JP2003020424A - 水性インク及びそれを用いた記録方法 - Google Patents

水性インク及びそれを用いた記録方法

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JP2003020424A
JP2003020424A JP2001205512A JP2001205512A JP2003020424A JP 2003020424 A JP2003020424 A JP 2003020424A JP 2001205512 A JP2001205512 A JP 2001205512A JP 2001205512 A JP2001205512 A JP 2001205512A JP 2003020424 A JP2003020424 A JP 2003020424A
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哲也 金子
Nobutaka Osada
延崇 長田
Tomoko Sekine
朋子 関根
Akihiko Goto
明彦 後藤
Hitoshi Arita
均 有田
Kakuji Murakami
格二 村上
Masayuki Koyano
正行 小谷野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にインクジェット記録用インクとして
の諸特性を満足し、浸透性、乾燥性に優れ、かつ画質な
らびに裏抜けの改良されたインクを提供し、もって優れ
た記録方法を提供する。 【解決手段】 水に溶解または分散する着色剤、湿潤剤
を含有し、さらに下記一般式(1)で示されるポリオキ
シエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩を含有しか
つ、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ルを含有することを特徴とする水性インク。 R1―O―(CH2CH2O)m―CH2COOM ・・・式(1) (式中、R1は炭素数6〜14の分岐してもよいアルキ
ル基、mは3〜12の自然数、Mは水素、アルカリ金
属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はア
ルカノールアミンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピエゾ方式、サーマ
ル方式等のオンディマンド法や荷電制御方式等の連続噴
射法等のインクジェット記録用に適した水性インク、特
に所謂普通紙に対するカラーインクとして優れた特性を
示す水性インクであって、水性筆記用具、記録計、ペン
プロッター用水性インクとしても用いられるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は本体が
小型で価格が安く、低ランニングコスト、低騒音といっ
た利点から急速に普及しており、電子写真用転写紙、印
刷用紙、タイプライター用紙、ワイヤードットプリンタ
ー用紙、ワードプロセッサー用紙、レター用紙、レポー
ト用紙等種々のノンコートな普通紙に印字可能なインク
ジェットプリンターも市場に投入されている。
【0003】これらインクジェットプリンターにおいて、よ
り高品位な画像が得られるようにインクの乾燥性を改善
した提案が種々されている。
【0004】しかしながら、画像の色再現性、耐水性、耐光
性、画像の乾燥性と画像滲みと吐出の信頼性のすべてを
満足することは難しい。特にカラープリンターの場合、
イエロー、マゼンタ、シアンの単色印字部で画質劣化が
なくとも、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で
画質の劣化が発生しやすい。特に定着装置を用いないで
乾燥を行う場合、特開昭55−29546号公報等のよ
うに浸透性を高めることにより乾燥性を向上しているた
め紙に著しく滲む。
【0005】また、特公昭60−23793号公報には界面
活性剤としてジアルキルスルホコハク酸塩を用いること
が乾燥性を向上し画像劣化が少ないとされているが、紙
による画素径が著しく異なり、画像濃度の低下も著しい
といった問題や、アルカリ側では活性剤が分解し、保存
時に活性効果がなくなるといった問題がある。また、特
公昭58−6752号公報にはアセチレン結合を有する
エチレンオキサイド付加体である界面活性剤を用いるこ
とにより浸透性を向上させることにより滲みの少ない速
乾性インクが開示されている。しかしながら、着色剤に
よって、例えばDBK168等の直接性染料を用いたイ
ンクや、カーボンブラック等の顔料を用いたインクで
は、着色剤と疎水性相互作用を生じるため乾燥速度が向
上しないといった問題がある。また、同じく乾燥速度を
向上するため、特開平8−113739号公報には、染
料と水溶性グリコールエーテル類を含むインクが提案さ
れ、特開平10−95941号公報には、顔料と、ジエ
チレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコ
ールエーテル類と水とからなるインク組成物が提案され
ている。しかしながら、乾燥速度を向上するためには大
量なグリコールエーテル類の添加が必要であり、インク
の臭気や安全性の面で、好ましくない。さらに、着色剤
によっては、前述のアセチレン結合を有する界面活性剤
と同様、着色剤とグリコールエーテル類との疎水性相互
作用を生じ、乾燥速度が向上せず、充分な効果が得られ
ないという問題を生じる。
【0006】また、特開昭56−57862号公報等には強
塩基性物質を添加するインクが開示されているが、ロジ
ンサイズされた酸性紙では効果があるもののアルキルケ
テンダイマーやアルケニルスルホコハク酸をサイズ剤と
した紙に効果がない。また、酸性紙でも2色重ね部分で
は効果がない。
【0007】また、特開平1−203483号公報には多価
アルコール誘導体及びペクチンを含有することを特徴と
した記録液が開示されている。これは増粘剤としてペク
チンを添加し、滲みを防止するものであるが、ペクチン
は水酸基を親水基とする非イオン性であるため印字休止
後の吐出安定性に欠けるという問題があった。また、特
開平2−36276号公報には周波数応答性及び定着性
を改善する成分として、2−プロパノールが開示されて
いるが、毒性及び燃焼性等安全性に問題がある。
【0008】一般に、従来の乾燥性の高いインクは、紙への
浸透性を向上させる一方で、着色剤が紙の厚み方向に侵
入することにより、裏抜けが大きくなるという欠点を有
している。今後インクジェットプリンターの発展と環境
問題としての紙消費の点から、両面印字が必須になるこ
とは明かであり、両面印字を可能とする裏抜けの少ない
水性インクが求められている。
【0009】このように、現在でも、インクジェットインク
としての諸特性を満足し、着色剤種や紙種に関わらず浸
透性、乾燥性に優れ、かつ画質ならびに裏抜けの改良さ
れた水性インクジェットインクへの希求は依然として存
