JP2009057427A - 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤および潤滑油組成物 Download PDF

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稔 西田
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Abstract

【課題】せん断安定性に優れ、かつ粘度指数向上効果にも優れている粘度指数向上剤、およびそれを含む潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるビニル単量体(a0)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる粘度指数向上剤である。
【化5】
Figure 2009057427

(式中、R1およびR2は炭素数1〜32のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。nは1〜5の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、粘度指数向上剤および潤滑油組成物に関する。詳しくは特定のビニル単量体を必須構成単量体としてなるビニル重合体からなる粘度指数向上剤およびそれを含む潤滑油組成物に関する。
自動車などの潤滑油や作動油等は一般に温度が高いほど粘度が低くなるが、実用上は低温から高温まで広い範囲にわたって粘度ができるだけ変化しないことが望ましい。そこで潤滑油に粘度指数向上剤とよばれる高分子を添加して粘度の温度依存性を改善する方法が広く行われている。そのような高分子としては、例えばポリメタクリル酸エステル共重合体(特許文献−1)およびオレフィン共重合体(特許文献−2)などが挙げられる。
特開平8−53683号 特公昭46−34508号
近年、地球環境保護の観点から自動車の省燃費性とロングライフ性の向上がより一層要求されており、粘度指数向上効果の高性能化および実使用時のせん断による永久粘度低下の抑制が求められている。従来は粘度指数向上剤のせん断安定性を向上させる方法として、比較的低分子量の高分子を使用する方法が提案されている。しかし、この方法では、せん断安定性の向上はみられるものの、粘度指数向上能が悪化するといった問題があった。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の単量体を必須構成単量体とする重合体からなる粘度指数向上剤がせん断安定性に優れ、かつ粘度指数向上効果にも優れていることを見出し、本発明にいたった。すなわち本発明は、一般式(1)で表されるビニル単量体(a0)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる粘度指数向上剤、およびこれを含有する潤滑油組成物である。
Figure 2009057427
式中、R1およびR2は炭素数1〜32のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。nは1〜5の整数である。
本発明の粘度指数向上剤は、せん断安定性に優れ、かつ粘度指数向上効果にも優れている。
本発明におけるビニル単量体(a0)を表す一般式(1)において、nは1〜5の整数を示すが、反応の容易性から、好ましくは1である。また、R1およびR2は炭素数1〜32のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。また直鎖であっても分岐であってもよい。R1およびR2としては、メチル基、エチル基、並びに直鎖もしくは分岐のプロピル基、ブチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基及びテトラコシル基などが挙げられる。R1及びR2は、油または溶剤への溶解性の観点から、好ましくは炭素数12〜32の直鎖または分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数20〜24の分岐アルキル基である。
ビニル単量体(a0)の製造方法としては、一般式(2)で表されるアルコールをアルカリ金属水酸化物または水素化アルカリなどによってアルコラート化したあと、一般式(3)で表されるα−ハロアルキルアクリル酸アルキルを加えて、エーテル化反応を行う方法(Williamson反応)が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物の仕込みモル数は、反応率および反応後の精製の効率の観点から水酸基1モルに対して1.1〜2.0モルが好ましく使用される。エーテル化反応温度は通常40〜120℃、好ましくは60〜120℃である。粗生成物には反応によって生成した塩、水及び未反応物などが含まれるので、濾過、水洗、抽出、吸着などの操作によってそれらを除去し、精製することによって目的物が得られる。
1−OH (2)
式中、R1は前記と同じ。
Figure 2009057427
式中、R2およびnは前記と同じであり、Xはハロゲン原子を示す。
一般式(3)で表されるα−ハロアルキルアクリル酸アルキルの製造方法としては、例えば、n=1の場合は、α−ヒドロキシメチルアクリル酸アルキルエステルと三塩化燐又は三臭化燐などのハロゲン化剤を反応させて得られる(Tetrahedron.,47,46,9621(1991)参照)。α−ヒドロキシメチルアクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステルとホルムアルデヒドとを三級アミンの存在下に反応させることにより得ることができる(特開昭61−134353号公報、米国特許第4654432号明細書、特開平5−70408号公報などを参照)。α−ハロアルキルアクリル酸アルキルの市販品としては、例えば2−(ブロモメチル)アクリル酸エチルエステル(東京化成工業(株)製)等が挙げられる。
また、ビニル単量体(a0)のその他の製造方法としては、一般式(2)で表されるアルコールと一般式(4)で表されるα−ハロアルキルアクリル酸とを上記と同様の方法によりエーテル化した後、一般式(5)で表されるアルコールを加え、硫酸などの酸存在下で脱水エステル化反応を行う方法でもよい。脱水エステル化反応温度は、好ましくは80〜120℃である。
Figure 2009057427
式中、nは前記と同じであり、Xはハロゲン原子を示す。
一般式(4)で表されるα−ハロアルキルアクリル酸の市販品としては、例えば2−(ブロモメチル)アクリル酸(アルドリッチ社製)等が挙げられる。
