JP2003022585A - スタンパの製造方法及び原盤露光装置 - Google Patents

スタンパの製造方法及び原盤露光装置

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JP2003022585A
JP2003022585A JP2001205657A JP2001205657A JP2003022585A JP 2003022585 A JP2003022585 A JP 2003022585A JP 2001205657 A JP2001205657 A JP 2001205657A JP 2001205657 A JP2001205657 A JP 2001205657A JP 2003022585 A JP2003022585 A JP 2003022585A
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Yasuhiko Koda
安彦 國府田
Osamu Ishizaki
修 石崎
Takeshi Maro
毅 麿
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細パターンが形成されたスタンパに新たな
パターンを形成する。 【解決手段】 凹凸パターン2が形成された原盤1から
電鋳によりスタンパ3を作製する。スタンパ3の微細パ
ターン4が形成されている面上にレジスト5を塗布す
る。レジスト5にレーザ光6を照射してレジスト5を所
定のパターンで露光する。現像により、露光されたレジ
ストを除去する。未露光のレジストをマスク15として
用いてエッチングを行う。これにより、露出したスタン
パ表面が所定のパターンでエッチングされる。エッチン
グ後、スタンパ上の残留レジストを除去することにより
微細パターン4と、追加工された所定パターン9を表面
に備えるスタンパを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターンを被
転写物に転写させる際に用いられるスタンパを製造する
方法に関し、更に詳細には、形状が僅かに異なる微細パ
ターンを有するスタンパを安価に且つ容易に製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品や電子回路、機械部品の小型化
により、携帯電話、電子計算機のみならず、あらゆる家
電製品が小型化・軽量化している。電子部品・電子回路
の小型化の実現は、半導体の微細化によるところが大き
い。半導体に集積されている電子回路は、ICからLS
I、VLSIへとその集積度を高め、ULSIへと発展
した。この電子回路の集積度の向上は、フォトリソグラ
フィの技術向上により達成されている。
【0003】フォトリソグラフィ技術は、様々な技術分
野に利用されており、例えば、ハードディスク用のヘッ
ドや、液晶ディスプレイのブラックマトリックスと呼ば
れる格子などの機械部品の製造にフォトリソグラフィ技
術が用いられている。また、マイクロマシンの発展に伴
ってマイクロオーダーの歯車やばね等の微細な機械部品
が次々に開発されているが、かかる微細な機械部品の製
造にもリソグラフィ技術が用いられている。
【0004】リソグラフィ技術では、まず基板上にレジ
ストを塗布し、レジストにレーザ光を照射してレジスト
を所望のパターンで露光する。次いで、現像により、露
光或いは未露光のレジストを除去して所望のパターンで
基板を露出させる。そして、残ったレジスト部分をマス
クとして利用し、除去されて露出している基板表面を所
望の深さでエッチングした後、残留レジストを基板から
除去して基板に所望のパターンを形成する。例えば、電
子回路では、基板のエッチングした部分にn型・p型の
イオンをドーピングすることにより回路を設計する。こ
の場合、エッチングにより微細パターンを作製した基板
自体を回路として用いる。
【0005】また、液晶ディスプレイのブラックマトリ
ックスの場合は、フォトリソグラフィ技術により基板自
体を所望のパターンでエッチングし、エッチングされた
基板を部品として用いる。
【0006】また、マイクロマシン用のばねの場合は、
まず、基板上に塗布されたレジスト膜にレーザ光を照射
して、レジスト膜をばねの形状に対応するパターンで露
光し、レジスト膜の露光部分を現像により除去して、レ
ジスト膜にばね形状の溝(ばねの型)を作製する。次い
で、得られたばね形状の溝にめっきを施し、残ったレジ
ストを除去する。これによりミクロンオーダーのばねが
得られる。この場合、ばねの型として利用したレジスト
は除去されてしまうため、フォトリソグラフィにより作
製したマイクロオーダーの形状は、ばねを製造するたび
に破壊されることになる。
【0007】このように、従来のリソグラフィ技術を利
用した微細加工技術では、同一形状の製品や部品を多量
に複製する場合であっても、個々の製品や部品に対して
それぞれ微細パターン作製工程が必要であり、新たな製
品や部品を作製する場合には、その都度最初からフォト
リソグラフィを行わなければならなかった。
【0008】この問題を解決するために、半導体工業な
どでは、微細パターンの原型を石英に描画してレチクル
と呼ばれるパターンの原図を作製し、かかる原図を用い
て一括露光することでパターン描画の工程を短縮してい
る。しかしながら、描画及び現像後には、個々の基板に
対して全く同じエッチング処理を繰り返し行わなければ
ならなかった。また、この方法では、2次元的なパター
ンのみの転写しか行えなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、大容
量デジタル情報を記録するための媒体として光記録媒体
が利用されており、光記録媒体の基板には、通常、アド
レス情報やクロックタイミングなどの情報を示すピッ
ト、トラッキングのための案内溝などのミクロンオーダ
ーの微細パターンが形成されている。かかる微細パター
ンが形成された基板は、通常、スタンパと呼ばれる型を
用いて射出成型法により大量に複製される。すなわち、
基板に形成される微細パターンと逆パターンが形成され
たスタンパを射出成形機に装着し、溶融樹脂を射出する
ことにより微細パターンが形成された樹脂基板を複製し
ている。かかる射出成型法によれば、1枚のスタンパか
ら数万枚から数十万枚の基板を製造することができる。
射出成型で用いられるスタンパは、通常、以下に示すよ
うなフォトリソグラフィ技術を用いて製造される。最初
に、ガラス原盤上にレジストを塗布し、露光装置を用い
てレジストを所望のパターンで露光させる。次いで、現
像によりレジストの露光部分或いは未露光部分を除去し
てレジストからなる凹凸パターンを形成する。次いで、
凹凸パターンが形成されたレジスト上に導電化処理を行
って電極を形成し、電鋳により金属のめっき膜を形成す
る。そして、めっき膜が所定の厚みになったときに、め
っき膜を原盤から剥離する。こうして得られた金属めっ
き膜がスタンパとして用いられる。
【0010】かかるスタンパの製造方法では、スタンパ
(めっき膜)を原盤から引き剥がす際に、レジストも同
時に引き剥がされるため、ガラス原盤からは1つのスタ
ンパしか作製することができない。そこで、ガラス原盤
から複数のスタンパを製造する方法として、マスターマ
ザーサン法と呼ばれるスタンパの製造方法が用いられて
いる。マスターマザーサン法では、まず、ガラス原盤か
ら得られたスタンパ(以下、マスタースタンパという)
の凹凸パターンが形成されている面に酸化膜などの剥離
層を形成した後、上述のスタンパの製造方法と同様に、
電鋳により更に別の金属製のスタンパ(以下、マザース
タンパという)を製造する。得られたマザースタンパは
ガラス原盤と同じ凹凸パターンを有している。得られた
マザースタンパから、上述のスタンパの製造方法と同様
に電鋳によりスタンパ(以下、サンスタンパという)を
作製する。マザースタンパは金属で形成されているため
に、酸化膜などの剥離層を形成してから導電化処理を行
えば、繰り返し電鋳を行うことができる。それゆえ、マ
ザースタンパから複数のサンを製造することができる。
