JP2007038245A - 構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 構造体Xの製造方法は、第一基板10及び第二基板20に位置決めピン26を挿入するための位置決め孔12,22をそれぞれ形成する第一工程と、第一基板10及び/又は第二基板20に形成された位置決め孔12,22における複数の位置決めピン接触部52に対して、複数の位置決めピン接触部52の全てを経由する走査軌跡を描くレーザLを照射して段差部18からなる接着剤溜りを形成する第二工程と、第一基板10及び第二基板20に各々形成された位置決め孔12,22に位置決めピン26を挿入し、第一基板10と第二基板20とを接着剤24を介して接合する第三工程と、を有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、構造体の製造方法が、第一基板及び第二基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔をそれぞれ形成する第一工程と、前記第一基板及び/又は前記第二基板に形成された前記位置決め孔における複数の位置決めピン接触部に対して、該複数の位置決めピン接触部の全てを経由する走査軌跡を描くレーザを照射して段差部からなる接着剤溜りを形成する第二工程と、前記第一基板及び前記第二基板に各々形成された前記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、前記第一基板と前記第二基板とを接着剤を介して接合する第三工程と、を有するようにした。
この発明によれば、複数の基板の位置決め(アライメント)を行うための位置決め孔の少なくとも一方に、余剰の接着剤を溜めるための接着剤溜りをレーザにより形成するので、複数のフォトリソグラフィー工程を行う必要がなく、作業工程数を減らすことが可能となる。そして、特に、レーザの走査軌跡を最適化することで、レーザによる加工時間の短縮ができる。よって、歩留まりよく、安価に複数の基板を接合した構造体を得ることが可能となる。
また、前記レーザの走査軌跡としては、略矩形とすることも可能である。
以下、本発明の実施形態に係る構造体の製造方法について、インクジェットヘッドの製造方法を例に採り、図を参照して説明する。
インクジェットヘッド100は、基板120、基台114、流路基板14、加圧室基板10、ノズル基板20、枠体122から構成されている。
加圧室基板10は、複数の短冊状の加圧室102、すべての加圧室102にインクを供給するための共通流路104を有する。また、位置決め孔12も形成されている。
流路基板14には、加圧室基板10の加圧室102と図示しないインクタンクとを接続する流路が形成されている。また、位置決め孔16も形成されている。
ノズル基板20には、ノズル孔106及び位置決め孔22が形成されている。
更に、流路基板14、加圧室基板10及びノズル基板20の接合体Xは、基板120上に固定された基台114に枠体122を用いて固定されている。
なお、基台114の振動子ユニット収容孔110内には、複数の図示しない圧電振動子を固定して構成された振動子ユニット108が収容されている。また、基板120は、インクジェットヘッド100を図示しないキャリッジに固定するためのものである。
図2は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法、特に接合体Xの製造方法の一例を説明するための図である。
まず、図2(a)に示すように、位置決め孔12を形成した加圧室基板10を準備する。加圧室基板10は、例えば一のシリコン単結晶基板上に複数の加圧室基板10のパターンを露光して、異方性エッチングして形成し、各加圧室基板10に分離することにより得られる。この際、位置決め孔12も同時又は別個にパターニングしてエッチングすることにより形成する。
位置決め孔12の形状は、特に限定するものではなく、矩形状、円形状、平行四辺形状等のいずれの形状であってもよい。なお、位置決め孔12は、エッチングによらず、レーザ照射により形成してもよい。
そして、加圧室基板10と、別途位置決め孔16が形成された流路基板14とを接合する。なお、流路基板14と加圧室基板10とは、例えば接着剤等により接合する。
段差部18は、後の工程でノズル基板20を接合する際に、位置決め孔12内にはみ出す余剰の接着剤を収容し得る大きさに段差高さH及び段差幅Dを適宜調整する。段差部18の形成方法については、後に詳述する。
なお、レーザ照射による飛散物(デブリ等)を除去するため、水等の液体中で加工を行ってもよい。また、レーザ加工後に、アンモニア水、KOH水溶液、NaOH水溶液等のアルカリ水溶液を用いて、飛散物の除去を行ってもよい。
すると、図2(d)に示すように、余剰の接着剤24が段差部18に収容される。これにより、位置決めピン26に接着剤24が付着することが回避可能となる。また、接着剤24が、位置決め孔12,22内に入り込むことがないので、この位置決め孔12,22を、繰り返し位置合わせに使用することが可能となる。
こうして、接合体Xの組立が完成する。
これにより、圧電駆動方式によるインクジェットヘッド100を得ることができる。
段差部18を形成するための加工光学系は、固定光学系であっても走査光学系であってもよい。すなわち、被加工対象である加圧室基板10を、X軸方向及びY軸方向に移動可能な移動テーブル等により移動することでパターンを形成してもよいし、ミラー又は光ファイバ等により集光側を移動することによりパターンを形成してもよい。
段差部18を形成する際には、位置決め孔12に沿ってレーザLを走査させることが考えられる。しかし、レーザLがこのような走査軌跡を描く場合には、必要以上に段差部18が形成されてしまう。
このため、図3(a),(b)に示すように、位置決め孔12a,12bと位置決めピン26との接触部周辺52a,52bのみに段差部18を形成することが好ましい。これにより、レーザ加工する(段差部18を形成する)部位を最小限に留めることができ、加工時間の短縮を図られる。更に、インクジェットヘッド100の製造コストを低減させることが可能となる。
例えば、接触部周辺52aをレーザ加工する際には、図4(a)に示すように、レーザLを走査距離100μmで往復走査しつつ、5μmのピッチで300μmステップ移動させる必要がある。このような往復走査を行う場合、レーザLの移動方向が変化する部分及びその前後部分ではレーザLを加減速移動させる必要がある。レーザLを加減速移動させる部分の割合は、レーザLの走査速度が高いほど大きくなる。つまり、段差部18の加工時間を短縮するために、レーザLの走査速度を上げた場合には、加減速させる部分の割合が大きくなるために、加工時間の短縮は困難となってしまう。
具体的には、図5(a),(b)に示すように、レーザLが略円形の軌跡を描きつつ、全ての接触部周辺52a,52bを含むように走査する。レーザLを円形走査させると走査距離は増大してしまうが、レーザLを加減速移動させる部分が占める割合は確実に少なくなるので、走査速度を上げることが可能となる。このため、容易かつ確実に加工時間の短縮が図られる。
レーザLの走査速度が低い場合には、レーザLを往復走査させる場合に比べて、円形走査させる方が加工時間が長くなってしまう。これは、円形走査の方が走査距離の長いためである。
しかし、走査速度が約130mm/sでは、往復走査の場合と円形走査の場合との加工時間は略同一となる。
そして、走査速度が約150mm/s以上では、往復走査の場合に比べて、円形走査の方が加工時間が短くなる。
このように、レーザLを円形走査させる場合には、レーザLを加減速させる部分の割合が少ない、言い換えれば、レーザLを等速移動させる部分の割合が多くなる。このため、レーザLの走査速度を上げることが容易となり、加工時間を確実に短縮することができる。
また、レーザLは、ビームスプリッタ、回折格子(位相格子)等により分岐して用いてもよい。分岐したレーザを同時に走査することで、一本のレーザ光で照射する場合に比して走査回数を低減することが可能となり、加工時間の短縮化が図れる。
次に、段差部をエッチングにより形成し、段差部を形成するためのエッチング保護膜のパターニングをレーザLにより行う例について説明する。
図7は、第二実施形態に係るインクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。
この際、用いられるレーザLとしては、上記第一実施形態で説明したものと同様のものを用いることができ、エッチング保護膜30を構成する材料、パターン形成方法等に応じて適宜選択される。また、レーザLの走査軌跡についても第一実施形態と同様に行う。
そして、図7(f)に示すように、余剰の接着剤24が段差部18に収容される。これにより、位置決めピン26に接着剤24が付着することが回避可能となる。また、接着剤24が、位置決め孔12,22内に入り込むことがないので、この位置決め孔12,22を、繰り返し位置合わせに使用することが可能となる。
これにより、圧電駆動方式によるインクジェットヘッド100を得ることができる。
したがって、歩留まりよく、安価に複数の基板を接合したインクジェットヘッド100を形成することが可能となる。
また、本発明の構造体の製造方法は、インクジェットヘッドの製造方法に限定されず、例えば、複数の基板を位置合わせをしながら接合して形成する、MEMSデバイス等の微小機械装置や半導体装置の製造方法にも好適に適用することができる。
Claims (5)
- 第一基板及び第二基板に位置決めピンを挿入するための位置決め孔をそれぞれ形成する第一工程と、
前記第一基板及び/又は前記第二基板に形成された前記位置決め孔における複数の位置決めピン接触部に対して、該複数の位置決めピン接触部の全てを経由する走査軌跡を描くレーザを照射して段差部からなる接着剤溜りを形成する第二工程と、
前記第一基板及び前記第二基板に各々形成された前記位置決め孔に前記位置決めピンを挿入し、前記第一基板と前記第二基板とを接着剤を介して接合する第三工程と、
を有することを特徴とする構造体の製造方法。 - 前記第二工程は、
前記第一基板及び/又は前記第二基板の片面にエッチング保護膜を形成する工程と、
前記エッチング保護膜に前記レーザを照射してパターニングする工程と、
前記第一基板及び/又は前記第二基板をエッチングする工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。 - 前記レーザの走査軌跡は、略円形若しくは略楕円形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造体の製造方法。
- 前記レーザの走査軌跡は、略矩形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造体の製造方法。
- 前記構造体は、インクジェットヘッド、微小機械装置或いは半導体装置であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
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