JP2003024906A - 廃棄物処理装置及び廃棄物の処理方法 - Google Patents

廃棄物処理装置及び廃棄物の処理方法

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JP2003024906A
JP2003024906A JP2001214452A JP2001214452A JP2003024906A JP 2003024906 A JP2003024906 A JP 2003024906A JP 2001214452 A JP2001214452 A JP 2001214452A JP 2001214452 A JP2001214452 A JP 2001214452A JP 2003024906 A JP2003024906 A JP 2003024906A
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processing container
waste
outside air
chamber
waste treatment
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JP2001214452A
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Yukio Matsumoto
雪男 松元
Hitoshi Inoue
仁 井上
Takeshi Kimura
猛 木村
Hiroyuki Hagiwara
宏行 萩原
Shinichi Yamanaka
真一 山中
Gozo Matsuura
剛蔵 松浦
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Canon Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処理容器を効率よく温めるとともに、
運転効率を向上させることが可能な廃棄物処理装置を提
供する。 【解決手段】 処理容器10の周囲に隣接して略閉空間
状の第1の部屋27と第2の部屋28を設け、これらの
部屋内に、脱臭部26により加熱脱臭された排気を通す
排気ダクト25b,25cを配管する。そして、外気取
り入れ口29から取り入れた外気を排気ダクト25bの
熱で加熱し、その加熱外気を通気ファン30にて第2の
部屋28に通気することで処理容器10を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の分解処理
を行う廃棄物処理装置及び廃棄物の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物(例えば、残飯などの生ご
み)を分解処理する技術として、微生物の力を利用して
廃棄物の分解処理を効率よく行う廃棄物処理装置が知ら
れており、これには、例えば特開2000−07938
3号公報に開示されているものがある。
【0003】従来の廃棄物処理装置は、廃棄物処理容器
内の排気を加熱し、酸化脱臭するために脱臭器が配置し
てあり、酸化脱臭された高温の排気を廃棄物処理容器の
下側に設けた熱交換器に流して廃棄物処理容器を加熱し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0005】廃棄物処理容器の下側に熱交換器を配置し
て廃棄物処理容器を加熱しただけでは、廃棄物処理容器
内全体に熱を均一に与えられず、そのため廃棄物処理容
器内に温度むらができてしまう結果、微生物の生息温度
がまばらになり、分解処理の効率が低下していた。
【0006】このように、廃棄物処理容器内の温度が均
一にならないために廃棄物の分解処理が的確に進まない
という問題点があった。
【0007】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、廃棄
物処理容器を効率よく温めるとともに、運転効率を向上
させることが可能な廃棄物処理装置及び廃棄物の処理方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の廃棄物処理装置にあっては、装置本体の枠体
と、該枠体内に設けられ、廃棄物を処理する処理容器
と、該処理容器からの排気を加熱脱臭する脱臭手段と、
を備えた廃棄物処理装置であって、前記処理容器に隣接
する第1の部屋と、前記処理容器に隣接し、前記第1の
部屋と区画された第2の部屋と、前記第1の部屋に外気
を取り入れる外気取り入れ口と、前記第1の部屋内に配
管され、前記脱臭手段により加熱脱臭された排気を通す
ための管体と、前記管体により加熱された外気を前記第
1の部屋から前記第2の部屋へ導入するための通気口
と、前記通気口から導入された外気を前記第2の部屋か
ら前記処理容器内に導くための吸気口と、を備えたこと
を特徴とする。
【0009】前記外気取り入れ口から前記吸気口までの
間の外気の流路に、通気ファンを有するとよい。
【0010】前記通気ファンを前記通気口に有するとよ
い。
【0011】前記第2の部屋に前記処理容器を加熱する
加熱手段を有するとよい。
【0012】前記管体は、前記第2の部屋内にも配管さ
れているとよい。
【0013】前記外気取り入れ口から前記通気口までの
外気の流路が前記管体に沿うとよい。
【0014】前記第1の部屋は、前記処理容器の外壁に
よって仕切られた空間であるとよい。
【0015】前記第2の部屋は、前記処理容器の外壁に
よって仕切られた空間であるとよい。
【0016】前記処理容器は、互いに対向して設けられ
た一対の側壁と、該一対の側壁間に横設された槽部とを
有して構成され、前記第1の部屋は、前記枠体の内壁と
前記側壁によって仕切られた空間であるとよい。
【0017】前記第2の部屋は、前記枠体の内壁と前記
槽部によって仕切られた空間であるとよい。
【0018】前記管体は、前記側壁と空隙を介して配管
されるとよい。
【0019】また、本発明の廃棄物処理装置にあって
は、装置本体の枠体と、該枠体内に設けられ、廃棄物を
処理する処理容器と、該処理容器からの排気を加熱脱臭
する脱臭手段と、を備えた廃棄物処理装置において、前
記処理容器の周囲に隣接して略閉空間状に形成された部
屋と、該部屋内の空気を撹拌するファンと、を有するこ
とを特徴とする。
【0020】熱を利用して処理される廃棄物を収納する
ための処理容器と、前記処理容器内を前記処理容器の外
部から流体を介して加熱する加熱手段を有するとよい。
【0021】前記処理容器からの排気を加熱して脱臭す
る脱臭装置をさらに備えるとよい。
【0022】前記流体は前記脱臭装置の排気で加熱され
るとよい。
【0023】また、本発明の廃棄物の処理方法にあって
は、熱を利用して処理される廃棄物を収納するための処
理容器内に廃棄物を収納し、前記処理容器の外部から流
体を介して加熱することで、前記処理容器内に収納され
る廃棄物を加熱することを特徴とする。
【0024】前記流体は処理容器からの排気を加熱しな
がら脱臭する工程を経た排気によって加熱された気体で
あるとよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この本発
明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される
装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきもので
あり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣
旨のものではない。
【0026】図1及至図9に基づいて、本発明の実施の
形態に係る廃棄物処理装置を説明する。
【0027】図1は、本実施の形態に係る廃棄物処理装
置の構成を示す概略斜視図であり、図2は図1のA視か
らみた廃棄物処理装置の概略断面図であり、図3は本実
施の形態に係る廃棄物処理装置の外装カバー装着時の概
略斜視図である。
【0028】図4(a)は本実施の形態に係る廃棄物処
理装置の外気通気経路を示す模式図であり、図4(b)
はその変形例の廃棄物処理装置の外気通気経路を模式的
に示す模式図である。
【0029】また、図5は本実施の形態に係る廃棄物処
理装置の通気経路内の温度変化を説明する模式図であ
り、図6は本実施の形態に係る廃棄物処理装置内の脱臭
部と排気ファンの位置を示す模式図である。
【0030】また、図7は変形例の廃棄物処理装置の配
管構成を示す模式図、図8は本実施の形態およびその変
形例の廃棄物処理装置の配管構成を示す模式図である。
また、図9は本実施の形態に係る廃棄物処理装置内の温
度分布を示す図である。
【0031】図1及至図3において、1は動力源の駆動
モーター、2は駆動モーター1の出力軸先端に固定され
た小スプロケット、3は小スプロケット2とかみ合うチ
ェーン、4はチェーン3とかみ合う大スプロケット、5
は廃棄物を撹拌する撹拌部材としての撹拌羽根、6は撹
拌羽根5を回転させる撹拌軸、7は撹拌軸6を支持する
軸受けである。
【0032】8は廃棄物処理装置を覆う枠体としての外
装部、10は外装部8内に設けられ廃棄物を処理するた
めの(廃棄物)処理容器である。この処理容器10は、
互いに対向して設けられた一対の側壁としての処理容器
側板右13および処理容器側板左14と、この一対の側
壁間に横設された槽部10aとを有して構成される。処
理容器10の下部(槽部10a)には、処理容器10を
加熱する加熱手段としての面状ヒーター9が設けられ
る。11は廃棄物を分解処理させるための基材、12は
分解処理の状態を検知する基材状態測定センサーであ
る。
【0033】15は微生物への酸素の供給と分解処理で
生成する水分と炭酸ガスの通気を行う排気ファン、16
は処理容器10内へ外気を取り込む吸気口、17は処理
容器10内で発生した炭酸ガスを排出する排気口、18
は処理容器10の投入蓋20に取付けたマグネット、1
9は投入蓋20に付けたマグネットを検知する投入蓋検
知センサー、20は投入蓋、21は廃棄物を投入する投
入口である。
【0034】22は全体を制御する制御部、24は処理
容器10内から発生する粉塵を取り除く除塵フィルタ
ー、25(25a,25b,25c)は処理容器10内
の排気口と外気を連通する排気ダクト、26は処理容器
10から発生する臭気を帯びた空気を触媒ヒーターによ
り加熱し、酸化触媒を用いて脱臭する脱臭手段としての
脱臭部である。
【0035】27は廃棄物処理装置を覆う枠体としての
外装部8の内壁(一部)と処理容器10の外壁としての
処理容器側板左14とで仕切られて形成された略閉空間
状の第1の部屋、28は廃棄物処理装置を覆う枠体とし
ての外装部8の内壁(一部)と処理容器10の外壁とし
ての槽部10aとで仕切られて形成された略閉空間状の
第2の部屋、29は第1の部屋27を形成する外装部8
の上部に設けた外気の取り入れ口としての外気取り入れ
口、30は外気取り入れ口から取り入れた外気の流れを
強制的に作る通気ファン、31は廃棄物処理装置を覆う
枠体としての外装部8の一部である底板である。
【0036】次に、上述のように構成された廃棄物処理
装置の作用および動作について説明する。
【0037】処理容器10は中央に撹拌軸6を有し、中
に基材11が入っている。基材11は、生分解し難い繊
維素が主成分のおが屑で、その一粒一粒が多孔質で吸水
性と空隙を有し、かつ粒形が複雑で粒子間にも大きな空
隙が形成されている。この空隙により処理生物への酸素
が供給できることで、廃棄物の分解処理の効率が向上す
る。また、このときの混合物中の廃棄物を分解する処理
生物は、好気性の微生物や菌である。
【0038】運転中の廃棄物処理装置の投入蓋20を開
けると、投入蓋20のマグネット18を検知していた投
入蓋開閉検知センサー19は、投入蓋20が開かれたと
判断し、撹拌状態の時は駆動モーター1が停止する。
【0039】ここで、投入蓋20に取り付けたマグネッ
ト18と投入蓋開閉検知センサー19とを備える投入蓋
開閉検知手段は、処理容器10に取り付けた磁気に反応
する磁気センサーで構成されているが、投入蓋20に突
部を設け、その突部を処理容器10側に取り付けた光学
センサーで検知しても良い。
【0040】また、投入蓋開閉検知センサー19は、本
実施の形態においては、非接触式の磁気検知センサーを
用いているが、機械式マイクロスイッチであってもよ
い。
【0041】また、投入蓋開閉検知センサー19の取り
付け位置は、投入蓋20側あるいは処理容器10側ある
いは投入蓋20と処理容器10のどちらか一方に検知セ
ンサーを取り付け、他方に検知部材を取り付けても可能
である。
【0042】次に、廃棄物投入後の撹拌運転について説
明する。
【0043】廃棄物投入後の駆動モーター1による撹拌
運転は、例えば通常は30分周期の間に5分間だけ撹拌
を行うが、廃棄物が投入された直後は、すぐに撹拌を開
始し、例えば30分周期の間に10分間撹拌をすること
で、投入された廃棄物を細かく破砕するとともに基材1
1とまんべんなく混合できる。
【0044】撹拌は基材11と廃棄物の混合の効果以外
にも、撹拌することで混合物の温度の一定化と、混合物
中に含まれる水分を積極的に混合物の外部へ飛ばすこと
が可能となることで、混合物の含水率調整効果もある。
【0045】また、投入された廃棄物は、24時間以内
で分解処理できることから、廃棄物が24時間以上投入
されないときは、撹拌サイクルを5分間撹拌の55分間
停止にすることで、撹拌に要する駆動モーター1への電
力供給を削減でき、省電力化が可能となる。
【0046】また、本実施の形態において、撹拌羽根5
は、断面が3角形状であり、撹拌軸6に複数等間隔で取
り付けられる構成であるが、撹拌軸6に平板状の撹拌羽
根5を複数等間隔で取り付けても可能である。このほか
にも撹拌軸6に棒状の撹拌棒を複数等間隔で取り付けて
も良い。
【0047】ここで処理容器10の断面形状は、基材1
1の全体が均一に軽い作用で撹拌されるように図1に示
すように、ほぼ半円以上の円弧部を有する略U字形状に
なっている。そして円弧部の円弧の中心と一致して水平
方向に撹拌軸6が設けられている。この撹拌軸6には撹
拌羽根5が複数枚等間隔で固定されている。
【0048】なお、本実施の形態では、処理容器10に
撹拌軸6を横架させているが、撹拌軸6が処理容器10
に鉛直方向に設けられても良い。
【0049】また、このとき撹拌により、水分と炭酸ガ
スが撹拌停止時以上に発生することから、排気ファン1
5の通気流量を増加し、吸気口16からの酸素の供給と
同時に、分解で発生する水分と炭酸ガスを処理容器10
の外部へと排出することで、処理容器10内の混合物が
多湿気味になることを防止でき、混合物の含水率調整効
果もある。
【0050】また、このときの排気ファン15の取り付
け位置は、本実施の形態では、排気口17に連通する脱
臭部26を通過後、排気ダクト25内に排気ファン15
を取り付けているが、吸気口16に排気ファン15を取
り付けても同様の効果が得られる。
【0051】また、吸気口16に取り付ける排気ファン
は、処理容器10内に約40℃から約70℃に加熱した
空気を送ることのできる熱風ファンでもよい。吸気口1
6に熱風ファンを取り付けることにより処理容器10内
の気体の温度を上昇させることができる。処理容器10
内の気体の温度が上昇することで気体に含まれる飽和水
分量が増すことから、時間あたりの通気流量が同じであ
れば、短時間で混合物中の水分をより多く処理容器10
から外へ出すことができる。吸気口16への熱風ファン
の取り付けは、混合物が多湿気味になるときに混合物の
含水率を調整する手段として有効である。
【0052】また、排気口17と連通する排気ダクト2
5内に排気ファン15を設け、かつ吸気口16に熱風フ
ァンを設ける構成にすることでも上記と同様の効果が得
られる。
【0053】このようにして、投入された廃棄物と基材
11がまんべんなく混合されて分解処理が始まる。
【0054】さらに、基材状態測定センサー12で測定
した結果に応じて撹拌運転時間を制御することも可能で
ある。例えば撹拌の間欠運転時間を通常は、30分周期
の間に5分間撹拌していたのを、基材状態が乾燥気味の
時は、30分周期の間に2分間とすることで必要十分な
撹拌時間として撹拌過多により基材11が破砕されるの
を防ぎ基材11の寿命を伸ばすことができる。
【0055】また、基材状態測定センサー12で測定し
た結果に応じて、撹拌サイクルと排気流量を調整するこ
とで、基材と廃棄物の混合物の含水率を調整することが
可能となる。処理容器10内が多湿気味になると、嫌気
性の菌が増殖し、硫化水素等を発生し、臭気状態が悪臭
となることから、基材11と廃棄物の混合物を含水率2
0%から60%の範囲内に調整することが望ましい。
【0056】また、水分が多くなると、撹拌に必要なト
ルクが大きくなり、動力に無理が生じたり、基材11が
微粉化されているときは、水分を含むと粘土状になりや
すい傾向がある。基材11が粘土状になると、分解効率
が極端に低くなることから、このようなときには、全量
または半分以上の基材11の交換が必要となる。
【0057】また、このときの基材状態測定手段である
基材状態測定センサー12は、1対の電極を直接処理容
器10内の基材11に接触させ、1対の電極間に電圧を
印可して、基材11間を流れる電流を測定し、基材11
の含水率を測定する方式である。
【0058】また、基材11と廃棄物の混合物は、投入
される廃棄物の種類により弱アルカリ性や弱酸性に変わ
ることから、混合物に直接接触する電極を構成する材質
は、耐酸性、耐アルカリ性に優れたステンレス材を使用
すると良い。本実施の形態では、汎用性があり、価格の
安いステンレス材のネジを電極として使用している。
【0059】次に、廃棄物投入が中断したり、投入量が
低下したときには、撹拌等によって基材11が乾燥しす
ぎるときがある。このときには、基材11中の微生物が
乾燥によって活性化が鈍り処理効率が低くなるばかりで
はなく、基材11が微粉化したときには飛散したりし
て、周囲を汚すという欠点がある。また、このとき微粉
末に混入している菌も飛散することから、安全衛生上好
ましくない。
【0060】このようなとき、排気口17に設けた除塵
フィルター24により微粉末を外部に出さないようにす
ることで上記欠点を補うことができる。
【0061】また、除塵フィルター24は排気口17に
機械的に係合または蝶ネジやパチン錠で固定されいるこ
とで、器具を使用しないで人手にて取り外すことができ
る。除塵フィルター24を取り外せることで、除塵フィ
ルター24にとりついた基材の微粉末を容易に清掃する
ことが可能である。
【0062】以上のような廃棄物処理装置において、脱
臭部26からの排熱利用について説明する。
【0063】本実施の形態では図1または図3に示すよ
うに、脱臭部26を処理容器側板右13近傍に設け、処
理容器10内に脱臭部26通過後の排気を通す槽内管体
としての排気ダクト25aを、処理容器側板左14に槽
外管体としての排気ダクト25bを、処理容器10の下
側に槽外管体としての排気ダクト25cを配設し、排気
ファン15を通して外気へ放出する構成とした。
【0064】すなわち、排気ダクト25aは処理容器1
0内に、排気ダクト25bは第1の部屋27内に、排気
ダクト25cは第2の部屋28内にそれぞれ配管されて
おり、この排気ダクト25内を導通させることで、脱臭
部26により加熱脱臭された排気が処理容器10の周囲
を巡ってから装置外へと放出されることとなる。
【0065】このような構成にすると、脱臭部26にて
加熱された高温(280℃前後)の空気は排気ダクト2
5内で伝熱現象を生ずる。すなわち、有限の温度差があ
る物体間には熱の移動が発生(熱移動とよばれる。)す
るので、脱臭部26から発生した熱が移動中に奪われて
いく。この伝熱現象を利用して処理容器10を温めるこ
とができる。
【0066】図4に模式的に示すように、本実施の形態
では、処理容器10に隣接して略閉空間状に形成された
第1の部屋27と、処理容器10に隣接して略閉空間状
に形成された第2の部屋28とを設けている。上述した
ように、第1の部屋27は、廃棄物処理装置を覆う枠体
としての外装部8の内壁(一部)と処理容器10の外壁
としての処理容器側板左14とで仕切られて形成されて
おり、処理容器10の側方に隣接している。一方、第2
の部屋28は、外装部8の内壁(一部)と処理容器10
の外壁としての槽部10aとで仕切られて形成されてお
り、処理容器10の下方に隣接している。
【0067】また、第1の部屋27を仕切る外装部8の
上部には、第1の部屋27に外気(装置外の空気)を取
り入れる外気取り入れ口29が設けられ、処理容器側板
左14の下部には、第1の部屋27と第2の部屋28と
の間を連通する通気口23が設けられている(図4
(a)は通気口23の構成を示し、図4(b)は通気口
23に通気ファン30を設けた構成を示している。)。
【0068】したがって、外気取り入れ口29から取り
入れられた外気は、第1の部屋27内に配管された排気
ダクト25bによって加熱され、さらにこの加熱外気は
通気口23を通じて第2の部屋28内に導かれる。これ
により処理容器10を加熱することができる。特に排気
ダクトの熱で直接処理容器10を温めるのではなく一度
外気に熱を移し、温められた外気によって間接的に処理
容器を加熱することで温度むらがなく、微生物の死滅す
ることのない加熱を行うことができる。
【0069】さらに、第2の部屋28内の加熱外気は、
第2の部屋28と処理容器10との間を連通する吸気口
16を通じて処理容器10内へと吸気される。処理容器
10内に吸気された加熱外気の効果は上述した通りであ
る。
【0070】以上のように、外気の流れは、外気取り入
れ口29から第1の部屋27を通り、通気口23から第
2の部屋28へと入り、吸気口16から処理容器10内
へ吸気される。さらに、処理容器10内の排気は除塵フ
ィルター24から脱臭部26、排気ダクト25を通り、
排気ファン15により外部へと排気されることで一連の
外気の流れが作られる。
【0071】このような構成とすることで、脱臭部26
により加熱脱臭された高温の排気が処理容器10の内外
を循環し、その熱を利用して処理容器10を効率良く加
熱することができるので、廃棄物の分解が効率よく進む
と同時に、運転コストの削減が可能となる。
【0072】このとき、第1の部屋27の処理容器側板
左14に設けた槽外管体の排気ダクト25bにより、処
理容器側板左14が加熱されるので、処理容器側板左1
4にヒーター等の加熱手段を設けなくても、処理容器1
0内の混合物を加熱することができる。
【0073】また、外装部8と処理容器10(処理容器
側板左14)との間に略閉空間を形成することで、外気
との境界ができ処理容器10の保温効果も得られる。よ
って、脱臭部26により加熱脱臭された高温の排気を利
用して処理容器側板左14を効率良く温めることがで
き、運転コストの削減を図ることができる。
【0074】また、外気取り入れ口29より取り込んだ
外気は、第1の部屋27に設けた槽外配管の排気ダクト
25bにより加熱され、通気口23から第2の部屋28
に通気することで、処理容器10を加熱することができ
る。
【0075】ところで、処理容器10を取り囲む6面の
外装部8は金属等の板金加工部材を組み合わせて製され
るものであるが、その場合に外装部8内外の密閉性を確
保することは一般的に困難である。また、部材間の隙間
をシール材等で封止することは装置コストの上昇につな
がり得策ではない。よって、略閉空間を形成する第1の
部屋27と第2の部屋28には、外装部8の合わせ目に
外気との隙間が生じ、外気取り入れ口29以外から外気
が入ることが考えられる。
【0076】ところが、本実施の形態では、外装部8と
処理容器10との間を第1の部屋27と第2の部屋28
に分割し、それぞれの部屋を略閉空間状に形成するとと
もに、第1の部屋27に外気を取り入れる外気取り入れ
口29、および第1の部屋27と第2の部屋28との間
を連通する通気口23を設けたことにより、外装部8の
合わせ目から漏れ入る外気の影響を低減することを可能
としている。
【0077】すなわち、このような構成により、外気取
り入れ口29→第1の部屋27→通気口23→第2の部
屋28という外気の流路(図4)が確保されるため、外
装部8の合わせ目から漏れ入る外気の影響を受けにくく
なり、外気が排気ダクト25bを迂回することなく加熱
され、通気口23に集中させて第2の部屋28に加熱外
気を通気することができるので、排気ダクト25bの熱
を効率よく第2の部屋28の加熱に利用できるのであ
る。
【0078】また、外気取り入れ口29を第1の部屋2
7の上部に、通気口23を第1の部屋27の下部に設
け、排気ダクト25bを第1の部屋27内の上部から下
