2 メチルアリルエーテルをエチレングリコールモノ−2−
エチルヘキシルエーテルメタクリレートに変更する以外
は実施例1と同様にして共重合体(A2)を得た。これ
を、本発明の粘度指数向上剤(実2)とした。
【0054】実施例3 PMABをDSATに変更する以外は実施例1と同様に
して共重合体(A3)を得た。これを、本発明の粘度指
数向上剤(実3)とした。
【0055】実施例4 PMABをDSATに変更する以外は実施例2と同様に
して共重合体(A4)を得た。これを、本発明の粘度指
数向上剤(実4)とした。
【0056】比較例1 PMABを使用しない以外は実施例1と同様にして、比
較の共重合体(X1)を得た。これを、本発明の粘度指
数向上剤(比1)とした。
【0057】比較例2 PMABを使用しない以外は実施例2と同様にして、比
較の共重合体(X2)を得た。これを、本発明の粘度指
数向上剤(比2)を得た。
【0058】得られた粘度指数向上剤(実1)〜(実
4)、(比1)、(比2)を溶剤精製油(流動点:−5
5℃、100℃の動粘度:2.3mm2/s)に溶解し潤滑
油組成物を作成した。そしてその潤滑油の100℃の動
粘度が6.7(mm2/s)になるよう粘度指数向上剤の濃度
を調整し試験油とし、粘度指数と剪断安定性を評価し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明により得られる共重合体は剪断安
定性が良好であり、粘度指数向上剤、およびそれを含む
潤滑油組成物とした場合従来のものに比較して顕著な効
果を有する。即ち、本発明の重合体からなる粘度指数向
上剤を使用した潤滑油組成物は、従来のPMA系粘度指
数向上剤を使用した潤滑油組成物と比べて剪断安定性が
改良でき、かつ、粘度指数も高く、低温粘度も低いこと
から今後の自動車の省燃費性、ロングライフ性の要求に
対応できるため、駆動系潤滑油、作動油、エンジン油、
トラクション油等に好適に用いることができる。また、
得られる共重合体は使用する単量体の種類と量、分子量
等によって、種々の用途に用いることができる。形態も
常温で液状、粘調物から固状のものまで得られる。一例
として得られる重合体が例えば、(i)水分散性ポリマー
である場合;水性塗料用ポリマー、水性コーテイング
剤、ホトレジスト、サイズ剤、導電剤、繊維用帯電防止
剤、繊維用防汚加工剤、樹脂加工用バインダー、不織布
バインダー、プラスチック強化繊維用バインダー、磁気
テープ用バインダー、レジンコンクリート用バインダ
ー、な染糊、接着剤、土木用増粘剤、プライマー、顔料
分散剤、農薬粒剤用分散剤、微粉炭用分散剤、セメント
用分散剤、スケール防止剤、相溶化剤、ろ水性・歩留り
向上剤、印刷インキ用バインダー、凝集剤、染料固着
剤、キレートポリマー、ヘアセット用ポリマー等(ii)油
溶性ポリマーである場合;吸水性樹脂、吸油性樹脂、原
油増産用ポリマー、ゲル化剤、可塑剤、プラスチック練
混み帯電防止剤、シーリング剤、エラストマー、電子写
真トナーバインダー、印刷インキ用バインダー、磁気テ
ープ用バインダー、潤滑油清浄分散剤、粘度指数向上
剤、充填剤等に有用であり、特に粘度指数向上剤に有用
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 145/08 C10M 145/08 145/14 145/14 145/16 145/16 145/38 145/38 149/02 149/02 149/04 149/04 149/06 149/06 151/02 151/02 153/02 153/02 // C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 20:02 20:02 20:04 20:04 30:02 30:02 30:06 30:06 40:04 40:04 40:25 40:25 Fターム(参考) 4H104 CB02C CB04C CB07C CB08C CB15C CE01C CE02C CE03C CG01C CH01C EA01C EA02A EA03C EA04A EA04C LA01 LA03 PA02 PA03 PA41 4J100 AA01P AA15P AB01P AB07P AB08P AE02P AE18Q AG02P AJ00P AJ03Q AL02P AL08P AL09P AL34P AM02P AM15P AM17P AM19P AM21P AN02P AP01P AQ06P AQ08P AQ12P AR05P AR17P AS00P BA02Q BA03P BA07P BA07Q BA08P BA31P BA32P BA55P BA56P BA62P BC43P BC43Q CA00 CA04 CA05 DA01 DA22 JA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるラジカル共
    重合性単量体(a)から誘導される単位を必須構成単位
    とする共重合体(A)からなる粘度指数向上剤。 CH2=CQ−CH2 −O−R1 (1) (式中、Qは、水素原子、炭素数1〜40のアルキル
    基、炭素数6〜40の芳香環含有炭化水素基、カルボキ
    シル基もしくはその塩、又はアルコキシ基の炭素数1〜
    18の脂肪族アルコキシカルボニル基;R1は炭素数6
    〜80の芳香環含有炭化水素基である)
  2. 【請求項2】 (a)の溶解度パラメーター(SP値)
    が8.8〜11である請求項1記載の粘度指数向上剤。
  3. 【請求項3】 (a)から誘導される単位の含有量が、
    (A)の質量に基づいて0.001〜5質量%である請
    求項1または2記載の粘度指数向上剤。
  4. 【請求項4】 (A)がアルキルアルケニルエーテル、
    メタクリル酸アルキルエステル、α位が非置換のアクリ
    ル酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステルからなる
    群から選ばれる一種以上のビニル系モノマーと(a)と
    の共重合体である請求項1〜3のいずれか記載の粘度指
    数向上剤。
  5. 【請求項5】 (A)が、下記(1)〜(4)のすべて
    を満たす請求項1〜4のいずれか記載の粘度指数向上
    剤。 (1)重量平均分子量が5,000〜500,000 (2)溶解性パラメーターが8.6〜9.4 (3)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−15℃
    以下 (4)一般式(2)で表される立体障害ファクター
    (F)を構成単位のモル分率に基づいて平均した値が0
    〜20 一般式 F=4X+Y (2) {各構成単位において、側鎖中の、主鎖から6番目に位
    置する原子の総数をX、7番目に位置する原子の総数を
    Yとする。}
  6. 【請求項6】 (A)のHLB値が0.5〜6.0であ
    る請求項1〜5のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  7. 【請求項7】 100℃における動粘度が2〜6mm2
    /s、流動点が−10℃以下の基油と、請求項1〜6の
    いずれか記載の粘度指数向上剤とを含有する潤滑油組成
    物。
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