JP2001329284A - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤及び潤滑油組成物

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JP2001329284A
JP2001329284A JP2000152883A JP2000152883A JP2001329284A JP 2001329284 A JP2001329284 A JP 2001329284A JP 2000152883 A JP2000152883 A JP 2000152883A JP 2000152883 A JP2000152883 A JP 2000152883A JP 2001329284 A JP2001329284 A JP 2001329284A
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meth
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JP2000152883A
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Yoshihisa Ota
義久 太田
Takeshi Yuki
剛 由岐
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剪断安定性に優れた粘度指数向上剤を提供す
る。 【解決手段】 トルエンを1500部、ドデシルメタク
リレート8075部、メチルアリルエーテル425部、
フェニルジチオカルバミン酸ベンジルエステル400
部、アゾビスバレロニトリル200部仕込み、窒素置換
を行った後に密閉下85℃で4時間重合反応を行い、得
られたポリマーを粘度指数向上剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘度指数向上剤お
よび潤滑油組成物に関する。詳しくは、低温粘度特性に
優れた粘度指数向上剤およびそれを含む潤滑油組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の気運が高まり、自
動車の省燃費性とロングライフ性がより一層要求されて
きている。自動車の省燃費性を向上させるには、エンジ
ン油に粘度指数向上剤を添加してマルチグレード化する
方法がある。日本国内では、ディーゼルエンジン自動車
に使用されているエンジン油の30%近くは、粘度指数
向上剤を添加したマルチグレード油になっている。今
後、さらに省燃費性が要求された場合、エンジン油の低
粘度化が要求される。この場合、エンジン油としては、
粘度指数が高いことが望ましい。一方アルキル(メタ)
アクリレート重合体からなる粘度指数向上剤(以下PM
A系粘度指数向上剤と略す。)を使用したエンジン油
は、OCP系粘度指数向上剤を使用した場合と比べ粘度
指数が高い。また、PMA系粘度指数向上剤を使用した
エンジン油のロングライフ性(剪断安定性の向上)も地
球環境保護には不可欠な要因であるが、その剪断安定性
はPMA系粘度指数向上剤では十分といえず改良が必要
とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、剪断安定性を
向上させるには低分子量化する方法がある。この方法で
は、どうしても低温粘度が悪化するという問題があっ
た。本発明は油若しくは有機溶剤の存在下にビニル系モ
ノマーを重合して剪断安定性に優れた粘度指数向上剤を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、油又は有
機溶剤の存在下ビニル系モノマーを重合する場合に、特
定のジチオ化合物と開始剤を使用することにより剪断安
定性に優れた粘度指数向上剤を見いだし、本発明に到達
した。すなわち本発明は、アゾ系開始剤、過酸化物系開
始剤、レドックス系開始剤及び有機ハロゲン化合物開始
剤からなる群より選ばれる開始剤(b)、下記一般式
(1)で示されるジチオ化合物(c)及び油若しくは有
機溶剤の存在下にビニル系モノマー(a)を重合して得
られるビニル重合体(A)を含有することを特徴とする
粘度指数向上剤及び潤滑油組成物である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数6〜18のア
リール基若しくはアラルキル基;R2はシアノ基、アリ
ール基若しくはアラルキル基;R3、R4は水素原子、炭
素数1〜30のハイドロカルビル基である)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、ビニル系モノマ
ーとしては、ビニル重合可能なものなら特に限定はない
が、例えば下記(i)〜(xiv)のものが挙げられる。 (i)ビニル基含有炭化水素 (ii)カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩 (iii)スルホン基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫
酸モノエステル化物及びこれらの塩 (iv)燐酸基含有ビニル系モノマー (v)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー (vi)含窒素ビニル系モノマー (vii)エポキシ基含有ビニル系モノマー (viii)ハロゲン元素含有ビニル系モノマー (ix)脂肪酸ビニルエステル (x)アルキルアルケニルエーテル (xi)(メタ)アクリル酸エステル (xii)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系
モノマー (xiii)ポリ(メタ)アクリレート類 (xiv)その他のビニル系モノマー等:
【0008】以下に上記(i)〜(xiv)の具体例を挙げ
る。 (i)ビニル基含有(1〜2官能又はそれ以上)炭化水
素(炭素数2〜30); (i-1)ビニル基含有脂肪族系炭化水素:エチレン、プ
ロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテ
ン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセ
ン、ブタジエン、イソプレン等の1官能品、1,4−ペ
ンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジ
エン等の2官能品; (i-2)ビニル基含有(1〜2官能又はそれ以上)脂環
式炭化水素;シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエ
ン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセ
ン、エチリデンビシクロヘプテン等; (i-3)芳香族ビニル系炭化水素(1〜2官能又はそれ
以上);スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレ
ン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロ
チルベンゼン、ビニルナフタレン等の1官能品;ジビニ
ルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジ
ビニルケトン、トリビニルベンゼン等の2又は3官能
品;
【0009】(ii)カルボキシル基含有(1〜2官能又
はそれ以上)ビニル系モノマー及びその塩(炭素数2〜
30);(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モ
ノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノ
エーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエ
ステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマ
ー;並びに、これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、
カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、
マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム
塩;
【0010】(iii)スルホン基含有(1〜2官能又は
それ以上)ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステ
ル化物及びこれらの塩(炭素数2〜30);ビニルスル
ホン酸(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、メチ
ルビニルスルフォネート、スチレンスルホン酸(塩)、
α−メチルスチレンスルホン酸(塩)、スルホプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)
アクリロキシプロピルスルホン酸(塩)、2−(メタ)
アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン
酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスル
ホン酸(塩)、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、
3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパン
スルホン酸(塩)、アルキル(炭素数3〜18)アリル
スルホコハク酸(塩)、ポリ(n=2〜30)オキシア
ルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ラ
ンダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレート
の硫酸エステル化物(塩)[ポリ(n=5〜15)オキ
シプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物
(塩)等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル
硫酸エステル(塩)、その他以下の一般式で示される化
合物等。[上記における塩としては、アルカリ金属塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩
(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしく
はアンモニウム塩が挙げられる。]
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル
基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数
の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はラン
ダムでもブロックでもよい。Xはアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、A
rはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル
基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数
の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はラン
ダムでもブロックでもよい。Xはアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、A
rはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R’はフッ素原子で置換されてい
てもよい炭素数1〜15のアルキル基、Xはアルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウムもしくはアミンカ
チオンを示す。)
【0017】(iv)燐酸基含有(1〜2官能又はそれ以
上)ビニル系モノマー(炭素数;2〜30);(メタ)
アクリル酸ヒドロキシアルキル燐酸モノエステル、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフ
ェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフ
ェート、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類、例
えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩) (v)ヒドロキシル基含有(1〜2官能又はそれ以上)
ビニル系モノマー(炭素数;4〜30);ヒドロキシス
チレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、ク
ロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテ
ン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン
−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒ
ドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテ
ル、等 (vi)含窒素(1〜2官能又はそれ以上)のビニル系モ
ノマー(炭素数;2〜30); (vi-1)アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N
−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリ
ルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4
ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミ
ン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセ
トアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリール
フェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチア
ゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイ
ミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩
等 (vi-2)アミド基含有ビニル系モノマー:(メタ)ア
クリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N
−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メ
チレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジル
アクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等 (vi-3)ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)
アクリロニトリル、シアノスチレン等 (vi-4)第4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系
モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等
の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチ
ルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジ
メチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したも
の) (vi-5)ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチ
レン等
【0018】(vii)エポキシ基含有(1〜2官能又は
それ以上)ビニル系モノマー(炭素数;5〜30);グ
ルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニル
オキサイド等 (viii)ハロゲン元素含有(1〜2官能又はそれ以上)
ビニル系モノマー(炭素数;2〜30);塩化ビニル、
臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロ
ルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロ
ロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプ
レン等
【0019】(ix)炭素数1〜30(カルボキシル基と
ビニル基を除く)の脂肪酸ビニルエステル;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニ
ル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニ
ル等の炭素数1〜30(カルボキシル基とビニル基を除
く)のアルキル基(直鎖若しくは分岐基)である脂肪酸
のビニルエステル; (x)炭素数1〜30(ビニル基を除く)の直鎖または
分岐アルキル基を有するアルキルアルケニルエーテル;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
プロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−
エチルヘキシルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエ
ーテル等のアルキルビニルエーテル;メチルアリルエー
テル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、
2−エチルヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリル
エーテル;ブチルプロペニルエーテル等のアルキルプロ
ペニルエーテル;2−エチルヘキシルイソプロペニルエ
ーテル等のアルキルイソプロペニルエーテル等; (xi)(メタ)アクリル酸エステル 炭素数1〜50(ビニルエステル基を除く)の炭化水素
基(アルキル基、アリール基、アラルキル基等)を有す
るアルキル(メタ)アクリル酸エステル、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メ
タ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレー
ト、エイコシル(メタ)アクリレート等; (xii)分子量80〜3000又はそれ以上のポリアル
キレングリコール鎖を有するビニル系モノマー;ポリエ
チレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モ
ノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド
10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコ
ールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリ
レート等のモノ(メタ)アクリレート等;
【0020】(xiii)ポリ(メタ)アクリレート類;2
価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のポリ(メ
タ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソ
ルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール(子量80〜3000)のジ(メタ)アクリ