このように、ガラス原盤から作製されたマザースタンパ
をもとにして複数のサンスタンパが得られるので、複数
のサンスタンパを用いて射出成型を行うことにより基板
を大量に製造することができる。
【0011】また、マスターマザーサン法とは別に、表
面に凹凸パターンが形成されたガラス原盤から繰り返し
電鋳を行うことにより複数のスタンパを製造する技術も
知られている。この技術では、ガラス原盤の表面に凹凸
パターンを形成するために、フォトリソグラフィ技術に
よりガラス原盤上に形成されたレジストの凹凸パターン
を形成し、かかるレジストの凹凸パターンをマスクとし
て利用して原盤を所定の深さでエッチングしている。得
られたガラス原盤に導電化処理を行って電極を形成した
後、電鋳を行えばスタンパを製造することができる。
【0012】このようにスタンパを用いた射出成型によ
れば、ガラス原盤と同一の微細パターンを有する基板を
安価に且つ大量に製造することができる。しかしなが
ら、スタンパを用いた射出成型法では、例えば、ミクロ
ンオーダーのピットが1つ追加されるなど、微細パター
ンに僅かにでも変更が生じた場合に、原盤及びそれに基
づいて得られるスタンパを新たに作製しなければならな
いという不都合があった。
【0013】本発明は、かかる不都合を解消するために
なされたものであり、その目的は、原盤から複製される
スタンパの微細パターンに変更があっても原盤を新たに
作製することなく、所望の微細パターンを有するスタン
パを容易に且つ安価に製造できる方法を提供することに
ある。
【0014】本発明の別の目的は、微細パターン形状が
互いに類似するスタンパを簡易に製造することができる
スタンパの製造方法を提供することにある。
【0015】本発明の更に別の目的は、3次元形状の微
細パターンを被転写物に転写させるためのスタンパを容
易に製造するためのスタンパ製造方法を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、凹凸パターンを有するスタンパの製造方法であっ
て、上記凹凸パターンは第1凹凸パターンと第2凹凸パ
ターンとからなり、第1凹凸パターンと逆の凹凸パター
ンを有する原盤を作製する原盤作製工程と、上記原盤作
製工程により作製された原盤から電鋳により第1凹凸パ
ターンを有するスタンパを作製するスタンパ作製工程
と、上記スタンパ作製工程により作製されたスタンパに
第2凹凸パターンを追加工により形成する追加工工程と
を含むことを特徴とする製造方法が提供される。
【0017】本発明のスタンパの製造方法は、凹凸パタ
ーンを有する原盤から電鋳により第1凹凸パターンを有
するスタンパを複製し、スタンパの第1凹凸パターンが
形成されている面に第2凹凸パターンを追加工により形
成する。すなわち、本発明では、最終的にスタンパに形
成する凹凸パターンを、例えば第1凹凸パターンと第2
凹凸パターンの2種類(またはそれ以上)の凹凸パター
ンに分け、原盤を作製するときに第1凹凸パターンを形
成し、次いで第1凹凸パターンが形成された原盤からス
タンパを作製し、得られたスタンパに追加工により第2
凹凸パターンを形成することができる。かかる製造方法
を、例えば、光ディスク基板用のスタンパに適用する場
合には、実質的に変更されることがないような凹凸パタ
ーン、例えば案内溝やプリフォーマット信号に対応する
プリフォーマットパターンなどを原盤作製時に形成し、
変更の可能性のある凹凸パターン、例えばユーザデータ
などのピットパターンを追加工により形成すれば、ユー
ザデータに変更があったとしても、新たに原盤を作製す
る必要はなく、スタンパにユーザデータに対応したピッ
トパターンを追加形成するだけで済む。このように、本
発明によれば、原盤に形成された基本的なパターンを繰
り返し流用することが可能となるので、生産効率を高め
ることができる。
【0018】本発明の製造方法において、追加工には、
例えば、以下に示すような方法を用いることができる。
まず、図1(B)に示すように、第1凹凸パターン4を
有するスタンパ3の凹凸が形成されている面上に、フォ
トレジスト5を塗布する。次いで、フォトレジスト5上
にレーザ光6を照射して第2凹凸パターンに相当するパ
ターンでフォトレジスト5を露光する。つぎに、現像に
より、露光されたフォトレジスト(或いは未露光のフォ
トレジスト)を除去し、フォトレジスト5に第2凹凸パ
ターンに相当する凹凸パターン9を形成する。次いで、
凹凸パターン9が形成されたフォトレジスト5をマスク
としてエッチング14を行う。このエッチング14によ
り、スタンパ表面が露出している部分が所定の深さでエ
ッチングされる。かかるエッチング後、スタンパ3上に
残留しているフォトレジストを除去する。これにより、
第1凹凸パターン4が形成されたスタンパ表面には、新
たに第2凹凸パターン9が追加形成される。
【0019】かかる追加工方法のほかに、スタンパの第
1凹凸パターンが形成されている面上の所定領域に、例
えば、レーザ光、電子線またはX線を照射して、スタン
パ表面に第2凹凸パターンを直接形成する方法を用いて
もよい。或いは、スタンパの第1凹凸パターンが形成さ
れている面上の所定領域に、超精密機械加工で第2凹凸
パターンを形成してもよい。
【0020】本発明において、原盤を作製する方法及び
原盤からスタンパを作製する方法は、以下に説明するよ
うな従来の原盤製造方法及びスタンパ製造方法を用いる
ことができる。まず、原盤製造方法について説明する。
原盤製造方法では、まず、表面を研磨したガラス基板を
用意し、ガラス基板上に感光性材料からなるフォトレジ
ストを塗布する。つぎに、原盤露光装置を用いて、フォ
トレジストが形成されている面上にレーザ光を照射し、
フォトレジストを第1凹凸パターンに対応したパターン
で露光する。次いで、現像装置を用いて、フォトレジス
ト上に現像液を滴下して、露光した或いは未露光のフォ
トレジストを除去する。こうして第1凹凸パターンとは
逆の凹凸パターンが形成されたガラス原盤が製造され
る。
【0021】つぎに、ガラス原盤からスタンパを製造す
る方法について説明する。上記のようにして製造された
ガラス原盤の凹凸パターンが形成されている面上に、導
電膜として銀やニッケルなどの金属膜を、蒸着法、スパ
ッタ法または無電解めっき法により形成する。次いで、
この金属膜を電極に用いて電鋳を行い、金属膜上にニッ
ケル膜を形成する。ニッケル膜を所望の厚みに成長させ
た後、ニッケル膜を金属層とともにガラス原盤から剥離
する。剥離したニッケル膜から、付着したフォトレジス
トを除去し、凹凸パターンが形成されていない面を平坦
に研磨する。こうしてガラス原盤から第1凹凸パターン
が形成されたニッケル膜、すなわちスタンパが得られ
る。
【0022】本発明のスタンパの製造方法は、例えば、
DVD用のスタンパの製造方法に適用できる。DVDに
おいてはエリアコードと呼ばれるコードデータが記録さ
れている。エリアコードは、使用される国ごとに異なっ
ており、DVDプレーヤーは、自国のエリアコードを有
するDVDのみ再生可能に設計されている。例えば、ア
メリカで発売されたDVDは、同じ映像情報を有するD
VDであっても、日本のDVDプレーヤーで再生するこ
とができない。これは、著作権や映画、音楽に対する不
正行為を防止するための措置である。この場合、全く同
じ映像情報を有するディスクであっても、エリアコード
のみが異なるために、エリアごとに原盤を作製しなけれ
ばならなかった。
【0023】この問題に対処するために、例えば、エリ
アごとに原盤を作製する代わりに、エリアコードの記録
されていないDVDを作製した後、レーザ加工等により
エリアコードを付加することも考えられるが、製造され
た全てのDVDにレーザ加工等をすることは、製造コス
ト面からすると事実上不可能に近く、産業的な利点も乏
しい。また、情報が既に書き込まれているROMと呼ば
れるディスクは、情報の追加を意図しておらず、情報の
追加が可能であったとしてもディスクの特性を損なう恐
れがある。
【0024】そこで、本発明の製造方法に従って、追加
工工程において、DVDのエリアコードに対応するパタ
