JP2003019973A - コントロールユニット - Google Patents

コントロールユニット

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JP2003019973A JP2001208743A JP2001208743A JP2003019973A JP 2003019973 A JP2003019973 A JP 2003019973A JP 2001208743 A JP2001208743 A JP 2001208743A JP 2001208743 A JP2001208743 A JP 2001208743A JP 2003019973 A JP2003019973 A JP 2003019973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ電流が増大する大型な車両への適用性
や搭載性などが格段に向上した小型かつ安価なEPSの
コントロールユニットを提供する。 【解決手段】 駆動回路32等を金属基板60に、制御
回路33等を絶縁基板70に実装し、金属基板60及び
絶縁基板70を放熱ケース50に積層状態に取り付けた
構造(内部が2ピース構造)とし、金属基板60に実装
されたサーミスタ42による検出温度TAに基づく電流
制限値ImaxA以下になるようモータ電流を強制低下
させる第1電流制限機能と、検出電流Imから推定した
絶縁基板70等の推定温度TBに基づく電流制限値Im
axB以下になるようモータ電流を強制低下させる第2
電流制限機能とを、制御回路33の制御機能として設
け、ユニットの過熱を確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における電動
パワーステアリング装置のコントロールユニットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動パワーステアリング装置
(EPS)は、ハンドル操作によりステアリングシャフ
トに発生する操舵トルクをトルクセンサにより検出し、
それに応じてステアリングシャフト等に取り付けられた
アシストモータ(以下、場合により単にモータという)
に車両のバッテリーから電流を流して操舵補助トルクを
発生させるものである。この電動パワーステアリング装
置は、油圧式のものに比べ、大きな操舵補助トルクを発
生させることが困難なため、従来では主に軽自動車に使
用されてきたが、電子制御が容易である、或いは油圧ポ
ンプや油配管が不要で構造が簡素になるなどの各種利点
があり、近年では排気量が1800CCレベルの小型車
両にも適用が検討されており、将来はさらに大型な車両
にも適用される可能性がある。なお、この電動パワース
テアリング装置におけるアシストモータの電流制御に
は、通常四つ(又は四組)のFET(電界効果トランジ
スタ)で構成されるHブリッジ回路よりなる駆動回路を
用い、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)
を含む制御回路の制御で、この駆動回路を介してアシス
トモータをPWM(パルス幅変調)方式で駆動する。ま
た一般的に、この種の装置では、車両のバッテリーから
前記駆動回路に電力供給する高電位電源ラインには、電
源バックアップ用コンデンサ(通常は、電解コンデン
サ)やチョークコイルが接続され、リップル電流の問題
や、大電流時の配線抵抗による一時的な電源電圧降下の
問題、或いはノイズの問題を解消するようにしている。
また、モータ電流を検出するために、例えば低電位電源
ラインにシャント抵抗が接続される。また場合により、
電源ライン或いはモータの通電ラインを開閉するパワー
リレーも設けられる。そして、上記駆動回路や制御回
路、或いは上記電源バックアップ用コンデンサなどの大
電流回路部品は、コントロールユニットなどと呼ばれる
一つのユニット内の回路基板に実装されて設けられ、こ
のコントロールユニット(以下、場合により単にユニッ
トという)は、例えば車室内の搭乗者からは見えない隙
間などに配置されていた。
【0003】ところで、従来の電動パワーステアリング
装置のコントロールユニットは、一枚の回路基板を金属
製のケース内に収納してなる構造であり、その回路基板
は、例えば図9に示すような構成となっていた。即ち、
基本構造は、いわゆるプリント基板と同様であり、絶縁
性を有する樹脂製の基板上に、印刷配線技術よりなる導
体パターンによって回路導体や受動素子などを形成し、
前述のFETや電源バックアップ用コンデンサ等、或い
は前述の制御回路を構成するICチップやパワーリレー
などの部品を実装してなるものである。ちなみに、図9
に示した回路基板1では、符号2で示すものが樹脂でモ
ールドされたFETのチップであり、符号3で示すもの
が電源バックアップ用コンデンサであり、符号4で示す
ものが前述の制御回路を構成するマイコンのICチップ
(以下、マイコンチップという)である。また、符号5
で示すものは、モータの通電ライン等の大電流が流れる
回路導体を構成するブスバ(導電板)であり、符号6で
示すものは主にFET2で発生する熱を放熱する放熱器
であり、符号7で示すものはマイコンチップ4の制御で
モータの通電ラインを開閉するパワーリレーである。
【0004】なお、アシストモータには、軽自動車の場
合でも最大35A程度の電流が流れるので、厚さに限界
のある回路基板1上の導体パターンによってアシストモ
ータの通電ライン等を構成するのは、発熱や基板上スペ
ース等の面から実用上不可能であった。このため、回路
基板1上の導体パターンに比較して幅及び厚さが格段に
大きな上述のブスバ5が回路基板1上に取り付けられる
ことにより、前記通電ライン等が構成されていた。ま
た、FET2で発生する熱量は、稼働状態によっては非
常に大きく、仮に放置すれば短時間で数百℃程度にまで
昇温してしまう。そのため、上記放熱器6は、熱導電性
の高いアルミなどより製作され、FET2の裏面に接合
された状態で、回路基板1の端に各FET2と並列状態
に設置されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電動パワー
ステアリング装置のコントロールユニットは、特に比較
的大型な車両(アシストモータの電流を例えば60〜8
0Aとする必要があるもの)への適用性や搭載性などに
関して、以下のような問題を有していた。 (イ)即ち従来の構成では、比較的大型な車両への適用
によってモータ電流が増大すると、自己発熱によるプリ
ント基板の温度上昇に加え、スイッチング素子やシャン
ト抵抗やパワーリレーなどの自己発熱部品の半田接続部
への熱ストレスが大きく自己発熱による熱衝撃性の点で
十分な耐性が得られなくなる。さらに、大電流の連続通
電では、半田が溶融し部品(例えば前述したシャント抵
抗など)の接続不良を引き起こす可能性がある。 (ロ)また、一枚のプリント基板上に平面的に部品を配
置する構成であったため、特に回路基板の面方向の大き
さが大型になり、重量も重くなる。特に、例えば小型自
動車などの比較的大型な車両の場合には、アシストモー
タの電流が例えば最大80Aとなるので、放熱器や前述
したブスバが極めて大型化し、その分がそのままユニッ
ト全体の大きさや重量に反映して、ユニット全体が極め
て大きくかつ重くなってしまう。そして、小型自動車等
の場合には、アシストモータの電流の増大により、ユニ
ットとモータ間などの配線抵抗による電圧降下の問題が
無視できなくなり、配線をコスト面等から太くできない
状況では実用上コントロールユニットをアシストモータ
近く(即ち、エンジンルーム内)に配置せざるを得ない
が、上述したようにユニットが大型化するとエンジンル
ーム内の隙間への配置が極めて困難になり、小型自動車
等への装置の適用自体がコスト面やスペースの面などか
ら困難になる。
【0006】なお、図8に示すコントロールユニット
は、上述した大電流化に対応するため、出願人が提案し
たものである。このユニット10は、ベース基板11の
下面に金属基板12を取り付け、次いでこの中間組立品
