JPH07277922A

JPH07277922A - 低粘度油中水型乳化化粧料

Info

Publication number: JPH07277922A
Application number: JP9311994A
Authority: JP
Inventors: Ei Ri; 瑩李; Yoshiji Ozasa; 祥次小笹
Original assignee: Sunstar Inc
Current assignee: Sunstar Inc
Priority date: 1994-04-05
Filing date: 1994-04-05
Publication date: 1995-10-24

Abstract

(57)【要約】【目的】良好な使用感と優れた顔料分散安定性および
乳化安定性を有する低粘度油中水型乳化化粧料を提供す
る。【構成】顔料１〜３５重量％、ポリエーテル変性シリ
コーン０．１〜２重量％．、環状シリコーン２０〜４０
重量％、親油性非イオン性界面活性剤０．３〜３重量
％、および塩化ナトリウム０．０５〜３重量％を配合す
る優れた顔料分散安定性および乳化安定性を有する、使
用感の良好な粘度１００００センチポアズ以下の低粘度
油中水型乳化化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は低粘度油中水型乳化化粧
料、更に詳しくは、顔料の分散安定性及び乳化安定性に
優れ、かつ良好な使用感を有する粘度１００００センチ
ポアズ以下の低粘度油中水型乳化化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】油中水型乳化化粧料は耐水性、耐汗性に
優れ、従来よりファンデーションあるいは日焼け防止化
粧料として汎用される製剤である。しかしながら、ファ
ンデーションあるいは日焼け防止用化粧料のような顔料
を含有する油中水型乳化系では顔料が分散し難く、経日
で顔料が沈澱するなどの問題があり、特に粘度の低い場
合には、この傾向が顕著であった。そこで油中水型乳化
化粧料に顔料を安定に分散させるために種々の検討がな
され、例えばポリエーテル変性シリコーン、シリコーン
油、エチルアルコールおよび表面撥水処理された化粧料
粉体を含有する油中水型化粧料（特開昭６３−２５０３
１１号公報）、粉末、シリコーン油、親油性界面活性
剤、低級アルコール、水溶性オキシ酸および水溶性オキ
シ酸塩などを含有する油中水型乳化化粧料（特開平２−
１６７２１２号公報）、シリコーン油、ジメチルポリシ
ロキサンポリオキシアルキレン共重合体を含有する油中
水型乳化化粧料（特開平２−２５８７１２号公報）、環
状シリコーン、モノイソステアリン酸ソルビタンあるい
はモノイソステアリン酸ジグリセリン、ポリエーテル変
性シリコーンおよびルチル型酸化チタンを含有する粉末
含有油中水型乳化化粧料（特開平５−１４８１２１号公
報）などが開示されている。しかし、これらの技術を
もってしても、顔料の分散安定化に極めて困難性を伴な
う低粘度の油中水型乳化組成物における顔料の分散安定
化の問題は充分に解決できておらず、その改善が望まれ
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような事情を鑑
み、本発明の目的は良好な使用感を有し、顔料の分散安
定性および乳化安定性に優れた、顔料を含有する低粘度
油中水型乳化化粧料を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は（ａ）顔料、
（ｂ）親油型非イオン性界面活性剤、（ｃ）ポリエーテ
ル変性シリコーン、（ｄ）環状シリコーン、（ｅ）塩化
ナトリウムを配合すると顔料の分散安定性および乳化安
定性に優れ、良好な使用感を有する粘度１００００セン
チポアズ以下の低粘度油中水型乳化化粧料が得られ、さ
らに疎水化処理顔料を用いると、顔料の分散安定性が、
さらに向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は（ａ）顔料：１〜３５重量％、
（ｂ）親油型非イオン性界面活性剤：０．３〜３重量
％、（ｃ）ポリエーテル変性シリコーン：０．１〜２重
量％、（ｄ）環状シリコーン：２０〜４０重量％、
（ｅ）塩化ナトリウム：０．０５〜３重量％を配合する
ことを特徴とする粘度１００００センチポアズ以下の低
粘度油中水型乳化化粧料を提供するものである。

