JP4382398B2 - 化粧料用樹脂 - Google Patents
化粧料用樹脂 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4382398B2 JP4382398B2 JP2003166829A JP2003166829A JP4382398B2 JP 4382398 B2 JP4382398 B2 JP 4382398B2 JP 2003166829 A JP2003166829 A JP 2003166829A JP 2003166829 A JP2003166829 A JP 2003166829A JP 4382398 B2 JP4382398 B2 JP 4382398B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- cosmetic
- resin
- weight
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q5/00—Preparations for care of the hair
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/72—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
- A61K8/81—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
- A61K8/8141—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- A61K8/8147—Homopolymers or copolymers of acids; Metal or ammonium salts thereof, e.g. crotonic acid, (meth)acrylic acid; Compositions of derivatives of such polymers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/72—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
- A61K8/81—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
- A61K8/8141—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- A61K8/8152—Homopolymers or copolymers of esters, e.g. (meth)acrylic acid esters; Compositions of derivatives of such polymers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q1/00—Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q1/00—Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
- A61Q1/02—Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q1/00—Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
- A61Q1/02—Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
- A61Q1/10—Preparations containing skin colorants, e.g. pigments for eyes, e.g. eyeliner, mascara
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q5/00—Preparations for care of the hair
- A61Q5/02—Preparations for cleaning the hair
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q5/00—Preparations for care of the hair
- A61Q5/06—Preparations for styling the hair, e.g. by temporary shaping or colouring
- A61Q5/065—Preparations for temporary colouring the hair, e.g. direct dyes
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Birds (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料用樹脂、その樹脂を主成分として含む化粧料用樹脂組成物及びこの樹脂組成物が配合された化粧料に関する。特に、本発明は、透明性に優れ、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスに優れた化粧料及びそれを得るための化粧料用樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、毛髪化粧料、メークアップ化粧料、美爪料及びスキンケア化粧料等の化粧料には、環境や衛生面を考慮し、皮膜形成剤として主に水溶性高分子化合物が利用されてきた。しかし、水溶性高分子は、耐湿性と耐水性に劣り、取り扱う際に水に溶解させる作業が必要なので手間がかかるという問題が有る。このため近年では、水性皮膜形成剤として、水溶性高分子の代わりにポリマーエマルジョンが幅広く使用されている。更に、ポリマーエマルジョンには、水溶性高分子よりも、耐湿性及び耐水性に優れるという長所がある。
【0003】
その一方、ポリマーエマルジョンはポリマーが微粒子となって水中に分散している懸濁液なので、その外観は白濁している。この白濁した懸濁液を皮膚や爪に塗ると、液が乾燥して、形成された皮膜は透明になる。従って、化粧料にポリマーエマルジョンを皮膜形成剤として使用すると、化粧料の外観(皮膜形成前)の色調と、化粧料を使用した後(乾燥して形成された皮膜)の色調との差が大きくなり得る。これらの色調の差をなくすには、化粧料外観(皮膜形成前)の色調を透明にする必要がある。
尚、本明細書において「透明性」とは、化粧料の外観(皮膜形成前)の色調の透明度のことをいい、後述するように皮膜形成前の状態で測定される425nmの波長の光の透過率で示される。
【0004】
化粧料の外観色と乾燥した皮膜の色との差を少なくするために、粒子径0.1μm以下のポリマーエマルジョンが配合された水系美爪料が開示されている(特許文献1参照)。しかし、0.1μm程度の粒子径では、透明性は不十分である。良好な透明性を得るためには、粒子径を0.03μm程度にまで小さくする必要があるが、その程度まで粒子径を小さくするためには、ポリマー骨格を更に親水化することが必要である。即ち、疎水性が高いと、水に溶け難いので、粒子になり易く、それを防ぐ意味でも親水化が必要と考えられる。ポリマー骨格を親水化すると、化粧料の耐水性が不十分なものとなり得るという問題が有る。更に、粒子径が0.1μm以下のポリマーエマルジョンは粘度が著しく高くなり得、工業的な生産が困難になり得るという問題が有る。
【0005】
一方、特許文献2には、耐水性、接着性、書き味等に優れたアイライナーが開示されており、特許文献3には、美爪料が開示されているが、両者共、透明性に関しては何らの記載もない。特許文献2に係るアイライナーの透明性は不十分であり、特許文献2に係る樹脂と乾燥塗膜との色調は、かなり離れていると考えられる。尚、特許文献3に係る美爪料については、その皮膜形成剤となるポリマーの性質が不明であり、例えば、そのポリマーが水溶性ポリマーなのかエマルジョンを形成するものなのか、更に、有機溶剤中で得られた非水系のポリマーなのか不明である。
【0006】
このように、現在のところ、透明性に優れるにもかかわらず、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスも優れる、化粧料の皮膜形成剤として総合的に優れた化粧料用樹脂は未だ開発されていない。尚、本明細書中の「化粧料用樹脂」とは、化粧料の皮膜形成剤として使用されるポリマーエマルジョンのことをいう。
【0007】
【特許文献1】
特開昭54−52736号公報
【特許文献2】
特開昭55−130907号公報
【特許文献3】
特開平6−279239号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、その課題は、透明性に優れるにもかかわらず、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスも優れる、化粧料の皮膜形成剤として総合的に優れた化粧料用樹脂を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、化粧料用樹脂を合成する際、単量体混合物中の酸の割合を比較的多くすることで透明性を向上させ、かつ、単量体として、鎖長の長いアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと鎖長の短いアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを共に用いることで耐水性及び密着性等の特性のバランスに優れる皮膜形成剤が得られ、この皮膜形成剤が化粧料用樹脂として総合的に優れることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0010】
本発明の一つの要旨によれば、新たな化粧料用樹脂が提供され、それは、
(A)成分:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及びクロトン酸から選択される少なくとも一種、
(B)成分:炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種、並びに
(C)成分:炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー
を含んで成る単量体混合物を乳化重合することによって得られる樹脂であって、
(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、単量体混合物は、(A)成分を10〜20重量部、(B)成分を40〜80重量部、(C)成分を10〜40重量部含む化粧料用樹脂である。
【0011】
これら(A)〜(C)の3成分を、上記の割合で含む単量体混合物を乳化重合することによって、透明性に優れるとともに、耐水性、密着性及び化粧持ち等のバランスに優れた化粧料用樹脂が得られる。この化粧料用樹脂は、溶液重合ではなく乳化重合によって合成されるので、環境衛生面及び工業的な生産性の観点からも化粧料用樹脂として好ましく、皮膜形成剤として好適に使用することができる。
【0012】
本発明の一つの態様において、(A)成分はメタクリル酸である化粧料用樹脂を提供する。