を、放熱板15(ヒートシンク)を予め取り付けた樹脂
ケース13に対して組み付け、その後絶縁基板14(プ
リント基板)をベース基板11の上面に取り付けた後、
カバー部材16をベース基板11及び絶縁基板14の上
面を覆うように樹脂ケース13に取り付けてなるもので
ある。ベース基板11は、金属基板12や絶縁基板14
が重ねて取り付けられる支持部材であるとともに、前述
の電源バックアップ用コンデンサやパワーリレーなどの
大電流が流れる回路部品(大電流部品)を実装するため
の回路基板でもある。このベース基板11は、金属製の
複数の金具よりなる回路導体構成部材が、インサート成
形により樹脂製の基材と一体化されてなる。
【0007】金属基板12は、FETを含むHブリッジ
回路とシャント抵抗を実装したアルミ製の基板であり、
ベース基板11の下面側に接着等により取り付けられ、
ベース基板11との回路接続はワイヤボンディングで実
現される。この金属基板12の裏面(下面)は放熱板1
5に接合し、Hブリッジ回路等で発生した熱が効率良く
放熱される構成となっている。樹脂ケース13は、ベー
ス基板11等が収納可能な大きさの全体として枠状の形
状のもので、ユニット10の側面の外壁を構成する部材
であるとともに、外部配線のためのコネクタ17,1
8,19が一体的に設けられた部材である。絶縁基板1
4(プリント基板)は、マイコンチップなどの小電流部
品を実装したものである。この絶縁基板14とベース基
板11又は樹脂ケース13との間の回路接続は、ベース
基板11又は樹脂ケース13に設けられたリード端子2
0,21(プレスフィット端子)を、組立時に絶縁基板
14のスルーホール22,23に圧入することで実現さ
れている。
【0008】この図8に示すコントロールユニットの構
成であれば、各回路部品が機能毎に最適な基板に実装さ
れ、しかも各基板がベース基板11を中心に積層配置さ
れているため、電流増による熱衝撃性の問題を解消でき
るとともに、ユニットの小型化が可能となり、車両への
搭載性が向上する。しかしこの場合、ユニット内部は三
つの基板が積層配置された3ピース構造となるため、組
立工数や部品点数が増えることによって、相当のコスト
アップが避けられないという問題が新たに発生する。そ
こで本発明は、上述した課題が解決されて、特にモータ
電流が増大する大型な車両への適用性や搭載性などが格
段に向上するとともに、コスト面でも優れた電動パワー
ステアリング装置のコントロールユニットを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明による電動パワ
ーステアリング装置のコントロールユニットは、車両の
操舵系に連結されたアシストモータにより操舵補助トル
クを発生させる電動パワーステアリング装置のコントロ
ールユニットであって、前記アシストモータの各コイル
端子を高電位電源ライン又は低電位電源ラインに切り替
え可能に接続するスイッチング素子を含む駆動回路と、
前記操舵系の操舵トルクに応じて前記スイッチング素子
を作動させて、前記操舵補助トルクが前記操舵トルクに
応じた値になるように、前記アシストモータの電流を所
定の目標電流値に制御する制御回路と、基材が金属より
なり、前記駆動回路、この駆動回路を介して前記アシス
トモータに流れる電流を検出するためのシャント抵抗、
及び温度検出用のサーミスタが実装された金属基板と、
基材が絶縁性材料よりなり、前記制御回路が実装された
絶縁基板と、前記金属基板と絶縁基板が相互に重なるよ
うに取り付けられ、ユニットの外壁を構成する金属製の
放熱ケースとを備え、前記制御回路は、前記金属基板の
回路要素(主に前記スイッチング素子)の温度を許容温
度以下に保持すべく、前記サーミスタによる検出温度に
基づいて、前記アシストモータの電流を、所定の電流制
限値以下になるように必要に応じて前記目標電流値より
も低下させる第1電流制限機能と、前記アシストモータ
及び前記絶縁基板の回路要素の温度を許容温度以下に保
持すべく、前記シャント抵抗による検出電流に基づい
て、前記アシストモータの電流を、所定の電流制限値以
下になるように必要に応じて前記目標電流値よりも低下
させる第2電流制限機能とを有するものである。
【0010】ここで、金属基板に実装される「駆動回
路」としては、アシストモータをPWM駆動する場合の
ブリッジ回路を含む回路があり得る。また、「スイッチ
ング素子」には、アシストモータをPWM駆動する場合
のブリッジ回路を構成するFETが含まれる。また、絶
縁基板に実装される「制御回路」とは、例えばマイコン
やその周辺回路(大電流が流れない周辺回路)を含む回
路である。なお、外部接続用のコネクタは、例えば絶縁
基板に実装すればよい。また、電源バックアップ用コン
デンサ(通常は、電解コンデンサ)、ノイズ対策用のチ
ョークコイル、モータ通電ライン等を開閉するパワーリ
レー、或いは電流検出用のシャント抵抗などの大電流部
品は、絶縁基板又は金属基板の何れかに実装すればよ
い。但し、放熱性を考慮すれば、これら大電流部品のう
ち発熱が特に問題となる部品(例えば、シャント抵抗)
は金属基板に実装すべきである。
【0011】この発明によれば、ユニット内部の構成
が、二つの基板(金属基板と絶縁基板)が積層配置され
た2ピース構造となるため、組立工数や部品点数が少な
くなり、生産性が向上してコストアップが回避される。
しかも、各回路部品が機能毎に最適な基板に実装され、
各基板が積層配置されている。このため、ユニットの大
幅な小型化が可能となり、車両への搭載性が格段に向上
する。即ち、まずアシストモータの通電状態を切り替え
るスイッチング素子を含み発生熱量の多い駆動回路は、
熱伝導性の良い金属基板に実装されて高い放熱性が確保
される。これにより、この駆動回路の回路導体を構成す
る金属基板上の導体パターンの幅や間隔を従来よりも狭
く設定可能となり、駆動回路実装部分の面積、ひいては
金属基板全体の面積が縮小できる。また、流れる電流が
少ない制御回路は、通常の絶縁基板に実装され必要最小
限の面積内に配設できる。このため、金属基板上の実装
部品と絶縁基板上の実装部品の干渉を避けて、二つの基
板間距離を小さくし、各基板とその実装部品の配置スペ
ースを厚さ方向に小さくすることが可能となる。しか
も、金属基板と絶縁基板が積層配置されることにより、
全体として面方向の大きさが大幅に縮小される。したが
って、ユニットの面方向の大きさが大幅に縮小されると
ともに、ユニットの厚さ方向の大きさも従来と同程度と
することができ、それにともなって重量も軽減できる。
【0012】さらにこの発明によれば、金属基板に実装
されたサーミスタによる検出温度に基づく第1電流制限
機能と、シャント抵抗による検出電流に基づく第2電流
制限機能によって、操舵トルクに対応する目標電流値よ
りも必要に応じてモータ電流が強制的に低下するように
制御され(即ち、前記検出温度等に基づいて所定の電流
制限値以下にモータ電流が制限され)、これによって金
属基板の回路要素(主に前記スイッチング素子)の温度
と、アシストモータ及び絶縁基板の回路要素の温度が、
それぞれ許容温度以下に確実に保持される。このため、
電流増による熱衝撃性の問題(半田溶融による接続不良
を含む)をより信頼性高く解消できるとともに、このよ
うな過熱防止機能がない場合に比して、例えば各基板の
導体パターンの幅や間隔がより狭く設定可能となり、ま
た実装部品の容量を比較的小さくすることも可能となっ
て、単にツーピース構造とした場合よりもさらなる小型
化が可能となる。したがって本発明によれば、アシスト
モータの電流量が多い大型な車両についても、ユニット
の高い適用性や搭載性が得られる。
【0013】なお、前記金属基板の裏面は、前記放熱ケ
ースの内面に接合されている構成が好ましい。このよう
な構成であると、部品点数の増加を回避しつつ、金属基
板で発生する熱の放熱性を高く確保できる。というの
は、放熱部材である放熱ケースが外壁を構成する構造で
あるので、放熱部材が設けられる部分の外壁を構成する
部材(カバー部材)が不要になり、さらに金属基板に接
合した放熱部材の外面が外気にさらされることになるの
