JP2003026318A - 搬送装置及びそれに用いられるチェーン - Google Patents

搬送装置及びそれに用いられるチェーン

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JP2003026318A
JP2003026318A JP2001214327A JP2001214327A JP2003026318A JP 2003026318 A JP2003026318 A JP 2003026318A JP 2001214327 A JP2001214327 A JP 2001214327A JP 2001214327 A JP2001214327 A JP 2001214327A JP 2003026318 A JP2003026318 A JP 2003026318A
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Japan
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chain
sheet
rail
shaped resin
sliding
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JP2001214327A
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English (en)
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Yoshikazu Miyagi
義和 宮城
Seigo Yamamoto
誠吾 山本
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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  • Chain Conveyers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送する場合
に、シート状樹脂及び周辺設備の汚染を防ぐとともに、
チェーンの構成部品の補修費用を抑えることにある。 【解決手段】 このチェーン21は、加熱雰囲気下でP
TFEフィルムを搬送する搬送装置に設けられるもので
あって、複数の第1リンク23と、複数の第2リンク2
7とを備えている。第1リンク23は、2本の連結ピン
24と、アタッチメント及びピンリンクプレート25,
26とを有している。第2リンク27は、2つのブッシ
ュ28と、2つのコロ29と、1対のローラリンクプレ
ート30とを有している。そして、コロ29の摺動部分
は黒鉛含有ポリイミドからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送装置、特に、
加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送し、摺動機構部を有
する搬送装置に関する。また、本発明は、そのような搬
送装置に用いられるチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】シート状の樹脂に対し2軸方向に延伸を
行うための延伸装置として、シート状樹脂を一方向に搬
送するための搬送装置を備えたものがある。搬送装置
は、通常、シート状樹脂の幅方向両端部側にそれぞれ1
つずつ配置された2つの搬送機構で構成されており、各
搬送機構は、搬送方向に延びるレールと、レールに沿っ
て配置されるとともに複数のクリップが装着されたチェ
ーンと、チェーンが掛け渡される2つのスプロケット
と、一方のスプロケットを回転駆動させる駆動部とを備
えている。複数のクリップは、シート状樹脂の端部を把
持することができる。
【0003】このような搬送機構では、駆動部によりス
プロケットが回転駆動されると、チェーンはスプロケッ
トからの駆動力を受けてレールに沿って循環する。この
とき、クリップに把持されたシート状樹脂もチェーンと
共に移動することで、シート状樹脂は搬送方向に送られ
る。このとき、シート状樹脂の両側のレールを搬送方向
にかけて間隔が広がるよう設けておくことにより、シー
ト状樹脂は、搬送方向への移動に伴い両端部がクリップ
でそれぞれ外側に引っ張られ、これにより、下流側部分
から順次幅方向に延伸されることとなる。
【0004】この種の延伸装置は、一般に、延伸された
シート状樹脂に対し熱固定を行うための加熱装置をさら
に備えているが、この加熱装置は、搬送方向に沿って配
置されている。このため、シート状樹脂は加熱雰囲気下
で搬送されることとなる。ところで、チェーン及びレー
ルの摺動部分での潤滑作用を得る技術として、これらの
摺動部分に潤滑油を塗布する技術や、チェーンの摺動部
分に耐熱性ベアリングを用いる技術が既に提案されてい
る。これらの技術によれば、潤滑油またはベアリングの
作用によりレール及びチェーンの摩擦が低減され、所望
の潤滑作用が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の技術では、シー
ト状樹脂の搬送速度によっては、チェーン及びレールに
塗布された潤滑油が飛散してシート状樹脂に付着し、製
品としてのシート状樹脂が汚染されてしまうことがあ
る。また、加熱雰囲気下では潤滑油が蒸発し易くなるた
め、搬送速度が小さくてもシート状樹脂に付着する場合
がある。
【0006】一方、後者の技術では、ベアリングの使用
温度限界を超えた場合等は、チェーンまたはレールが空
冷、或いは水、油等の冷媒冷却により冷却されるよう構
成されているが、チェーン等が冷却されると、シート状
樹脂の幅方向両端部の温度が中央部分の温度に比べ下が
るため、シート状樹脂の温度分布にムラができ、この結
果、均一な延伸加工ができなくなる。
【0007】そして、延伸の対象となるシート状樹脂の
材質によっては、200℃以上の高温度下で延伸を行う
必要があるが、この場合は、前者の技術では、潤滑油は
蒸発しやすくなるため使用できず、また、後者の技術で
は、この程度の温度下での使用に適したベアリング材料
がない。したがって、これらの技術での延伸には限界が
ある。
【0008】そこで、高温下で延伸を行う際は、チェー
ン等の早期摩耗を前提としつつ、高温での酸化防止のた
めに、摺動部分に酸化防止のためにステンレスを用いた
チェーンが既に提案されている。しかし、このような技
術では、摺動部分の早期摩耗のみが生じるのみでなく、
摩耗粉が散乱してシート状樹脂或いは周辺設備が汚染さ
れてしまう。また、摺動部分に初期焼き付けが生じ、例
えばチェーンの転動体の一部が他の部分に比べ著しく焼
き付いた場合は、転動体はレール上を転動せずに摺動す
ることとなるため、レールまでが摩耗するようになる。
【0009】また、この技術では、転動体やこれを支持
する軸受部分等の構成部品は、早期に摩耗し、寿命が短
いため、部品の補修、交換等に要する費用の負担が大き
