JP2003026788A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003026788A
JP2003026788A JP2002118187A JP2002118187A JP2003026788A JP 2003026788 A JP2003026788 A JP 2003026788A JP 2002118187 A JP2002118187 A JP 2002118187A JP 2002118187 A JP2002118187 A JP 2002118187A JP 2003026788 A JP2003026788 A JP 2003026788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
acid
bisphenol
mol
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002118187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3601717B2 (ja
Inventor
Hiroshi Tachika
弘 田近
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2002118187A priority Critical patent/JP3601717B2/ja
Publication of JP2003026788A publication Critical patent/JP2003026788A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3601717B2 publication Critical patent/JP3601717B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐食性、沸水試験後の外観不良、耐指紋性が
ばらつきを改善するとともに、耐食性、耐プレッシャー
マーク性などの優れた塗膜を得ることの出来る塗料用あ
るいはコーティング剤用ポリエステル樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 酸成分として、芳香族ジカルボン酸が5
0〜100モル%、脂肪族および/または脂環族ジカル
ボン酸が0〜50モル%、グリコール成分として一般式
(1)に示すビスフェノールAおよび/またはビスフェノ
ールFのアルキレンオキサイド付加物が5〜100モル
%、その他のポリオールが0〜95モル%からなるポリ
エステル樹脂(B)及び/又はその変性物(C)とこれ
らの樹脂と反応し得る硬化剤(D)を配合してなるポリ
エステル樹脂組成物。 (式中、R1,R2,R3は水素またはメチル基であり、
m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n
≦8である。)に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂組
成物に関するものである。ポリエステル樹脂、とりわけ
数平均分子量が2,000以上の高分子ポリエステル樹
脂の製造は通常はエステル化、初期重合、後期重合の3
缶法、あるいはこの重合工程を1段とした2缶法で行わ
れる。この際、エステル化時、エステル交換時および減
圧重合時に発泡すると反応缶から重合途中の樹脂や原料
があふれ出すため大きな問題となる。また、得られたポ
リエステル樹脂の品質もロットごとに安定したものでな
ければならない。
【0002】
【従来の技術】塗料用樹脂などを中心にビスフェノール
Aおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオキサ
イド付加物を原料に用いたポリエステル樹脂が知られて
いる。例えば、塗料用樹脂としては、特公昭62−54
67号公報、特開平3−217471号公報などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなビ
スフェノールAおよび/またはビスフェノールFのアル
キレンオキサイド付加物を原料に用いたポリエスル樹脂
を製造する場合、ポリエチレンテレフタレートに代表さ
れる通常のモノマー系では見られない、エステル化時、
エステル交換時、減圧重合時を問わず著しく発泡する場
合があり、大きな問題となっている。また、本発明のポ
リエステル樹脂組成物は、塗料用樹脂やコーティング剤
として有用であり、特に金属板のプライマー塗料用の樹
脂や熱昇華転写型の受像紙等の画像記録媒体として好適
に用いられるが、従来の方法で製造したポリエステル樹
脂及びその組成物は、前述した製造時の発泡の問題の他
に塗膜物性が不足したり、バラツキが大きいことが問題
となっている。例えば、耐食性、沸水試験後の外観不
良、耐指紋性がばらついたり、また、最近の厳しい塗膜
物性の要求には耐食性、耐プレッシャーマーク性などが
不足している問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの問題の原因は長
年不明であったが、本発明者らが鋭意検討した結果、ビ
スフェノールAおよび/またはビスフェノールFのアル
キレンオキサイド付加物に微量不純物として含まれるイ
ソプロペニルフェノールあるいはビニルフェノールのア
ルキレンオキサイド付加物が重合時の発泡や塗膜物性に
影響することを見い出し本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、酸成分として、芳香族
ジカルボン酸が50〜100モル%、脂肪族および/ま
たは脂環族ジカルボン酸が0〜50モル%、グリコール
成分として一般式(1)に示すビスフェノールAおよび/
またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物
が5〜100モル%、その他のポリオールが0〜95モ
ル%からなるポリエステル樹脂(B)において、原料と
して、イソプロペニルフェノールのアルキレンオキサイ
ド付加物および/またはビニルフェノールのアルキレン
オキサイド付加物の含有量が20、000ppm以下で
あるビスフェノールAおよび/またはビスフェノールF
のアルキレンオキサイド付加物(A)を用いて製造した
ポリエステル樹脂(B)及び/又はその変性物(C)と
これらの樹脂と反応し得る硬化剤(D)を配合してなる
ポリエステル樹脂組成物である。
【化2】 (式中、R1,R2,R3は水素またはメチル基であり、
m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n
≦8である。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるポリエステル樹脂