2−OH (5)
式中、R2は前記と同じ。
本発明におけるビニル重合体(A)は、ビニル単量体(a0)のほかに必要により他のビニル単量体を共重合して得られた共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、グラフト共重合体やブロック共重合体であってもよい。例えば、他のビニル単量体としては以下のものが挙げられる。
ビニル単量体(a0)以外の、他の単量体としては以下の(a)、(b)および(c)が挙げられる。
(a):(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(b):(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル
(c):その他の単量体
(a):(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数の違いにより以下の(a1)〜(a3)に分類される。
(a1):炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
炭素数3および4のアルキル基は直鎖または分岐のものが含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステルなどが挙げられる。(a1)のうち好ましくは(メタ)アクリル酸メチルエステルである。
(a2):炭素数5〜11のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アルキル基は直鎖または分岐のものが含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステルなどが挙げられる。
(a3):炭素数12〜32のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アルキル基は直鎖または分岐のものが含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸n−ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−トリデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンタデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシルエステル、(メタ)アクリル酸n−エイコシルエステル、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルオクタデシルエステルなどが挙げられる。(a3)のうち好ましくは、炭素数12、13、14、15、16、18、20、24および32の直鎖または分岐アルキル基、並びにこれら2種以上の併用である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル(b)としては以下の(b1)〜(b5)が挙げられる。
(b1):(メタ)アクリル酸アルケニルエステル;
アルケニル基は、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルケニル基が含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸ドデセニルエステル、(メタ)アクリル酸オレイルエステルなどが挙げられる。
(b2):(ポリ)アルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル;
(ポリ)アルキレングリコールもしくはそのモノアルキルエーテルを構成するアルキレン基としては、炭素数が2〜20のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜4のアルキレン基である。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜20の直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。具体的には、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
(b3):(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
具体的には、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
(b4):窒素含有(メタ)アクリル酸エステル;
例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリル酸エステル[具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート]、モルホリノエチル(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
(b5):ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
例えば、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリル酸エステル[具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]が挙げられる。
(b)のうち好ましいのは、粘度指数向上効果の観点から(b2)および(b5)、特に(b5)である。
他の単量体(c)としては、以下の(c1)〜(c6)が挙げられる。
(c1):カルボキシル基含有単量体;
例えば、不飽和モノカルボン酸[具体的には、(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸[具体的には、マレイン酸、フマル酸]などが挙げられる。
(c2):(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル;
例えば、クロトン酸の炭素数1〜30のアルキルエステル、マレイン酸の炭素数1〜24のアルキルジエステルなどが挙げられる。
(c3);脂肪族ビニル系炭化水素
例えば、炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、およびα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアルカジエンなどが挙げられる。
(c4);アルキルアルケニルエーテル
炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。
(c5);脂肪酸ビニルエステル
脂肪酸としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは脂環基を有する脂肪酸が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルなどが挙げられる。
(c6);芳香族ビニル系炭化水素
例えば、スチレン、その他置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[具体的には、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)、ジビニル置換芳香族炭化水素[具体的には、ジビニルベンゼン]などが挙げられる。
(c)のうち、好ましいのは粘度指数向上効果の観点から(c1)、(c2)、(c6)およびそれらの2種以上の併用であり、さらに好ましいのは(c1)である。
本発明のビニル重合体(A)におけるビニル単量体(a0)の構成割合は、粘度指数向上効果の観点から、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。また、(a0)以外の単量体である(a)、(b)及び(c)の合計は、好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下、特に好ましくは80質量%以下である。
ビニル単量体(a0)以外の単量体のうち、粘度指数向上効果の観点から、好ましいのは(a)およびそれら2種以上の併用であり、必要により(b)および/または(c)を併用してもよい。(a)のうちの2種以上を併用する場合に、さらに好ましいのは、(a1)および(a3)の併用である。
(a0)以外のビニル単量体として、(a1)および(a3)を構成単量体とし、(b)および(c)を使用しない場合は、全単量体[(a0)+(a1)+(a3)]の質量に基づくそれぞれの好ましい質量割合(合計は100質量%)は、粘度指数向上効果の観点から、(a0)が5〜90質量%、(a1)が5〜50質量%、(a3)が5〜90質量%であり、さらに好ましくは(a0)が10〜60質量%、(a1)が20〜50質量%、(a3)が20〜70質量%である。
(a0)以外のビニル単量体として、(a1)、(a3)、並びに(b)[特に(b5)]及び/又は(c)を構成単量体とする場合は、全単量体[(a0)+(a1)+(a3)+(b)+(c)]の質量に基づくそれぞれの好ましい質量割合(合計は100質量%)は、粘度指数向上効果の観点から、(a0)が5〜90質量%、(a1)が1〜30質量%、(a3)が5〜95質量%、(b)[特に(b5)]が0〜30質量%、(c)が0〜30質量%であり、さらに好ましくは(a0)が10〜60質量%、(a1)が1〜20質量%、(a3)が30〜80質量%、(b)[特に(b5)]が0〜10質量%、(c)が0〜10質量%である。(b)および/または(c)が10質量%以下であれば、低温での流動性が良好であるため好ましい。
重合体(A)は構成単量体の存在下、溶剤を用い、開始剤の存在下で重合することができる。溶剤としては、例えば溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ナフテン油等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(オクタール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)、及びこれらの2種以上の混合物をあげることができる。溶剤は重合工程後に留去してもよく、そのまま残存させて後述の粘度指数向上剤濃厚液としてもよい。
開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合物開始剤、トリアルキルボランからなる群より選ばれる開始剤を使用することができ、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。特に低温での重合では、レドックス開始剤およびトリアルキルボラン開始剤が好ましい。レドックス系触媒としては、アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなるもの等が挙げられる。トリアルキルボランとしては、トリn−ブチルボラン、トリエチルボランなどが挙げられ、少量の空気を吹き込むことにより開始剤として働く。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム等]、有機過酸化物[t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等]が挙げられる。
重合には連鎖移動剤を併用してもよく、このようなものとしては、例えばチオカルボン酸類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、チオール酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、2級アルコール類(イソプロパノ−ル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)等を挙げることができ、連鎖移動剤の量は全ビニル系モノマーの量に対して、好ましくは0.001〜10%である。さらに好ましくは0.5〜5%である。
本発明おける重合方法は、従来から知られている方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等が挙げられる。重合制御の方法では断熱重合法、温度制御重合法が挙げられる。反応温度としては、30〜140℃、好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。また、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制御した溶液重合法である。さらに、他の単量体と共重合する際の共重合の様式としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。上記の製造法で得られる重合体(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する。なお、Mwは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレンに換算し求めた重量平均分子量である)は、用途等によって異なるが、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜250,000である。