くなる。特に、シート状樹脂の熱加工装置においては、
その特殊性から、チェーン或いは搬送機構は装置ごとに
異なる規格、寸法設計で構成されており、このため、一
部の構成部品を取り換えるために例えばチェーン全体を
取り換える必要が生じる等して、これらの部品等の維持
管理費用は膨大になる。
【0010】さらに、摺動部分における摩擦が大きくな
ることにより、装置を稼働させるのに過剰な動力を必要
とし、設備の稼働に要する費用も増大する。本発明の目
的は、加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送する場合に、
シート状樹脂及び周辺設備の汚染を防ぐとともに、チェ
ーン等の構成部品の補修費用を抑えることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の搬送装
置は、加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送し、摺動機構
部を有する搬送装置であって、摺動機構部は、少なくと
も摺動部分の一部が自己潤滑性材料からなる。本発明に
おいてシート状樹脂とは、フィルム状、膜状等、平面的
な形状に加工された樹脂をいい、厚みの大きさは問わな
い。
【0012】この搬送装置は、例えば、シート状樹脂に
対し加熱雰囲気下で延伸、熱固定等の処理を施すための
加工装置に設けられており、これらの熱処理をシート状
樹脂を搬送しながら行えるようにするための装置であ
る。この搬送装置は、摺動機構部を有しているが、本発
明において、摺動機構部とは、後述する搬送装置の構成
要素であるチェーン、レール等において、チェーン走行
時等に、チェーン及びレールの構成部品間、また、チェ
ーン、レール間に摺動を生じさせる機構の部分をいう。
【0013】この搬送装置では、チェーン走行時等に、
摺動機構部において摺動による摩擦が発生するが、少な
くとも摺動部分の一部が自己潤滑性材料からなるため、
摺動部分での摩擦は低減され、摺動部分におけるこれら
構成部品等の摩耗が抑えられる。これにより、摩耗粉が
生じてシート状樹脂が汚染されるのを抑えることがで
き、また、部品寿命が延びるため、各構成部品の補修費
用を抑えることができる。
【0014】また、ここでは、高温無給油による方法で
潤滑作用が得られるため、従来のように潤滑油がシート
状樹脂に付着することがなく、また、高温時にチェーン
及びレールを冷却させる構成ではないため、従来のよう
にシート状樹脂の温度分布にムラが生じることがなく、
均一な延伸を行うことができる。なお、本発明におい
て、自己潤滑性材料とは、例えば樹脂母材中に固体潤滑
剤が含浸されてなる材料のように、それ自体では潤滑性
を有しない母材が所定の潤滑剤を含有することで潤滑性
を有するに至った材料をいい、潤滑油のようにそれ自体
が潤滑性を有するものはここでは含まない。
【0015】また、この例における固体潤滑剤とは、比
較的高温(主に、200℃〜400℃)においても固体
である潤滑剤をいい、グリース等、高温で一定の形態を
保たないものは含まない。請求項2に記載の搬送装置
は、請求項1の搬送装置において、レールと、チェーン
とを備えている。レールは、シート状樹脂の搬送方向に
延びて設けられている。チェーンは、レールに沿って循
環しかつシート状樹脂を搬送する。そして、摺動機構部
は、チェーン,チェーンとレールとの間,レールの少な
くともいずれかに設けられている。
【0016】この搬送機構は、具体的に、チェーン及び
レールを備えているが、チェーンは、一般に他の構成要
素に比べ、構成部品が多くかつ部品間で回動可能である
ため摺動部分が多い。また、チェーン走行時には、レー
ルとチェーンとの間で摺動が起き易く、さらに、レール
には、チェーンの走行時の姿勢を維持するための別部品
等が設けられる場合があるが、そのような場合は、チェ
ーンの走行によりこれらの部品間でも摺動が生じる。
【0017】そこで、この搬送機構では、チェーン、レ
ール、及びチェーンとレールとの間に設けられた摺動機
構部において、摺動部分の一部を自己潤滑性材料で構成
することにより、摺動時の摩擦を低減し、これにより、
部品の摩耗を抑えるようにしている。請求項3に記載の
搬送装置は、請求項2の搬送装置において、チェーン
は、複数の第1チェーン要素と、複数の第2チェーン要
素とを備えている。
【0018】複数の第1チェーン要素は、環状に連結さ
れ、2本の回動軸と、1対の第1プレートとを有する。
2本の回動支持軸は平行に延びる。1対の第1プレート
は、2本の回動支持軸を軸方向両側から狭持するよう対
向して配置されている。複数の第2チェーン要素は、2
つの筒状部と、2つの転動体と、1対の第2プレートと
を有する。2つの筒状部は、1つの第1チェーン要素の
一方の回動支持軸回りに及び1つのチェーン要素に隣接
する他の1つの第1チェーン要素の一方の回動支持軸回
りにそれぞれ回動自在に装着される。2つの転動体は、
2つの筒状部回りにそれぞれ回動自在に装着されレール
上を転動可能である。1対の第2プレートは、2つの筒
状部を軸方向両側から狭持するよう対向して配置される
とともに筒状部を狭持する部分に第1チェーン要素の回
動支持軸が挿通可能な貫通孔がそれぞれ形成されてい
る。
【0019】そして、転動体、筒状部及び回動支持軸の
少なくともいずれか1つは、少なくとも摺動部分が自己
潤滑性材料からなる。このチェーンを用いた搬送装置で
は、例えば駆動部からスプロケット等を介して駆動力が
伝達されると、チェーンがレールに沿って循環し、これ
により、シート状樹脂は搬送される。
【0020】このとき、第2チェーン要素の転動体がレ
ール上を転動することにより、転動体の内周部と筒状体
の外周部とが摺動する。一方、このチェーンが、例えば
レールが曲線軌道をとる部分や折り返し部分に沿って移
動する場合は、隣接する第1チェーン要素と第2チェー
ン要素とが相対的に回動するが、この場合は、第2チェ
ーン要素の筒状部の内周部と、第1チェーン要素の回動
支持軸とが摺動する。
【0021】そして、このチェーンでは、転動体、筒状
部及び回動支持軸の少なくともいずれかの摺動部分が自
己潤滑性材料からなるため、摺動部分における摩擦が低
減される。したがって、チェーンの構成部品から摩耗粉
が生じるのを抑え、シート状樹脂或いは周辺設備が汚染
されるのを抑えることができる。また、摺動部分の摩擦
が低減された結果、転動体等の初期焼き付けの発生が抑
えられ、構成部品の寿命を延ばすことができる。これに
より、部品の補修、交換の回数を減らし、これら構成部
品の維持費を抑えることができる。
【0022】請求項4に記載の搬送装置は、請求項2ま
たは3の搬送装置において、レールは、シート状樹脂の
幅方向外方に鉛直方向に延びかつシート状樹脂の幅方向
端部に沿って形成された第1壁部と、第1壁部のさらに
外方に第1壁部に対向して第1壁部と平行に形成された
第2壁部とを有している。チェーンは、転動体が第1及
び第2壁部のいずれかに対し転動可能に第1壁部と第2
壁部との間に配置されるとともに、クリップと、平面部
