JP2003026608A - 皮膚外用剤組成物 - Google Patents

皮膚外用剤組成物

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JP2003026608A
JP2003026608A JP2001210025A JP2001210025A JP2003026608A JP 2003026608 A JP2003026608 A JP 2003026608A JP 2001210025 A JP2001210025 A JP 2001210025A JP 2001210025 A JP2001210025 A JP 2001210025A JP 2003026608 A JP2003026608 A JP 2003026608A
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Nobuo Fukuda
信雄 福田
Mamoru Tsuchida
衛 土田
Takeshi Miyazaki
剛 宮崎
Hisami Imai
久美 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚炎のかゆみ低減に有効なワセリンをベタツ
キ感、てかりを全くなくし、且つ伸びがあり、広範囲の
皮膚に良好に塗布することができ、しかも皮膚に対する
刺激感が低く、安定性も良好な皮膚外用剤組成物を提供
する。 【解決手段】皮膚外用剤100重量%中に、(A)成分
として白色ワセリン30〜85重量%、(B)成分とし
て化粧料粉末2〜25重量%、(C)成分としてホスホ
リルコリン類似基含有重合体0.005〜10重量%、
(D)成分として抗炎症剤又は殺菌剤0.01〜3.0
重量%を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚外用剤組成物
に関する。更に詳細には、白色ワセリン、化粧料粉末、
ホスホリルコリン類似基含有重合体、抗炎症剤又は殺菌
剤とを特定量含有する皮膚外用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧料及び皮膚外用剤には、皮膚
の閉塞性を向上させるべく白色ワセリンが基剤として用
いられていた。白色ワセリンはペースト状で伸びが悪
く、白色ワセリン特有の塗布後のベタツキ感或いは、て
かりが顕著であり、従来の油性基剤を用いている白色ワ
セリン外用剤は皮膚の保湿という意味では十分なもので
はなかった。又、乳幼児においても顔面、口周り、手足
等に塗布した場合では、ベタツキ感、てかりが生じ、敏
感な皮膚に対する高い保湿性を有する外用剤が望まれて
いた。又、アトピー性皮膚炎患者においても塗布後のベ
タツキ感或いは、てかりが生じ、皮膚への保湿性の付与
が望まれていた。又、油性成分を含有する乳液、クリー
ム等に界面活性剤が一般的に用いられるが、乳幼児又
は、アトピー性皮膚炎患者をはじめ敏感な皮膚には、皮
膚刺激性を低減するべく、皮膚刺激性及び皮膚感作性の
低い界面活性剤を用いるか、或いは界面活性剤の使用量
を低く抑えるか、全く使用しないようにする必要があっ
た。しかしながら、皮膚刺激性及び皮膚感作性が低いと
報告されている界面活性剤においては乳化力の弱いもの
が多く、安定な乳化系が得られないことが多かった。
又、界面活性剤の使用量を低減した場合も同様に乳化安
定性の低下といった問題が生じていた。
【0003】本発明の(A)成分としての白色ワセリン
については、従来から以下の[1]に挙げるように、皮膚
の保護やアトピー性皮膚炎の閉塞性を向上させる基剤と
して配合した化粧料全般(乳剤、クリーム、パック等)
或いは、皮膚外用剤(軟膏)に用いられている。 [1] 特開平09−227375号公報には、白色ワセ
リンを20〜94重量%を配合した皮膚疾患治療用外用
剤が開示されている。
【0004】本発明の(B)成分の化粧料粉末としての
無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウムについて
は、従来から以下の[2]〜[6]に挙げるように粉末形態
の粉末でありながら使用時に塗擦すると、液化して乳液
様の特性が生じる粉末化粧料等に用いられている。 [2]特開平03−197412号公報には、平均粒径
0.1〜10μmの球状無水ケイ酸を水溶性高分子又は
疎水性高分子を用いて平均凝集粒径20〜200μmに
造粒してなる加圧崩壊性球状粉体、又、平均粒径0.1
〜10μmの球状無水ケイ酸と、これ以外の平均粒径
0.01〜20μmの化粧料用粉体が開示されている。 [3]特開2000−247823号公報、特開2000
−309505号公報には、無水ケイ酸の表面を疎水化
処理した疎水化無水ケイ酸を用いた粉末化粧料が開示さ
れている。 [4]特開2000−309506号公報には、疎水化無
水ケイ酸と無水ケイ酸を用いた粉末化粧料が開示されて
いる。 [5] 特開2000−256162号公報には、無水ケ
イ酸及びケイ酸カルシウムを用いたシート状パックが開
示されている。 [6] 特開2000−327527号公報には、疎水化
無水ケイ酸と球状シリカ(無水ケイ酸)と界面活性剤と
水を用いた固型油中水型乳化化粧料が開示されている。
【0005】本発明の(C)成分としてのMPCの単独
重合体又は、MPCと疎水性モノマーとの共重合体につ
いては、従来から以下の[7]〜[8]に挙げるように2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
(以下、MPCと略す。)を構成単位として有する重合
体が化粧料や皮膚外用剤として優れていることは既に知
られている。 [7]特開平05−70321号公報には、MPCの共重
合体が吸湿性、保湿性に優れ、水分保持能の優れた化粧
料が開示されている。 [8] 特開2000−327570号公報には、尿素、
ホスホリルコリン類似基含有重合体を用いた皮膚外用剤
が開示されている。
【0006】本発明の(D)成分としての抗炎症剤又は
殺菌剤については、従来から以下の [9]に挙げるように抗炎症剤としては、例えばグリチル