Mwが、10,000以上であれば、増粘性の点で好ましく、500,000以下であれば剪断安定性の点で好ましい。また、変速機油に使用する場合にはせん断力が強くかかるためMwは10,000〜35,000が好ましく、さらに好ましくは、15,000〜30,000である。
重合体(A)は、溶解性パラメーターが、好ましくは9.0〜9.3、さらに好ましくは9.10〜9.25、特に好ましくは9.18〜9.23であり、溶解性パラメーターが上記範囲内であれば油もしくは有機溶剤への溶解性が良好であり、さらに粘度指数向上能が高い。なお、本発明における溶解性パラメーターは、Fedors法[Poym.Eng.Sci.14(2)147−154,(1974)]によって算出される値である。
重合体(A)は、示差走査熱量計により測定した結晶化開始温度が好ましくは−10℃以下であり、さらに好ましくは−15℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。−10℃以下であれば低温で増粘しにくく、低温特性に悪影響を及ぼすことが少ない。本発明の示差走査熱量計による結晶化開始温度は、PERKIN−ELMER社製『DSC7』を使用し、重合体5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−40℃まで冷却したときに観測される結晶化開始温度である。
重合体(A)のHLB値は0.5〜6.0が好ましい。HLBがこの範囲内にあると抗乳化性が特に良好である。さらに好ましくは、HLB値が1.0〜5.5である。特に好ましくは、HLB値が1.5〜5.0である。本発明のHLB値は、有機性無機性の概念のHLB(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行P197−198)によって算出される値である。
本発明の粘度指数向上剤は重合体(A)のみからなるが、さらに溶剤で希釈して、粘度指数向上剤濃厚液として使用するとハンドリング性が良好になり好ましい。希釈する場合の、(A)/(溶剤)の質量比は(30〜85)/(70〜15)、好ましくは(40〜75)/(60〜25)である。この範囲であれば、ハンドリング性がさらに良好である。
希釈溶剤としては、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油、ナフテン油、単一組成の有機溶媒、ならびにこれらの混合物が挙げられる。なお、前述の重合工程で溶剤を使用した場合で、溶剤をそのまま残存させた場合の溶剤も希釈溶剤の一部に含まれる。
単一組成の有機溶剤としては、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(オクタール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、およびスルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)をあげることができる。これらのうち好ましくは、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ナフテン油である。特に好ましくは引火点(COC)が120℃以上の溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、ナフテン油である。この範囲では、粘度指数向上剤の火気に対する安全性が高い。また、これらは2種以上の混合してもよい。
本発明の粘度指数向上剤は、通常、エンジン油、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油に使用されるが、特にせん断が厳しい変速機油[ギア油(自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]に用いた場合、ロングライフ性に効果的である。最も好ましくは、省燃費性に優れたスリップ制御機構を有する自動変速機の潤滑油に用いた場合であり、省燃費性、ロングライフ性ともに効果的である(シャダー性にも悪影響しない)。
本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数向上剤濃厚液と基油からなる潤滑油組成物において、用いる基油は100℃における動粘度が2〜5mm2/sのものが好ましい。また、基油の粘度指数は95以上が好ましく、さらに好ましくは100以上である。このような基油に本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数向上剤濃厚液を配合した潤滑油組成物は、粘度指数が高く省燃費性が良好となる。さらに用いる基油の流動点(JIS K2269)は−20℃以下が好ましい。さらに好ましくは−25℃以下である。基油の流動点がこの範囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。又、基油としては、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油、ナフテン油およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数向上剤濃厚液は、基油に対して、重合体(A)成分として好ましくは1〜30質量%添加、混合して、本発明の潤滑油組成物として使用される。本発明の潤滑油組成物がエンジン油の場合には2〜10質量%、変速機油(ギヤ油や自動変速機油)の場合は、2〜25質量%、好ましくは3〜10質量%、トラクション油の場合は0.5〜10質量%添加された場合に特に好ましい結果を与える。
本発明の潤滑油組成物は、他の任意成分、例えば清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系のMg塩やCa塩等)、分散剤[(アルケニル(イソブテニル)コハク酸イミド系、ホウソ化アルケニルコハク酸イミド、マンニッヒ縮合物系等)、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油性向上剤[脂肪酸系(オレイン酸)、脂肪酸エステル系、アルキルアミン系(オレイルアミン)、アルコール系(オレイルアルコール)、アミド系(オレアミド)等]、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンカーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系等)、燐系添加剤(リン酸アルキルエステル、ジアルキルフォスファイトなど)がさらに添加されてもよい。これら他の任意成分の添加量は、潤滑油組成物に対して好ましくは0〜15質量%である。