で、高い放熱性が得られる。
【0014】また、この発明のより好ましい構成は、前
記金属基板上において、前記スイッチング素子や前記シ
ャント抵抗の実装領域の外側に、当該金属基板と前記絶
縁基板間の信号ラインの接続のための信号端子が設けら
れており、前記サーミスタが、前記金属基板上の発熱部
品である前記スイッチング素子や前記シャント抵抗から
離れた前記信号端子のさらに外側位置に実装されている
ものである。このような構成であると、金属基板上の発
熱部品(スイッチング素子やシャント抵抗)の過渡的な
温度変化に影響されないで、金属基板上の回路要素の過
熱保護のために最適な金属基板の温度、即ち、過熱に最
も弱いスイッチング素子等の接続部(ジャンクション)
のベース温度が、前記検出温度として高精度に測定でき
る。この結果、過渡的な温度上昇によって不必要に前記
第1電流制限機能が働いて、操舵補助トルクが不必要に
低下する弊害が回避できるようになる。
【0015】また、この発明のより好ましい構成は、前
記サーミスタによる検出温度が第1しきい値を越える
と、前記第1電流制限機能における電流制限値が前記サ
ーミスタによる検出温度の増加に応じて段階的又は連続
的に減少し、前記サーミスタによる検出温度が第2しき
い値に到達すると、前記第1電流制限機能における電流
制限値がゼロ又はその近傍値となるものである。このよ
うな構成であると、例えば、金属基板の高温状態の程度
が、それ程緊急性を有しないような比較的低いレベルの
ときには、電流を制限する度合いを少なくして、なるべ
く大きな操舵補助トルクを確保するといった柔軟な制御
が可能となる。特に、連続的に電流制限値を減少させる
場合には、金属基板の高温状態の程度に応じたきめの細
かい電流制限が可能となり、なるべく必要最小限の電流
制限で金属基板の過熱(特に、スイッチング素子の接続
部の溶融等を引き起こす高温状態)を確実に回避し、一
方ではできる限りの操舵補助トルクを発生させること
が、より緻密に可能となる。
【0016】また、この発明のより好ましい構成は、前
記第1電流制限機能における第1しきい値と第2しきい
値が、電源電圧(車両のバッテリ電圧に応じた電圧)の
検出値に応じて段階的又は連続的に増減するものであ
る。即ち、電源電圧が高ければ、比較的温度上昇が起き
難いので、前記第1しきい値と第2しきい値を比較的大
きな値に変化(段階的変化又は連続的変化)させ、逆に
電源電圧が低い場合には、スイッチング素子(例えば、
FET)などの損失が増加して比較的温度上昇が起き易
いので、前記第1しきい値と第2しきい値を比較的小さ
な値に変化させるものである。このような構成である
と、前記第1電流制限機能による電流制限(いいかえる
と、操舵補助トルク制限)が、電源電圧の変動に応じた
必要最小限の程度で実行されることになり、電源電圧の
変動マージン分だけ余裕をもって不必要に操舵補助トル
クを低下させる必要がなくなり、有害な高温状態を回避
しつつできる限りの操舵補助トルクを発生させること
が、さらに緻密に可能となる。
【0017】また、この発明のより好ましい構成は、前
記制御回路が、前記シャント抵抗による検出電流からジ
ュール熱による温度上昇分を算出し、この温度上昇分に
初期温度を加算することで、前記アシストモータ又は前
記絶縁基板の推定温度を求める機能を有し、前記推定温
度が第1しきい値を越えると、前記第2電流制限機能に
おける電流制限値が前記推定温度の増加に応じて段階的
又は連続的に減少し、前記推定温度が第2しきい値に到
達すると、前記第2電流制限機能における電流制限値が
ゼロ又はその近傍値となるものである。ここで、「初期
温度」とは、アシストモータ又は絶縁基板の推定温度を
求めるための基礎的な温度であり、例えば、前記サーミ
スタによる検出温度の初期値をこの初期温度として用い
ることができるし、或いは、なんらかのセンサより得ら
れた外気温のデータをこの初期温度として使用してもよ
い。このような構成であると、例えば、アシストモータ
或いは絶縁基板の高温状態の程度が、それ程緊急性を有
しないような比較的低いレベルのときには、電流を制限
する度合いを少なくして、なるべく大きな操舵補助トル
クを確保するといった柔軟な制御が可能となる。特に、
連続的に電流制限値を減少させる場合には、上記高温状
態の程度に応じたきめの細かい電流制限が可能となり、
なるべく必要最小限の電流制限でアシストモータ及び絶
縁基板の過熱(特に、絶縁基板上の大電流回路部品の接
続部の溶融等を引き起こす高温状態)を確実に回避し、
一方ではできる限りの操舵補助トルクを発生させること
が、より緻密に可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、電動パワーステアリング装
置の回路構成の一形態例を、図4により説明する。本装
置は、車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生
するアシストモータ31(以下、場合により単にモータ
31という)と、このモータ31を駆動回路32(Hブ
リッジ回路)を介して制御する制御回路33と、車両の
電源(バッテリー)34の出力をもとにこの制御回路3
3に所定電力を供給する電源回路35と、前記操舵系の
操舵トルクを検出するトルクセンサ36とを備える。な
お図6において、符号30で示すものが、電動パワース
テアリング装置のコントロールユニット(以下、場合に
より単にユニット30という)である。
【0019】また図4において、符号37で示すもの
は、車両のイグニションスイッチであり、本装置におい
ては制御回路33の起動スイッチとして機能する。ま
た、符号38で示すものは、モータ31の電流(以下、
場合により単にモータ電流という)が増大したときに電
源をバックアップする電解コンデンサである。また、符
号38a,38bで示すものは、電磁リレー(正確には
電磁リレーの接点)であり、図示省略した回路を介して
これら電磁リレー(パワーリレー)のコイルが制御回路
33によって駆動制御される構成となっている。電磁リ
レー38aは、ユニット30の通電ラインL1(高電位
電源ライン)と電源の正極間を開閉する電源リレーであ
り、電磁リレー38bは、駆動回路32とモータ31間
の通電ラインL3を開閉するモータリレーである。これ
ら電磁リレーは、装置の非稼働状態において開状態に維
持されて、例えばバッテリー逆接(車両のバッテリーを
反対の極性で接続すること)による大電流の発生等を回
避している。また、装置の稼働時に地絡故障などが起き
た場合には、この故障に起因する大電流の発生やモータ
の誤動作、或いは回生ロックの回避のために、上記リレ
ーをやはり開状態に切り換えて各通電ラインを遮断する
構成となっている。なお、ここでいう回生ロックとは、
駆動回路32(Hブリッジ回路)を構成する後述のFE
Tの短絡故障(オン故障)などによって、モータのコイ
ルの両端子が接続された状態となり、モータにいわゆる
回生制動力が発生して、モータに連結されたハンドルが
回転操作困難になるか又は回転操作不能になる現象をい
う。そして、このような回生ロックの問題をリレーによ
って解決しようとすれば、上記電磁リレー38bのよう
に、Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインにリレーを
設ける必要がある。
【0020】また、符号39で示すものは、駆動回路3
2のグランド側に接続されたシャント抵抗であり、この
抵抗39の電圧降下分に相当する電圧が入力ライン40
によって制御回路33に入力されている。なお、この入
力ライン40から入力される電圧値は、当然にモータ電
流に比例するため、制御回路33ではこの電圧値からモ
ータ電流値を検知可能であり、抵抗39や入力ライン4
0は、モータ電流の電流検出手段を実質的に構成してい
る。また、符号41で示すものは、ノイズ発生を抑制す
るためのチョークコイルであり、通電ラインL1に直列
に接続されている。また、符号42で示すものは、駆動
回路32やシャント抵抗39などの発熱部に関連する温
度を検出するためのサーミスタである。なお、駆動回路
32、制御回路33、電源回路35、電解コンデンサ3
8、電磁リレー38b、シャント抵抗39、チョークコ
イル41、サーミスタ42などは、ユニット30内に設
けられるユニット部品である。電磁リレー38aは、こ
の場合ユニット30外(即ち、車両側)に設けられてい
るが、ユニット30内に設けられる場合もある。
【0021】ここで、駆動回路32は、この場合4個の
電界効果トランジスタSW1〜SW4(以下、FETS
W1〜SW4という)をモータ31に対してHブリッジ
形に接続してなるHブリッジ回路よりなり、このHブリ
ッジ回路を構成するスイッチング素子である各FETS
W1〜SW4は、制御回路33から出力されるPWM駆
動信号によって動作する。各FETSW1〜SW4のこ
の動作により、モータ31の各コイル端子は、前記PW
M駆動信号に応じたデューティ比で、通電ラインL1
(高電位電源ライン)又は通電ラインL2(低電位電源
ライン)に断続的に接続される。なお、各FETSW1
〜SW4は、この場合、Nチャンネルエンハンスメント
型MOSFETであり、その構造上ダイオードD1〜D
4(寄生ダイオード)がドレイン・ソース間に作り込ま
れている。
【0022】また、制御回路33は、マイコンを含む回
路で構成され、トルクセンサ36の検出信号から検知さ
れる操舵トルクの値に応じた操舵補助トルクを発生させ
るべく、前記操舵トルクに応じたモータ電流の目標値
(目標電流値)を実現するデューティ比のPWM駆動信
号を生成して駆動回路32を制御する通常状態(異常状
態でない正常な運転状態)での制御機能の他、例えば地
絡故障を検出して、故障対応制御(FETSW1〜SW
4を全てオフにしたり、電磁リレー38a又は38bを
開状態とする処理)を実行して過電流によるFETの焼
損等を回避するフェールセーフ機能も実現する。また制
御回路33は、サーミスタ42や入力ライン40からの
信号を読み取ることによって、ユニット30内の温度状
態を監視し、必要に応じて上記目標電流値よりもモータ
電流を強制的に低下させる(所定の電流制限値以下にす
る)ことで、ユニット30内の過熱を防止する過熱防止
機能(第1電流制限機能及び第2電流制限機能)も実現
する。なお、この過熱防止機能の詳細については、後述
する。また制御回路33は、必要に応じて別途設けられ
た図示しない電源電圧検出回路からの信号を読み取るこ
とによって、電源電圧Vb(この場合、バッテリー34
の出力電圧)の値をリアルタイムで認識可能となってい
る。ここで、上記電源電圧検出回路は、例えば通電ライ
ンL1に接続された分圧抵抗(図示省略)によって構成
することができる。或いは、電源回路35が、電源電圧
Vbに比例した信号を制御回路33に対して出力する機
能を備え、上記電源電圧検出回路として機能する構成で
もよい。なお、目標電流値は、操舵トルクに応じた(例
えば、比例した)目標の操舵補助トルクを発生させるた
めのモータ電流値であるが、操舵トルク以外のパラメー
タ(例えば、車速)も考慮してこの目標電流値を求める
ようにしてもよい。例えば、操舵トルクが同じでも、車
速によって目標電流値を異ならせ、車速に応じて操舵補
助トルクを若干異ならせるような構成が一般的となって
いる。
【0023】また、電源回路35は、バッテリー34の
電圧(例えば、定格で12V程度)を所定電圧(例え
ば、5V)に変換して制御回路33に供給するものであ
る。なお、電磁リレー38aは、駆動回路12と電源3
4の負極(即ち、グランド)との間の通電ラインL2に
設けられていてもよく、また、電磁リレー38bは、駆
動回路12とモータ31間の他方の通電ラインL4に設
けられていてもよい。また、図示省略しているが、制御
回路33内又はその周辺には、駆動回路32の各スイッ
チング素子(FETSW1〜SW4)を制御回路33内
のCPUの指令で駆動するためのトランジスタよりなる
FET駆動回路や、入力ライン40などから入力される
信号を平滑化するフィルタ回路、或いは、入力ライン4
0やサーミスタ42などからの入力信号(アナログ信
号)をデジタル化するA/Dコンバータ(図示省略)な
どが必要に応じて設けられる。また通常は、PWM駆動
信号の設定に使用される車速検出信号が、車両に設けら
れた車速センサから制御回路33に入力される。また、
電磁リレー38bは必ずしも必要ではなく、前述した回
生ロックが問題とならない場合(例えば、モータ31と
操舵系との間にクラッチが設けられ、モータ31と操舵
系の連結が適宜解除できる場合等)には、不要である。
【0024】次に、ユニット30の構造の一形態例につ
いて説明する。図1は、ユニット30の要部分解斜視図
である。また、図2(a)はユニット30の斜視図(カ
バー取り外し状態)であり、図2(b)はユニット30
の斜視図(完成状態)である。図1及び図2(a)に示
すように、本形態例のユニット30は、大きく分けて、
放熱ケース50と、金属基板60と、絶縁基板70と、
カバー80(図2(a)に示す)とよりなる。また、そ
の組立手順は、次のとおり極めて簡単である。即ち、ま
ず図1の如く、放熱ケース50に金属基板60と絶縁基
板70をネジ91,92によって順次取り付け、次いで
図2(a)のように、カバー80をネジ93によって放
熱ケース50に取り付けて完成となる。
【0025】以下、各構成要素を説明する。まず、放熱
ケース50は、上面が開口した箱形のもので、例えばア
ルミ(アルミ合金含む)のダイカストよりなり、金属基
板60や絶縁基板70が重ねて取り付けられる支持部材
であるとともに、ユニット30の一面側を覆うカバー部
材、さらには放熱用のヒートシンクとしても機能する部
材である。図1に示すように、この放熱ケース50内に
は、金属基板60の下面(裏面)が接合する接合面51
が設けられ、この接合面51の所定位置には、前述のネ
ジ91をねじ込むためのネジ穴52が形成されている。
また、この放熱ケース50内の四隅位置には、絶縁基板
70の四隅に当接して絶縁基板70を支持する支持部5
3が形成され、この支持部53の上面には、前述のネジ
92をねじ込むためのネジ穴54が形成されている。ま
た、この放熱ケース50の一側端部には、後述するコネ
クタ71〜74をユニット外に露出状態に配置するため
の切り欠き部55が形成されている。
【0026】次に、金属基板60について説明する。金
属基板60は、基材であるアルミ板の表面(実装面側)
に絶縁層を形成し、さらにその上に回路導体としての導
体パターンを印刷配線技術により形成し、この導体パタ
ーンの所定の部位に対して駆動回路32を構成するスイ
ッチング素子等の部品を実装したものである。なお、図
1においては、上面側がこの金属基板60の実装面とな
っている。またこの場合、金属基板60に実装される回
路要素としては、図6において一点鎖線で囲まれたも
の、即ち、スイッチング素子(FETSW1〜SW4)
と、シャント抵抗39と、サーミスタ42が含まれる。
なお図1において、符号61で示すものが、スイッチン
グ素子(FETSW1〜SW4)に相当するFETチッ
プであり、この場合2個ずつ並んで表面実装されてい
る。シャント抵抗39とサーミスタ42については、煩
雑を避けるため、図1では図示省略している。この金属
基板60の上面には、図1に示すように、パワー端子6
2と信号端子63(いわゆるバラ端子)が、クリーム半
田による表面実装によって各々一列に並んで取り付けら
れている。
【0027】このうちパワー端子62は、金属基板60
と絶縁基板70との間の四つのパワーライン(前述した
電源ラインL1,L2及び通電ラインL3,L4)の接
続を実現するパワー接続部を構成するものである。ま
た、信号端子63は、金属基板60と絶縁基板70との
間の複数の信号ライン(各FETSW1〜SW4の駆動
ラインや、前述の電流検出信号の入力ライン40やサー
ミスタ42からの温度信号入力ラインなど)の接続を実
現する信号接続部を構成するものである。なお図3
(b)は、金属基板60上の回路要素の配置を示す図で
ある。この図3(b)に示すように、金属基板60上に
は、FETチップ61やシャント抵抗39の実装領域の
外側に、信号端子63の実装領域が設けられており、前
述のサーミスタ42は、金属基板60上の発熱部品であ
るFETチップ61(スイッチング素子)やシャント抵
抗39から離れた信号端子63のさらに外側位置に実装
されている。
【0028】次に、絶縁基板70について説明する。絶
縁基板70は、例えば合成樹脂製の基板に印刷配線技術
により所定の導体パターンを形成し、制御回路33を構
成する回路部品(例えばマイコンチップや、その入出力
回路を構成するトランジスタなど)や、金属基板60に
実装されないその他の回路要素(例えば、図4に示す電
源回路35、電解コンデンサ38、電磁リレー38b、
及びチョークコイル41)、さらには外部配線のための
コネクタ71,72,73,74(図1及び図2に示
す)を実装してなるもので、基本的には一般のプリント
基板と同様の構成である。コネクタ71,72,73,
74は、基板とは別部品のコネクタ部材が絶縁基板70
の一端縁にネジ止めされてなる。ここで、コネクタ71
は、モータ31の各コイル端子に接続された通電ライン
の配線が接続されるコネクタであり、コネクタ72は、
バッテリー34の正極又はグランドに接続された電源配
線が接続されるコネクタであり、コネクタ73,74
は、イグニションスイッチ(起動スイッチ37)やトル
クセンサ36などの各種信号線(制御回路33のユニッ
ト外部に対する入出力信号の信号線)が接続されるコネ
クタである。
【0029】この絶縁基板70において、前述の金属基
板60のバラ端子(パワー端子62及び信号端子63)
に対向する位置には、図1に示すように、前記バラ端子
が嵌合するスルーホール75,76が各々一列に並んで
形成され、図1に示すように絶縁基板70を放熱ケース
50(金属基板60が取り付けられたもの)に取り付け
る際の平行移動によって、前記バラ端子の先端部がこれ
らスルーホール内にいっせいに嵌合する構成となってい
る。即ち、前記バラ端子の前記スルーホール内への挿入
作業は、絶縁基板70を取り付ける際の通常の動作(図
1では、絶縁基板70を位置決めて水平に保ちつつ下降
させて放熱ケース50等に対して押し付ける動作)で全
て実現でき、この動作で絶縁基板70の取り付け(ネジ
92のねじ込み作業除く)と電気的接続のための端子接
合が完了する。ここで、スルーホール76は、信号端子
63に対応する個数(この場合、7個)設けられ、各信
号端子63の先端部が上記取付時に容易に挿入可能な形
状寸法となっている。また、スルーホール75は、パワ
ー端子62に対応する個数(即ち、4個)設けられ、各
パワー端子62の先端部が上記取付時に容易に挿入可能
な形状寸法となっている。
【0030】なお、絶縁基板70の回路部品の実装面
は、組み付け状態において、この場合ユニット内側の面
(図1では下面)とされ、この絶縁基板70上の回路部
品は、金属基板60上の回路部品と略同一平面上に配置
されている。このため、金属基板60、及び絶縁基板7
0の何れかに実装される全ての回路部品が、結局、ユニ
ット30の厚さ方向において必要最小限のスペース内
(一枚基板の場合と同程度の厚さ内)に全て収まってい
る。さらにいえば、ユニット30全体の厚さ方向(図1
及び図2では上下方向)の大きさは、各基板に実装され
る大型部品(例えば、電解コンデンサ38等)の厚さ寸
法に、放熱ケース50の比較的少ない厚さとカバー80
の僅かな厚さを加えた程度のものとなっている。
【0031】次に、カバー80について説明する。カバ
ー80は、例えば鋼製の板材のプレス加工等よりなるも
ので、図2に示すように、放熱ケース50の開口側(絶
縁基板70の裏面側)を覆うカバー本体部81に、車体
への固定用の脚部材82,83を例えばスポット溶接等
によって固定してなるものである。このカバー本体部8
1の周縁は、放熱ケース50の開口側の周縁(コネクタ
71〜74の配置部分を除く)に、取付状態において接
合しており、この接合部分には必要に応じて接着剤が塗
布されて、いわゆる接着シールが施される。
【0032】次に、前述した制御回路33の過熱防止機
能(第1電流制限機能及び第2電流制限機能)の詳細に
ついて説明する。制御回路33は、例えば図5(a),
(b)に示す処理をPWM駆動信号を更新するタイミン
グで毎回行って、第1電流制限機能と第2電流制限機能
をそれぞれ実現する。ここで、第1電流制限機能は、金
属基板60の回路要素(特に表面実装されたFETチッ
プ61の半田付け接続部)の温度を許容温度以下に保持
すべく、サーミスタ42による検出温度TAに基づい
て、モータ電流を電流制限値ImaxA以下になるよう
に必要に応じて目標電流値よりも低下させる機能であ
る。また、第2電流制限機能は、モータ31及び絶縁基
板70の回路要素の温度を許容温度以下に保持すべく、
シャント抵抗39による検出電流Imに基づいて、モー
タ電流を電流制限値ImaxB以下になるように必要に
応じて目標電流値よりも低下させる機能である。
【0033】第1電流制限機能の処理が開始されると、
まず、図5(a)のステップS1で、サーミスタ42の
出力電圧値(A/D変換値)から検出温度TAのデータ
(前記出力電圧値そのものでもよい)をサンプリングす
るとともに、前述した電源電圧検出回路によって検出さ
れている電源電圧Vbの現在値を読み取る。なお、ハン
チングを防止するとともに、操舵性への悪影響を回避す
るため、サーミスタ42による検出温度TAや電源電圧
Vbの測定値の分解能は極力小さくすることが望まし
い。次にステップS2で、ステップS1で読み込んだ最
新の検出温度TAや電源電圧Vbのデータに基づいて、
図6(a)に示す温度と最大電流の関係から、電流制限
値ImaxAの値を決定する。ここで、第1電流制限機
能における電流制限値ImaxAは、図6(a)に示す
ように、検出温度TAが検出しきい値KA1(第1しき
い値)を越えるまでは最大値(この場合、60A)とさ
れ、検出温度TAが検出しきい値KA1を越えると、検
出温度TAの増加に応じて連続的かつ直線的に減少し、
検出温度TAが0Aしきい値KA2(第2しきい値)に
到達すると、ゼロとなるように設定されている。また、
上記検出しきい値KA1と0Aしきい値KA2は、例え
ばFETチップ61の半田付け接続部(ジャンクション
部)の温度が許容温度を超えないことを考慮して、55
〜85℃或いは90〜120℃の範囲で、電源電圧Vb
に応じて段階的に増減する(電源電圧Vbが例えば減少
すれば各しきい値が減少する)ようになっている。
【0034】具体的には、例えば電源電圧Vbが9.0
V以下の場合、検出しきい値KA1が55℃で0Aしき
い値KA2が90℃とされ、電源電圧Vbが9.0Vを
超えて9.1V以下の場合、検出しきい値KA1が59
℃で0Aしきい値KA2が94℃とされ、途中を省略し
て、電源電圧Vbが11.5V以上の場合、検出しきい
値KA1が85℃で0Aしきい値KA2が120℃とさ
れるといったように、電源電圧Vbの各範囲に対する検
出しきい値KA1と0Aしきい値KA2の値が例えばテ
ーブルデータとして制御回路33のメモリに登録されて
いる。そして制御回路33は、ステップS1で読み込ん
だ最新の電源電圧Vbのデータに基づいて、このテーブ
ルデータから該当する検出しきい値KA1と0Aしきい
値KA2のデータを読み込み、図6(a)の特性におけ
る検出しきい値KA1のポイントと0Aしきい値KA2
のポイント間を直線補間する演算を行うことで、図6
(a)の特性を確定し、こうして確定した電流制限値の
特性とステップS1で読み込んだ最新の検出温度TAの
データに基づいて、電流制限値ImaxAの値を決定す
る。
【0035】次いでステップS3では、操舵トルクや車
速によって設定されている最新の目標電流値(電流指
令)が、ステップS2で決定された電流制限値Imax
Aの値以上か否か判定し、電流制限値ImaxAの値以
上であれば、電流制限を行うべくステップS4に進み、
そうでなければ、電流制限値未満であるので電流制限の
必要はないとして、1シーケンスの処理を終了する。そ
してステップS4では、目標電流値を電流制限値Ima
xAの値に更新して下方修正するか、目標電流値に応じ
てPWM駆動信号を出力する出力信号伝達系におけるゲ
インを低下させて、モータ電流が電流制限値ImaxA
になるように調整する(つまり結果としては、電流制限
値ImaxAの値以下にモータ電流を制限する)。な
お、ステップS4を経ると、1シーケンスの処理を終了
する。
【0036】次に、第2電流制限機能の処理が開始され
ると、まず、図5(b)のステップS21で、シャント
抵抗39の入力ライン40の出力電圧値(A/D変換
値)から検出電流Imのデータ(前記出力電圧値そのも
のでもよい)を複数回サンプリングするとともに、この
検出電流Imのデータから例えば図3(a)に示す演算
処理によってモータ31や絶縁基板70の推定温度TB
を求める。具体的には、検出電流Imの二乗を計算し、
この計算結果に監視対象の抵抗値R(例えば、モータ3
1の抵抗値)を乗算することによって、監視対象におい
て発生するジュール熱の発熱量RImを逐次求める。
さらに、このように求められた発熱量RImの最新の
データ列に対して、監視対象の温度特性(予め、実験又
は計算により求めた特性)を考慮したローパスフィルタ
処理(データ列を積分し、高周波ノイズ成分を除去する
処理)を実行することによって、この発熱量による温度
上昇値ΔT(例えば、図3(a)に示すTX+TY)を
求める。そして、このようにして得られた最新の温度上
昇値ΔTと予め測定された初期温度TZとを加算するこ
とで、その時点における監視対象の推定温度TB(=T
Z+ΔT)を求める。
【0037】なお、図3(a)は、推定温度TBとして
モータ31の温度を求める例を示している。この場合、
発熱量RImに対して、モータ31のブラシ温度特性
を考慮したローパスフィルタ処理(LPF1)を実行す
ることによって、モータ31のブラシでの発熱による温
度上昇TXを求め、さらに、この温度上昇TXに対し
て、モータ31のケース温度特性を考慮したローパスフ
ィルタ処理(LPF2)を実行することによって、モー
タ31のケースでの発熱による温度上昇TYを求めてい
る。そして、これら温度上昇TX及びTYを加算するこ
とでモータ31全体の温度上昇値ΔTを求めている。ま
た、初期温度TZは、監視対象の初期温度(装置の運転
前の温度であり、外気温と略同じ)であり、この初期温
度TZとしては、例えば制御回路33が起動時の図示し
ない処理においてサンプリングして記憶しておいたサー
ミスタ42による検出温度を使用することができる。な
お、推定温度TBの推算方法は、上記のような態様に限
定されず、監視対象の特性等に応じて、好ましい各種の
態様が採用しうることはいうまでもない。
【0038】次にステップS22では、ステップS21
で算出された最新の推定温度TBのデータに基づいて、
図6(b)に示す温度と最大電流の関係から、電流制限
値ImaxBの値を決定する。ここで、第2電流制限機
能における電流制限値ImaxBは、図6(b)に示す
ように、推定温度TBが検出しきい値KB1(第1しき
い値)を越えるまでは最大値(この場合、60A)とさ
れ、推定温度TBが検出しきい値KB1を越えると、推
定温度TBの増加に応じて連続的かつ直線的に減少し、
推定温度TBが0Aしきい値KB2(第2しきい値)に
到達すると、ゼロとなるように設定されている。但しこ
の場合、推定温度TBが通常状態(KB1未満の状態)
から増加してゆく場合と、推定温度TBが0Aしきい値
KB2に一旦到達した後にKB1未満まで減少してゆく
場合とでは、各しきい値KB1,KB2の値に差が設け
られており、良好なヒステリシスが得られる特性となっ
ている。
【0039】具体的には、推定温度TBが通常状態から
増加してゆく場合、検出しきい値KB1が例えば160
℃とされ、0Aしきい値KB2が190℃とされてい
る。また、推定温度TBが0Aしきい値KB2(190
℃)に一旦到達した後にKB1未満(140℃未満)に
復帰するまでの間では、検出しきい値KB1が140℃
で0Aしきい値が170℃とされており、このような増
加時と復帰時の検出しきい値KB1と0Aしきい値KB
2の値が制御回路33のメモリに登録されている。そし
て制御回路33は、ステップS21で算出された過去の
推定温度TBの変動状況に基づいて増加時か復帰時かを
判断し、上記メモリから該当する検出しきい値KB1と
0Aしきい値KB2のデータを読み込み、図6(b)の
特性における検出しきい値KB1のポイントと0Aしき
い値KB2のポイント間を直線補間する演算を行うこと
で、図6(b)の特性を確定し、こうして確定した電流
制限値の特性とステップS21で求めた最新の推定温度
TBのデータに基づいて、電流制限値ImaxBの値を
決定する。
【0040】次いでステップS23では、操舵トルクや
車速によって設定されている最新の目標電流値(電流指
令)が、ステップS22で決定された電流制限値Ima
xBの値以上か否か判定し、電流制限値ImaxBの値
以上であれば、電流制限を行うべくステップS24に進
み、そうでなければ、電流制限値未満であるので電流制
限の必要はないとして、1シーケンスの処理を終了す
る。そしてステップS24では、目標電流値の値を電流
制限値ImaxBの値に更新して下方修正するか、目標
電流値に応じてPWM駆動信号を出力する出力信号伝達
系におけるゲインを低下させて、モータ電流が電流制限
値ImaxBになるように調整する(つまり結果的に、
電流制限値ImaxBの値以下にモータ電流を制限す
る)。なお、ステップS24を経ると、1シーケンスの
処理を終了する。
【0041】以上説明した図5の処理によれば、監視対
象(各基板の回路要素やモータ)の温度が許容温度近く
に上昇し前述の温度TA又はTBが検出しきい値以上に
なると、モータ電流が最大電流60Aよりも小さい各電
流制限値以下に制限される(即ち、ImaxAとIma
xBのうちの小さい方を超えないように制限される)。
このため、操舵補助トルクがその分低減されて、ハンド
ル操作がその分重くなるものの、過熱により各基板の回
路要素やモータが劣化又は損傷することが、積極的かつ
確実に回避できる。さらにいえば、発熱の源である電流
を制限するので、放熱ケース50や回路要素の容量を大
型化することなく、ユニット全体及びモータを過熱から
確実に保護することができ、装置の大型化を回避しつ
つ、高信頼性を確保することができる。
【0042】以上説明したユニット30であると、以下
のような実用上優れた各種の効果が得られる。 (1)即ちユニット30は、ユニット内部の構成が、二
つの基板(金属基板60と絶縁基板70)が積層配置さ
れた2ピース構造となるため、組立工数や部品点数が少
なくなり、生産性が向上してコストアップが回避される
(図8に示した構成に比較すれば、大幅にコスト低減で
きる)。しかも、各回路部品が機能毎に最適な基板に実
装され、各基板が積層配置されている。このため、ユニ
ットの大幅な小型化が可能となり、車両への搭載性が格
段に向上する。
【0043】即ち、まず発生熱量の多い駆動回路32や
シャント抵抗39は、熱伝導性の良い金属基板60に実
装されて高い放熱性が確保される。これにより、この駆
動回路32の回路導体を構成する金属基板60上の導体
パターンの幅や間隔を従来よりも狭く設定可能となり、
駆動回路実装部分の面積、ひいては金属基板60全体の
面積が縮小できる。また、流れる電流が少ない制御回路
33は、通常のプリント基板である絶縁基板70に実装
され必要最小限の面積内に配設できる。このため、金属
基板60上の実装部品と絶縁基板70上の実装部品の干
渉を避けて、二つの基板間距離(積層距離)を小さく
し、各基板60,70とその実装部品の配置スペースを
厚さ方向に小さくすることが可能となる(この場合、一
枚基板の場合と同程度の厚さ寸法となっている)。しか
も、金属基板60と絶縁基板70が積層配置されること
により、全体として面方向の大きさが大幅に縮小され
る。したがって、ユニットの面方向の大きさが大幅に縮
小されるとともに、ユニットの厚さ方向の大きさも従来
と同程度とすることができ、それにともなって重量も軽
減できる。
【0044】さらにこの発明によれば、金属基板60に
実装されたサーミスタ42による検出温度TAに基づく
第1電流制限機能と、シャント抵抗39による検出電流
Imに基づく第2電流制限機能によって、操舵トルクや
車速に対応する目標電流値よりも必要に応じてモータ電
流が強制的に低下するように制御され(即ち、検出温度
TAや前述の推定温度TBに基づく電流制限値以下にモ
ータ電流が制限され)、これによって金属基板60の回
路要素(主に前記スイッチング素子、特にFETチップ
61の半田接続部)の温度と、モータ31及び絶縁基板
70の回路要素の温度が、それぞれ許容温度以下に確実
に保持される。このため、電流増による熱衝撃性の問題
(半田溶融による接続不良を含む)をより信頼性高く解
消できるとともに、このような過熱防止機能がない場合
に比して、例えば各基板の導体パターンの幅や間隔がよ
り狭く設定可能となり、また実装部品の容量を比較的小
さくすることも可能となって、単にツーピース構造とし
た場合よりもさらなる小型化が可能となる。したがって
本例によれば、モータ電流が多い大型な車両について
も、ユニットの高い適用性や搭載性が得られる。
【0045】(2)またユニット30は、この場合図1
における下面側の外壁を構成するように配置された放熱
ケース50を備え、この放熱ケース50の内面に金属基
板60の裏面が接合されている。このため、部品点数の
増加を回避しつつ、駆動回路32等で発生する熱の高い
放熱性を確保できる。というのは、放熱部材である放熱
ケース50が外壁を構成する構造であるので、放熱部材
が設けられる部分の外壁を構成する部材(カバー部材)
が不要になり、さらに金属基板60に接合した放熱部材
の外面が外気にさらされることになるので、高い放熱性
が得られる。
【0046】(3)またユニット30では、サーミスタ
42が、金属基板60上の発熱部品であるスイッチング
素子(FETチップ61)やシャント抵抗39から離れ
た信号端子63のさらに外側位置に実装されている(図
3(b)参照)。このため、金属基板60上の発熱部品
(スイッチング素子やシャント抵抗39)の過渡的な温
度変化に影響されないで、金属基板60上の回路要素の
過熱保護のために最適な金属基板60の温度、即ち、過
熱に最も弱いスイッチング素子等の接続部(ジャンクシ
ョン部)のベース温度が、検出温度TAとして高精度に
測定できる。この結果、過渡的な温度上昇によって不必
要に第1電流制限機能が働いて、操舵補助トルクが不必
要に低下する弊害が回避できるようになる。
【0047】(4)またユニット30では、検出温度T
Aが検出しきい値KB1(第1しきい値)を越えると、
第1電流制限機能における電流制限値ImaxAが検出
温度TAの増加に応じて最大電流60Aから減少し、検
出温度TAが0Aしきい値KB2(第2しきい値)に到
達すると、電流制限値ImaxAがゼロとなる。このた
め、例えば、金属基板60の高温状態の程度が、それ程
緊急性を有しないような比較的低いレベルのときには、
電流を制限する度合いを少なくして、なるべく大きな操
舵補助トルクを確保するといった柔軟な制御が可能とな
る。特にこの場合には、連続的に電流制限値ImaxA
を減少させるので、金属基板60の高温状態の程度に応
じたきめの細かい電流制限が可能となり、なるべく必要
最小限の電流制限で金属基板60の過熱(特に、スイッ
チング素子の接続部の溶融等を引き起こす高温状態)を
確実に回避し、一方ではできる限りの操舵補助トルクを
発生させることが、より緻密に可能となる。
【0048】(5)またユニット30では、電源電圧V
bが高ければ、比較的温度上昇が起き難いので、第1電
流制限機能における検出しきい値KA1と0Aしきい値
KA2を比較的大きな値に変化させ、逆に電源電圧が低
い場合には、スイッチング素子などの損失が増加して比
較的温度上昇が起き易いので、検出しきい値KA1と0
Aしきい値KA2を比較的小さな値に変化させている。
このため、第1電流制限機能による電流制限(いいかえ
ると、操舵補助トルク制限)が、電源電圧Vbの変動に
応じた必要最小限の程度で実行されることになり、電源
電圧Vbの変動マージン分だけ余裕をもって不必要に操
舵補助トルクを低下させる必要がなくなり、有害な高温
状態を回避しつつできる限りの操舵補助トルクを発生さ
せることが、さらに緻密に可能となる。
【0049】(6)またユニット30では、推定温度T
Bが検出しきい値KB1(第1しきい値)を越えると、
推定温度TBの増加に応じて第2電流制限機能における
電流制限値ImaxBが最大電流60Aから減少し、推
定温度TBが0Aしきい値KB2(第2しきい値)に到
達すると、電流制限値ImaxBがゼロになる。このた
め、例えば、モータ31或いは絶縁基板70の高温状態
の程度が、それ程緊急性を有しないような比較的低いレ
ベルのときには、電流を制限する度合いを少なくして、
なるべく大きな操舵補助トルクを確保するといった柔軟
な制御が可能となる。特にこの場合には、連続的に電流
制限値ImaxBを減少させるので、上記高温状態の程
度に応じたきめの細かい電流制限が可能となり、なるべ
く必要最小限の電流制限でモータ31及び絶縁基板70
の過熱(特に、絶縁基板70上の大電流回路部品の接続
部の溶融等を引き起こす高温状態)を確実に回避し、一
方ではできる限りの操舵補助トルクを発生させること
が、より緻密に可能となる。
【0050】以上を総括すると、本形態例のユニット3
0は、大電流化に対応でき、しかも小型かつ軽量で車両
への搭載性が高く、さらに構成が簡素で生産性が高く比
較的安価となる。なお発明者らは、前述した過熱防止機
能を実施することで、モータ電流が例えば最大60A〜
80A程度となる大型な車両に対しても、上述したよう
なユニット30の構造が実用可能であり、小型化等の点
で図9に示した従来の構成(或いは、図8に示した構
成)に対して格段に優位性があることを試作品の試験等
で確認している。
【0051】なお、本発明は以上説明した形態例に限定
されないことはいうまでもない。例えば上記形態例で
は、図3(a)に示すように、第2電流制限機能におけ
る推定温度TBとしてモータ温度を算出しており、この
モータ温度を指標として第2電流制限機能を働かすこと
で絶縁基板70上の回路要素の過熱防止をも実現してい
る。これは、モータ温度と絶縁基板70の温度が略同様
に取り扱えるためである。しかし、モータ温度の代わり
に絶縁基板70の温度を推定してもよいし、モータ温度
と絶縁基板70の温度をそれぞれ別個に推定し、第2電
流制限機能の処理をモータ温度と絶縁基板70の温度に
ついて、それぞれ別個に実行する態様でもよい。また上
記形態例では、第1しきい値を超える温度増加に応じて
電流制限値を直線的に減少させているが、曲線的(非線
形)に変化させてもよいし、段階的に(階段状に)変化
させてもよい。また、電源電圧に対する電流制限値の変
化を例えば比例計算を行って連続的に行うようにしても
よい。
【0052】また上記形態例では、温度TAやTBが第
1しきい値を超えると、即座に電流制限機能が働いて最
大電流が通常値(例えば60A)よりも減少するアルゴ
リズムとなっているが、例えば温度TAやTBが第1し
きい値を超えている時間が規定時間(例えば1秒〜数
秒)以上となったときに初めて、電流制限機能が働いて
最大電流が減少する構成でもよい。また上記形態例で
は、第1電流制限機能と第2電流制限機能を図5に示し
た別個の処理で実現しているが、例えば図7に示すよう
な一連の処理によって、両方の電流制限機能を実現する
こともできる。ここで、図7におけるステップS31,
S32は、図5のステップS1,S2と同じ処理であ
り、図7におけるステップS33,S34は、図5のス
テップS21,S22と同じ処理である。また、図7に
おけるステップS35は、ステップS32,S34で決
定した電流制限値ImaxAとImaxBのうちの小さ
い方を、電流制限値Imaxとして決定する処理であ
る。また、図7におけるステップS36,S37は、図
5のステップS3,S4或いはS23,S24と同様
に、電流制限値Imax以下にモータ電流を制限するた
めの処理である。
【0053】
【発明の効果】この発明によれば、ユニット内部の構成
が、二つの基板(金属基板と絶縁基板)が積層配置され
た2ピース構造となるため、組立工数や部品点数が少な
くなり、生産性が向上してコストアップが回避される。
しかも、各回路部品が機能毎に最適な基板に実装され、
各基板が積層配置されている。このため、ユニットの大
幅な小型化が可能となり、車両への搭載性が格段に向上
する。即ち、まずアシストモータの通電状態を切り替え
るスイッチング素子を含み発生熱量の多い駆動回路は、
熱伝導性の良い金属基板に実装されて高い放熱性が確保
される。これにより、この駆動回路の回路導体を構成す
る金属基板上の導体パターンの幅や間隔を従来よりも狭
く設定可能となり、駆動回路実装部分の面積、ひいては
金属基板全体の面積が縮小できる。また、流れる電流が
少ない制御回路は、通常の絶縁基板に実装され必要最小
限の面積内に配設できる。このため、金属基板上の実装
部品と絶縁基板上の実装部品の干渉を避けて、二つの基
板間距離を小さくし、各基板とその実装部品の配置スペ
ースを厚さ方向に小さくすることが可能となる。しか
も、金属基板と絶縁基板が積層配置されることにより、
全体として面方向の大きさが大幅に縮小される。したが
って、ユニットの面方向の大きさが大幅に縮小されると
ともに、ユニットの厚さ方向の大きさも従来と同程度と
することができ、それにともなって重量も軽減できる。
【0054】さらにこの発明によれば、金属基板に実装
されたサーミスタによる検出温度に基づく第1電流制限
機能と、シャント抵抗による検出電流に基づく第2電流
制限機能によって、操舵トルクに対応する目標電流値よ
りも必要に応じてモータ電流が強制的に低下するように
制御され(即ち、前記検出温度等に基づいて所定の電流
制限値以下にモータ電流が制限され)、これによって金
属基板の回路要素(主に前記スイッチング素子)の温度
と、アシストモータ及び絶縁基板の回路要素の温度が、
それぞれ許容温度以下に確実に保持される。このため、
電流増による熱衝撃性の問題(半田溶融による接続不良
を含む)をより信頼性高く解消できるとともに、このよ
うな過熱防止機能がない場合に比して、例えば各基板の
導体パターンの幅や間隔がより狭く設定可能となり、ま
た実装部品の容量を比較的小さくすることも可能となっ
て、単にツーピース構造とした場合よりもさらなる小型
化が可能となる。したがって本発明によれば、アシスト
モータの電流量が多い大型な車両についても、ユニット
の高い適用性や搭載性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コントロールユニットの要部分解斜視図であ
る。
【図2】コントロールユニットの斜視図(カバー外し状
態及び完成状態)である。
【図3】推定温度の算出処理と、金属基板上の要素の配
置を示す図である。
【図4】コントロールユニットの回路構成を示す図であ
る。
【図5】電流制限機能の処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】電流制限値の特性を示す図である。
【図7】電流制限機能の処理(別例)を示すフローチャ
ートである。
【図8】コントロールユニットの比較例を示す図であ
る。
【図9】コントロールユニットの従来例を示す図であ
る。
【符号の説明】
30 コントロールユニット 31 アシストモータ 32 駆動回路 33 制御回路 39 シャント抵抗 50 放熱ケース 60 金属基板 63 信号端子 70 絶縁基板 71〜74 コネクタ TA サーミスタによる検出温度 TB アシストモータ又は絶縁基板の推定温度 ImaxA,ImaxB 電流制限値 KA1,KB1 検出しきい値(第1しきい値) KA2,KB2 0Aしきい値(第2しきい値) Vb 電源電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東原 由晃 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町 801番地 オムロン株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC50 DA15 DA64 DA67 EC23 EC40 3D033 CA16 CA20 CA28 JB02 JB14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操舵系に連結されたアシストモー
    タにより操舵補助トルクを発生させる電動パワーステア
    リング装置のコントロールユニットであって、 前記アシストモータの各コイル端子を高電位電源ライン
    又は低電位電源ラインに切り替え可能に接続するスイッ
    チング素子を含む駆動回路と、 前記操舵系の操舵トルクに応じて前記スイッチング素子
    を作動させて、前記操舵補助トルクが前記操舵トルクに
    応じた値になるように、前記アシストモータの電流を所
    定の目標電流値に制御する制御回路と、 基材が金属よりなり、前記駆動回路、この駆動回路を介
    して前記アシストモータに流れる電流を検出するための
    シャント抵抗、及び温度検出用のサーミスタが実装され
    た金属基板と、 基材が絶縁性材料よりなり、前記制御回路が実装された
    絶縁基板と、 前記金属基板と絶縁基板が相互に重なるように取り付け
    られ、ユニットの外壁を構成する金属製の放熱ケースと
    を備え、 前記制御回路は、 前記金属基板の回路要素の温度を許容温度以下に保持す
    べく、前記サーミスタによる検出温度に基づいて、前記
    アシストモータの電流を、所定の電流制限値以下になる
    ように必要に応じて前記目標電流値よりも低下させる第
    1電流制限機能と、 前記アシストモータ及び前記絶縁基板の回路要素の温度
    を許容温度以下に保持すべく、前記シャント抵抗による
    検出電流に基づいて、前記アシストモータの電流を、所
    定の電流制限値以下になるように必要に応じて前記目標
    電流値よりも低下させる第2電流制限機能とを有するこ
    とを特徴とするコントロールユニット。
  2. 【請求項2】 前記金属基板上には、前記スイッチング
    素子や前記シャント抵抗の実装領域の外側に、当該金属
    基板と前記絶縁基板間の信号ラインの接続のための信号
    端子が設けられており、 前記サーミスタは、前記金属基板上の発熱部品である前
    記スイッチング素子や前記シャント抵抗から離れた前記
    信号端子のさらに外側位置に実装されていることを特徴
    とする請求項1記載のコントロールユニット。
  3. 【請求項3】 前記第1電流制限機能における電流制限
    値は、 前記サーミスタによる検出温度が第1しきい値を越える
    と、前記サーミスタによる検出温度の増加に応じて段階
    的又は連続的に減少し、前記サーミスタによる検出温度
    が第2しきい値に到達すると、ゼロ又はその近傍値とな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のコントロール
    ユニット。
  4. 【請求項4】 前記第1しきい値と第2しきい値は、電
    源電圧の検出値に応じて段階的又は連続的に増減するこ
    とを特徴とする請求項3記載のコントロールユニット。
  5. 【請求項5】 前記制御回路は、 前記シャント抵抗による検出電流からジュール熱による
    温度上昇分を算出し、この温度上昇分に初期温度を加算
    することで、前記アシストモータ又は前記絶縁基板の推
    定温度を求める機能を有し、 前記第2電流制限機能における電流制限値は、 前記推定温度が第1しきい値を越えると、前記推定温度
    の増加に応じて段階的又は連続的に減少し、前記推定温
    度が第2しきい値に到達すると、ゼロ又はその近傍値と
    なることを特徴とする請求項4記載のコントロールユニ
    ット。
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