在している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みてなされたもので、その目的とするところは前
述した従来技術の問題点を克服したインク及び記録方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりのイ
ンク及び記録方法である。
【0012】本発明は紙への浸透性を高める目的で、インク
に下記式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキル
エーテル酢酸又はその塩を添加し、かつ2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオールを添加することに
より、インクと紙表面との濡れ性を向上し、紙への浸透
速度を高めることが可能であり、さらに従来知られるよ
うな浸透性を高めたインクに比べ、画像劣化がきわめて
少ないことを見いだした。また、下記式(1)で示され
るポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩
を、インク全量に対して0.01〜5重量%添加し、か
つ2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール
をインク全量に対して0.5〜10重量%添加すること
により、よりインクと紙表面との濡れ性を向上し、紙へ
の浸透速度を高めることが可能であり、さらに従来知ら
れるような浸透性を高めたインクに比べ、画像劣化がき
わめて少ないことを見いだした。また、本発明のインク
は、着色剤の如何に関わらず浸透速度もほぼ同等となる
特長を有している。
【0013】 R1―O―(CH2CH2O)m―CH2COOM ・・・式(1) (式中、R1は炭素数6〜14の分岐してもよいアルキ
ル基、mは3〜12の自然数、Mは水素、アルカリ金
属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はア
ルカノールアミンを表す。)
【0014】一般式(1)で表される化合物の具体例を遊離
酸型で下記に示す。
【0015】
【化1】
【0016】等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。また、これらは、単独で用いても、複数のもの
を混合して用いてもよい。市販の界面活性剤で本化合物
を主成分として含有するものとしては、日光ケミカルズ
(株)より入手可能なECTD3NEX(一般式におい
てR1:トリデシル基、m:3、M:Na)、ECT3
(R1:トリデシル基、m:3、M:H)、ECTD6
NEX(R1:トリデシル基、m:6、M:Na)等の
界面活性剤も使用可能である。
【0017】ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又は
その塩の添加量はインク全量に対して0.01重量%〜
5重量%であるのが好ましい。この範囲だと特に、浸透
性の改善が十分となり、インク中で安定に溶解し、イン
クの保存安定性、インクジェットでの噴射安定性に優れ
ている。同様に、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオールの添加量はインク全量に対して、0.5
重量%〜10重量%であるのが好ましい。この範囲だと
特に、浸透性の改善が十分となり、インク中で安定に溶
解し、インクの保存安定性、インクジェットでの噴射安
定性に優れている。ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル酢酸又はその塩と2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールとの混合が相乗効果を発揮し、それぞ
れを単独で含有したインクに比べ、少量の添加で高い浸
透性を得ることができるため、従来の多価アルコールの
エーテル類等を多量に加えて浸透性をあげたインクに比
べ、溶剤臭が少ない等の利点もある。
【0018】また、本発明者は、インクの表面張力、特に表
面が形成されて1秒以下の短い時間領域での動的表面張
力が紙への浸透性を示す指標であることを見いだした。
動的表面張力は、溶媒分子や浸透剤分子が表面へ吸着す
る過程での表面張力を測定したものであり、充分な時間
の後、前述の分子等が表面に吸着しきった状態で測定さ
れる静的表面張力とは値が異なることが多い。測定法と
しては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公
知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法
であればいずれも使用できるが、特に、最大泡圧法が好
ましい。最大泡圧法とは、液体中に垂直に毛管を入れ、
空気を送り発生した気泡を放出させるのに必要な最大圧
力の測定により動的表面張力を求める方法である。本発
明者らは、種々のインク処方に対して、クルス社製 B
P−2 バブルプレッシャー動的表面張力計を用い、2
5℃にてSurface Age10ms〜1000ms域での動
的表面張力を測定した結果、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル酢酸又はその塩と2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールとを含有したインクにおい
て、Surface Age 50msでの動的表面張力が、40m
N/m以下、特に好ましくは、35mN/m以下である
と高い浸透性が得られるのみならず、インクの保存安定
性、インクジェットでの噴射安定性にも優れていること
を見い出し本発明に至った。また、従来の浸透性を高め
た浸透タイプのインクでの課題であった画像濃度の低
下、裏抜けも非常に少なく、同時に画像エッジ部に見ら
れる髭状の滲み現象(フェザリングと称する)も低減し
た。
【0019】また、インクに熱エネルギーを付与して微細孔
から液滴としてインクを吐出させて記録を行ういわゆる
バブルやサーマル方式等の記録方法において、吐出安定
性を得るために従来では2−プロパノールをインクに添
加する方法があるが、かわりに2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオールを添加することによって、
熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安
定性及び周波数安定性が得られ、2−プロパノールの使
用に伴う安全性に関する問題も改善される。
【0020】また、2−ピロリドンをインクに添加すると、
画像濃度の向上とともに裏抜けを防止する上で優れた効
果が得られることを見出した。これは、2−ピロリドン
を含有することで、紙表面に対してインクが濡れ拡がり
やすくなり、相対的に紙の厚み方向への浸透が抑えられ
るため、紙表面近傍に着色剤をとどまりやすくなるため
であると推測される。2−ピロリドンの添加量は、好ま
しくは0.05重量%〜8重量%、更に好ましくは0.