実施例:
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下特に定めない限り、部は質量部を示す。 尚、実施例においては以下の略号を使用した。
製造例1
α−(2−デシルテトラデシルオキシメチル)アクリル酸エチルの合成:
乾燥、窒素置換した反応容器Aに水素化ナトリウム7.7部、1,4−ジオキサン800部、2−デシルテトラデシルアルコール113部(0.32モル部)を入れ、攪拌下、110℃にて2時間還流してナトリウムアルコラートのジオキサン溶液を750部得て、0℃まで冷却した。他の反応容器Bに、α−(ブロモメチル)アクリル酸エチルエステル(東京化成工業(株)製)62部(0.32モル部)および1,4−ジオキサン700部を仕込み、溶解させた。反応容器Bの溶液を0℃に温調した反応容器Aに撹拌下30分かけて全量滴下し、さらに室温で24時間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテル1,000部を加え、飽和塩化アンモニウム水溶液1,000部で2回洗浄した。水相をジクロロメタン500部で2回抽出し、得られた有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジエチルエーテル/ヘキサン=1/20)により精製し、液状化合物(a01)を得た。収量87部(収率50%)
製造例2
α−(2−デシルテトラデシルオキシメチル)アクリル酸2−デシルテトラデシルの合成:
α−(ブロモメチル)アクリル酸エチルエステル62部の代わりにα−(ブロモメチル)アクリル酸53部(0.32モル部)を使用したこと以外は実施例1と同様に反応させてα−(2−デシルテトラデシルオキシメチル)アクリル酸を80部得た。(収率45%)α−(2−デシルテトラデシルオキシメチル)アクリル酸66部(0.15モル部)、2−デシルテトラデシルアルコール53部(0.15モル部)および硫酸0.005部をガラス製反応容器中に入れ、減圧下にて130℃で2時間攪拌してエステル化反応を行った。反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液によって中和したあと、遠心分離により分液した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジエチルエーテル/ヘキサン=1/20)により精製し、液状化合物(a02)を得た。収量100部。
[GPCによる重量平均分子量の測定法]
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
(剪断安定性の試験方法)
JASO M347−95に準拠し、試験時間を10時間とした。
(粘度指数の試験方法)
JIS−K−2283に従って評価した。
実施例1〜4
撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応容器に、トルエンを15部、表1に示す単量体の混合物、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.85部仕込み、窒素置換を行った後に密閉下にて90℃で6時間重合反応を行った。得られたポリマーをメタノール1,000部で再沈殿し、さらにメタノール870部で2回洗浄後、100℃で4時間減圧乾燥し、重合体(A1)〜(A4)からなる粘度指数向上剤(V1)〜(V4)を得た。その後、これらの粘度指数向上剤50部と、溶剤精製油(引火点160℃)50部を撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応容器で120℃、2時間、均一溶解希釈し、本発明の粘度指数向上剤濃厚液(B1)〜(B4)を得た。
比較例1
実施例1と同様にして、重合体(H1)からなる比較の粘度指数向上剤(W1)および粘度指数向上剤濃厚液(X1)を得た。
比較例2
実施例1と同様にして、重合体(H2)からなる比較の粘度指数向上剤(W2)を得たが、溶剤精製油(引火点160℃)に均一溶解せずに析出した。
Figure 2009057427
表1中の略号は以下の通りである。
MMA:メタクリル酸メチル
M12:メタクリル酸n-ドデシルエステル
M14:メタクリル酸n-テトラデシルエステル
M16:メタクリル酸n-ヘキサデシルエステル
共重合体(A1)〜(A4)、(H1)〜(H2)の物性値等を表2に示す。
Figure 2009057427
実施例5〜8、比較例3
(B1)〜(B4)または(X1)を高粘度指数油(流動点:−22.5℃、100℃の動粘度:3.0mm2/s)に溶解し、潤滑油組成物を作製した。そしてその潤滑油組成物の100℃の動粘度が6.1(mm2/s)になるよう粘度指数向上剤濃厚液の配合量を調整し試験油とし、剪断安定性と粘度指数を評価した。得られた評価結果を表3に示す。本発明による潤滑油組成物は粘度指数が大きく、しかも剪断安定性試験における粘度低下率(%)が低い。
Figure 2009057427
本発明の潤滑油組成物は、従来のPMA系粘度指数向上剤を使用した潤滑油組成物と比べて、今後の自動車の省燃費性、ロングライフ性の要求に対応できるため、エンジン油、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油等に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるビニル単量体(a0)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる粘度指数向上剤。
    Figure 2009057427
    (式中、R1およびR2は炭素数1〜32のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。nは1〜5の整数である。)
  2. 一般式(1)におけるR1およびR2が、炭素数12〜32のアルキル基である請求項1記載の粘度指数向上剤。
  3. ビニル重合体(A)が、5質量%以上のビニル単量体(a0)、および95質量%以下の(a0)以外のビニル単量体から構成されたビニル重合体である請求項1または2記載の粘度指数向上剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の粘度指数向上剤及び基油を含有する潤滑油組成物。
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