JP3808267B2 - 電動式パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータの回転力によって車両のステアリング装置に補助操舵力を付勢する電動式パワーステアリング制御装置に関するもので、特に、その制御回路の構成に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、一般的な電動式パワーステアリング制御装置のモータ制御部を示す回路図である。図において、40は車両のハンドル(図示せず)に対して補助トルクを出力するモータ、41はモータ40を駆動するためのモータ電流IMを供給するバッテリである。
【0003】
42はモータ電流IMのリップル成分を吸収するための大容量(3600μF程度)のコンデンサ、43はモータ電流IMを検出するためのシャント抵抗器(電流検出抵抗器)、44は補助トルクの大きさおよび方向に応じてモータ40に流すモータ電流IMの大きさ及び方向切り換えをするための複数の半導体スイッチング素子(例えば、FET)Q1〜Q4からなるブリッジ回路、49は半導体スイッチング素子のON/OFF時に発生する電磁ノイズを除去するためのコイルである。
【0004】
L1はコンデンサ42の一端をグランドに接続する導電線、P1およびP2は半導体スイッチング素子Q1〜Q4をブリッジ接続すると共に、接続点にシャント抵抗器43およびブリッジ回路44をそれぞれ接続する配線パターン、P3はブリッジ回路44の出力端子となる配線パターンである。
【0005】
45はモータ40およびバッテリ41をブリッジ回路44に接続するための複数のリード端子からなるコネクタ、L2はモータ40およびバッテリ41とコネクタ45とを接続するための外部配線、46はバッテリ41から供給されるモータ電流IMを必要に応じて通電遮断するための常開リレー、P4はリレー46、コンデンサ42およびシャント抵抗器43を接続する配線パターン、P5はコネクタ45をグランドに接続する配線パターンである。ブリッジ回路44の出力端子となる配線パターンP3は、コネクタ45を介して外部配線L2に接続されている。
【0006】
47はブリッジ回路44を介してモータ40を駆動すると共に、リレー46を駆動する駆動回路、L3は駆動回路47をリレー46の励磁コイルに接続する導電線、L4は駆動回路47をブリッジ回路44に接続する導電線、48はシャント抵抗器43の一端を介してモータ電流IMを検出するモータ電流検出部であり、駆動回路47およびモータ電流検出部48は後述するマイクロコンピュータの周辺回路素子を構成している。
【0007】
50は図示しないハンドルの操舵トルクTを検出するトルクセンサ、51は車両の車速Vを検出する車速センサである。55は操舵トルクTおよび車速Vに基づいて補助トルクを演算すると共にモータ電流IMをモータ電流検出部48よりフィードバック入力して補助トルクに相当する駆動信号を生成するマイクロコンピュータ(ECU)であり、ブリッジ回路44を制御するための回転方向指令D0および電流制御量I0を駆動信号として駆動回路47に入力する。
【0008】
マイクロコンピュータ55は、モータ40の回転方向指令D0および補助トルクに相当するモータ電流指令Imを生成するモータ電流決定部56と、モータ電流指令Imとモータ電流IMとの電流偏差ΔIを演算する減算器57と、電流偏差ΔIからP(比例)項、I(積分)項およびD(微分)項の補正量を算出してPWMデューティ比に相当する電流制御量I0を生成するPID演算部58とを備えている。
【0009】
また、図示しないが、マイクロコンピュータ55は、AD変換器やPWMタイマ回路等の他に周知の自己診断機能を含み、システムが正常に動作しているか否かを常に自己診断しており、異常が発生すると駆動回路47を介してリレー46を開放し、モータ電流IMを遮断するようになっている。L5はマイクロコンピュータ55を駆動回路47に接続するための導電線である。
更に、マイクロコンピュータ55は操舵制御の連続実行に伴ってモータ電流指令Imを監視している際に、所定値以上のモータ電流が所定時間以上流されたことを検出すると、モータ電流指令最大値Im(最大)を時間経過と共に段階的に低減することで、モータ40および回路素子が熱的に破壊されるのを防止する。
【0010】
一般に、モータ40とバッテリ41との間に介在された回路要素42〜44、49、配線パターンP1〜P5、導電線L1およびL2は、大電流のモータ電流IMに対応するため、後述するように放熱性(耐熱性)および耐久性等を考慮して大型に構成されている。一方、マイクロコンピュータ55、駆動回路47およびモータ電流検出部48を含む周辺回路素子ならびに導電線L3〜L5は、小電流に対応させるうえ高密度が要求されるため、小型に構成されている。
【0011】
図5は一般的な電動式パワーステアリング制御装置の制御回路の構造を示す平面図である。図5において、1はシールド板および放熱板の機能を兼ねた箱形の金属フレーム、2は金属フレーム1の底面上に載置された絶縁プリント基板、3は金属フレーム1の内側面に一端面が接合された例えばアルミニウム製の放熱板である。この放熱板3の他面には互いの絶縁を保持しながらブリッジ回路44を構成する各半導体スイッチング素子Q1〜Q4が接合されている。この場合、各半導体スイッチング素子Q1〜Q4は樹脂で被覆された一対のFETにより構成されている。
【0012】
絶縁プリント基板2には、各回路要素42、43、46、49および55等が載置されている。大容量のコンデンサ42は3個のコンデンサにより構成され、マイクロコンピュータ55は1チップのICにより構成されている。また、図面の煩雑さを防ぐために、周辺回路素子、配線パターンおよび導電線等を省略し、代表的な回路の構成要素のみを示す。