更に、本発明の他の態様において、上記乳化重合の際に、(D)反応性乳化剤が使用され、(D)反応性乳化剤は、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤である化粧料用樹脂を提供する。
また、本発明の好ましい態様として、波長が425nmの光の透過率が50%以上である化粧料用樹脂を提供する。
更に、本発明の他の好ましい態様として、乳化重合の際に、(E)連鎖移動剤が更に使用された化粧料用樹脂を提供する。
【0013】
本発明の他の要旨において、上述の化粧料用樹脂が主成分として含有された化粧料用樹脂組成物を提供する。
更に、本発明の好ましい要旨において、上述の化粧料用樹脂組成物が成分の一つとして配合された化粧料を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において(A)成分とは、酸として機能する成分であって、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及びクロトン酸から選択される少なくとも一種をいう。アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及びクロトン酸は、単独で又は組み合わせて用いることができる。(A)成分として、特にメタクリル酸を用いることが好ましい。
【0015】
本発明において(B)成分とは、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種をいい、「炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー」とは、炭素数1〜4のアルキル基を有するアクリル酸エステルモノマー及び炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーをいう。これらは単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0016】
「炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー」として、具体的には、例えば、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル及びメタクリル酸ブチルエステル等を例示することができる。
【0017】
本発明の(C)成分とは、炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーから選択される少なくとも一種をいい、「炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー」とは、炭素数5以上のアルキル基を有するアクリル酸エステルモノマー及び炭素数5以上のアルキル基を有するメタクリル酸エステルモノマーをいう。これらは単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0018】
「炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー」として、具体的には例えば、アクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ラウリルエステル及びメタクリル酸ラウリルエステル等を例示することができる。
【0019】
本発明に係る化粧料用樹脂は、上述の(A)〜(C)成分を含んで成る単量体混合物を乳化重合することで得られるが、(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、単量体混合物は、(A)成分を10〜20重量部、(B)成分を40〜80重量部及び(C)成分を10〜40重量部含む。単量体混合物は、(A)成分を10〜17重量部、(B)成分を50〜80重量部及び(C)成分を10〜35重量部含むことが好ましく、(A)成分を10〜15重量部、(B)成分を60〜80重量部及び(C)成分を10〜30重量部含むことが好ましい。
【0020】
単量体混合物が含む(A)〜(C)成分の量が、(A)成分については10〜20重量部、(B)成分については40〜80重量部及び(C)成分については10〜40重量部を外れると、透明性に優れ、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスに優れた化粧料及びそれを得るための化粧料用樹脂を得ることができないという問題が生じ得る。
【0021】
(A)成分が、10重量部未満の場合、透明性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなり、(A)成分が、20重量部を超えた場合、耐水性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなる。
(B)成分が40重量部未満の場合、耐水性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなり、(B)成分が80重量部を超えた場合、透明性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなる。
(C)成分が10重量部未満の場合、耐水性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなり、(C)成分が40重量部を超えた場合、透明性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスが悪くなる。
【0022】
更に、上述の単量体混合物は、成分(A)〜(C)と共重合可能な、エチレン性二重結合を有する他の単量体(M)を含んでよい。このような「他の単量体(M)」として、例えば、スチレン、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレート等を例示することができる。
(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、単量体混合物は、他の単量体(M)を、0〜20重量部含むことが好ましく、0〜15重量部含むことがより好ましく、0〜10重量部含むことが特に好ましい。
【0023】
本発明に係る化粧料用樹脂は、(A)〜(C)成分を含んで成る上述の単量体混合物(場合により、(M)成分を更に含む単量体混合物)を乳化重合させることによって得ることができる。乳化重合は、本発明が目的とする化粧料用樹脂を得ることができる限り、常套の乳化重合方法を使用することができる。
【0024】
単量体混合物の乳化重合を行う際、重合反応の媒体として、水性媒体を使用する。「水性媒体」とは、水、若しくは「水に可溶性の溶媒と水との混合溶媒」であってよく、得られる化粧料用樹脂に悪影響を与えないものであれば特に制限されるこのではない。ここでいう「水」として、例えば水道水、蒸留水及びイオン交換水等を例示することができる。
【0025】
「水に可溶性の溶媒」として、例えば以下の溶媒を例示できる:
メタノール、エタノール及びイソパノール等の低級アルコール;
アセトン、メチルエチルケトン及びメチルブチルケトン等のケトン;
ジアセトンアルコール等のケトンアルコール;
テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;
酢酸エチル等のエステル;並びに
ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド類。
ここに例示された「水」、「水に可溶性の溶媒」は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0026】
更に、乳化重合する際に、乳化剤を使用することが好ましい。
「乳化剤」とは、通常乳化剤として使用することができるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を例示することができる。
【0027】
「アニオン性界面活性剤」とは、水溶液中でイオンと成ることができ、親水性を示す部分がアニオンとなるような界面活性剤をいう。また、「非イオン性界面活性剤」とは、水溶液中でイオンに解離することなく、界面活性を示す界面活性剤をいう。更に、「カチオン性界面活性剤」とは、水溶液中でイオンと成ることができ、親水性を示す部分がカチオンとなるような界面活性剤をいう。
【0028】
「アニオン性界面活性剤」として、例えば、高級脂肪酸塩、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩及びアルキルスルホン酸エステル等を例示することができる。
「非イオン性界面活性剤」として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキルアリールエーテル及びオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を例示することができる。
乳化剤は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも一種であることが好ましい。乳化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0029】
乳化剤は、(D)反応性乳化剤であることがより好ましい。ここで「(D)反応性乳化剤」とは、重合性のエチレン性不飽和結合を有し、かつ、エマルジョンを形成させる乳化剤としても機能し得る化合物をいう。「(D)反応性乳化剤」を使用することによって、通常の乳化剤を使用するよりも、透明性、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスにより優れたポリマーエマルジョンが得られる。
【0030】
「(D)反応性乳化剤」についても、それが有する親水基によって、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤に分類することができる。「(D)反応性乳化剤」も、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が好ましい。
(D)反応性乳化剤として、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基もしくは硫酸エステル基(これらの官能基には、例えばカルボン酸塩基及びスルホン酸塩基等のこれらの塩の形態の官能基も含まれる)を有し、更にエチレン性二重結合を有する単量体等のアニオン性界面活性剤、並びにエチレンオキシ基を有し、更にエチレン性二重結合を有する単量体等の非イオン性界面活性剤を例示することができる。
【0031】
(D)反応性乳化剤は、アニオン性界面活性剤であることが好ましく、更に、スルホン酸基又はスルホネート基を有するアニオン性界面活性剤であることがより好ましく、特に、スルホン酸基及びスルホネート基は塩の形態であることが好ましい。更に、スルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとしてアンモニウムイオンアルカリ金属イオンが好ましい。対カチオンは、特にアンモニウムイオン、カリウムイオン及びナトリウムイオンが好ましい。
【0032】