レート等; (xiv)その他のビニル系モノマー;アセトキシスチレ
ン、フェノキシスチレン、エチル−α−エトキシアクリ
レート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、シ
アノアクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルメチルベンジルイソシアネート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、
ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエー
ト、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート
等;
【0021】これらのビニル系モノマーのうち、好まし
くは (ix)脂肪酸ビニルエステル (x)アルキルアルケニルエーテル (xi)(メタ)アクリル酸エステル である。脂肪酸ビニルエステルのうち、好ましくは、炭
素数1〜20(カルボキシル基とビニル基の炭素を除
く)のアルキル基(直鎖若しくは分岐基)である脂肪酸
のビニルエステルである。アルキルアルケニルエーテル
のうち、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖または分岐
アルキル基を有するアルキルアルケニルエーテルであ
る。(メタ)アクリル酸エステルのうち、好ましくは、
炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、炭素数6〜20のアリール基を有
する(メタ)アクリル酸アリールエステル及び炭素数7
〜20のアラルキル基を有する(メタ)アクリル酸アラ
ルキルエステルである。ビニル重合体(A)は単独重合
体でも共重合体であってもよいが、共重合の場合の組み
合わせは、炭素数1〜3の脂肪酸ビニルエステル、炭素
数1〜4のアルキルアルケニルエーテル及び炭素数1〜
3の(メタ)アクリル酸エステルの群から選ばれる単量
体(a1)と、炭素数4〜20の脂肪酸ビニルエステ
ル、炭素数5〜20のアルキルアルケニルエーテル及び
炭素数4〜20の(メタ)アクリル酸エステルの群から
選ばれる単量体(a2)の組み合わせが好ましい。特に
好ましくは(メタ)アクリル酸メチルと炭素数8〜20
の(メタ)アクリル酸エステルである。共重合のモル比
(a1)/(a2)は50/50〜1/99が好ましい。
【0022】重合開始剤(b)は、アゾ系開始剤、過酸
化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合
物開始剤からなる群より選ばれる開始剤である。アゾ系
開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
スシアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−ア
ゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プ
ロピオンアミド等が挙げられる。過酸化物系開始剤とし
ては無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物
[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイ
ド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネー
ト等]が挙げられる。 レドックス系触媒としては、ア
ルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アン
モニウム、重亜硫酸アンモニウム、塩化第2鉄、硫酸第
2鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過
硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化
物など酸化剤との組合せよりなるもの等が挙げられる。
【0023】有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン化
アルキル、ハロゲン化アルキルフェニルケトン、ハロゲ
ン化アルキルカルボン酸、ハロゲン化アルキルカルボン
酸アルキルエステルの群から選ばれるハロゲン数1〜1
0又はそれ以上、炭素数1〜15又はそれ以上の有機ハ
ロゲン化合物であり、さらに好ましくは、テトラクロロ
メタン、トリクロロブロモメタン、トリクロロヨードメ
タン、ジクロロメチルフェニルケトン、1−ブロモ−1
−メチルエチルカルボン酸、アルキル基炭素数1〜8の
1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸アルキルエス
テル(例えば1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸
メチル、1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸エチ
ル、1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸オクチ
ル、1−ブロモ−1−メチルエチルカルボン酸ラウリ
ル)であり、特に好ましくは、ジクロロメチルフェニル
ケトン、アルキル基炭素数1〜8の1−ブロモ−1−メ
チルエチルカルボン酸アルキルエステルである。これら
の開始剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上
を併用してもよい。好ましくはアゾ系開始剤、過酸化物
系開始剤である。重合開始剤の使用量は、通常ビニル系
モノマー(a)の質量に基づいて、通常0.0005〜
5質量%、好ましくは0.001〜2質量%である。
【0024】本発明においてジチオ化合物(c)は前記
一般式(1)で示される。R1は、炭素数1〜4のアル
キル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル基
等)、炭素数2〜4のアルケニル基(例えば、ビニル、
アリル、プロペニル、1−ブテニル基等)、炭素数6〜
18のアリール基若しくはアラルキル基(例えば、フェ
ニル、ベンジル、トリル、キシリル、ナフチル、2−フ
ェニルヘキシル、p−(2−エチルヘキシル)フェニル
基等)である。R2はシアノ基、炭素数6〜18のアリ
ール基若しくはアラルキル基である。炭素数6〜18の
アリール基若しくはアラルキル基はR1に挙げたものと
同じものが挙げられる。R3、R4は水素原子、炭素数1
〜30のハイドロカルビル基である。炭素数1〜30の
ハイドロカルビル基としては、水酸基若しくはカルボキ
シル(塩)基若しくはアミノ基を1個若しくは2個〜5
個若しくはそれ以上有していてもよい炭化水素基が挙げ