は、グリコール成分として、ビスフェノールAおよび/
またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物
(A)が5〜100モル%含まれる場合に適用される。
【0007】ビスフェノールAおよび/またはビスフェ
ノールFのアルキレンオキサイド付加物(A)は、ビス
フェノールAおよび/またはFにアルカリ触媒の存在下
でアルキレンオキサイドを付加し、ついで酸で中和して
製造するが、この際に原料であるビスフェノールAまた
はビスフェノールFが熱分解して微量のイソプロペニル
フェノールあるいはビニルフェノールが生成し、これら
にアルキレンオキサイドが付加されることを見いだし
た。さらには、これらの不純物が一定量以上残留生成す
るとポリエステル製造時に発泡したり、塗膜物性に悪影
響を及ぼすことを見い出した。また、本発明者らは、こ
れらの不純物は、アルキレンオキサイドを付加させる時
の反応温度が高いほど多量に発生することも確認してい
る。
【0008】このイソプロペニルフェノールのアルキレ
ンオキサイドおよび/またはビニルフェノールのアルキ
レンオキサイド付加物の含有量は、使用するビスフェノ
ールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオ
キサイド付加物の量に対して、20、000ppm以下
であることが必要であり、より好ましくは10、000
ppm、さらに好ましくは8、000ppm以下、最も
好ましくは5、000ppm以下である。これらの副生
成物の含有量が20、000ppmを越えると重合時に
発泡が起こり、また、前述したような塗膜物性が低下す
る。
【0009】本発明に用いるポリエステル樹脂において
使用するビスフェノールAおよび/またはビスフェノー
ルFのアルキレンオキサイド付加物(A)は、全グリコ
ール成分に対し、5〜100モル%、好ましくは15〜
80モル%、さらに好ましくは25〜60モル%含まれ
る。5モル%未満では、上記グリコール(A)の持つ耐
食性、加工性などの優れた特性が出ない。
【0010】本発明に用いるポリエステル樹脂におい
て、製造するポリエステル樹脂(B)に使用する酸成分
は、芳香族ジカルボン酸50〜100モル%、好ましく
は70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100
モル%である。芳香族ジカルボン酸が50モル%未満で
は良好な耐酸性、耐薬品性、耐食性、スクラッチ性が得
られない。
【0011】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)に
共重合する芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸
としては塗膜物性と溶解性の面からテレフタル酸とイソ
フタル酸を併用することが特に好ましい。芳香族ジカル
ボン酸の含有量は50〜100モル%が好ましく、より
好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80
〜100モル%である。
【0012】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)に
共重合する脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0
〜50モル%、好ましくは0〜30モル%である。これ
らのジカルボン酸は必須ではないが、共重合することに
より、主に柔軟性を付与できるので加工性を改善でき
る。
【0013】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)に
共重合する脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸などが挙げられる。ポリ
エステル樹脂(A)に共重合する脂環族ジカルボン酸と
しては1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
このうち、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸が加工性の面より好ましく、耐酸性
の面より含有量は30モル%以下が好ましい。
【0014】ポリエステル樹脂(B)に共重合するグリ
コール成分としては、一般式(I)で示されるビスフェ
ノールAおよび/またはビスフェノールFのエチレンオ
サイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物以外
のその他のグリコールを通常併用して使用する。
【0015】その他のグリコールとしてはエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、3−メチル、8−メチル−1,
8−オクタンジオールなどのアルキレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロ
ヘキサンジメタノール、TCDグリコールなどの脂環族
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
その他のグリコールは経済性、塗膜物性などから適宜選
択されるが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオールなどが好ましい。
【0016】また、トリメリット酸、ピロメリット酸な
どの多価カルボン酸またはトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなどの多価ポリオールを全酸または全グリコールに対
し、0.1〜3モル%用いると耐酸性をさらに向上でき
る。
【0017】本発明に用いるポリエステル樹脂におい
て、本実施例で例示したような常圧または加圧でジカル
ボン酸とグリコールを直接エステル化して重合する直接
重合法、ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコール
をエステル交換してから重合するエステル交換法や少量
のキシレンを添加して常圧で脱水反応を行う方法など公
知の方法で合成される。また、重合触媒も本実施例で示
したテトラブチルチタネートなどのチタン化合物を始
め、亜鉛化合物、アンチモン化合物、錫化合物、ゲルマ
ニウム化合物などの公知の触媒が使用される。
【0018】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)
は、用途によって樹脂特性を変えることができるが、ガ
ラス転移点温度は0〜80℃が好ましい。0℃未満では
加工性は良好であるが、スクラッチ性、耐薬品性、耐沸
水性、耐ブロッキング性などが低下する可能性があり好