リチン酸塩又はその誘導体、アズレン類、アラントイン
類が、又、殺菌剤として塩化ベンザルコニウム、イソプ
ロピルメチルフェノール等が、化粧料や皮膚外用剤に使
用されている。 [9]特開2001−72581号公報には、グリチルリ
チン酸ジカリウムを用いた液状乳化型皮膚用組成物が開
示されている。
【0007】しかしながら、皮膚外用剤組成物として
(A)成分白色ワセリン、(B)成分無水ケイ酸、含水
ケイ酸、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、ナイロン粉
末(C)成分ホスホリルコリン類似基含有重合体、
(D)成分グリチルリチン酸塩又はその誘導体、イソプ
ロピルメチルフェノールの4成分の配合により、ペース
ト状で伸びがよく、塗布後のベタツキ感或いはてかりが
全くなく、皮膚の保湿性を有するという、各成分それぞ
れの効果を上回る相乗効果を有する組成物を得られるこ
とは知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ペー
スト状で伸びがよく、塗布後のベタツキ感或いはてかり
が全くなく、皮膚の保湿性を有し、しかも皮膚に対する
刺激感が低く、安定性も良好な新規の皮膚外用剤組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点に鑑み、無水ケイ酸と含水ケイ酸又はケイ酸カルシ
ウムの粒径の違いと配合量を種々検討した結果、(A)
成分として白色ワセリン、(B)成分として無水ケイ
酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、(C)成分として
ホスホリルコリン類似基含有重合体、(D)成分として
グリチルリチン酸塩又はその誘導体又はイソプロピルメ
チルフェノールの1種以上を特定量配合した皮膚外用剤
が、各成分のそれぞれの効果を上回る相乗効果があるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、次の(1)及び(2)に示すとおりである。
【0010】(1)皮膚外用剤100重量%中に、
(A)成分として白色ワセリン30〜85重量%、
(B)成分として化粧料粉末2〜25重量%、(C)成
分としてホスホリルコリン類似基含有重合体0.005
〜10重量%、(D)成分として抗炎症剤又は殺菌剤
0.01〜3.0重量%を含有することを特徴とする皮
膚外用剤組成物。
【0011】(2)(B)成分の化粧料粉末が平均粒径
1〜30μmであって、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ
酸カルシウム、二酸化チタン、ナイロン粉末からなる群
より選択される1種以上であり、(C)成分のホスホリ
ルコリン類似基含有重合体が、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルホスホリルコリン単量体を含有する単量
体組成物を重合してなる重量平均分子量が5,000〜
5,000, 000の重合体であり、(D)成分の抗炎
症剤又は殺菌剤が、グリチルリチン酸塩又はその誘導
体、サリチル酸又はその誘導体、イソプロピルメチルフ
ェノール及び塩化ベンザルコニウムからなる群より選択
される1種以上である前記(1)に記載の皮膚外用剤組
成物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の皮膚外用剤は、(A)成
分として白色ワセリン30〜85重量%、(B)成分と
して化粧料粉末2〜25重量%、(C)成分としてホス
ホリルコリン類似基含有重合体0.005〜10重量
%、(D)成分として抗炎症剤又は殺菌剤0.01〜
3.0重量%を含有することを特徴とする。本発明に用
いる(A)成分の白色ワセリンとしては、市販品(局
方)の白色ワセリン又は親水ワセリンが挙げられそのま
ま用いることができる。白色ワセリンの配合量は、30
〜85重量%、好ましくは40〜70重量%である。3
0重量%未満では硬くて伸びがない傾向が認められ、8
5重量%を越えるとペースト状で伸びはあるが、塗布後
のベタツキ感或いはてかりが生じる傾向が認められるの
で好ましくない。
【0013】本発明に用いる(B)成分としての化粧料
粉末とは、化粧料及びパックなどの分野で使用されうる
ものを意味し、例えば、無水ケイ酸、含水ケイ酸、疎水
化ケイ酸、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。その他の
化粧料粉末として二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カ
オリン、マイカ、ナイロン粉末、ポリメタクリル酸メチ
ル粉末、雲母、シルク粉末、シリコン粉末等を挙げるこ
とができる。これらの中では無水ケイ酸、含水ケイ酸、
ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ナイロン
粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末から選ばれる1種以
上であることが好ましく、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケ
イ酸カルシウムを含有することが更に好ましい。前記無
水ケイ酸の市販品としては、例えば、ACEMATT
TS−100(デグッサ社製;平均粒径4μm)及びア
エロジル50(日本アエロジル社製;平均一次粒径30
nm)がそれぞれ市販品として挙げられる。又、含水ケ
イ酸の市販品としては、例えば、サイロページ720
(富士シリシア化学社製;平均粒径3.9μm)、サイ
リシア310−P(富士シリシア化学社製;平均粒径
2.7μm)、ファインシールX60(トクヤマ社製;
平均二次粒径6μm)、トクシールGUN(トクヤマ社
製;平均粒径13μm)、トクシールUSA(トクヤマ
社製;平均粒径10μm)が挙げられる。又、ケイ酸カ
ルシウムの市販品としては、例えば、フローライトR
(トクヤマ社製;平均粒径20〜30μm)、フローラ