られる。これらの基の位置は何れの位置にあってもよ
い。炭化水素基としては、アルキル基(メチル、エチ
ル、プロピル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ラウリ
ル、ステアリル、ベヘニル基等)、アルケニル基(ビニ
ル、プロペニル、1−ブテニル、1−ドデセニル基
等)、アリル基若しくはアラルキル基[フェニル、ベン
ジル、ナフチル、2−フェニルヘキシル、p−(2−エ
チルヘキシル)フェニル等]等が挙げられる。カルボキ
シル塩基としては例えば、カルボキシル基のアルカリ金
属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金
属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、有機アミン
塩もしくは有機アンモニウム塩[アンモニウム塩、テト
ラアルキル(炭素数1〜8)アンモニウム、例えばテト
ラオクチルアンモニウム塩等]等;アミノ基としては1
〜3級の有機アミノ基{炭素数1〜4の低級アルキルア
ミノ基、炭素数2〜8のアルカノールアミノ基、ポリア
ルキレン(炭素数1〜8)ポリアミノ基(アミノ基数2
〜10)若しくはそれらの誘導体[炭素数1〜8のアル
キル化物、アルキレン(炭素数2〜4)オキシド付加物
(1〜30モル)]塩である。
【0025】好ましくは重合性の観点から、前記一般式
(1)において、R1は、メチル基、フェニル基;R2
シアノ基、フェニル基;R3、R4は水素原子、メチル
基、炭素数1〜12のモノヒドロキシアルキル基、炭素
数1〜12のモノアミノアルキル基、アルキル基の炭素
数が1〜12のカルボキシアルキル基若しくはその塩形
成基である。(c)としては、具体的には例えば、Ph-C
(=S)S-CH2Ph、Ph-C(=S)S-C(CH3)2Ph、Ph-C(=S)S-CH(C
H3)Ph、Ph-C(=S)S-C(CH3)2CN、Ph-C(=S)S-C(CH3)2(CN)C
H2CH2CO2Na、CH3-C(=S)S-CH2Ph、CH3-C(=S)S-C(CH3)2C
N、CH3-C(=S)S-CH(CH3)Ph、Ph-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2CH
2CH2OH、Ph-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2CH2CO2H、CH3-C(=S)S
-C(CH3)2(CN)CH2CH2CO2Na、CH3-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2C
H2CO2H、Ph-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2CH2N(CH3)2、CH3-C(=
S)S-CH(Ph)(CN)、Et-C(=S)S-C(CH3)2CN、Et-C(=S)S-CH2
CH2Ph、Ph-C(=S)S-CH2CH2Ph、Et-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2
CH2CO2H等が挙げられる。ここでPhはフェニル基、Etは
エチル基を表す。好ましくは、Ph-C(=S)S-CH2Ph、Ph-C
(=S)S-C(CH3)2Ph、Ph-C(=S)S-CH(CH3)Ph、Ph-C(=S)S-C
(CH3)2CN、Ph-C(=S)S-C(CH3)2(CN)CH2CH2CO2Na、CH3-C
(=S)S-CH2Ph、Ph-C(=S)S-C(CH3)(CN)CH2CH2CH2OH、Ph-C
(=S)S-C(CH3)(CN)CH2CH2CO2Hである。
【0026】化合物(c)の使用量は、粘度指数向上剤
の剪断安定性の観点から、モノマー(a)の質量に基づ
いて、通常0.001〜20質量%、好ましくは0.0
05〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5重量%
である。(c)の油又有機溶剤に対する溶解性が低い場
合は、界面活性剤等を併用して重合基油に溶解又は分散
させて重合を行うこともできる。
【0027】ビニル系モノマーは油若しくは有機溶剤の
存在下で重合が行われる。油としては、例えば溶剤精製
油、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解
による高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油、エステル
系合成潤滑油、ナフテン油等が挙げられる。有機溶剤と
しては、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン
等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコ
ール系溶媒(オクタール、ブタノール等)、ケトン系溶
媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン
等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメ
チルスルホキシド等)、及びこれらの2種以上の混合物
をあげることができる。また、重合には連鎖移動剤を併
用してもよく、このようなものとしては、例えばチオー
ル類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノー
ル、メルカプトプロパノール、トリエチレングリコール
ジメルカプタン等)、チオール酸類(チオグリコール
酸、チオリンゴ酸等)、2級アルコール類(イソプロパ
ノ−ル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸
塩類(次亜燐酸ナトリウム等)等を挙げることができ、
連鎖移動剤の量は全ビニル系モノマーの量に対して、好
ましくは0.001〜1質量%である。
【0028】本発明おける重合方法は、従来から知られ
ている方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸
濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等
が挙げられる。重合制御の方法では断熱重合法、温度制
御重合法が挙げられる。また、熱による重合開始の方法
の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を
開始させる方法を取ることもできる。好ましくは温度制
御した溶液重合法である。反応温度としては、30〜1
40℃、好ましくは50〜130℃、特に好ましくは7
0〜120℃である。さらに、複数の単量体を用いるの
重合様式としては、ランダム付加重合または交互共重合
のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロッ
ク共重合のいずれでもよい。上記の製造法で得られるビ
ニル重合体(A)の重量平均分子量は、用途等によって
剪断安定性レベルは当然異なるが、通常5,000〜5
00,000、 好ましくは8,000〜300,00
0、さらに好ましくは10,000〜250,000で
ある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーショ
ンクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算し求め
た重量平均分子量である。
【0029】重合体(A)は、溶解性パラメーターが、
通常8.6〜9.4、好ましくは8.8〜9.3、さら
に好ましくは8.8〜9.2であり、溶解性パラメータ
ーが上記範囲内では油若しくは有機溶剤(以下基油とい
う)への溶解性が良好である。なお、本発明における溶
解性パラメーターは、Fedors法[Polym.E
ng.Sci.14(2)152,(1974)]によ
って算出される値である。重合体(A)は示差走査熱量
計により測定した結晶化開始温度が通常−15℃以下で
あり、好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−2
5℃以下である。−15℃より高いと低温で増粘し低温
特性に悪影響する。本発明の示差走査熱量計による結晶
化開始温度は、PERKIN−ELMER社製UNIX
DSC7を使用し、粘度指数向上剤5mgを試料とし、
10℃/分の等温速度で140℃から−75℃まで冷却
したときに観測される結晶化開始温度である。
【0030】さらに、重合体(A)は、下記一般式
(1)で表わされる立体障害ファクター(F){共重合
体組成の場合は、構成単量体のモル分率に基づいて平均
した値}が通常0〜20.0であり、好ましくは0〜1
7.0、さらに好ましくは0〜15.0である。 F=4X+Y (1) 立体障害ファクター(F)とは、(A)の構成単量体単
位において、側鎖が結合した主鎖の原子を0番目とした
場合、側鎖の方向に数えて6番目に位置する原子の総数
(X)(原子の種類にかかわらない)を4倍し、7番目
に位置する原子の総数(Y)(原子の種類にかかわらな
い)との和で示される。この立体障害ファクター(F)
は、ポリマー主鎖からの見た側鎖の立体障害の大きさを
便宜的に表したものであり、数字が大きいほど立体障害
が大きくなる。計算例を挙げると次のようになる。原子
の右肩の数字は主鎖からの原子の順番を示している。な
お複数の側鎖がある場合は、それらについても計算した
総和を(F)とする。
【0031】例a) n−ヘキシルメタクリレート単位
の場合
【0032】
【化6】
【0033】6番目の原子数=3、7番目の原子数=3 立体障害ファクター(F)=3×4+3=15
【0034】(A)のHLB値は0.5〜6.0が好ま
しい。この物性値がこの範囲内にあると抗乳化性が特に
良好である。好ましくは、HLB値が1.0〜5.5で
ある。さらに好ましくは、HLB値が1.5〜5.0で
ある。本発明のHLB値は、グリフィンのHLB(「新
・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P12
8)によって算出される値である。
【0035】また、重合体(A)を含有する粘度指数向
上剤と基油からなる潤滑油組成物において、用いた基油
としては特に限定はなく、例えば溶剤精製油、イソパラ
フィンを含有するおよびまたは水素化分解による高粘度
指数油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑
油、ナフテン油が挙げられる。好ましくは基油の曇点
(JIS K2269)は−5℃以下が良い。特に好ま
しくは−15℃以下である。基油の曇点がこの範囲であ
るとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。
又、基油の100℃における動粘度が2〜6mm2/s
のものが良い。(A)を基油に対して通常1〜30重量
%添加し、本発明の潤滑油として使用される。本発明の
潤滑油組成物がエンジン油の場合には2〜10重量%、
ギヤ油や自動変速機油の場合は、7〜25重量%、トラ
クション油の場合は0.5〜10重量%添加された場合
に好ましい結果を与える。
【0036】本発明の粘度指数向上剤、及び潤滑油組成
物は、他の任意成分、例えば清浄剤(スルフォネート
系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系の
もの等)、分散剤(イソブテニルコハク酸イミド系、マ
ンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォス
フェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油
性向上剤(脂肪酸系、脂肪酸エステル系等)、摩擦摩耗
調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデン
カーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)
を公知の範囲内の量で含んでいてもよい。
【0037】本発明の重合体である粘度指数向上剤を使
用した潤滑油組成物は、従来のPMA系粘度指数向上剤
を使用した潤滑油潤滑油と比べ低温粘度が改良でき、か
つ、粘度指数も高いことから今後の自動車の省燃費性の
要求に対応できる。さらに剪断安定性にも優れることか
ら、駆動系潤滑油(マニュアルトランスミッション油、
デファレンシャルギヤ油、オートマチックトランスミッ
ション油など)、作動油(機械の作動油、パワーステア
リング油、ショックアブソーバー油など)、エンジン油
(ガソリン用、ディーゼル用等)、トラクション油等に
好適に用いることができる。
【0038】
【実施例】上記の用途を代表して粘度指数向上剤につい
て重合体の最適の分子量若しくはそれに関連した数値を
記載し、実施例において試験例を説明するが用途はこれ
に限定するものではない。なお、実施例、比較例中の%
および部は重量%および重量部を表す。 (GPCによる重量平均分子量の測定法) 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK gel GMH6 2本 測定温度 : 40℃ 試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量 : 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 標準 : ポリスチレン
【0039】(低温粘度の試験方法)JPI−5S−2