ましくない。80℃を越えると耐酸性は良好であるが加
工性が低下する可能性があり好ましくない。また、本発
明に用いるポリエステル樹脂(B)は数平均分子量20
00以上が好ましく、より好ましくは5000〜35,
000である。数平均分子量が2000未満では加工
性、耐衝撃性などの物性が低下する可能性がある。
【0019】また、本発明に用いるポリエステル樹脂
(B)において、スルホン酸金属塩基を含むジカルボン
酸やグリコールを5モル%以下の範囲で使用しても良
い。スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸としては、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スル
ホフェノキシ〕イソフタル酸などの金属塩を挙げること
ができる。スルホン酸金属塩基を含むグリコールとして
は2−スルホ1、4−ブタンジオール、2、5−ジメチ
ル−3−スルホ−2、5−ヘキサンジオールなどの金属
塩が挙げられる。金属塩としてはLi、Na、K、M
g、Ca、Cu、Feなどの塩が挙げられる。
【0020】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)は
ビニル重合性モノマーでのビニル変性、エポキシ化合物
によるエポキシ樹脂変性、またはイソシアネート化合物
でウレタン変性してもよい。ポリエステル樹脂をビニル
重合性モノマーでビニル変性する場合は、ポリエステル
樹脂にフマル酸、オレイン酸などの不飽和2重結合を含
有するジカルボン酸を共重合してポリエステル樹脂中に
不飽和2重結合を導入し、この不飽和2重結合と(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどの
ビニル化合物を溶液中でラジカル重合する方法、あるい
は(メタ)アクリル酸エステル、スチレンなどより合成
される片末端にヒドロキシ基を2個含有するマクロモノ
マーを直接ポリエステルに共重合するなどの公知の方法
により合成される。
【0021】エポキシ樹脂変性ポリエステル樹脂はポリ
エステル樹脂の末端ヒドロキシ基に無水トリメリット
酸、無水フタル酸等の酸無水物を付加させて、末端カル
ボキシ変性をした後、このカルボキシル基とエポキシ樹
脂をトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下でエポ
キシ変性する方法などの公知の方法により合成できる。
また、鎖延長剤にジメチロールプロピオン酸のどのカル
ボキシル基含有グリコールを用いることによりカルボキ
シル基を導入しても良い。
【0022】ウレタン変性ポリエステル樹脂は低分子量
のポリエステルジオールと必要により鎖延長剤を配合
し、ジイソシアネート化合物と反応させるなど公知の方
法により合成される。また、鎖延長剤にジメチロールプ
ロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールを用いて
カルボキシル基を側鎖に導入しても良い。
【0023】本発明に用いるポリエステル樹脂(B)お
よび/またはこれらを変性してなる変性ポリエステル
(C)とこれらと反応し得る硬化剤(D)を配合して塗
料用に使用することができる。硬化剤を配合することに
より、耐溶剤性を付与でき、加工性、硬度、耐汚染性、
耐薬品性、耐食性などの種々の塗膜物性を向上できる。
硬化剤(D)の配合量は{(B)+(C)}/(D)=
95/5〜60/40が好ましく、より好ましくは90
/10〜70/30(重量比)である。{(B)+
(C)}の配合量が95/5を越えると耐薬品性、耐食
性、スクラッチ性などの塗膜物性が不良となり、60/
40未満では良好な加工性が得られない場合がある。
【0024】ポリエステル樹脂(B)および/または変
性ポリエステル樹脂(C)と反応し得る硬化剤として
は、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、
エポキシ化合物およびイソシアネート化合物、フェノー
ル樹脂などが挙げられる。このうち、加工性よりアルキ
ルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、イソシアネ
ート化合物、レゾール型フェノール樹脂が好ましい。さ
らに、耐酸性の面からイソシアネート化合物が特に好ま
しく、貯蔵安定性よりイソシアネート化合物はブロック
化して使用することが好ましい。
【0025】イソシアネート化合物としては芳香族、脂
肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネー
トがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよ
い。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合
物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過
剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビ
トール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子
活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、
ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性
水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネ
ート基含有化合物が挙げられる。
【0026】イソシアネート化合物としてはブロック化
イソシアネートにすることが好ましい。イソシアネート
ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノ
ール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、
クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフ
ェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセ
トキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノ
ンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エ
チレンクロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパ
ノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノー
ル、t−ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε
−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラ
クタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げ
られ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチル
アセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステ
ルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン
類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども
挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシア
ネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公
知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
【0027】アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデ
ヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジア
ミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メト
キシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化
メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベ
ンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられるが、加工性の面から好ましいのは、メト
キシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラ
ミン、またはメトキシ化/ブトキシ化混合型メチロール
メラミンであり、それぞれ単独、または併用して使用す
ることができる。
【0028】エポキシ化合物としてはビスフェノールA
のジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオ
リゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ト
リグリシジルイソシアヌレート、1、4−ジグリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付
加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができ
る。
【0029】さらにフェノール樹脂としては、フェノー
ル類にアルカリ触媒の存在下でアルデヒドを反応させた
レゾール型樹脂、フェノール類に酸性触媒の存在下でア
ルデヒドを反応させたノボラック型などが挙げられ、架
橋剤として好適なものを意味し、特にレゾール型樹脂が
好ましい。これらのフェノール樹脂に用いるフェノール
類は、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、
m−クレゾール、m−メトキシフェノール、2,3−キ
シレノール、2,5−キシレノール、p−tert−ブ
チルフェノール、p−エチルフェノール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールFなどが挙げられ、これらのモノ
〜トリメチロール化物やその縮合物、あるいはそれらの
アルキルエーテル化物、あるいはこれらをエポキシ変
性、油変性、メラミン変性、アミド変性など各種変性を
したものなどが使用できる。原料として使用する好まし
いフェノール類としては、フェノールとして3官能以上
であるフェノール、m−クレゾール、ビスフェノール
A、ビスフェノールFが挙げられる。
【0030】これらの硬化剤には、その種類に応じて選
択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用することが
好ましい。
【0031】本発明の(変性)ポリエステル樹脂組成物
の焼付け温度は金属板の大きさ、厚さ、また焼き付け炉
の能力、塗料の硬化性などにより任意に選択される。塗
料組成物の製造にはロール練り機、ボールミル、サンド
ミル、ブレンダーなどの混合機が用いられる。塗装に当
たってはローラー塗り、ロールコーター、スプレー塗
装、静電塗装などが適時選択される。
【0032】本発明の(変性)ポリエステル樹脂組成物
は目的、用途に応じて酸化チタン、タルク、硫酸バリウ
ム、クレーなどの体質顔料、ジンククロメート、ストロ
ンチウムクロメート、カルシウムクロメートなどのクロ
ム含有防錆顔料、コロイダルシリカ、トリポリリン酸ア
ルミなどのトリポリリン酸塩系、リン酸亜鉛系、亜リン
酸塩系、リンモリブデン酸塩系、モリブデン酸塩系、シ
アナミド亜鉛カルシウム系、ホウ酸塩系、カルシウムシ
リカ系などの非クロム系防錆顔料、公知の着色剤、シリ
カ、ワックスなどの添加剤、難燃剤、グラスファイバー
等を配合することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物は通常は有機溶媒に溶
解した形で使用されるものであるが、前述したスルホン
酸金属塩基などのイオン性基を導入した場合などは水分
散体として使用することもできる。有機溶媒としては、
例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ100、15
0、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブア
セテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカル
ビトールアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、イソホロン、N−メチルピロリドン、2塩基酸
エステル等から溶解性、蒸発速度を考慮して適宜選択さ
れる。本発明の(変性)ポリエステル樹脂を塗料用に用
いる場合は、それ自体を塗布焼付けしただけでも充分な
性能を示すため、塗装金属板の裏面コートなどに好適で
あるが、さらに、プライマーとして使用することが好ま
しく、耐候性、耐汚染性、耐アルカリ性などを向上する
目的でトップコートとして公知の上塗り塗料を塗布する
こともできる。また、本発明の(変性)ポリエステル樹
脂は紙、プラスチックフィルムに塗布して画像記録媒体
