JP3438033B2 - 真空用クロスローラベアリングおよびこれを用いた多段スライドレールユニット - Google Patents

真空用クロスローラベアリングおよびこれを用いた多段スライドレールユニット

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JP3438033B2
JP3438033B2 JP31172494A JP31172494A JP3438033B2 JP 3438033 B2 JP3438033 B2 JP 3438033B2 JP 31172494 A JP31172494 A JP 31172494A JP 31172494 A JP31172494 A JP 31172494A JP 3438033 B2 JP3438033 B2 JP 3438033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造装置
内部の搬送系のように、真空環境で使用される機構に適
した直動型の真空用クロスローラベアリングと、この真
空用クロスローラベアリングを用いた多段スライドレー
ルユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来のクロスローラベアリングの
一例を図6に示す。図例のクロスローラベアリング21
は、一対の軌道レール22A,22Bと、複数のローラ
23と、保持器24とを備えている。
【0003】一対の軌道レール22A,22Bは、V溝
状の軌道面を有しており、それぞれ軌道面を対向させる
ようにして平行に配置されるものである。複数のローラ
23は、それぞれ直径寸法と軸方向長さ寸法とが等しい
ものであり、45°の傾斜姿勢で対向する軌道面の間に
転動自在に嵌置される。保持器24は、これらのローラ
23を一列に整列した状態で交互に逆の傾斜姿勢に保持
するものである。
【0004】なお、軌道レール22A,22Bの長手方
向数箇所には、厚み方向に貫通する取り付け用ねじ孔2
5が刻設されており、また、長手方向一端面には、軌道
面の溝からのローラ23の抜け出しを阻止するローラ抜
け止め用ねじ26が螺着される有底のねじ孔27が長手
方向に沿って刻設されている。
【0005】このような構成のクロスローラベアリング
21は、負荷容量が大きくがたつきの少ない摺動が可能
であり、例えば、半導体製造装置内部の搬送系のよう
に、真空環境もしくは清浄環境のもとで精度のよい動き
が必要とされる機構での多段スライドレールユニットに
用いられる。
【0006】このクロスローラベアリング21を用いた
多段スライドレールユニットの一例を図7に示す。図に
は、上下三段のアーム28A,28B,28Cを有する
スライドレールユニットを示している。すなわち、固定
のベース(図示省略)に固定される広幅の最下段アーム
28Aと、中間幅の中段アーム28Bと、狭幅の最上段
アーム28Cとを有する。そして、最下段アーム28A
の幅方向両端と中段アーム28Bの幅方向両端との間お
よび、中段アーム28Bの幅方向両端と最上段アーム2
8Cの幅方向両端との間に、それぞれクロスローラベア
リング21が設けられており、クロスローラベアリング
21は、合計四つ用いられている。
【0007】詳しくは、最下段アーム28Aの幅方向両
端の上面と中段アーム28Bの幅方向両端より若干内側
の上面とに、クロスローラベアリング21の第1軌道レ
ール22Aが、また、中段アーム28Bの幅方向両端の
下面と最上段アーム28Cの幅方向両端の下面とに前記
クロスローラベアリング21の対となる第2軌道レール
22Bが、それぞれ六角レンチ穴付きボルト29を介し
て取り付けられている。このボルト29は、いずれも、
アーム28A〜28C側から各軌道レール22A,22
Bへ向けて螺着されている。なお、各アーム28A〜2
8Cのボルト挿通孔30は、それぞれボルト29の頭部
側がほぼ密に嵌合する大きさに形成されている。
【0008】ところで、真空環境では、クロスローラベ
アリング21にグリースのような潤滑剤が使用できない
ので、従来では、主として、一対の軌道レール22A〜
22Bの軌道面やローラ23の表面に、金、銀、鉛、銅
などの軟質金属、カーボンや二硫化モリブデンなどの固
体潤滑剤を膜状にコーティングすることが行われてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
固体潤滑剤からなる潤滑膜では、グリース使用時のよう
な潤滑剤の蒸発はないものの、潤滑膜がローラ23との
接触により僅かずつ摩耗したり、剥離、欠落したりする
ため、少なからず発塵が生じ、その発塵状況は特に真空
環境では不適合のレベルになる。
【0010】また、従来のクロスローラベアリング21
では、ローラ抜け止め用ねじ26が螺着されるねじ孔2
7は、めくら孔であるため、ねじ26の螺着状態におい
てねじ孔27の内部に少量ながら空気が閉じ込められ
る。この空気は、真空引きの際に残留して、真空度を低
下させるものであり、使用環境を高度の真空に維持する
上で好ましくない。
【0011】さらに、従来の多段スライドレールユニッ
トの構造は、上述したように、ボルト29によりクロス
ローラベアリング21の一対の軌道レール22A,22
Bが各アーム28A〜28Cに幅方向に固定的に取り付
けられるようになっているから、クロスローラベアリン
グ21の内部隙間は、各アーム28A〜28Cに対する
一対の軌道レール22A,22Bの取付精度に依存する
ようになっている。
【0012】このクロスローラベアリング21の内部隙
間が適正でないと、つまり一対の軌道レール22A,2
2Bどうしの間隔が広ければがたつきが生じ、多段構造
であるが故に、例えば片持ち状態になると自由端側での
位置精度に狂いが生じ、適正な位置決めができないなど
の不具合を生じる。また、一対の軌道レール22A,2
2Bの間隔が狭ければスライド抵抗が増大するほか、摩
耗、発塵が甚だしくなるなどの不具合が生じる。そのた
め、従来では、各アーム28A〜28Cのボルト挿通孔
30の形成位置を高精度に管理することにより、クロス
ローラベアリング21の内部隙間を適正に調整するよう
にしなければならず、コスト高につながる。
【0013】したがって、本発明は、クロスローラベア
リングにおいて、潤滑膜からの摩耗などによる発塵を抑
制し、高度の真空環境を維持できるようにすることを目
的としている。
【0014】また、本発明は、クロスローラベアリング
において、閉じ込め空気をなくし、このことによって
も、高度の真空環境を維持できるようにすることを目的
としている。
【0015】さらに、本発明は、多段スライドレールユ
ニットにおいて、アームへの軌道レールの取り付け位置
を微量調整しうるようにして、クロスローラベアリング
に適度の予圧を付与し、がたつきなく高精度の組み立て
が行えるようにするとともに、位置決め精度を高くする
ことを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本の真空用クロスローラ
ベアリングは、V溝状の軌道面を有する一対の軌道レー
ルと、これら両軌道レールの対向する軌道面の間に転動
自在に嵌置された複数のローラと、ローラの保持器とを
備えるクロスローラベアリングであって、前記構成要素
のうち、少なくとも軌道レールが耐食性の金属材からな
り、この軌道レールの軌道面を含む対向面に、熱硬化性
合成樹脂からなる有機バインダー中に平均分子量1×1
4 〜5×10 4 のポリテトラフルオロエチレンポリマー
を分散混合した潤滑膜がコーティングされている。
【0017】なお、前述の真空用クロスローラベアリン
グにおいて、軌道レールの端部に、軌道面から背面に抜
ける貫通孔を穿設し、この貫通孔にローラ抜け止め用の
ピンが嵌入することができる。
【0018】本発明の多段スライドレールユニットは、
順次積み重ね状に配置された大小異なる幅の多段のアー
ムと、上下のアームの各幅方向両端の間にそれぞれ設け
られる前述のクロスローラベアリングとを備えるもの
で、幅広のアームの幅方向両端一面に前記クロスローラ
ベアリングの一方の軌道レールが、また、幅狭のアーム
の幅方向両端一面に前記クロスローラベアリングの対と
なる他方の軌道レールが、それぞれ取り付けられてい
る。
【0019】なお、前述の多段スライドレールユニット
において、各軌道レールは、アームの挿通孔を挿通され
て軌道レールに螺着されるボルトによりアームに固着さ
れるものとし、各アームの一対のボルト挿通孔のうち、
いずれか一方のボルト挿通孔は、ボルト径よりも幅方向
が長い形に形成するのが好ましい。
【0020】
【作用】本発明のクロスローラベアリングでは、潤滑膜
が剥離しにくく、発塵はほとんど生じない。また、軌道
レールの貫通孔にローラ抜け止め用ピンを圧入するよう
にした場合は、軌道レールに空気が閉じ込められるよう
なことがない。
【0021】また、本発明の多段スライドレールユニッ
トでは、クロスローラベアリングからの発塵が抑えられ
るほか、幅方向両側の一対のクロスローラベアリングの
うち、一方のクロスローラベアリングの幅方向外側の軌
道レールが幅方向位置を微調整できるようになっている
から、この軌道レールの位置微調整により、幅方向両側
の一対のクロスローラベアリングの各内部隙間を適正に
調整できるようになり、アームそれぞれのがたつきをな
くせるようになり、高精度の位置決めができるようにな
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図5に示す
実施例に基づいて説明する。図1および図2は本発明の
クロスローラベアリングの一実施例にかかり、図1は、
クロスローラベアリングの斜視図、図2は、同クロスロ
ーラベアリングの分解状態の縦断正面図である。
【0023】図中、符号1はクロスローラベアリングで
あり、このクロスローラベアリング1は、V溝状の軌道
面を有する一対の軌道レール2A,2Bと、複数のロー
ラ3と、保持器4とを備えている。
【0024】一対の軌道レール2A,2Bは、V溝状の
軌道面を有しており、それぞれ軌道面を対向させるよう
にして平行に配置されるものである。複数のローラ3
は、それぞれ直径寸法と軸方向長さ寸法とが等しいもの
であり、45°の傾斜姿勢で対向する軌道面の間に転動
自在に嵌置される。保持器4は、これらのローラ3を一
列に整列した状態で交互に逆の傾斜姿勢に保持するもの
である。
【0025】なお、一対の軌道レール2A,2Bの長手
方向数箇所には、厚み方向に貫通する取り付け用ねじ孔
5が刻設されており、また、長手方向一端側には、軌道
面から背面に抜ける貫通孔7が穿設されている。この貫
通孔7には、ローラ抜け止め用ピンとして割筒状のスプ
リングピン8が圧入され、このスプリングピン8は、軌
道面であるV溝内に突出してローラ3を受け止めるよう
になっている。
【0026】そして、クロスローラベアリング1の構成
要素のうち、一対の軌道レール2A,2Bは耐食性の金
属材からなり、これらの軌道レール2A,2Bの軌道面
を含む対向面には、熱硬化性合成樹脂からなる有機バイ
ンダー中にふっ素系合成樹脂を分散混合した潤滑膜6が
被覆形成されている。
【0027】前述の耐食性の金属材としては、JIS規
格SUS440Cのようなマルテンサイト系ステンレス
鋼に適当な硬化熱処理を施したもの、もしくはJIS規
格SUS630のような析出硬化型ステンレス鋼に適当
な硬化熱処理を施したもの等が好適である。また、軽荷
重用途では、JIS規格SUS304などのオーステナ
イト系ステンレス鋼の使用も可能である。このほか、N
i−Cr−Mo系の合金、例えば三菱マテリアル社製、
商品名ハステロイC−22、ハステロイC−276、ハ
ステロイC−4などの使用も可能である。
【0028】ローラ3や保持器4については特に素材を
限定しないが、ローラ3は軌道レール2A,2Bと同様
の金属材で構成することが望ましい。
【0029】前述の潤滑膜6は、ふっ素系合成樹脂を潤
滑主体とするもので、そのふっ素系合成樹脂としては、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の他、エチレ
ンテトラフルオロエチレン(ETFE)がある。
【0030】このうち、潤滑膜6の潤滑主体としてPT
FEを用いる場合、平均分子量1×104〜5×104
ポリマー、中でも3×104〜5×104の平均分子量の
ポリマーが好適である。これは、1×104を下回る平
均分子量のポリマーでは、付着強度が低下し、摺動抵抗
も大きくなり、5×104を超える平均分子量のポリマ
ーでは、剪断抵抗が大きく、また硬くなりすぎるため、
密着性に劣り、剥離した際に摩耗粉となりやすいからで
ある。また、PTFEの粒子径は、2〜3μmのものが
好適である。これは、3μmを超える粒子径では、流動
性、分散性が低下するとともに、粒子が潤滑膜6から突
出して、潤滑膜6の平滑性が損なわれ、2μmを下回る
粒子径では、コストがかさみ、経済的にもマイナスとな
るからである。
【0031】潤滑膜6の有機バインダーとする熱硬化性
合成樹脂は、それ自身ある程度の摺動性を有しているこ
とが望ましく、例えば、イミド結合またはアミドイミド
結合を有する樹脂が望ましい。イミド結合またはアミド
イミド結合を有する樹脂のバインダーには、例えば熱硬
化性の縮合重合型ポリイミド、ポリアミドイミドがあ
る。
【0032】ここで、潤滑膜6を形成する工程の具体例
を説明すると、まず、イミド結合またはアミドイミド結
合を有する樹脂のバインダーを10〜50重量%とし
て、この中にふっ素系合成樹脂1〜20重量%を、N−
メチル−2−ピロリドンなどの溶媒を用いて分散混合さ
せた溶液を用意し、これを軌道レール2の対向面にボン
デッドフィルム法により塗布し、これを約180℃の温
度で所定時間(約30分〜120分)加熱焼成すること
により、対向面に定着させる。
【0033】このときの焼成温度は、使用環境の温度に
応じて設定すれば、使用状態においてバインダーの蒸発
がなくなり、発塵特性がさらに向上するようになる。
【0034】上記構成のクロスローラベアリング1で
は、潤滑膜6により摺動が円滑化されるとともに、潤滑
膜6が硬質で、軌道レール2A,2Bへの定着が強固で
あるから、剥離しにくく、粉化することもなく、発塵は
ほとんど生じない。
【0035】また、ローラ抜け止め用のスプリングピン
8が圧入される孔7は、貫通孔であるから、内部に空気
が閉じ込められるようなことがなく、使用個所の真空引
きの際、空気が残留して真空度を低下させるおそれがな
い。
【0036】図3ないし図5は本発明の多段スライドレ
ールユニットの一実施例にかかり、図3は、多段スライ
ドレールユニット全体の斜視図、図4は、同多段スライ
ドレールユニットの半分の縦断正面図、図5は、同多段
スライドレールユニットの要部の分解状態の縦断側面図
である。
【0037】ここでの多段スライドレールユニットは、
上記クロスローラベアリング1を用いて上下三段のアー
ム9A〜9Cを用いている。
【0038】すなわち、固定のベース(図示省略)に固
定される広幅の最下段アーム9Aと、中間幅の中段アー
ム9Bと、狭幅の最上段アーム9Cとを有する。そし
て、最下段アーム9Aの幅方向両端と中段アーム9Bの
幅方向両端との間および、中段アーム9Bの幅方向両端
と最上段アーム9Cの幅方向両端との間に、それぞれク
ロスローラベアリング1が設けられており、クロスロー
ラベアリング1は、合計四つ用いられている。
【0039】詳しくは、最下段アーム9Aの幅方向両端
の上面と中段アーム9Bの幅方向両端より若干内側の上
面とに、クロスローラベアリング1の第1軌道レール2
Aが、また、中段アーム9Bの幅方向両端の下面と最上
段アーム9Cの幅方向両端の下面とに前記クロスローラ
ベアリング1の対となる第2軌道レール2Bが、それぞ
れボルト10を介して取り付けられている。このボルト
10は、いずれも、アーム9A〜9C側から軌道レール
2A,2Bへ向けて螺着されている。
【0040】各クロスローラベアリング1の一対の軌道
レール2A,2Bは、いずれも六角穴付きボルト10に
より、アーム9A〜9Cに固着されるのであって、その
ボルト10は、アーム9A〜9Cに穿設された挿通孔1
1を挿通させて一対の軌道レール2A〜2Bのねじ孔5
に螺着される。アーム9のボルト挿通孔11は、ボルト
10の頭部およびねじ部の形状に対応して段付きの孔に
なっている。
【0041】なお、最上段アーム9Cと最下段アーム9
Aとの長手方向一端には、位置決めピン12,13が肉
厚方向に貫通して取り付けられている。この位置決めピ
ン12,13は、それぞれ中段アーム9Bの長手方向両
端に当接してアームの最大の伸縮量を規制するものであ
る。
【0042】ここで、最下段アーム9Aの幅方向一端側
(左側)および中段アーム9Bの幅方向一端側(左側)
の両ボルト挿通孔11は、ボルト10の径寸法に比べ幅
方向に長い形に形成されているが、他のボルト挿通孔1
1は、ボルト10の頭部側が密に嵌合する大きさに形成
されている。なお、最下段アーム9Aの幅方向一端側
(左側)および中段アーム9Bの幅方向一端側(左側)
の両ボルト挿通孔11は、幅方向に長い長孔とするほ
か、ボルト径に比べ大径の円孔としてもよく、また、最
下段アーム9Aの外側面に開いた切欠き孔にしてもよ
い。
【0043】これは、最下段アーム9Aと中段アーム9
Bとの間に設けられる一対のクロスローラベアリング
1,1および、中段アーム9Bと最上段アーム9Cとの
間に設けられる一対のクロスローラベアリング1,1の
うち、一方側(左側)のクロスローラベアリング1の幅
方向位置を所要量変位できるようにするためであり、こ
の変位によって上下二段の一対のクロスローラベアリン
グ1の内部隙間を微調整できるようにしている。
【0044】次に、この組み立て手順を説明する。ま
ず、最上段アーム9Cと中段アーム9Bとを連結する。
つまり、この両アーム9C、9Bの右側にクロスローラ
ベアリング1の一対の軌道レール2A,2Bをボルト1
0によりそれぞれ無造作に固定する。続いて、最上段ア
ーム9Cの左側に前記クロスローラベアリング1と対と
なるクロスローラベアリング1の内側(右側)の第2軌
道レール2Bをボルト10により無造作に固定する。こ
うしてから、クロスローラベアリング1の外側(左側)
の第1軌道レール2Aを中段アーム9Bに対してボルト
10で仮止めしておいて、この第1軌道レール2Aの幅
方向位置を左右に微調整しながら、両クロスローラベア
リング1,1の内部隙間を適正に設定したところで、ボ
ルト10を増し締めして第1軌道レール2Aを中段アー
ム9Bに完全に固定する。このとき、右側のクロスロー
ラベアリング1が中段アーム9Bの右側のフランジによ
り押さえられているから、両側のクロスローラベアリン
グ1,1の内部隙間が調整できるのである。
【0045】この後、同様に、中段アーム9Bと最下段
アーム9Aとを連結する。つまり、この両アーム9B,
9Aの右側にクロスローラベアリング1の一対の軌道レ
ール2A,2Bをボルト10によりそれぞれ無造作に固
定する。続いて、中段アーム9Bの左側に前記クロスロ
ーラベアリング1と対となるクロスローラベアリング1
の内側(右側)の第2軌道レール2Bをボルト10によ
り無造作に固定する。こうしてから、クロスローラベア
リング1の外側(左側)の第1軌道レール2Aを最下段
アーム9Aに対してボルト10で仮止めしておいて、こ
の第1軌道レール2Aの幅方向位置を左右に微調整しな
がら、両クロスローラベアリング1,1の内部隙間を適
正に設定したところで、ボルト10を増し締めして第1
軌道レール2Aを最下段アーム9Aに完全に固定する。
【0046】このように各クロスローラベアリング1の
内部隙間を容易な方法で適正に管理できるから、全部の
クロスローラベアリング1を固定するボルト10のボル
ト挿通孔11の形成位置を高精度に管理する必要がなく
なり、製作が容易となる。したがって、多段スライドレ
ールユニットでは、これに組み込まれたクロスローラベ
アリング1によりスライドが円滑となり、また、クロス
ローラベアリング1からの発塵も少ない。
【0047】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではない。例えば、図示の多段スライドレールユ
ニットでは、アーム9A〜9Cのうち上段のものほど狭
幅とし、これに応じてクロスローラベアリング1を、上
段のものほど幅方向内側に位置するようにしているが、
これとは逆に、アーム9A〜9Cを上段のものほど広幅
にし、これに応じてクロスローラベアリング1は、上段
のものほど幅方向外側に位置するようにも構成すること
ができる。その場合は、最上位のアームに取り付けられ
る軌道レールが最も幅方向外側に位置することになるか
ら、最上位のアームに穿設されるボルト挿通孔のうち、
一方側のものをボルト径に比べ幅方向に長い形に形成す
ればよい。それによって、最も幅方向外側にある軌道レ
ールの一方側のものが、最上位のアームに対して幅方向
位置の徴調整が可能になる。
【0048】
【発明の効果】本発明の真空用クロスローラベアリング
では、潤滑膜により摺動が円滑になるばかりか、発塵が
抑えられ、使用個所での高度の真空環境を維持すること
ができる。
【0049】本発明の多段スライドレールユニットで
は、発塵少なく、円滑なスライド動作が得られるばかり
でなく、各クロスローラベアリングの内部隙間を適正に
調整できるから、クロスローラベアリングの固定に関す
る要素を高精度に形成しなくとも、がたつきのない高精
度の組み立てができるとともに、位置決め精度を高精度
に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るクロスローラベアリン
グの斜視図。
【図2】同クロスローラベアリングの分解状態の縦断正
面図。
【図3】本発明の一実施例に係る多段スライドレールユ
ニット全体の斜視図。
【図4】同多段スライドレールユニットの半分の縦断正
面図。
【図5】同多段スライドレールユニットの要部の分解状
態の縦断側面図。
【図6】従来のクロスローラベアリングの斜視図。
【図7】従来の多段スライドレールユニットの半分の縦
断正面図。
【符号の説明】
1 クロスローラベアリング 2A 第1軌道レール 2B 第2軌道レール 3 ローラ 4 保持器 6 潤滑膜 7 貫通孔 8 ローラ抜け止め用ピン 9A 最下段アーム 9B 中段アーム 9C 最上段アーム 10 ボルト 11 ボルト挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−19418(JP,A) 特開 平4−121331(JP,A) 特開 昭59−226712(JP,A) 特開 平5−332356(JP,A) 特開 昭64−38480(JP,A) 特開 平5−1718(JP,A) 特開 平5−10338(JP,A) 特開 平5−272542(JP,A) 実開 平6−32741(JP,U) 実開 平6−4426(JP,U) 実開 平6−4427(JP,U) 実開 平2−135714(JP,U) 実開 昭63−91721(JP,U) 実開 昭60−108820(JP,U) 実開 平6−71034(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/04 - 29/06 F16C 33/30 - 33/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V溝状の軌道面を有する一対の軌道レー
    ルと、これら両軌道レールの対向する軌道面の間に転動
    自在に嵌置された複数のローラと、ローラの保持器とを
    備えるクロスローラベアリングであって、 前記構成要素のうち、少なくとも軌道レールが耐食性の
    金属材からなり、この軌道レールの軌道面を含む対向面
    に、熱硬化性合成樹脂からなる有機バインダー中に平均
    分子量1×10 4 〜5×10 4 のポリテトラフルオロエチ
    レンポリマーを分散混合した潤滑膜がコーティングされ
    ている、ことを特徴とする真空用クロスローラベアリン
    グ。
  2. 【請求項2】 前記軌道レールの端部には、軌道面から
    背面に抜ける貫通孔が穿設されており、この貫通孔には
    ローラ抜け止め用のピンが嵌入されている、ことを特徴
    とする請求項1に記載の真空用クロスローラベアリン
    グ。
  3. 【請求項3】 順次積み重ね状に配置された大小異なる
    幅の多段のアームと、上下のアームの各幅方向両端の間
    にそれぞれ設けられる請求項1または2に記載の真空用
    クロスローラベアリングとを備え、 幅広のアームの幅方向両端一面に前記クロスローラベア
    リングの一方の軌道レールが、また、幅狭のアームの幅
    方向両端一面に前記クロスローラベアリングの対となる
    他方の軌道レールが、それぞれ取り付けられている、こ
    とを特徴とする多段スライドレールユニット。
  4. 【請求項4】 前記各軌道レールは、アームの挿通孔を
    挿通されて軌道レールに螺着されるボルトによりアーム
    に固着されるものであり、各アームの一対のボルト挿通
    孔のうち、いずれか一方のボルト挿通孔は、ボルト径よ
    りも幅方向が長い形に形成されている、ことを特徴とす
    る請求項3に記載の多段スライドレールユニット。
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