6−99の方法で−25℃の粘度を測定した。 (粘度指数の試験方法)JIS−K−2283の方法で
行った。 (剪断安定性の試験法)JASO M348−95の方
法で行った。
【0040】実施例1 撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み
管を備えた反応容器に、トルエンを1500部、ドデシ
ルメタクリレート8075部、メチルアリルエーテル4
25部、フェニルジチオカルバミン酸ベンジルエステル
400部、アゾビスバレロニトリル200部仕込み、窒
素置換を行った後に密閉下85℃で4時間重合反応を行
った。得られたポリマーをメタノールで再沈殿し、メタ
ノール8700部で2回洗浄後、100℃で4時間減圧
乾燥し、本発明のゴム状の粘度指数向上剤(実1)を得
た。
【0041】実施例2 メチルアリルエーテルに替えてエチレングリコールモノ
−2−エチルヘキシルエーテルメタクリレートを用いる
以外は実施例1と同様にして行った。その結果、本発明
のゴム状の粘度指数向上剤(実2)を得た。
【0042】実施例3 フェニルジチオカルバミン酸ベンジルに替えてフェニル
ジチオカルバミン酸トリルエステルを用いる以外は実施
例1と同様にして行った。その結果、本発明のゴム状の
粘度指数向上剤(実3)を得た。
【0043】比較例1 フェニルジチオカルバミン酸ベンジルエステルを使用し
ない以外は実施例1と同様にして重合体(比較例1)を
得た。
【0044】比較例2 フェニルジチオカルバミン酸ベンジルエステルを使用し
ない以外は実施例2と同様にして重合体(比較例2)を
得た。
【0045】得られた粘度指数向上剤(実1)〜(実
3)、(比1)、(比2)を溶剤精製油(曇点:−35
℃、100℃の動粘度:3.1mm2/s)に溶解し潤滑油
を作成する。そしてその潤滑油の100℃の動粘度が
7.5(mm2/s)になるよう粘度指数向上剤の濃度を調
整したものを試験油とし、−35℃での低温粘度を評価
した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、油
又は有機溶剤の存在下、本発明の製法により得られる重
合体は剪断安定性が良好であり、粘度指数向上剤、潤滑
油組成物として応用した場合従来のものに比較して顕著
な効果を有する。即ち、本発明の重合体である粘度指数
向上剤を使用した潤滑油組成物は、従来のPMA系粘度
指数向上剤を使用した潤滑油潤滑油と比べ剪断安定性が
改良でき、かつ、粘度指数も高いことから今後の自動車
の省燃費性、ロングライフ性の要求に対応できるため、
駆動系潤滑油、作動油、エンジン油、トラクション油等
に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 20:02 20:02 20:04 20:04 30:02 30:02 30:08 30:08 40:04 40:04 40:08 40:08 40:25 40:25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レド
    ックス系開始剤及び有機ハロゲン化合物開始剤からなる
    群より選ばれる開始剤(b)、下記一般式(1)で示さ
    れるジチオ化合物(c)及び油若しくは有機溶剤の存在
    下にビニル系モノマー(a)を重合して得られるビニル
    重合体(A)を含有することを特徴とする粘度指数向上
    剤。 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2
    〜4のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若し
    くはアラルキル基;R2はシアノ基、アリール基若しく
    はアラルキル基;R3、R4は水素原子、炭素数1〜30
    のハイドロカルビル基である)
  2. 【請求項2】 (c)が、一般式(1)において、R1
    メチル基又はフェニル基、R2がシアノ基又はフェニル
    基、R3、R4が水素原子、メチル基及びヒドロキシル基
    もしくはアミノ基もしくはカルボキシル(塩)基を有す
    る炭素数1〜12のアルキル基である請求項1記載の粘
    度指数向上剤。
  3. 【請求項3】 (b)の量が、(a)の合計質量に基づ
    いて0.001〜1質量%である請求項1又は2記載の
    粘度指数向上剤。
  4. 【請求項4】 (a)がアルキルアルケニルエーテル、
    (メタ)アクリル酸エステル、脂肪酸ビニルエステルか
    らなる群から選ばれる一種以上のビニル系モノマーであ
    る請求項1〜3のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  5. 【請求項5】 (A)が、下記(1)〜(4)を満たす
    請求項1〜4のいずれか記載の粘度指数向上剤。 (1)重量平均分子量が5,000〜500,000 (2)溶解性パラメーターが8.6〜9.4 (3)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−15℃
    以下 (4)下記一般式(1)で表される立体障害ファクター
    (F){共重合体組成の場合は、構成単量体のモル分率
    に基づいて平均した値}が0〜17.0 一般式 F=4X+Y (1) {構成単量体単位において、側鎖中の、主鎖から6番目
    に位置する原子の総数をX、7番目に位置する原子の総
    数をYとする。}
  6. 【請求項6】 (A)のHLB値が0.5〜6.0であ
    る請求項1〜5のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  7. 【請求項7】 100℃における動粘度が2〜6mm2
    /sで、且つ曇点が−5℃以下の基油及び請求項1〜6
    の何れか記載の粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526873A (ja) * 2002-03-01 2005-09-08 ローマックス アディティヴス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 脱ロウ添加剤としてのコポリマー

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JPH0337296A (ja) * 1989-07-04 1991-02-18 Sanyo Chem Ind Ltd 新規粘度指数向上剤及びその製法
JPH0948988A (ja) * 1995-08-02 1997-02-18 Sanyo Chem Ind Ltd 粘度指数向上剤

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