このような「(D)反応性乳化剤」として、例えば、アニオン性界面活性剤である三洋化成工業(株)製のエレミノールJS−2(商品名)及び非イオン性界面活性剤である日本油脂(株)製のPE350(商品名)を例示することができる。これらの反応性乳化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0033】
乳化剤は、(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、(単量体混合物が(M)成分を含む場合は、(A)〜(C)及び(M)成分の総和を基準(100重量)として)、0.05〜10重量部使用することが好ましく、0.1〜7重量部使用することがより好ましく、0.1〜5重量部使用することが特に好ましい。
【0034】
(D)反応性乳化剤は、(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、(単量体混合物が(M)成分を含む場合は、(A)〜(C)及び(M)成分の総和を基準(100重量)として)、0.05〜10重量部使用することが好ましく、0.1〜5重量部使用することがより好ましく、0.1〜2重量部使用することが特に好ましい。
【0035】
尚、乳化重合をする際の乳化剤として「カチオン性界面活性剤」を用いると、(A)成分の重合性の低下をもたらし得るので、ポリマーエマルジョンの透明性と耐水性のバランスの良好なものを得ることが困難と成り得る。これは、上述の単量体混合物は、酸である(A)成分を比較的多く含み得るので、カチオン性界面活性剤を使用すると、この(A)成分とカチオン性界面活性剤とが錯体を形成し得るからと考えられる。
【0036】
また、上述の単量体混合物の乳化重合には、(E)連鎖移動剤が使用されることが好ましい。(E)連鎖移動剤とは、少量の添加によって目的とする化粧料用樹脂の分子量を調節することが可能な化合物をいう。
(E)連鎖移動剤として、具体的には例えば、2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン及びn−ドデシルメルカプタン等のチオール化合物、テトラメチルチラウムジスルフィド等のジスルフィド、クロロホルム等のハロゲン化合物を例示できる。
特にn−ドデシルメルカプタンが好ましい。(E)連鎖移動剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0037】
(E)連鎖移動剤は、(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、(単量体混合物が(M)成分を含む場合は、(A)〜(C)及び(M)成分の総和を基準(100重量)として)、0.1〜5重量部使用することが好ましく、0.1〜4重量部使用することがより好ましく、0.1〜2重量部使用することが特に好ましい。
【0038】
乳化重合は、重合開始剤を使用して開始させることが好ましい。そのような「重合開始剤」として、少量の添加によって(A)〜(C)成分を含む単量体混合物の重合反応を起こさせることができる化合物であって、水性媒体中で使用することができるものが好ましい。
【0039】
そのような重合開始剤として、下記の化合物を例示することができる:
過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩;
t−ブチルヒドロペルオキシド及びt−ブチルペルオキシベンゾエート等の有機過酸化物;
2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(2−ジアミジノプロパン)ジヒドクロリド及び2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;並びに
過酸化水素等の無機過酸化物。
重合開始剤として、特に過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩が好ましい。
重合開始剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0040】
尚、乳化重合で得られた化粧料用樹脂のpHが中性からはずれている場合、中和剤を用いて、中和することが好ましい。中和剤として、例えばアンモニア水、トリエタノールアミン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアミン水溶液、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等の金属水酸化物の水溶液等の一般的な中和剤を使用することができる。
【0041】
本発明に係る化粧料用樹脂の製造の一例を下記に示す。
上記(A)〜(C)成分を上述した割合で含む単量体混合物を水性媒体に投入し、(A)〜(C)成分が水性媒体中に溶解及び/又は分散している混合物を加熱して、所定の温度にする。その後、重合開始剤及び乳化剤をこの混合物に添加して、(A)〜(C)成分の乳化重合を行う。尚、重合開始剤及び乳化剤は、単量体混合物を水性媒体に投入すると同時に、水性媒体に加えてもよい。更に、この混合物に(E)連鎖移動剤を加えてもよい。所定の温度で加熱した後、重合して得られたポリマー粒子が水性媒体中に分散した乳濁液の形態で本発明に係る化粧料用樹脂を得ることができる。必要に応じて、この乳濁液に中和剤を添加して本発明の化粧料用樹脂としてもよい。
尚、乳化剤は、上述したように(D)反応性乳化剤が特に好ましい。
【0042】
このようにして得られる本発明に係る化粧料用樹脂の重量平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましい。 重量平均分子量は、5,000〜80,000であることがより好ましく、10,000〜60,000であることが特に好ましい。化粧料用樹脂の重量平均分子量が1,000未満の場合、耐水性、密着性及び化粧持ちの特性のバランスが不十分となり得る。また、化粧料用樹脂の重量平均分子量が100,000を超える場合、透明性及びツッパリ感の特性のバランスが不十分と成り得、更に粘度が高く成り得るので、化粧料用樹脂と他の添加剤との混合が困難と成り得る。
【0043】
尚、本明細書において重量平均分子量とは、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)を用いて測定されたポリエチレングリコール換算重量平均分子量をいう。詳細は、実施例に記載した。
【0044】
また、本発明に係る化粧料用樹脂の透明性とは、化粧料外観(塗膜形成前)の色調の透明度のことをいうが、より具体的には、「透明度」とは、塗膜形成前の状態に対する光(波長:425nm)の透過率で評価することができる。光の「透過率」は、分光光度計を用いて測定することができる。
すなわち、本発明に係る化粧料樹脂の「透過率」は、樹脂を含む前の水性媒体の透過率を100%として、樹脂分0.6重量%の水溶液で50%以上である。更に、透過率は、55%以上であることが好ましく、60%以上であることが特に好ましい。透過率が50%未満の場合、化粧料用樹脂を用いて得られる化粧料の外観と形成される乾燥塗膜との色調の差が大きすぎることと成り得る。
尚、本明細書において、「樹脂分」とは、樹脂固形分をいう。
【0045】
本発明に係る化粧料用樹脂は、通常、乳化重合されて得られた樹脂と水性媒体とを含むエマルジョンの形態を有する。乳化重合されて得られた樹脂と水性媒体を分離して、乳化重合されて得られた樹脂のみを用いてもよく、後ほど乳化重合されて得られた樹脂に水性媒体を加えて、エマルジョンの形態としてもよい。本発明において、重量部及び重量%という場合、特に記載の無い限り、水性媒体を除く部分を基準とする。
【0046】
このようにして得られた化粧料用樹脂に、各種添加剤が配合されることで化粧料用樹脂組成物が得られる。上述したように、本発明における「化粧料用樹脂組成物」とは、主成分としての化粧料用樹脂と各種添加剤とが配合されたものをいう。配合する方法は、一般的な方法を用いることができ、通常配合するために使用される公知の方法を採用すればよい。
【0047】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤として、例えば、水、エタノール等の低級アルコール、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤、脂肪酸石鹸、油脂、ロウ、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、多価アルコール、シリコン類(又はシリコーン類)、高分子化合物、増粘剤、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤及び美肌用成分(例えば、美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ防止剤及び血行促進剤等)等を例示することができる。
これらの添加剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0048】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「アニオン性界面活性剤」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。尚、(A)〜(C)成分を含む単量体混合物の乳化重合に使用する(D)反応性乳化剤は含まれない。
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「アニオン性界面活性剤」として、例えば、下記の化合物を例示できる:
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;
ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニム等のアルキル硫酸塩;
ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム;
ジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキルスルホコハク酸塩及びスルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;
ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、N−アシル−L−アスパラギン酸塩、ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸塩、アルキルβ−アラニンナトリウム、アシルメチルタウリン、アルキルエタンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩等。
アニオン性界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0049】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「非イオン性界面活性剤」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。尚、(A)〜(C)成分を含む単量体混合物の乳化重合に使用する(D)反応性乳化剤は含まれない。
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「非イオン性界面活性剤」として、例えば、下記の化合物を例示できる:
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエタノールアミド及びオレイン酸ジエタノールアミド等のジエタノールアミド;
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド及びオレイン酸モノエタノールアミド等のモノエタノールアミド;
ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ミリスチン酸イソプロパノールアミド、パルミチン酸イソプロパノールアミド、ステアリン酸イソプロパノールアミド、イソステアリン酸イソプロパノールアミド及びオレイン酸イソプロパノールアミド等のイソプロパノールアミド;
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンイソステアリン酸モノエタノールアミド及ポリオキシエチレンオレイン酸モノエタノールアミド等のポリオキシエチレンモノエタノールアミド;
デシルグルコシド及びラウリルグルコシド等のアルキルグルコシド;
ラウリルジメチルアミンオキシド及びステアリルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド;
マルチトールヒドロキシ脂肪酸アルキルエーテル、アルキル化多糖、ショ糖脂肪酸エステル及び脂肪酸イソプロパノールアミド等。
非イオン性界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0050】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「カチオン性界面活性剤」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。尚、(A)〜(C)成分を含む単量体混合物の乳化重合に使用する(D)反応性乳化剤は含まれない。
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「カチオン性界面活性剤」として、例えば、下記の化合物を例示できる:
塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム及び塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウム;
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及び塩化ジアルキル(C12〜18)ジメチルアンモニウム等の塩化アルキルジメチルアンモニウム;
ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム及び塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等。
カチオン性界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0051】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「両性界面活性剤」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。尚、(A)〜(C)成分を含む単量体混合物に乳化重合に使用する(D)反応性乳化剤は含まれない。
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「両性界面活性剤」として、例えば、下記の化合物を例示できる:
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、トリアルキルアミノ酢酸ベタイン及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン;
ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン及びヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアミドプロピルベタイン;
アルキル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン及び2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン。
両性界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0052】
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「アミノ酸系界面活性剤」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。尚、(A)〜(C)成分を含む単量体混合物の乳化重合に使用する(D)反応性乳化剤は含まれない。
「化粧料用樹脂」と配合される添加剤としての「アミノ酸系界面活性剤」として、例えば、下記の化合物を例示できる:
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、ラウロイル−L−グルタミン酸、ミリストイル−L−グルタミン酸及びステアロイル−L−グルタミン酸等のトリエタノールアミン、ナトリウム及びカリウム等の塩であるグルタミン酸塩;
N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン、ラウロイルグリシン、ミリストイルグリシン及びステアロイルグリシン等のトリエタノールアミン、ナトリウム及びカリウム等の塩であるグリシン塩;
N−ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、ラウロイルアラニン、ミリストイルアラニン及びステアロイルアラニン等のトリエタノールアミン、ナトリウム及びカリウム等の塩であるアラニン塩;
N−ヤシ油脂肪酸アシルサルコシン、ラウロイルサルコシン、ミリストイルサルコシン及びステアロイルサルコシン等のトリエタノールアミン、ナトリウム及びカリウム等の塩であるサルコシン塩;
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルDL−ピロリドンカルボン酸塩、N−アシルタウリン酸塩及びN−アシルメチルタウリン等。
アミノ酸系界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0053】
「脂肪酸石鹸」とは、通常「化粧料用樹脂」との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。脂肪酸石鹸として、例えば、C6〜24の高級脂肪酸のアルカリ塩を例示できる。脂肪酸は、飽和でも不飽和であってもよく、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソオレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びアラキドン酸等を例示できる。また、脂肪酸を中和するアルカリは、例えば、苛性カリ、苛性ソーダ、トリエタノールアミン、N−メチルタウリン及びアンモニア等の通常石鹸の製造に用いられるものであれば、特に制限されるものではない。
脂肪酸石鹸は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0054】
「油脂」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。油脂として、例えば、アボガド油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油及びこれらのポリオキシエチレン付加物等を例示することができる。
油脂は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0055】
「ロウ」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。ロウとして、例えば、鯨ロウ、ミツロウ、高酸価ミツロウ、セラック、ミンクロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ヌカロウ、モクロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、カボックロウ、ジョジョバロウ、サトウキビロウ、イボタロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール及びPOE水素添加ラノリンアルコールエーテル等を例示することができる。
ロウは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0056】
「炭化水素油」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
炭化水素油として、例えば、パラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、ブリスタン、セレシン、ワセリン及びマイクロクリスタリンワックス等の油分を例示することができる。
炭化水素油は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0057】
「エステル油」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
エステル油として、下記の化合物を例示することができる:
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル及びミリスチン酸2−ヘキシルデシル等のミリスチン酸エステル;
パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル及びパルミチン酸2−ヘプチルウンデシル等のパルミチン酸エステル;
ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル及びイソステアリン酸N−アルキルグリコール等のステアリン酸エステル;
ラウリン酸イソプロピル及びラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル;
リノール酸エチル及びリノール酸イソプロピル等のリノール酸エステル;
オクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル及びイソオクタン酸セチル等のオクタン酸エステル;
オレイン酸デシル及びオレイン酸オイル等のオレイン酸エステル;
モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン及びセスキイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル油;
モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット及びテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;
乳酸セチル及び乳酸ミリスチル等の乳酸エステル;
リンゴ酸ジイソステアリル等のリンゴ酸エステル;
アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル及びアジピン酸2−ヘキシルデシル等のアジピン酸エステル;
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル及びセバシン酸ジイソプロピル等のセバシン酸エステル;
コハク酸2−エチルヘキシル等のコハク酸エステル;
クエン酸トリエチル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、クエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸エステル;
ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、モノカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジデカン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリエチレングリコールグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、ペンタステアリン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル及びジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の多価アルコールエステル;
酢酸ラノリン、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、アセトグリセライド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル及びエチルラウレート等。
エステル油は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0058】
「高級アルコール」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、テアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、パチルアルコール、カプリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール及びオクチルドデカノール等を例示できる。
高級アルコールは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0059】
「多価アルコール」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。多価アルコールとして、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトールおよびマルチトール等を例示できる。
多価アルコールは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0060】
「シリコン類」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。シリコン類として、例えば、アモジメチコン等のアミノ変性シリコン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコン、シクロメチコン等の環状シリコン、メチルポリシロキサン及び高重合メチルポリシロキサン等のジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン等のフェニル変性シリコン、アルキル変性シリコン、アルコキシ変性シリコン等を例示することができる。
シリコン類は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0061】
「粉体」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではなく、粉体の形状(例えば、球状、針状及び板状等)、粒子径(煙霧状、微粒子及び顔料級等)、粒子構造(多孔質及び無孔質等)等を問わず、使用することができる。
「無機粉体」として、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリナイト、ヘクライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン及びシリカ等を例示することができる。
【0062】
「有機粉体」として、例えは、デンプンパウダー、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン−アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、コメデンプン及びラウロイルリジン等を例示することができる。
粉体は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0063】
「高分子化合物」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。高分子化合物は、天然系高分子化合物、半合成系高分子化合物及び合成系高分子化合物に分類することができる。
天然系高分子化合物として、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンナン、クインスシード(マルメロ)、アルケコイド(ガッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸、キサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、デキストラン、サクシノグルガン、ブルラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン及びゼラチン等を例示することができる。
【0064】
半合成系高分子化合物として、例えば、カルボキシメチンデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、変性バレイショデンプン、変性コーンスターチ及びヒドロキシプロピルデンプンリン酸等のデンプン系化合物;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース及びセルロース末等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子を例示することができる。
【0065】
合成系高分子化合物として、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン及びカルボキシビニルポリマー(カーボボール)等のビニル系高分子;ポリエチレングリコール2000、4000、6000等のポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルコポリマー等の酢酸ビニル系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー、アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミドコポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル及びポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン及びカチオンポリマー等を例示することができる。
これらの高分子化合物は、溶液状、微粒子状(ディスパージョン)及び粒子状(エマルジョン)等のいずれの形態であってもよい。
高分子化合物は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0066】
「紫外線吸収剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
紫外線吸収剤として、例えば、下記の化合物を例示することができる:
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン及びテトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル及びパラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体;
パラメトキシケイ皮酸エチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸ナトリウム、パラメトキシケイ皮酸カリウム及びパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリン等のメトキシケイ皮酸誘導体;
サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル及びサリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;
ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ウロカニン酸エチルエステル、4−tert−ブチル−4′−メトキシベンゾイルメタン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、アントラニル酸メチル及びジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等。
紫外線吸収剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0067】
「保湿剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
保湿剤として、例えば、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩及びDL−ピロリドンカルボン酸塩等を例示することができる。
保湿剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0068】
「防腐剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
防腐剤として、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸及びその塩類等を例示することができる。
防腐剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0069】
「抗菌剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
抗菌剤として、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素及びフェノキシエタノール等を例示することができる。
抗菌剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0070】
「酸化防止剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
酸化防止剤として、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール及びジブチルヒドロキシトルエン等を例示することができる。