と、姿勢維持手段とをさらに備えている。クリップは、
第1壁部の上方をシート状樹脂側に突出して装着されシ
ート状樹脂の幅方向端部を把持する。平面部は、第2壁
部の上方をクリップと逆側に延びて形成された部分であ
る。姿勢維持手段は、レールに沿って循環するときの第
1及び第2壁部に対する姿勢を維持可能な手段である。
【0023】姿勢維持手段は、第1軸部と、第1回動体
とを有している。第1軸部は、平面部の上方に設けられ
ている。第1回動体は、第1軸部回りに回動自在に装着
されるとともに平面部上を転動可能である。そして、第
1回動体及び第1軸部の少なくとも一方は、少なくとも
摺動部分が自己潤滑性材料からなる。ここでは、クリッ
プが一方に突出して装着されているため、両壁部の間に
配置されたチェーンがクリップの重みでクリップ側に傾
いて、転動体は正常に転動し得なくなる。
【0024】しかし、このチェーンでは、クリップと逆
側に延びる平面部に対し上方から第1回動体が当接して
転動するよう構成されているため、両壁部内でのチェー
ンの姿勢は正常に保たれ、これにより、摺動部分の早期
摩耗を抑制することができる。そして、この第1回動体
及び第1軸部の少なくとも一方は、摺動部分が自己潤滑
性材料で形成されているため、これらの部材の摺動部分
においても摩耗が生じるのを抑えることができ、この結
果、レール及びチェーンの補修費用を抑えることができ
る。
【0025】請求項5に記載の搬送装置は、請求項4の
搬送装置において、姿勢維持手段は、第2軸部と、第2
回動体とをさらに備えている。第2軸部は、第1壁部と
第2壁部との間のチェーンの下方に設けられている。第
2回動体は、第2軸部回りに回動可能に装着されるとと
もにチェーンに対し転動可能である。そして、第2回動
体及び第2軸部の少なくとも一方は、少なくとも摺動部
分が自己潤滑性材料からなる。
【0026】このチェーンでは、姿勢維持手段によりチ
ェーンが両壁部の間で正常な姿勢を保つこととなるが、
一方で、チェーンは、第1及び第2壁部の間を自重によ
り下方にずれ落ちようとする。このような状態では、ク
リップ及び平坦部が両壁部の上端と接触しチェーンの走
行が困難となる。そこで、このチェーンでは、両壁部の
間のチェーンの下方に第2回動体及び第2軸部を配置し
て、チェーンが下方にずれ落ちるのを防止している。
【0027】また、このチェーンでは、第2回動体及び
第2軸部は、チェーン及びクリップからの荷重を受ける
が、少なくとも一方の摺動部分が自己潤滑性材料で構成
されているため、摺動部分の摩擦を下げ、摩耗を抑える
ことができる。なお、本発明において、「鉛直方向、上
方、下方」との語は、通常の使用状態での装置に対する
チェーン及びレールの構成部品の相対位置を示すもので
あり、絶対的な方向を指すものではない。
【0028】請求項6に記載の搬送装置は、請求項2ま
たは3の搬送装置において、レールは、シート状樹脂の
幅方向外方に装置から鉛直方向に延びかつシート状樹脂
の幅方向端部に沿って形成された壁部を有している。チ
ェーンは、壁部の片側に配置されるとともに、クリップ
と、姿勢維持手段とをさらに備えている。クリップは、
シート状樹脂の幅方向端部を把持可能に装着されてい
る。姿勢維持手段は、レールに沿って循環するときの壁
部に対する姿勢を維持可能である。
【0029】そして、姿勢維持手段は、複数の軸部と、
複数の回動体とを有ている。複数の軸部は、壁部の両側
に少なくとも1ずつ設けられている。複数の回動体は、
複数の軸部回りにそれぞれ回動自在に装着されかつ壁部
上を転動可能である。そして、回動体及び軸部の少なく
とも一方は、少なくとも摺動部分が自己潤滑性材料から
なる。
【0030】このチェーンは、壁部の片側に配置されか
つクリップが装着されているため、シート状樹脂を把持
したクリップがシート状樹脂側に引っ張られることによ
り、チェーン及びクリップは走行時に壁部に対し傾いた
姿勢をとろうとする。しかし、チェーンは、姿勢維持手
段により、かかる状況にあっても走行時の姿勢を保つこ
とができる。そして、姿勢維持手段の回動体及び軸部の
少なくとも一方の摺動部分が自己潤滑性材料で構成され
ているため、これらの摺動部分での摩擦が低減され、こ
の結果、摺動部分における摩耗が抑えられる。
【0031】なお、このチェーンでは、回動体が壁部を
狭持して回動することによりチェーンの姿勢が保持され
るため、第2チェーン要素の転動体は壁部から離して配
置することが可能である。この場合、転動体は、例えば
チェーンがスプロケットに噛み合う部分等で回動するこ
ととなる。請求項7に記載の搬送装置は、請求項2の搬
送装置において、レールは、シート状樹脂の幅方向外方
にシート状樹脂の幅方向端部に沿って形成され、チェー
ンを支持可能な第1支持部と、チェーンのシート状樹脂
に対向し得る側部を支持可能な第2支持部とを有してい
る。
【0032】チェーンは、クリップと、摺動部材とを有
している。クリップは、シート状樹脂の幅方向端部を把
持可能に装着されている。摺動部材は、第1及び第2支
持部に対し摺動可能に装着されている。そして、第1及
び第2支持部、及び摺動部材の少なくとも一方は、少な
くとも摺動部分が自己潤滑性材料からなる。このチェー
ンは、底部と、シート状樹脂に対向し得る側部とが、摺
動部材を介してレールの支持部により支持されており、
摺動部材が支持部に対し摺動することにより、レールに
沿って走行可能となっている。
【0033】このチェーンでは、シート状樹脂を把持し
たクリップがシート状樹脂側に引っ張られることで、摺
動部材と支持部との間の摩擦が大きくなり得るが、摺動
部材及び支持部の少なくとも一方の摺動部分は自己潤滑
性材料で構成されているため、これらの摺動部分での摩
擦が低減され、この結果、摺動部分における摩耗が抑え
られる。
【0034】また、このチェーンでも、第2チェーン要
素の転動体は壁部から離して配置することが可能であ
る。請求項8に記載の搬送装置は、請求項1から7のい
ずれかの搬送装置において、自己潤滑性材料は、固体潤
滑剤と、固体潤滑剤を含有する母材とからなる。本発明
では、摺動機構部における摺動部分に自己潤滑性材料を
用いることにより、摺動部分における摩擦を低減するよ
うにしているが、このような自己潤滑性材料として、固
体潤滑剤が含浸等された母材を用いたものが特に優れて
いることが、本発明者らの研究により明らかにされた。
【0035】そこで、この搬送装置では、特に、このよ
うな自己潤滑性材料を用いることにより、摺動部分にお
ける摩擦の低減を図るようにしている。請求項9に記載
の搬送装置は、請求項1から8のいずれかの搬送装置に
おいて、シート状樹脂は、200℃以上400℃以下の
加熱雰囲気下で搬送される。フッ素系樹脂やポリイミド
のような加工温度の高い樹脂に対しての延伸加工、熱固
定処理等は、一般的な汎用性樹脂を延伸等する場合に比
べ上記温度範囲のような高温度下で行われる場合があ
る。
【0036】しかし、前述のように、このような高温度
下では、チェーンの摺動部分に潤滑剤を塗布した場合は
潤滑剤がシート状樹脂に付着するおそれがあり、また、
耐熱性ベアリングを用いるとともにチェーンの冷却を行
う場合は、シート状樹脂の温度分布にムラができ、均一
な延伸を行うことができない。そこで、本発明のチェー
ンでは、摺動部分に自己潤滑性材料を用いることで、高
温無給油による摩擦の低減を図っているが、ここでは、
特に、200℃〜400℃の高温度下でシート状樹脂を
熱加工する場合においても有効に摩擦を低減することが
できる。
【0037】なお、より好ましい温度範囲は300℃〜
400℃である。請求項10に記載の搬送装置は、請求
項1から9のいずれかの搬送装置において、シート状樹
脂はフッ素樹脂からなる。フッ素系樹脂からなるシート
状樹脂は、予め一軸延伸した後これと直交する方向にさ
らに延伸することにより、例えば、多数の空隙を有する
多孔膜構造のものが得られる場合がある。
【0038】このような多孔膜は、微細な繊維構造を有
しているため、例えばクリーンルームや半導体製造装置
における空気清浄のためのフィルタ濾材として用いるこ
とができる。しかし、このような場合に、シート状樹脂
に潤滑油や部品の摺動部分から生じた摩耗粉が付着する
ことは、上記多孔膜等が完成時において既に汚染された
状態にあることを意味する。
【0039】したがって、このようなシート状樹脂は、
特に、製造時における汚染物質の付着を回避する必要性
が高いが、このチェーンでは摺動部分を自己潤滑性材料
で構成したため、高温無給油による摩擦の低減が可能と
なっている。請求項11に記載のチェーンは、加熱雰囲
気下でシート状樹脂を搬送する搬送装に設けられるも
のであって、複数の第1チェーン要素と、複数の第2チ
ェーン要素とを備えている。
【0040】複数の第1チェーン要素は、環状に連結さ
れ、2本の回動軸と、1対の第1プレートとを有する。
2本の回動支持軸は平行に延びる。1対の第1プレート
は、2本の回動支持軸を軸方向両側から狭持するよう対
向して配置されている。複数の第2チェーン要素は、2
つの筒状部と、2つの転動体と、1対の第2プレートと
を有する。2つの筒状部は、1つの第1チェーン要素の
一方の回動支持軸回りに及び1つのチェーン要素に隣接
する他の1つの第1チェーン要素の一方の回動支持軸回
りにそれぞれ回動自在に装着される。2つの転動体は、
2つの筒状部回りにそれぞれ回動自在に装着されレール
上を転動可能である。1対の第2プレートは、2つの筒
状部を軸方向両側から狭持するよう対向して配置される
とともに筒状部を狭持する部分に第1チェーン要素の回
動支持軸が挿通可能な貫通孔がそれぞれ形成されてい
る。
【0041】そして、転動体、筒状部及び回動支持軸の
少なくともいずれか1つは、少なくとも摺動部分が自己
潤滑性材料からなる。このチェーンでは、摺動部分に自
己潤滑性材料を用いているため、これらの部分における
摩擦が低減され、摩耗を抑えることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】[第1実施形態] <全体構成>図1に、本発明の第1実施形態によるチェ
ーン21(図2参照)を有する二軸延伸装置(テンタ
ー)1の概略を示す。
【0043】テンター1は、一軸延伸されたポリテトラ
フルオロエチレン(以下、PTFE)フィルムを搬送し
ながら熱加工してPTFE多孔膜を得るための装置であ
って、PTFEフィルム(図示せず)の搬送方向(矢印
P)の上流側から順に配置された、予熱室3、延伸室
5、熱固定室7を備えている。予熱室3では、テンター
1に搬送される前に上流側で予め一軸延伸されたPTF
Eフィルムを所定の温度まで加熱する。延伸室5では、
予熱室3で加熱されたPTFEフィルムを幅方向(図1
において上下方向)に延伸する。熱固定室7では、延伸
室5で延伸されたPTFEフィルムに対し熱固定を行
う。また、テンター1は、これら3つの室3,5,7を
搬送方向に貫いて配置された搬送装置(図示せず)をさ
らに備えている。
【0044】搬送装置は、PTFEフィルムの幅方向両
側に配置された1対の搬送機構(図示せず)で構成され
ている。各搬送機構は、駆動部(図示せず)と、2つの
スプロケット(図示せず)と、チェーン21と、レール
15とを備えている。駆動部は、スプロケットを回転駆
動させるためのものである。スプロケットは、搬送機構
の上流側及び下流側端部にそれぞれ設けられており、駆
動部からの駆動力をチェーン21に伝達する。
【0045】チェーン21は、PTFEフィルムをP方
向に搬送するよう循環する環状部材であり、上流側及び
下流側の2つのスプロケットの間に掛け渡されてレール
15に装着されている。レール15は、チェーン21が
PTFEフィルムの幅方向端部に沿って循環するための
軌道であり、PTFEフィルムを挟む両側に配置されて
いる。
【0046】なお、図1において、15aと15bとが
左右方向端部で連結されて1つのレールを構成し、同様
に、15cと15bとが連結されて1つのレール15を
構成している。PTFEフィルムは、15aと15cと
の間をP方向に搬送される。そして、15a及び15c
は、PTFEフィルムを搬送するための「行き」の部分
であり、15b及び15dは、右側から左側に戻るため
の「戻り」の部分である。
【0047】この搬送装置は、チェーン21は20m/
minの速度で循環される。 <レール及びチェーン>以下、図2から図6に基づい
て、本実施形態のレール15及びチェーン21について
詳細に説明する。レール レール15は、図3に示すように、テンター1に対し鉛
直方向に延びかつPTFEフィルムの幅方向端部に沿っ
て形成された外側レール(第1壁部)13aと、外側レ
ール13aから後述するローラリンクのコロ29の外径
より僅かに大きい長さだけ離れて外側レール13aと平
行に設けられた内側レール(第2壁部)13bとで構成
されている。
【0048】内側レール13bは、補助プレート33
と、複数の第1ピン(第1軸部)34及び第1ローラ
(第1回動体)35とを有している。補助プレート33
は、外側レール13aと逆側の面から内側レール13b
の上方に延びて形成されたプレート状部分であり、別の
プレート33aを介して内側レール13bに装着されて
いる。
【0049】第1ピン34は、補助プレート33に外側
レール13a側に延びて設けられている。第1ローラ3
5は、第1ピン34回りに回動自在に装着されており、
平面部25a(後述)を下方に押圧しながら回動可能で
ある。また、外側レール13aと内側レール13bとの
間には、第2ピン部44と、ブッシュ(第2軸部)46
と、第2ローラ(第2回動体)45とが配置されてい
る。
【0050】第2ピン部44は、外側レール13aを貫
通するボルト44aと、このボルト44aと同軸にかつ
対向して内側レール13bを貫通するボルト44bと、
これらのボルト44a,44bの外周側を被覆するよう
設けられた筒状部44cとで構成される。第2ローラ4
5は、第2ピン部44回りに回動自在に装着されてい
る。第2ローラ45は、後述するピンリンクプレート
(第1プレート)26を支持しながら回動可能である。
【0051】チェーン チェーン21は、図2及び図4に示すように、複数のピ
ンリンク(第1チェーン要素)23とこれと同数のロー
ラリンク(第2チェーン要素)27とが交互に連結され
てなる。ピンリンク23は、図4及び図5に示すよう
に、2本の連結ピン(回動支持軸)24と、アタッチメ
ントプレート(第1プレート)25と、ピンリンクプレ
ート(第1プレート)26とを有する。
【0052】2本の連結ピン24は、平行に延びて配置
されており、先端部はそれぞれナット32(後述)が螺
合するためのネジが形成されている。アタッチメントプ
レート25とピンリンクプレート26とは、2本の連結
ピン24を軸方向両側から狭持するよう対向して配置さ
れている。アタッチメントプレート25には、PTFE
フィルムの幅方向端部を把持するためのクリップ31が
ナット32を介して装着されている。このクリップ31
は、図3に示すように、外側レール13aの上方を外側
に突出して装着されている。また、アタッチメントプレ
ート25は、内側レール13bの上方を外方に延びて形
成された平面部25aを有している。
【0053】ローラリンク27は、2つのブッシュ(筒
状部)28と、2つのコロ(転動体)29と、1対のロ
ーラリンクプレート(第2プレート)30とを有する。
2つのブッシュ28の一方は、ピンリンク23の一方の
連結ピン24に挿通され連結ピン24回りに回動自在に
装着され、他方のブッシュ28は、このピンリンク23
に隣接する他のピンリンク23の一方の連結ピン24に
挿通され連結ピン24回りに回動自在に装着されてい
る。これにより、複数のピンリンク23と複数のローラ
リンク27とが連結される。
【0054】コロ29は、ブッシュ28に挿通されブッ
シュ28回りに回動自在に装着されている。コロ29の
外径は、ローラリンクプレート30の幅方向(短手方
向)長さより僅かに大きく、これにより、レール15の
外側レール15a又は内側レール15b上を転動するこ
とができる。1対のローラリンクプレート30,30
は、2つのブッシュ28を軸方向両側から狭持するよう
対向して配置されている。ローラリンクプレート30の
ブッシュ28を狭持する部分には、貫通孔30aが形成
されており、ブッシュ28の軸方向端部が嵌合的に装着
されるとともに、ピンリンク23の連結ピン24が挿通
可能に形成されている。
【0055】<摺動部分の構成>コロ コロ29は、本実施形態では、本体部29aと、本体部
29aの内周部に装着された摺動部29bとからなる。
摺動部29bは、自己潤滑性材料からなり、ここでは、
黒鉛を含有するポリイミドを用いて形成されている。
【0056】なお、摺動部29bの軸方向端部の一方或
いは両方には、本体部30aの軸方向端部とローラリン
クプレート30との間に径方向に延びる鍔部を有するよ
う形成してもよい。この場合は、コロ29が転動する際
のローラリンクプレート30と本体部29aとの間の摩
擦が低減される。摺動部29bは、黒鉛含有ポリイミド
に代えて、固定潤滑剤(黒鉛及び二硫化モリブデンをバ
インダーで固めてなる潤滑剤)含有銅合金等、他の自己
潤滑性材料により形成してもよい。
【0057】また、摺動部29bは、本体部29aの内
周部に装着する以外に、コーティング或いはインサート
成型により設けてもよい。さらに、コロ29全体を自己
潤滑性材料で一体成型してもよい。また、本実施形態で
は、コロ29にのみ自己潤滑性材料からなる部分を設け
たが、チェーン21の摺動部分の摩耗をより有効に抑え
るには、連結ピン24も自己潤滑性材料で形成するのが
好ましい。また、摺動部29b及び連結ピン24を自己
潤滑性材料で形成する代わりに、ブッシュ28を自己潤
滑性材料で形成しても同様の作用効果が得られる。
【0058】第1及び第2ローラ 第1ローラ35の内周部35b及びブッシュ46は、コ
ロ29の摺動部29bと同様に、黒鉛含有ポリイミドで
形成されている。なお、第1ローラ35の内周部35b
に代えて、第1ピン34を自己潤滑性材料で形成しても
よく、また、ブッシュ46に代えて、第2ローラ45の
内周部を自己潤滑性材料で形成してもよい。また、自己
潤滑性材料として、黒鉛含有ポリイミドに代えて固定潤
滑剤含有銅合金等の他の自己潤滑性材料を用いてもよ
い。さらに、自己潤滑性材料は、嵌合、コーティング、
インサート成型等の方法により設けることができ、ま
た、第1及び第2ローラ35,45は、全体を自己潤滑
性材料で一体成型してもよい。
【0059】<動作及び作用効果>次に、テンター1の
動作について説明する。一軸延伸されたPTFEフィル
ムがテンター1に送られると、PTFEフィルムは、ま
ず、予熱室3で200℃〜300℃に昇温され、次い
で、延伸室5に搬送されるとともに、両端部が2つのク
リップ31により把持される。そして、PTFE両側の
チェーン21がレール15に沿って互いの間隔が徐々に
広がるよう移動することで、PTFEフィルムはクリッ
プ31に引っ張られ幅方向に延伸される。延伸されたP
TFEフィルムは、次に、熱固定室7に搬送され、ここ
で2軸方向に延伸されたPTFEフィルムに対し熱固定
処理が施される。これにより、PTFE多孔膜が形成さ
れる。
【0060】このようなPTFEフィルムの搬送動作に
おいて、搬送装置では、駆動部によりスプロケットが回
転駆動される。すると、スプロケットに掛け渡されたチ
ェーン21は、スプロケットの回転駆動により、PTF
Eフィルム近傍をレール15に沿って循環する。これに
より、クリップ31を介してPTFEフィルムがP方向
に搬送される。
【0061】このとき、ローラリンク27のコロ29が
外側または内側レール13a,13b上を転動し、コロ
29の内周部がブッシュ28に対し摺動する。ここで、
コロ29には、黒鉛含有ポリイミドからなる摺動部29
bが設けられているため、摺動時におけるコロ29とブ
ッシュ28との間の摩擦係数は低減される。したがっ
て、このチェーン21では、コロ29及びブッシュ28
が摩耗して摩耗粉が生じるのを抑えることができ、した
がって、PTFEフィルムや周辺設備が汚染されるのを
防ぐことができる。また、摺動部分の摩擦が低減された
結果、コロ29の初期焼き付けの発生が抑えられ、コロ
29が転動せずにレール15に対し摺動するという事態
を回避することができる。
【0062】これにより、コロ29、ブッシュ28、レ
ール15等の寿命が延び、コロ29、ブッシュ28、レ
ール15等の補修、交換の回数を減らし、チェーン21
の構成部品或いはレール15の維持費を抑えることがで
きる。また、このチェーン21は、レール15が曲線軌
道をとる部分や、スプロケットに噛み合う部分では、ピ
ンリンク23とローラリンク27とが相対的に回動す
る。このとき、ブッシュ28が連結ピン24に対し摺動
するが、この場合も、ブッシュ28或いは連結ピン24
を自己潤滑性材料で構成することにより、摺動部分での
摩擦が低減され、摩耗粉が生じたり、初期焼き付けが生
じたりするのを抑えることができる。
【0063】これと同様に、第1及び第2ローラ35,
45と第1ピン34及び第2ピン部44との間の摺動部
分も、摩擦が低減され同様な作用効果が得られる。この
ように、本実施形態のテンター1は、潤滑油を用いずに
高温度下で(高温無給油下で)稼働されるため、従来の
ように潤滑油が蒸発してPTFEフィルムに付着するこ
とがなく、また、チェーン21及びレール15の冷却を
行わないため、PTFEフィルムの温度分布にムラがで
きるの抑え、均一な延伸を行うことができる。
【0064】本実施形態で作成されるPTFE多孔膜
は、主として、クリーンルーム、半導体製造装置等のフ
ィルタに用いられ、製品自体に高い清浄度が要求され
る。このようなPTFE多孔膜は、複数の工程を通じて
作成されるため、製造時に既にPTFE多孔膜に汚染物
質等が付着している場合に、その汚染源を明確に特定す
るのは困難である。
【0065】しかし、その汚染源の一部として、PTF
E多孔膜の二軸延伸時に飛散する潤滑油や各種部品の摩
耗粉等も含まれることが本発明者らの研究により明らに
された。そこで、本発明では、部品の摺動部分に自己潤
滑性材料を用いることで高温無給油により二軸延伸時の
PTFE多孔膜に対する汚染物質の付着を抑え、これに
より、PTFE多孔膜或いはこれを利用したフィルタ濾
材等が製造時に既に汚染された状態となるのを抑制する
ようにしている。
【0066】なお、本実施形態では、コロ29は各ブッ
シュ28に1つずつ挿通されているが、2つのコロを軸
方向に並べた状態で各ブッシュ28に挿通してもよい。
チェーン11が例えば循環時に不意にレールに対して傾
くと、コロ29は、レールに対し傾斜して軸方向上端及
び下端がそれぞれ外側及び内側レール13a,13bに
接触し、1つの転動体が同時に2つの転動面に当接した
状態となる場合がある。このような状態では、コロ29
は、回転せずにレールに対し摺動したり、一方のレール
上のみを転動して他方のレールに対しては逆回転した状
態で摺動したりする。この結果、コロ29、レールが早
期に摩耗してしまうことが考えられる。
【0067】そこで、上記のように、コロを1つのブッ
シュ28に2つ配置すると、2つのコロは、軸方向に並
べられているため、チェーンがレールに対し傾斜して
も、それぞれ一方のレールとしか接触しないため、互い
に逆向きに回転することが可能となる。これにより、コ
ロ及びレールの早期摩耗を抑えることができる。 [第2実施形態]ここでは、第1実施形態との相違に注
目して説明する。
【0068】<第1例>図6に、実施形態の第1例によ
るチェーン51を備えた搬送機構を示す。この搬送機構
において、レール55は、PTFEフィルムの幅方向外
方にテンター1から鉛直方向に延びかつPTFEフィル
ムの幅方向端部に沿って形成された環状のモノレール
(壁部)である。
【0069】チェーン51は、レール55の外周側に配
置されており、チェーン保持部材60と、クリップ61
と、姿勢維持手段65と備えている。チェーン保持部材
60は、クリップ61及び姿勢維持手段65を介してチ
ェーン51をレール55に装着させるための部材であ
り、チェーン51の外周部の一部を覆うようチェーン5
1に装着されている。なお、この搬送機構では、チェー
ン51の転動体53は、レール55から離れて配置さ
れ、ここでは、スプロケットにのみ接触する。
【0070】クリップ61は、PTFEフィルムの幅方
向端部を把持可能にチェーン保持部材60を介して装着
されている。姿勢維持手段65は、チェーン51の走行
時におけるレール55に対する姿勢を保持するための手
段であり、4つの軸(軸部)66と、それぞれ軸66回
りに回動自在に装着された4つのローラ(回動体)67
とを有している。
【0071】4つの軸66は、図示されるように、レー
ル55の上方位置を挟んで対向する2箇所とレール55
の下方を挟んで対向する2箇所とに設けられている。4
つのローラ67は、レール55の上部及び下部でそれぞ
れローラ対を形成しており、各ローラ対はレール55を
狭持するようレール55上を転動する。ローラ67の内
周部には黒鉛含有ポリイミドで形成された摺動部67a
が設けられている。回動体及び軸部の少なくとも一方
は、少なくとも摺動部分が自己潤滑性材料からなる。
【0072】この搬送機構では、チェーン51は、レー
ル55の片側に配置されかつ比較的重量の大きいクリッ
プ61が装着されているため、延伸時にクリップ61が
例えばPTFEフィルムの幅方向外方に移動しようとす
ると、クリップ61に把持されたPTFEフィルムから
の張力を受けて、レール55に対し傾いた姿勢を取ろう
とする。
【0073】しかし、チェーン51は、2つのローラ対
がレール55を狭持してレール55を転動することによ
り、走行時の姿勢が正常に保たれる。また、ローラ67
は自己潤滑性樹脂からなる摺動部67aを有しているた
め、ローラ67及び軸66の摺動部分での摩擦が低減さ
れ、これにより、摺動部分における摩耗が抑えられる。
【0074】<第2例>ここでは上記第1例との相違に
注目して説明する。図7に、本実施形態の第2例による
チェーン71を備えた搬送機構を示す。この搬送機構に
おいて、姿勢維持手段85は、チェーン保持部材80の
下方に設けられた軸86及びローラ87と、クリップに
設けられた軸88及びローラ89と、同じくクリップに
設けられた軸88及びローラ89と、1対の補助プレー
ト92,93とを有している。
【0075】ローラ(回動体)87,89,91は、軸
(軸部)86,88,90にそれぞれ回動自在に連結さ
れている。軸88及びローラ89は、レール75外周側
の下方位置に設けられ、ローラ89はレール75上を転
動可能である。軸90及びローラ91はレール75内周
側の上方位置に設けられ、ローラ2はレール75上を転
動可能である。
【0076】1対の補助プレート90,92はレール7
5の内周側に水平方向に延びて平行に設けられたプレー
ト対であり、2枚の補助プレート92,93の間には、
軸90及びローラ91が配置されている。ローラ91
は、1対の補助プレート91,92のいずれかに対し転
動可能である。また、ローラ87,89,91の内周部
には、黒鉛含有ポリイミドで形成された摺動部87a,
89b,91cが設けられている。
【0077】この搬送機構では、ローラ91が補助プレ
ート92に下方から当接して転動することによりローラ
87,89がレール75上を正常な姿勢で転動し、これ
により、チェーン71の走行時の姿勢が安定する。ま
た、ここでも、上記第1例と同様に、各ローラ87,8
9,91の内周部は自己潤滑性材料からなるため、ロー
ラ87,89,91と軸86,88,90との摺動部分
の摩擦が低減され、この結果、摺動部分の摩耗が抑えら
れる。
【0078】[第3実施形態]ここでは、上記実施形態
との相違に注目して説明する。 <第1例>図8に、本実施形態の第1例によるチェーン
101を備えた搬送機構を示す。この搬送機構では、チ
ェーン保持部材110の底部及び側部には、黒鉛含有ポ
リイミドからなる摺動部113が設けられている。摺動
部113は、主にチェーン保持部材110の側部に設け
られた摺動プレート113aと、チェーン保持部材11
0の底部に設けられた摺動プレート113bと、チェー
ン保持部材110の底部の端部に設けられた摺動プレー
ト113cとからなる。摺動プレート113cはチェー
ン保持部材110端部の上面に当接するよう折り返され
ている。
【0079】レール105には、摺動部113を支持す
るための支持部115が設けられており、支持部115
は、摺動部113の側面を支持する支持プレート115
aと、摺動部113の底面を支持する支持プレート11
5bとからなる。支持部115は、焼き入れ鋼で形成さ
れている。また、レール105は、摺動プレート113
cの折り返し部分に上方から当接する補助プレート10
6が設けられている。
【0080】この搬送機構では、延伸時にPTFEフィ
ルムを把持したクリップ111がPTFEフィルムから
の張力を受けることで、摺動部113と支持部115と
の間の摩擦が大きくなり得るが、摺動部113が自己潤
滑性材料で構成されているため、これらの摺動部分での
摩擦が低減され、この結果、摺動部分における摩耗が抑
えられる。
【0081】<第2例>ここでは、上記第1例との相違
に注目して説明する。図9に、本実施形態の第2例によ
るチェーン121を備えた搬送機構を示す。この搬送機
構では、チェーン保持部材130には、第1例の摺動部
113のような部材は設けられておらず、直接支持部1
35に対し摺動する。そして、ここでは、この支持部1
35が黒鉛含有ポリイミドからなる。
【0082】また、レール125には、チェーン保持部
材110の上方部分の端部に上方から当接する第1補助
プレート126と、チェーン保持部材110の下方部分
の端部から水平方向に僅かに離れて設けられた第2補助
プレート127とが設けられている。この搬送機構で
は、支持部135が自己潤滑性材料で構成されているた
め、上記第1例と同様に、摺動部分での摩擦が低減さ
れ、この結果、摺動部分における摩耗が抑えられる。
【0083】[他の実施形態]上記実施形態では、PT
FEフィルムとして、PTFEフィルムを用いたが、シ
ート状に加工された他のフッ素系樹脂であってもよく、
また、シート状に加工されたポリイミド等であってもよ
い。
【0084】
【実施例】ここでは、本発明のチェーンの耐久性を測定
するための試験を行った。まず、下記の3種類の材質か
らなる摺動部29bを内周部に設けてコロ29を作成
し、コロ外径及びコロ内径を測定(後述)した。測定
後、コロ29をローラリンク27に装着して、コロはみ
出し量(後述)を測定した。測定後、複数の第1及びロ
ーラリンク27,27を連結してチェーン21を作成し
た。
【0085】次に、このチェーン21をレール15に装
着してテンター1を約3ヶ月間稼働させた。テンター1
の稼働は、300〜350℃の温度範囲、搬送速度10
〜15m/minで行った。試験終了後、レール15か
らチェーン1を取り外し、チェーン1を解体して、コロ
はみ出し量、コロ外径及びコロ内径を測定した。摺動部の材質 実施例1:黒鉛含有ポリイミド(デュポン社製「ベスペ
ルSp21」) 実施例2:固定潤滑剤(黒鉛及び二硫化モリブデンをバ
インダーで固めてなる潤滑剤)含有銅合金(オイレス工
業社製「♯500AB」) 比較例1:アルミニウム青銅化合物(JIS規格品「A
lbc3」) なお、コロはみ出し量測定は、ローラリンクプレート3
0の短手方向端部(図5(a)において上下方向端部)
からコロ29が外方に突出した部分の長さ(はみ出し
量)を測定することより行った。この測定を、同じチェ
ーン21から4又は5個のローラリンク27を抜き出し
て測定したはみ出し量の、試験前及び試験後の差の平均
値を求めた。
【0086】また、コロ外径及びコロ内径についても、
コロはみ出し量の測定と同様に、同じチェーン21から
4又は5個のコロ29を抜き出して測定した値の、試験
前及び試験後の差をそれぞれ求めた。 <測定結果>試験前後でのコロはみ出し量の差の平均
値、及び試験前後でのコロ外径及びコロ内径の差の範囲
を表1に示す。
【0087】
【表1】 表1に示すように、実施例1及び2は、コロはみ出し
量、コロ外径及び内径のいずれも比較例に比べ小さく、
このことから、自己潤滑性材料を摺動部に用いたコロ
は、従来の自己潤滑性材料を用いないコロに比べ摩耗量
が抑えられていることが分かる。また、実施例1は実施
例2に比べさらに摩耗量が小さく抑えられていることか
ら、黒鉛含有ポリイミドを用いた場合は、特に耐摩耗性
に優れていることがわかる。
【0088】次に、コロ外周部及び内周部の試験後の形
状を表2に示す。
【0089】
【表2】 表2からも、黒鉛含有ポリイミドを摺動部として用いた
コロは、摩耗による消耗部分が少なく、耐摩耗性に優れ
ていることがわかる。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、摺動機構部の摺動部分
が自己潤滑性材料からなるため、摺動部分における部品
の摩擦が低減され、摩耗を抑えることができる。これに
より、シート状樹脂等が摩耗粉で汚染されるのを抑え、
また、チェーン等の補修費用を抑えることができる。
【0091】また、本発明では、高温無給油により潤滑
作用を得ることができるので、シート状樹脂が潤滑油等
で汚染されることがなく、また、高温時でもチェーン等
を冷却させる構成でないため、シート状樹脂に温度分布
のムラが生じることもなく、均一な延伸加工等を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるチェーンを備えた
テンター1の概略図。
【図2】前記チェーンの一部上面図。
【図3】前記チェーンを備えた搬送機構を示す縦断面
図。
【図4】前記チェーンのピンリンクとローラリンクとの
連結状態を示す上面図(a)及び縦断面図(b)。
【図5】前記チェーンのローラリンクの上面図(a)及
び縦断面図(b)
【図6】本発明の第2実施形態の第1例に係る搬送機構
を示す側面図。
【図7】前記第2実施例の第2例に係る搬送機構を示す
側面図。
【図8】本発明の第3実施形態の第1例に係る搬送機構
を示す側面図。
【図9】前記第3実施例の第2例に係る搬送機構を示す
側面図。
【符号の説明】
1 テンター 13a 外側レール 13b 内側レール 15,55,75,105,132 レール 21,51,71,101,121 チェーン 23 ピンリンク 24 連結ピン 25 アタッチメントプレート 26 ピンリンクプレート 27 ローラリンク 28 ブッシュ 29 コロ 29a 本体部 29b 摺動部 30 ローラリンクプレート 31,61,81,101,131 クリップ 65,85,117,137 姿勢維持手段 66,86,88,90 軸) 67,87,89,91 ローラ 67a,87a,89a,91a 摺動部 113 摺動部材 115,135 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 3F025 CA12 CB10 3F034 MA07 MA10 MB06 MC02 MC05 NA01 NB04 NB11 4F210 AG01 QA02 QG01 QG18 QL03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送し、摺