【0013】
4a〜4eは配線パターンP1〜P5等に相当する配線板であり、大電流に専用に対応するために、絶縁プリント基板2上の配線パターンとは別に幅および厚さの大きい導電板が用いられている。
【0014】
次に、図4を参照しながら、図5に示した従来の電動式パワーステアリング制御装置の動作について説明する。マイクロコンピュータ55は、トルクセンサ50および車速センサ51から操舵トルクTおよび車速Vを取り込むと共に、シャント抵抗器43からモータ電流IMをフィードバック入力することで、操舵トルクTおよび車速Vからパワーステアリングの回転方向指令D0とモータ電流指令Imを生成し、また、モータ電流指令Imとモータ電流IMとの電流偏差ΔIに基づき補助トルク量に相当する電流制御量I0とを生成したならば、これらを導電線L5を介して駆動回路47に入力する。
【0015】
駆動回路47は、定常駆動状態では導電線L3を介した指令に基づき常開リレー46を閉成しており、回転方向指令D0および電流制御量I0が入力されると、モータ40のPWM駆動信号を生成し、導電線L4を介してブリッジ回路44の各半導体スイッチング素子Q1〜Q4に印加する。
【0016】
これにより、モータ40は、バッテリ41から外部配線L2、コネクタ45、コイル49、リレー46、配線パターンP4、シャント抵抗器43、配線パターンP1、ブリッジ回路44、配線パターンP3、コネクタ45および外部配線L2を介して供給されるモータ電流IMにより駆動され、所要方向に所要量の補助トルクを出力する。
【0017】
このとき、モータ電流IMは、シャント抵抗器43およびモータ電流検出部48を介して検出され、マイクロコンピュータ55内の減算器57にフィードバック入力されることにより、モータ電流指令Imと一致するように制御される。また、モータ電流IMは、ブリッジ回路44のPWM駆動時のスイッチング動作によりリップル成分を含むが、該リップル成分は大容量のコンデンサ42により平滑されて抑制される。さらに、コイル49は、上記ブリッジ回路44がPWM駆動時に、スイッチング動作することにより発生するノイズが外部へ放出されて、ラジオノイズとなることを防止する。
【0018】
ところで、この種の電動式パワーステアリング制御装置で制御されるモータ電流IMの値は、軽自動車であっても25A程度であり、小型自動車では60A〜80A程度にも達する。従って、ブリッジ回路44を構成する半導体スイッチング素子Q1〜Q4は、モータ電流IMの大きさに対応して大型化すると共に、図示したように複数個を並列接続して、オン時およびPWMスイッチング時の発熱を抑制する必要がある。
【0019】
また、半導体スイッチング素子Q1〜Q4の発熱量を放熱するために、放熱板3が必要であり、モータ電流IMが大きくなるほど半導体スイッチング素子Q1〜Q4の個数も増加し、同時に放熱板3も大型化することになる。
【0020】
さらに、コネクタ45の端子から、コイル49、リレー46、シャント抵抗器43およびブリッジ回路44を経由したグランドまでの配線パターンP1、P2およびP4、ならびにブリッジ回路44からモータ40までの配線パターンP3の長さは、モータ電流IMの大電流化、半導体スイッチング素子Q1〜Q4の個数の増加、ならびに放熱板の大型化に比例して物理的に長くなる。
【0021】
この結果、各配線パターンP1〜P4での電圧降下に起因する発熱量により、温度上昇が大きくなると、配線パターンP1〜P4の耐熱性および耐久性を損なうおそれがある。これを防止するため、配線パターンP1〜P4には、図5のように幅や厚さの大きい大電流専用の配線板4a〜4eが用いられている。従って、絶縁プリント基板2の大型化を招くことになる。
【0022】
また、コンデンサ42、シャント抵抗器43、リレー46、およびコイル49は、モータ電流IMの大電流化に伴い大型化するが、これらを絶縁プリント基板2上に実装しようとすると、実装スペースの増大により、さらに絶縁プリント基板2の大型化を招くことになる。
【0023】
これらの問題を解決するために、例えば特開平6−270824号公報に記載されているようなものが知られている。
図6は特開平6−270824号公報に記載された電動式パワーステアリング制御装置を示すものであり、図6の(a)は装置の側断面図(ハッチングは省略)、図6の(b)は図6の(a)に示す絶縁プリント基板2を除いた状態を示す平面図である。尚、図中、図4、図5と同一符号は同一または相当部分を示し、図6の(b)において、1Aおよび3Aは金属フレーム1および放熱板3にそれぞれ対応している。
【0024】
なお、図示しない絶縁プリント基板2には、マイクロコンピュータ55、これに属するインターフェース回路、電源回路、論理回路および信号処理回路等の小電流の周辺回路素子が実装されており、さらにトルクセンサ50および車速センサ51(図4参照)に接続されるセンサ信号用コネクタ(図示せず)が設置されている。
【0025】
また、放熱板3Aは装置の下部のシールド板機能を有し、金属フレーム1Aは、放熱板3Aと電気的に接合されて完全なシールド構造を形成し、絶縁プリント基板2に対する電磁ノイズを遮断している。2Aは放熱板3A上に載置された別の絶縁プリント基板であり、マイクロコンピュータ55を載置する絶縁プリント基板2から分割されており、ICチップからなる駆動回路(周辺回路素子)47が載置されている。
【0026】