ーンを追加工により形成する。すなわち、最初に、映
画、音楽等のコンテンツ情報に対応する凹凸パターンを
有する原盤を作製し、かかる原盤からエリアの数だけス
タンパを作製する。そして、エリアの数だけ作製された
それぞれのスタンパの内周部や外周部の所定の領域にエ
リアコードに相当する凹凸パターンを追加工によりそれ
ぞれ形成する。これにより、同一のコンテンツ情報を有
する原盤をエリアごとに作製する必要がなくなり、製造
コストを低減することが可能となる。
【0025】本発明において、用語「スタンパ」は、光
記録媒体用基板を製造するためのスタンパのみならず、
例えば、回折格子や微細パターンが形成された光学部品
を製造するための型や、マイクロマシン用の部品を製造
するための型、ルーバー構造を有する遮光用フィルムを
製造するための型を含み得る。例えば、回折格子は、波
長ごとに光を分離することが可能な光学素子であり、溝
などの凹凸が規則的に形成されている。かかる回折格子
用のスタンパ(型)を本発明に従って作製するには、ま
ず、原盤作製工程により、一方向、例えば横方向または
縦方向に延在するような溝を一定間隔で複数有する原盤
を作製する。次いで、かかる原盤からスタンパ作製工程
により金属のスタンパを作製する。スタンパには、原盤
に形成されていた横方向または縦方向の溝に対応した凸
部が形成される。次いで、追加工によりスタンパの凸部
に直交するように溝を形成する。かかる溝は、凸部のみ
に形成しても、凸部と凸部の間(凹部)にのみ形成して
も良い。或いは、凸部と凹部にまたがるように、すなわ
ち凸部と凹部の両方に形成しても良い。或いは、凸部に
平行にまたは所定の角度で交差するように溝を形成して
も良い。かかる凹凸を有するスタンパを用いることによ
り多機能の回折格子を大量に複製することができる。
【0026】また、ライトコントロールを目的とした遮
光用フィルムを製造するためのスタンパは、数ミクロン
〜数ミリメートルの厚みの金属薄膜にし得る。遮光用フ
ィルムは、ルーバー(溝)構造を有するフィルムであ
り、ルーバーの間隔を調整することにより、フィルムを
透過する光量を制御することができる。かかる遮光用フ
ィルムを製造するための金属薄膜は、例えば次のように
して製造することができる。まず、上述の原盤作製方法
に従って複数の凹部(溝)が平行に且つ一定の間隔(例
えばμmオーダー或いはnmオーダー)で形成された原
盤を作製し、かかる原盤から電鋳により金属薄膜を作製
する。次いで、金属薄膜に、追加工により所望のパター
ン、例えば、原盤から転写された溝に対応する凸部に垂
直に或いは所定の角度で交差するような複数の溝を形成
する。
【0027】こうして得られた金属薄膜から遮光用フィ
ルムを製造するには、例えば、金属薄膜を円柱状の回転
可能なローラーの周囲に巻きつけられる。そのローラー
を、例えば、光硬化型または熱硬化型の樹脂が形成され
たフィルム状の基材に押し当てながらローラーに対して
フィルムを相対移動させるとともに、ローラーと接触し
ている樹脂を硬化させることによりフィルム状の基材
に、金属薄膜に形成されたパターンを転写することがで
きる。金属薄膜は薄いため、パターンの異なる複数の金
属薄膜をローラーに巻きつけることも可能である。これ
により、フィルム状基材に転写するパターンを任意のパ
ターンに変更することができる。
【0028】本発明の第2の態様に従えば、スタンパの
製造方法であって、上記スタンパは第1凹凸パターンを
有しており、上記スタンパの第1凹凸パターンが形成さ
れている面上に追加工により第2凹凸パターンを形成す
る追加工工程を含むことを特徴とする製造方法が提供さ
れる。
【0029】本発明の第2の態様の製造方法では、既に
凹凸パターンが形成された既存のスタンパに、追加工に
より新たに別の凹凸パターンを形成することができる。
追加工には上述した追加工方法を用いることができる。
かかる製造方法は、既存のスタンパに新たに情報を付加
する必要がある場合に極めて有効な方法である。
【0030】本発明の第3の態様に従えば、原盤に塗布
されたフォトレジストを所望のパターンに露光する原盤
露光装置において、上記原盤は、露光パターンを形成す
る位置を特定するための位置決めマークを有し、上記フ
ォトレジストを露光するための露光光源と、上記位置決
めマークを検出する検出装置と、上記検出装置により検
出された位置決めマークに基づいて、上記原盤に対して
上記露光光源の露光光の集光位置を制御する制御装置と
を含む原盤露光装置が提供される。
【0031】本発明の原盤露光装置は、検出装置によ
り、原盤に予め形成されている位置決めマークを検出し
て原盤に対する位置を求め、求められた位置情報に基づ
いて露光光源からの露光光の原盤上における集光位置を
正確に制御することができる。かかる原盤露光装置は、
例えば、露光光源による露光光でフォトレジストを所定
パターンで露光した後、原盤露光を一旦中断させて露光
装置から原盤を取り外した場合であっても、再度、原盤
を原盤露光装置に装着し、原盤の位置決めマークを基準
にしてフォトレジストを上記所定パターンに引き続いて
露光することができる。また、かかる原盤露光装置は、
原盤の位置決めマークを基準にして露光することができ
るので、第1パターンで露光されたフォトレジストを、
第1パターンとの相対位置を維持しつつ、第1パターン
とは異なる第2パターンで追加露光することができる。
【0032】本発明の原盤露光装置を用いて露光される
原盤には、例えば、その表面に、位置決めマークととも
に凹凸パターンが形成されたガラス原盤或いはスタンパ
を用いることができる。本発明の原盤露光装置は、原盤
の凹凸パターン(第1凹凸パターンという)が形成され
た表面上にフォトレジストが形成されている場合に、原
盤表面の第1凹凸パターンとの相対位置を制御しつつ第
1凹凸パターンと異なる露光パターンで露光することが
できる。
【0033】原盤に予め形成される位置決めマークは、
例えば、同心円状の溝やスパイラル状の溝にし得る。或
いは、原盤上に予め凹凸パターンが形成されている場合
には、かかる凹凸パターンを位置決めマークとして利用
することもできる。また、原盤の位置決めマークから検
出装置により原盤の中心を求めることもできるので、原
盤表面の凹凸パターンが位置決めマークに基づいて形成
されている場合には、原盤上に形成されたパターンと同
軸のパターンでフォトレジストを露光することができ
る。
【0034】本発明の原盤露光装置において、原盤の位
置決めマークを検出して原盤に対する位置を求める検出
装置は、例えば、光ディスクで用いられる光ヘッドのよ
うに、位置決めマークにレーザ光を集光するためのレー
ザ光源と、上記フォトレジストを介して位置決めマーク
からの反射光を検出する光検出器を含み得る。例えば、
原盤の位置決めマークが溝(案内溝)である場合には、
光ヘッドは、溝からの反射光を検出してトラッキングや
フォーカシングを行いながら溝を追従するように構成す
ることができる。光ヘッドに搭載されるレーザ光源から
のレーザ光は、フォトレジストを介して原盤に形成され
た位置決めマークに焦点が合うように制御される。検出
装置のレーザ光源は、フォトレジストが感光する波長域
外の発振波長を有するレーザ光源であることが好まし
い。検出装置は、原盤に対して露光光源と独立に移動で
きるように構成しても、原盤を露光するための露光光源
と一体化して構成してもよい。
【0035】検出装置を溝に追従させるためには、例え
ば磁気ディスクに用いられているスイングアーム方式で
トラッキングをかける方法や、光ディスクに用いられる
光ヘッドのようにコースアクチュエータとファインアク
チュエータを用いる2段サーボ方式等でトラッキングを
かける方法を利用することができる。スイングアーム方
式の場合は、アクチュエータの摩擦によって直流分のオ
フセットが生じるとともにスイングアームの機械共振周
波数に基づく制限によりカットオフ周波数を高くできな
いために動的追従誤差が残る恐れがある。2段サーボ方
式の場合は、アクチュエータの摩擦のような直流オフセ
ットは、コースアクチュエータの制御ループによって抑
制されるとともに、ファインアクチュエータの制御ルー