部に亘り配管したことにより、外気の流路が排気ダクト
25bに沿うようになり、加熱効率を一層高めることが
できる。
【0079】図9(a)に、第2の部屋28の温度分布
を測定した結果を示す。ここでは、通気口23に通気フ
ァン30を設けた場合と設けない場合との温度分布を測
定した。また、同図(b)は、温度の測定ポイントを模
式的に示した図である。測定ポイントP01からP09
の9点は、底板31から内部側へ20mmの高さのポイ
ントである。図9に示すように通気ファン30を設けな
い場合であっても、第2の部屋28の温度分布は、外気
温度(20℃)よりも高い温度を維持することができ
る。
【0080】このように、第1の部屋27と第2の部屋
28を処理容器10の周囲に隣接して設け、それぞれの
部屋を槽外管体の排気ダクト25bと排気ダクト25c
により加熱した外気により加熱することで、外気と処理
容器10の断熱効果が増し、外気の温度が下がっても外
気の影響を受けるにくくなり、処理容器10内は均一な
温度分布になることから微生物が繁殖しやすい環境の温
度に保つことができる。
【0081】また、加熱された外気は、第2の部屋28
から吸気口16を介して処理容器10内へと吸気される
ことで、処理容器10内には加熱した外気が入ることか
ら、処理容器10内は吸気した外気により混合物が冷や
されることがなくなり、廃棄物の分解が効率よく進む。
【0082】ところで、上述したように、略閉空間を形
成する第1の部屋27と第2の部屋28には、外装部8
の合わせ目の隙間など外気取り入れ口29以外から外気
が漏れ入ることが考えられる。このときに排気ファン1
5による減圧作用のみでは、外気を外気取り入れ口29
から取り込み、第1の部屋27、第2の部屋28、処理
容器10を経て外部へ排出するという一連の通気を、十
分に確保できないことがある。
【0083】そこで、図4(b)に示すように、処理容
器側板左14の下面側に設けた通気口23に通気ファン
30を設けて、第1の部屋27から第2の部屋28への
外気の流れを強制的に作りだすことにより、外気取り入
れ口29以外の外装部8の合わせ目の隙間から外気が第
1の部屋27に多少漏れ入っても、外気取り入れ口29
から通気口23への外気の流れを槽外管体の排気ダクト
25bに沿って確保できることから、外気は槽外管体の
排気ダクト25bにより効率よく加熱される。
【0084】さらに、加熱された外気を、通気ファン3
0により第2の部屋28に強制的に送り込み、第2の部
屋の空気を撹拌することにより、加熱された外気が第2
の部屋28の隅々まで広がり、第2の部屋28の温度分
布がほぼ均一(外気温度が20℃の時、約37℃から約
47℃(図9(a))となる。温度分布がほぼ均一とな
ることで、処理容器10をより均一に加熱することが可
能となり、効率的な運転が可能となる。
【0085】図9(a)に示すように、通気ファン30
の有無により底板31の内部側である第2の部屋28の
温度分布に差が認められる。通気ファン30がないとき
でも、外気温よりも高い温度を維持できるが、第2の部
屋28の温度分布のばらつきは約15℃と、通気ファン
30がある時と比較して大きくなっている。通気ファン
30を取り付けることで第2の部屋の温度は、外気温度
が20℃の時平均約43℃に上昇し、かつ温度分布のば
らつきも約10℃と小さくなることから、処理容器10
をより均一に加熱することが可能となり、均一な廃棄物
の処理が可能となる。
【0086】さらに、外気温度がマイナス10℃の場合
と40℃の場合についても同様の実験を行ったところ、
外気温度がマイナス10℃の時は第2の部屋28の温度
は平均約21℃に上昇し、外気温度が40℃時は第2の
部屋28の温度は平均約58℃まで上昇した。この結果
から、外気温度がマイナス10℃から40℃の範囲(レ
ンジで50℃)で変化しても、第2の部屋28の平均温
度は21℃から58℃の範囲(レンジで37℃)の変化
に抑えることができ、外気温の影響を抑えることができ
ることがわかる。
【0087】また、外気を外気取り入れ口29から取り
込み、排気ファン15により外部へ排出する構成におい
ては、一連の通気経路の圧力損失が増すことから、排気
ファン15による通気が十分に行えないが、通気ファン
30を設けることで、排気ファン15の圧力損失が減少
し、処理容器内の空気を外部へ排出する一連の通気流量
の低下を補うこともできる。
【0088】また、通気ファンを、吸気口16に取り付
けても同様の効果が得られる。また、通気口23と吸気
口16の両方に取り付けてもよい。ただし、本実施の形
態の構成においては、排気ファン15を脱臭部26より
下流側に設置して、処理容器10内と脱臭部26と排気
ダクト25の一連の排気通路内を減圧して、外部への臭
いの漏れを削減しているが、吸気口16にファンを取り
付けると処理容器10内を加圧することになり、排気フ
ァン15による処理容器10内の減圧が弱まることで臭
い漏れの原因にもなることなどを鑑みれば、通気ファン
は、通気口23に設けることがより好適である。
【0089】また、通気ファンを、外気取り入れ口29
に取り付けても同様の効果が得られる。通気ファンを外
気取り入れ口29に取り付けることで、排気ダクト25
bにより加熱した外気を通気口23を通して、第2の部
屋28に送り込むことができる。ただし、加熱外気が外
装部8の隙間から多少外部へ漏れ出てしまったり、第2
の部屋28の空気を撹拌できないことなどを鑑みれば、
通気ファン30は、通気口23に設けることがより好適
である。なお、通気ファンを通気口23と外気取り入れ
口29の両方に取り付けてもよいが、ファンを2箇所に
取り付けることは装置コストが上昇することから得策で
はない。
【0090】本実施の形態においては、第2の部屋28
の処理容器10の槽部10aに面状ヒーター9を取り付
けて処理容器10内の混合物を加熱しているが、加熱さ
れた外気を通気口23から第2の部屋28へ通気し、面
状ヒーター9とともに処理容器10を加熱することによ
り加熱された外気が面状ヒーター9の補助熱として作用
し、運転コストを削減できる。また、このときも、通気
口23に通気ファン30を取り付けた構成にあっては、
通気ファン30により第2の部屋28が均一に加熱され
ることから、面状ヒーター9の補助熱として効率よく作
用し、さらに処理容器を均一に加熱できるので、運転コ
ストの削減と廃棄物の分解が的確に進む。
【0091】また、本実施の形態においては、脱臭部2
6処理容器側板右13側に、排気ダクト25bを処理容
器側板左14側に配置している。このように構成する
と、処理容器10の下方には槽部10aに取り付けた面
状ヒーター9、処理容器10の上方には排気ダクト25
a、処理容器10の一方の側方には加熱脱臭を行う脱臭
部26、そして他方の側方には排気ダクト25bのよう
に、熱源が処理容器10の周囲を取り囲むことになる。
したがって、基材11への加熱を四方全体から効率良く
与えることができ、基材11の温度むらが削減して処理
効率の向上を図ることができる。さらに、処理容器10
の下側に排気ダクト25cを構成すると、より効果的で
ある。
【0092】また、排気ダクト25bは、左右の処理容
器側板13,14のうち少なくともいずれか一方に設け
られていればよく、処理容器側板13,14のうち少な
くともいずれか一方において、排気ダクト25bのみで
処理容器10を加熱するとよい。これにより処理容器側
板13,14にヒーターを設ける必要がなくなり、装置
構成の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0093】図7には廃棄物処理装置内の通気経路の変
形例が示されている。すなわち、脱臭部26を処理容器
10の下側に配設し、脱臭部26通過後の排気を、ま
ず、処理容器側板右13の排気ダクト25bに通し、そ
の後、処理容器10内の排気ダクト25aに通してか
ら、処理容器側板左14の排気ダクト25bに通しても
よい。この場合には、処理容器側板右13と処理容器側
板左14とで温度差が発生するが断熱材等で温度調整を
行うことで、本実施の形態と同様な効果が得られる。
【0094】ここで脱臭部26や排気ダクト25bは処
理容器10(処理容器側板13,14)に直接当てず、
空隙(または介在部材)を設けた方がよい。脱臭部26
内の排気や排気ダクト25b内の排気は温度が高温であ
り、処理容器10に直接当てると空気のような熱伝導率
が低いものを通らないため処理容器側板13,14を高
温に温めてしまい、結果廃棄物を処理する微生物が高温
により死滅してしまうためである。
【0095】さらに、本実施の形態では、図8(a)に
示すように、排気ダクト25bを処理容器側板左14に
沿って第1の部屋27内の上部から下部に亘り配管する
構成としている。上述のように排気ダクト25bは処理
容器側板左14と所定の空隙を空けて配置することが好
適であるものの、空気の熱伝導率は大変低いため、配置
によっては排気ダクト25bから伝熱する熱を処理容器
10内の基材11に対して十分に伝えられないことがあ
る。そこで、本実施の形態では排気ダクト25bを処理
容器側板左14に沿って配管することにより、排気ダク
ト25bの熱を処理容器側板左14を介して効率良く基
材に11を熱を与えられるようにしている。
【0096】なお、本実施の形態の配置に限らず、たと
えば図8(b),(c),(d)に示すような構成にし
ても好適である。すなわち、排気ダクト25bを、処理
容器10の外壁近傍であって基材11が担持されている
箇所にオーバーラップするように配管するとよい(排気
ダクト25bと、撹拌羽根5による撹拌領域と、を撹拌
軸6の軸方向に投影してなるそれぞれの投影部が、少な
くとも一部領域が重なっているとよい)。これにより、
側壁からも効率的に処理容器10に熱を与えることがで
き、さらに、その熱を効率よく基材11に与えることが
可能である。
【0097】また、排気ダクト25bは処理容器側板左
14側に配管されているため廃棄物処理装置の幅方向の
スペースを必要とする。そこで省スペース化のために撹
拌軸6を軸支する軸受け7の出っ張り部分よりも幅方向
に突出することのない排気ダクト25bにする。ここで
は、くの字形の排気ダクト25bを用いることにより、
処理容器側板左14に略直交する方向において、処理容
器側板左14から軸受け7の端部近傍までの領域に排気
ダクト25bが配設されるようにしている。さらに、排
気ダクト25bの断面形状は、円形状にするよりも、装
置の幅方向に突出することの少ない略長方形などの形状
とした方が、通気面積を広くとれるので有効である。こ
のように排気ダクト25bを構成することにより、排気
ダクト25bを用いるために廃棄物処理装置の幅を広げ
る必要がなくなるため、省スペース化を図ることがで
き、結果装置全体を構成する材料の削減につなげられ
る。
【0098】排気ダクト25bは外装部8に直接当て
ず、空隙(または介在部材)を設けた方がよい。排気ダ
クト25b内の排気は温度が高温であり、外装部8に直
接当てると空気のような熱伝導率が低いものを通らない
ため外装部8が高温に温まってしまう。そこで、外装部
8と排気ダクト25bに空隙(または介在部材)を設け
ることで外装部の温度上昇を回避できる。
【0099】さらに、通気口23に通気ファン30を設
けることで、外装部8と排気ダクト25b間の空気流動
が増すことから、外装部8の温度上昇を更に回避でき
る。
【0100】処理容器10の周囲に隣接して略閉空間状
に形成された第2の部屋28と、その部屋内の空気を撹
拌する通気ファン30を設けたことで、図9(a)の通
気ファン有りの結果に示されるように、ファンにより空
間の空気が撹拌され、部屋内の温度分布が均一になるこ
とから、処理容器10を均一に加熱することが可能とな
り、処理容器10内の廃棄物の処理が均一になる。
【0101】一般的に、伝熱現象は熱伝導、対流伝熱、
放射伝熱の形態があり、実際の伝熱系では一つの形態の
伝熱現象が単独で起こることは希である。しかし各々の
絡み合いを考えると複雑なものとなるため、ここでは熱
伝導に限定して説明する。
【0102】本実施の形態の中で、排気ダクト25内の
熱と受け取る側の空気との間には熱伝導によるフーリエ
の法則が適用され、次のように表現される。 Q=k(TH−TC)/σA 但し、 A:物体の面積(m2) Q:単位時間(s)の間に伝わる熱量(W) (TH−TC)/σ:温度勾配 k:熱伝導率(W/m・K) 以上の法則式から温度を効果的に熱交換するには物質の
種類(材質)と状態(温度と圧力)によって定まる熱伝
導率kの値を十分に考慮しなければならなく、さらに一
般的に伝熱量に影響を与えるものとして、伝熱面の形状
や大きさ、流動状態なども含まれる。
【0103】以上のことを注意して、排気ダクト25の
形状、材質選定を選定しなければならない。本実施の形
態では排気ダクト25の材質をSUS304にした。こ
の排気ダクト25を用いた装置内の伝熱現象による温度
状態変化を図5に示す。なお、排気ダクト25の材質
は、鉄やアルミであっても同様の効果が得られる。
【0104】図5を見ると、排気ダクト25aと、排気
ダクト25bの間で大きく熱交換をしているのがわか
る。これは上記フーリエの法則の式の(TH−TC)/σ
で表される温度勾配が大きいためである。
【0105】また、このように配管することで処理容器
10内に取り込まれた外気に排気ダクト25aの伝熱現
象により熱を与えることができ、結果処理容器10内の
空気温度が上昇することで飽和蒸気圧の関係より処理容
器10の水分をより多く空気に含むことができ、排気フ
ァン15により処理容器外へ水分を多く含んだ空気を排
出できることから、処理容器10内が多湿状態の時有効
である。
【0106】同時に、処理容器10内の空気を温めるこ
とで脱臭部26内で加熱する際に空気の温度が高いほう
が加熱する温度が少なくてすみ、運転コストを削減で
き、運転効率を向上させることができる。さらに排気ダ
クト25aを通した後、排気ダクト25b,25cに通
すことにより処理容器10内に熱を還元でき、脱臭部2
6で与えた熱をまんべんなく利用できる。
【0107】また本実施の形態では、面状ヒーター9を
処理容器10の槽部10aに取り付けているため、初め
に処理容器10内の排気ダクト25aから加熱排気を通
しているが、逆の構成としても排熱を効率良く利用でき
る。すなわち、脱臭部26通過後の加熱排気を、まず処
理容器10の下側の排気ダクト25cへ通し、処理容器
側板左14の排気ダクト25b、排気ダクト25aへと
通し、外気へ放出する構成としてもよい。この場合、排
気ダクト25cと、排気ダクト25bの間で大きく熱交
換をするため、処理容器10下部と処理容器側板左14
に熱を多く与えることができ、結果処理容器10内の基
材11に熱を伝えられ廃棄物の処理効率向上につなが
る。
【0108】また図5で排気ダクト25aと、排気ダク
ト25bの間で大きく熱交換し、さらに排気ダクト25
cを通すことで微量の熱交換だが処理容器10下部に熱
を与えることができ、少しでも排気の温度を抑えること
で排気ファン15の軸受け寿命を延ばすことができる。
【0109】また排気ダクト25cでの熱交換は面状ヒ
ーター9の運転コストの削減にもつながる。図1の装置
で外気25℃のとき、排気ダクト25cでの熱交換だと
処理容器10下部の排気ダクト25c近傍では約40℃
で保温することができ、排気ダクト25cを配設する効
果により面状ヒーター9は、処理容器10以外への放熱
を削減できる。
【0110】また、本実施の形態では、排気ファン15
を脱臭部26より下流に配置している。
【0111】これは理想気体の状態式である下記式から
の考えを反映して、排気ファン15を脱臭部26より下
流に配置する構成とした。 pv=RT 但し、 p:圧力(Pa) v:体積(m3) R:気体定数(J/(kg・K)) T:温度(K) 等圧状態において気体に熱を加えるとその体積は一般的
に膨張するものである。したがって、常温では(体積が
膨張していないため)容易に脱臭部26を通過させるこ
とができるが、高温状態では脱臭部26で大きな抵抗が
生じ、容易に通過させることができなくなる。そのため
図6(a)のように排気ファン15を脱臭部26の上流
に構成すると脱臭部26内を加圧する形となり、脱臭部
26の抵抗により進めない気体は排気口17と脱臭部2
6との間に発生した隙間から漏れてしまい、結果臭気が
発生してしまう。よって本実施の形態では図6(b)の
ように排気ファン15を脱臭部26より下流側に設けて
脱臭部26内を減圧し、途中の隙間から臭気が漏れない
ような構成としている。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外気取り入れ口から取り込んだ外気を排熱を利用して加
熱し、その加熱外気を第1の部屋、第2の部屋、処理容
器へと通気して、廃棄物処理容器を効率良く、且つ均一
に温めることができるとともに、装置の運転効率を向上
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理装置の構
成を示す概略斜視図である。
【図2】図1のA視からみた廃棄物処理装置の概略断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理装置の外
装カバー装着時の概略斜視図である。
【図4】(a)は、本発明の実施の形態に係る廃棄物処
理装置の外気通気経路を示す模式図であり、(b)はそ
の変形例である。
【図5】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理装置の通
気経路内の温度変化を説明する模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理装置の脱
臭部と排気ファンとの位置を示す模式図である。
【図7】変形例に係る廃棄物処理装置の配管構成を示す
模式図である。
【図8】(a)は、本発明の実施の形態に係る廃棄物処
理装置の配管構成を示す模式図であり、(b),
(c),(d)はその変形例を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理装置内の