10は例えば電気化学工業製のHITT基板(商品名)からなる金属基板であり、3mmのアルミニウム基板上に80μmの絶縁層を介して、配線パターンPが100μmの銅パターン(20μmのアルミニウム膜が被覆されている)として形成されている。配線パターンPはP1〜P5等を総称しており、ここでは一部のみが図示されている。
【0027】
金属基板10は、裏面が放熱板3Aに固着されており、放熱機能が増大されている。金属基板10および分割された絶縁プリント基板2Aは、水平方向に並列配置されている。
【0028】
金属基板10上には、上記絶縁層を介して接合配置された配線パターンP上に、図示したように、シャント抵抗器43およびブリッジ回路44が実装されており、金属基板10は放熱板としても機能している。また、金属基板10上に形成された配線パターンPは、大電流に対応できるように十分な断面容量を有し、モータ電流IMが流れる回路素子が実装配置され得る。
【0029】
ブリッジ回路44を構成する半導体スイッチング素子Q1〜Q4は、例えば8個(各々2個ずつ)の樹脂被覆されていないベアチップからなり、銅またはモリブデンからなる一次放熱板(図示せず)に半田付けされており、さらに、金属基板10上の配線パターンP(P1〜P3等)に半田付けおよびアルミニウムボンディング等により結線され、図4のモータ40にブリッジ接続される。
【0030】
このように、樹脂被覆されていないことにより通常素子より小サイズとなっているベアチップの半導体スイッチング素子Q1〜Q4を用いることにより、ブリッジ回路44は、金属基板10上の小スペース内に配置され得る。従って、モータ電流IMの大電流化により半導体スイッチング素子Q1〜Q4が各々3個以上に並列接続されても、コンパクトに実装することができる。
【0031】
また、半導体スイッチング素子Q1〜Q4および配線パターンPからの発熱量は、金属基板10を介し放熱板3Aへ有効に伝達され、放熱板3Aから外気に放熱されるので、金属基板10を小型化しても温度上昇を抑制することができる。
【0032】
14a〜14gは金属基板10上の配線パターンPから突出して設けられた複数のリードであり、リード14aおよび14gは、リレー46の配線パターンP4および導電線L3に対応している。
【0033】
5は金属基板10と絶縁プリント基板2との間に介在された絶縁性の支持部材であり、金属基板10と絶縁プリント基板2との間の所定間隔を維持すると共に、コンデンサ42、コネクタ45およびリレー46が取り付けられている。絶縁プリント基板2および金属基板10は、支持部材5を上下から挟んでおり、互いに所定間隔を介して重合されている。
【0034】
コンデンサ42は、電極端子42aおよび支持端子42bを介して、支持部材5上のパターンに半田付けされている。コンデンサ42のグランド(−)側の電極端子42aはコネクタ45のグランド端子に接続され、陽極(+)側の電極端子42aはリード14eを介してシャント抵抗器43に接続され、支持端子42bはコンデンサ42の他端を支持部材5上に固定している。
【0035】
コネクタ45は例えばインサート樹脂モールドの一体成形等により、フレーム状に支持部材5に取り付けられると共に、内側に延長端子部45aを有している。また、延長端子部45aは、金属基板10から棒状に突出したリード14a〜14dに対向して電気的に接続されている。
【0036】
コネクタ45の外側端子部には、図4に示したように、外部配線L2を介してモータ40およびバッテリ41が接続されている。コネクタ45は、雄ピンを形成していてもよく、ネジ締め式の接続端子を形成していてもよい。
【0037】
リレー46は、バッテリ41側のリレー接点端子がコネクタ45のバッテリ端子に接続され、ブリッジ回路44側のリレー接点端子がリード14aを介して配線パターンP4に接続されている。
【0038】
このように、大きな取り付けスペースを必要とし、かつ金属基板10上に実装しにくい大容量のコンデンサ42、コネクタ45およびリレー46は、中間層に位置する支持部材5に取り付けられ、金属基板10上に突設したリード14a〜14gを介して配線パターンPに電気的に接続される。
【0039】
従って、金属基板10上の配線パターンPと、コンデンサ42およびリレー46の各端子部ならびにコネクタ45の延長端子部45aとの間の構造設計の自由度が大きくなり、コンパクトで配線長を有効に短縮することができる。また、支持部材5の上下に配設された絶縁プリント基板2および金属基板10も、使用スペースが有効に省略されるので小型化することができる。
【0040】
一方、別の絶縁プリント基板2Aのアルミナ厚膜基板上にハイブリッドICとして実装された駆動回路47は、導電線L4を介して金属基板10上のブリッジ回路44に接続され、導電線L5を介して絶縁プリント基板2上のマイクロコンピュータ55に接続される。
【0041】
このように、上層の絶縁プリント基板2とは別に、分割された絶縁プリント基板2Aを用い、この絶縁プリント基板2Aを下層の金属基板10と同一平面上に配設することにより、金属基板10側の無駄スペースが解消され、さらに小型化を実現することができる。従って、マイクロコンピュータ55およびその周辺回路素子(駆動回路47等)の高密度実装を実現できる。
【0042】
また、シールド板となる金属フレーム1Aは、放熱板3Aと協同して絶縁プリント基板2および2Aを完全に被覆し、絶縁プリント基板2および2Aに入力され得る電磁ノイズを確実に遮断する。
また、上記問題点を解決するために、他の装置として特開平7−231696号公報に開示された「電動機制御装置」がある。