イトRN(トクヤマ社製;平均粒径20〜30μm)が
挙げられる。さらに前記の無水ケイ酸の表面に疎水化処
理剤で処理した、例えば、オルガノシラン系化合物、シ
リコーン疎水化化合物等で覆うことにより調整した疎水
化無水ケイ酸を使用してもよい。無水ケイ酸とは、粒子
表面の付着水分及び−OH基が少ない、という程度の意
味である。一次粒径とは、ケイ酸のSi−O網目状構造
になっているがこの網目からなる粒の最小の単位のこと
でありその大きさを言う。一次粒径は一般に10〜50
nm程度であるが、二次粒径は1〜数百μmの広い範囲
に分布し、ファインシールX60は二次粒径の超微分含
水ケイ酸である。
【0014】化粧料粉末の配合量は、塗布時の使用感触
等の点から無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム
等を単独或いは混合して配合してもよく、2〜25重量
%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜
18重量%である。2重量%未満では外用剤が柔らかす
ぎて、白色ワセリン特有のてかりが多くなりベトベト感
が生じる。又、25重量%を越えると硬くなりすぎて、
伸びがなくなり使用感が悪く好ましくない。
【0015】本発明に用いる(C)成分のホスホリルコ
リン類似基含有重合体は側鎖に次式[I]
【0016】
【化1】
【0017】[ただし、R1、R2及びR3は同一炭素数1
〜8のアルキル基、R4は−(AO)m−A−基(ここ
で、Aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、m
は0〜10の整数を示す。)、又、R5は水素原子又は
メチル基である。]で表される基を有する重合体である
(以下、PC重合体と略す。)。前記重合体は、例えば
前記の式[I]で表される基を有する単量体を単独重合す
るか、前記単量体と他の単量体と共重合して得られる。
前記の式[I]で表される基を有する単量体(以下、PC
単量体と略す。)としては、分子中に重合性の二重結合
と前記の式[I] で表される基を有していればよい。
【0018】前記PC単量体としては、具体的には例え
ば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2,
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2,− (トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、4,−(メタ)
アクリロイルオキシブチル−2,−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイル
オキシペンチル−2,−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−2,−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2,
(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシブチル−2,−(トリエチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アク
リロイルオキシペンチル−2,−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−2,−(トリプロピルアンモニオ)エチル
ホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル−2,−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェ
ート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2,
(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、5−
(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2,−(トリプ
ロピルアンモニオ)エチルホスフェート、
【0019】2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
,−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2,−(ト
リブチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−2,−(トリプロピル
アンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリ
ロイルオキシペンチル−2,−(トリブチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−3,−(トリメチルアンモニオ)プロピル
ホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
−4,−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3,
(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−4,−(トリエチ
ルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−3,−(トリプロピルアンモニ
オ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル−4,−(トリプロピルアンモニオ)ブチ
ルホスフェート、
【0020】2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
,−(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4,
(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3,−(トリメ
チルアンモニオ)プロピルホスフェート、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピル−4,−(トリエチルアン
モニオ)ブチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル−3,−(トリプロピルアンモニオ)
プロピルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピル−4,−(トリプロピルアンモニオ)ブチル
ホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル−3,−(トリエチルアンモニオ)プロピルホスフェ
ート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4,
−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェート、
【0021】3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
−3,−(トリブチルアンモニオ)プロピルホスフェー
ト、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4,
(トリブチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシブチル−3,−(トリメチ
ルアンモニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)ア
クリロイルオキシブチル−4,−(トリメチルアンモニ
オ)ブチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル−3,−(トリエチルアンモニオ)プロピル
ホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル
−3,−(トリエチルアンモニオ)ブチルホスフェー
ト、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3,
(トリプロピルアンモニオ)プロピルホスフェート、4
−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4,−(トリプ
ロピルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メタ)
アクリロイルオキシブチル−3,−(トリブチルアンモ
ニオ)プロピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシブチル−4,−(トリブチルアンモニオ)ブチ
ルホスフェートが挙げられる。さらには、前記の式[I]
で表される基が1〜2個エステル化されたマレイン酸、
フマル酸、イタコン酸の単量体の誘導体を挙げることが
できる。
【0022】前記の単量体は、これらの1種のみを用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。入手性等の点から、下記の式[II]
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異
なる基であって、炭素数1〜8のアルキル基、nは2〜
4の整数を示す。又、R6は、水素原子又はメチル基を
示す。)で示される単量体が好ましい。なかでも入手性
等の点から、前記の式[II]のR1=R2=R3がメチル
基、R6がメチル基、nが2である2−メタクリロイル
オキシエチル−2,−(トリエチルアンモニオ)エチル
ホスフェート(以下、MPCと略す。)が好ましい。
【0025】PC重合体は、前記の式[I]で表される基
を有する単量体(a成分とする。)を100〜30モル
%と、他の単量体(b成分とする。)を0〜70モル%
を含む単量体混合物をラジカル重合して得られる。その
際に用いるa成分としては、具体的には例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキ
ル(メタ)アクリレート;3−[(メタ)アクリロイル
オキシプロピル]トリメトキシシラン、3−[(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル]トリエトキシシラン、3−
[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]トリプロピルオ
キシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;2
−(ペルフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(ペルフルオロオクチル)エチル(メタ)アク
リレート、1H,2H,5H−オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオ
ロヘプチル(メタ)アクリレート、2,2,2ートリフル
オロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレ
ート等のフッ素系(メタ)アクリレート;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ート;(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリル酸アミド等のアミド系単量体;(メ
タ)アクリル酸を挙げることができる。
【0026】さらに例えば、スチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等の置換もしくは無置換のス
チレン系単量体;エチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル等の
ビニルエステル系単量体;トリメトキシビニルシラン、
トリエトキシビニルシラン等のビニルシラン系単量体;
エチレン、プロピレンイソブチレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン等の置換もしくは無置換の炭化水素系単量
体;ジエチルフマレート、ジエチルマレエート等の二塩
基酸エステル系単量体;N−ビニルピロリドンを挙げる
ことができる。これらの単量体のうち、好ましくは、水
酸基含有(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アク
リレート、スチレン系単量体、ビニルシラン系単量体が
挙げられる。その中でも炭素数1〜8のアルキル基又
は、ヒドロキシアルキル基を有するメタクリル酸エステ
ルが特性上から好ましい。(C)成分のPC重合体の配
合量としては、0.005〜10重量%、より好ましく
は0.01〜5重量%であり、肌荒れ、艶不足を改善
し、水分の保持と蒸散を防止し美肌効果を有する。
【0027】本発明に用いるPC重合体は、使用目的に
応じて重量平均分子量を種々調整することができるが、
感触面、ゲル化能等を勘案した場合、通常はポリエチレ
ングリコール換算で好ましくは、5,000〜5,00
0,000であり、より好ましくは、50,000〜50
0,000である。又、共重合体中におけるホスホリル
コリン類似基含有重合体とその他の単量体に基づく構成
単位のモル比は、30:70〜100:0が好適であ
る。より好ましくは50:50〜97:3である。ホス
ホリルコリン類似基含有重合体とその他の単量体に基づ
く構成単位のモル比は、30:70よりPC単量体が少
なくなると、PC単量体に基づく保水効果や美肌の維持
の点から好ましくない。
【0028】(D)成分の抗炎症剤としては、具体的に
は例えば、ケトプロフェン、イブプロフェンピコノー
ル、ベンザダック、インドメタシン、グリチルリチン
酸、グリチルリチン酸の塩又はその誘導体が挙げられ、
グリチルリチン酸誘導体としては、グリチルリチン酸ナ
トリウム、グリチルリチン酸カリウム、グリチルリチン
酸ステアリル、ステアリン酸グリチルレチニル、3−サ
クシニルオキシグリチルリチン酸二ナトリウム、グリチ
ルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリ
チン酸モノアンモニウム等が挙げられる。さらに、酢酸
トコフェロール、酸化亜鉛、アズレン類、アラントイン
類等が挙げられる。好ましくはグリチルリチン酸ジカリ
ウムである。殺菌剤としては、具体的には例えば、グル
コン酸クロルヘキシジン、次亜塩素酸ナトリウム、イソ
プロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム等が
挙げられ、好ましくはイソプロピルメチルフェノールが
考えられる。抗炎症剤又は殺菌剤の配合量は、0.01
〜3.0重量%、好ましくは0.02〜2.0重量%、
より好ましくは0.05〜1.0重量%である。配合量
が0.01重量%未満では皮膚疾患の治療効果の向上が
認められない。
【0029】本発明の皮膚外用剤組成物は、各成分を以
下の(1)〜(4)の工程で製造される。 (1)(C)成分のMPCと(D)成分のグリチルリチ
ン酸ジカリウムを溶解する。 (2)(D)成分のイソプロピルメチルフェノールとそ
の他成分溶解剤(ジプロピレングリコール)を約40℃
で溶解させる。 (3)上記(1)、(2)を混合しパドルミキサーで攪
拌しながら(B)成分の無水ケイ酸に添加し、混合す
る。 (4)上記(1)、(2)、(3)を混合したものを約
80℃に加温した(A)成分の白色ワセリンにパドルミ
キサーで攪拌しながら添加し約15分間攪拌後、冷却し
固まるまでよくかき混ぜることによって、白色の皮膚外
用剤組成物を製造することができる。
【0030】本発明で用いる皮膚外用剤組成物の剤型と
しては、その他に通常の皮膚外用基剤を用いて適当な剤
型にすることができる。すなわち、剤型としては、液
状、ペースト状、クリーム状あるいは固体状のものが挙
げられる。又、ファンデーション、保湿クリーム、コー
ルドクリーム、ハンドクリーム、マッサージ料等のスキ
ンケア化粧料に配合できる。一般的に用いられる外用基
剤、油脂類、保湿剤、安定剤、安定化剤、防腐剤、色素
や香料、清涼剤、増粘剤、酸化防止剤、美白剤、紫外線
吸収剤等の成分を配合できる。外用基剤としては、例え
ば、白色ワセリン、親水ワセリン、黄色ワセリン、流動
パラフィン、スクワレン、スクワラン、多価アルコール
脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリ
セリド等が挙げられる。保湿剤としては、例えば、グリ
セリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ヒアルロン酸ナトリウム、コレステロールプルラン
等が挙げられる。
【0031】安定剤や安定化剤としては、例えば、ED
TA、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アルギニ
ン、トコフェノール、シリコーン、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。防腐剤とし
ては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン
酸、フェノール、フェノキシエタノール等が挙げられ
る。清涼剤としては、例えば、カンフル、メントール、
植物抽出フレーバー等が挙げられる。増粘剤としては、
例えば、アラビアゴム、グアガム、カラギーナン、カル
ボキシビニルポリマー、セルロース、ポリアクリル酸塩
等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ジブチ
ルヒドロキシトルエン、天然型ビタミンEが挙げられ
る。美白剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその
誘導体又はコウジ酸及びその誘導体が挙げられる。紫外
線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメ
ートが挙げられる。
【0032】皮膚外用剤組成物の使用方法としては、例
えば、通常の使用方法としては、ヒト皮膚に塗布し、健
常人或いは、肌荒れ、湿疹、かゆみ、ただれ等の症状を
有するヒトの患部の全体を覆うように広げて症状により
可能であれば軽く刷り込む。不可能であれば、およそ1
〜3回/日患部の症状に応じて必要量の皮膚外用剤組成
物を塗ったガーゼ等を患部にテープ等でとめるなどして
使用することが好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の皮膚外用剤組成物は、(A)成
分の白色ワセリン、(B)成分の無水ケイ酸、含水ケイ
酸、ケイ酸カルシウム、(C)成分のホスホリルコリン
類似基含有単量体の単独重合体、又はホスホリルコリン
類似基含有単量体とその他の単量体との共重合体、
(D)成分の抗炎症剤又は殺菌剤を特定量含有してお
り、(A)成分が配合されていることによって皮膚を保
護する効果がある。(B)成分が配合されていることに
よって、皮膚に塗布後のベタツキ感或いはてかりが抑え
られる効果がある。さらに、(C)成分のホスホリルコ
リン類似基含有単量体の単独重合体、又はホスホリルコ
リン類似基含有単量体とその他の単量体との共重合体が
配合されていることによって、皮膚の保湿性を有する効
果がある。(D)成分の抗炎症剤又は殺菌剤が配合され
ていることによって、塗布後の皮膚のかゆみを低減し、
ヒリヒリ感を抑えられる効果がある。これら4成分を配
合することによって、各成分単独の効果にも増して、ペ
ースト状で伸びがよく、塗布後のベタツキ感或いはてか
りが全くなく、皮膚の保湿性を有し、しかも皮膚に対す
る刺激感が低く、安定性も良好な新規の皮膚外用剤組成
物を得ることができる。
【0034】
【実施例】実施例に基づいて本発明を更に説明する。な
お、配合量はすべて重量%で示す。表中の配合組成の
(A)〜(D)成分及びその他成分はすべて重量%で示
す。又、精製水残余は合計重量100%から配合成分を
除いた重量%を示す。本発明で用いた使用性試験法及び
長期保存安定性試験の評価法を説明する。 1.使用性試験 延べ49名の健常人で20代〜50代の男女パネルとし
て、実施例1〜42、比較例1〜7の配合処方で製造し
た皮膚外用剤組成物を用いて試験した。なお、肌荒れ、
湿疹、かゆみ、ただれ症状の被験者7名で前記と同様に
試験した。健常人の皮膚に皮膚外用剤組成物を1日2回
塗りで4週間連続塗布した。4週間後に皮膚外用剤組成
物のベタツキ感、てかり、伸び、かゆみの改善状況、使
用時の刺激感(ヒリヒリ感、ザラツキ感)について、表
1に示す評価基準に従って官能評価をさせて点数化す
る。個々の評価の平均値=(4名の合計点数/合計人
数)で示した。さらに総合評価の平均値=個々の評価の
平均値の合計点数/評価項目数で数値化し、表3〜12
に示した。次に示す総合評価基準に従って評価した。
又、前記使用性試験で使用性の優れた実施例について、
肌荒れ、湿疹、かゆみ、ただれ症状の被験者10名で試
験した。患部に1日2回塗りで4週間連続塗布した。2
週間後と4週間後に使用前後の肌荒れ等の症状の改善度
を肉眼で観察して判定した。4週間で改善効果を示した
ものをかなり改善として人数で示した。又、改善評価の
平均値=(やや改善の人数+かなり改善の人数)/合計
人数で数値化し、表16、17に示した。 (総合評価基準) 評価内容 ◎:総合評価の平均値が4.4以上〜5.0、 ○:総合評価の平均値が4.1以上〜4.4未満、 ×:総合評価の平均値が3.6以上〜4.1未満。
【0035】2.長期保存安定性試験 <D成分残存量>実施例1〜5、比較例1〜5について
40℃で1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月保存後(D)成分を溶
媒抽出し、(D)成分の残存量をHPLCにより測定
し、これから残存率を調べた。 <外観の変化>各実施例品、各比較例品について5℃、
室温、日光暴露下、40℃で6ヶ月間保存したサンプル
の40℃における黄変の有無を調べて下記基準により評
価した。評価の基準は、前記条件下に保存した白色ワセ
リンの黄変を対照とした。 (評価基準) 評価内容 0:皮膚外用剤組成物は殆んど変化しなかった。 1:皮膚外用剤組成物はわずかに黄変した。 2:皮膚外用剤組成物ははっきりと黄変した。
【0036】
【表1】
【0037】合成例1;重合体PC−1の合成(MPC
/BMA=50/50重合体) MPC14.85g(50mmol)、N−ブチルメタ
クリレート(BMA)7.1g(50mmol)をガラ
ス製重合管に秤量し、重合開始剤としてアゾビスイソブ
チルニトリル0.82gを加え、エタノール100ml
に溶解した。溶液中にアルゴンガスを5分間吹き込んだ
後、重合管を熔封し60℃で6時間重合反応を行った。
反応終了後、反応混合物をエーテル中に滴下し、沈殿し
た共重合体をろ別し、未反応の単量体を除去した後減圧
乾燥し、MPC−BMA共重合体を得た。以下、重合体
PC−1とする。MPCの組成比は得られた共重合体の
リン定量により求めた。さらにゲルパーミェーションク
ロマトグラフィー(GPC)により標準ポリエチレング
リコールを用いて分子量を求めた。結果を表2に示す。
【0038】合成例2;重合体PC−2の合成(MPC
/BMA=80/20重合体) 合成例1で用いたMPC14.85g(50mmol)
を23.80g(80mmol)23.80g(80m
mol)にBMA7.1g(50mmol)から2.8
2g(20mmol)に変更し、さらに反応時間、重合
開始剤を調整して合成例1と同様に反応を行い、MPC
−BMA共重合体を得た。以下、重合体PC−2とす
る。結果を表2に示す。
【0039】合成例3;重合体PC−3の合成(MPC
/BMA=100/0重合体) 表2で示したように、BMAを用いずに、合成例1で用
いたMPCの量を変更し、さらに反応時間、重合開始剤
を調整して合成例1と同様に反応を行い、MPC単独重
合体を得た。以下、重合体PC−3とする。結果を表2
に示す。
【0040】合成例4〜7;重合体PC−4〜7の合成
(MPC/EA、MPC/EHA、MPC/St、MP
C/EA重合体) 合成例1で用いたBMAの代わりに、エチルアクリレー
ト(EA)、2−エチルヘキシルアクリレート(EH
A)、スチレン(St)を表2に示したように用いて、
それぞれ重合した。以下、重合体PC−4〜7とする。
結果を表2に併せて示す。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1 表3に示す配合組成で、下記の皮膚外用剤の製法に従い
皮膚外用剤組成物を得た。なお、(B)成分の無水ケイ
酸としては、ACEMATT TS−100(デグッサ
社製;平均粒径4μm)を用いた。 (製法1)実施例1の配合成分(C)成分(4)のPC
−2と(D)成分(5)のグリチルリチン酸ジカリウム
と(9)の精製水を混合溶解し、(D)成分(6)のイ
ソプロピルメチルフェノールとその他成分溶解剤(7)
のジプロピレングリコールを約40℃に加温溶解後、そ
の他成分溶解剤(8)のミリスチン酸イソプロピルと併
せてパドルミキサーで攪拌しながら(B)成分(2)の
無水ケイ酸ACEMATT TS−100に添加混合す
る。次いで、約80℃に加熱溶解した(A)成分(1)
の白色ワセリンに添加混合する。約15分間攪拌後、冷
却し固まるまでよくかき混ぜることによって、白色の皮
膚外用剤組成物を調製した。前記の試料を用いて、前記
の試験方法により使用性試験を行った。その結果を表3
に示す。なお、個々の評価項目については表14に示
す。又、前記の試料を用いて、前記の試験方法により長
期保存安定性試験を行った。なお、D成分残存量及び外
観の変化の結果を表13に示す。
【0043】比較例1 実施例1の配合組成の(B)成分の無水ケイ酸は用い
ず、その量を水で調整した以外は実施例1と同様にして
白色の皮膚外用剤組成物を調製した。前記の試料を用い
て、同様に試験した。結果を表3に、個々の評価を表1
5に示す。なお、(D)成分残存量及び外観の変化の結
果を表13に示す。表3、13及び15の結果より、実
施例1の皮膚外用剤組成物は、比較例1に比べてベタツ
キ感、てかりがなく、やや伸びがないが良好な使用性を
示した。又、(D)成分の残存量及び外観の変化につい
て良好な保存安定性を示した。
【0044】実施例2〜5、比較例2〜5 表3、4に示す配合組成の、実施例1の製法に準じて皮
膚外用剤組成物を得た。なお、(B)成分の無水ケイ酸
としては、アエロジル50(日本アエロジル社製;平均
一次粒径30nm)、含水ケイ酸としては、ファインシ
ールX60(トクヤマ社製;平均二次粒径6μm)、フ
ァインシールGUN(トクヤマ社製;平均粒径13μ
m)を用いた。又、含水ケイ酸のサイリシア310−P
(富士シリシア化学社製;平均粒径2.7μm)と、ケ
イ酸Ca(ケイ酸カルシウム)のフローライトRN(ト
クヤマ社製;平均粒径20〜30μm)を併せて用い
た。前記の試料を用いて、同様に試験した。結果を表
3、4に示す。個々の評価を表14、15に示す。又、
(D)成分残存量及び外観の変化の結果を表13に示
す。表3、4、13、14、及び15の結果より、実施
例2〜5の皮膚外用剤組成物は、比較例2〜5に比べて
ベタツキ感、てかりがなく、良好な使用性を示した。
又、(D)成分の残存量及び外観の変化について良好な
保存安定性を示した。
【0045】実施例6〜10 表5に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮膚
外用剤組成物を得た。なお、(A)成分の白色ワセリン
の量を変えて用いた。(B)成分の含水ケイ酸はファイ
ンシールX60(トクヤマ社製;平均二次粒径6μm)
を用いた。(C)成分はPC−2をPC−1に代えて用
いた。前記の試料を用いて、同様に試験した。結果を表
5に示す。個々の評価を表14に示す。表5、14の結
果より、実施例6〜10は白色ワセリンの量及びPC−
2をPC−1に代えても実施例1同様にベタツキ感、て
かりが全くなく、伸びがあり良好な使用性を示した。
【0046】実施例11〜15 表6に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮膚
外用剤組成物を得た。なお、(B)成分の含水ケイ酸は
ファインシールX60(トクヤマ社製;平均二次粒径6
μm)の量を変えて用いた。前記の試料を用いて、同様
に試験した。結果を表6に示す。個々の評価を表14に
示す。表6、14の結果より、実施例11〜15は含水
ケイ酸のファインシールX60の量を変えても実施例1
同様にベタツキ感、てかりが全くなく、伸びがあり良好
な使用性を示した。
【0047】実施例16〜20 表7に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮膚
外用剤組成物を得た。なお、(C)成分のPC−1の量
を変えて用いた。前記の試料を用いて、同様に試験し
た。結果を表7に示す。個々の評価を表14に示す。表
7、14の結果より、実施例16〜20はPC−1の量
を変えても実施例1同様にベタツキ感、てかりが全くな
く、伸びがあり良好な使用性を示した。
【0048】実施例21〜25 表8に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮膚
外用剤組成物を得た。なお、(C)成分のPC−2の量
を変えて用いた。前記の試料を用いて、同様に試験し
た。結果を表8に示す。個々の評価を表15に示す。表
8、15の結果より、実施例21〜25はPC−2の量
を変えても実施例1同様にベタツキ感、てかりが全くな
く、伸びがあり良好な使用性を示した。
【0049】実施例26〜30 表9に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮膚
外用剤組成物を得た。なお、(C)成分のPC−3の量
を変えて用いた。前記の試料を用いて、同様に試験し
た。結果を表9に示す。個々の評価を表15に示す。表
9、15の結果より、実施例26〜30はPC−3の量
を変えても実施例1同様にベタツキ感、てかりが全くな
く、伸びがあり良好な使用性を示した。
【0050】実施例31〜35 表10に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮
膚外用剤組成物を得た。なお、(D)成分のグリチルリ
チン酸ジカリウムの量を変えて用いた。前記の試料を用
いて、同様に試験した。結果を表10に示す。個々の評
価を表15に示す。表10、15の結果より、実施例3
1〜35はグリチルリチン酸ジカリウムの量を変えても
実施例1同様にベタツキ感、てかりが全くなく、伸びが
あり良好な使用性を示した。
【0051】実施例36〜40 表11に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮
膚外用剤組成物を得た。なお、(D)成分のイソプロピ
ルメチルフェノールの量を変えて用いた。前記の試料を
用いて、同様に試験した。結果を表11に示す。個々の
評価を表15に示す。表11、15の結果より、実施例
36〜40はイソプロピルメチルフェノールの量を変え
ても実施例1同様にベタツキ感、てかりが全くなく、伸
びがあり良好な使用性を示した。
【0052】実施例41〜42、比較例6〜7 表12に示す配合組成で、実施例1の製法に準じて、皮
膚外用剤組成物を得た。なお、(B)成分のナイロン粉
末は、オルガソール2002(岩瀬コスファー社製;平
均粒径6μm)を、二酸化チタンはTTO−55A (石
原産業社製;平均粒径6μm)を用いた。前記の試料を
用いて、同様に試験した。結果を表12に示す。個々の
評価を表15に示す。表12、15の結果より、実施例
41〜42は比較例6〜7に比べてベタツキ感、てかり
が全くなく、良好な使用性を示した。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】
【表15】
【0066】
【表16】
【0067】
【表17】
【0068】実施例1〜5、比較例1〜5の長期保存安
定性試験における40℃×6ケ月保存後の(D)成分残
存量及び各保存条件下(5℃、室温、日光暴露下、40
℃)における外観の変化(黄変の有無)の結果を表13
に示す。その結果、40℃×6ケ月経過後も(D)成分
がほとんど残存しており、経時の安定性において問題の
ないものであった。又、外観の変化(黄変の有無)は、
各保存条件下で40℃×6ケ月経過後も皮膚外用剤組成
物の長期保存安定性のおいて問題のないものであった。
【0069】以上の結果、本発明は、(A)成分の白色
ワセリン、(B)成分の無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ
酸カルシウム、二酸化チタン、ナイロン粉末、(C)成
分のホスホリルコリン類似基含有単量体の単独重合体と
ホスホリルコリン類似基含有単量体とその他の単量体と
の共重合体(D)成分の抗炎症剤のグリチルリチン酸ジ
カリウム又は殺菌剤のイソプロピルメチルフェノールを
配合した実施例1〜5、18、23、28及び38は各
成分が配合されていない比較例に比べて使用性が優れて
いることがわかる。又、肌荒れ、湿疹、かゆみ、ただれ
症状の被験者においても、前記同様実施例1〜5、1
8、23、28及び38は使用性に問題ないことがわか
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/48 A61K 7/48 9/06 9/06 31/05 31/05 31/14 31/14 31/60 31/60 31/704 31/704 31/78 31/78 47/02 47/02 47/32 47/32 A61P 17/00 101 A61P 17/00 101 17/04 17/04 17/16 17/16 Fターム(参考) 4C076 AA07 BB31 CC18 DD27 DD29 DD34 EE10 EE12 EE26 FF57 4C083 AB171 AB172 AB241 AC011 AC012 AC022 AC122 AC352 AC471 AC472 AC691 AD071 AD091 AD092 AD531 AD532 BB48 BB51 CC02 DD22 EE03 EE06 EE12 4C086 AA01 AA02 DA17 EA10 MA03 MA05 MA07 MA28 MA63 NA03 NA05 ZA89 ZA90 4C206 AA01 AA02 CA16 FA41 MA03 MA05 MA29 MA48 MA83 NA03 NA05 ZA89 ZA90

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膚外用剤100重量%中に、(A)成分
    として白色ワセリン30〜85重量%、(B)成分とし
    て化粧料粉末2〜25重量%、(C)成分としてホスホ
    リルコリン類似基含有重合体0.005〜10重量%、
    (D)成分として抗炎症剤または殺菌剤0.01〜3.
    0重量%を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成
    物。
  2. 【請求項2】(B)成分の化粧料粉末が平均粒径1〜3
    0μmであって、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カル
    シウム、二酸化チタン、ナイロン粉末からなる群より選
    択される1種以上であり、(C)成分のホスホリルコリ
    ン類似基含有重合体が、2−(メタ)アクリロイルオキ
    シエチルホスホリルコリン単量体を含有する単量体組成
    物を重合してなる重量平均分子量が5,000〜5,00
    0, 000の重合体であり、(D)成分の抗炎症剤又は
    殺菌剤が、グリチルリチン酸塩又はその誘導体、サリチ
    ル酸又はその誘導体、イソプロピルメチルフェノール及
    び塩化ベンザルコニウムからなる群より選択される1種
    以上である請求項1記載の皮膚外用剤組成物。
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