JP2003020970A - フライホイール・エネルギー蓄積駆動装置とその回生制動方法 - Google Patents

フライホイール・エネルギー蓄積駆動装置とその回生制動方法

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JP2003020970A JP2001208659A JP2001208659A JP2003020970A JP 2003020970 A JP2003020970 A JP 2003020970A JP 2001208659 A JP2001208659 A JP 2001208659A JP 2001208659 A JP2001208659 A JP 2001208659A JP 2003020970 A JP2003020970 A JP 2003020970A
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンからの出力動力あるいは駆動輪の
制動動力を有効にフライホイールへ蓄積させる変速作用
を可能にすること。 【構成】 エンジンの経済燃費となる特性上において、
エンジンが駆動輪の要求動力以上の出力動力を、回転エ
ネルギーとしてフライホイールに間欠的に蓄積し、その
フライ・ホイールに連動の差動電動発電機と発電電動機
からなる変速機によってその回転エネルギーを駆動輪に
伝達し、あるいは駆動輪からの制動エネルギーをフライ
・ホイールに蓄積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪を発電電動
機の発電作用によって制動をかけ、その発電した電力に
よって差動電動発電機にモーター作用をさせ、そのモー
ター作用によってフライホイールへその制動動力を蓄積
させる車両のフライホイール・エネルギー蓄積駆動装置
とその回生制動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン・エンジン等のエンジンは、一
般的に図7のような性質がある。図7は、縦軸Tがエンジ
ンの出力トルクを示し、横軸nがエンジンの回転速度を
示している。
【0003】図7における記号は下記のとおりである。 θ: エンジンにおけるスロットル開度一定あるいはエ
ンジンへの燃料供給量一定のトルク特性を示し、θmは
燃料供給量最大時のトルク特性を示し、燃料供給量θ一
定の値が小さくなるにつれて、そのトルク特性はθa,
θbのような特性になる。
【0004】λ: 単位時間ごとにおける出力動力当た
りの燃料消費率(以後、単に燃費率と呼ぶ)を示し、λ
aは最小燃費率を示し、点線図示の燃費率一定の曲線が
λbのようにλaの曲線から遠ざかるにしたがって燃費
率は低下してゆく。
【0005】P: 動力一定の特性を示し、P1,P
2,P3の順に動力が小さくなる。 E: エンジンにおけるそれぞれの出力動力一定時(例
えばP1,P2あるいはP3ごと)においてエンジンの
燃費率が最小となる経済燃費特性を示している。
【0006】図7の上記符号説明から理解できるよう
に、それら動力Pごとの最小燃費率を得るためには、エ
ンジンに下記の作用をさせればよい。
【0007】エンジンの出力動力をP(例えばP1、P
2、P3)の大きさに設定するため、先ず運転者あるい
は制御装置は燃料供給量θを設定(例えばθa、θb)
する。
【0008】次に、それら燃料供給量θの設定ごとに、
変速機の変速比操作等によってエンジンの負荷トルクを
制御する。その制御は、それら設定した燃料供給量θと
経済燃費特性Eと交叉するに相当した回転速度nになる
ように、エンジンの負荷トルクを制御すればよい。
【0009】特に、エンジンを最小燃費率λaとなるよ
うに作動させるためには、燃料供給量をθa一定に設定
しておき、エンジンへの負荷トルクをTaに相当する値
に調節して、エンジンの回転速度がnaとなるように作
動させればよい。
【0010】そのようなことより、従来の電池自動車に
おいて、その電池自動車における電池への電力補充用と
して、エンジン直結の発電機をその車両に搭載しておく
方式がある。その場合、その発電機が発電する発電レベ
ルは、エンジンにおける作動が上記の燃費率最小の作動
点λaにおいて常に作動するように、設定するものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来における電気
自動車の機構は、エンジンからの出力動力を全て電気的
エネルギーに一旦、置換し、その電力を電動機によって
再び、機械的動力に変換して駆動輪を駆動している。
【0012】このエンジンの出力動力を電力に変換し、
その電力を電池に蓄積し、更に、その電力を機械的動力
に変換する動力形態の変換には、その変換ごとに動力損
失を伴う。その場合、その動力形態の変換は、エンジン
から出力した全動力について行っている。したがって、
上記従来の方式は、エンジン自体の作動は燃費率を最良
にしても、その動力伝達の効率が良くない。
【0013】本発明の目的は、動力伝達効率の良い機械
的な駆動系を介して、エンジンの出力動力を間欠的にフ
ライホイールへ蓄積しておき、その蓄積したエネルギー
を動力分割型変速機を介して出力軸へ放出するフライホ
イール・エネルギー蓄積駆動装置とその回生制動方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1のクラッチ(C4)
を介してエンジン1に連動するフライホイール(3c)
は外径ローター(3b)に連動し、その外径ローターと
内径ローター(3a)は互に相対回転をすることによっ
て電動機或いは発電機の作用をする差動電動発電機
(3)を形成している。
【0015】前記内径ローターは、第2のクラッチを介
して前期エンジンの駆動軸(1a)あるいは前後いずれ
かの駆動輪に連動の出力軸(4a)へ、あるいはその駆
動軸とその出力軸の両者に連動し、それら駆動輪のうち
のいずれかに発電電動機(4)を連動させている。
【0016】このフライホイール・エネルギー蓄積駆動
装置を使用することによって、下記のような駆動をする
ことが出来る。エンジンが負荷を駆動する場合につい
て、エンジンへの任意の一定の燃料供給量(θ)ごとに
エンジンの燃費率が最良となるエンジンの特定した回転
速度を求め、そのデータを制御装置に記憶させておく。
【0017】フライホイールの回転速度が所定の下限の
回転速度以下にあって、エンジンによりそのフライホイ
ールを増速させる場合は、第1のクラッチを係合させエ
ンジンにおける燃料供給量(θ)を増大させることによ
ってエンジンの回転速度を増大させてゆく。
【0018】その燃料供給量を増大させてゆく速度は、
その燃料供給量の増大につれてそのエンジンの回転速度
が前記特定の回転速度に一致する速度をもってその燃料
供給量を増大させてゆく。
【0019】エンジンの駆動によってフライホイールの
回転速度が所定の上限の回転速度に達したとき、クラッ
チを切り離し且つエンジン1への燃料供給を停止してそ
のフライホイールの増速を停止させる。その増速によっ
てフライホイールへ蓄積した回転エネルギーによって出
力軸を駆動するときは、差動電動発電機(以降、単に差
動G/Mと呼ぶ)の発電作用によって外径ローターが内
径ローターに駆動トルクを生じさせ、その駆動トルクが
第2のクラッチを介して出力軸を駆動する。
【0020】その際において、その差動G/Mにおいて
発電した電力は、原則として、全て駆動輪に連動の発電
電動機(以降、単にM/Gと呼ぶ)へ供給して、M/G
にモーター作用をさせる。
【0021】又、上記駆動に対して、その車両の駆動輪
に制動をかけるときは、下記の操作を可能とする。第2
のクラッチによって、内径ローターを出力軸に連動さ
せ、第1のクラッチが切り離れている状態において、M
/Gに発電作用をさせて前記駆動輪に制動をかけ、その
M/Gが発電した電力によって差動G/Mにモーター作
用をさせ、そのことによって、外径ローター3bの回転
速度を増大させ、その結果、フライホイールの回転速度
が上昇する。すなわち、上記駆動輪の制動エネルギーが
フライホイールに蓄積する。
【0022】又、長い下り坂での長時間ブレーキを必要
とする場合は下記のような制動を可能とする。第2のク
ラッチによって、出力軸を内径ローターとエンジンの駆
動軸に連動し、駆動輪における走行動力が出力軸、第2
のクラッチおよび駆動軸を介してエンジンを駆動し、そ
の駆動は主としてエンジンブレーキによって吸収する。
【0023】又、その場合において、フライホイールの
回転速度が所定の回転速度以下である場合は、M/Gに
発電作用をさせ、その発電した電力によって差動G/M
にモーター作用をさせ、そのことによってフライホイー
ルにおける回転速度を増速して、回生エネルギーをフラ
イ・ホイールに回収する。
【0024】
【発明の実施の形態】
【実施例】図1は、本発明におけるフライホイール・エ
ネルギー蓄積駆動装置のシステム図である。図1におい
て、エンジン1からの駆動軸1aは、プラネタリー歯車
式の増速機2のキャリヤー2aに連動している。増速機2
において、キャリヤー2aに軸支している遊星歯車2b
は、太陽歯車2eの外周に噛み合い且つリング歯車2cの
内周に噛み合っている。キャリヤー2aにはブレーキC
1を設け、太陽歯車2eは駆動軸2dに連動している。
【0025】駆動軸2dは、第1のクラッチである一方
向クラッチC4を介して、フライホイール3cに連動
し,フライホイール3cにはフライホイールの役目も有
する外径ローター3bが固着している。このフライホイ
ール3cと外径ローター3bは連動関係にあればよい。
【0026】外径ローター3bと内径ローター3aは、
相互に相対回転することによってモーター作用あるいは
発電作用をする差動電動発電機3(以降、単にM/G3と
呼ぶ)となっている。このM/G3は、いわゆるクラッ
チ・モーターと同じものである。内径ローター3aの駆
動軸3dに設けた3eは、配線3fを介してM/G4へ
の電力授受を行うスリップ・リングである。
【0027】駆動軸3dには、駆動軸1aへ選択的に連
動させるクラッチC2と、駆動軸4aへ選択的に連動さ
せるクラッチC3を設けている。クラッチC2とクラッチ
C3とによって第2のクラッチを形成している。
【0028】駆動軸軸4aは、発電電動機4(以降、単
にG/M4と呼ぶ)を介して駆動輪に連動した出力軸4
bに連動している。なお、駆動軸4aと出力軸4bは一
体であって、G/M4は歯車を介して出力軸4bと連動
する関係であってもよい。又、その歯車を介しての出力
軸4bとG/M4の連動は、歯車列を切りかえる有段歯
車変速機、あるいは無段変速機を介した連動であっても
よい。又、エンジン1は、上述した図7と同様の特性を
有している。
【0029】以下、図7の特性と図4および5の特性を使
用しながら、図1における作用を説明する。 エンジン1の始動; 運転者がエンジン・キーを差し込
む等、運転者の運転開始の意志を検出器が確認すると、
ブレーキC1およびクラッチC2を係合し、クラッチC
3を開放する。すなわち、この状態は、ブレーキC1の
係合によって駆動軸1aが拘束状態になり、且つ内径ロ
ーター3aも駆動軸3dおよびクラッチC2を介して駆
動軸1aと共に拘束状態になっている。
【0030】この状態において、運転者がエンジン・キ
ーをオン(on)にすると、図示していない制御装置
は、電池(図示せず)からの電力によってM/G3にモ
ーター作用をさせ、外径ローター3bを矢印aと同方向
へ始動する。その始動による外径ローター3bの駆動
は、外径ローター3bが所定の回転速度Niに達する
迄、駆動する。その所定の回転速度Niとは、ブレーキ
C1を開放してエンジン1がアイドリング回転速度状態
で駆動軸2dを駆動していると仮定した状態の、その状
態における駆動軸2dの回転速度を少し上回った回転速
度を言う。
【0031】外径ローター3bおよびフライホイール3
cの回転速度が上記所定の回転速度Niに達した後、制
御装置は、ブレーキC1を開放し、クラッチC2は係合
したままM/G3に発電作用をさせる。
【0032】そのことによって、フライホイール3cに
連動した外径ローター3bの慣性モーメントが、その発
電作用によって内径ローター3aを矢印a方向に駆動す
る。その駆動は、駆動軸3d、クラッチC2および駆動
軸1aを介してエンジン1を始動する。
【0033】エンジン1のその始動によって、駆動軸1
aはキャリヤー2aを駆動し、そのキャリヤー2aの駆
動によって、遊星歯車2bはリング歯車2cの内径を回
転しながら太陽歯車2eの回転速度を駆動軸1aにおけ
るアイドリング回転速度Neoのi倍に増速する。
【0034】この場合において、上記のように、フライ
ホイール3cが所定の回転速度Niに達して後、エンジ
ン1を始動させ、その始動後のフライホイール3cの回
転速度も、上記エンジン・アイドリング回転速度Neo
のi倍より幾分、高い回転速度を維持する関係になって
いる。
【0035】又、一方向クラッチC4は、駆動軸2dが
フライホイール3cより矢印a方向へより早く回転しよ
うとする状態において、駆動軸2dがフライホイール3
cを駆動し、その逆の状態では、フライホイール3cが
矢印a方向に自由回転する関係になっている。
【0036】すなわち、このエンジン1のアイドリング
状態では、駆動軸2dがフライホイール3cより幾分、
低い回転速度となっていて、駆動軸2dに対してフライ
・ホイール3cは自由回転の状態にある。
【0037】なお、この間に運転者がアクセル・ペダル
を踏み込んだ場合は、電池からの電力によってG/M4
にモーター作用をさせ、車両を発進させる。
【0038】ここまでのエンジン1の始動は、図2の機
構によって行ってもよい。図2において図1と異なって
いる部分は、図1におけるブレーキC1を省略し、代わ
りに、太陽歯車2eの駆動軸2dへ一方向クラッチCf
を設けたことにある。その他の機構は、図2、図1共に同
じである。又、一方向クラッチCfは、駆動軸2dが矢
印a方向に回転するとき自由回転し、その逆方向に回転
しようとするとき駆動軸2dの回転をケーシングが拘束
する機構となっている。
【0039】図2の機構において、車両が発進する前
は、クラッチC2が係合し、クラッチC3が開放状態に
なっている。この状態において、図1における場合と同
様、運転者がエンジン・キーをオンにすると、制御装置
は、外径ローター3bが矢印a方向へ回転するようにM
/G3にモーター作用をさせる。
【0040】M/G3が上記モーター作用をすると、外
径ローター3bは、内径ローター3aに矢印aと逆方向
に反力トルクを与えながら、矢印a方向へ回転する。こ
の状態において、内径ローター3aに生じているその反
力トルクは、駆動軸3d、クラッチC2、駆動軸1a、
キャリヤー2a、遊星歯車2bおよび太陽歯車2eを介
して駆動軸2dを矢印aと反対方向へ回転させようとす
る。
【0041】しかし、一方向クラッチCfがその回転を
阻止するから、結局、内径ローター3aは、このM/G
3のモーター作用時において回転拘束の状態にあり、図
1における場合と同様に、フライホイール3cを所定の
回転速度Niまで駆動できることになる。
【0042】フライホイール3cがこの所定の回転速度
Niになった時点において、M/G3に発電作用をさせ
ると、フライホイール3cの慣性モーメントが外径ロー
ター3bを駆動し、その発電作用によって内径ローター
3aが外径ローター3bと同一方向に回転する。
【0043】その内径ローター3aの回転は、駆動軸3
d、クラッチC2および駆動軸1aを介してエンジン1
を始動する。この場合、その回転によって駆動軸2dも
矢印aの方向に回転するが、一方向クラッチCfは上記
のように、駆動軸2dが矢印a方向へ回転する状態で自
由回転を可能にする。したがって、エンジン1の始動
は、図1の場合と同じになる。
【0044】なお、上記エンジン1の始動の間に、運転
者がアクセル・ペダルを踏み込んだ場合は、アクセル・ペ
ダルの踏み込みの大きさに応じて、G/M4にモーター
作用をさせ、自動車が発進出来ることは図1の場合と同
じである。
【0045】又、上記エンジン1の始動は、図3の機構
によって行うことも出きる。図3が図1と異なる部分
は、図1におけるブレーキC1を省略し、代わって、図
1において常時固定していたリング歯車2cを選択的に
固定あるいは自由回転させるブレーキCoを設け、且つ
駆動軸1aから歯車1b、1cおよびクラッチ1dを介
してエンジン始動用の電動機1Aを設けている点にあ
る。その他の部分は、図3、図1共に同じである。な
お、1Bは補機である。
【0046】図3の車両が未だ停止しており、エンジン
1が未だ始動前においては、ブレーキCo、クラッチC
3を開放し、クラッチC2および1dを係合しておき、
運転者のエンジン・キーをオンすることによって、電動
機1Aにモーター作用をさせる。その結果、電動機1A
はクラッチ1d、歯車1cおよび1bを介してエンジン
1を始動させる。
【0047】エンジン1の始動によって駆動軸1aが回
転すると、キャリヤー2aも回転するが、この状態にお
いて、ブレーキCoは開放しているので、リング歯車2
cは空回りして、駆動軸1aの駆動力は太陽歯車2eに
伝達しない。
【0048】このエンジン1の始動が完了すると、制御
装置はM/G3に発電作用をさせる。すなわち、エンジ
ン1が駆動軸1a、クラッチC2および駆動軸3dを介
して内径ローター3aを矢印a方向に回転させている状
態において、M/G3に発電作用をさせると、内径ロー
ター3aと外径ローター3bとの間に生じているトルク
によって外径ローター3bおよびフライホイール3cが
内径ローター3aと同じ回転方向に加速されてゆく。
【0049】その加速によって、外径ローター3bが上
述における所定の回転速度Niに達した状態において、
エンジン1の回転速度を低下させる。その低下は、ブレ
ーキCoを係合していると仮定した場合に、駆動軸2d
の回転速度が上記所定の回転速度Niに達したと想定さ
れるエンジン1の回転速度まで低下させる。すなわち、
ブレーキCoを係合した状態の増速機2の増速比をiと
し、エンジン1の回転速度をNeとすると、その低下さ
せたエンジン1の回転速度NeはNe=Ni/iの関係
にある。
【0050】上記状態に達したとき、すなわち、駆動軸
2dの回転速度とフライホイール3cの回転速度が同期
している状態において、ブレーキCoを係合する。この
状態に達する迄の間は、制御装置が制御しているが、上
述の図1および2におけるように、エンジン1を始動し
且つフライホイール3cが所定の回転速度に達する迄の
間に、運転者がその車両を発進指示したときは、制御装
置が電池の電力を使用してG/M4にモーター作用を行
なわせて車両を発進することが出来る。
【0051】以上の図1、図2あるいは図3の方法によ
って、エンジン1の始動とフライホイール3cの態勢が
完了すると、制御装置は下記の制御を行い、その説明は
図1を中心に行う。
【0052】エネルギー蓄積作用; 図1において、ブ
レーキC1およびクラッチC2を開放し、クラッチC3
を係合する。この状態から、エンジン1における燃料供
給量θを、図4のθoの値に増大させてゆく。
【0053】ここで、図4は、図7における経済燃費特性
Eのみを拡大図示したものであって、図4におけるi点
は、上記のようにエンジン1がアイドリング状態になっ
ている作動点を示している。
【0054】このように、エンジン1のアイドリングi
の状態から、エンジン1への燃料供給量θを燃料供給量
θoへ増大してゆくと、エンジン1の出力は、駆動軸1
a,キャリヤー2a、遊星歯車2b、太陽歯車2e、駆
動軸2dおよび一方向クラッチC4を介して、フライホ
イール3cを回転加速させてゆく。
【0055】ここで、大切なことは、図4におけるi点
からpo点に至る間の燃料供給量の増大させて行く速度
が、エンジン1の作動がpo点に向けて作動する制御を
することである。
【0056】また、上記所定の燃料供給量θoにおける
作動点poは、該θoと経済燃費特性Eとの交点dにお
けるエンジン1の回転速度ndより僅かに低回転速度と
なるpoである。
【0057】更に、このi点からpo点に至る制御は、
以下に説明する図4における経済燃費特性E上でのd点
からb点への作動と同じ制御になるから、そのi点から
po点に至る制御は、以下、そのd点からb点への作動
説明によって代表して行なう。
【0058】駆動軸2dの回転速度はエンジン1におけ
る駆動軸1aの回転が増速機2を介して増速した値とな
っており、ここで駆動軸2dに生ずる駆動トルクをTf
とする。
【0059】駆動軸2dにおける駆動トルクTfが一方
向クラッチC4を介してフライホイール3cを加速して
ゆく場合、その駆動トルクTfとフライホイール3cの
角加速度dω/dtとの関係は、公知のように、 Tf=I×dω/dt (1) である。
【0060】なお、(1)式におけるIは、外径ロータ
ー3bを含めたフライ・ホイール3cの慣性モーメント
であり、ωはフライホイール3cの角速度である。又、
上記駆動軸2dにおけるトルクTfとエンジン1の出力
トルクTとの関係は、増速機2の増速比iの関係から Tf=T/i (2) の一定の関係にある。
【0061】すなわち、エンジン1の出力トルクTがフ
ライホイール3を加速して行く関係は、(1)式および
(2)式より、 dω/dt=T/(I×i) (3) となる。
【0062】今、エンジン1が図4におけるpo点とな
っている微小の時間を考える。この状態において、駆動
軸2dにおける駆動トルクTfは、(1)式の関係によ
ってフライホイール3cを加速してゆく。この微小の時
間内において、エンジン1への燃料供給量は未だθo一
定になっていると考えることができる。
【0063】したがって、この微小時間において、エン
ジン1は燃料供給量θo一定の特性線上を作動しなが
ら、エンジン1は、(3)式に随ってフライホイール3
cを加速してゆく。その際におけるエンジン1の作動
は、作動点poから図4の燃料供給量θo一定線上に沿
って、経済燃費特性E上のd点を通過しようとする。そ
のd点を通過した直後の作動点p1を検出したことによ
って、制御装置は、エンジン1への燃料供給量を今まで
のθoからθ1へ増大させる。
【0064】ここで、その燃料供給量をθoからθ1へ
増大させる作用は、ステップ状に増大したと仮定する。
そのθoからθ1へ燃料供給量を増大させたとき、エン
ジン1の慣性モーメントとフライホイール3cの慣性モ
ーメントが存在するため、その瞬間において、エンジン
1の回転速度nは変化せず、エンジン1の出力トルクの
みがp2点へ上昇する。
【0065】そのため、θoからθ1へ燃料供給量を増
大させた瞬間(あるいは瞬間に近い時間に)、エンジン
1の作動点は、p1からp2へ変化する。このことによ
って、エンジン1は、その増大したトルクとなった新た
な燃料供給量θ1一定の特性に沿って、(3)式に随っ
て、フライホイール3cを加速してゆく。
【0066】その結果、同様に、エンジン1の作動は、
作動点p2から図4の燃料供給量θ1一定線上に沿っ
て、経済燃費特性E上のc点を通過しようとする。制御
装置は、そのc点を通過した直後の作動点p3を検出す
ることによって、エンジン1への燃料供給量を今までの
θ1からθ2へ増大させる。
【0067】同様に、そのθ1からθ2へ燃料供給量を
増大させたとき、エンジン1の慣性モーメントとフライ
ホイール3の慣性モーメントが存在していることによっ
て、その瞬間も、エンジン1の回転速度nは変化せず、
そのθ1からθ2へ燃料供給量を増大させた瞬間、エン
ジン1の作動点は、p3からp4へ変化する。
【0068】このようにpo,p1,p2,p3,p
4,p5…と作動するように、燃料供給量θをθo,θ
1,θ2…と制御してゆけば、エンジン1は、経済燃費
特性Eに沿って変化しながらフライホイール3cを加速
してゆく。このように、図4におけるi点からpo点に
至るエンジン1の作動も同様に行えばよい。
【0069】この経済燃費特性Eに沿ってエンジン1を
増速させてゆく制御において、その制御の応答性が粗雑
になると、下記の問題がある。燃料供給量θを、例え
ば、図4におけるθoからθ1に増大させる場合、その
増大量が大き過ぎると、その瞬間におけるp2点とc点
との偏差が大きくなり過ぎ、エンジン1の作動が経済燃
費特性Eとかけ離れて作動する時間帯が長くなる。
【0070】又、その燃料供給量θ1上において、エン
ジン1の作動がc点を通過したことを検出したことによ
って、続いて燃料供給量をθ2に増大させることが遅く
なると、c点とp3点との偏差が大きくなり過ぎ、エン
ジン1の作動が経済燃費特性Eとかけ離れて作動する時
間帯を長くしてしまう。
【0071】このことは、制御装置が下記の制御を行え
ばよいことになる。制御装置がエンジン1への燃料供給
量θを増大させてゆく速度は、その燃料供給量θの増大
につれてエンジン1の回転速度nが、その燃料供給量θ
ごとの「特定の回転速度」に一致してゆく速度をもって
その燃料供給量θを増大させてゆけば良いことになる。
【0072】上記の場合における「特定の回転速度」
は、図7において、燃料供給量θごとにエンジン1の作
動が経済燃費特性Eと交叉する回転速度nに相当してい
る。これを更に具体的に説明すると、燃料供給量θを増
大させてゆく過程における現時点の燃料供給量がθ1で
あるとすると、上記「特定の回転速度」は、経済燃費特
性Eとその燃料供給量θ1との交点cとなるエンジン1
の回転速度nc(図4)に相当している。
【0073】以上のように、フライホイール3cの加速
において、上記のようにエンジン1が経済燃費特性Eに
沿ってその回転速度を上昇させてゆく上限は、図7にお
けるa点乃至は、その経済燃費特性E上であって、図7
のa点における回転速度naより高い所定の上限の回転
速度までとする。ここで、その所定の上限の回転速度に
おけるエンジン1の作動点は、エンジン1の燃費率が所
定の良好な範囲内にあるものとする。
【0074】又、この場合において、上記所定の上限の
回転速度は、現在走行中の車速に比例して高くなるもの
であってもよい。要は、上記所定の上限の回転速度を、
駆動輪の走行に必要な現在の動力レベルより高い動力レ
ベルに設定することである。例えば、車両が現在走行し
ている動力レベルが図7におけるP3の動力レベルであ
ったとすると、上記所定の上限の回転速度は、図7にお
ける動力レベルP3よりも高い動力レベルP2あるいは
P1のレベルに設定すればよい。
【0075】このことは下記のことを意味している。従
来におけるエンジン1の使用方法は、通常の変速機を使
用した動力伝達の場合、エンジン1の出力動力レベルと
車両の走行に必要な動力レベルが、平衡して等しい値で
あった。
【0076】このことに対して、上記のように経済燃費
特性E上において、車両の現在の走行に必要な動力レベ
ルより高い動力レベルにエンジン1を作動させること
は、図7において説明したように、更にエンジン1の燃
費率の良い作動域を利用して車両を走行できることにな
る。
【0077】このように、フライホイール3cを所定の
上限の回転速度まで増速させた時点において、制御装置
は、エンジン1の作動を停止させ、あるいはアイドリン
グ状態に設定する。その結果、一方向クラッチC4の存
在によって、駆動軸2dとフライホイール3cとの駆動
関係は自然に切れる。
【0078】なお、この第1のクラッチである一方向ク
ラッチC4は、制御装置が、駆動軸2dのフライホイー
ル3cを駆動開始する時点において、その第1のクラッ
チを係合し、エンジン1の回転速度を停止あるいはアイ
ドリングに設定する時点においてその第1のクラッチを
開放する通常のクラッチであってもよい。
【0079】又、上記エンジン1の制御において、各燃
料供給量θごとに、エンジン1の回転速度がその燃料供
給量θと経済燃費特性Eとの交点となる特定の回転速度
nsを通過した(あるいは達した)ことの検出は、図5
のデータを使用して行えばよい。
【0080】すなわち、図5のように、エンジン1にお
ける上記特定の回転速度nsとエンジン1への燃料供給
量θとの関係曲線を図4から求め、これを制御装置内に
データとして記録しておき、制御装置は、各燃料供給量
θごとに、エンジン1における実の回転速度とそのデー
タにおけるエンジン1の上記特定の回転速度nsとの偏
差が零になる制御を行えばよい。
【0081】このようにフライホイール3cを加速させ
て行く間、制御装置は、運転者がアクセル・ペダルを操
作する信号とは無関係にエンジン1を制御する。又、上
記エンジン1によってフライホイール3cに回転エネル
ギーを蓄積した後、下記の車両走行にその回転エネルギ
ーを使用してゆくことによって、フライホイール3cの
回転速度が内径ローター3aの回転速度近くまで低下し
た場合、エンジン1は、図4を使用した上記のフライホ
イール3cの増速を繰り返す。
【0082】その場合にあって、エンジン1がそのフラ
イホイール3cの増速を開始する際、エンジン1が停止
状態になっている場合は、フライホイール3cが有する
慣性モーメントによってM/G3に発電作用をさせ、そ
の発電作用において内径ローター3aに生ずるトルクに
よってエンジン1を始動させればよい。
【0083】すなわち、図1あるいは図2において、ク
ラッチC3を開放し、クラッチC2を係合し、上記発電
作用を生じさせると、内径ローター3aに生じたトルク
が駆動軸3d、クラッチC2および駆動軸1aを介して
エンジン1を始動することになる。
【0084】又、図3の機構においては、エンジン1を
始動する専用の電動機1Aが存在するから、クラッチ1
dを係合し、歯車1cおよび1bを介して電動機1Aが
そのエンジン1の始動を可能にしている。
【0085】上記エンジン1側への制御装置による制御
に対して、運転者がアクセル・ペダルを操作することに
よる出力軸4bの側への制御は、制御装置が下記の制御
を行う。
【0086】アクセル・ペダルからの信号は、出力軸4
bに出力するトルクあるいは出力軸4bの回転速度の指
示となっている。この場合において、アクセル・ペダル
が出力軸4bの駆動トルクを増減する指示は、出力軸4
bの駆動動力レベルを現在の走行状態から増減させるこ
とであり、又、アクセル・ペダルが出力軸4bの回転速
度を増減する指示も、出力軸4bの駆動動力レベルを現
在の走行状態から増減させることである。
【0087】したがって、以降の説明においては、アク
セル・ペダルが出力軸4bに、駆動トルクを増減させる
指示の場合と、回転速度を増減させる指示の場合の両者
を含め、これをアクセル・ペダルが出力軸4bへ動力レ
ベルの増減をさせる指示する表現によって代表させる。
【0088】車両の前進運転; 図1の駆動装置を使用
して車両を前進させる場合は、ブレーキC1およびクラ
ッチC2を開放状態にし、且つクラッチC3を係合す
る。この状態において、運転者がアクセル・ペダルを踏
み込んで目標の上記動力レベルを指示すると、M/G3
に発電作用をさせ、その発電作用によって生じた電力に
よってG/M4にモーター作用をさせる。
【0089】なお、上記エネルギー蓄積作用時におい
て、運転者がアクセル・ペダルを踏み込んで車両を前進
させる指示を出した場合は、電池の電力によってG/M
4にモーター作用をさせ発進する。
【0090】ここで、M/G3が発電をするに要する機
械的な動力Pdは、下記のようになる。すなわち、フラ
イホイール3cに連動の外径ローター3bがその慣性モ
ーメントによって駆動するM/G3の発電作用は、その
発電に伴って、内径ローター3aにフライホイール3c
の回転方向と同じ方向へ機械的なトルクT3を生じさせ
る。
【0091】そして、外径ローター3bの角速度をωf
および内径ローター3aの角速度をωoとすると、その
発電に要するM/G3の機械的動力Pdは、 Pd=T3×(ωf−ωo) (4) である。(4)式の動力PdによってM/G3が発電し
た電力は、スリップ・リング3e、配線3fおよび制御
装置を介してG/M4に送電する。
【0092】その送電によってG/M4がモーター作用
によって出力軸4bへ出力するトルクをT4とすると、
G/M4が出力軸4bへ出力する動力Pmは Pm=T4×ωo (5) である。
【0093】ここで、M/G3の発電からG/M4のモ
ーター作用までの間の動力伝達効率をηeとすると、 Pd×ηe=Pm (6) であるから、(4)、(5)および(6)式から T3×(ωf−ωo)×ηe=T4×ωo (7) となる。
【0094】又、上記内径ローター3aに生ずるトルク
T3とG/M4の出力トルクT4との和が出力軸4bに
出力するトルクToであるから、 To=T3+T4 (8) の関係がある。
【0095】上記(7)および(8)式から T3={To−(1−ηe)}e/ηe (9) を得る。なお、(9)式において e=ωo/ωf である。
【0096】簡単のため、ηeを1.0と仮定すると、
(9)式は、 T3=To×ωo/ωf (10) の関係を得る。
【0097】ここで、Toはアクセル・ペダルからの要
求トルクでもある。又、アクセル・ペダルからの要求が
要求動力である場合は、(10)式におけるTo×ωoの
項がその要求動力となる。
【0098】結局、制御装置がM/G3に発電作用をさ
せる制御は、M/G3に(9)式のトルクT3を生じさ
せるように制御すればよいことになる。
【0099】なお、上記各動力の関係式は、説明の便宜
上、機械的な動力伝達経路の動力伝達効率を100%とし
ているが、実際には、その機械的な動力伝達経路におい
ても動力伝達効率を考慮することが望ましい。
【0100】又、上記の場合において、上述の説明にお
けるようにエンジン1の始動等に使用する電池の充電量
が所定のレベル以下である状態においては、上記(4)
式の動力Pdを電池の充電に充当する分、上乗せして発
電する。
【0101】又、上記場合は、M/G3において発電し
た電力の全てをG/M4へ供給することを原則としてい
るが、急加速等の特別な場合は、M/G3での発電動力
に電池からの必要な電力を加算してG/M4にモーター
作用をさせてもよい。
【0102】回生制動; 回生制動は、上記前進駆動走
行の場合と同じに、図1の場合は、ブレーキC1とクラ
ッチC2を開放し、クラッチC3を係合したまま、G/
M4に発電作用をさせる。この発電作用によって、出力
軸4bが駆動輪にブレーキ・トルクをかけその車両の制
動が可能になる。そのG/M4によって発電した電力
は、原則として全てM/G3のモーター作用に使用す
る。
【0103】そのモーター作用は、制御装置によって、
G/M4が発電した電力を配線3fからスリップ・リン
グ3eを介してM/G3に供給し、そのことによって外
径ローター3bには矢印a方向の駆動トルクが生じて外
径ローター3bおよびフライホイール3cを増速する。
他方、そのモーター作用において外径ローター3bに生
じたトルクに対する反力トルクも内径ローター3a、駆
動軸3d、クラッチC3、駆動軸4a、G/M4および
出力軸4bを介して駆動輪に制動力をかける。
【0104】これは、図2および図3における回生制動
の場合も実質同じである。すなわち、図2および図3に
おいて、クラッチC2を開放し、クラッチC3を係合す
れば、図2および図3の場合共に、上記図1における場
合と同じ回生制動の態勢になるからである。
【0105】エンジン・ブレーキ; 長い下り坂におけ
るエンジン・ブレーキは下記の作用になる。図1におい
ては、ブレーキC1を開放し、クラッチC2およびC3
を係合する。その状態において、エンジン1への燃料噴
射を停止し且つエンジン1のスロットル弁を閉じる程度
を調節しながらエンジン1にエンジンブレーキのかかる
状態に設定する。すなわち、そのエンジン1におけるエ
ンジンブレーキは、駆動軸1a、クラッチC2およびC
3、駆動軸4aおよび出力軸4bを介して駆動輪にブレ
ーキをかける。
【0106】なお、上記エンジンブレーキにおいて、フ
ライホイール3cの回転速度が所定の高い回転速度以下
である状態においては、G/M4に発電作用をさせ、制
御装置は、そのG/M4が発電した電力によってM/G
3にモーター作用をさせる。
【0107】すなわち、G/M4の発電作用は、上記エ
ンジンブレーキに加え、出力軸4bにブレーキ力を与
え、更に、M/G3のモーター作用は、図1における矢
印a方向にフライホイール3cを増速させる方向に作用
するため、内径ローター3aにそのモーター作用におけ
る反力トルクが矢印aと反対の回転方向に作用する。
【0108】その結果、出力軸4bには、上記G/M4
の発電作用によるブレーキ力、M/G3のモーター作用
から生ずる上記反力トルクおよびエンジン1による上記
エンジンブレーキが作用する。
【0109】その場合において、エンジン1のスロット
ル弁の調節によるエンジンブレーキ力、G/M4の発電
作用とM/G3のモーター作用によって上記出力軸4b
へ寄与するブレーキ力の総計は、ブレーキペダルの踏み
込みレベルに応じて制御装置が制御する。
【0110】これらエンジンブレーキの作用は、図2に
おいても同じである。すなわち、図2において、クラッ
チC2およびC3を係合する。すると、エンジンブレー
キ状態においては、駆動輪からの走行動力が出力軸4
b、クラッチC3およびC2を介して駆動軸1aを矢印a
方向に駆動するから、その駆動軸1aの回転は増速機2
を介して駆動軸2dを矢印aと同方向に回転させる。
【0111】この駆動軸2dの矢印a方向への回転は、
一方向クラッチCfが空転する状態になる。したがっ
て、この図2の状態は、図1における上述のエンジンブ
レーキ態勢と実質、同じ態勢となる。
【0112】又、このエンジンブレーキ態勢は図3にお
いても実質、同じである。すなわち、図3において、ク
ラッチ1dを開放し、ブレーキCo、クラッチC2およ
びC3を係合すれば、その態勢は、図1におけるエンジ
ンブレーキの態勢と同じである。
【0113】なお、図3におけるエンジンブレーキにあ
っては、下記の方法を採用しても良い。ブレーキCoを
係合したまま、クラッチ1dおよびC3を係合し、クラ
ッチC2を開放した態勢に設定する。すなわち、出力軸
4bとエンジン1の駆動軸1aはクラッチC2において
切り離した状態になる。
【0114】この状態において、G/M4に発電作用を
させると、その発電作用は出力軸4bの回転動力を吸収
して駆動輪にブレーキをかける。そのG/M4によって
発電した電力は制御装置を介して電動機1Aにモーター
作用をさせる。そのモーター作用によって、電動機1A
は、クラッチ1d、歯車1cおよび1bを介してエンジ
ン1を駆動して上述の図1における場合に相当するエン
ジンブレーキを可能にする。
【0115】以上の説明において、図1、図2および図
3における出力軸4bには、有段変速機あるいは無段変
速機を設けてもよい。又、出力軸4bには前進・後退切
り換えの変速機を設けても良い。又、後退運転は、図
1,図2あるいは図3のいずれにおいても、クラッチC
3を開放し、電池からの電力によってG/M4に後退運
転方向へのモーター作用をさせてもよい。又、下記の作
用による後退運転も可能である。
【0116】後退運転; 図1における車両の後退運転
時においても、フライホイール3cが所定の低い回転速
度に低下すごとに、エンジン1が増速機2および一方向
クラッチC4を介してをフライホイール3cを所定の高
いレベルの回転速度まで増速させるエンジン1の間歇運
転は、上述の前進運転の場合と同様に行う。
【0117】図1において後退運転の場合、クラッチC
3は開放しておく。この態勢において、上記のようにエ
ンジン1がフライホイール3cを増速している場合と、
フライホイール3cを増速し終わってエンジン1が停止
している場合の2通りの状態が存在する。
【0118】エンジン1がフライホイール3cを増速す
る状態においては、当然にブレーキC1は開放してお
く。そのエンジン1によるフライホイール3cの増速
は、駆動軸1a、増速機2、駆動軸2dおよび一方向ク
ラッチC4を介してフライ・ホイール3cおよび外径ロ
ーター3を駆動することは、上述における前進走行の場
合と同じである。
【0119】更に、この後退運転の場合は、図1におい
てクラッチC2を上記のように係合しているから、エン
ジン1を駆動している状態において、上記フライ・ホイ
ール3cの駆動と同時に、駆動軸1aの回転はクラッチ
C2および駆動軸3dを介して内径ローター3aをも駆
動する。
【0120】しかも、この場合、フライ・ホイール3c
の側は駆動軸1aから増速機2を介して駆動し、内径ロ
ーター3aは駆動軸1aから増速無しで駆動している。
したがって、エンジン1が外径ローター3bと内径ロー
ター3aを同時に駆動している状態において、外径ロー
ター3bと内径ローター3aとの間には、回転速度差が
生じている。
【0121】その回転速度差の生じている状態におい
て、M/G3に発電作用をさせ、そのM/G3において
発電した電力によってG/M4に車両の後退運転の方向
にモーター作用をさせる。
【0122】その際、アクセル・ペダルからG/M4へ
要求する動力要求量Pに対して、制御装置は、その動力
要求量Pに相当する発電電力量をM/G3に発電させ
る。なお、その際、エンジン1は、M/G3の発電量と
は関係無く上述の図4に随った経済燃費特性E上の駆動
を行っている。又、この状態におけるフライホイール3
cの加速は、上述の(3)式におけるエンジン・トルク
Tから、上記発電による内径ローター3aの駆動トルク
分を差し引いた値になる。
【0123】これに対して、エンジン1を停止させてい
る状態においては、ブレーキC1を係合させる。即ち、
ブレーキC1は駆動軸1a、クラッチC2および駆動軸
3dを介して内径ローター3aの回転を阻止する態勢に
なる。
【0124】この状態において、フライホイ―ル3cお
よび外径ローター3bの回転慣性によってM/G3にこ
の後退運転に必要な量の発電量Pを発電させ、その発電
電力Pによって、G/M4に後退運転方向へのモーター
作用をさせる。
【0125】又、上記後退運転において、エンジン1に
よってフライホイール3cを増速している場合からエン
ジン1の作動を停止する場合へと、あるいはその逆の場
合の切り換え時に、上記G/M4のモーター作用への電
力不足分が生ずる場合、補助の電池からの電力を補充使
用する。
【0126】上記後退運転は、図2においても同様であ
る。図2において、後退運転の場合は、図1における場
合と同じに、クラッチC2を係合し、クラッチC3を開
放する。
【0127】この態勢において、フライ・ホイール3c
の回転速度が所定の低い回転速度以下に低下しているこ
とによってエンジン1がフライ・ホイール3cを増速さ
せている状態においては、図1における場合と同じ作用
となる。
【0128】すなわち、そのエンジン1の作動時におい
て、図1に対する図2の機構上の異なりは、図1のブレ
ーキC1に代わって図2においては一方向クラッチCf
を設けている点にあるが、この一方向クラッチCfは、
上述したように、エンジン1が作動して駆動軸1aが矢
印a方向に回転する態勢において開放するものである。
したがって、エンジン1がフライ・ホイール3cを増速
している間の後退運転は、図1も図2も、実質、同じ作
用となる。
【0129】又、図2において、エンジン1によるフラ
イ・ホイール3cの増速をせず、エンジン1が停止して
いる場合の後退運転も図1における場合と実質同じにな
る。すなわち、フライ・ホイール3cおよび外径ロータ
ー3bの慣性回転によって、M/G3に発電作用をさせ
ると、内径ローター3aに矢印aと反対の回転方向へ外
径ローター3bからの反力トルクが生ずる。
【0130】その反力トルクは、駆動軸3d、クラッチ
C2、駆動軸1aおよび増速機2を介して駆動軸2dを
矢印aと反対の回転方向へ駆動しようとする。しかし、
一方向クラッチCfは駆動軸2dが矢印aと反対の回転
方向へ回転することを阻止する機構になっているから、
内径ローター3aはその阻止によって回転しない。その
結果、エンジン1が停止している場合の図2における後
退運転も、図1における場合と同じになる。
【0131】図3における後退運転は、ブレーキCo、
クラッチC2およびC3を開放し、クラッチ1dを係合
した態勢において、エンジン1の作動によって駆動軸1
a、歯車1bおよび1cを介して電動機1Aに発電をさ
せ、その発電による電力によってG/M4に後退運転方
向のモーター作用をさせればよい。
【0132】車両停止時; 上記の車両走行が終え、制
御装置が、例えば駆動輪の回転が零になり且つエンジン
・キーが抜かれたことによって車両の使用が終了したと
判別した場合であって、フライ・ホイール3cが未だ回
転状態にある場合は、制御装置は下記処理によって、フ
ライ・ホイール3cの有している回転エネルギーを電池
に回収してもよい。
【0133】このエンジン・キーを切った状態にあっ
て、エンジン1の作動は停止しており、その状態におい
て、図1の場合は、制御装置が、ブレーキC1およびク
ラッチC2を係合し、クラッチC3を開放させ、M/G
3に発電作用をさせる。すると、フライ・ホイール3c
の有していた慣性回転エネルギーがその発電作用によっ
て消耗し、代わってその慣性回転エネルギーは電力に変
換し、その電力を電池へ充電回収する。
【0134】以上の図1、図2および図3の説明におい
て、G/M4は駆動輪に連動しているものであるから、
その駆動輪は、前後輪のうち、いずれかの駆動輪に連動
していればよいことになる。例えば、図1における駆動
系は、図6に示す機構にしてもよい。
【0135】図6において、エンジン1から増速機2、
M/G3およびクラッチC2、C3までの駆動系は図1
と同一である。クラッチC3からの駆動軸5fは、歯車
5eから歯車5dに至る歯車列(あるいはスプロケット
5fおよび5d間に掛けたチェーン駆動系)、出力軸5
cおよびディファレンシャル歯車5(以後、単にデフ5と
呼ぶ)を介して前輪あるいは後輪5a,5bに連動して
いる。すなわち、図1においてクラッチC3からの駆動
軸4aに設けたG/M4は、図6のクラッチC3から駆
動輪5a,5bに至る駆動系には設けていない。
【0136】それに対して、図6においては、そのG/
M4をディファレンシャル歯車6(以後、単にデフ6と呼
ぶ)を介して後輪あるいは前輪6a、6bに連動させて
いる。
【0137】図1に対して図6は、G/M4がエンジン
1からの駆動系に連動の駆動輪とは異なる側の駆動輪に
連動しているのみであって、その両駆動輪は両者共に同
じ路面を駆動するものであるから、前進運転の場合も後
退運転の場合も、図6における設定、操作および作用は
図1における場合と同じになる。
【0138】しかし、図6における前進運転の場合、エ
ンジン1からの駆動系が駆動輪5a,5bの側を駆動
し、G/M4の駆動系が駆動輪6a,6bの側を駆動す
るため、その作用は、図1における2輪駆動に対して図
6の場合は4輪駆動となる。
【0139】又、図6の後退運転の場合において、駆動
軸5fから出力軸5cへ至るまでの駆動系に前進・後退
切り換えの変速機を設ければ、4輪駆動による後退運転
が可能になる。
【0140】それは、ブレーキC1とクラッチC2を開
放し、クラッチC3を係合した態勢に設定する。その態
勢において、図1の前進運転の場合と同様、エンジン1
がフライ・ホイール3cを常に所定の範囲内の回転速度
に維持させる間歇駆動を行う。すなわち、フライ・ホイ
ール3cの回転エネルギーが消耗する毎に、エンジン1
は駆動軸1a、増速機2および一方向クラッチC4を介
してのフライ・ホイール3cおよび外径ローター3bの
間歇増速を行う。その結果、フライ・ホイール3cは常
に、所定の範囲内での回転速度を保持している。
【0141】その状態において、制御装置は、M/G3
に発電作用をさせる。すると、フライ・ホイール3c回
転慣性が外径ローター3bを駆動する発電作用をし、そ
のことによって、内径ローター3aには外径ローター3
bの回転方向と同方向のトルクが生ずる。
【0142】その結果、内径ローター3aは、クラッチ
C3および駆動軸5fから出力軸5cまでの間に設けた
後退用変速機を介して、駆動輪5a,5bを後退運転方
向に駆動する。この作用と同時に、M/G3において発
電した電力によってG/M4を後退運転方向のモーター
作用をさせれば、G/M4もデフ6を介して駆動輪6
a,6bを後退運転方向に駆動する。
【0143】又、図6において、回生制動をする場合、
下記のように、4輪全部からの回生が可能になるから、
図1における2輪のみの回生制動に比し、その回生効率
が向上する。
【0144】図6の回生制動を行う場合は、エンジン1
への燃料供給を停止し、クラッチC2を開放し、クラッ
チC3を係合する。その態勢において、G/M4に発電
作用をさせ、その発電による電力によってM/G3を矢
印aの回転方向へモーター作用させる。
【0145】すなわち、G/M4の発電作用によって、
G/M4はデフ6を介して駆動輪6a,6bに制動をか
ける。又、同時に、M/G3のモーター作用は外径ロー
ター3bを矢印aの回転方向に駆動させる。その結果、
その外径ローター3bを駆動するための反力トルクが内
径ローター3aに生じ、その反力トルクは矢印aと反対
の回転方向になる。したがって、内径ローター3aに生
ずるこの反力トルクは歯車5f,5dの歯車系、出力軸
5cおよびデフ5を介して駆動輪5a,5bにも制動を
かける。
【0146】なお、上記制動において、M/G3のモー
ター作用に使用の電力は、必ずしもG/M4が発電した
電力のみを使用せずに、その電力へ電池からの電力を追
加し、あるいはその電力から所定の電力を差し引きした
ものであってもよい。また、その差し引きした電力は電
池へ充電する。そのようにすると、駆動輪5a,5b側と
駆動輪6a,6b側との制動力の配分を調整できる。
【0147】又、図6においては、駆動軸5fと出力軸
5cの間に有段変速機あるいは無段変速機を介しても良
い。そのようにすると、同じ出力動力においてM/G3
の作動状態を更に効率の良い状態において使用出来る。
又、そのことはG/M4とデフ6との間においても同様
である。
【0148】以上の図1、図2、図3および図6におけ
る増速機2は、必ずしも必要ではない。すなわち、エン
ジン1の駆動軸1aから、直接、一方向クラッチC4を
介してフライ・ホイール3cを駆動してもよい。
【0149】唯、エンジン1は経済燃費範囲内の低い回
転速度範囲内の作動であっても、エンジン1の回転が、
増速機2の存在によって、フライ・ホイール3cの回転
速度を更に増速することが可能になり、フライ・ホイー
ル3cへ、より大きな回転エネルギーを蓄積出来ること
になる。
【0150】又、上述の説明において、差動電動発電機
3は、内径ローター3aと外径ローター3bとの差動回
転によって、発電作用あるいはモーター作用を行うもの
であるが、この差動電動発電機3は、差動歯車の差動回
転を使用した下記の機構であってもよい。
【0151】例えば、その差動歯車は図3における増速
機2のブレーキCoを省略した機構のようになる。すな
わち、図2において、その差動歯車は、太陽歯車2e
(A)の外径とリング歯車2c(B)の内径にそれぞれ
噛み合っている遊星歯車2bと、遊星歯車2bを軸支し
たキャリヤー2a(C)からなっている。
【0152】そのように、太陽歯車A,リング歯車Bお
よびキャリヤーCの相互に相対回転可能な3要素のう
ち、いずれかの要素にフライホイールを連動し、他の残
る要素のいずれかに通常のモーター・ジェネレーターを
連動し、残る最後の要素を図1の駆動軸3dへ連動させ
た機構とすることによって、差動電動発電機を形成でき
る。なお、フライホイールは、一方向クラッチC4を介
して駆動軸2d(図1)へ連動する。
【0153】そのようにすれば、フライホイールと駆動
軸3dとの相対回転によって、モーター・ジェネレータ
ーが発電あるいはモーター作用をすることが可能とな
る。
【0154】このように、本発明における第1の発明
は、差動電動発電機3と発電電動機4によって動力分割
型の変速機を形成し、その変速機への動力供給は、変速
機が出力軸へ出力する走行動力とは無関係に、常に、エ
ンジン1がフライ・ホイール3cへ走行動力以上の動力
を補充しているものである。
【0155】更に、フライ・ホイール3cへの回転エネ
ルギーの蓄積は、動力を機械系から一旦、電気系へ変換
するような手段を用いず、エンジン1が、直接に、動力
伝達効率の良い機械的な駆動系のみによっている点に特
徴がある。
【0156】又、その際におけるエンジン1の作動は、
燃費率の良い経済燃費特性E上を作動させている点に特
徴がある。
【0157】更に、差動電動発電機3と発電電動機4か
らなる動力分割型の上記変速機は、差動電動発電機3の
発電作用によってフライホイール3cから出力軸4bへ
エネルギーを取り出す作用において、差動電動発電機3
からは、内径ローター3aに生ずるトルクT3と内径ロ
ーター3aの角速度ωoとの積に相当する機械的な動力
(T3×ωo)が、直接、駆動輪の側へ動力伝達するも
のである。
【0158】又、車両の前進駆動において、差動電動発
電機3が発電した電力は電池へ充電せず、全て発電電動
機4へ供給することができる。又、車両の回生制動にお
いても、発電電動機4が発電した電力も電池へ充電せず
全て差動発電機3のモーター作用へ供給出来る。
【0159】又、本発明は、エンジン1が常に経済燃費
特性E上で作動しながら発生した動力を間欠的にフライ
ホイール3cへ供給蓄積し、その蓄積したエネルギーか
ら必要な分のみ、動力伝達効率の良い動力分割型変速機
が出力軸4aへ動力を出力しているものである。
【0160】
【発明の効果】請求項1の発明は、エンジン1が経済燃
費特性E上を作動しながら、直接、機械的にフライ・ホ
イール3cへエネルギー蓄積するものであるから、その
エネルギー蓄積効率が良い。
【0161】請求項1の発明は、フライホイール3cか
ら駆動輪へのエネルギー取り出しは、直接、伝動効率の
良い一部機械的伝動可能な動力分割型変速機を形成させ
ているから、他の電気的動力伝達に比し、動力伝達効率
が良い。
【0162】請求項1の発明は、特に、車両の走行に要
求する出力エネルギーが、高速の高レベルから零レベル
迄、全て、上記動力分割型変速機の機能のまま、駆動す
ることが可能である。したがって、特に車速の低い低動
力における走行燃費は、従来のアシスト駆動によるパラ
レル・ハイブリッド方式や純電気的駆動のシリーズ方式
に比し、動力伝達効率およびエンジンの燃費を良好にす
ることが可能になる。
【0163】請求項1の発明は、又、車両の駆動輪が使
用の動力レベルの高低とは無関係に、エンジン1は常に
最良の燃費効率となる高負荷での間歇的エネルギー蓄積
駆動によって、フライホイール3cへエネルギーを蓄積
しているものであるから、そのフライホイール3cへの
エネルギー蓄積効率が優れたものになる。
【0164】請求項1の発明は、又、補助的な電池を除
き、本発明は電池を使用した充放電を必要としないか
ら、重量の重くなる電池使用の心配もいらない。
【0165】請求項2の発明においては、発電電動機4
の発電作用によって駆動輪に回生制動をかけることがで
き、その発電作用による電力によって差動電動発電機3
にモーター作用をさせることによって、回生制動エネル
ギーをフライ・ホイール3cの回転エネルギーとして蓄
積することができる。そのことは、補助的電池を除き、
重量と容量が大となる電池を原則として必要としないも
のである。
【0166】又、本発明は、図6に示すように、出力軸
5fが駆動する駆動輪5a,5bとは異なる側の駆動輪6
a,6bを発電電動機4によって駆動出来る。そのため
本発明は、4輪駆動も可能になる。更に、その場合は、
4輪全輪からの回生制動時のエネルギー回収が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用のフライホイール・エネルギー蓄
積駆動装置をシステム図によって示したものである。
【図2】図1に対する他の実施例をシステム図によって
示したものである。
【図3】図1および図2に対する他の実施例を示したも
のである。
【図4】エンジン1の特性を示した図7における経済燃
費特性Eの部分を拡大図示したものであって、エンジン
1をアイドリングから所定の上限の回転速度まで増速し
てゆく制御過程を示したものである。
【図5】図4の経済燃費特性E上において、任意の燃料
供給量θに対応したエンジン1の回転速度nsと、その
燃料供給量θとの関係を示したものである。
【図6】図1、図2および図3に対する本発明の他の実
施例をシステム図によって示したものである。
【図7】エンジン1の従来における特性を示したもので
ある。
【符号の説明】
1 エンジン、 1a 駆動軸、 2 増速機、 3差
動電動発電機、 3a内径ローター、 3b 外径ロー
ター、 3c フライ・ホイール、 4 発電電動機、
4bおよび5c 出力軸、 C4 第1のクラッチ、
C2,C3 第2のクラッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 B60K 41/02 ZHV B60L 7/22 41/02 ZHV F02B 61/00 F B60L 7/22 B60K 9/04 // F02B 61/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のクラッチ(C4)を介してエンジ
    ン1に連動するフライホイール(3c)は外径ローター
    (3b)に連動し、その外径ローターと内径ローター
    (3a)は互に相対回転をすることによって電動機或い
    は発電機の作用をする差動電動発電機(3)を形成し、
    前記内径ローターは、第2のクラッチ(C2,C3)を介
    して前期エンジンの駆動軸(1a)および出力軸(4
    a)のうち、いずれか一方あるいはその両者へ選択的に
    連動し、前記出力軸は前輪あるいは後輪のうちいずれか
    の側の駆動輪に連動し、前記後輪あるいは前輪のうちい
    ずれかの側の駆動輪には発電電動機(4)が連動してい
    るフライホイール・エネルギー蓄積駆動装置。
  2. 【請求項2】 クラッチ(C4)を介してエンジン1に
    連動したフライホイール(3c)は外径ローター(3
    b)に連動し、その外径ローターと内径ローター(3
    a)は互に相対回転をすることによって電動機或いは発
    電機の作用をする差動電動発電機(3)を形成し、前記
    内径ローターは前輪あるいは後輪のうちのいずれかの側
    の駆動輪に連動の出力軸(4a)へ連動させ、前記後輪
    あるいは前輪のうちいずれかの側の駆動輪には発電電動
    機(4)が連動している駆動装置の制御において、 前記駆動輪に回生制動をかけるときは、前記クラッチが
    切り離れている状態において、前記発電電動機の発電作
    用によって前記駆動輪に制動をかけ、その発電電動機が
    発電した電力によって前記差動電動発電機にモーター作
    用をさせることによって前記外径ローターの回転速度を
    増大させる回生制動方法。
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