この装置は、図4に示すシャント抵抗器43に温度係数の大きい材質のものを使用するすことで、シャント抵抗器に大電流が流れたときにその発熱により抵抗値が増加してモータ電流検出回路の出力が実際にモータに流れている電流よりも大きな値になる。これにより、CPUはモータに過大電流が流れていると判断してモータ電流が小さくなるように制御する。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来の電動式パワーステアリング制御装置によれば、シャント抵抗器に大きな温度係数を持つ材質を用いることで、このシャント抵抗器に大きな電流が流れると発熱して抵抗値が大きくなる。そして、この大きくなった抵抗値に基づいてモータ電流を検出するため、発熱量の大きいときには大きなモータ電流が検出され、この検出された電流値に基づいてマイクロコンピュータはモータ電流を制御する。
しかし、この場合、シャント抵抗器は自身を流れる電流による温度上昇に影響されるだけであり、周囲の素子、例えばブリッジ回路を構成するFETを温度上昇から保護することはできない。
又、制御装置を熱的破壊より保護する別の方法として、連続して操舵を行う場合に、回路に流れた過大電流による発熱によりモータ及び回路装置が熱的に破壊されるのを防止するため、所定値以上のモータ電流が所定時間以上流されたことを検出すると、モータ電流指令最大値Im(最大)を時間経過と共に段階的に低減することで、ブリッジ回路に流れる電流を時間と共に漸減させて、より多くの電流を流さないようにする制御を行っている。
しかし、この方法では、電流制御のためのプログラムが複雑となると共に、電流制御の応答性はプログラムの処理速度に影響されるため,過大電流によるモータ及び回路装置の熱的破壊を防止すると共に電流制御の応答性を確保する為には処理速度の速い高価なマイクロコンピュータが必要となり、コストアップにつながるという問題点があった。
【0044】
連続して操舵を行う場合の、他の過熱保護方法として、モータあるいは回路装置の温度を検出して、所定の温度以上で最大電流を制限する方法がある。
しかし、この方法では、温度検出素子やその周辺回路が必要となる為、コストアップにつながると共に、部品を実装する為のスペースが必要となるため、装置の大型化を招くという問題点があった。
【0045】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、モータおよび回路素子が熱的に破壊されるのを安価な方法で防止できる電動式パワーステアリング制御装置を得ることを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、車両のハンドルに対して補助トルクを発生するモータ、このモータを駆動するためのモータ電流を与えるバッテリ、前記モータ電流を検出するための電流検出手段、前記補助トルクに応じて前記モータ電流の量と方向を制御する電流制御手段、この電流制御手段の一部を構成する複数の半導体スイッチング素子からなるブリッジ回路、少なくとも前記ブリッジ回路及び前記電流検出手段を搭載する熱伝導性の良い基板、この基板に密着して取り付けられた熱伝導性の良い材料で構成された放熱板、前記ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサ、前記車両の車速を検出する車速センサ、前記ハンドルの操舵トルクおよび前記車両の車速に基づいて前記ブリッジ回路を制御するための駆動信号を生成するマイクロコンピュータおよび周辺回路素子を備えた電動式パワーステアリング制御装置において、前記電流検出手段は、パワーMOS FETと周辺回路素子で構成され、前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの抵抗値は、正の温度特性を持ち、パワーMOS FETのゲート印加電圧を可変することで調整可能であり、前記ブリッジ回路と前記電流検出手段を同一の基板上に搭載したものである。
【0050】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記ブリッジ回路及び前記電流検出手段を実装する熱伝導性の良い基板を金属基板で構成したものである。
【0051】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記熱伝導性の良い基板をセラミック基板で構成したものである。
【0052】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記熱伝導性の良い基板を窒化アルミ基板で構成したものである。
【0053】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、電流検出手段の抵抗値を前記半導体スイッチング素子の抵抗値以下の値としたものである。
【0054】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの熱抵抗値を、前記ブリッジ回路を構成する各半導体スイッチング素子の熱抵抗値以下の値としたものである。
【0055】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記電流検出手段を、前記各半導体スイッチング素子から所定値以内の距離に実装したものである。
【0057】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記放熱板が前記ハンドルの操舵機構を収容する金属製のハウジングである。
【0058】
この発明に係る電動式パワーステアリング制御装置は、前記放熱板が前記モータを収容する金属製のハウジングである。
【0059】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を各添付図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る電動式パワーステアリング制御装置を構成する回路素子および回路素子を実装する配線基板、配線基板を載置する放熱板、回路素子および配線基板を収納するケース、ケースを覆うシールドカバーを、その組立順に示す斜視図である。
尚、図中、図4〜図6と同一符号は同一または相当部分を示す。
図1において、1Bはシールドカバーであって、組み付けられた状態(図示せず)では、配線基板およびケースに取り付けた電子回路を取り囲み、電子回路に対する電磁ノイズを遮断するものである。64はマイクロコンピュータ等の電子制御ユニット(ECU)55やその周辺回路等の小電流部品を実装する第1基板であり、絶縁プリント基板により構成されている。65は半導体スイッチング素子Q1〜Q4、電流検出部43Aを構成するパワーMOS FET等の大電流部品を実装する第2基板であり、熱伝導性に優れた金属基板にて構成されている。尚、ECU55は演算手段を、電流検出部43Aは電流検出手段を、半導体スイッチング素子Q1〜Q4(Q2,Q4は図示せず)は電流制御手段をそれぞれ構成する。また、本実施の形態に係る電動式パワーステアリング制御装置の回路構成は、図4に示す従来の電動式パワーステアリング制御装置の回路構成におけるシャント抵抗器43に替えて後述(図3を参照)するMOS FET、抵抗器、直流電源から構成される電流検出部43Aを設けたものである。
【0060】
小電流部品を絶縁プリント基板(第1基板)64に実装し、大電流部品を金属基板(第2基板)65に実装することで2枚の基板構造とする。
その結果、各基板64,65の面積を小さくし、これら第1基板64と第2基板65をケース62を介して上下方向に重ね合わせることによって装置全体を小型化することができる。また、半導体スイッチング素子Q1〜Q4、電流検出部43等の大電流部品による発熱を熱伝導に優れた金属基板65を通して、後述する放熱板3Bへ伝えることによって、外部への熱放出を促進し、回路素子の熱的ダメージを極力防止することで装置の信頼性を向上させている。
【0061】
62はケースであり、外部機器との接続用のコネクタ45が一体的に形成されている。また、ケース62は、コネクタ45のリード端子をインサートモールド成形により形成しており、このリード端子は、ケース62内に延長され、後述するケース凹部66の底面66Aに配線パターンP6を形成しており、さらに延長され、第2基板65と接続するための延長端子67を形成している。
【0062】
3Bは放熱板であり、金属基板によって構成される第2基板65と接触するように取り付けられ、第2基板65に実装された電子部品によって発生した熱を外部に放出するものである。また、放熱板3Bには、ケース62の凹部66(図2を参照)と対向する部分に凹状の切り欠き部3Cが形成されている。なお、この放熱板3Bを備えない場合には、ケース62の凹部66に蓋をする図示しない保護カバーを設ける。
【0063】
図2の(a)はケース62の底面を示す平面図であり、図2の(b)はケース62を矢印A方向から見た側面図である。各図に示すように、ケース62の一部に凹部66を設け、その底面66Aにコネクタ45のリード端子を延長した延長端子によって形成された配線パターンP6が配設されている。回路構成部品のうち、コンデンサ42、リレー46、コイル49等のスペース的に大きな部品を、この凹部66に挿入して取り付け、配線パターンP6によって接続することによって、大きな部品をスペース効率よく収納できる。
コネクタ45のリード端子は、元々絶縁プリント基板等に配置される配線パターンよりも厚く、これを延長して設けた配線パターンP6によって電気的に接続できるため、大電流に対応して、配線パターンの幅を広くする必要がなく、装置全体を小型化することができる。
【0064】
また、装置をさらに小型化するためにケース62の高さを低くすると、コンデンサ42、リレー46またはコイル49の高さはケース62の高さより高くなり、ケース62の凹部66からコンデンサ42、リレー46またはコイル49の頂部が突出することになる。このような場合には、図1に示すように、ケース62に対向して取り付けられる放熱板3Bに凹状の切り欠き部3Cを設けて、この切り欠き部3Cにコンデンサ42、リレー46、コイル49等を挿入することによって、コンデンサ42、リレー46、コイル49等をケース62から突出させることなく、装置をさらに小型化することができる。
【0065】
マイクロコンピュータ55や周辺回路素子等の小電流が通電される部品を実装した第1基板64と、ブリッジ回路44や電流検出部43Aを構成するパワーMOS FET等の大電流が通電される部品を実装した第2基板65とを接続する導電線L5は、図1に示されるように、ケース62とは独立して設けられている。
このため、導電線L5を第2基板65へ接続する際には、単なる電気部品の1つとして基板に実装することができるので位置決めが容易である。
また、導電線L5を第1基板64と接続する際にも、導電線L5はケース62に固定されていないので、位置決めが比較的容易にできる。このように、導電線L5をケース62と独立して設けることによって第1基板64および第2基板65への接続が容易に行える。
【0066】
以上説明したように、放熱板3B上に第2基板65、ケース62、第1基板64を載置した後、ケース62を取付ネジ61により放熱板3Bに螺合したならば、これら全体をシールドカバー1Bによって取り囲むことによって、電磁ノイズによる装置の誤作動を防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0067】
次に、図3によって本実施の形態に係る電流検出部43Aの構成とその動作についての詳細を説明する。図3の(a)は、従来、抵抗器により構成した電流検出用のシャント抵抗に対し、温度上昇に対して抵抗値が増加する正温度特性を有するパワーMOS FETで構成した電流検出部43Aの構成を示す図である。
【0068】
この電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETは、ドレインDをリレー接点を通してバッテリ41のプラス端子に接続し、ソースSを配線パターンを通してブリッジ回路44の電流入力端およびモータ電流検出部48に接続する。また、ゲートGとソースS間には抵抗器Rを通して所定のバイアス電圧VGSが印加されている。
ケース温度に対するドレインD−ソースS間の抵抗値はバイアス電圧VGSにより変化する。
【0069】
図3の(b)は電流検出部43Aの、パワーMOS FETのゲートG−ソースS間のバイアス電圧VGSをパラメータとするパワーMOS FETのドレインD−ソースS間抵抗の温度特性である。
図3の(c)は電動式パワーステアリング制御装置の連続操舵時における、通電時間に対する電流検出部43の温度変化とパワーMOS FETのドレインD−ソースS間の抵抗変化と、モータ電流IMの変化との諸特性を示す図である。
【0070】
図3の(b)に示すように、電流検出部43を構成するパワーMOS FETのケース温度対ドレインDとソースS間の抵抗特性は、パワーMOS FETのゲートGとソースS間のバイアス電圧VGSを一定値(例えばVGS=1OV)とした場合、ケース温度の上昇と共にドレイン(D)とソース(S)間の抵抗は大きくなる。
このため、操舵装置の作動にともなうモータ電流IMの通電により、ブリッジ回路44を構成するパワーMOS FET Q1〜Q4が発熱すると、この熱が、同じ熱伝導性の良い第2基板65上に実装されている電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETのケースに伝達されて、図3の(b)のケース温度対抵抗変化に示すようにパワーMOS−FETのドレインD−ソースS間の抵抗が増大することで、電流検出部43Aの抵抗値の増大に至る。
【0071】
モータ電流IMは、電流検出部43Aを構成するパワーMOS−FETのドレインD−ソースS間の抵抗により電圧に変換されて検出されるため、ドレイン−ソース間の抵抗の増加は等価的に該抵抗による電圧降下の増加となる。
この電圧降下はモータ電流検出部48により検出され、モータ電流IMとしてマイクロコンピュータ55における減算器57にネガティブフィードバックされる。この結果、マイクロコンピュータ55は、モータ電流IMをより減少させる方向に制御する。
【0072】
以上のように、連続操舵時には、図3の(c)に示すように通電時間の経過と共に温度が上昇し、ドレインD−ソースS間の抵抗値も上昇することで、モータ電流IMは通電時間の経過と共に変化する減少率に従って低下するため、モータ電流IMによる発熱によりモータ40および回路素子が熱的に破壊されることから保護することができる。
【0073】
このように本実施の形態によれば、電流検出部43Aを構成するパワーMOSFETは、連続操舵時に温度上昇の大きいブリッジ回路44を構成するパワーMOS FET Q1〜Q4と共に同じ熱伝導性の良い第2基板65上に実装されているため、パワーMOS FET Q1〜Q4の温度上昇に沿ってより精度良く温度検出が可能となり、その温度検出結果に応じてモータ電流IMの上昇を抑えることでモータ40および回路を熱的破壊から保護できる。
【0074】
尚、連続操舵時に、回路を熱的破壊から保護するためにモータ電流IMを当初より一定の減少率で徐々に減少していくと、ハンドル操舵力も同時に徐々に重くなっていくことになる。このことは、運転者に、不自然な違和感を与えることになり、操舵性能上は好ましくない。
このような事態の改善策として、電流検出部43Aに、温度が高くなると共に抵抗値の増加率が大きくなる非線形の温度特性を持たせることにより、最初は操舵力の低減が少なく、時間と共に低減の割合を増大する特性とすることができる。
【0075】
この結果、操舵を始めると急に重くなることがなくなり、実使用時間内において、操舵の違和感を低減することが出来る。
尚、電流検出部43を構成するパワーMOS FETは、ケース温度が高くなると共にドレインD−ソースS間の抵抗値の増加率が大きくなる非線形の正方向温度特性を持つ素子である。
【0076】
電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETは、モータ電流の通電により、自分自身も発熱する。この自己発熱の影響を軽減して、ブリッジ回路44を構成する各パワーMOS FET Q1〜Q4の温度をより正確に検出するためには、ドレインD−ソースS間の抵抗値をブリッジ回路を構成する各パワーMOS FETの抵抗値以下の値とするようにする。
【0077】
また、電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETが、より正確にブリッジ回路を構成する各パワーMOS FETの温度を検出できるようにする他の方法としては、電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETの熱抵抗を低減する。その結果、各パワーMOS FETQ1〜Q4のケース温度は、電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETのドレインD−ソースS間の抵抗変化として容易に表れる。或いは、電流検出部43Aを構成するパワーMOS FETをブリッジ回路44の近傍に配置して同じ温度分布にする方法もある。
また、保護動作の性能向上のためにモータ電流の検出精度を上げたい場合は、図3の(b)に示すようにゲートG−ソースS間に印加するバイアス電圧VGSを低減させ、電流検出抵抗(ドレインD-ソースS間抵抗)を増やし、大きな電圧降下を発生させることで電流検出精度を上げることも可能となる。
【0078】
本実施の形態では、回路基板を第1基板64、第2基板65の2枚構成とし、大電流素子を実装した第2基板65にて発生した熱の放出のために第2基板65を放熱板3Bに載置する構成としたが、基板構成はこれらに限られるものではない。
また、放熱板3Bを特別に設けずに、操舵機構を収納するアルミニウム製のコラムハウジングあるいはラックハウジングを放熱板とし、この放熱板に基板を熱伝導性を維持して載置する。あるいはモータ40を収容するアルミニウム製のハウジングを放熱板として利用する等、本発明の主旨に適合する範囲で、様々な実施形態を含むことはいうまでもない。
【0079】
また、本実施の形態では、第2基板65を金属基板としたが、セラミック基板あるいは窒化アルミ基板で構成しても同様な効果が得られる。
また、この発明の実施の形態では、電流検出部43Aを温度上昇に対して抵抗値が正の温度特性を有するパワーMOS FETで構成したが、抵抗が正の温度特性を持つ材料の洋白板、あるいは同様な特性を持つ材料や電子回路で構成しても同様な効果が得られる。
また、ブリッジ回路を構成するパワーMOS FETのスイッチング動作時に発生するラジオノイズの影響がわずかである場合、ラジオノイズ除去用のコイル49を省略しても良い。
【0080】
【発明の効果】
この発明によれば、車両のハンドルに対して補助トルクを発生するモータ、このモータを駆動するためのモータ電流を与えるバッテリ、前記モータ電流を検出するための電流検出手段、前記補助トルクに応じて前記モータ電流の量と方向を制御する電流制御手段、この電流制御手段の一部を構成する複数の半導体スイッチング素子からなるブリッジ回路、少なくとも前記ブリッジ回路及び前記電流検出手段を搭載する熱伝導性の良い基板、この基板に密着して取り付けられた熱伝導性の良い材料で構成された放熱板、前記ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサ、前記車両の車速を検出する車速センサ、前記ハンドルの操舵トルクおよび前記車両の車速に基づいて前記ブリッジ回路を制御するための駆動信号を生成するマイクロコンピュータおよび周辺回路素子を備えた電動式パワーステアリング制御装置において、前記電流検出手段の抵抗は正の温度特性を持つと共に、前記ブリッジ回路と前記電流検出手段を同一の基板上に搭載することで、電流検出手段の抵抗による発熱だけでなく、ブリッジ回路による発熱にも対応してモータ電流を低減させることができ、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0081】
この発明によれば、前記電流検出手段の抵抗は、温度が高くなると共に抵抗値の増加率が大きくなる非線形の温度特性を有することで、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに、また操舵の性能を損なうことなく実現できるという効果を奏する。
【0082】
この発明によれば、前記電流検出手段を、パワーMOS FETと周辺回路素子で構成したので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0083】
この発明によれば、前記電流検出手段を、洋白板で構成したので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0084】
この発明によれば、前記電流制御手段及び前記電流検出手段を実装する熱伝導性の良い基板を金属基板で構成したので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0085】
この発明によれば、前記熱伝導性の良い基板をセラミック基板で構成したので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0086】
この発明によれば、前記熱伝導性の良い基板を窒化アルミ基板で構成したので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現できるという効果を奏する。
【0087】
この発明によれば、電流制御手段は、ブリッジ回路を構成する複数の半導体スイッチング素子を備え、前記電流検出手段の抵抗値を前記半導体スイッチング素子の抵抗値以下の値としたので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに、また電流検出手段の抵抗自身による発熱の影響を軽減して実現できるという効果を奏する。
【0088】
この発明によれば、前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの熱抵抗値を、前記電流制御手段を構成する各半導体スイッチング素子の熱抵抗値以下の値としたので、モータおよび回路の熱的な破壊の防止を、高価なマイクロコンピュータを使用せずに、また電流検出手段の抵抗自身による発熱の影響を軽減して実現できるという効果を奏する。
【0089】
この発明によれば、前記電流検出手段を、前記各半導体スイッチング素子から所定値以内の距離に実装したので、モータ及び回路の熱的な破壊の防止を高価なマイクロコンピュータを使用せずに、また、より正確に前記各半導体スイッチング素子の温度を検出できるという効果を奏する。
【0090】
この発明によれば、前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの抵抗値を、パワーMOS FETのゲート印加電圧を可変することで調整可能としたので、モータ及び回路装置の熱的な破壊の防止を高価なマイクロコンピュータを使用せずに実現出来ると共に、ゲート印加電圧を低減して、電流検出部の抵抗値を増やすことで、電流検出精度を上げ、性能向上をはかることが出来るという効果を奏する。
【0091】
この発明によれば、前記放熱板が前記ハンドルの操舵機構を収容する金属製のハウジングとしたので、放熱板を別個に設ける必要が無くなり、装置を安価に構成できるという効果を奏する。
【0092】
この発明によれば、前記放熱板が前記モータを収容する金属製のハウジングとしたので、放熱板を別個に設ける必要が無くなり、装置を安価に構成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる電動式パワーステアリング制御装置の構成を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる電動式パワーステアリング制御装置の構成の一部の詳細を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかる電動式パワーステアリング制御装置の構成の一部と諸特性の説明を示す図である。
【図4】 一般的な電動式パワーステアリング制御装置の回路構成を示す回路図である。
【図5】 一般的な電動式パワーステアリング制御装置の構成を示す構成図である。
【図6】 従来の電動式パワーステアリング制御装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
3B 放熱板、42 コンデンサ、43A 電流検出部(シャント抵抗器)、44 ブリッジ回路、46 リレー、49 コイル、62 ケース、65 第2基板、67 延長端子。

Claims (9)

  1. 車両のハンドルに対して補助トルクを発生するモータ、このモータを駆動するためのモータ電流を与えるバッテリ、前記モータ電流を検出するための電流検出手段、前記補助トルクに応じて前記モータ電流の量と方向を制御する電流制御手段、この電流制御手段の一部を構成する複数の半導体スイッチング素子からなるブリッジ回路、少なくとも前記ブリッジ回路及び前記電流検出手段を搭載する熱伝導性の良い基板、この基板に密着して取り付けられた熱伝導性の良い材料で構成された放熱板、前記ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサ、前記車両の車速を検出する車速センサ、前記ハンドルの操舵トルクおよび前記車両の車速に基づいて前記ブリッジ回路を制御するための駆動信号を生成するマイクロコンピュータおよび周辺回路素子を備えた電動式パワーステアリング制御装置において、前記電流検出手段は、パワーMOS FETと周辺回路素子で構成され、前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの抵抗値は、正の温度特性を持ち、パワーMOS FETのゲート印加電圧を可変することで調整可能であり、前記ブリッジ回路と前記電流検出手段を同一の基板上に搭載したことを特徴とする電動式パワーステアリング制御装置。
  2. 前記ブリッジ回路及び前記電流検出手段を実装する熱伝導性の良い基板を金属基板で構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  3. 前記熱伝導性の良い基板をセラミック基板で構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  4. 前記熱伝導性の良い基板を窒化アルミ基板で構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  5. 前記電流検出手段の抵抗値を前記半導体スイッチング素子の抵抗値以下の値としたことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  6. 前記電流検出手段を構成するパワーMOS FETの熱抵抗値を、前記ブリッジ回路を構成する各半導体スイッチング素子の熱抵抗値以下の値としたことを特徴とする請求項に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  7. 前記電流検出手段を、前記各半導体スイッチング素子から所定値以内の距離に実装したことを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  8. 前記放熱板が前記ハンドルの操舵機構を収容する金属製のハウジングであることを特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
  9. 前記放熱板が前記モータを収容する金属製のハウジングであることを特徴とする請求項に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
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