5重量%〜4重量%である。
【0021】さらに本発明のインクにはインクの乾燥による
目詰まりの防止、及び本発明のインクの溶解安定性を向
上する目的で湿潤剤を5重量%〜50重量%含有するこ
とにより、インクジェットヘッドの吐出口で、インク中
の水分が蒸発した場合でも目詰まりを起しにくく正常な
印字を行うことができ、仮に目詰まりを起しても簡単な
クリーニング操作で正常な印字状態に回復できることを
見出した。湿潤剤としては、低揮発性水溶性有機溶媒が
好ましい。低揮発性水溶性有機溶媒は、本発明のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩および
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
溶解助剤として働くことで、より一層インクの保存安定
性、噴射安定性を高めることができる。低揮発性水溶性
有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオ
ール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ
ーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ
−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール
等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エ
チレン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もし
くは、複数混合して用いられる。
【0022】特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢
酸又はその塩と、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオールとの相溶性や、安全性、価格等の点から
グリセリン、ジエチレングリコールを単独あるいは混合
して使用するのが好適である。
【0023】インク組成物中でのこれら低揮発性水溶性有機
溶媒の添加量は上記のように5重量%〜50重量%であ
り、好ましくは8重量%〜30重量%である。5重量%
未満では、インク中の水分蒸発抑制効果が不十分であ
り、またインク中のポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル酢酸又はその塩、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールの含有量によっては、溶解助剤として
の効果も不十分となり、インクの保存安定性、噴射安定
性を損ねる等不具合を生じる。逆に、50重量%より多
く添加すると粘度の上昇によるインクジェットでの噴射
安定性が劣るといった問題がある。
【0024】本発明のインクに、さらに界面活性剤を添加す
ることも可能である。界面活性剤としては、例としてド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェ
ートのアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤、第4
級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、イミダゾ
リン誘導体等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミド、ポリエキシエチレンプロピレンブロック
ポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコール
のエチレンオキサイド添加物等のノニオン系界面活性
剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0025】インク組成物中でのこれら界面活性剤の添加量
は0.01重量%〜5.0重量%であり、好ましくは
0.5重量%〜3重量%である。0.01重量%未満で
は添加した効果は無く、5.0重量%より多い添加では
記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の
低下や裏抜けの発生といった問題がある。
【0026】また、表面張力等のインク物性を調整する等の
目的で、さらに浸透剤を添加することも可能である。浸
透剤の具体例としては、ジエチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニ
ルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリール
エーテル類、エタノール、2−プロパノール等の低級ア
ルコール類等が挙げられるが、インク中に溶解し、所望
の物性に調整できるものであれば、これに限らない。
【0027】本発明に用いられる着色剤としては、顔料及び
/または染料のいずれでも良い。着色剤として用いられ
る水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸
性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性、食用染料に
分類される染料が用いられる。これら染料は複数の種類
を混合して用いても良いし、或いは必要に応じて顔料等
の他の色素と混合して用いても良い。これら着色剤は本
発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
【0028】これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び
食用染料として C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,4
4,79,142 C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,1
8,26,27,35,37,42,52,82,8
7,89,92,97,106,111,114,11
5,134,186,249,254,289 C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,2
49 C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,2
6,94 C.I.フード・イエロー 2,3,4 C.I.フード・レッド 7,9,14 C.I.フード・ブラック 1,2
【0029】直接性染料として C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,2
6,33,44,50,120,132,142,14
4,86 C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,1
7,20,28,31,39,80,81,83,8
9,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,1
02 C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,2
2,25,71,76,79,86,87,90,9
8,163,165,199,202 C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77,154,1
68,171
【0030】塩基性染料として C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,
14,15,19,21,23,24,25,28,2
9,32,36,40,41,45,49,51,5
3,63,465,67,70,73,77,87,9
1 C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,
15,18,22,23,24,27,29,35,3
6,38,39,46,49,51,52,54,5
9,68,69,70,73,78,82,102,1
04,109,112 C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,2
1,22,26,35,41,45,47,54,6
2,65,66,67,69,75,77,78,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,147,155 C.I.ベーシック・ブラック 2,8
【0031】反応性染料として C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,
12,17 C.I.リアクテイブ・イエロー 1,5,11,1
3,14,20,21,22,25,40,47,5
1,55,65,67 C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,2
5,26,32,37,44,46,55,60,6
6,74,79,96,97 C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,95 等が使用できる。特に酸性染料及び直接性染料が好まし
く用いることができ、本発明インクの溶解安定性の向上
や、色調、耐水性、耐光性で優れた効果が得られる。
【0032】インク中の着色剤としての染料の添加量は、
0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2
〜15重量%程度である。
【0033】顔料は、特にその種類を限定すること無く、無
機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料と
しては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カ
ドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト
法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって
製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶
性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリ
レン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオイ
ンジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料
等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、
酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、
アニリンブラック等を使用できる。
【0034】これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが
好ましく用いられる。インク組成物中の着色剤としての
顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、
より好ましくは2〜15重量%程度である。
【0035】本発明において好ましく用いられる顔料の具体
例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ラン
プブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック
等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック
7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック1
1)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.
I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられ
る。さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイ
エロー1,3,12,13,14,17,24,34,
35,37,42(黄色酸化鉄),53,55,81,
83,95,97,98,100,101,104,4
08,109,110,117,120,138,15
0,153、C.I.ピグメントオレンジ5,13,1
6,17,36,43,51、C.I.ピグメントレッ
ド1,2,3,5,17,22,23,31,38,4
8:2,48:2(パーマネントレッド2B(C
a)),48:3,48:4,49:1,52:2,5
3:1,57:1(ブリリアントカーミン6B),6
0:1,63:1,63:2,64:1,81,83,
88,101(べんがら),104,105,106,
108(カドミウムレッド),112,114,122
(キナクリドンマゼンタ),123,146,149,
166,168,170,172,177,178,1
79,185,190,193,209,219、C.