酸化防止剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0071】
「pH調整剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
pH調整剤として、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素アンモニウム等を例示することができる。
pH調整剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0072】
「キレート剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
キレート剤として、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム及びリン酸等を例示することができる。
キレート剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0073】
「清涼剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
清涼剤として、例えば、L−メントール及びカンフル等を例示することができる。
清涼剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0074】
「抗炎症剤」とは、通常化粧料用樹脂との配合に使用されるものであれば、特に制限されるものではない。
抗炎症剤として、例えば、アラントイン、グリシルレチン酸、トラネキサム酸及びアズレン等を例示することができる。
抗炎症剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0075】
本発明に係る化粧料用樹脂組成物及び化粧料の剤型は、通常化粧料の剤型として使用されているものであれば、特に制限されるものではなく、本発明に係る化粧料用樹脂組成物及び化粧料は、例えば、溶液状、分散状、クリーム、乳液等のO/WもしくはW/Oの乳化状、ペースト状、ゲル状、エアゾール状及び多層分離状等の種々の形態として、使用することができる。
【0076】
上述した本発明に係る化粧料用樹脂組成物を一成分とし、他の成分と配合したり、あるいは反応させたりすることによって化粧料を得ることができる。ここでいう「他の成分」とは、既に述べた各種添加剤に制限されるものではなく、化粧料の主成分となり得る他の化合物(例えば、他のポリマーエマルジョン等)を含む。
【0077】
他の成分と「配合」する方法として、一般的に使用されている配合方法を用いることができ、特に制限されるものではない。そのような配合方法として、例えばボールミル、ホモジナイザー及び羽付き攪拌機等の混合機を用いる方法を例示することができる。
【0078】
より具体的には、まず、本発明に係る化粧料用樹脂を適当な媒体、好ましくは水性媒体に添加する。その後、化粧料用樹脂に各種添加剤を添加して化粧料用樹脂組成物を得ることができる。ここで、化粧料用樹脂及び各種添加剤を混合する順序は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。必要に応じて、例えばボールミル、ホモジナイザー、及び羽付き攪拌機等の混合機を使用することができる。
【0079】
得られた化粧料用樹脂組成物は、適宜適切な他の成分と配合することによって本発明に係る化粧料を得ることができる。本発明に係る化粧料は、化粧料用樹脂組成物と配合する他の成分を適宜選択することによって、例えば、メイクアップ化粧料、皮膚化粧料及び毛髪化粧料等として使用することができる。
【0080】
「メイクアップ化粧料」として、例えば、アイライナー、アイシャドー、アイブロウ、マスカラ、美爪料、液体ファンデーション及び口紅等を例示することができる。
「皮膚化粧料」として、例えば、ファンデーション、パック、ほほ紅、サンスクリーン剤、乳液、クリーム及び化粧水等を例示することができる。
「毛髪化粧料」として、例えば、染毛剤、染毛料、パーマ、ブリーチ、ヘアフォーム、ヘアクリーム、ヘアワックス、ノンエアゾールスプレー、ヘアジェル、シャンプー及びリンス等を例示することができる。
【0081】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の化粧料用樹脂を作製するために用いた単量体及び乳化剤等を以下に示す:
(A)として、(a1)メタクリル酸及び(a2)アクリル酸;
(B)として、(b1)メチルメタクリレート及び(b2)ブチルアクリレート;
(C)として、(c1)2−エチルヘキシルアクリレート;
(D)として、(d1)反応性乳化剤である三洋化成工業(株)製のJS−2(商品名)及び(d2)反応性乳化剤である日本油脂(株)製のPE350(商品名);
(E)として、(e1)ドデシルメルカプタン。
尚、(d3)’反応性ではないが乳化剤であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製のエマール0(商品名))も使用した。
【0082】
実施例1〜11及び14〜15と比較例1〜3及び5〜16の化粧料用樹脂の製造方法
攪拌翼、温度計及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、140重量部のイオン交換水及び0.1重量部の界面活性剤を加えた。窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、液温を80℃に保った。一方、30重量部のイオン交換水と、界面活性剤、連鎖移動剤及び単量体を表1〜4に示した割合で含む単量体混合物、並びに0.3重量部の過硫酸カリウムと20重量部のイオン交換水を含む水溶液を用意した。単量体混合物の5重量%と上記水溶液の10重量%の各々を四つ口フラスコに加えて攪拌し、乳化重合反応を開始させた後、単量体混合物の残部と上記水溶液の各々を同時に約3時間かけて四つ口フラスコに滴下して加えた。更に液温を80℃に保ちつつ、1時間攪拌を続けた後、得られた反応混合物を50℃まで冷却した。その後アンモニア水を加えてpHを約8に調整した後、室温まで冷却し、目的とする実施例1〜11及び14〜15と比較例1〜3及び5〜16の化粧料用樹脂を得た。
【0083】
比較例4の化粧料用樹脂の製造方法
攪拌翼、温度計及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、70重量部のイソプロピルアルコールを加えた。窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、液温を80℃に保った。一方、表3に示した割合の単量体混合物、並びに0.3部の2,2−アゾビスイソブチロニトリルを用意した。その後、2,2−アゾビスイソブチロニトリルを四つ口フラスコに加えて攪拌し、単量体混合物を約3時間かけて四つ口フラスコに滴下して加えた。更に液温を80℃に保ちつつ、1時間攪拌を続けた後、得られた反応混合物を40℃まで冷却した。その後アンモニア水を加えてpHを約8に調整した後、170重量部の水を加え、室温まで冷却した。その後、減圧下にて、イソプロピルアルコールを除去し、目的とする比較例4の化粧料用樹脂を得た。
【0084】
重量平均分子量測定方法
重量平均分子量は、GPC(Waters600E、717、410)を使用して測定した。カラムは(ShodexKF−G+KF−804L+KF−803L)を使用し、その温度は40℃とした。また、展開溶媒にはTHFを使用して測定を行なった。
【0085】
透過率の測定
透過率は、分光光度計(日立製作所(株)製のU−3000型(商品名))を使用し、波長425nmにて測定を行なった。尚、樹脂分が0.6重量%となるように希釈した溶液を透過率の測定に使用した。
【0086】
透明度
上述の所定の方法で透過率を測定することにより、透明度を評価した。なお、透明度評価の基準は、下記の通りである。
◎:透過率が、60%以上であった。
○:透過率が、50%以上、60%未満であった。
△:透過率が、30%以上、50%未満であった。
×:透過率が、30%未満であった。
【0087】
耐水性
実施例及び比較例の水分散液を、10ミルのアプリケーターを用いてガラス板に塗布し、50℃にて12時間乾燥させた。次に、得られた皮膜を温度30℃の温水中に入れ、30分後の皮膜の状態を目視にて観察した。なお、皮膜の耐水性評価の基準は、下記の通りである。
◎:乾燥した状態から、皮膜に全く変化が認められなかった。
○:皮膜の膨潤を認めたが、溶解は認めなかった。
△:皮膜が膨潤し、その一部に溶解を認めた。
×:皮膜の明らかな溶解を認めた。
【0088】
密着性
密着性は、10人のパネラーによる実使用テストにて評価した。実施例及び比較例の水分散液を、樹脂分が5重量%となるように蒸留水で希釈し、この溶液の0.1gを目もとに塗布し、密着性を評価した。なお、密着性評価の基準は、下記の通りである。
◎:密着性が良いと感じた人が、8〜10人であった。
○:密着性が良いと感じた人が、5〜7人であった。
△:密着性が良いと感じた人が、2〜4人であった。
×:密着性が良いと感じた人が、0〜1人であった。
【0089】
化粧持ち
化粧持ちを10人のパネラーによる実使用テストにて評価した。実施例及び比較例で得られた水分散液を、樹脂分が5重量%となるように蒸留水で希釈し、この溶液の0.1gを目もとに塗布し、化粧もちを評価した。化粧持ちの評価基準は、下記の通りである。
◎:化粧持ちが良いと感じた人が、8〜10人であった。
○:化粧持ちが良いと感じた人が、5〜7人であった。
△:化粧持ちが良いと感じた人が、2〜4人であった。
×:化粧持ちが良いと感じた人が、0〜1人であった。
【0090】
ツッパリ感
ツッパリ感を10人のパネラーによる実使用テストにて評価した。実施例及び比較例の水分散液を、樹脂分が5重量%となるように蒸留水で希釈し、この溶液の0.1gを目もとに塗布し、ツッパリ感を評価した。ツッパリ感の評価基準は、下記の通りである。
◎:ツッパリ感が無く、自然な感じがすると感じた人が、8〜10人であった。
○:ツッパリ感が無く、自然な感じがすると感じた人が、5〜7人であった。
△:ツッパリ感が無く、自然な感じがすると感じた人が、2〜4人であった。
×:ツッパリ感が無く、自然な感じがすると感じた人が、0〜1人であった。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
実施例1〜11及び14〜15の化粧料用樹脂は、いずれも透明性に優れるにもかかわらず、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスも優れ、化粧料の皮膜形成剤として総合的に優れるものである。これに対して、比較例1〜16は、たとえ透明性に優れたとしても、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスに劣るものである。尚、比較例4は、溶液重合によって化粧料用樹脂を得たものであるが、実施例1と比較すると乳化重合によって製造することが重要であることが理解される
【0096】
上述した本発明に係る化粧料用樹脂は、種々の化粧料用樹脂組成物及び化粧料に使用することができる。これらの化粧料用樹脂を含んで成る化粧料を以下に例示する。
【0097】
