JP2003026538A - 固形粉末化粧料の製造方法 - Google Patents

固形粉末化粧料の製造方法

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JP2003026538A
JP2003026538A JP2001208124A JP2001208124A JP2003026538A JP 2003026538 A JP2003026538 A JP 2003026538A JP 2001208124 A JP2001208124 A JP 2001208124A JP 2001208124 A JP2001208124 A JP 2001208124A JP 2003026538 A JP2003026538 A JP 2003026538A
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mixing
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cosmetic
liquid
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Kazuo Taguchi
和男 田口
Hiroyuki Fukui
博之 福井
Yoshikazu Miyatake
良和 宮武
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な操作でかつ短時間でケーキングが生じ難
い、外観色の明るい、均一に分散された化粧料粉体を含
有する固形粉末化粧料の製造方法を提供すること。 【解決手段】粉体と液体成分を混合して得られる化粧料
粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、粉
体に液体成分を添加して混合した後、前記液体成分と比
較してケーキングを起こし難い他の液体成分を添加して
混合することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉
末化粧料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法、より詳しくは、簡単な操作で均一分散で
き、ケーキング(成形品表面が局所的に固化する現象)
がなく耐衝撃性に優れ、外観、使用感が良好な固形粉末
化粧料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体を主成分として固体油及び/又は液
体油を含む液体成分を含有し、中皿等の容器にプレス成
形又は流し込み成形等によって充填されてなる主にメー
クアップ用に使用される化粧料は、一般に固形粉末化粧
料と称される。このような固形粉末化粧料を製造する際
には、予め主成分である1種以上の粉体をロッキングミ
キサー等で穏やかに混合した後、固体油及び/又は液体
油を含有する液体成分を混合し、粉砕混合した後圧縮成
形する工程が採られる。その方法としては、V型ミキサ
ー、リボンミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミ
キサー等のように攪拌作用により混合し、次いでハンマ
ーミル、ピンミル等のような衝撃式粉砕機で粉砕する方
法や、ボールミル、擂潰機のような混合を兼ねた粉砕機
を用いる方法等が知られている(特開平4−89422
号公報、特開平7−2624号公報)。
【0003】しかしながら前述のような、予め主成分で
ある1種以上の粉体を混合した後、固体油及び/又は液
体油を含む液体成分を混合し、粉砕混合した後圧縮成形
するといった常法に従った製造方法では、ファンデーシ
ョン等の高機能化傾向により、その粉体と液体成分の最
適で均一な混合状態を得ることが困難となってきてい
る。特に粉体の微細化の傾向によって、混合工程時に微
粉体成分が凝集し易くなり、微粉体及び/又は液体成分
の局在が生じ易くなる。このような局在はケーキングの
原因となり、ファンデーション等の成形品表面の美観を
損ない、パフ等の化粧用具へのとれが不良になり、使用
感も低下するという欠点がある。また粉体と液体成分が
不均一であれば、成形品の強度が局在的に低下し、落下
時に割れやすい、即ち耐衝撃性の低下の原因となる。こ
のような局在を解消する為には、一般的には混合工程で
の混合時間を延長する、もしくは混合機の剪断効果を高
める等の方法が考えられる。しかし、混合時間の延長は
生産性に支障をきたす。また長時間の混合は使用感に影
響し、設計機能通りの使用感が得られないという欠点が
あり、混合機の剪断効果の向上では装置的に大掛かりに
なる欠点がある。また、外観が暗くなるという欠点があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡単な操作でかつ短時間でケーキングが生じ難い、
外観色の明るい、均一に分散された化粧料粉体を含有す
る固形粉末化粧料の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕粉体と液体成分を混合して得られる化粧料粉体を
含有する固形粉末化粧料の製造方法において、粉体に液
体成分を添加して混合した後、前記液体成分と比較して
ケーキングを起こし難い他の液体成分を添加して混合す
ることを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧
料の製造方法、〔2〕粉体と液体成分を混合して得られ
る化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法にお
いて、粉体に液体成分を添加して混合した後、前記液体
成分と比較して浸透速度の小さい他の液体成分を添加し
て混合することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形
粉末化粧料の製造方法、〔3〕粉体と液体成分を混合し
て得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造
方法において、粉体に液体成分を添加して混合したもの
と、粉体に前記液体成分と比較してケーキングを起こし
難い他の液体成分を添加して混合したものとを混合する
ことを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法、〔4〕粉体と液体成分を混合して得られる
化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法におい
て、粉体に液体成分を添加して混合したものと、粉体に
前記液体成分と比較して浸透速度の小さい他の液体成分
を添加して混合したものとを混合することを特徴とする
化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法、
〔5〕粉体と液体成分を混合して得られる化粧料粉体を
含有する固形粉末化粧料の製造方法において、粉体に液
体成分を添加して混合した後、前記粉体と比較してケー
キングを起こし易い他の粉体を添加して混合することを
特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造
方法、ならびに、〔6〕粉体と液体成分を混合して得ら
れる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法に
おいて、粉体に液体成分を添加して混合した後、前記粉
体と比較して液体浸透速度の大きい他の粉体を添加して
混合することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉
末化粧料の製造方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第一の態様は、粉体と液
体成分を混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉
末化粧料の製造方法において、粉体に液体成分を添加し
て混合した後、前記液体成分と比較してケーキングを起
こし難い他の液体成分を添加して混合することを特徴と
する化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法で
ある。粉体に液体成分を添加して混合した後、前記液体
成分と比較してケーキングを起こし難い他の液体成分を
添加して混合することにより、最初に添加する液体成分
(「他の液体成分」と比較してケーキングを起こし易い
液体成分といえる)の分散が向上するために、ケーキン
グがなく耐衝撃性に優れ、外観、使用感が良好な固形粉
末化粧料を得ることができる。
【0007】添加する液体成分がケーキングを起こし易
いか、起こし難いかの判定は、ケーキング試験を行うこ
とによって評価することが出来る。まず、同一の粉体と
各液体成分を同一の混合条件で混合する。すなわち、同
一の混合機、混合比率、混合温度、混合時間で混合を行
なう。この内、粉体と各液体成分の混合比は実際の粉体
と液体成分の組成比であることが好ましい。得られた化
粧料粉体を、粉末成形機により、内径52mm、深さ4
mm、試験面積21cm2 のアルミ製金皿に充填し、固
形粉末化粧料とする。次に、1名の評価者が、スポンジ
で恣意的に強弱をつけずに固形粉末化粧料を60回こす
り、こすったのちにとれ量が0.5〜1.5gとなって
いる固形粉末化粧料のサンプルを3個用意する。最後に
この3個のサンプルについて、例えば、画像解析装置
(ルーゼックス III、ニレコ製)によってケーキング発
生部の面積の試験面積に対する比率(%)の平均値を測
定する。この様にして固形粉末化粧料のケーキング発生
部の面積の試験面積に対する比率を予め測定し、ケーキ
ング発生部の面積の試験面積に対する比率が相対的に大
きい液体成分をケーキングを起こし易い液体成分、ケー
キング発生部の面積の試験面積に対する比率が相対的に
小さい液体成分をケーキングを起こし難い液体成分とす
ることが出来る。
【0008】ケーキングを起こし易い液体成分とは、上
記相対評価で評価可能であるが、品質評価の観点から
は、同一の粉体と各液体成分の混合比を実際の粉体と液
体成分の組成比とし、他の混合条件も揃えて評価した場
合に、ケーキングが発生した面積が試験面積に対して6
%以上となるものをケーキングを起こし易い液体成分と
して認定するのが好ましい。よって、ケーキングを起こ
し難い液体成分としては、前記評価を行った場合、ケー
キングが発生した面積が試験面積に対して6%未満であ
るものをケーキングを起こし難い液体成分として認定す
るのが好ましい。
【0009】尚、本発明において、「ケーキングを起こ
し易い液体成分」および「ケーキングを起こし難い液体
成分」とは、1種または2種以上の液体成分を混合した
ものでよく、2種以上を混合した場合は、混合液全体と
してのケーキング性をいう。
【0010】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に粉
体を仕込み、最初に添加する液体成分を添加し、混合を
開始する。ここで用いる混合機としては特に限定される
ものではなく、前記のヘンシェルミキサーの他にV型ミ
キサー、リボンミキサー、ナウターミキサー、ハイスピ
ードミキサーの他、アグロマスター、グラット等の流動
層型などが同様に使用できる。この混合を行う前に粉体
自体を予めロッキングミキサー等の混合機で穏やかに混
合するか、もしくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピ
ンミル等の粉砕機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉
体の凝集解砕の点からより効果的である。また液体成分
が2種以上用いられている場合には予め混合しておくと
効果的であり、さらに40〜100℃に加温しておくと
粘度が低下し、分散性が向上するのでより効果的であ
る。
【0011】粉体と最初に添加する液体成分の混合終了
時点は、以下に述べるようにして決定される。粉体と液
体成分の混合物の均一さを、混合による色彩の変化を測
定して、以下に定義される混合度Mとして評価する。
【0012】M=|(At −A0 )/(A∞−A0 )| At :任意時間の測色値 A0 :初期値 A∞:飽和測色値(最大値) Aは光の測色値で、光の色彩を表現できる方法であれば
制限はない。色彩を表現する方法には、CIE(国際照
明委員会)1931年標準表色系があり、これは測定さ
れた色をx−y色度座標によって表すものである。色を
表示する方法にはこのほか、RGB表色系、USC表色
系、マンセル表色系、L*a*b*表色系などがある
が、どのような方法を用いても良い。A∞は十分長時間
混合した後の測色値である。A∞は予め予備テストによ
り測定しておく。
【0013】この混合度が0.1以上、好ましくは0.
2以上になれば、混合を終了する。これは後述する最初
に添加する液体成分と比較してケーキングを起こし難い
他の液体成分(以下、ケーキングを起こし難い他の液体
成分という。)の添加混合の終了時点の混合度を考慮し
て決定される。
【0014】最初に添加する液体成分を添加して混合し
た後、ケーキングを起こし難い他の液体成分を添加混合
する。また液体成分が2種以上用いられている場合には
予め混合しておくと効果的であり、さらに40〜100
℃に加温しておくと粘度が低下し、分散性が向上するの
でより効果的である。
【0015】ケーキングを起こし難い他の液体成分の添
加混合は、前述した混合度Mと同様の評価を行い、最終
的な混合終了時点を決定する。混合度Mが0.2以上、
好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上に
なれば実質的に均一であると判断でき、ケーキングを起
こし難い他の液体成分の添加混合を終了する。
【0016】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無くて外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0017】本発明で用いる粉体としては、通常の化粧
料として用いられるものであれば特に制限はなく、1種
又は2種以上を混合して用いることができる。例えば、
化粧品用顔料としてタルク、マイカ、セリサイト、カオ
リン、ベントナイト、シリカ、アルミナ、炭酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム、コバルトブルー、群青、紺青、マ
ンガンバイオレット、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビス
マス、酸化鉄(黄色、赤色、黒色)、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ホ
ウ素、珪酸アルミン酸マグネシウム、アルミニウム粉末
等の無機顔料、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ
素樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロンパウダー、赤色2
02号、赤色204号、赤色226号、黄色401号、
青色404号等の有機顔料が挙げられる。また、さら
に、ケラチン粉末、コラーゲン粉末、シルク粉末、セル
ロース粉末、キトサン粉末等の生体高分子等を挙げるこ
とができる。また、これらの顔料を複合化した粉体を用
いることもできる。さらに上述の粉体の表面を金属石鹸
処理、シリコーン処理、パーフルオロアルキル処理、レ
シチン処理等をしたものを用いても良い。
【0018】粉体の平均粒径は0.001〜300μm
が好ましい。平均粒径が0.001〜300μmである
と、好ましい仕上がりとなると同時に肌への塗布時の使
用感がなめらかなものとなり、化粧料としての原料に適
切である。
【0019】また、本発明で用いる液体成分は通常の化
粧料に用いられる化粧品用液体を含有するものであれ
ば、固体油、液体油、半固体油等、特に制限はなく、1
種又は2種以上を混合して用いることができる。例え
ば、固形脂(ワックス)、硬化油、流動パラフィン、ス
クワレン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、
イソプロピルミリステート、モノステアリン酸グリセリ
ン、ヤシ油脂肪酸トリグリセリド、ステアリルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、パルミチン酸、ラウリン
酸、ステアリン酸、シリコーン油等が挙げられる。
【0020】本発明で用いられる粉体の配合量は、粉末
化粧料としての仕上がり並びに使用感の観点から、固形
粉末化粧料中50〜99重量%が好ましく、70〜98
重量%がより好ましい。
【0021】最初に添加する液体成分とケーキングを起
こし難い他の液体成分からなる液体成分において、最初
に添加する液体成分の配合量は、粉末化粧料としての仕
上がり並びに使用感の観点から、固形粉末化粧料中0.
1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ま
しい。また、ケーキングを起こし難い他の液体成分の配
合量は、固形粉末化粧料中0.1〜50重量%が好まし
く、1〜30重量%がより好ましい。
【0022】粉体と液体成分を混合する工程において、
混合機の外壁を加熱するか、もしくは加温した空気を吹
き付ける等の方法で加温し、混合温度を40〜100
℃、より好ましくは50〜80℃とするのが好ましい。
この時の混合温度とは攪拌混合時の粉体及び液体成分の
温度であり、この温度範囲に設定することにより、液体
成分の粘度を5〜1000センチポイズにして混合する
ことが好ましい。5センチポイズ以上の粘度であると、
成型品の温度が常温まで低下しても液体成分の粘性を保
持し、良好な成形品強度が得られ、成形品が割れにくい
等の利点を有する。1000センチポイズ以下である
と、混合時に液体成分の均一分散が容易であり、パフ等
の化粧用具へのとれが良く、使用感も良好でべたつかな
い。なお、粘度の測定はJIS K-7117附属書粘度計に記載
されるDB粘度計により行うことができる。通常40℃
以上に加熱又は加温すると、固体油は溶融し、他の液体
油及び半固体油も液体成分の粘度降下により、より分散
し易くなる。また、100℃以下であると、液体成分が
変質して異臭の原因となるのを防ぐことができる。
【0023】本発明の固形粉末化粧料の製造方法では、
更に必要に応じて界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香
料、保湿剤、殺菌剤、紫外線吸収剤等を、粉体または液
体成分の1種として配合しても差し支えない。本発明の
固形粉末化粧料の製造方法は、例えば、パウダーファン
デーション、アイシャドウ、チークカラー、フェイスパ
ウダー等に適用できる。
【0024】本発明の第二の態様は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法において、粉体に液体成分を添加して混合し
た後、前記液体成分と比較して浸透速度の小さい他の液
体成分を添加して混合することを特徴とする化粧料粉体
を含有する固形粉末化粧料の製造方法である。粉体に液
体成分を添加して混合した後、前記液体成分と比較して
浸透速度の小さい他の液体成分を添加して混合すること
により、最初に添加する液体成分(「他の液体成分」と
比較して浸透速度の大きい液体成分といえる)の分散が
向上するために、ケーキングがなく耐衝撃性に優れ、外
観、使用感が良好な固形粉末化粧料を得ることができ
る。
【0025】添加する液体成分の浸透速度が大きいか、
浸透速度が小さいかの判定は、充填管に充填した粉体に
対する液体成分の浸透速度を測定することによって行う
ことが出来る。すなわち、同一粉体に対する各液体成分
の、同一の充填密度、温度、測定時間における浸透速度
を予め測定し、浸透速度が相対的に大きい液体成分を浸
透速度の大きい液体成分、浸透速度が相対的に小さい液
体成分を浸透速度の小さい液体成分とすることが出来
る。粉体に対する液体の浸透速度の測定は、特に限定さ
れるものではないが、粉体接触角計(協和界面科学
(株)製)、動的濡れ性試験機((株)レスカ製)、ペ
ネトアナライザ(ホソカワミクロン(株)製)等の市販
品を使用すれば、より簡便に行うことが出来る。
【0026】浸透速度の大きい液体成分としては、特に
限定されないが、例示すれば、粉体1gを内径6mmの
充填管に充填高さ4.5cmとなるよう充填した際、浸
透速度が、1g/m2 ・s以上のものが好ましく、3g
/m2 ・s以上のものがより好ましい。また、浸透速度
の小さい液体成分としては、前記の浸透速度の大きいも
のと比較して小さいものであれば特に限定されないが、
浸透速度が、好ましくは1g/m2 ・s未満、より好ま
しくは0.7g/m2 ・s以下のものである。
【0027】尚、本発明において、「浸透速度の大きい
液体成分」および「浸透速度の小さい液体成分」とは、
1種または2種以上の液体成分を混合したものでよく、
2種以上を混合した場合は、混合液全体としての浸透速
度をいう。
【0028】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に粉
体を仕込み、最初に添加する液体成分を添加し、混合を
開始する。ここで用いる混合機としては前述のものが同
様に使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予めロ
ッキングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、も
しくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉
砕機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解砕
の点からより効果的である。また液体成分が2種以上用
いられている場合には予め混合しておくと効果的であ
り、さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下
し、分散性が向上するのでより効果的である。
【0029】粉体と最初に添加する液体成分の混合終了
時点は、前述した混合度Mとして評価する。この混合度
が0.1以上、好ましくは0.2以上になれば、混合を
終了する。
【0030】最初に添加する液体成分を添加して混合し
た後、最初に添加する液体成分と比較して浸透速度の小
さい他の液体成分(以下、浸透速度の小さい他の液体成
分という。)を添加混合する。また液体成分が2種以上
用いられている場合には予め混合しておくと効果的であ
り、さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下
し、分散性が向上するのでより効果的である。
【0031】浸透速度の小さい他の液体成分の添加混合
は、前述した混合度Mと同様の評価を行い、最終的な混
合終了時点を決定する。すなわち、混合度Mが0.2以
上、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以
上になれば実質的に均一であると判断でき、浸透速度の
小さい他の液体成分の添加混合を終了する。
【0032】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無く、外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0033】本発明で用いられる粉体の配合量は、粉末
化粧料としての仕上がり並びに使用感の観点から、固形
粉末化粧料中50〜99重量%が好ましく、70〜98
重量%がより好ましい。
【0034】最初に添加する液体成分と浸透速度の小さ
い他の液体成分からなる液体成分において、最初に添加
する液体成分の配合量は、粉末化粧料としての仕上がり
並びに使用感の観点から、固形粉末化粧料中0.1〜5
0重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。
また、浸透速度の小さい他の液体成分の配合量は、固形
粉末化粧料中0.1〜50重量%が好ましく、1〜30
重量%がより好ましい。
【0035】なお、用いられる粉体および液体成分の種
類、粉体と液体成分の混合工程等は、第一の態様で例示
されたものと同様のものが挙げられる。
【0036】本発明の第三の態様は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法において、粉体に液体成分を添加して混合し
たものと、粉体に前記液体成分と比較してケーキングを
起こし難い他の液体成分を添加して混合したものとを混
合することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末
化粧料の製造方法である。粉体に液体成分を添加して混
合したものと、粉体に前記液体成分と比較してケーキン
グを起こし難い他の液体成分を添加して混合したものと
を混合することにより、ケーキングがなく耐衝撃性に優
れ、外観、使用感が良好な固形粉末化粧料を得ることが
できる。
【0037】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に粉
体の一部を仕込み、第1の液体成分を添加し、混合を開
始する。ここで用いる混合機としては前述のものが同様
に使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予めロッ
キングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、もし
くは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉砕
機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解砕の
点からより効果的である。また液体成分が2種以上用い
られている場合には予め混合しておくと効果的であり、
さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下し、
分散性が向上するのでより効果的である。
【0038】粉体と第1の液体成分の混合終了時点は、
前述した混合度Mとして評価する。この混合度が0.1
以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3
以上、特に好ましくは0.4以上になれば、混合を終了
する。
【0039】一方で、同様にして、ヘンシェルミキサー
等の混合機に粉体の残りを仕込み、第1の液体成分と比
較してケーキングを起こし難い他の液体成分(以下、ケ
ーキングを起こし難い他の液体成分という。)を添加
し、混合を開始する。ここで用いる混合機としては前述
のものが同様に使用できる。この混合を行う前に粉体自
体を予めロッキングミキサー等の混合機で穏やかに混合
するか、もしくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピン
ミル等の粉砕機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体
の凝集解砕の点からより効果的である。また液体成分が
2種以上用いられている場合には予め混合しておくと効
果的であり、さらに40〜100℃に加温しておくと粘
度が低下し、分散性が向上するのでより効果的である。
【0040】粉体とケーキングを起こし難い他の液体成
分の混合終了時点は、前述した混合度Mとして評価す
る。この混合度が0.1以上、好ましくは0.2以上、
さらに好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.4以
上になれば、混合を終了する。
【0041】次に、ヘンシェルミキサー等の混合機に、
粉体に第1の液体成分を添加して混合したものと、粉体
にケーキングを起こし難い他の液体成分を添加して混合
したものとを仕込み、混合を開始する。ここで用いる混
合機としては前述のものが同様に使用できる。
【0042】粉体に第1の液体成分を添加して混合した
ものと、粉体にケーキングを起こし難い他の液体成分を
添加して混合したものとの混合は、前述した混合度Mと
同様の評価を行い、最終的な混合終了時点を決定する。
混合度Mが0.1以上、好ましくは0.2以上、さらに
好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.4以上にな
れば実質的に均一であると判断でき、混合を終了する。
【0043】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無く、外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0044】第1の液体成分とケーキングを起こし難い
他の液体成分からなる液体成分において、第1の液体成
分の配合量は、粉末化粧料としての仕上がり並びに使用
感の観点から、固形粉末化粧料中0.1〜50重量%が
好ましく、1〜30重量%がより好ましい。また、ケー
キングを起こし難い他の液体成分の配合量は、固形粉末
化粧料中0.1〜50重量%が好ましく、1〜30重量
%がより好ましい。
【0045】なお、添加する液体成分がケーキングを起
こし易いか起こし難いかの判定、用いられる粉体および
液体成分の種類、粉体と液体成分の混合工程等は、第一
の態様で例示されたものと同様のものが挙げられる。
【0046】本発明の第四の態様は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法において、粉体に液体成分を添加して混合し
たものと、粉体に前記液体成分と比較して浸透速度の小
さい他の液体成分を添加して混合したものとを混合する
ことを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法である。粉体に液体成分を添加して混合した
ものと、粉体に前記液体成分と比較して浸透速度の小さ
い他の液体成分を添加して混合したものとを混合するこ
とにより、ケーキングがなく耐衝撃性に優れ、外観、使
用感が良好な固形粉末化粧料を得ることができる。
【0047】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に粉
体の一部を仕込み、第1の液体成分を添加し、混合を開
始する。ここで用いる混合機としては前述のものが同様
に使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予めロッ
キングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、もし
くは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉砕
機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解砕の
点からより効果的である。また液体成分が2種以上用い
られている場合には予め混合しておくと効果的であり、
さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下し、
分散性が向上するのでより効果的である。
【0048】粉体と第1の液体成分の混合終了時点は、
前述した混合度Mとして評価する。この混合度が0.1
以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3
以上、特に好ましくは0.4以上になれば、混合を終了
する。
【0049】一方で、同様にして、ヘンシェルミキサー
等の混合機に粉体の残りを仕込み、第1の液体成分と比
較して浸透速度の小さい他の液体成分(以下、浸透速度
の小さい他の液体成分という。)を添加し、混合を開始
する。ここで用いる混合機としては前述のものが同様に
使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予めロッキ
ングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、もしく
は穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉砕機
で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解砕の点
からより効果的である。また液体成分が2種以上用いら
れている場合には予め混合しておくと効果的であり、さ
らに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下し、分
散性が向上するのでより効果的である。
【0050】粉体と浸透速度の小さい他の液体成分の混
合終了時点は、前述した混合度Mとして評価する。この
混合度が0.1以上、好ましくは0.2以上、さらに好
ましくは0.3以上、特に好ましくは0.4以上になれ
ば、混合を終了する。
【0051】次に、ヘンシェルミキサー等の混合機に、
粉体に第1の液体成分を添加して混合したものと、粉体
に浸透速度の小さい他の液体成分を添加して混合したも
のとを仕込み、混合を開始する。ここで用いる混合機と
しては前述のものが同様に使用できる。
【0052】粉体に第1の液体成分を添加して混合した
ものと、粉体に浸透速度の小さい他の液体成分を添加し
て混合したものとの混合は、前述した混合度Mと同様の
評価を行い、最終的な混合終了時点を決定、混合度Mが
0.1以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは
0.3以上、特に好ましくは0.4以上になれば実質的
に均一であると判断でき、混合を終了する。
【0053】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無く、外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0054】第1の液体成分と浸透速度の小さい他の液
体成分からなる液体成分において、第1の液体成分の配
合量は、粉末化粧料としての仕上がり並びに使用感の観
点から、固形粉末化粧料中0.1〜50重量%が好まし
く、1〜30重量%がより好ましい。また、浸透速度の
小さい他の液体成分の配合量は、固形粉末化粧料中0.
1〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ま
しい。
【0055】なお、用いられる粉体および液体成分の種
類、粉体と液体成分の混合工程等は、第一の態様で例示
されたものと同様のものが挙げられる。また、添加する
液体成分の浸透速度が大きいか、浸透速度が小さいかの
判定は、第二の態様で記載したようにして、判定でき
る。
【0056】本発明の第五の態様は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法において、粉体に液体成分を添加して混合し
た後、前記粉体と比較してケーキングを起こし易い他の
粉体を添加して混合することを特徴とする化粧料粉体を
含有する固形粉末化粧料の製造方法である。粉体に液体
成分を添加して混合した後、前記粉体と比較してケーキ
ングを起こし易い他の粉体を添加して混合することによ
り、粉体の凝集が抑制されるために、ケーキングがなく
耐衝撃性に優れ、外観、使用感が良好な固形粉末化粧料
を得ることができる。
【0057】用いる粉体がケーキングを起こし易いか、
起こし難いかの判定は、ケーキング試験を行うことによ
って評価することが出来る。まず、同一の液体成分と各
粉体を同一の混合条件で混合する。すなわち、同一の混
合機、混合比率、混合温度、混合時間で混合を行なう。
この内、液体成分と各粉体の混合比は実際の液体成分と
粉体の組成比であることが好ましい。得られた化粧料粉
体を、粉末成形機により、内径52mm、深さ4mm、
試験面積21cm2 のアルミ製金皿に充填し、固形粉末
化粧料とする。次に、1名の評価者が、スポンジで恣意
的に強弱をつけずに固形粉末化粧料を60回こすり、こ
すったのちにとれ量が0.5〜1.5gとなっている固
形粉末化粧料のサンプルを3個用意する。最後にこの3
個のサンプルについて、例えば、画像解析装置(ルーゼ
ックス III、ニレコ製)によってケーキング発生部の面
積の試験面積に対する比率(%)の平均値を測定する。
この様にして固形粉末化粧料のケーキング発生部の面積
の試験面積に対する比率を予め測定し、ケーキング発生
部の面積の試験面積に対する比率が相対的に多い粉体を
ケーキングを起こし易い粉体、ケーキング発生部の面積
の試験面積に対する比率が相対的に少ない粉体をケーキ
ングを起こし難い粉体とすることが出来る。
【0058】ケーキングを起こし易い粉体とは、上記相
対評価で評価可能であるが、品質評価の観点からは、同
一の液体成分と各粉体の混合比を実際の液体成分と粉体
の組成比とし、他の混合条件も揃えて評価した場合に、
ケーキングが発生した面積が試験面積に対して6%以上
となるものをケーキングを起こし易い粉体として認定す
るのが好ましい。よって、ケーキングを起こし難い粉体
としては、前記評価を行った場合、ケーキングが発生し
た面積が試験面積に対して6%未満であるものをケーキ
ングを起こし難い粉体として認定するのが好ましい。
【0059】尚、本発明において、「ケーキングを起こ
し易い粉体」および「ケーキングを起こし難い粉体」と
は、1種または2種以上の粉体を混合したものでよく、
2種以上を混合した場合は、混合粉体全体としてのケー
キング性をいう。
【0060】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に最
初に添加する粉体を仕込み、液体成分を添加し、混合を
開始する。ここで用いる混合機としては前述のものが同
様に使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予めロ
ッキングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、も
しくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉
砕機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解砕
の点からより効果的である。また液体成分が2種以上用
いられている場合には予め混合しておくと効果的であ
り、さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下
し、分散性が向上するのでより効果的である。
【0061】最初に添加する粉体と液体成分の混合終了
時点は、混合度Mとして評価する。この混合度が0.1
以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3
以上になれば、混合を終了する。
【0062】次に混合終了後、最初に添加する粉体と比
較してケーキングを起こし易い他の粉体(以下、ケーキ
ングを起こし難い他の粉体という。)を添加混合する。
ケーキングを起こし易い他の粉体の添加前に粉体を予め
ロッキングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、
もしくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の
粉砕機で粉砕混合しておくと粉体の凝集の解砕の点から
より効果的である。
【0063】ケーキングを起こし易い他の粉体の添加混
合は、前述した混合度Mと同様の評価を行い、最終的な
混合終了時点を決定する。混合度Mが0.2以上、好ま
しくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上になれ
ば実質的に均一であると判断でき、ケーキングを起こし
易い他の粉体の添加混合を終了する。
【0064】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無く、外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0065】本発明で用いられる液体成分の配合量は、
粉末化粧料としての仕上がり並びに使用感の観点から、
固形粉末化粧料中0.1〜50重量%が好ましく、1〜
30重量%がより好ましい。
【0066】なお、用いられる粉体および液体成分の種
類、粉体と液体成分の混合工程等は、第一の態様で例示
されたものと同様のものが挙げられる。
【0067】本発明の第六の態様は、粉体と液体成分を
混合して得られる化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
の製造方法において、粉体に液体成分を添加して混合し
た後、前記粉体と比較して液体浸透速度の大きい他の粉
体を添加して混合することを特徴とする化粧料粉体を含
有する固形粉末化粧料の製造方法である。粉体に液体成
分を添加して混合した後、前記粉体と比較して液体浸透
速度の大きい他の粉体を添加して混合することにより、
粉体の凝集が抑制されるために、ケーキングがなく耐衝
撃性に優れ、外観、使用感が良好な固形粉末化粧料を得
ることができる。
【0068】用いる粉体の液体浸透速度が大きいか、液
体浸透速度が小さいかの判定は、充填管に充填した粉体
に対する液体成分の浸透速度を測定することによって行
うことが出来る。すなわち、各粉体に対する同一液体成
分の、同一の充填密度、温度、測定時間における浸透速
度を予め測定し、浸透速度が相対的に大きい粉体を液体
浸透速度の大きい粉体、浸透速度が相対的に小さい粉体
を液体浸透速度の小さい粉体とすることが出来る。粉体
に対する液体の浸透速度の測定は、特に限定されるもの
ではないが、粉体接触角計(協和界面科学(株)製)、
動的濡れ性試験機((株)レスカ製)、ペネトアナライ
ザ(ホソカワミクロン(株)製)等の市販品を使用すれ
ば、より簡便に行うことが出来る。
【0069】液体浸透速度の大きい粉体としては、特に
限定されないが、例示すれば、粉体1gを内径6mmの
充填管に充填高さ4.5cmとなるよう充填した際、浸
透速度が、1g/m2 ・s以上のものが好ましく、3g
/m2 ・s以上のものがより好ましい。また、液体浸透
速度の小さい粉体としては、前記の液体浸透速度の大き
いものと比較して小さいものであれば特に限定されない
が、浸透速度が、好ましくは1g/m2 ・s未満、より
好ましくは0.7g/m2 ・s以下のものである。
【0070】尚、本発明において、「液体浸透速度の大
きい粉体」および「液体浸透速度の小さい粉体」とは、
1種または2種以上の粉体を混合したものでよく、2種
以上を混合した場合は、混合粉体全体に対する液体浸透
速度をいう。
【0071】まず、ヘンシェルミキサー等の混合機に最
初に添加する粉体を仕込み、液体を成分を添加し、混合
を開始する。ここで用いる混合機としては前述のものが
同様に使用できる。この混合を行う前に粉体自体を予め
ロッキングミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、
もしくは穏やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の
粉砕機で粉砕混合しておくと、予備混合と粉体の凝集解
砕の点からより効果的である。また液体成分が2種以上
用いられている場合には予め混合しておくと効果的であ
り、さらに40〜100℃に加温しておくと粘度が低下
し、分散性が向上するのでより効果的である。
【0072】最初に添加する粉体と液体成分の混合終了
時点は、混合度Mとして評価する。この混合度が0.1
以上、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3
以上になれば、混合を終了する。
【0073】次に混合終了後、最初に添加する粉体と比
較して液体浸透速度の大きい他の粉体(以下、浸透速度
の大きい他の粉体という。)を添加混合する。液体浸透
速度の大きい他の粉体の添加前に粉体を予めロッキング
ミキサー等の混合機で穏やかに混合するか、もしくは穏
やかな混合の後ハンマーミル、ピンミル等の粉砕機で粉
砕混合しておくと粉体の凝集の解砕の点からより効果的
である。
【0074】液体浸透速度の大きい他の粉体の添加混合
は、前述した混合度Mと同様の評価を行い、最終的な混
合終了時点を決定する。混合度Mが0.2以上、好まし
くは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上になれば
実質的に均一であると判断でき、液体浸透速度の大きい
他の粉体の添加混合を終了する。
【0075】得られた化粧料粉体をプレス成形、流し込
み成形等の公知の方法で圧縮成形して固形粉末化粧料を
得ることができる。この結果、短時間で粉体及び液体成
分を均一分散し、ケーキングが無く、外観色が明るく、
耐衝撃性に優れ使用感が良好な固形粉末化粧料が得られ
る。
【0076】本発明で用いられる液体成分の配合量は、
粉末化粧料としての仕上がり並びに使用感の観点から、
固形粉末化粧料中0.1〜50重量%が好ましく、1〜
30重量%がより好ましい。
【0077】なお、用いられる粉体および液体成分の種
類、粉体と液体成分の混合工程等は、第一の態様で例示
されたものと同様のものが挙げられる。
【0078】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0079】評価方法 それぞれの実施例及び比較例について、成形品の外観
色、ケーキング性、耐衝撃性及び使用感の4項目を評価
した。内径52mm、深さ4mm、試験面積21cm2
のアルミ製金皿に、粉末化粧料8.0〜8.6gを粉末
成形機(SAP−1、みずほ工業製)で充填し、成形品
とした。
【0080】成形品の外観色は、発色値を測色計(CR
−300、ミノルタ製)で測定した。
【0081】成形品のケーキング性は、1名の評価者
が、スポンジで恣意的に強弱をつけずに成形品を60回
こすり、こすったのちにとれ量が0.5〜1.5gとな
っている成形品を3個用意し、この3個の成形品につい
て、画像解析装置(ルーゼックス III、ニレコ製)によ
ってケーキング発生部の面積の試験面積に対する比率
(%)の平均値を算出して、以下の表1に従って優劣を
評価した。
【0082】
【表1】
【0083】成形品の耐衝撃性は落下試験により評価し
た。即ちコンパクト容器に成形品を装着し、成形品を装
着したコンパクト容器の蓋を閉め、50cmの高さから
厚さ2cmのラワン材に自然落下させ、ひび割れが認め
られるまでの落下回数を測定した。
【0084】使用感は専門パネラーによる使用テストを
行い、塗布時の肌への伸着性、付着性、感触について表
2に示すように評価した。
【0085】
【表2】
【0086】混合度測定 混合度は、混合粉体の発色値を測色計(CR−300、
ミノルタ製)で測定する。これらのデータと以下の式に
より混合度Mを求めた。 M=|(Lt −L0 )/(L∞−L0 )| ここでLt は任意時間の測色値、L0 は初期値、L∞は
飽和測色値(最大値)で、L*a*b*表記のL値を表
す。予備テストによる混合度の測定結果から、L0 =8
1.6、L∞=71.0として測定した。なお、最終的
な混合終了時点における混合度およびトータルの混合時
間を表4に示す。
【0087】実施例1〜3および比較例1で使用した粉
体A、粉体B、液体成分Cおよび液体成分Dを、表3に
示す。
【0088】
【表3】
【0089】液体成分Cおよび液体成分Dのケーキング
性を調べるために、成分Aと成分Bの混合粉体に液体成
分Cまたは液体成分Dを各々添加しヘンシェルミキサー
で30分混合した後、固形粉末化粧料を製造し、それぞ
れについてケーキング試験を行った。その結果、液体成
分C、液体成分Dのケーキング性はそれぞれ×、○であ
り、これらを比較すると、液体成分Dは液体成分Cと比
較してケーキングを起こし難い液体成分であった。
【0090】成分Aの粉体および成分Bの粉体のケーキ
ング性は、成分Aの粉体と成分Bの粉体各々に、液体成
分Cと液体成分Dとの混合液体を添加し、ヘンシェルミ
キサーで30分混合した後、固形粉末化粧料を製造し、
それぞれについてケーキング試験を行った。それぞれに
ついてケーキング試験を行った。その結果、成分Aの粉
体、成分Bの粉体のケーキング性はそれぞれ×、○であ
り、これらを比較すると、成分Bは成分Aと比較してケ
ーキングを起こし難い粉体であった。
【0091】粉体に対する液体成分の浸透速度の測定
は、粉体接触角計(協和界面科学(株)製)を用いて測
定した。成分Aと成分Bの混合粉体に対する液体成分C
または液体成分Dの浸透速度を各々測定したところ、そ
れぞれ1.2、0.5g/m2・sであり、これらを比
較すると、液体成分Cの浸透速度が、液体成分Dの浸透
速度より大きいものであった。
【0092】同様にして、成分Aの粉体と成分Bの粉体
の各々に対して、液体成分Cと液体成分Dとの混合液体
の浸透速度を測定したところ、それぞれ1.2、0.5
g/m2 ・sであり、これらを比較すると、成分Aの粉
体への液体浸透速度が、成分Bの粉体への液体浸透速度
より大きいものであった。
【0093】実施例1 表3に挙げる成分Aの粉体と成分Bの粉体を粗混合し、
次いでハンマーミル(アトマイザーA III型、(株)ダ
ルトン製)で処理して成分Aと成分Bとの混合粉体を得
た。得られた混合粉体をヘンシェルミキサー(FM20
型、三井鉱山(株)製)に仕込み混合開始と同時に、予
め70℃に加温した成分Cの液体成分を添加した。攪拌
翼の周速は41m/s、混合温度70℃一定で20分間
混合し、混合粉体を得た。この時、混合度Mは、0.3
であった。混合終了後、成分Dの液体成分をヘンシェル
ミキサーに仕込み、攪拌翼の周速41m/s、混合温度
70℃一定で更に10分間混合した。次いでハンマーミ
ル(アトマイザーA III型、(株)ダルトン製)で処理
して混合粉体を得た。この混合粉体を直径5cmの金皿
に適量取り、35kgf/cm2 で圧縮成形して固形状
のパウダーファンデーションを得た。
【0094】実施例2 実施例1と同様の操作で、成分Aと成分Bの混合粉体の
半分量をヘンシェルミキサーに仕込み、予め70℃に加
温した成分Cの液体成分を添加し、攪拌翼の周速は41
m/s、混合温度70℃一定で10分間混合し、混合粉
体を得た。この時、混合度Mは、0.2であった。同様
に、残りの成分Aと成分Bの混合粉体をヘンシェルミキ
サーに仕込み、成分Dの液体成分を添加し、同じ条件で
10分間混合し、混合粉体を得た。この時、混合度M
は、0.4であった。次いで、これらの成分A、成分B
および成分Cからなる混合粉体と、成分A、成分Bおよ
び成分Dからなる混合粉体とを、重量比1:1の割合で
ヘンシェルミキサーに仕込み、更に5分間混合した。そ
の他の操作は実施例1と同様にして、パウダーファンデ
ーションを得た。
【0095】実施例3 実施例1と同様の操作で、成分Bの粉体をヘンシェルミ
キサーに仕込み、予め70℃に加温した成分Cと成分D
の混合液体成分を添加した。攪拌翼の周速は41m/
s、混合温度70℃一定で20分間混合し、混合粉体を
得た。この時、混合度Mは、0.5であった。混合終了
後、成分Aの粉体をヘンシェルミキサーに仕込み、更に
10分間混合した。その他の操作は実施例1と同様にし
て、パウダーファンデーションを得た。
【0096】比較例1 実施例1の操作で、成分Aと成分Bの粉体をヘンシェル
ミキサーに仕込み混合開始と同時に、予め70℃に加温
した成分Cと成分Dの混合液体成分を添加した。攪拌翼
の周速は41m/s、混合温度70℃一定で30分間混
合した。その他の操作は実施例1と同様にして、パウダ
ーファンデーションを得た。
【0097】結果 実施例1〜3及び比較例1について評価結果を表4にま
とめた。
【0098】
【表4】
【0099】表4に示されるように、実施例1および2
では、比較例1のものに比べて、耐衝撃性に優れ、外観
色の明るい固形粉末化粧料が得られた。また、実施例2
および3では、比較例1のものに比べて、耐衝撃性に優
れ、ケーキングのほとんどない固形粉末化粧料が得られ
た。
【0100】
【発明の効果】本発明の製造方法により、簡単な操作で
かつ短時間で、成形品表面が均一でケーキングが無く、
外観色が明るく、耐衝撃性に優れ、使用感が良好な固形
粉末化粧料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮武 良和 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4C083 AB212 AB232 AB242 AB432 AC342 AD072 AD092 AD162 BB13 BB21 CC12 DD17 DD21 EE03 EE06 EE07 FF01 FF05 FF06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合した後、前記液体成分と
    比較してケーキングを起こし難い他の液体成分を添加し
    て混合することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形
    粉末化粧料の製造方法。
  2. 【請求項2】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合した後、前記液体成分と
    比較して浸透速度の小さい他の液体成分を添加して混合
    することを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化
    粧料の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合したものと、粉体に前記
    液体成分と比較してケーキングを起こし難い他の液体成
    分を添加して混合したものとを混合することを特徴とす
    る化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法。
  4. 【請求項4】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合したものと、粉体に前記
    液体成分と比較して浸透速度の小さい他の液体成分を添
    加して混合したものとを混合することを特徴とする化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合した後、前記粉体と比較
    してケーキングを起こし易い他の粉体を添加して混合す
    ることを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧
    料の製造方法。
  6. 【請求項6】 粉体と液体成分を混合して得られる化粧
    料粉体を含有する固形粉末化粧料の製造方法において、
    粉体に液体成分を添加して混合した後、前記粉体と比較
    して液体浸透速度の大きい他の粉体を添加して混合する
    ことを特徴とする化粧料粉体を含有する固形粉末化粧料
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016021608A1 (ja) * 2014-08-08 2016-02-11 株式会社 資生堂 固形粉末化粧料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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