I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ),
3,5:1,16,19,23,38、C.I.ピグメ
ントブルー1,2,15(フタロシアニンブルー),1
5:1,15:2,15:3(フタロシアニンブル
ー),16,17:1,56,60,63、C.I.ピ
グメントグリーン1,4,7,8,10,17,18,
36、等がある。
【0036】その他顔料(例えばカーボン)の表面を樹脂等
で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料
(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル
基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等
が使用できる。
【0037】また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該
顔料を水中に分散可能なのものとしたものであっても良
い。
【0038】本発明の好ましい態様によれば、前記インク中
の顔料は平均粒径が50nm〜200nmの範囲である
ことが好ましい。ここでいう平均粒径とは、体積累積パ
ーセント50%の値をさす。体積累積パーセント50%
の値を測定するには、例えば、インク中のブラウン運動
を行っている粒子にレーザー光を照射し、粒子から戻っ
てくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)の変化
量から粒子径を求める動的光散乱法(ドップラー散乱光
解析)といわれる方法を用いることができる。
【0039】着色剤を顔料とすると耐水性や耐光性が良好に
なり、更に記録媒体の層をインクが抜け、裏面までしみ
出してまう裏抜け(以下単に裏抜けと記す)を防止でき
る。顔料はインク中に溶解せず分散しているためにイン
クジェットで印字された際、記録媒体中でインクの液体
成分より記録媒体の中に入りにくく、記録媒体の表面近
傍にとどまるため、乾燥性は速いが裏抜けを防止するこ
とができる。平均粒径が50nm未満であると裏抜けを
防止する効果が少なく、200nmを超えるとインクの
分散安定性が悪く、保存時に凝集等で粒径が大きくなり
吐出安定性が劣る。
【0040】顔料は分散剤で水性媒体中に分散させて得られ
た顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。
好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調製
するのに用いられる公知の分散液を使用することができ
る。分散剤として例えば、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチ
レン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエス
テル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリ
ル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マ
レイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢
酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル
−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン
酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等があげ
られる。
【0041】これらの共重合体は重量平均分子量が3,00
0〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは
5,000〜30,000、最も好ましくは7,000
〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定
に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣
添加されて良い。分散剤としては1:0.06〜1:3
の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜
1:3の範囲である。
【0042】更に好ましくは、上記インク中の分散剤はカル
ボキシル基が結合していることが好ましい。分散剤にカ
ルボキシル基が結合していると、分散安定性が向上する
ばかりではなく、高品位な印字品質が得られるととも
に、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。更に、
上記の裏抜けを防止する効果が得られる。特に、カルボ
キシル基が結合している分散剤で分散した顔料と、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールとを併
用した場合においては、普通紙等の比較的サイズ度の高
い記録媒体に印字した場合においても、十分な乾燥速度
が得られ、且つ、裏抜けが少ないという効果が得られ
る。これは、カルボン酸の解離定数が他の酸基に比較し
て小さい為、顔料が記録媒体に付着した後、インクのp
H価の低下や、記録媒体表面近傍に存在するカルシウム
等の多価金属イオンとの相互作用等により、分散剤自体
の溶解度が低下し、分散剤自体や顔料が凝集する為と推
定される。
【0043】また別の形態としては、インク中の顔料が表面
改質されカルボキシル基が直接顔料に結合され水中に分
散されている形態も好ましい。これも顔料が表面改質さ
れカルボキシル基が結合しているために、分散安定性が
向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られる
とともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
またこの形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるた
め、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズ
ル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こ
さず簡単なクリーニング操作で容易に良好な印字が行え
るようになる。
【0044】これらに用いられるブラックインク用の顔料は
カーボンブラックであることが好ましい。ブラックイン
クとしてカーボンブラックは色調に優れるとともに、耐
水性、退光性、分散安定性に優れ、且つ安価である。
【0045】本発明のインクには上記着色剤、湿潤剤、界面
活性剤の他に従来知られている添加剤を加えることがで
きる。
【0046】例えば、本発明の水性インクには樹脂エマルジ
ョンが添加されていても良い。本発明に用いることので
きる樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相
が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分
散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、ス
チレン系樹脂等があげられる。この樹脂は親水性部分と
疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。ま
た、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成す
る限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ま
しく、より好ましくは5〜100nm程度である。これ
らの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界
面活性剤とともに水に混合することによって得ることが
できる。
【0047】市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジ
ェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル
系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボン
コート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本
インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(ス
チレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化
学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−ア
クリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、
サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョ
ン、サイデン化学株式会社製)、等があげられる。本発
明に使用するインクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂
成分がインクの0.1〜40重量%となるよう含有する
のが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲で
ある。
【0048】樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持
ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録媒体への定着
を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種
類によっては記録媒体上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦
性をも向上させる効果を有する。
【0049】また、本発明のインクは糖を含有していても良
い。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類
(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげら
れ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロー
ス、トレハロース、マルトトリオース等があげられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキ
ストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含
む意味に用いることとする。
【0050】また、これらの糖類の誘導体としては、前記し
た糖類の還元糖(例えば、糖アルコール{一般式HOC
2(CHOH)nCH2OH(ここでnは2〜5の整数
を表す)で表される}、酸化糖(例えば、アルドン酸、
ウロン酸等)、アミノ酸、チオ酸等があげられる。特に
糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトー
ル、ソルビット等があげられる。これら糖類の含有量
は、インク組成物の0.1〜40重量%、好ましくは
0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0051】その他アルギン酸ナトリウムを含有させても良
い。アルギン酸ナトリウムは、褐藻類にのみ含まれる物
質で、主に細胞膜或いは細胞間隙物質として存在する親
水性高分子電解質である。化学的にはβ−1,4結合す
るD−Mannuronic acid〔M〕と、α−1,4結合する
L−Guluronic acid〔G〕の重合体である。増粘作
用、安定化作用、分散作用、ゲル化作用、フィルム形成
作用等の効果がある。インクジェット用インクに添加す
ると、pHによる粘度変化、塩類による析出、多価陽イ
オンとのゲル化により、異なる色間の滲み(カラーブリ
ード)が改善できる。
【0052】防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、
ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オ
キサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロ
ロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
【0053】pH調整剤としては、調合されるインクに悪影
響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであ
れば、任意の物質を使用することができる。その例とし
て、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニ
ウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウ
ム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0054】キレート試薬としては、例えば、エチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジ
エチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸
ナトリウム等がある。
【0055】防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ
硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソ
プロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリス
リトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等
がある。
【0056】この他その目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、
水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
【0057】インクの粘度は8mPa・s以下であることが
好ましい。8mPa・sより大きいとインクジェットに
て十分な吐出が行えず、画像不良の問題が発生する。
【0058】記録媒体はパルプ繊維を主成分としサイズ度1
0s以上、透気度5〜50sであることが好ましい。こ
のような記録媒体に対して本発明のインクにより印字を
行えば、記録媒体の両面にインクジェット記録方法によ
り印字を行っても、裏面の画像により画像の認識を妨げ
られるようなことはない。ここでいうサイズ度とは紙の
ステキヒト・サイズ度試験方法JIS P8122−7
6、透気度とは紙及び板紙の透気度試験方法 JIS
P8117−80に従って行う。サイズ度が10sより
小さいとインクが裏面まで浸透してしまい裏抜けが発生
し、透気度が5sより小さい場合もインクが裏面まで浸
透してしまい裏抜けが発生し、50sより大きい場合は
印字品質や乾燥性に問題はないが、必要以上に填量を添
加しているため、コストが高くなってしまう。またこの
記録媒体を電子写真方式の複写機やプリンターに使用し
た場合、感光体や定着ローラー等に填量が転写し画像品
質の低下や故障の原因になるため結局はインクジェット
専用の紙として使用しなくてはならず消費者に使い分け
をさせなくてはならず負担となる。サイズ度10s以
上、透気度5〜50sとすることにより電子写真用転写
紙、印刷用紙、タイプライター用紙、ワイヤードットプ
リンター用紙、ワードプロセッサー用紙、レター用紙、
レポート用紙等種々のノンコートの普通紙と同様に扱う
ことができ、それに伴い利用者が他の普通紙と分別する
手間がなくなる。また、生産上も基本的に現有の抄紙機
で生産可能であり、設備投資を最小限に押さえることが
できる。またこれら他の記録方式の用途にも共通に使用
することができる。
【0059】本発明に使用するパルプ繊維の材料としてはイ
ンクジェットプロセスに影響無い物であればパルプの種
類、処理方法は問わず適宜に使用できる。また非木材パ
ルプ(ケナフ、亜麻、竹、海草等)や古紙パルプを用い
ても良いしこれを主体としても良い。好ましくはLBK
PやNBKPに代表される化学パルプである。これらパ
ルプの抄紙は一般の普通紙同様公知のサイズ剤、填料、
その他抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙さ
れる。
【0060】サイズ剤としてはロジンサイズ、AKD、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、スチレン−マレイン酸コポ
リマー、第4級アンモニウム塩、アルニケル無水コハク
酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドン、カチオン澱
粉、アクリルアミド等がある。
【0061】填料としてはクレー、炭酸カルシウム、タル
ク、二酸化チタン、合成シリカ等が挙げられる。
【0062】さらに紙力増強剤、歩留まり向上剤、定着剤、
染料、その他抄紙助剤が添加される。
【0063】記録ヘッドから吐出される1滴あたりの吐出量
は25pl以下であり、画素面積が3000μm2以上で
あることが好ましい。吐出量を25pl以下とすること
で記録媒体の裏面までインクがしみ込むことが無く、層
の途中まででインクを吸収することができ、裏抜けが防
止できるとともに、記録媒体表面近傍に着色剤が残るた
め、画像濃度も高い。また画素面積が3000μm2以上
となることで、従来のインクに比べ記録媒体の深さ方向
ではなく横方向へインクが浸透され、記録媒体表面近傍
に着色剤が残るため、画像濃度が高い。またベタ画像を
打った場合に各ドット間の埋まりが良く、良好なベタ画
像を得ることができる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例および比較
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準
である。
【0065】実施例1 下記インク処方にて混合攪拌した後、pHが10になる
ように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その
後、平均孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過
を行いインク1を得た。 インク1 C.I.ダイレクトブラック168 4重量% グリセリン 5重量% エチレングリコール 5重量% 化合物(1−4) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量% イオン交換水 残量
【0066】実施例2 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
pHが10になるように水酸化リチウム10%水溶液に
て調整してインク2とした。 インク2 C.I.ダイレクトイエロー142 3.0重量% ポリエチレングリコール(分子量200) 8重量% 化合物(1−5) 0.5重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% イオン交換水 残量
【0067】実施例3 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
pHが10になるように水酸化リチウム10%水溶液に
て調整してインク3とした。 インク3 C.I.ダイレクトレッド227 3重量% ポリエチレングリコール(分子量200) 8重量% 化合物(1−6) 0.5重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% イオン交換水 残量
【0068】実施例4 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
pHが10になるように水酸化リチウム10%水溶液に
て調整してインク4とした。 インク4 C.I.ダイレクトブルー199 3重量% ポリエチレングリコール(分子量200) 8重量% 化合物(1−5) 0.5重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% イオン交換水 残量
【0069】実施例5 先ずカーボンブラックを下記の顔料分散液処方にてビー
ズミルを用いて分散した。得られた水性分散液を下記イ
ンク処方にて混合攪拌した後、pHが9になるように水
酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均
孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いイ
ンク5を得た。 顔料分散液1 カーボンブラック(平均粒径104nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク5 顔料分散液1 33.3重量% ジエチレングリコール 6.5重量% グリセリン 3.5重量% 化合物(1−1) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% 2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0070】実施例6 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液2を作製し、それを用いてインク6を得
た。 顔料分散液2 カーボンブラック(平均粒径104nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク6 顔料分散液2 33.3重量% ジエチレングリコール 6.5重量% グリセリン 3.5重量% 化合物(1−1) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% 2−ピロリドン 2重量% フッ素化アルキルエステル;ノニオン界面活性剤 0.3重量% イオン交換水 残量
【0071】実施例7 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液3を作製し、それを用いてインク7を得
た。 顔料分散液3 カーボンブラック(平均粒径99nm) 15重量% ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量% イオン交換水 残量 インク7 顔料分散液3 33.3重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 10重量% 化合物(1−3) 0.05重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 5重量% フッ素化アルキルエステル;ノニオン界面活性剤 0.3重量% イオン交換水 残量
【0072】実施例8 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液4を作製し、それを用いてインク8を得
た。 顔料分散液4 C.I.ピグメントイエロー13(平均粒径117nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク8 顔料分散液4 33.3重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 10重量% 化合物(1−2) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% 2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0073】実施例9 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液5を作製し、それを用いてインク9を得
た。 顔料分散液5 C.I.ピグメントイエロー74(平均粒径96nm) 15重量% ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量% イオン交換水 残量 インク9 顔料分散液5 33.3重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 10重量% 化合物(1−2) 0.05重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 5重量% エチレンオキシド(重量比40%)付加ポリプロピレングリコール (ノニオン界面活性剤:分子量3000) 2重量% イオン交換水 残量
【0074】実施例10 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液6を作製し、それを用いてインク10を
得た。 顔料分散液6 C.I.ピグメントレッド122(平均粒径120nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク10 顔料分散液6 33.3重量% グリセリン 5重量% エチレングリコール 10重量% 化合物(1−1) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% 2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0075】実施例11 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液7を作製し、それを用いてインク11を
得た。 顔料分散液7 C.I.ピグメントレッド57:1(平均粒径115nm) 15重量% ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量% イオン交換水 残量 インク11 顔料分散液7 33.3重量% グリセリン 5重量% エチレングリコール 10重量% 化合物(1−1) 0.05重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 5重量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤)2重量% 2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0076】実施例12 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液8を作製し、それを用いてインク12を
得た。 顔料分散液8 C.I.ピグメントブルー15:3(平均粒径123nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク12 顔料分散液8 33.3重量% グリセリン 3重量% 1,5−ペンタンジオール 15重量% 化合物(1−4) 0.3重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 3重量% 2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0077】実施例13 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液9を作製し、それを用いてインク13を
得た。 顔料分散液9 C.I.ピグメントブルー56(平均粒径138nm) 15重量% ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物 3重量% イオン交換水 残量 インク13 顔料分散液9 33.3重量% グリセリン 3重量% 1,5−ペンタンジオール 15重量% 化合物(1−4) 0.05重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 5重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量% イオン交換水 残量
【0078】実施例14 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
インク14を得た。 インク14 カルボキシル基結合型カーボンブラック分散液 (固形分16.4重量% 平均粒径128nm) 33.3重量% エチレングリコール 15重量% 化合物(1−1) 1重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量% N−メチル−2−ピロリドン 2重量% イオン交換水 残量
【0079】実施例15 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
インク15を得た。 インク15 カルボキシル基結合型カーボンブラック分散液 (固形分16.4重量% 平均粒径128nm) 33.3重量% エチレングリコール 15重量% 化合物(1−1) 1重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量% N−メチル−2−ピロリドン 2重量% エチレンオキシド(重量比40%)付加ポリプロピレングコール (ノニオン界面活性剤:分子量3000) 2重量% イオン交換水 残量
【0080】実施例16 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
インク16を得た。 インク16 スルホン酸基結合型カーボンブラック分散液 (固形分18重量% 平均粒径132nm) 33重量% 1,5−ペンタンジオール 5重量% N−メチル−2−ピロリドン 2重量% 化合物(1−1) 1重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量% イオン交換水 残量
【0081】実施例17 下記インク処方を用いる以外は実施例1と同様にして、
インク17を得た。 インク17 スルホン酸基結合型カーボンブラック分散液 (固形分18重量% 平均粒径132nm) 33重量% 1,5−ペンタンジオール 5重量% N−メチル−2−ピロリドン 2重量% 化合物(1−1) 1重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤)2重量% イオン交換水 残量
【0082】実施例18 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液10を作製し、それを用いてインク18
を得た。 顔料分散液10 カーボンブラック(平均粒径53nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク18 顔料分散液10 33.3重量% ポリエチレングリコール(分子量200) 5重量% ジエチレングリコール 30重量% 化合物(1−5) 0.01重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 10重量% イオン交換水 残量
【0083】実施例19 下記顔料分散液処方を用いる以外は実施例5と同様にし
て、顔料分散液11を作製し、それを用いてインク19
を得た。 顔料分散液11 カーボンブラック(平均粒径196nm) 15重量% スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体 3重量% イオン交換水 残量 インク19 顔料分散液11 33.3重量% ポリエチレングリコール(分子量200) 5重量% ジエチレングリコール 6.5重量% 化合物(1−3) 5重量% 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 0.5重量% イオン交換水 残量
【0084】比較例1 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のイオン交換水を含有する以外は、実施
例5と同様にして、インク20を作製した。
【0085】比較例2 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のイオン交換水を含有する以外は、実施
例6と同様にして、インク21を作製した。
【0086】比較例3 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のイオン交換水を含有する以外は、実施
例8と同様にして、インク22を作製した。
【0087】比較例4 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のイオン交換水を含有する以外は、実施
例10と同様にして、インク23を作製した。
【0088】比較例5 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のイオン交換水を含有する以外は、実施
例12と同様にして、インク24を作製した。
【0089】比較例6 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、化合物(1−1)が1.2重量%となるよう
にさらに添加し、残りをイオン交換水とした以外は、実
施例5と同様にして、インク25作製した。
【0090】比較例7 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のジエチレングリコールモノブチルエー
テルを含有する以外は、実施例5と同様にして、インク
26を作製した。
【0091】比較例8 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のジエチレングリコールモノブチルエー
テルを含有する以外は、実施例6と同様にして、インク
27を作製した。
【0092】比較例9 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、10重量%のジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルを含有する以外は、実施例5と同様にして、
インク28を作製した。
【0093】比較例10 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のジエチレングリコールモノブチルエー
テルを含有する以外は、実施例8と同様にして、インク
29を作製した。
【0094】比較例11 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のジエチレングリコールモノブチルエー
テルを含有する以外は、実施例10と同様にして、イン
ク30を作製した。
【0095】比較例12 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量のジエチレングリコールモノブチルエー
テルを含有する以外は、実施例12と同様にして、イン
ク31を作製した。
【0096】比較例13 化合物(1−1)および2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールのかわりに、3重量%のサーフィ
ノール465(信越化学製:アセチレングリコール系界
面活性剤)を含有する以外は、実施例14と同様にし
て、インク32を作製した。
【0097】比較例14 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量の2−エチル−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールを含有する以外は、実施例5と同様にし
て、インク33を作製した。
【0098】比較例15 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量の3,3−ジメチル−1,2−ブタンジ
オールを含有する以外は、実施例8と同様にして、イン
ク34を作製した。
【0099】比較例16 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量の2,4−ジメチル−2,4−ペンタン
ジオールを含有する以外は、実施例10と同様にして、
インク35を作製した。
【0100】比較例17 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量の2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオールを含有する以外は、実施例12と同様にして、
インク36を作製した。
【0101】比較例18 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールの
かわりに、同量の2,5−ジメチル−2,5−ヘキサン
ジオールを含有する以外は、実施例5と同様にして、イ
ンク37を作製した。
【0102】つぎに上記実施例及び比較例に記載のインクつ
いて下記の試験を行った。その結果を表1に記す。
【0103】1)インクの動的表面張力測定 クルス社製 BP−2 バブルプレッシャー動的表面張
力計を用い、25℃にてSurface Age10ms〜100
0ms域での動的表面張力を測定し、Surface Age 50
(ms)における表面張力γを求めた。
【0104】2)画像の鮮明性 記録媒体としてNBSリコー社製;マイペーパー(サイ
ズ度12s,透気度16s)を用い、720dpiのノ
ズルを有し、記録ヘッドから1滴あたりの吐出量23p
lで吐出するピエゾ方式のインクジェットプリンターで
印字を行い、乾燥後、画像の滲み、色調、濃度を目視及
び反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)に
より総合的に判断した。
【0105】3)画像の乾燥性 記録媒体にベタ画像印字後の画像に0.1kg/cm2
の圧力で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなる
までの時間を測定した。いずれの紙でも3秒以内で乾燥
した場合に○、3から20秒を△、20秒以上を×と判
定した。
【0106】4)裏抜け 記録媒体に反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite
社製)で測定した各インク色での濃度が1.0となる様
にベタ画像を形成した。この画像を裏面から目視観察
し、ベタ画像の着色剤が裏面まで抜けており、両面印字
に使用できないレベルの場合は×、ベタ画像の着色剤が
裏面までは抜けていないが、ベタ画像と白地部分の境界
が明らかだが両面印字に使用する場合支障がほとんど無
い場合は△、ベタ画像と白地部分の境界がほとんど不明
確で両面印字に使用しても支障の無いレベルの場合は
○、ベタ画像と白地部分の境界が完全に不明確で両面印
字に使用しても支障の無い場合は◎として判定した。こ
こで、△以上の評価を得たインクは使用可能である。
【0107】5)擦過性 記録媒体に各インクで形成された画像を、印字30秒後
に指、布、消しゴム、マーキングペンで擦過し、擦過後
の様子を目視にて観察し擦過による画像の変化が発生し
た場合は×とし、発生がなければ○とした。
【0108】6)画素面積(μm2) 各ドットが離れて印字されるよう面積率5%の網点画像
を形成し、ドットアナライザーにて測定した。
【0109】7)画像の埋まり 乾燥後ベタ画像を観察し、拡大して観察してもインクで
均一に記録媒体が着色している場合は◎、目視で観察す
る限りインクで均一に記録媒体が着色している場合は
○、目視で地肌が見えるような不均一な着色の場合は×
とした。
【0110】8)保存性 インクをインクジェットプリンターにセットしたまま、
60℃、7日間放置し、その後従来公知のインクジェッ
トプリンターのクリーニング操作1回で復帰可能ならば
○、2から5回で復帰可能ならば△、5回でも復帰しな
ければ×とした。
【0111】実施例20〜実施例29 実施例5、実施例8、実施例10、実施例12に記載の
各インクを用い、下記の記録媒体に対してフルカラー印
字評価した。評価項目は、上述の通りである。 実施例20: ゼロックス社製;ゼロックスペーパーR (サイズ度8s,透気度20s) 実施例21: AUSTRALIAN PAPER社製(オーストラリア);REFLEX (サイズ度25s,透気度4s) 実施例22: NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙90K (サイズ度60s,透気度68s) 実施例23: キャノン社製;PB用紙 (サイズ度21s,透気度8s) 実施例24: NBSリコー社製;NBS複写印刷用紙45K (サイズ度11s,透気度45s) 実施例25: 本州製紙社製;やまゆり (サイズ度12s,透気度21s) 実施例26: リコー社製;紙源PPC用紙タイプS (サイズ度22s,透気度13s) 実施例27: ゼロックス社製;P紙 (サイズ度24s,透気度19s) 実施例28: ゼロックス社製;マルチエース (サイズ度25s,透気度17s) 実施例29: ゼロックス社製;Xerox 4024紙 (サイズ度32s,透気度21s)
【0112】実施例30 インクジェットプリンターを、720dpiのノズルを
有し記録ヘッドから1滴あたりの吐出量20plで吐出
するサーマル方式のインクジェットプリンターに変更
し、実施例5に記載のインクを用いて、NBSリコー社
製;マイペーパー(サイズ度12s,透気度16s)に
印字を行い、上記1)〜7)の評価を実施した。
【0113】実施例31 インクジェットプリンターを、記録ヘッドから1滴あた
りの吐出量30plで吐出するサーマル方式のインクジ
ェットプリンターに変更した以外は実施例30と同様に
して、上記1)〜7)の評価を実施した。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
所定構造のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又
はその塩と、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールとを添加することにより、紙表面に対する濡
れ性が改良され、インクジェットインクとして諸特性を
満足し、浸透性、乾燥性に優れ、かつ画質劣化の改良さ
れた水性インク組成物を提供することができる。また、
所定重量%添加することにより、更に、紙表面に対する
濡れ性が改良され、インクジェットインクとして諸特性
を満足し、浸透性、乾燥性に優れ、かつ画質劣化の改良
された水性インクを提供することができる。
【0116】本発明によれば、上述のような構成で、かつ最
大泡圧法により、25℃にて測定されるSurface Age 5
0msでの表面張力が、40mN/m以下であるインク
を用いることで、種々ある所謂普通紙に対しても一様に
良好な濡れ性を示し、紙の種類によらず高い浸透性かつ
画質の優れた水性インクを提供することができる。
【0117】本発明によれば、さらに2−ピロリドンを添加
することにより、より一層紙表面への濡れ性を向上さ
せ、紙面を均一に着色することができる水性インクを提
供することができる。
【0118】本発明によれば、着色剤として、所定粒径の顔
料を用いることにより、乾燥性と裏抜けあるいは画像に
じみ等の画質ともに優れた水性インクを提供することが
できる。
【0119】本発明によれば、顔料の分散剤としてカルボキ
シル基が結合された分散剤、あるいは顔料表面の改質に
よりカルボキシル基を表面に結合した顔料を用いること
により、さらに裏抜けを抑制し、画像濃度を向上した水
性インクを提供することができる。
【0120】本発明によれば、種々ある所謂普通紙に対して
も一様に良好な濡れ性を示し、紙の種類によらず高い浸
透性かつ画質の優れたカラー画像を形成できる記録方法
を提供することができる。
【0121】本発明のインクと、パルプ繊維を主成分とし、
サイズ度10s以上,透気度5〜50sである記録媒体
とを組み合わせることにより、浸透性に優れる上に画像
濃度が高く、裏抜けの少ない、非常に良好な画像を形成
できる記録方法を提供することができる。
【0122】本発明によれば、記録ヘッドから吐出される1
滴あたりの吐出量と画素面積とを所定の値とすることに
より、両面印字に適する裏抜けの少ない画像を形成でき
る記録方法を提供することができる。
【0123】以上により、本発明によれば、高品位のカラー
画像を普通紙に安定して記録することが可能で、またイ
ンクの浸透性が極めて高いため、高速での記録が可能
で、さらに裏抜けしにくいため、記録媒体への両面印字
を可能にし、インクジェット式カラープリンターの更な
る普及を促す効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 朋子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 後藤 明彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 有田 均 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村上 格二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC01 FC02 2H086 BA03 BA21 BA41 BA42 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AE07 BC07 BC20 BC50 BC75 BC77 BC79 BE01 BE02 BE12 BE22 EA01 EA46 GA06 GA24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に溶解または分散する着色剤、湿潤剤
    を含有し、さらに下記一般式(1)で示されるポリオキ
    シエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩を含有し、
    かつ、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
    ールを含有することを特徴とする水性インク。 R1―O―(CH2CH2O)m―CH2COOM ・・・式(1) (式中、R1は炭素数6〜14の分岐してもよいアルキ
    ル基、mは3〜12の自然数、Mは水素、アルカリ金
    属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はア
    ルカノールアミンを表す。)
  2. 【請求項2】 水に溶解または分散する着色剤、湿潤剤
    を含有し、さらに上記一般式(1)で示されるポリオキ
    シエチレンアルキルエーテル酢酸又はその塩をインク全
    量に対して0.01〜5重量%含有し、かつ、2,2,
    4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールをインク全
    量に対して0.5〜10重量%含有することを特徴とす
    る請求項1記載の水性インク。
  3. 【請求項3】 最大泡圧法により、25℃にて測定され
    るSurface Age 50msでの表面張力が、40mN/m
    以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の水性
    インク。
  4. 【請求項4】 2−ピロリドンを含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の水性インク。
  5. 【請求項5】 着色剤が顔料であり、その平均粒径が5
    0nm〜200nmの範囲であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の水性インク。
  6. 【請求項6】 着色剤が顔料であり、分散剤により水中
    に分散されており、この分散剤にカルボキシル基が結合
    していることを特徴とする請求項5記載の水性インク。
  7. 【請求項7】 着色剤が顔料であり、該顔料が表面改質
    されカルボキシル基が結合され水中に分散されているこ
    とを特徴とする請求項5記載の水性インク。
  8. 【請求項8】 色調の異なる請求項1〜7のいずれかに
    記載の水性インクを微細な吐出口より液滴として吐出、
    飛翔させ記録媒体にカラー画像を形成することを特徴と
    する記録方法。
  9. 【請求項9】 記録媒体がパルプ繊維を主成分とし、サ
    イズ度10s以上、透気度5〜50sである請求項8記
    載の記録方法。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドから吐出される1滴あたり
    の吐出量が25pl以下であり、画素面積が3000μ
    2以上であることを特徴とする請求項8又は9記載の
    記録方法。
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