プによって更に抑制することができるため殆ど無視する
ことができるので好ましい。
【0036】本発明の原盤露光装置において、露光光源
からの露光光の原盤上の集光位置を制御する制御装置
は、例えば、露光光源を原盤上で移動させるための移動
装置と、露光光源からの露光光を微小範囲で移動させる
ためのファインアクチュエータとを含み得る。露光光源
を原盤上で移動させるための移動装置としては、例えば
リニアモータ式やスイングアーム式のアクチュエータな
どを用いることができる。また、ファインアクチュエー
タとしては、例えばガルバノミラーなどを用いることが
できる。
【0037】本発明の原盤露光装置は、原盤の位置決め
マークを検出する検出装置の、原盤に対する変位量を計
測する測定装置を備え得る。測定装置は、例えば、レー
ザスケールなどを利用することができる。検出装置で原
盤の位置決めマークを追従しているときに、位置決めマ
ークの変位によって検出装置が原盤に対して変位して
も、測定装置によりその変位量を計測することができる
ため、制御装置により露光光源を原盤上の所望の位置に
高精度に位置付けることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスタンパの製造方
法を実施の形態に基づいて詳細に説明する。以下の説明
では、光ディスクや光磁気ディスクの基板を作製するた
めのスタンパを製造する方法について説明するが、本発
明はこれに限らず、ミクロンオーダー或いはナノオーダ
ーの極めて微細な形状が転写されて製造される回折格子
やマイクロマシンにも適用可能である。
【0039】1.原盤の作製 まず、表面を研磨したガラス基板を用意し、ガラス基板
上に感光性材料からなるフォトレジストを塗布する。次
いで、フォトレジストが塗布されたガラス基板を、不図
示の原盤露光装置に装填し、例えば、案内溝やプリピッ
トなどから構成された微細パターンが形成されるように
フォトレジスト上にレーザ光を照射してフォトレジスト
を感光する。次いで、不図示の現像装置を用いて、感光
した部分のフォトレジストを除去することにより、表面
にフォトレジストからなる微細パターンを有する原盤を
得る。
【0040】2.スタンパの作製 次いで、上記のようにして作製された原盤の微細パター
ンが形成されている面上に電極を形成する。電極の形成
方法としては、無電解NiPめっき法、スパッタ法また
は蒸着法のいずれの方法を用いることができる。かかる
方法によれば、プラスチックやSiウエハ、石英であっ
てもめっきを形成することが可能である。無電解NiP
めっき法、スパッタ法または蒸着法は、電極の形成のみ
ならず、スタンパの作製にも適用できるが、時間及び価
格の点から望ましくない。スタンパの表面に高い硬度が
要求されるような場合には、NiPによる無電解めっき
のみでスタンパを作製し、得られたスタンパを400℃
程度の温度で4時間熱処理することにより、HV硬度を
1000以上にすることができる。
【0041】スタンパの作製にはニッケルめっきを用い
た。ニッケル電鋳製品は銅電鋳に比べると機械的及び化
学的性質が優れている。電極を作製した原盤を電鋳装置
のカソード(陰極)に取り付けた後、めっき浴に入れ、
電気めっきを行う。ニッケルめっき浴には、ワット浴、
全塩化物浴、酢酸ニッケル浴などがあり、ここでは電着
応力が小さく、亀裂や巻き上げが発生しにくいスルファ
ミン酸ニッケル浴を用いた。スルファミン酸ニッケル浴
は水に対する溶解度が大きく、高濃度浴が使用できる。
スルファミン酸ニッケル浴は、スルファミン酸ニッケル
600g/L、硼酸35g/L、塩化ニッケル3g/L
から構成され、一般的なめっき条件は、pH3.5〜
4.5、浴温50〜55℃、電流密度15〜25A/d
である。ここでは上記成分のスルファミン酸ニッケ
ル浴を用い、pH4、浴温55℃、電流密度20A/d
とした。塩化物を含むスルファミン酸ニッケル浴か
らの析出物の電着応力は大きくなるが、塩化ニッケルの
代わりに臭化ニッケルを用いると電着応力の小さい均一
性のよいニッケル電鋳物が得られる。めっき浴には必要
に応じて添加剤を添加することができ、添加剤として
は、例えば、スルフォン酸(例えば1,3,6トリスル
フォン酸ナトリウム)、スルファンイミド(例えばサッ
カリン)、スルファンアミドなどを用いることができ
る。
【0042】ニッケルめっきによりめっき膜が所望の厚
さ(例えば、200μm〜600μm)になるまで電鋳
を行なった後、めっき浴から原盤を取り出し、原盤から
めっき膜(以下、マスタースタンパという)を剥離す
る。剥離されたマスタースタンパには、図1(A)に示
すように、原盤1に形成されている微細パターン2と逆
の微細パターン4(以下、転写パターンという)が形成
される。
【0043】3.スタンパの追加工 つぎに、図1(B)に示すように、マスタースタンパ3
の転写パターン4が形成されている面上にレジスト5を
塗布した後、不図示の原盤露光装置を用いて、図1
(C)に示すようにレジスト5を所定のパターンで露光
する。次いで、不図示の現像装置により、露光されたレ
ジストを除去して、レジストからなるマスク15を形成
する。レジストのマスク15を介して、スタンパ3を腐
食性ガス14、例えば、Cl、BCl、Br、HB
rなどを用いてエッチングする。エッチング後、レジス
トのマスク15を除去することにより、スタンパ表面
に、微細パターン4に加えて新たな微細パターン9(以
下、追加パターンという)を形成する。
【0044】こうして得られたスタンパ3は、不図示の
射出成型装置に装着される。そして射出成型装置を用い
て射出成型を行うことにより樹脂基板を作製することが
できる。得られた樹脂基板には、スタンパ3の微細パタ
ーン4と追加パターン9に対応する凹凸パターンが形成
される。スタンパに形成された突起及び窪みは、それぞ
れ成形基板に窪み及び突起として形成される。それゆ
え、スタンパに窪みが形成されており、基板に形成した
い形状が突起ではなく窪みである場合には、スタンパか
ら電鋳により複製物を作製し、この複製物から基板を作
製すればよい。また、追加工の際にスタンパ上に形成す
るレジストとして、ポジ型レジストを用いるか、ネガ型
レジストを用いるかにより、エッチングされる部分が反
転するため、最終的に形成すべき凹凸パターンを考慮に
入れ、使用するレジストを使い分けることが望ましい。
【0045】
【実施例1】この実施例では、光ディスク用基板を製造
するためのスタンパにスタンパナンバーを追加工により
形成する方法について説明する。スタンパのスタンパナ
ンバーは、ディスクのロット管理や在庫の管理、製造工
程の管理等に用いられるものであり、1個のスタンパに
固有のナンバーが付される。光ディスクや光磁気ディス
ク用の基板を製造するためのスタンパは、ガラス原盤か
ら1枚しか作製されない。したがって、スタンパに形成
されるスタンパナンバーは、原盤露光の際にプリフォー
マットパターンなどの微細パターンとともに原盤に形成
される。ところが、原盤にスタンパナンバーに対応する
パターンを形成し、かかる原盤から複数のスタンパを複
製する場合、それぞれのスタンパには同じスタンパナン
バーが形成されることになる。かかるスタンパから射出
成形により、数万、数十万あるいはそれ以上の基板を作
製すると、得られた基板は全て同じスタンパナンバーを
有するため、スタンパナンバーによる品質管理及び製造
工程管理は行えない。そこで、プリフォーマットパター
ンなどの微細パターンは、原盤を作製する際に形成し、
スタンパナンバーは、原盤から複製されたスタンパに追
加工により形成する。以下に、スタンパナンバーの追加
工の方法について説明する。
【0046】まず、上記原盤の作製と同様の方法によ
り、プリフォーマット情報などの凹凸パターンのみが形
成された原盤を作製する。すなわち原盤にはスタンパナ
ンバーに対応するパターンは形成しない。次いで、上記
スタンパの作製と同様に電鋳により、原盤からスタンパ
を作製する。スタンパの凹凸パターンが形成されていな
い面上にレジストを塗布し、凹凸パターンが形成されて
いない内周部または外周部にレーザ光を照射してスタン