温度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 駆動モーター 2 小スプロケット 3 チェーン 4 大スプロケット 5 撹拌羽根 6 撹拌軸 7 撹拌軸を支持する軸受け 8 外装部(枠体) 9 面状ヒーター(加熱手段) 10 処理容器 10a 槽部 11 基材 12 基材状態測定センサー 13 処理容器側板右(側壁) 14 処理容器側板左(側壁) 15 排気ファン 16 吸気口 17 排気口 18 投入蓋に取り付けたマグネット 19 投入蓋開閉検知センサー 20 投入蓋 21 廃棄物投入口 22 制御部 23 通気口 24 除塵フィルター 25,25a,25b,25c 排気ダクト(管体) 26 脱臭部(脱臭手段) 27 第1の部屋 28 第2の部屋 29 外気取り入れ口 30 通気ファン 31 底板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 猛 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 萩原 宏行 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 山中 真一 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 (72)発明者 松浦 剛蔵 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤノ ン電子株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA03 CA15 CA18 CA48 CB04 CB28 CB36

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】装置本体の枠体と、 該枠体内に設けられ、廃棄物を処理する処理容器と、 該処理容器からの排気を加熱脱臭する脱臭手段と、を備
    えた廃棄物処理装置であって、 前記処理容器に隣接する第1の部屋と、 前記処理容器に隣接し、前記第1の部屋と区画された第
    2の部屋と、 前記第1の部屋に外気を取り入れる外気取り入れ口と、 前記第1の部屋内に配管され、前記脱臭手段により加熱
    脱臭された排気を通すための管体と、 前記管体により加熱された外気を前記第1の部屋から前
    記第2の部屋へ導入するための通気口と、 前記通気口から導入された外気を前記第2の部屋から前
    記処理容器内に導くための吸気口と、を備えたことを特
    徴とする廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】前記外気取り入れ口から前記吸気口までの
    間の外気の流路に、通気ファンを有することを特徴とす
    る請求項1に記載の廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】前記通気ファンを前記通気口に有すること
    を特徴とする請求項2に記載の廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】前記第2の部屋に前記処理容器を加熱する
    加熱手段を有することを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】前記管体は、前記第2の部屋内にも配管さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか
    1項に記載の廃棄物処理装置。
  6. 【請求項6】前記外気取り入れ口から前記通気口までの
    外気の流路が前記管体に沿うことを特徴とする請求項1
    〜5のうちいずれかに記載の廃棄物処理装置。
  7. 【請求項7】前記第1の部屋は、前記処理容器の外壁に
    よって仕切られた空間であることを特徴とする請求項1
    〜6のうちいずれか1項に記載の廃棄物処理装置。
  8. 【請求項8】前記第2の部屋は、前記処理容器の外壁に
    よって仕切られた空間であることを特徴とする請求項1
    〜7のうちいずれか1項に記載の廃棄物処理装置。
  9. 【請求項9】前記処理容器は、互いに対向して設けられ
    た一対の側壁と、該一対の側壁間に横設された槽部とを
    有して構成され、 前記第1の部屋は、前記枠体の内壁と前記側壁によって
    仕切られた空間であることを特徴とする請求項1〜8の
    うちいずれか1項に記載の廃棄物処理装置。
  10. 【請求項10】前記第2の部屋は、前記枠体の内壁と前
    記槽部によって仕切られた空間であることを特徴とする
    請求項9に記載の廃棄物処理装置。
  11. 【請求項11】前記管体は、前記側壁と空隙を介して配
    管されたことを特徴とする請求項7または10に記載の
    廃棄物処理装置。
  12. 【請求項12】装置本体の枠体と、 該枠体内に設けられ、廃棄物を処理する処理容器と、 該処理容器からの排気を加熱脱臭する脱臭手段と、を備
    えた廃棄物処理装置において、 前記処理容器の周囲に隣接して略閉空間状に形成された
    部屋と、 該部屋内の空気を撹拌するファンと、を有することを特
    徴とする廃棄物処理装置。
  13. 【請求項13】熱を利用して処理される廃棄物を収納す
    るための処理容器と、前記処理容器内を前記処理容器の
    外部から流体を介して加熱する加熱手段を有することを
    特徴とする廃棄物処理装置。
  14. 【請求項14】前記処理容器からの排気を加熱して脱臭
    する脱臭装置をさらに備えることを特徴とする請求項1
    3に記載の廃棄物処理装置。
  15. 【請求項15】前記流体は前記脱臭装置の排気で加熱さ
    れることを特徴とする請求項14に記載の廃棄物処理装
    置。
  16. 【請求項16】熱を利用して処理される廃棄物を収納す
    るための処理容器内に廃棄物を収納し、前記処理容器の
    外部から流体を介して加熱することで、前記処理容器内
    に収納される廃棄物を加熱することを特徴とする廃棄物
    の処理方法。
  17. 【請求項17】前記流体は処理容器からの排気を加熱し
    ながら脱臭する工程を経た排気によって加熱された気体
    であることを特徴とする請求項16に記載の廃棄物の処
    理方法。
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