メイクアップ化粧料の例として、マスカラ、アイライナー、美爪料、液状アイシャドウ及び液状ファンデーションを作製した。
マスカラについては、表5に示すステアリン酸〜流動パラフィンの成分を表5に示す割合で配合し、これを80℃で溶解して油相とした。次に、プロピレングリコール〜水の成分を表5に示す割合で配合し、これを80℃で溶解した後、顔料を分散して水相とした。油相に水相を投入し、ホモミキサーを用いて乳化した後、実施例1の化粧料用樹脂〜アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸エステル共重合体の成分を表5に示す割合で徐々に添加し、ホモミキサーを用いて撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、マスカラを作製した。
【0098】
【表5】
【0099】
アイライナーについては、表6に示すポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート〜キサンタンガムの成分を表6に示す割合で配合し、コロイドミルを使用して、均一に分散させた。この分散液に、グリセリン〜実施例1の化粧料用樹脂の成分を表6に示す割合で順次配合し、均一になるまで撹拌して、アイライナーを作製した。
【0100】
【表6】
【0101】
美爪料については、表7に示すポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート〜水の成分を表7に示す割合で配合し、均一になるまで撹拌した。これに顔料を表7に示す割合で添加して分散させ、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー〜アクリル樹脂エマルジョンを表7に示す割合で順次添加して、均一になるまで撹拌して、美爪料を作製した。
【0102】
【表7】
【0103】
液状アイシャドウについては、表8に示すマイクロクリスタリンワックス〜ソルビタンモノステアレートの成分を表8に示す割合で配合し、これを80℃で溶解して油相とした。次に、デヒドロキサンタンガム〜水の成分を表8に示す割合で配合し、これを80℃で溶解した後、顔料を分散して水相とした。油相に水相を投入し、ホモミキサーを用いて乳化した後、実施例1の化粧料用樹脂を表8に示す割合で徐々に添加し、ホモミキサーを用いて撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、液状アイシャドウを作製した。
【0104】
【表8】
【0105】
液状ファンデーションについては、表9に示す実施例1の化粧料用樹脂〜水の成分を表9に示す割合で配合し、70℃でホモミキサーを用いて均一に成るまで分散させた。次に、タルク〜酸化鉄の成分を表9に示す割合で配合し十分に混合し、これを、先の分散液に添加した。70℃でホモミキサーを用いて分散させて水相とした。ステアリン酸〜流動パラフィンの成分を表9に示す割合で配合し、80℃で溶解させて油相とした。この油相を先の水相に投入し、70℃でホモミキサーを用いて乳化した。その後、常温になるまで冷却して、液状ファンデーションを作製した。
【0106】
【表9】
【0107】
皮膚化粧料の例として、O/Wスキンクリーム、W/Oスキンクリーム及び乳液を作製した。
O/Wスキンクリームについては、表10に示すプロピレングリコール〜水の成分(即ち、C12〜15安息香酸アルキル〜防腐剤以外)を表10に示す割合で配合し、これを80℃で溶解して水相とした。次に、C12〜15安息香酸アルキル〜防腐剤を、表10に示す割合で配合して、80℃で溶解して油相とした。油相を水相に投入して、ホモミキサーを用いて乳化し、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、O/Wスキンクリームを作製した。
【0108】
【表10】
【0109】
W/Oスキンクリームについては、表11に示すプロピレングリコール〜水の成分(即ち、マイクロクリスタリンワックス〜防腐剤以外)を表11に示す割合で配合し、これを70℃で溶解して水相とした。次に、マイクロクリスタリンワックス〜防腐剤を、表11に示す割合で配合して、70℃で溶解して油相とした。油相を水相に投入して、ホモミキサーを用いて乳化し、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、W/Oスキンクリームを作製した。
【0110】
【表11】
【0111】
乳液については、表12に示すジプロピレングリコール〜水の成分(即ち、ステアリン酸〜ソルビタンモノオレイン酸エステル以外)を表12に示す割合で配合し、これを70℃で溶解して水相とした。次に、ステアリン酸〜ソルビタンモノオレイン酸エステルを、表12に示す割合で配合して、70℃で溶解して油相とした。油相を水相に投入して、ホモミキサーを用いて乳化し、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、乳液を作製した。
【0112】
【表12】
【0113】
毛髪化粧料の例として、シャンプー、ヘアクリーム及び染毛料を作製した。
シャンプーについては、表13に示すように各原料を、表13に示す割合で配合し、これを80℃で溶解して、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、シャンプーを作製した。
【0114】
【表13】
【0115】
ヘアクリームについては、表14に示す流動パラフィン〜防腐剤の成分(即ち、実施例1の化粧料用樹脂〜水以外)を表14に示す割合で配合し、これを80℃で溶解して油相とした。次に、実施例1の化粧料用樹脂〜水を、表14に示す割合で配合して、80℃で溶解して水相とした。油相を水相に投入して、ホモミキサーを用いて乳化し、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、ヘアクリームを作製した。
【0116】
【表14】
【0117】
染毛料については、表15に示すベンジルアルコール〜実施例1の化粧料用樹脂の成分(即ち、染料以外)を表15に示す割合で配合し、これを80℃で溶解した。次に、染料を、表15に示す割合で配合して、ホモミキサーを用いて乳化し、均一になるまで撹拌した。その後、常温になるまで冷却して、染毛料を作製した。
【0118】
【表15】
【0119】
【発明の効果】
本発明に係る化粧料用樹脂は、(A)成分:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及びクロトン酸から選択される少なくとも一種、
(B)成分:炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種、並びに
(C)成分:炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種
を含んで成る単量体混合物を乳化重合することによって得られる樹脂であって、
(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、単量体混合物は、(A)成分を10〜20重量部、(B)成分を40〜80重量部、(C)成分を10〜40重量部含むので、
透明性に優れるにもかかわらず、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感等の特性のバランスも優れる、化粧料の皮膜形成剤として総合的に優れた化粧料用樹脂を提供することができる。
【0120】
本発明に係る化粧料用樹脂は、(A)成分がメタクリル酸であるので、透明性が向上されるとともに、アクリル酸を用いた場合と比較して、耐水性が良好なものとなる。
本発明に係る化粧料用樹脂は、乳化重合の際に、(D)反応性乳化剤が使用され、(D)反応性乳化剤が、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤であることによって、親水性の低分子量体の残存が減少し得るので、耐水性がより改善され、また、グリッド(凝集物)が少なくなり、収率が向上し、(A)成分の重合性も改善される。
【0121】
本発明に係る化粧料用樹脂は、(D)反応性乳化剤が、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基若しくはエチレンオキシ基を有し、更に、エチレン性二重結合を有する反応性乳化剤であることによって、透明性により優れ、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスがより改善され、(A)成分の重合性もより改善される。
本発明に係る化粧料用樹脂は、乳化重合の際に、更に、(E)連鎖移動剤が使用されることによって、分子量が制御され、透明性がより改善される。
本発明に係る化粧料用樹脂は、重量平均分子量が1,000〜100,000であることによって、透明性がより改善され、耐水性、密着性、化粧持ち及びツッパリ感の特性のバランスがより改善される。
Claims (7)
- (A)成分:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及びクロトン酸から選択される少なくとも一種、
(B)成分:炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種、並びに
(C)成分:炭素数5以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから選択される少なくとも一種
を含んで成る単量体混合物を乳化重合することによって得られる樹脂であって、
単量体混合物は、(A)〜(C)成分の総和を基準(100重量部)として、(A)成分を10〜20重量部、(B)成分を40〜80重量部、(C)成分を10〜40重量部含む化粧料用樹脂であって、
上記乳化重合の際に、(D)反応性乳化剤及び(E)連鎖移動剤が使用され、
樹脂の重量平均分子量は、5,000〜80,000であり、
得られた樹脂にアンモニア水を加えてpHを8に調整したものを樹脂分が0.6重量%になるように希釈して透過率を測定すると、波長が425nmの光の透過率が、50%以上である化粧料用樹脂。 - (A)成分はメタクリル酸であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料用樹脂。
- (D)反応性乳化剤は、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料用樹脂。
- (D)反応性乳化剤は、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基若しくはエチレンオキシ基を有し、更に、エチレン性二重結合を有することを特徴とする請求項3に記載の化粧料用樹脂。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料用樹脂が含有されていることを特徴とする化粧料用樹脂組成物。
- 請求項5に記載の化粧料用樹脂組成物が成分の一つとして配合されていることを特徴とする化粧料。
- メイクアップ化粧料、皮膚化粧料及び毛髪化粧料として使用されることを特徴とする請求項6に記載の化粧料。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166829A JP4382398B2 (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 化粧料用樹脂 |
DE200460011289 DE602004011289T2 (de) | 2003-06-11 | 2004-06-08 | Harz für Kosmetika |
EP20040013472 EP1486514B1 (en) | 2003-06-11 | 2004-06-08 | Acrylic polymer composition for cosmetics |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166829A JP4382398B2 (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 化粧料用樹脂 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002207A JP2005002207A (ja) | 2005-01-06 |
JP2005002207A5 JP2005002207A5 (ja) | 2006-06-15 |
JP4382398B2 true JP4382398B2 (ja) | 2009-12-09 |
Family
ID=33296855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003166829A Expired - Fee Related JP4382398B2 (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 化粧料用樹脂 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1486514B1 (ja) |
JP (1) | JP4382398B2 (ja) |
DE (1) | DE602004011289T2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8545859B2 (en) * | 2003-11-26 | 2013-10-01 | Akzo Nobel N.V. | Use of acrylates copolymer as waterproofing agent in personal care applications |
JP2006290884A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-10-26 | Kao Corp | まつ毛用化粧料 |
WO2006101038A1 (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Kao Corporation | まつ毛用化粧料 |
JP4559886B2 (ja) * | 2005-03-18 | 2010-10-13 | 花王株式会社 | まつ毛用化粧料 |
JP4755955B2 (ja) * | 2006-08-25 | 2011-08-24 | 花王株式会社 | まつ毛用化粧料 |
FR2917609B1 (fr) * | 2007-06-22 | 2012-11-16 | Oreal | Composition de maquillage comprenant un compose hydroxyle. |
JP5998445B2 (ja) * | 2010-10-22 | 2016-09-28 | 三菱化学株式会社 | 毛髪化粧料 |
EP2776010B1 (en) * | 2011-12-22 | 2017-07-12 | Dow Global Technologies LLC | Water resistant personal care polymers |
US9351916B2 (en) | 2012-03-29 | 2016-05-31 | Dow Global Technologies Llc | Water resistant polymers for personal care |
JP6435917B2 (ja) * | 2015-02-25 | 2018-12-12 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体および水性インク |
JP6579357B2 (ja) * | 2015-03-12 | 2019-09-25 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体および水性インク |
FR3064913B1 (fr) * | 2017-04-07 | 2020-05-08 | L'oreal | Procede de coloration des cheveux mettant en œuvre un pigment, et un polymere acrylique d’anhydride maleique et d’un compose amine |
US20210386632A1 (en) | 2018-09-28 | 2021-12-16 | Kao Corporation | External preparation |
WO2021095604A1 (ja) | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 東亞合成株式会社 | 水性ポリマーエマルション及びその製造方法、並びに化粧料 |
WO2024000404A1 (en) * | 2022-06-30 | 2024-01-04 | L'oreal | Composition for caring for and/or making up keratin materials |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1146155A (en) * | 1965-03-26 | 1969-03-19 | Mitsubishi Rayon Co | Hair lacquers |
DE2621722C3 (de) * | 1976-05-15 | 1983-11-17 | Basf Ag, 6700 Ludwigshafen | Verfahren zur Herstellung von Copolymerisaten aus (Meth)acrylsäure und (Meth)acrylsäureestern |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166829A patent/JP4382398B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-06-08 EP EP20040013472 patent/EP1486514B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2004-06-08 DE DE200460011289 patent/DE602004011289T2/de not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005002207A (ja) | 2005-01-06 |
DE602004011289D1 (de) | 2008-03-06 |
EP1486514A1 (en) | 2004-12-15 |
EP1486514B1 (en) | 2008-01-16 |
DE602004011289T2 (de) | 2009-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103459446B (zh) | 阳离子性(甲基)丙烯酸硅氧烷系接枝共聚物及含有它的化妆品 | |
JP4043680B2 (ja) | 有機シリコーン樹脂粉体 | |
JP4382398B2 (ja) | 化粧料用樹脂 | |
ES2360053T3 (es) | Polímero de silicona injertado y productos hechos con el mismo. | |
JP5043304B2 (ja) | ゲル組成物及びそれを含有する化粧料 | |
JP2001288233A (ja) | 新規高分子およびこれを用いた化粧料 | |
WO2013145755A1 (ja) | 毛髪化粧料 | |
JP2004339108A (ja) | 化粧料用水性組成物及びそれを含んで成る化粧料 | |
JP2018506556A (ja) | イタコン酸のポリマーおよび化粧料またはパーソナルケア製品における皮膜形成剤としてのその使用 | |
JP2005232271A (ja) | 整泡剤 | |
JP6117592B2 (ja) | 整髪用化粧料 | |
JP2003508472A (ja) | 特定のポリサッカライド樹脂を含む化粧品組成物 | |
JP2003306515A (ja) | カチオン性共重合体 | |
JP2013227310A (ja) | 整髪用化粧料 | |
JP3669898B2 (ja) | 球状樹脂粒子およびその製造方法ならびに外用剤 | |
TW200536890A (en) | Ues of acrylates copolymer as waterproofing agent in personal care applications | |
JP5437587B2 (ja) | 頭髪化粧料 | |
JP4040804B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2972039B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2000086429A (ja) | 化粧料 | |
WO2021095604A1 (ja) | 水性ポリマーエマルション及びその製造方法、並びに化粧料 | |
JP2857238B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2006282517A (ja) | ゲル組成物及びそれを含有する化粧料 | |
JP4738749B2 (ja) | 化粧品用組成物 | |
JP2003513998A (ja) | ゲルタイプのオイルフリー化粧品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060427 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060427 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081209 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20081222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090818 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090917 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4382398 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |