JP2003020438A - 水性エマルション塗料 - Google Patents

水性エマルション塗料

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JP2003020438A
JP2003020438A JP2001209524A JP2001209524A JP2003020438A JP 2003020438 A JP2003020438 A JP 2003020438A JP 2001209524 A JP2001209524 A JP 2001209524A JP 2001209524 A JP2001209524 A JP 2001209524A JP 2003020438 A JP2003020438 A JP 2003020438A
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emulsion
water
ethylenically unsaturated
unsaturated monomer
glycol chain
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JP2001209524A
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Masaya Sakaguchi
真哉 坂口
Kazuo Adachi
和生 足立
Mitsuhiko Asakura
光彦 朝倉
Hiroji Sasaki
博治 佐々木
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Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シックハウス症候群や、大気汚染の原因とな
る物質を吸着・分解し、無害化する水性エマルション塗
料を提供する。 【解決手段】 異相構造エマルション粒子をバインダー
とし、四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物、及び
光触媒活性を有する化合物を含む触媒組成物を必須成分
とする水性エマルション塗料であって、前記異相構造エ
マルション粒子の最外相がガラス転移温度−50℃〜1
0℃のエチレン性不飽和単量体の乳化重合体であり、該
乳化重合体中にポリエチレングリコール鎖及び/又はポ
リプロピレングリコール鎖を有するエチレン性不飽和単
量体を含有し、且つ、内側の少なくとも一相が、ガラス
転移温度30〜110℃であるエチレン性不飽和単量体
の乳化重合体であり、且つ、最低造膜温度が10℃以下
である水性エマルション塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有機化合物
(以下VOCという)を、殆ど又は全く必要とせずに低
温成膜性、凍結−融解安定性に優れ、更に低粘着性、耐
汚染性にも優れるだけでなく、大気中に浮遊するホルム
アルデヒドなどの有害物質、及び煙草のヤニなどの悪臭
を吸着・分解し、無害化する塗膜を形成する水性エマル
ション塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、VOCや毒性の低減に関する環境
対応が必要となり、また、省資源の観点から塗料業界で
は溶媒として有機溶剤を使用した塗料から水を使用した
塗料への転換が急速になされつつある。その代表的な塗
料として水性エマルション塗料が挙げられるが、該塗料
は固有の最低造膜温度(以下MFTという)を有し、被
塗装面の温度がMFT以下である場合、造膜助剤として
VOCを添加しなければ、塗膜を得ることはできない。
また、水を分散媒として使用しているため、冬季などに
は凍結防止剤としてVOCを必要とする。
【0003】そのため、水性エマルション塗料と雖も相
当量の揮発性有機溶剤を必要とする。塗料業界では該水
性エマルション塗料中に必要とされるVOCを更に減
量、削減するため、鋭意検討を行っている。
【0004】しかし、VOCの放出元は塗料からだけで
なく、例えば家屋内ではシックハウス症候群などで多く
取り上げられているように、壁材、家具などの接着剤な
どからも多くのVOCが放出されている。そのため、塗
料に含まれるVOCを削減するだけでなく、室内環境の
改善が求められている。
【0005】そこで、特許第3087113号では、ホ
ルムアルデヒドなどのVOC及び有害物質を吸着させう
る機能を持った塗料も紹介されているが、これらは、造
膜助剤を必要とする上、物理的にVOCなどを吸着して
いるのみで、一定以上のVOCを吸着させることができ
ず、シックハウス症候群の完全な解決はできていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、VOCを全
く含まず、或いは極小量の添加で諸物性に優れた塗膜を
形成し、且つ、社会的に問題となっているシックハウス
症候群や、大気汚染の原因となる物質を吸着・分解し、
無害化することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討を行った結果、多段乳化重合法に
よって得られた異相構造エマルションをバインダーと
し、四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物、及び光
触媒活性を有する化合物を含む触媒組成物を必須成分と
する水性エマルション塗料を用いることによって、上記
課題を解決する。
【0008】即ち、本発明の水性エマルション塗料は、
多段乳化重合法によって得られる異相構造エマルション
粒子をバインダーとし、四価金属のリン酸塩、二価金属
の水酸化物、及び光触媒活性を有する化合物を含む触媒
組成物を必須成分とする水性エマルション塗料であっ
て、前記異相構造エマルションが以下I)〜III)を満た
すことを特徴とする。 I)粒子の最外相を形成する成分がガラス転移温度−5
0℃〜10℃のエチレン性不飽和単量体の乳化重合体で
あり、該乳化重合体中にポリエチレングリコール鎖及び
ポリプロピレングリコール鎖の少なくとも一方を有する
エチレン性不飽和単量体を1〜20質量%含有するこ
と。 II)粒子の最外相よりも内側にある少なくとも一相が、
ガラス転移温度30〜110℃であるエチレン性不飽和
単量体の乳化重合体であること。 III)最低造膜温度が10℃以下であること。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について具体的に説
明する。
【0010】本発明の水性エマルション塗料は、多段乳
化重合法によって得られる異相構造エマルション粒子を
バインダーとし、四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸
化物、及び光触媒活性を有する化合物を含む触媒組成物
を必須成分とするものである。
【0011】本発明の水性エマルション塗料を構成する
バインダーは、水中にて、エチレン性不飽和単量体を多
段階の乳化重合法によって製造した異相構造エマルショ
ンからなるものである。
【0012】多段乳化重合法は、水中にてエチレン性不
飽和単量体を従来から公知の乳化重合法にて2段以上、
通常2〜5段階繰り返し行い、形成されるエチレン性不
飽和単量体の乳化共重合体が異相構造、即ち、最外相
と、一相以上の内部相からなるエマルション粒子を形成
させる方法である。
【0013】多段乳化重合法の代表例としては、水中に
て乳化剤及び重合開始剤、更に必要に応じて連鎖移動剤
や乳化安定剤などの存在下で、エチレン性不飽和単量体
を通常60〜90℃の加温下で乳化重合し、この工程を
複数段階繰り返し行う方法が挙げられる。
【0014】前記乳化剤としては、例えば、ラウリル硫
酸ナトリウムなどの脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エ
ステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど
のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエ
ーテルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレン−
ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スル
ホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素不飽
和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤な
どのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の
炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニ
オン性界面活性剤などのノニオン性界面活性剤;アルキ
ルアミン塩や、第4級アンモニウム塩などのカチオン性
界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコールなどが挙げ
られる。
【0015】前記重合開始剤としては、従来から一般的
にラジカル重合に使用されているものが使用可能である
が、中でも水溶性のものが好適であり、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;2,
2‘−アゾビス(2−アミノジプロパン)ハイドロクロ
ライドや、4,4’−アゾビス−シアノバレリックアシ
ッド、2,2‘−アゾビス(2−メチルブタンアミドオ
キシム)ジハイドロクロライドテトラハイドレートなど
のアゾ系化合物;過酸化水素水、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイドなどの過酸化物などが挙げられる。更に、
L−アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤
と、硫酸第一鉄などを組み合わせたレドックス系も使用
できる。
【0016】前記連鎖移動剤としては、例えば、n−ド
デシルメルカプタンなどの長鎖のアルキルメルカプタン
や、芳香族メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素類等を
挙げることができる。
【0017】前記乳化安定剤としては、ポリビニルアル
コールや、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドンなどを挙げることができる。
【0018】また、前記乳化重合は、単量体を一括して
仕込む単量体一括仕込み法や、単量体を連続的に滴下す
る単量体滴下法、単量体を水と乳化剤で予め混合乳化し
ておき、これを滴下するプレエマルション法、或いは、
これらを組み合わせる方法などが挙げられる。
【0019】本発明は、前述の方法により、バインダー
となる異相構造エマルションを製造するに当たり、多段
乳化重合の最終段階に加えられ、異相構造エマルション
粒子の最外相を形成するエチレン性不飽和単量体とし
て、ポリエチレングリコール鎖及び/又はポリプロピレ
ングリコール鎖を有するエチレン性不飽和単量体を、最
外相を形成する全エチレン性不飽和単量体中1〜20質
量%、好ましくは5〜15質量%含有させ、且つ、得ら
れる最外相の乳化共重合体のガラス転移温度(以下Tg
という。)が−50℃〜10℃、好ましくは、−30℃
〜5℃となるエチレン性不飽和単量体を組み合わせて使
用する必要がある。また、同時に内部相の少なくとも一
相の乳化共重合体は、Tgが30〜110℃、好ましく
は、50℃〜90℃となるエチレン性不飽和単量体を組
み合わせて使用する必要がある。また、バインダーの最
低造膜温度(MFT)は10℃以下、好ましくは0℃以
下となるものを使用する必要がある。MFTの下限温度
は例えば、0℃が適当であろう。
【0020】但し、下限温度はこのような温度に限定さ
れるものではない。
【0021】尚、本発明において、乳化共重合体のTg
は、次のFOX式を用いて計算されるものをいう。 1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wi/T
i+・・・+Wn/Tgn [上記FOX式は、n種の単量体からなる重合体を構成
する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTg
i(K)とし、各モノマーの質量分率をWiとしており、
(W1+W2+・・・+Wi+・・・+Wn=1)である]
【0022】本発明において、異相構造エマルション粒
子の最外相の乳化共重合体のTgが−50℃未満となる
と、得られる塗膜の耐汚染性や耐温水性などが悪くなり
やすく、また、逆に10℃を超えると低温時における造
膜性が悪くなりやすいので好ましくない。
【0023】また、バインダーのMFTが10℃を超え
ると、造膜助剤を多く必要とするため好ましくない。
【0024】次に、異相構造エマルションの形成に使用
されるエチレン性不飽和単量体について説明する。
【0025】異相構造エマルションの最外相を形成する
乳化重合体に使用されるエチレン性不飽和単量体は、前
述の通り、ポリエチレングリコール鎖及び/又はポリプ
ロピレングリコール鎖の少なくとも一方を有するエチレ
ン性不飽和単量体を必須成分として含有するものであ
る。
【0026】該単量体は例えば、以下の式(1)、
(2)で示されるものである。
【0027】 (式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、H又は炭
素数1〜8のアルキル基であり、Xは、(CH22
(CH23又はCH2C(CH3)Hであり、n及びm
は、1〜30の整数である。)
【0028】これらの式で示される単量体が、最外相を
形成する全エチレン性不飽和単量体中、1質量%未満と
なると塗料の凍結−融解安定性が悪くなり、逆に20質
量%を超えると得られる塗膜の耐水性が悪くなるので好
ましくない。
【0029】これらのモノマーは、例えば、(メタ)ア
クリル酸やアリルアルコール等にエチレンオキサド及び
/又はプロピレンオキサイドを付加重合反応させた後、
必要に応じて、炭素数1〜8個のアルキル基でエーテル
化することによって容易に製造することができる。この
ような単量体の市販品としては例えば、商品名として
「MA−30」、「MA−50」、「MA−100」、
[MA−150]、「MPG−130MA」(以上、日
本乳化剤(株)製)、「ブレンマーPE」、「ブレンマ
ーPP」、「ブレンマーAP−400」、「ブレンマー
AE−350」、「ブレンマーPEP」(以上、日本油
脂(株)製)等の単量体が挙げられる。
【0030】また、これらの式で示される単量体と共重
合する単量体としては、従来からアクリル樹脂の製造に
使用されている各種エチレン性不飽和単量体が、特に制
限なく使用できる。
【0031】具体的には、例えば、メチル(メタ)アク
リレートや、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、α―クロロエチル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)ア
クリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、
エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリレート系単量体;スチレンや、メチルスチレン、ク
ロロスチレン、メトキシスチレンなどのスチレン系単量
体;(メタ)アクリル酸や、クロトン酸、イタコン酸、
イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸、マレイン酸ハ
ーフエステル等のカルボキシル基含有単量体;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートや、2(3)−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、アリルアルコール多価アルコール
のモノ(メタ)アクリル酸エステルなどの水酸基含有単
量体;(メタ)アクリルアミドや、マレインアミドなど
のアミド基含有単量体;2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ブ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジ
ン等のアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリ
レートや、アリルグリシジルエーテル、2個以上のグリ
シジル基を有するエポキシ化合物と、活性水素原子を有
する単量体との反応により得られるエポキシ基含有単量
体やオリゴマー;その他N−メチロール基を有する、N
−メチロールアクリルアミドや、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、更にはエチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、
ジアルキルフマレート等が代表的なものとして挙げら
れ、任意に使用することができ、3−(2H−1,2,
3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェネチル−メタクリレートなどの反応型紫外線吸収
剤、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ルメタクリレートや、2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルメタクリレート等の反応型光安定剤など
も高度な耐候性が要求される場合、任意に共重合し高機
能化することもできる。
【0032】他に、内部架橋構造を導入することのでき
る単量体として、エチレン性不飽和単量体の一部に、ジ
ビニルベンゼンや、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、アリル(メタ)アクリレート等の分子中に重合
性不飽和二重結合を2個以上有する単量体や;乳化重合
反応時の温度にて相互に反応する官能基を持つ単量体を
組み合わせ、例えば、カルボキシル基とグリシジル基
や、水酸基とイソシアネート基等の組合せの官能基を持
つエチレン性不飽和単量体を選択含有させた単量体混合
物;加水分解縮合反応する、(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトシシシランや、(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有
エチレン性不飽和単量体等を併用することも可能であ
る。
【0033】他に、アクロレインや、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミド、ホルミスチレート、(メタ)アク
リルオキシアルキルプロパナール、ジアセトン(メタ)
アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセ
トアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート−アセテート、及び
ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアク
リレート、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケト
ン等に代表されるカルボニル基含有エチレン性不飽和単
量体を少なくとも一種選択し、共重合した後、カルボヒ
ドラジドや、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、琥珀酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ア
ジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデ
カン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ク
エン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒド
ラジド、チオカルボジヒドラジド等、一分子中にヒドラ
ジド基を2個以上有する化合物を混合することにより、
成膜時粒子間の架橋を導入することができる。
【0034】次に、本発明において必須成分とする、四
価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物、及び光触媒活
性を有する化合物を含む触媒組成物の製造方法を説明す
る。
【0035】リン酸塩を形成する四価金属は、四価の金
属である限り、周期表における族は特に制限されない。
四価金属には、周期表4族元素、例えば、4A族元素
(チタン、ジルコニウム、ハフニウム、トリウムな
ど)、4B族元素(ゲルマニウム、スズ、鉛など)が含
まれる。これら金属のうち、特に、チタン及びジルコニ
ウム、スズが好ましい。
【0036】リン酸塩を構成するリン酸には、種々のリ
ン酸、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、四リン酸などが含まれる。また、リン酸
塩にはオルトリン酸水素塩などのリン酸水素塩も含まれ
る。
【0037】これらの四価金属のリン酸塩は、通常、水
に不溶性又は難溶性である。更に、前記リン酸塩は結晶
質塩であってもよいが、好ましくは非晶質塩である。こ
れらの四価金属リン酸塩は単独、又は2種以上組合せて
使用できる。
【0038】水酸化物を形成する二価金属は、周期表の
族の如何を問わず、二価の金属であればよい。二価金属
には、例えば、銅などの周期表1B元素、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期
表2A族元素、亜鉛、カドミウムなどの周期表2B族元
素、クロム、モリブデンなどの周期表6A族元素、マン
ガンなどの周期表7A族元素、鉄、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどの周期表8族
元素などが挙げられる。これら、二価金属の水酸化物は
単独、又は2種以上組み合わせて使用することができ
る。好ましい二価金属には遷移金属、例えば、銅、亜
鉛、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられ
る。これら、二価金属の水酸化物は通常、弱酸性ないし
弱アルカリ性領域で水に不溶性、又は難溶性である。ま
た、前記水酸化物は結晶質であってもよいが、好ましく
は、非晶質である。
【0039】四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物
との割合は、触媒活性、臭気成分に対する吸着能や脱臭
能を損なわない範囲で選択でき、例えば、金属原子比換
算で、金属原子比(二価金属/四価金属)=0.1〜1
0、好ましくは0.2〜5程度である。尚、複数のリン
酸塩及び/又は水酸化物を組み合わせて使用する場合、
それぞれの金属の総和量に基づくく金属原子比が上記範
囲内であればよい。また、四価金属のリン酸塩と二価金
属の水酸化物とで構成された組成物は、混合ゲルなどの
ように、共沈などにより複合化してもよく、好ましくは
非晶質な共沈組成物が望ましい。
【0040】前記光触媒としては、有機、無機を問わず
使用できるが、無機半導体である場合が多い。例えば、
硫化物半導体として、CdSe、In2Se3、PbS、
Cu 2S、MoS3、WS2、Sb33、Bi33、Zn
CdS2など、金属カルコゲナイトとして、CdSe、
In2Se3、WSe3、HgSe、PbSe、CdTe
など、更に、酸化物半導体としてTiO2、ZnO、W
3、CdO、In23、Ag2O、MnO2、Cu2O、
Fe23、V25、SnO2などが挙げられる。また、
硫化物と酸化物以外の半導体として、GaAs、Si、
Se、Cd23、Zn23なども含まれる。これらの光
触媒は単独又は2種以上混合して使用してもよい。これ
らの光触媒のうち、CdS、ZnS、TiO2、Zn
O、SnO2、WO3が好ましく、特にTiO2が好まし
い。前記光触媒を構成する光半導体の結晶構造は特に制
限されない。例えば、TiO2は、アナターゼ型、ブル
タイト型、ルチル型、アモルファス型などのいずれであ
ってもよい。
【0041】光触媒はゾルやゲル状で使用できると共に
粉粒状で使用してもよい。光触媒を粉粒状で使用する場
合、光触媒の平均粒子径は光活性及び脱臭効果が損なわ
れない範囲で選択でき、0.01〜25μm、好ましく
は0.05〜10μm程度である。粒子径が上記範囲に
あることで、塗膜表面が粒子による可視光の散乱により
透明性を失ってしまうことを防止できる。特に、塗膜に
高度な透明性や平滑性、耐久性が要求される場合、平均
粒子径が0.1μm以下であることが好ましい。
【0042】光触媒の使用量は触媒活性を損なわれない
広い範囲で選択でき、全塗料配合中0.1質量%〜85
質量%が好ましい。0.1質量%未満では触媒活性が乏
しく、85質量%を超えると塗膜の成膜性の低下、及び
樹脂の劣化を促進するため好ましくない。
【0043】このようにして得られる、四価金属のリン
酸塩、二価金属の水酸化物及び光触媒で構成された触媒
組成物を用いることによって、大気中の酸性、塩基性及
び中性物質の如何を問わず、種々の成分を長期間にわた
り効率よく吸着・分解することが可能となる。
【0044】尚、本明細書において、周期表の族番号
は、IUPAC(International Union of Pure and Ap
plied Chemistry)無機化学命名法委員会命名規則によ
る。
【0045】更に、上記触媒組成物に加え、多孔質で吸
着性を有するフライポンタイト、活性亜鉛華及び珪酸マ
グネシウムなどの顔料を配合することによって相乗効果
により、ホルムアルデヒドなどの有害物質や煙草や悪臭
などに対する吸着容量、分解性能を大幅に向上させるこ
とができる。そのため、これらを併用することが非常に
好適である。
【0046】上記フライポンタイトは、代表的には、基
本的な化学構造式; (Zn3-XAlX)(Si2-XAlX)O5(OH)4 (式中、Xは0〜1.75、好ましくは0.3〜1.0
である。)で示され、酸化物として表した組成がSiO
2 5〜45モル%、ZnO 35〜65モル%、及びA
23 0〜60モル%の微細積層板状結晶を有し、平
均粒径が約0.5〜20μmであり、比表面積が約20
〜300m2/gである微粒子である。このようなフラ
イポンタイトは、特公平4−51485号公報、特公平
5−44405号公報に記載されており、市販品として
は水澤化学工業社製の商品名「ミズカナイト」などが挙
げられる。
【0047】上記活性亜鉛華は、粒子径が0.2μm以
下であり、通常の亜鉛華に比べて粒子径が小さく、ま
た、比表面積が約50〜150m2/gの微粒子であ
る。市販品としては、正同化学工業社製の商品名「活性
亜鉛華アゾー」などが挙げられる。
【0048】また、珪酸マグネシウムは、代表的には化
学構造式; 2MgO・6SiO2・XH2O で示される含水珪酸マグネシウムが挙げられ、平均粒子
径約1〜20μmの微粒子である。市販品としては、協
和化学工業社製の商品名「キョーワード600」や水澤
化学工業社製の商品名「エードプラス」などが挙げられ
る。
【0049】更に、塗料において一般的に使用される、
ベンガラ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、タルク、クレー、マイカ、アルミナ、ミョウバ
ン、白土、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケ
イソウ土などの各種着色顔料や、体質顔料が特に制限な
く利用できる。これら触媒組成物及び各種顔料は、塗料
固形分に占める体積濃度(PVC)が80%以下、好ま
しくは10〜60%となるような量で配合することが好
ましい。
【0050】本発明の水性エマルション塗料は、上記で
説明した多段乳化重合によって得られた異相構造エマル
ション樹脂粒子、触媒組成物、顔料及び水を含有し、更
に必要に応じて増粘剤や分散剤、湿潤剤、防腐剤、防か
び剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加
剤などを配合した塗料であり、室内外にある無機質素材
や金属素材、木材素材、プラスチック素材などの各種被
塗物に適応でき、該被塗物表面にプライマーを介して、
又は、介さないで刷毛、スプレー、ローラーなどの塗装
手段により塗装し、自然乾燥、若しくは100℃以下の
温度によって強制乾燥させることにより、優れた塗膜を
形成することができる。好ましくは、建築物、一般家
屋、及び車両などの気密性の高い環境に塗装することに
より、塗料を起源とする揮発性有機溶剤を全く無く若し
くは極小量の発生に留め、更にホルムアルデヒドなどの
有害物質や煙草の煙、大気中の化学物質を吸着・分解
し、シックハウス症候群などを改善することができるこ
とを特徴とする。
【0051】
【実施例】以下、本発明について実施例により更に詳細
に説明する。尚、実施例中の「部」、「%」は特に断り
のない限り質量基準で示す。
【0052】<水性エマルション樹脂(1)〜(3)、
(6)、(7)の合成>撹拌装置、温度計、冷却管、及
び滴下装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコにイオ
ン交換水210部、及び炭酸水素ナトリウム(pH調整
剤)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ
ン酸ナトリウム(界面活性剤)3部を仕込み、フラスコ
内部を窒素で置換しながら80℃まで昇温した。その
後、過硫酸カリウム(重合開始剤)1部を加え、続いて
別容器にて撹拌、乳化しておいた表1に示す乳化物Aを
3時間かけて連続滴下した。
【0053】一段目滴下終了後、1時間で温度を70℃
まで下げた。続いて1段目と同様に別容器にて撹拌、乳
化しておいた表1に示す乳化物Bを3時間かけて連続滴
下した。更に、引き続いて、過硫酸アンモニウム0.5
部をイオン交換水10部に溶かした溶液を0.5時間か
けて滴下し、70℃で2時間撹拌を続けながら熟成をお
こなった。その後、25℃まで冷却し、28%アンモニ
ア水でpH9.0に調整することによって、水性エマル
ション樹脂(1)〜(3)及び(6)、(7)を得た。
尚、表1中のアニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウムを使用し
た。
【0054】<水性エマルション樹脂(4)、(5)の
合成>撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下装置を備え
た4つ口のセパラブルフラスコにイオン交換水210
部、及び炭酸水素ナトリウム(pH調整剤)1部、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム
(界面活性剤)3部を仕込み、フラスコ内部を窒素で置
換しながら80℃まで昇温した。その後、過硫酸カリウ
ム(重合開始剤)1部を加え、続いて別容器にて撹拌、
乳化しておいた表1に示す乳化物Aを4時間かけて連続
滴下した。更に、引き続いて、過硫酸アンモニウム0.
5部をイオン交換水10部に溶かした溶液を0.5時間
かけて反応槽内に滴下し、80℃で2時間撹拌を続けな
がら熟成を行った。その後、25℃まで冷却し、28%
アンモニア水でpH9.0に調整することによって、水
性エマルション樹脂(4)、(5)を得た。
【0055】
【表1】
【0056】尚、表1で示した原料の略号は下記の意味
を有し、該原料の( )内数値は、ガラス転移温度を計
算するのに用いたホモポリマーのTgを示す。 MMA :メタクリル酸メチル(105℃) BA :アクリル酸ブチル(−54℃) GMA :グリシジルメタクリレート(41℃) MAA :メタクリル酸(185℃) PEG :ポリエチレングリコール鎖保有単量体(−
50℃) H2C=C(CH3)−C(=O)−O(CH2CH2O)
8H PPG :ポリプロピレングリコール鎖保有単量体
(−50℃) H2C=C(CH3)−C(=O)−O(CH2CH(C
3)O)6
【0057】また、表1.に示した計算Tgにおいて、
[Total(℃)]は「乳化物A、乳化物Bの混合物
を一段で均一乳化重合させた場合に得られる重合体の計
算Tg」であり、MFT、NVは上記<エマルション樹
脂の合成>において各エマルションを完成させた際の物
性であり、MFTは温度勾配法によって成膜不良時点の
温度であり、NVは150℃のオーブンにて20分間エ
マルションを乾燥させた場合の加熱残分である。
【0058】<触媒組成物の調製>硫酸銅の結晶(Cu
SO4・5H2O、和光純薬製試薬特級)43.9gを蒸
留水1リットルに溶解し、得られた水溶液に硫酸チタン
溶液(約30質量%濃度、和光純薬製試薬)60gを添
加した。この混合液は、Cu(II)0.175モル、Ti
(IV)イオン0.075モルを溶解しており、室温下でこ
の混合液を撹拌しながら、15質量%のリン酸溶液を約
110g滴下し、白色沈殿物を得た(この白色沈殿物を
含有する液体をA液とする)。
【0059】また、珪酸ナトリウムを含む水溶液(B液
とする)を、珪酸ナトリウム(和光純薬製試薬)を蒸留
水で30質量%に希釈し、15質量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を30ml添加することにより調製した。この
B液471gと上記A液とを別々の容器中で撹拌しなが
ら、蒸留水500mlを入れた容器中へ並行して滴下し
たところ、Cu(II)−Ti(III)−SiO2を含む青白色
の混合沈殿物が生成した。A液とB液との混合時の溶液
のpHは常に7.0付近となるようA/B液の滴下量を
調整した。AとB液の混合液を更に室温で2時間撹拌し
た後、青白色の沈殿物を吸引濾過し、脱イオン水で十分
洗浄し、40℃で乾燥した。この乾燥物を乳鉢にて12
0μm以下に粉砕し、Cu(II)−Ti(IV)−SiO2
含む青白色の粉末を得た。得られた青白色粉末80質量
%に対して酸化チタン粉末(石原産業(株)製、CR−
90)20質量%を混合し、触媒組成物(a)を調製し
た。
【0060】上記と同様にして得られた青白色粉末50
質量%に対し、上記でも用いた酸化チタン粉末50質量
%を混合し、触媒組成物(b)を得た。
【0061】<顔料ペーストの調製>ステンレス容器に
下記成分を入れ、撹拌機にて30分間撹拌し、顔料ペー
ストを製造した。 上水 250部 チタンホワイト 220部 分散剤 6部 消泡剤 2部 増粘剤 2部
【0062】
【表2】
【0063】実施例(1)〜(5)、比較例(1)〜
(5)で得られた塗料につき、性能評価するため以下の
方法で試験し、その結果を表2の下段に示した。
【0064】<低温成膜性> (1) 各塗料を5℃の低温恒温室にて、ガラス板に6ミル
アプリケーターを用いて塗装し、一日放置した。 (2) 得られた塗膜の外観を目視で判定した。尚、比較例
(1)、(4)は成膜助剤を添加する前に試験を実施し
た。
【0065】(評価基準) ○ : マッドクラック、マイクロクラックなどの成膜
不良部が全く見受けられず、完全に成膜している。 △ : 大半は成膜しているが、局所的にクラックなど
の成膜不良部が見受けられる。 × : 全面にクラック、剥離などが見られる。
【0066】<粘着性(促進汚染性)> (1) 各塗料を硝子板表面上に6ミルアプリケーターで塗
装する。7日間室温にて乾燥させた。 (2) 塗膜上面にカーボン部と塗膜が接触するようにカー
ボン紙を載せた。 (3) 更に、その上に0.01kg/cm2相当の分銅を
載せた。 (4) 24時間荷重をかけた後分銅を除き、カーボン紙を
ゆっくりとはがし、塗膜外観を確認した。
【0067】(評価基準) ○ : 荷重のかかっていた面積の2割未満にカーボン
が付着している。 △ : 荷重のかかっていた面積の2割以上、5割未満
の面積にカーボンが付着している。 × : 荷重のかかっていた面積の5割以上の面積にカ
ーボンが付着している。
【0068】<凍結−融解安定性> (1) 各塗料を1リットル内面コート缶にほぼ満たしてか
ら密閉した。 (2) −20℃の冷凍庫に24時間貯蔵し、完全に凍結さ
せた。 (3) 冷凍庫から取り出し、20℃で24時間放置し融解
させた。 (4) 缶内の塗料を撹拌して塗料の状態を目視判定すると
共に、凍結前の塗料との粘度変化、及び硝子板に6ミル
アプリケーターで塗装し、その塗膜外観も確認した。
【0069】(評価基準) ○ : 凝固物・ゲルの発生は認められず、粘度変化も
殆どみられなかった。 △ : 凝固物・ゲルの発生は認められないが、粘度の
変動が確認された。 × : 粘度の変化が著しい、或いは、凝集物の発生、
ゲル化が認められる。
【0070】<ホルムアルデヒド吸着試験> (1) 各塗料を70×150mmのアルミ板に塗装質量2
gとなるように刷毛で2度塗りし、室温で1週間乾燥さ
せた。 (2) 乾燥後、5リッターのテドラーバッグに入れ、ホル
ムアルデヒドをバッグ内濃度が20ppmとなるように
封入した。 (3) 封入1時間後、テドラーバッグ内のガスを「北川式
ガス検知管」(光明理化学工業株式会社製)を用いて残
存ホルムアルデヒド濃度を測定した。
【0071】<ホルムアルデヒド吸着繰り返し試験> (1) 前記<ホルムアルデヒド吸着試験>と同様に試験板
とホルムアルデヒドをテドラーバッグに封入した。 (2) 封入1時間後、試験板を取り出し、1時間室温に放
置した。 (3) 放置した試験板を、新たなテドラーバッグに入れ、
再度20ppmのホルムアルデヒドガスを封入した。 (4) (1)〜(3)を10回繰り返し、5回目、及び10回目
のホルムアルデヒド封入1時間後のバッグ内濃度を検知
管を用いて測定した。
【0072】<光分解性> (1) 前記<ホルムアルデヒド吸着試験>と同様に試験板
を5リッターのテドラーバッグに入れた。 (2) ホルムアルデヒドをバッグ内の濃度が5ppmにな
るよう封入し、暗所に3日間静置した。 (3) バッグ内のホルムアルデヒドの濃度を検知管を用い
て測定した。 (4) 試験板をテドラーバッグごと、ブラックライトを用
いて紫外線照射する。但し、照射強度は1mW/cm2
となるように調整し、24時間照射を行った。 (5) テドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を適応し
た測定範囲内の検知管を用いて濃度測定した。 (6) {(ブラックライト照射前の濃度)−(照射後の濃
度)/(照射前濃度)}×100の計算で光分解率とし
た。
【0073】上記表2より明らかな通り、本発明である
実施例(1)〜(5)のエマルション塗料は、成膜助剤
や凍結防止剤などの揮発性有機溶剤(VOC)を全く必
要とせず、低温成膜性や凍結−融解安定性に優れるだけ
でなく、大気中のホルムアルデヒドなどの有毒物質を吸
着・分解する機能を有した塗膜を形成することができ
た。
【0074】それに対し、MFTが高く、塗料中に成膜
助剤を必要とする比較例(1)、(4)は塗料中に成膜
助剤を多く必要とし、そのため、光触媒などの触媒組成
物や多孔質で吸着性能を有する顔料を同時に配合しても
十分にその機能を活用することができなかった。
【0075】また、塗料成分中に多孔質顔料、又は触媒
組成物を含まない比較例(2)、(4)、(5)はホル
ムアルデヒドの吸着、及び分解性能で劣る結果となり、
光分解性試験においては、物理吸着したホルムアルデヒ
ドを再放出するため逆にマイナス値を示す結果となっ
た。
【0076】更に、樹脂組成中に硬質ポリマー部を有し
ない比較例(2)は低粘着性において著しく不良な結果
が得られ、同様に樹脂組成中にポリエチレングリコール
鎖及びプロピレングリコール鎖の少なくとも一方を有す
るエチレン性不飽和単量体を有しない比較例(2)、
(3)などは凍結−融解安定性が劣る結果となった。
【0077】
【発明の効果】本発明の水性エマルション塗料によれ
ば、成膜助剤や凍結防止剤などの揮発性有機溶剤(VO
C)を全く必要とせず、低温成膜性、耐汚染性や凍結−
融解安定性に優れるだけでなく、大気中のホルムアルデ
ヒドなどの有毒物質を吸着・分解する機能を有した塗膜
を形成することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 171/02 C09D 171/02 (72)発明者 朝倉 光彦 兵庫県神戸市西区糀台2−26−2−210 (72)発明者 佐々木 博治 栃木県那須郡西那須野町下永田7−1414− 46 Fターム(参考) 4J038 CE051 CG141 CP021 HA216 HA416 HA436 KA04 KA22 MA03 MA08 MA10 MA13 NA05 NA23 NA26 NA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段乳化重合法によって得られる異相構
    造エマルション粒子をバインダーとし、四価金属のリン
    酸塩、二価金属の水酸化物、及び光触媒活性を有する化
    合物を含む触媒組成物を必須成分とする水性エマルショ
    ン塗料であって、前記異相構造エマルションが以下I)
    〜III)を満たすことを特徴とする水性エマルション塗
    料。 I)粒子の最外相を形成する成分がガラス転移温度−5
    0℃〜10℃のエチレン性不飽和単量体の乳化重合体で
    あり、該乳化重合体中にポリエチレングリコール鎖及び
    ポリプロピレングリコール鎖の少なくとも一方を有する
    エチレン性不飽和単量体を1〜20質量%含有するこ
    と。 II)粒子の最外相よりも内側にある少なくとも一相が、
    ガラス転移温度30〜110℃であるエチレン性不飽和
    単量体の乳化重合体であること。 III)最低造膜温度が10℃以下であること。
  2. 【請求項2】 水性エマルション塗料に配合される顔料
    が、多孔質で吸着能を有するフライポンタイト、活性亜
    鉛華及び珪酸マグネシウムの群より選ばれる少なくとも
    一種、及びそれ以外の顔料である請求項1に記載の水性
    エマルション塗料。
  3. 【請求項3】 前記ポリエチレングリコール鎖及びポリ
    プロピレングリコール鎖の少なくとも一方を有するエチ
    レン性不飽和単量体が、 (式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、H又は炭
    素数1〜8のアルキル基であり、Xは、(CH22
    (CH23又はCH2C(CH3)Hであり、n及びm
    は、1〜30の整数である。)の少なくとも一方の式で
    示される単量体である請求項1に記載の水性エマルショ
    ン塗料。
  4. 【請求項4】 揮発性有機化合物を全く含んでいない請
    求項1に記載の水性エマルション塗料。
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