    動機構部を有する搬送装置であって、 前記摺動機構部は、少なくとも摺動部分の一部が自己潤
    滑性材料からなる、搬送装置。
  2. 【請求項2】前記シート状樹脂の搬送方向に延びて設け
    られたレールと、 前記レールに沿って循環しかつ前記シート状樹脂を搬送
    するチェーンとを備え、 前記摺動機構部は、前記チェーン,前記チェーンと前記
    レールとの間,前記レールの少なくともいずれかに設け
    られている、請求項1に記載の搬送装置。
  3. 【請求項3】前記チェーンは、 平行に延びる2本の回動支持軸と、前記2本の回動支持
    軸を軸方向両側から狭持するよう対向して配置された1
    対の第1プレートとを有し、環状に連結される複数の第
    1チェーン要素と、 1つの前記第1チェーン要素の一方の前記回動支持軸回
    りに及び前記1つのチェーン要素に隣接する他の1つの
    前記第1チェーン要素の一方の前記回動支持軸回りにそ
    れぞれ回動自在に装着される2つの筒状部と、前記2つ
    の筒状部回りにそれぞれ回動自在に装着され前記レール
    上を転動可能な2つの転動体と、前記2つの筒状部を軸
    方向両側から狭持するよう対向して配置されるとともに
    前記筒状部を狭持する部分に前記第1チェーン要素の回
    動支持軸が挿通可能な貫通孔がそれぞれ形成された1対
    の第2プレートとを有する複数の第2チェーン要素とを
    備え、 前記転動体、前記筒状部及び前記回動支持軸の少なくと
    もいずれか1つは、少なくとも摺動部分が自己潤滑性材
    料からなる、請求項2に記載の搬送装置。
  4. 【請求項4】前記レールは、前記シート状樹脂の幅方向
    外方に鉛直方向に延びかつ前記シート状樹脂の幅方向端
    部に沿って形成された第1壁部と、前記第1壁部のさら
    に外方に前記第1壁部に対向して前記第1壁部と平行に
    形成された第2壁部とを有し、 前記チェーンは、前記転動体が前記第1及び第2壁部の
    いずれかに対し転動可能に前記第1壁部と前記第2壁部
    との間に配置されるとともに、前記第1壁部の上方を前
    記シート状樹脂側に突出して装着され前記シート状樹脂
    の幅方向端部を把持するクリップと、前記第2壁部の上
    方を前記クリップと逆側に延びて形成された平面部と、
    前記レールに沿って循環するときの前記第1及び第2壁
    部に対する姿勢を維持可能な姿勢維持手段とをさらに有
    し、 前記姿勢維持手段は、前記平面部の上方に設けられた第
    1軸部と、前記第1軸部回りに回動自在に装着されると
    ともに前記平面部上を転動可能な第1回動体とを有し、 前記第1回動体及び第1軸部の少なくとも一方は、少な
    くとも摺動部分が自己潤滑性材料からなる、請求項2ま
    たは3に記載の搬送装置。
  5. 【請求項5】前記姿勢維持手段は、前記第1壁部と前記
    第2壁部との間の前記チェーンの下方に設けられた第2
    軸部と、第2軸部回りに回動可能に装着されるとともに
    前記チェーンに対し転動可能な第2回動体とをさらに有
    し、 前記第2回動体及び第2軸部の少なくとも一方は、少な
    くとも摺動部分が自己潤滑性材料からなる、請求項4に
    記載の搬送装置。
  6. 【請求項6】前記レールは、前記シート状樹脂の幅方向
    外方に前記装置から鉛直方向に延びかつ前記シート状樹
    脂の幅方向端部に沿って形成された壁部を有し、 前記チェーンは、前記壁部の片側に配置されるととも
    に、前記シート状樹脂の幅方向端部を把持可能に装着さ
    れたクリップと、前記レールに沿って循環するときの前
    記壁部に対する姿勢を維持可能な姿勢維持手段とをさら
    に有し、 前記姿勢維持手段は、前記壁部の両側に少なくとも1ず
    つ設けられた複数の軸部と、前記複数の軸部回りにそれ
    ぞれ回動自在に装着されかつ前記壁部上を転動可能な複
    数の回動体とを有し、 前記回動体及び軸部の少なくとも一方は、少なくとも摺
    動部分が自己潤滑性材料からなる、請求項2または3に
    記載の搬送装置。
  7. 【請求項7】前記レールは、前記シート状樹脂の幅方向
    外方に前記シート状樹脂の幅方向端部に沿って形成さ
    れ、前記チェーンの底部を支持可能な第1支持部と、前
    記チェーンの前記シート状樹脂に対向し得る側部を支持
    可能な第2支持部とを有し、 前記チェーンは、前記シート状樹脂の幅方向端部を把持
    可能に装着されたクリップと、前記第1及び第2支持部
    に対し摺動可能に装着された摺動部材とをさらに有し、 前記第1及び第2支持部、及び前記摺動部材の少なくと
    も一方は、少なくとも摺動部分が自己潤滑性材料からな
    る、請求項2に記載の搬送装置。
  8. 【請求項8】前記自己潤滑性材料は、固体潤滑剤と、前
    記固体潤滑剤を含有する母材とからなる、請求項1から
    7のいずれかに記載の搬送装置。
  9. 【請求項9】前記シート状樹脂は、200℃以上400
    ℃以下の加熱雰囲気下で搬送される、請求項1から8の
    いずれかに記載の搬送装置。
  10. 【請求項10】前記シート状樹脂はフッ素樹脂からな
    る、請求項1から9のいずれかに記載の搬送装置。
  11. 【請求項11】加熱雰囲気下でシート状樹脂を搬送する
    搬送装置に設けられるチェーンであって、 平行に延びる2本の回動支持軸と、前記2本の回動支持
    軸を軸方向両側から狭持するよう対向して配置された1
    対の第1プレートとを有し、環状に連結される複数の第
    1チェーン要素と、 1つの前記第1チェーン要素の一方の前記回動支持軸回
    りに及び前記1つのチェーン要素に隣接する他の1つの
    前記第1チェーン要素の一方の前記回動支持軸回りにそ
    れぞれ回動自在に装着される2つの筒状部と、前記2つ
    の筒状部回りにそれぞれ回動自在に装着され前記レール
    上を転動可能な2つの転動体と、前記2つの筒状部を軸
    方向両側から狭持するよう対向して配置されるとともに
    前記筒状部を狭持する部分に前記第1チェーン要素の回
    動支持軸が挿通可能な貫通孔がそれぞれ形成された1対
    の第2プレートとを有する複数の第2チェーン要素とを
    備え、 前記転動体、前記筒状部及び前記回動支持軸の少なくと
    もいずれか1つは、少なくとも摺動部分が自己潤滑性材
    料からなる、チェーン。
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