としても使用できる。従来技術と比較して、優れた印字
性、耐指紋性などの特性が得られる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明する。実施
例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項
目は以下の方法に従った。
【0035】1.還元粘度ηsp/c(dl/g) ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロ
ロエタン(容量比6/4)の混合溶媒25ccに溶か
し、30℃で測定した。
【0036】2.ポリエステルの分子量およびビスフェ
ノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイ
ド付加モル数の定量 ゲルろ過クロマトグラフ(GPC)により、溶剤はテト
ラヒドロフラン、標準サンプルはポリスチレンを用いて
測定した。カラムは、分子量測定時はショーデックKF
802、KF804、KF806(昭和電工(株))を
直列につないで使用した。アルキレンオキサイド付加モ
ル数測定時はTSKgel SUPERH4000、H
3000、H2000(東ソー(株)製)を直列につな
いで用いた。ディテクターはRIを用いた。
【0037】3.不純物のイソプロペニルフェノールの
アルキレンオキサイド付加物およびビニルフェノールの
アルキレンオキサイド付加物の定量 ゲルろ過クロマトグラフ(GPC)により、溶剤はテト
ラヒドロフランを用いて測定した。カラムは、TSKg
el SUPERH4000、H3000、H2000
(東ソー(株)製)を直列につないで用いた。デティク
ターはUV(254nm)を用いた。
【0038】4.ガラス転移点温度 示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0039】5.酸価 試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解し
た。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール
溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタ
レインを用いた。
【0040】6.リン含有量の定量 試料0.2gを三角フラスコに精秤し、硫酸3ml、過
塩素酸0.5mlおよび硝酸3.5mlを加えて熱板上
で徐々に加熱分解して硫酸白煙とした。室温まで放冷
後、水で約15mlに希釈した。0.2%パラニトロフ
ェノール溶液1滴を加え、流水にて冷却しながら徐々に
アンモニア水を加えて硫酸を中和した。ついで、全ての
内容物を50mlメスフラスコに水で洗い込みながら移
し、2%モリブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび
0.2%硫酸ヒドラジン溶液2mlを加え、水にて標線
を合わせてから内容物をよく混合した。ついで、沸騰水
浴中に10分間フラスコをつけて加熱発色させ、これを
室温まで水冷して試験液とした。また、空実験を同様に
行った。得られた試験液を分光光度計で波長830nm
で空試験液を対照にして吸光度を測定し、あらかじめ作
成しておいた検量線を用いてリン含有量を定量した。リ
ン標準液は、試薬特急リン酸二水素カリウムを水に溶解
して作成したものを用いた。
【0041】7.加工性 塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを
10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部
に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を
挟まなくて180度折り曲げた場合をさす。
【0042】8.耐沸水性 塗装鋼板を沸騰水中に3時間浸漬し、塗面のブリスター
の発生状態をASTMD714−56に準じて評価し
た。異常のない場合は10とした。
【0043】9.耐食性 塗装鋼板を、JIS K5400に記載の方法である、
35℃で5%NaCl塩水噴霧試験を1000時間実施
し、ブリスターの発生状況を目視判定した。耐食性はク
ロスカット部、1T加工部、端面部について実施した。
評価基準を以下に示す。 1T加工部または2T加工部 ◎:異常なし ○:ほとんどブリスターなし △:ブリス
ター発生 ×:著しくブリスター発生 クロスカット部(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm
×:10mm以上 端面部(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm
×:10mm以上
【0044】10.耐プレッシャーマーク性 塗装鋼板に、一辺が1cmの立方体に切った発泡スチロ
ールを置き、加重1kg/cm2をかけ60℃で2時間
放置した。試験後の塗膜外観で判定した。 ◎:異常なし ○:わずかに発泡スチロールの跡がのこる ×:発泡スチロールのはっきり跡がのこる ××:発泡スチロールの跡が著しくのこり、場合によっ
ては発泡スチロールが塗面に接着する
【0045】11.上塗り塗料(I)の作製 あらかじめ溶解した市販の高分子量ポリエステル、バイ
ロン300、80固形部、バイロン200、20固形部
(何れも東洋紡績(株)製)、メチルエーテル化メチロ
ールメラミン、スミマールM40S(不揮発分80%、
住友化学工業(株)製)25部、p−トルエンスルホン
酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部、酸化チタ
ン125部、表面平滑剤としてポリフローS(共栄社油
脂化学工業(株)製)を加え、ガラスビーズ型高速振と
う機で8時間分散し上塗り塗料を作製した。尚、溶剤は
シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合
品を適量使用した。
【0046】12.上塗り塗料の作製あらかじめ溶解し
た、ポリエステル樹脂A〜Cまたは比較ポリエステル樹
脂I〜K、30固形部、メチルエーテル化メチロールメ
ラミン、スミマールM40S(不揮発分80%、住友化
学工業(株)製)10部、p−トルエンスルホン酸の2
0%ベンジルアルコール溶液0.5部、酸化チタン40
部、表面平滑剤としてポリフローS(共栄社油脂化学工
業(株)製)0.2部を加え、ボールミル中で1昼夜混
練し上塗り塗料を作製した。尚、溶剤はシクロヘキサノ
ン/ソルベッソ150=50/50混合品を適量使用し
た。
【0047】13.塗装鋼板(試験片)の作製0.5m
m厚のリン酸亜鉛処理亜鉛めっき鋼板に所定のプライマ
ーを乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、220℃×
60秒焼付けた。ついで、11.で作製した上塗り塗料
を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、230℃×
60秒焼付けて塗装鋼板を作製した。
【0048】ビスフェノールAエチレンオキサイド付加
物(a)の合成 公知の方法により、触媒に水酸化カリウムを用いて加圧
下でビスフェノールAにエチレンオキサイドを2.3モ
ル付加した後、リン酸で中和した。反応後に吸着ろ過に
より触媒残渣をろ過した。得られたビスフェノールAエ
チレンオキサイド付加物に含まれるリンの含有量を測定
したところ5ppmであった。また、イソプロペニルフ
ェノールのエチレンオキサイド付加物の含有量は120
ppmであった。結果を表1に示す。
【0049】ビスフェノールAエチレンオキサイド付加
物(d)の合成 公知の方法により、触媒にトリエチルアミンを用いてビ
スフェノールAにエチレンオキサイドを平均4.0モル
付加した後、コハク酸で中和した。反応後にろ過せずそ
のまま使用した。得られたビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物に含まれるリンの含有量を測定したとこ
ろ2ppm未満(測定限界以下)であった。また、イソ
プロペニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の含
有量は7600ppmであった。結果を表1に示す。
【0050】以下同様にして表1、表2に示すビスフェ
ノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイ
ド付加物(b)〜(j)を合成した。表2の合成例
(g)〜(j)は比較合成例である。触媒として水酸化
カリウムを用いたものはいずれも重合を阻害しないよう
に触媒残渣を吸着ろ過して除去しており、リン含有量で
おおむね25ppm以下にした。また、不純物のイソプ
ロペニルフェノールまたはビニルフェノールのアルキレ
ンオキサイド付加物の量は、反応温度を調節して変化さ
せている。反応温度が高いほどビスフェノールAまたは
Fが分解して、これらの不純物の量が増える。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1、表2において、 ビスA:ビスフェノールA ビスF:ビスフェノールF EO:エチレンオキサイド PO:プロピレンオキサイド KOH:水酸化カリウム TEA:トリエチルアミン である。
【0054】合成例1(ポリエステル樹脂Aの合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にジ
メチルテレフタレート485部、ジメチルイソフタレー
ト485部、エチレングリコール512部、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド2.3モル付加物(a)9
07部、酢酸亜鉛0.44部、三酸化アンチモン0.4
3部を仕込み、140℃から220℃まで、4時間かけ
てエステル交換反応を行った。ついで系内を徐々に減圧
していき、60分かけて1mmHgまで減圧し、さらに
0.1〜0.3mmHgの減圧下、270℃にて重縮合
反応を行ったところ、速やかに重合し、50分で還元粘
度0.64dl/g、数平均分子量21,000に到達
した。得られたポリエステル樹脂(A)はNMR等の組
成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソソ
フタル酸=50/50であり、グリコール成分がモル比
でエチレングリコール/ビスフェノールAエチレンオキ
サイド2.3モル付加物=45/55であった。また、
酸価12当量/106g、ガラス転移温度76℃であっ
た。エステル交換時、重合時ともに異常な発泡はなかっ
た。このポリエステル樹脂(A)をシクロヘキサノン/
ソルベッソ150(エクソン化学(株)製)=50/5
0(重量比)に固形分40%で溶解したところ、透明な
色相(APHA)100のワニスを得た。結果を表3に
示す。
【0055】以下同様に合成例2〜7を行い、ポリエス
テル樹脂(B)〜(G)を合成した。結果を表3、表4
に示す。いずれの場合も良好な重合速度を得ている。ま
た、これらは酸価、色相ともに低い値のものが得られ
た。ただし、不純物であるイソプロペニルフェノールの
エチレンオキサイド付加物の多い原料を使用した実施例
6については、不純物が少ない場合と比較して発泡が多
く認められた。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】合成例8(ポリエステル樹脂Hの合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテ
レフタル酸415部、イソフタル酸415部、エチレン
グリコール384部、ビスフェノールFのエチレンオキ
サイド2.2モル付加物(f)1128部、テトラブチ
ルチタネート0.51部を仕込み、140℃から220
℃まで、4時間かけてエステル化反応を行った。ついで
系内を徐々に減圧していき、60分かけて1mmHgま
で減圧し、さらに0.1〜0.3mmHgの減圧下、2
70℃にて重縮合反応を行ったところ、速やかに重合
し、90分で還元粘度0.55dl/g、数平均分子量
16,000に到達した。得られたポリエステル樹脂
(H)はNMR等の組成分析の結果、酸成分がモル比で
テレフタル酸/イソソフタル酸=50/50であり、グ
リコール成分がモル比でエチレングリコール/ビスフェ
ノールFエチレンオキサイド2.2モル付加物=24/
76であった。また、酸価13当量/106g、ガラス
転移温度68℃であった。エステル化時、重合時ともに
異常な発泡はなかった。このポリエステル樹脂(H)を
シクロヘキサノン/ソルベッソ150(エクソン化学
(株)製)=50/50(重量比)に固形分40%で溶
解したところ、透明な色相(APHA)150のワニス
を得た。結果を表4に示す。
【0059】比較合成例1(比較ポリエステル樹脂
(I)の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にジ
メチルテレフタレート485部、ジメチルイソフタレー
ト485部、エチレングリコール512部、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド2.3モル付加物(g)9
07部、酢酸亜鉛0.44部、三酸化アンチモン0.4
3部を仕込み、140℃から220℃まで、4時間かけ
てエステル交換反応を行った。この際、かなりの発泡が
認められたので、攪拌速度を低下して注意深く反応させ
る必要があった。ついで系内を徐々に減圧していき、6
0分かけて1mmHgまで減圧し、さらに0.1〜0.