パナンバーに対応するパターンでレジストを露光する。
スタンパナンバーに対応するパターンの大きさは、肉眼
で見える大きさでも、ナノメートルオーダーでもよい。
現像により、露光されたレジストを除去し、残留レジス
トをマスクとして用いてエッチングを行う。エッチング
には、酸によるウェットエッチングでも塩素ガスを用い
たドライエッチングでも良い。スタンパナンバーとし
て、ナノメートルオーダーの微細な文字や数字、記号を
形成する場合は、アンダーカットの影響を考え、ドライ
エッチングを用いることが好ましい。
【0047】つぎに、エッチングを終えたスタンパを、
酸素プラズマアッシングするか、あるいは強アルカリに
浸漬するか、若しくはアセトン等の溶剤で洗浄すること
によりスタンパ上に残留するレジストを除去する。こう
して得られたスタンパにはスタンパナンバーが内周側ま
たは外周側に形成される。このように、1つの原盤から
マスタースタンパが複数枚作製されても、それぞれのマ
スタースタンパに追加工によりスタンパナンバーを付与
することができので、それぞれのスタンパを判別するこ
とが可能となる。
【0048】ところで、スタンパナンバーの追加工で
は、原盤から電鋳を繰り返し行って複数のスタンパを複
製する必要がある。それゆえ、従来のマスタリングから
得られた原盤のように電鋳によりスタンパを複製したと
きに原盤の微細パターンが破壊されて1度の電鋳しか行
えない場合は、原盤から複製したスタンパ(マスタース
タンパ)を原盤として用い、マスタースタンパから電鋳
によりマザースタンパを作製し、マザースタンパに追加
工を行えばよい。或いは、マザースタンパから電鋳によ
りサンスタンパを作製し、サンスタンパに追加工を行え
ばよい。また、ガラス原盤自体に直接微細パターンが形
成されている原盤やSiウエハ上に直接パターンが作製
されている原盤のように、電鋳を行っても微細パターン
が破壊されない場合には、原盤から複製されたマスター
スタンパに追加工することが可能である。
【0049】スタンパナンバーの追加工は、形成された
個々のスタンパナンバーが目視により判断可能であれば
よく、情報領域に形成されているパターンとの位置関係
はあまり重要ではない。それゆえ、図2に示すように、
追加するスタンパナンバー用の微細パターン9(図2
中、Diskで示した)の中心11は、同心円状あるい
はスパイラル状に形成されている微細パターン4の中心
12に対して数ミクロンオーダーでずれていてもよい。
しかしながら、スタンパナンバーは、微細パターンと重
ならないように形成するとともに、スタンパ3を射出成
形機の金型に装着したときに、樹脂が充填されるキャビ
ティ内に、追加工されたスタンパナンバー9が含まれる
ようにすることが望ましい。このように、スタンパナン
バーのように目視確認が目的であるパターンを追加工に
より形成する場合は、追加工により形成するパターンの
中心を、既存の微細パターンの中心と精密に一致させる
必要はなく、追加工時にスタンパをセッティングしたと
きの機械的なセッティング精度で十分である。
【0050】
【実施例2】本実施例では、本発明に従う原盤露光装置
について説明する。図8に、本発明に従う原盤露光装置
100の概略構成図を示した。原盤露光装置100は、
主に、原盤3を回転させるためのスピンドル110と、
原盤3上のフォトレジスト5を露光するための露光光学
系120と、原盤3に形成されている案内溝8を検出す
るための検出光学系140とを備える。露光光学系12
0は、図8に示すように、主に、レーザ光源121、パ
ワーコントローラ122、信号発生装置123、光変調
器124、レーザスケール検出系125、位相補正装置
126、ガルバノミラー127、ガルバノミラー駆動回
路128、ガルバノミラー振れ角検出系129、対物レ
ンズ130を備える。
【0051】露光光学系120は、不図示の駆動装置に
より原盤3上を原盤半径方向に移動可能である。光変調
器124は、信号発生装置123からの信号に基づいて
レーザ光を変調することができる。光変調器124によ
り変調されたレーザ光は、ミラー132により反射され
た後、ガルバノミラー127に入射する。ガルバノミラ
ー127で反射したレーザ光は、対物レンズ130に入
射した後、フォトレジスト上に集光され、フォトレジス
トを感光する。
【0052】検出光学系140は、レーザ光源141、
対物レンズ142、フォーカス信号検出器143及びト
ラッキング信号検出器144を備える。フォーカス信号
検出器143は、レーザ光源141からのレーザ光を原
盤の表面上に焦点を合わせるためのフォーカシングサー
ボ機構(不図示)を有する。フォーカシングサーボ機構
は、既に光ディスク装置などで用いられているものを用
いることができ、例えば、非点収差法、ナイフエッジ法
などにより、原盤表面からの戻り光からフォーカスエラ
ー信号を作り出し、この信号の基づいてフォーカシング
サーボをかけることができる。トラッキング信号検出器
144は、レーザ光源141からのレーザ光を、原盤上
に形成されている位置決めマーク(例えば案内溝やピッ
ト)の中心に位置するように制御するためのトラッキン
グサーボ機構(不図示)を有する。トラッキングサーボ
機構は、既に光ディスク装置などで用いられているもの
を用いることができ、トラッキング信号に基づいて、コ
ースアクチュエータ150及びファインアクチュエータ
(不図示)を制御して検出光学系140のレーザ光源1
41からのレーザ光の照射位置を原盤3の位置決めマー
ク8上に維持しつづけることができる。検出光学系14
0は、コースアクチュエータ150により原盤3上を原
盤半径方向に移動可能である。検出光学系140を用い
て原盤3上の位置決めマーク8を検出するには、原盤3
上を原盤半径方向に例えば外周側から内周側に向かって
移動して信号の変化を検出する。検出光学系140が、
原盤3上の位置決めマーク8を横切ったときに信号が変
化するので、後述するレーザスケール145により、そ
のときの検出光学系140の位置情報を取得する。この
位置情報に基づいてコースアクチュエータ150で検出
光学系140を原盤3の位置決めマーク8付近に位置付
け、更に、コースアクチュエータ150とファインアク
チュエータ(不図示)と連動させて検出光学系140の
レーザ光源141からのレーザ光を原盤3の位置決めマ
ーク8上に高精度に位置付けることができる。
【0053】レーザスケール145は、原盤3の案内溝
8を追従している検出光学系140の位置を計測して求
めることができる。レーザスケール145はレーザスケ
ール検出系125に接続されており、案内溝8を追従し
ている検出光学系140が原盤3上で変位したときに、
レーザスケール検出系125は、その変位量を、レーザ
スケール145で計測された位置情報から求める。レー
ザスケール145のほかに、例えば検出光学系140を
原盤の半径方向に移動させるコースアクチュエータ15
0の駆動信号の電流値を積分することによっても検出光
学系140の変位量を求めることもできる。
【0054】ガルバノミラー振れ角検出装置129は、
ガルバノミラー127の振れ角を検出することができ
る。ガルバノミラー振れ角検出装置129からの出力
と、レーザスケール検出系125からの出力は減算器に
入力される。減算器の出力信号は位相補正回路126に
入力される。位相補正回路126は、減算器からの出力
信号、すなわち、ガルバノミラー振れ角検出装置129
からの出力と、レーザスケール検出系125からの出力
との差がゼロになるまでガルバノミラー駆動回路128
を駆動してガルバノミラー129の角度を微調整する。
これにより、図3に示すように、原盤3の表面に位置決
め用の案内溝が形成されている場合に、原盤3の案内溝
8に対する露光光学系120の原盤上での位置を高精度
に維持することができ、原盤3の位置決め用の案内溝に
基づいて、原盤3上に塗布されたフォトレジスト5を所
望のパターンで高精度に露光することができる。
【0055】上記露光装置において、検出光学系140
と露光光学系120の原盤上での位置が原盤半径方向に
おいて同軸上にない場合は、レーザスケール145及び
レーザスケール検出系125により検出光学系140と
露光光学系120の相対位置を求め、相対位置の分を補
正して露光検出系の露光光の集光位置を制御すればよ
い。
【0056】
【実施例3】実施例1では、スタンパに予め形成された
既存の微細パターンの中心に対して、追加工により形成
する微細パターン(スタンパナンバー)の中心を一致さ
せずに追加工する方法について説明した。これは、プリ
フォーマット信号用の微細パターンと、追加工されるス
タンパナンバーとが、それぞれ別の目的で作製されてい
るためである。この実施例では、スタンパ上の既存の微
細パターンの中心と追加工により形成する微細パターン
(以下、追加パターンという)の中心とを一致させて、
追加工を行う方法について説明する。
【0057】光ディスクや光磁気ディスクのフォーマッ
ト信号はレーザ光を用いて読み出されるため、レーザ光
が正確に所定のトラックに追従できるように、基板に形
成されるプリフォーマットパターンはナノメートルオー
ダーの正確さで形成されている必要がある。光ディスク
や光磁気ディスクの情報を書き込むためのユーザエリア
に対応するスタンパ領域にピット(Pit)やバンプ
(Bump)からなる追加パターンを追加形成するに
は、スタンパ上の既存の微細パターンの中心と新たに追
加パターンの中心を一致させなければならない。そこ
で、この実施例では、原盤作製時に原盤の外周または内
周に位置決め用トラック(溝)を形成する。位置決め用
トラックは、その中心が、原盤に形成された微細パター
ンの中心と一致するように形成される。かかる原盤から
マスターマザーサン法によりスタンパ(サン)を作製す
ることにより、スタンパには、微細パターンと位置決め
用トラックとが形成される。
【0058】かかるスタンパに追加パターンを追加工す
るには、スタンパの既存パターンが形成されている面上
にレジストを塗布した後、スタンパ上のレジストを追加
パターンで露光する。スタンパ上に形成されたレジスト
を追加パターンで露光するには、実施例2の露光装置
(図8参照)を用いることができる。図3に、図8の露
光装置100を用いて、レジストが塗布されたスタンパ
3を露光している様子を模式的に示した。図3におい
て、トラック追従用レーザ7は、図8に示した露光装置
100の検出光学系140からのレーザ光を模式的に示
したものであり、スタンパ3の位置決め用トラック8を
追従している様子を示している。また、図3において、
追加工用レーザ6は、図8に示した露光装置100の露
光光学系120からのレーザ光を模式的に示したもので
あり、スタンパ上に塗布されたフォトレジストを露光し
ている様子を模式的に示している。露光装置100は、
図3に示すようにトラック追従用レーザ7でスタンパ3
の位置決め用トラック8を追従することにより、既存パ
ターン4の中心位置を求めることができる。追加工用レ
ーザ6は、トラック追従用レーザ7により求められた中
心位置情報に基づいて、スタンパ上のレジストを追加パ
ターンに対応するパターンで露光することができる。
【0059】次いで、露光を終えたスタンパは現像装置
に装着され、露光されたレジストが現像により除去され
る。そして、残留レジストをマスクとして用いて、腐食
性ガス、例えばCl、BCl、Br、HBrなどに
よるエッチングされる。エッチング後、残留レジストを
除去することにより、表面に微細パターンと追加パター
ンとを有するスタンパを得る。
【0060】かかる方法の代わりに、例えば、スタンパ
にレジストを塗布しないで、図8に示す露光装置に装着
し、上記と同様にトラック追従用レーザにより既存パタ
ーンの中心位置を求めながら、露光用レーザのレーザパ
ワーを上げて、露光用レーザによりスタンパに追加パタ
ーンを直接追加工することもできる。また、露光用レー
ザの代わりに電子線やX線などを用いてスタンパに追加
パターンを形成することもできる。
【0061】上記のようにスタンパにレジストを塗布し
て露光を行う場合、位置決め用トラックの溝深さが浅い
と、トラック追従用レーザで位置決め用トラックを追従
できない恐れがある。また、トラック追従用レーザによ
り、レジストを介して位置決め用トラックを追従させる
には、レジストの屈折率等を考慮しなければならない。
そこで、スタンパの外周あるいは内周に形成される位置
決め用トラックは、トラック追従用レーザでレジストを
介して追従させたときに確実に追従できるような深さに
するか、あるいは幅広の溝にすることが望ましい。ま
た、位置決め用トラックは、同心円状でもスパイラル状
でもよく、ピット列から形成されていても良い。また、
ディスク状のスタンパ以外のスタンパにおいては、位置
決めに用いるマークとして例えば四角形や円形のマーク
を用い、かかるマークを、微細パターンが形成されてい
る領域以外の領域に形成すればよい。そして、かかるマ
ークをCCDカメラなどにより検出して追加パターンを
形成すべき位置を特定すればよい。また、微細パターン
に案内溝などのパターンが含まれている場合には、その
パターンを位置決め用トラックとして利用し、レーザで
パターンを捕捉することにより微細パターンの中心を求
めてもよい。
【0062】こうして得られたスタンパは、そのまま射
出成型のためのスタンパとして用いても良いし、電鋳に
より複製するためのスタンパとして用いても良い。
【0063】
【実施例4】図4に、内周側と外周側にそれぞれ微細パ
ターン4及び9が形成され、内周側の微細パターン4と
外周側の微細パターン9との間にバッファ溝10が形成
されているスタンパ3を示す。スタンパ3の外周側に形
成された微細パターン9は、追加工により形成された微
細パターンである。バッファ溝10は、同心円状または
スパイラル状であり、その中心は内周側の微細パターン
4の中心と一致するように、原盤露光の際に、内周側の
微細パターン4とともに形成される。スタンパ3から製
造される基板を備える光ディスクにおいて、スタンパ3
のバッファ溝に対応する溝は、トラッキング用の溝とし
て機能し得る。すなわち、光ディスクを記録再生する際
には、バッファ溝によりトラッキングが外れることはな
く、内周側及び外周側に形成された情報を良好に再生す
ることができる。また、スタンパ3のバッファ溝10
は、実施例2において示した位置決め用トラックとして
用いてもよい。これにより、外周側の微細パターンを追
加工により形成する際に、内周側の微細パターン中心に
対して偏心することが防止される。
【0064】
【実施例5】この実施例では、回折格子等の光学部品や
マイクロマシン用のミクロな部品を製造するためのスタ
ンパに所望の追加パターンを追加工する方法について説
明する。まず、光学部品またはマイクロマシン用の部品
を支持台上に正確に配列させ、それら部品を支持台に接
着する。次いで、支持台に接着されている部品の微細な
形状が形成されている面上に、蒸着、スパッタ、無電解
めっきなどにより電極を形成した後、不図示の電鋳装置
により電鋳を行ってスタンパを作製する。得られたスタ
ンパには、部品の微細な形状が転写されている。かかる
スタンパに所望の形状で追加工を行う。追加工されたス
タンパを鋳型として用いて部品を製造することにより、
既に存在する部品に別の機能を付加させることができ
る。
【0065】
【実施例6】この実施例では、スタンパ上の既存の微細
パターンに追加工により断面が多段形状の微細パターン
を形成する方法について説明する。
【0066】実施例1及び2では、原盤から転写され
た、スタンパ表面上の微細パターン(転写パターン)に
対して、新規に追加する微細パターン(追加パターン)
は2次元座標上で重ならないように形成した。この実施
例では、原盤から転写された転写パターンと同じ位置に
追加パターンを形成して多段形状の微細パターンを形成
する。
【0067】図5に示すように、溝4が形成されている
スタンパ3上にレジスト5を塗布する。次いで、溝4の
溝幅よりも大きな光スポット径のレーザ光を、スポット
中心と溝4の中心とを一致させながら溝4上に形成され
たレジストに照射してレジストを露光した後、現像によ
り、露光されたレジストを除去する。これにより、図5
に示したように、スタンパの溝4とその両側の表面4a
が露出する。次いで、残留レジストをマスクとして、腐
食性ガス、例えば、Cl、BCl、Br、HBrな
どを用いてスタンパの溝4の両側表面4aを、溝4の溝
深さよりも浅くエッチングする。エッチング後、残留レ
ジストを除去することにより、図に示したように、溝4
の溝幅よりも幅広の浅溝9が形成されたスタンパを得
る。ここでは、追加工の際に、スタンパに予め形成され
ている溝4の溝幅よりも大きな光スポット径のレーザ光
を用いて露光を行ったが、溝4の溝幅よりも小さな光ス
ポット径のレーザ光を用いることもできる。以下にその
方法について説明する。
【0068】図6に示すように、溝4が形成されている
スタンパ上にレジストを塗布する。次いで、溝4の溝幅
よりも狭いレジスト領域を露光するために、溝4の溝幅
よりも小さな光スポット径で溝4上をレーザ光で走査す
る。レーザ光の光スポット径を、溝4の溝幅よりも小さ
くするには、例えば、原盤露光において溝4を形成する
際に用いたレーザ光よりも低いレーザパワーにすればよ
い。現像により、露光されたレジストを除去することに
より、溝4内の所定領域のレジストが除去され、溝4の
底部の微小な領域が露出する。次いで、スタンパ上に残
留しているレジストをマスクとして、腐食性ガス、例え
ば、Cl、BCl、Br、HBrなどを用いてスタ
ンパの溝4の底部の露出部分を所望の深さでエッチング
する。エッチング後、マスクとして用いたレジストを除
去することにより、溝4と、溝4よりも溝幅の狭い溝9
とからなる、断面が多段の溝が形成されたスタンパを得
ることができる。また、スタンパの溝4に、電子線やX
線、イオンビームを照射して溝4の底に幅狭の溝を形成
することもできる。
【0069】この実施例で示した方法を用いれば、3次
元的な溝形状を有する回折格子などを作製することがで
きる。
【0070】
【実施例7】この実施例では、微細パターンを有するフ
ィルムを作製する方法について説明する。図7に、かか
るフィルムの製造工程を示した。図7(A)に示すよう
に、原盤1として、パターン2が形成された四角形状の
原盤を作製する。原盤1に形成されるパターン2は、一
定の長さのV字状(或いはU字状)の溝(以下、縦溝と
いう)が一定方向(縦方向とする)に一定間隔で配列さ
れて構成される。かかる四角形状の原盤から、電鋳によ
り、金属製の膜3を作製する。金属膜3には、図7
(A)に示すように、原盤1のパターン2の反転パター
ン4が転写される。次いで、図7(B)に示すように、
金属膜3のパターン4が形成されている面上にレジスト
5を塗布する。次いで、金属膜3のパターン4の縦溝と
直交するような溝(以下、横溝という)が形成されるよ
うに、図7(C)に示すように、パターン4の縦溝の長
さ方向(縦方向)に対して垂直な方向(横方向)にレー
ザ光6を走査させてレジスト5を露光する。現像によ
り、露光されたレジストを除去した後、未露光のレジス
トをマスクとして金属膜3を所定の深さでエッチングす
る。エッチング後、金属膜3上の未露光のレジストを除
去する。こうして、パターン2が形成されている金属膜
に、新たなパターン9を追加形成される。追加形成され
たパターン9は、パターン4の縦溝と直交する複数の横
溝から構成される。それゆえ、金属膜3の表面には、図
7(D)に示すように、複数の縦溝と横溝とが交差した
パターンが形成される。
【0071】金属膜3の追加パターンであるパターン9
は、パターン4が形成されているスタンパ面に、レーザ
光、X線、電子線を照射することによって直接形成して
もよく、ダイヤモンドバイトや超鋼バイト、セラミック
やBNCバイトを用いた機械加工により形成してもよ
い。
【0072】こうして作製された金属膜3は、図7
(E)に示すように、円柱状の回転可能なローラー17
の周囲に取り付けられる。そして、図7(F)に示すよ
うに、光硬化型樹脂が塗布されたフィルム21をローラ
ー17に押し当てながらローラー17に対してフィルム
21を相対移動させ、金属膜3に形成されたパターン4
とパターン9とからなるパターンを光硬化性樹脂に転写
する。このとき、図7(F)に示しように、フィルム2
1の下方に遮光版20を配置し、フィルム21とローラ
ー17の接触面に遮光板20の開口部20aが位置する
ようにし、フィルム21の下方から、遮光板20の開口
部20aを介してフィルム21とローラー17の接触面
に光源19により光を照射する。これによりローラー1
7に取り付けられた金属膜3のパターンが、ローラー1
7との接触面においてフィルム21の光硬化性樹脂に転
写されるとともに光硬化型樹脂が光照射により硬化す
る。
【0073】フィルム上に塗布される樹脂として光硬化
型樹脂の代わりに熱硬化型樹脂を用いてもよく、この場
合は、フィルムとローラーの接触面に光を照射する代わ
りに熱を加えればよい。或いは、ローラーを、樹脂が形
成されたフィルムに所定の圧力で圧着させることによっ
てフィルム上の樹脂にパターンを転写させてもよい。
【0074】こうして得られたフィルム21には、図7
(F)に示すようにパターン18が形成される。かかる
フィルム21は、ブラインドの代わりの遮光フィルムと
して用いることができ、フィルム21に形成される溝の
間隔を調整することにより特定の波長の光のみを遮光す
るようにすることもできる。
【0075】以上、本発明に従うスタンパの製造方法に
ついて実施例に具体的に説明したが、本発明はこれに限
定されるものではない。例えば、実施例では、原盤の材
料にガラスを用いたが、Siや金属材料を用いることも
できる。
【0076】
【発明の効果】本発明の第1の態様の製造方法は、最終
的にスタンパに形成される凹凸パターンを例えば2種類
のパターンに分割して、一方のパターンを原盤製造時に
形成し、その原盤から複製されたスタンパに他方のパタ
ーンを追加工により形成することができる。それゆえ、
例えば、原盤製造時に実質的に変更のない基本的なパタ
ーンを形成し、追加工により変更の可能性のあるパター
ンを形成すれば、パターンの変更があったときに柔軟に
対処することができる。
【0077】また、互いにパターン形状の類似するスタ
ンパを複数製造する場合は、原盤製造時に、互いに共通
するパターン形状を原盤に形成し、かかる原盤から複数
のスタンパを作製し、それぞれのスタンパに、共通しな
いパターン形状を追加工により形成することができる。
【0078】また、本発明の製造方法によれば、追加工
により、スタンパ上に既に形成されているパターンに重
ねてパターンを形成することができるので、3次元的な
形状、すなわち立体的な微細パターンを有するスタンパ
を容易に製造することができる。それゆえ、かかるスタ
ンパを用いることにより、微細な立体形状を有する部品
を容易に且つ安価に大量に複製することができる。
【0079】また、本発明の第2態様の製造方法によれ
ば、既存の製品のスタンパに追加工により新たにパター
ンを形成することができるので、新たにパターンが形成
されたスタンパを用いれば、既存の製品に新たな機能が
付加した製品を安価に且つ容易に複製することができ
る。
【0080】本発明の原盤露光装置によれば、原盤に形
成された位置決めマークに基づいてフォトレジストを露
光することができるので、既に所定のパターンで露光さ
れたフォトレジストを再度露光したり、所定のパターン
と異なる位置に異なるパターンで追加露光することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンパに追加パターン追加工する工程を説明
するための図である。
【図2】スタンパナンバーが形成されたスタンパの概略
平面図である。
【図3】スタンパに形成された位置決め用トラックをト
ラック追従用レーザで追従させつつ、追加工用レーザ6
で追加パターンを形成する様子を概念的に示す図であ
る。
【図4】バッファ用の溝が形成されたスタンパの概略平
面図である。
【図5】スタンパに断面が多段形状の溝を追加工により
形成する工程を説明するための図である。
【図6】図5に示した方法と異なる方法により、スタン
パに断面が多段形状の溝を追加工により形成する工程を
説明するための図である。
【図7】遮光フィルムを製造する工程を説明するための
図である。
【図8】本発明に従う原盤露光装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 原盤 2 微細パターン 3 スタンパ 4 転写された微細パターン 5 レジスト 6 レーザ 7 位置決め用レーザ 8 位置決め用トラック 9 追加パターン 10 バッファ用の溝 11 追加パターンの中心 12 既存パターンの中心 14 腐食性ガス 15 マスク(レジスト) 16 レーザ光 17 ローラー 18 微細パターン 19 樹脂硬化用光源 20 遮光板 21 フィルム 100 原盤露光装置 120 露光光学系 121 レーザ光源 140 検出光学系
フロントページの続き (72)発明者 麿 毅 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AJ01 CA11 CB01 CD12 CD24 5D029 WB11 WB17 5D121 AA11 BA01 BB21 BB38 BB40 CA03 CA05 CB03 CB05 CB08 DD06 GG04

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸パターンを有するスタンパの製造方
    法であって、 上記凹凸パターンは第1凹凸パターンと第2凹凸パター
    ンとからなり、 第1凹凸パターンと逆の凹凸パターンを有する原盤を作
    製する原盤作製工程と、 上記原盤作製工程により作製された原盤から電鋳により
    第1凹凸パターンを有するスタンパを作製するスタンパ
    作製工程と、 上記スタンパ作製工程により作製されたスタンパに第2
    凹凸パターンを追加工により形成する追加工工程とを含
    むことを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 スタンパの製造方法であって、 上記スタンパは第1凹凸パターンを有しており、 上記スタンパの第1凹凸パターンが形成されている面上
    に追加工により第2凹凸パターンを形成する追加工工程
    を含むことを特徴とする製造方法。
  3. 【請求項3】 上記追加工工程は、スタンパの第1凹凸
    パターンが形成されている面上にフォトレジストを塗布
    し、 上記フォトレジストを第2凹凸パターンに対応するパタ
    ーンで感光し、 感光したフォトレジストを現像して第2凹凸パターンを
    有するフォトレジストを形成し、 第2凹凸パターンが形成されたフォトレジストをマスク
    として用いてスタンパをエッチングすることを含む請求
    項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記追加工工程は、レーザ光照射、電子
    線照射、X線照射及び超精密機械加工のいずれかを含む
    請求項1または2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記スタンパは、第2凹凸パターンが形
    成される位置を決めるための位置決めマークを備え、追
    加工の際に位置決めマークに基づいて第2凹凸パターン
    を追加工することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1凹凸パターン及び第2凹凸パターン
    は、ピット、グルーブ、番号及び文字からなる群から選
    択された少なくとも1種を形成するためのパターンであ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 第2凹凸パターンを第1凹凸パターンと
    同じ位置に形成することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記スタンパは、情報記録媒体に用いら
    れる基板を作製するためのスタンパであることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 更に、第1凹凸パターン及び第2凹凸パ
    ターンを備えるスタンパから電鋳により第2のスタンパ
    を複製し、第2のスタンパに追加工により第3凹凸パタ
    ーンを形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か一項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記原盤は、Si、SiO及び金属
    からなる群から選択された1種から形成されていること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の製造方法により製造
    されたスタンパの凹凸パターンが、多段形状の溝である
    ことを特徴とする製造方法。
  12. 【請求項12】 第2凹凸パターンの形成位置を特定す
    るための位置決めマークを上記原盤作製工程において形
    成し、該位置決めマークに基づいて第2凹凸パターンを
    追加工することを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 上記位置決めマークが、同心円の溝ま
    たはスパイラル状の溝から形成されることを特徴とする
    請求項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記スタンパが金属薄膜であることを
    特徴とする請求項1、3及び4のいずれか一項に記載の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の製造方法により製
    造された金属薄膜は所定の凹凸パターンを有し、 該金属薄膜をローラーの周囲に取り付け、 該ローラーを、樹脂材料が形成されたフィルム状基材の
    樹脂が形成されている面に接触させて所定の凹凸パター
    ンを有するフィルム基材を製造する方法。
  16. 【請求項16】 上記フィルム基材が遮光フィルムであ
    ることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 原盤に塗布されたフォトレジストを所
    望のパターンに露光する原盤露光装置において、 上記原盤は、露光パターンを形成する位置を特定するた
    めの位置決めマークを有し、 上記フォトレジストを露光するための露光光源と、 上記位置決めマークを検出する検出装置と、 上記検出装置により検出された位置決めマークに基づい
    て、上記原盤に対して上記露光光源の露光光の集光位置
    を制御する制御装置とを含む原盤露光装置。
  18. 【請求項18】 上記検出装置は、上記位置決めマーク
    にレーザ光を集光するためのレーザ光源と、上記フォト
    レジストを介して位置決めマークからの反射光を検出す
    る光検出器を含むことを特徴とする請求項17に記載の
    原盤露光装置。
  19. 【請求項19】 上記原盤はその表面に凹凸パターンが
    形成されており、上記フォトレジストは、凹凸パターン
    が形成された原盤の表面上に形成されていることを特徴
    とする請求項17または18に記載の原盤露光装置。
  20. 【請求項20】 上記位置決めマークは、上記原盤に同
    心円状またはスパイラル状に形成された溝であり、上記
    検出装置は該溝を追従することを特徴とする請求項17
    〜19のいずれか一項に記載に記載の原盤露光装置。
  21. 【請求項21】 上記原盤は、凹凸パターンが形成され
    た表面上にフォトレジストが塗布されたスタンパである
    ことを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記
    載の原盤露光装置。
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