【０００５】本発明に用いる顔料は化粧品に用いられる
ものであれば特に限定されるものでなく、例えば、タル
ク、セリサイト、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸な
どの体質顔料；酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、群青、酸化クロム等の着色顔料；雲母チタ
ン、酸化チタン被覆カオリン等の複合顔料などが挙げら
れる。顔料は組成物全量に対して１〜３５重量％配合で
き、特に５〜３０重量％が分散安定性及び使用感の点か
ら好ましい。さらに、本発明では顔料表面に疎水化処理
を施した顔料を用いることにより顔料の分散性が著しく
改善できる。顔料の疎水化処理方法としては、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサ
ン、金属石鹸、あるいは高級脂肪酸などを用いた公知の
方法で行なうことができ、特に限定されるものではな
い。

【０００６】本発明に用いる親油型非イオン性界面活性
剤は、例えばモノイソステアリン酸グリセリル、モノイ
ソステアリン酸ジグリセリル、ペンタイソステアリン酸
デカグリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル誘導
体、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン
酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル誘導体、
モノオレイン酸ポリエチレングリコール（２ＥＯ）エス
テルなどのポリエチレングリコ−ル脂肪酸エステル誘導
体及びポリオキシエチレン（３ＥＯ）硬化ヒマシ油など
の硬化ヒマシ油ＥＯ付加物等である。

【０００７】このうちグリセリン脂肪酸エステル誘導体
が好ましく、中でもモノイソステアリン酸ジグリセリ
ル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリルが優れた顔
料の分散安定性を示し、特に好ましい。これら親油型非
イオン性界面活性剤は１種または２種以上を用いること
ができ、その配合量は０．５〜３重量％で、特に１．０
〜２．５重量％が好ましい。

【０００８】本発明に用いるポリエーテル変性シリコー
ンは式（１）：

【０００９】

【化１】

【００１０】［式中、ｍ：３００〜５００、ｎ：１〜
７、ａおよびｂ：２０〜３０の整数］で示され、その配
合量は０．５〜３重量％であり、配合量が０．５重量％
に満たないと顔料の分散安定性に劣り、また３重量％を
越えて配合するとべたつき感、油性感が強くなり使用感
が損なわれる。

【００１１】本発明に用いる環状シリコーン油は式
（２）：

【００１２】

【化２】

【００１３】［式中、ｎ＝４〜６］で示され、その配合
量は２０〜４０重量％であり、これより多くても、少な
くても使用感が損なわれる。

【００１４】本発明に用いる塩化ナトリウムの配合量は
０．０５〜３重量％であり、特に０．３〜２．５重量％
が好ましい。配合量が０．０５重量％に満たないと、顔
料が凝集し沈澱しやすく、また３重量％を越えて配合し
ても、それ以上の効果が期待できない。

【００１５】本発明の油中水型乳液化粧料の粘度は１０
０００センチポアズ以下であればよく、好ましくは２０
００〜７０００センチポアズである。１００００センチ
ポアズを越えると使用感が損なわれる。なお、本発明の
低粘度油中水型乳化化粧料の粘度は２５℃にて、Ｂ型粘
度計（型式ＢＬ、東京計器社製）、スピンドルＮｏ．３
を用いて測定した。

【００１６】本発明では、発明の効果を妨げない範囲
で、公知の湿潤剤、防腐剤、色素、保湿剤、キレート
剤、紫外線吸収剤、薬効剤、収斂剤、着香剤等を適宜配
合することができる。

【００１７】

【実施例】以下に、実施例をあげ、本発明を詳細に説明
するが、これら実施例に限定されるものではない。ま
た、実施例中の［％］は［重量％］を示す。表１〜２の
実施例１〜１６及び比較例１〜５を次の製造方法、すな
わち室温下、顔料を油相に入れ分散し、これを水相に添
加し、均質に攪拌乳化する方法により低粘度の油中水型
乳化化粧料を製造し、評価した。評価方法を示す。

【００１８】（評価方法）１．顔料分散安定性調製した実施例（および比較例）を４０℃、１ケ月放置
した後、次の判定基準より評価した。＜判定基準＞ ◎：沈澱が認められない。 ○：僅かに沈澱が認められる。 △：沈澱が認められる。 ×：著しい沈澱が認められる。

【００１９】２．乳化安定性調製した実施例（および比較例）を４５℃、３ケ月放置
した後、次の判定基準より評価した。＜判定基準＞ ◎：分離が認められない。 ○：僅かに分離が認められる。 △：分離が認められる。 ×：著しい分離が認められる。

【００２０】３．使用感パネル５名に実使用させ、ノビ、油性感、べたつき感の
観点から評価した。＜判定基準＞ ◎：５名が良好と回答。 ○：４名が良好と回答。 △：２〜３名が良好と回答。 ×：０〜１名が良好と回答。

【００２１】４．総合評価＜判定基準＞ ◎：上記２項目以上が◎。 ○：上記３項目が全て○以上（２項目以上が◎を除
く）。 ×：１項目以上が△、あるいは×。

【００２２】

【表１】

【００２３】表１に示すように、実施例は比較例に比べ
て、顔料の分散安定性に優れ、親油型非イオン性界面活
性剤、塩化ナトリウムさらに顔料の疎水化処理が顔料の
分散安定化を向上せしめていることが認められ、特に疎
水化処理顔料を用いるとその効果が顕著であると認めら
れた。

【００２４】

【表２】

【００２５】表２から、実施例は比較例に比べて顔料分
散安定性は同等であるが、乳化安定性および使用感が優
れていると認められた。これにより、本発明品は、顔料
の分散性安定性および乳化安定性に優れ、良好な使用感
を有する低粘度の油中水型乳化化粧料であると認められ
た。

【００２６】実施例１７（日焼け防止用乳液）成分配合量（％）ポリエーテル変性シリコーン０．５環状シリコーン（ｎ＝５）２５．０モノイソステアリン酸ジグリセリル１．５ペンタイソステアリン酸デカグリセリル１．５オリーブ油１．０グリセリン５．０パラオキシ安息香酸メチル０．１塩化ナトリウム１．５微粒子酸化チタン７．０精製水残部合計１００．０

【００２７】実施例１８（メークアップベース）成分配合量（％）ポリエーテル変性シリコーン１．０環状シリコーン（ｎ＝５）１５．０環状シリコーン（ｎ＝４）５．０モノイソステアリン酸ジグリセリル１．０オクタン酸セチル３．０グリセリン５．０パラオキシ安息香酸メチル０．１塩化ナトリウム０．５酸化チタン１０．０青色４０４号０．５精製水残部合計１００．０

【００２８】実施例１９（ファンデーション）成分配合量（％）ポリエーテル変性シリコーン２．０環状シリコーン（ｎ＝５）２５．０モノイソステアリン酸ジグリセリル２．０オリーブ油３．０グリセリン５．０パラオキシ安息香酸メチル０．１塩化ナトリウム２．０酸化チタン１０．０酸化鉄２．５タルク７．０精製水残部合計１００．０実施例１７〜１９はいずれも顔料の分散安定性および乳
化安定性に優れ、且つ良好な使用感を有する粘度１００
００センチポアズ以下の低粘度油中水型乳化化粧料であ
ると認められた。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、従来からの課題であっ
た顔料の分散安定性および乳化安定性を改善し、使用感
の良好な粘度１００００センチポアズ以下の低粘度油中
水型乳化化粧料が提供できる。また、この低粘度の油中
水型乳化化粧料は日焼け防止用化粧料、メークアップベ
ース、あるいはファンデーションなどのメークアップ化
粧料に利用できる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記の成分を配合し、１００００センチ
ポアズ以下の粘度を有することを特徴とする低粘度油中
水型乳化化粧料。（ａ）顔料：１〜３５重量％（ｂ）親油型非イオン性界面活性剤：０．３〜３重量％（ｃ）ポリエーテル変性シリコーン：０．１〜２重量％（ｄ）環状シリコーン：２０〜４０重量％（ｅ）塩化ナトリウム：０．０５〜３重量％
【請求項２】顔料が疎水化処理顔料である請求項１に
記載の低粘度油中水型乳化化粧料。