3mmHgの減圧下、270℃にて重縮合反応を行った
ところ、著しく発泡し、内容物の一部が系外に出てしま
ったので、攪拌速度を低下、真空度をやや低下して、約
80分かけて、還元粘度0.64dl/g、数平均分子
量21,000のポリエステル樹脂を得た。得られたポ
リエステル樹脂(I)はNMR等の組成分析の結果、酸
成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸=50/5
0であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコー
ル/ビスフェノールAエチレンオキサイド2.3モル付
加物=45/55であった。また、酸価40当量/10
6g、ガラス転移温度76℃であった。このポリエステ
ル樹脂(A)をシクロヘキサノン/ソルベッソ150
(エクソン化学(株)製)=50/50(重量比)に固
形分40%で溶解したところ、透明な色相(APHA)
200のワニスを得た。
【0060】以下同様に比較合成例2〜7を行った。結
果を表5、表6に示す。いずれの場合も同条件の合成例
と比較して著しく発泡し、通常の条件下では重合が困難
な場合もあった。
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】実施例1(塗膜物性評価) ポリエステル樹脂(A)の溶解品100固形部に酸化チ
タン40部、ストロンチウムクロメート40部、硬化剤
としてのメチルエーテル化メチロールメラミン(商品
名:スミマールM40S、不揮発分80%、住友化学工
業(株)製)10部、硬化触媒としてのp−トルエンス
ルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を加
え、ビーズ分散機8時間分散しプライマー塗料を作製し
た。このプライマー塗料組成物を13.に記述した方法
でプライマー、上塗りの順に塗布、焼付けして塗装鋼板
を作製し、所定の試験をおこなった。尚、上塗り塗料は
上塗り塗料(I)を使用した。結果を表7に示す。この
ように、本発明の製造方法による塗料用樹脂組成物は加
工性、耐食性、耐沸水性に優れ、特に相当する比較例と
比較して、耐食性、耐沸水性に優れていることが分か
る。
【0063】以下、表7〜表9に示す組成により同様に
して、実施例2〜8、比較例1〜5の塗料組成物を作成
し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結
果を表7〜表9に示す。ただし、塗料の配合比は固形分
換算で表示した。いずれの実施例も相当する比較例より
も良好な塗膜物性を示し、比較ポリエステルは相当する
実施例と比較して、かなり耐食性、耐沸水性が劣ること
が分かる。また、実施例においても、原料の不純物であ
るイソプロペニルフェノールまたはビニルフェノールの
アルキレンオキサイド付加物の少ない高純度の原料を使
用したものは、耐食性、耐沸水性がさらに顕著に優れる
ことが分かる。
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
【表9】
【0067】実施例9(上塗り塗料としての評価) ポリエステル樹脂(A)の溶解品を用いて、前記12.
に記載した方法により上塗り塗料を作製した。これを前
記11.の方法によりプライマーなしで乾燥膜厚が20
μmになるように塗布し、230℃×30秒焼き付けて
塗装鋼板を作製した。このものの耐プレッシャーマーク
性を評価したところ非常に良好で、痕跡なしの◎であっ
た。また、耐沸水性にも優れる。結果を表10に示す。
【0068】以下、表10に示す組成により同様にし
て、実施例10、11、比較例6、7の塗料組成物を作
成し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験
結果を表10に示す。いずれの実施例も相当する比較例
よりも良好な耐プレッシャーマーク性を示し、ポリエス
テル(I)、ポリエステル(J)などは、実施例と比較
してかなり耐プレッシャーマーク性が劣ることが分か
る。また、実施例においても、原料の不純物であるイソ
プロペニルフェノールまたはビニルフェノールのアルキ
レンオキサイド付加物の少ない高純度の原料を使用した
ものは、耐プレッシャーマーク性、耐沸水性がさらに優
れることが分かる。
【0069】
【表10】
【0070】実施例12(昇華型熱転写受像層としての
評価) ポリエステル樹脂(A)をトルエン/メチルエチルケト
ン(50/50)の混合溶媒に溶解し、20%溶液とし
た。この溶液にエポキシ変性シリコーンオイル(信越化
学(株)製 KF−102)を樹脂に対して10重量%
配合し、厚み150μmの合成紙王子油化製:ユポPP
G−150)にワイヤーバーを用いて塗工後、120℃
で30分間乾燥し、厚み4μmの染着層を持つ昇華型熱
転写受像体を得た。白色度の高い昇華型熱転写受像体で
あった。これに市販のビデオプリンターを用いて写真調
の画像を記録した。白色部、着色部とも違和感のない色
調の優れた画像が得られた。受像体の耐久性の評価とし
て、画像が記録された受像体を暗所60℃の環境下で1
68時間放置した。また、直射日光の当たる窓辺(室
内)に画像が記録された受像体を2週間放置した。いず
れの場合も変色、色あせ等は認められず耐久性の高い受
像体であった。また、画像が記録された受像体表面に、
親指を強く押し当てて指紋が画像表面に残るようにし、
この受像体を40℃の環境下で放置した。48時間後に
取り出し、画像を観察したところ、染料の凝集、変色
(色抜け)、指紋後残り等はなく、耐指紋性に優れる受
像体であった。
【0071】
【発明の効果】本発明に用いるポリエステルの製造方法
では重合時に発泡の少ない良好な作業性が得られるた
め、反応釜の内容物があふれることがなく、さらに、よ
り高真空下での重合、高攪拌速度が可能となり重合速度
を速めることができる。また、得られたポリエステル樹
脂は、ロットバラツキも少なく、従来技術と比較して生
産性が大幅に向上する。このため、樹脂の色相や酸価を
小さく押さえることが可能である。従って、本発明の塗
料用樹脂組成物をプライマーに使用することにより、従
来のポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂と比較し
て、優れた加工性、耐食性、耐沸水性が得られるため、
特に高度の加工性、耐食性、耐沸水性の要求される冷蔵
庫、洗濯機、エアコン室外機、ファンヒーターなどの家
電用、金属サイディングなどの建材用に有用である。ま
た、上塗りまたは上塗りとプライマーを兼ねた1コート
塗料としても有用であり、優れた耐沸水性、耐プレッシ
ャーマーク性が得られる。さらには、紙、プラスチック
フィルムに塗布して画像記録媒体として使用することが
できる。本発明の樹脂組成物をコーティングすることに
より、従来技術と比較して、優れた色調、印字性、耐指
紋性が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分として、芳香族ジカルボン酸が
    50〜100モル%、脂肪族および/または脂環族ジカ
    ルボン酸が0〜50モル%、グリコール成分として一般
    式(1)に示すビスフェノールAおよび/またはビスフェ
    ノールFのアルキレンオキサイド付加物が5〜100モ
    ル%、その他のポリオールが0〜95モル%からなるポ
    リエステル樹脂(B)において、原料として、イソプロ
    ペニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物および
    /またはビニルフェノールのアルキレンオキサイド付加
    物の含有量が20、000ppm以下であるビスフェノ
    ールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオ
    キサイド付加物(A)を用いて製造したポリエステル樹
    脂(B)及び/又はその変性物(C)とこれらの樹脂と
    反応し得る硬化剤(D)を配合してなるポリエステル樹
    脂組成物。 【化1】 (式中、R1,R2,R3は水素またはメチル基であり、
    m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n
    ≦8である。)
  2. 【請求項2】 塗料用に用いることを特徴とする請求
    項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 画像記録媒体用コーティング剤として
    用いることを特徴する請求項1記載のポリエステル樹脂
    組成物。
JP2002118187A 2002-04-19 2002-04-19 ポリエステル樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3601717B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118187A JP3601717B2 (ja) 2002-04-19 2002-04-19 ポリエステル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118187A JP3601717B2 (ja) 2002-04-19 2002-04-19 ポリエステル樹脂組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000098894A Division JP3317401B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003026788A true JP2003026788A (ja) 2003-01-29
JP3601717B2 JP3601717B2 (ja) 2004-12-15

Family

ID=19194057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002118187A Expired - Fee Related JP3601717B2 (ja) 2002-04-19 2002-04-19 ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3601717B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115848A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Kao Corp 熱転写受像シート用ポリエステル
CN107254036A (zh) * 2017-06-08 2017-10-17 华伦纳路新材料有限公司 一种pcm用底漆树脂及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017058504A1 (en) 2015-10-02 2017-04-06 Resinate Materials Group, Inc. High performance coatings

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115848A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Kao Corp 熱転写受像シート用ポリエステル
CN107254036A (zh) * 2017-06-08 2017-10-17 华伦纳路新材料有限公司 一种pcm用底漆树脂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3601717B2 (ja) 2004-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3865080B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2012012497A (ja) 耐食性に優れる下塗り塗料組成物
US5563236A (en) Resin composition for coating
JP5316426B2 (ja) 塗料用樹脂組成物および塗装金属板
JP3317401B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物
JP3601717B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP4310667B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物
JPH0718169A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3317400B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物
JP2001106970A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP3287428B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH0517682A (ja) 水系分散体およびこれを用いた水系塗料用樹脂組成物
JP3952218B2 (ja) 塗装金属板
WO2019216093A1 (ja) 共重合ポリエステル、水分散体およびこれを用いた水性塗料
JP4582824B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JP3139567B2 (ja) 水系分散体
JPH07331167A (ja) 被覆組成物とこれを塗装した塗装金属板
JP3485119B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH0797547A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP4117513B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JP3902115B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JP3339629B2 (ja) 水系分散体およびこれを用いた水系塗料用樹脂組成物
JP3485127B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH06256711A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH08113758A (ja) 塗料用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040915

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071001

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101001

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111001

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121001

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121001

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees