JP2003018477A - 相関2重サンプリングタイミング調整装置 - Google Patents
相関2重サンプリングタイミング調整装置Info
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Abstract
調整を安定して確実に行う。撮像手段の高画素化に伴う
高速転送に対応する。 【解決手段】 CCD24のアナログの出力信号をCDS
回路25に入力する。CDS回路25は、フィードスルーク
ランプパルスFPと同期して出力信号のフィードスルー
部をサンプルホールドし、サンプルパルスSPと同期し
て出力信号の画素信号部をサンプルホールドし、両者を
引き算してリセットノイズ及び低周波ノイズを除去す
る。フィードスルークランプパルスFP及びサンプルパ
ルスSPのタイミングの調整時には、マイコン33の指示
により、CCD24は調整用信号を出力する。さらに、調
整用信号を利用し、リセットパルスRPのパルス幅を調
整する。
Description
号に対して相関2重サンプリングを行う相関2重サンプ
リングタイミング調整装置に関する。
DSと称する)を行い、固体撮像素子のアナログ画像出
力信号中に含まれるリセットノイズ及び低周波ノイズを
除去する構成が知られている。
D(電荷結合デバイス)などの固体撮像素子を駆動し、固
体撮像素子のアナログ画像出力信号中に含まれるリセッ
トノイズ及び低周波ノイズを除去するCDSを行い、C
DSされた後のアナログ画像信号をデジタル信号に変換
する部分までの一般的な構成を説明する。また、図10
は撮像装置の一部の構成図であり、1はCCD、2はC
DS回路、3は増幅器(AMP)、4は黒基準のクランプ
回路、5はアナログデジタル変換器(A/D)、6はCC
D駆動回路である。また、図11は波形図である。
元状に配置されていて、画素信号電荷は垂直電荷転送、
水平電荷転送を組み合わせることにより、1画素毎に順
次出力段に導かれる。そして、CCD駆動回路6は、こ
れら駆動信号を生成する回路であり、図中、垂直駆動系
パルス群は、垂直電荷転送を行うための複数の垂直駆動
パルスを示し、H1,H2は水平画素転送を行うための水
平転送パルス(水平駆動パルス)をそれぞれ示している。
さらに、RPは以下に説明するフローティングディフュ
ージョンアンプをリセットするためのリセットパルスで
ある。
ローティングディフュージョンアンプにより、電荷の状
態の各画素信号は電圧信号に変換される。このフローテ
ィングディフュージョンアンプでは、順次転送されてく
る信号電荷を、水平転送パルスH1,H2による充電と、
リセットパルスRPによるリセット(放電)を繰り返して
電圧信号に変換する。しかし、この変換の際にリセット
ノイズを発生させる特質があり、さらに、この変換の後
段ではバッファとしてMOSアンプが使用されているこ
とから、CCD1の出力信号全体に低周波ノイズが混合
される。そこで、CCD1の電圧出力信号であるCCD
OUTは、これらの動作及びノイズが反映された形にな
っている。
11に示すように、水平転送パルスH1,H2による信号
電荷充電の結果の「画素信号部」、リセットパルスRP
による信号電荷放電の結果の「リセット部」、及び、リ
セットから次の信号電荷充電までの間にリセットノイズ
を含んだ状態で安定し、その後充電される画素信号の基
準となる「フィードスルー部」などにより構成されてい
る。さらに、これら「画素信号部」、「リセット部」、
及び「フィードスルー部」で構成される各画素の信号
は、時系列で連続しており、低周波ノイズの重畳により
波形全体の直流レベルが緩やかに変動する。なお、図1
1の波形図では、CCDOUTに含まれる、低周波ノイ
ズ、リセットノイズを誇張して表現している。
Tに混合されているノイズの除去を目的とした回路であ
る。すなわち、CDS回路2は、電圧変換されたCCD
1の出力信号であるCCDOUT中のフィードスルー部
を、CDSパルスを構成するフィードスルークランプパ
ルスFPでサンプルホールドし、画素信号部をCDSパ
ルスを構成するサンプルパルスSPでサンプルホールド
して、両者を引き算することでリセットノイズを除去
し、同時に低周波ノイズも除去する。なお、CCD1の
出力信号であるCCDOUTは、画像信号に比例して負
の方向に振幅が大きくなる形態をとるが、CDS回路2
の出力信号であるCDSOUTでは正負が反転されてい
る。また、図11では、説明を簡略にするために、CC
DOUTの有効画素出力部の各画素の画素信号情報とし
ての出力振幅は同一レベルとしてCDS回路2の動作が
示されている。従って、このCCDOUTをCDSした
結果であるCDS回路2の出力すなわちCDSOUTで
は、有効画素出力部に相当する部分が一率平坦な信号と
なっている。
2の出力信号であるCDSOUTを適切に増幅する。
のアナログデジタル変換器(A/D)5において、画像信
号の黒レベルを基準のデジタルコード値に安定させるた
めに、増幅器3の出力信号であるAMPOUTを直流ク
ランプするクランプ回路である。すなわち、OBクラン
プパルスOBCPは、CCD1が遮光された画素信号な
どの黒基準信号を出力するタイミングでアクティブとな
るものであるが、クランプ回路4は、CCD駆動回路6
が出力するこのOBクランプパルスOBCPを受けて、
AMPOUTの直流レベルを基準レベルにクランプす
る。そして、OBクランプパルスOBCPが非アクティ
ブとなった状態でも、この直流レベルは維持され、信号
全体の基準直流レベルは、アナログデジタル変換器5の
デジタル出力において、一定の黒基準コードを出力する
位置に安定する。
に示したように、アナログ信号をデジタル信号に変換す
るものである。
の各信号の様子も図11に示されているが、図11で
は、説明を容易にするため、各構成要素で発生する信号
遅延などは描かれていない。そして、実際には、画素単
位で遅延が発生するため、例えば、OBクランプパルス
OBCPなどは、これらの遅延を考慮したタイミングで
設定され、あるいは、変化位置に余裕を持たせるなどの
配慮がなされる。
DS)は、リセットノイズ、低周波ノイズを除去する上
で、極めて有効な手段である。しかしながら、近年、C
CDの画素数は多画素化の傾向が著しいにも関わらず、
現行テレビジョン(TV)規格の制約から、画像信号の読
み出し時間は現状通り維持する必要があること、画像撮
影時間の冗長化が画像撮像装置として好ましくないこと
などを主な理由として、画像読み出し時の1画素当たり
の時間は高速化する一方となっている。そこで、CDS
を行うにあたって、CCDの出力信号であるCCDOU
Tと、このCCDOUT中のフィードスルー部をサンプ
ルホールドするフィードスルークランプパルスFP、及
びCCDOUT中の画素信号部をサンプルホールドする
サンプルパルスSPとのタイミングを、結果として得ら
れる最終画質を高く維持しつつ良好な位置関係に安定さ
せることがますます困難になってきている。
公報に示された相関2重サンプリング装置が知られてい
る。この公報記載の構成は、CDS回路に供給されるC
DSパルス(FP,SP)を定常的に安定させ、高画質を
維持することを図り、CDSパルスの内、サンプルパル
スSPの発生回路がタイミング(位相)可変機構を備え、
マイコンがこの機構を制御することにより、最適なタイ
ミングを自動で検出、設定するようになっている。
載の構成を、図12の構成図を参照し、具体的な動作に
ついて図13を参照して順を追って説明する。
をCDS回路2に出力する。
生回路(クランプパルス発生回路)6aは、図13(b)に示
すように、CCD1の出力信号中のフィードスルーレベ
ルをクランプするフィードスルークランプパルス(クラ
ンプパルス)FPをCDS回路2に出力し、サンプルパ
ルス発生回路6bは、図13(c)に示すように、CCD1
の出力信号中の画素信号部をサンプルホールドするサン
プルパルスSPをCDS回路2に出力する。
リング処理を行い、アナログデジタル変換器(ADC回
路)5が、CDS回路2の出力信号のアナログデジタル
変換を行う。
力されたデジタル変換後の画像データは、メモリ7のア
ドレスaに記憶される。
ように、サンプルパルス発生回路6bに、先のパルスより
任意の位相角θ0だけ位相を進ませた位相制御設定を行
う。
タル変換後の画像データをメモリ7のアドレスbに記憶
する。
レスbとに記憶した画像データの差分をとる。そして、
この差分が予め設定された値より大きければ、アドレス
bの画像データをアドレスaに代入し、図13(e)に示
すように、サンプルパルス発生回路6bに、先のパルスよ
り任意の位相角θ1だけ位相を進ませた位相制御設定を
行った上、再度上記の各工程を行い、デジタル変換後の
画像データをメモリ7のアドレスbに記憶する。
プルパルス位相角制御、デジタル画像データのメモリ7
への記憶、差分演算、差分判定、メモリ内データ操作、
との繰り返し動作を行い、差分が予め設定した値に収束
した時点で、この繰り返し動作を終了し、調整を終わ
る。
公報記載の構成では、CDS回路に供給されるCDSパ
ルスの内、サンプルパルスSPのみを位相可変として、
マイコン、メモリなどを構成に含めた上で、自動位相位
置調整を図っている。
公報に示された電子内視鏡装置の信号処理回路が知られ
ている。この公報記載の構成は、CCDを利用した電子
内視鏡装置に関するもので、CCD出力信号の高速化を
図るものではなく、CCDとCDS回路との間の信号経
路が著しく長く、CDS回路に到達するCCD出力信号
に遅延が生じるなどの特殊な状況下で、CDSパルスで
あるフィードスルークランプパルスFP及びサンプルパ
ルスSPの双方のタイミングを最適な状態に維持するこ
とを図り、これらフィードスルークランプパルスFP及
びサンプルパルスSPの双方共に位相調整機能を持たせ
ている。
記載のフィードスルークランプパルス(クランプパルス)
FP及びサンプルパルスSPに関する位相調整回路の構
成を、図14の構成図を参照して説明する。
平転送パルスH1,H2及びリセットパルスRPの入力か
ら、基となるパルスを生成するパルス幅処理回路が配置
されており、このパルス幅処理回路から出力されたパル
スを入力として、この位相調整回路がフィードスルーク
ランプパルスFP及びサンプルパルスSPを生成する。
理回路から出力されたパルスが入力されるフィードスル
ークランプパルスFPの生成部11及びサンプルパルスS
Pの生成部12を備えている。そして、各フィードスルー
クランプパルスFPの生成部11は第1のインバータ14、
可変抵抗R1及びコンデンサC1からなり遅延回路として
動作するRC回路、第2のインバータ15及びパルス増幅
素子16が直列に接続されている。また、サンプルパルス
SPの生成部12も同様に、第1のインバータ17、可変抵
抗R2及びコンデンサC2からなり遅延回路として動作す
るRC回路、第2のインバータ18及びパルス増幅素子19
が直列に接続されている。また、フィードスルークラン
プパルスFPの生成部11の第2のインバータ15の入力側
には、それぞれ+5V電源及び接地間に抵抗R3,R4が
接続されている。同様に、サンプルパルスSPの生成部
12の第2のインバータ18の入力側には、それぞれ+5V
電源及び接地間に抵抗R5,R6が接続されている。
抗R1及びコンデンサC1がフィードスルークランプパル
スFPの位相調整に寄与し、可変抵抗R2及びコンデン
サC2がサンプルパルスSPの位相調整に寄与する。す
なわち、各可変抵抗R1,R2の抵抗値を大きくすること
により、それぞれ位相の遅れ量を大きくし、抵抗値を小
さくすることにより、位相の遅れ量を小さくすることを
図っている。
来の各構成では、撮像装置単体でCDSパルスのタイミ
ングを調整する場合に使用するCCD信号出力の具体的
導出に関する構成がなく、実用上、自動調整が所望の効
果を奏しないおそれがある。
整時にCCDによる撮影信号を用いる場合、調整中に外
光の変化が生じると、CCDの出力信号の振幅に変化が
生じ、正確なタイミング位置を設定できないおそれがあ
るが、特開平8−79634号公報記載の構成では、こ
の調整用のCCDの出力信号をどのように安定的に得る
のかについて示されていない。
D出力信号を得るため、特定の安定した光源を撮影した
時の撮像素子出力信号を用いる構成は、撮像装置の製造
時には有効であるものの、既に完成し稼働している撮像
装置の単体で、温度変化などの使用環境の変化などに対
応することは実用的でない。
載されているように、図14の構成図に示すタイミング
調整回路を用いる場合には、温度変化により、可変抵抗
R1,R2及びコンデンサC1,C2の回路定数が変化し、
さらに、各インバータ14,15,17,18、あるいはパルス
増幅素子16,19伝搬遅延時間の変化が累積するため、撮
像装置の使用温度環境によっては、調整したタイミング
が最適な設定から容易に大きくずれる結果となる。この
ように、タイミング調整可能としたことが原因で実用上
の画質を悪化させるおそれがあり、さらに、撮像装置単
体での自動調整の必要性が増加する。
速駆動化にCDS回路をさらに効率よく対応させ、CD
Sパルスのタイミング調整後の安定度を向上させる構成
も示されていない。
ので、相関2重サンプリングを行い、撮像手段から出力
されたアナログ信号からノイズを除去して画質を向上で
きる相関2重サンプリングタイミング調整装置及び相関
2重サンプリングを利用する撮像装置を提供することを
目的とする。
サンプリングタイミング調整装置は、複数の画素を備
え、各画素について、リセット部、フィードスルー部、
及び画素信号部を有したアナログの出力信号を出力する
撮像手段と、この撮像手段の出力信号が入力される相関
2重サンプリング手段と、前記撮像手段から調整用信号
を出力させる調整用信号出力手段と、前記撮像手段にリ
セットパルスを供給するとともに、前記調整用信号が入
力された前記相関2重サンプリング手段の出力を解析
し、相関2重サンプリング手段に前記フィードスルー部
に対応するフィードスルークランプパルス及び前記画素
信号部に対応するサンプルパルスをタイミング調整可能
に供給する制御手段とを具備したものである。
号が入力された相関2重サンプリング手段は、フィード
スルークランプパルスが入力された時点でフィードスル
ー部をサンプルホールドし、サンプルパルスが入力され
た時点で画素信号部をサンプルホールドし、両者を引き
算することでリセットノイズ及び低周波ノイズを除去す
る。制御手段は、調整用信号出力手段により撮像手段か
ら出力された調整用信号を用いて、フィードスルークラ
ンプパルス及びサンプルパルスを出力するタイミングを
調整することにより、安定した調整が可能になり、安定
した高品質な画像が提供される。また、調整用信号出力
手段を備えることにより、撮像手段の高画素化などに伴
う高速転送への対応が可能になる。さらに、調整用信号
出力手段を備えることにより、この相関2重サンプリン
グタイミング調整装置を備えた撮像装置の単体での調整
が可能になり、温度変化などの環境変化への対応が可能
になる。
ミング調整装置は、請求項1記載の相関2重サンプリン
グタイミング調整装置において、調整用信号出力手段
は、撮像手段を構成する撮像素子に設けられたものであ
る。
段を設けた撮像素子を用いることにより、撮像手段から
調整用信号を出力させる調整用信号出力手段が容易に実
現される。そして、調整用信号を出力させる画素を、有
効画素以外の部分に設けることにより、常時安定した調
整用信号の出力が可能になる。
ミング調整装置は、請求項1記載の相関2重サンプリン
グタイミング調整装置において、調整用信号出力手段
は、撮像手段を駆動する駆動手段に設けられたものであ
る。
より、撮像手段から調整用信号が容易に出力され、撮像
手段から調整用信号を出力させる調整用信号出力手段が
容易に実現される。
ミング調整装置は、請求項1ないし3いずれか記載の相
関2重サンプリングタイミング調整装置において、制御
手段は、リセットパルスのパルス幅を調整するものであ
る。
パルス幅を必要最低限に設定することにより、フィード
スルー部の幅を最大限に確保し、フィードスルークラン
プパルスのタイミング調整の自由度が高く、撮像手段の
高速駆動が容易になる。
ミング調整装置は、請求項1ないし4いずれか記載の相
関2重サンプリングタイミング調整装置において、制御
手段は、フィードスルークランプパルス及びサンプルパ
ルスのタイミングを変化させ、ノイズ量が小さい状態に
フィードスルークランプパルス及びサンプルパルスのタ
イミングを設定するものである。
し、高品質な画像が提供される。
ミング調整装置は、請求項1ないし5いずれか記載の相
関2重サンプリングタイミング調整装置において、制御
手段は、相関2重サンプリング手段の出力を記憶する記
憶手段と、この記憶手段に記憶されたデータを解析する
演算処理装置とを備えたものである。
プリングタイミング調整装置を備えた撮像装置につい
て、単独で、自動的に調整作業を行うことが可能にな
る。
ングタイミング調整装置の第1の実施の形態を図1ない
し図7を参照して説明する。
装置21は、例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルス
チルカメラなどであり、相関2重サンプリングタイミン
グ調整装置22を備えている。そして、この相関2重サン
プリングタイミング調整装置22は、調整用信号出力手段
を兼ねた撮像手段としてのセンサであるCCD(電荷結
合デバイス)24、相関2重サンプリング(以下、CDSと
称する)を行い、CCD24のアナログ画像出力信号中に
含まれるリセットノイズ及び低周波ノイズを除去する相
関2重サンプリング手段としてのCDS回路25、増幅器
(AMP)26、黒基準のクランプ回路27、アナログデジタ
ル変換器(A/D)28、及び制御手段30を備えている。ま
た、この制御手段30は、記憶手段としてのRAM(ラン
ダムアクセスメモリ)などのメモリ32、演算処理装置とし
てのCPUなどを備えたマイコン33、駆動手段としての
CCD駆動回路35、リセットパルス発生回路36、CDS
パルスを構成するフィードスルークランプパルスFPを
供給するフィードスルークランプパルス発生回路37、C
DSパルスを構成するサンプルパルスSPを供給するサ
ンプルパルス発生回路38を備えている。
は、筐体を備え、この筐体に、上記の相関2重サンプリ
ングタイミング調整装置22を構成する各構成要素の他、
画像を記憶する記憶媒体、この記憶媒体に画像を書込読
み出しする書込読出手段、画像を表示する表示手段、操
作者の操作用の操作手段、電源装置などが備えられてい
る。
撮像素子で、いわゆるCCD型固体撮像素子であり、画
素が2次元状に配置された2次元CCDを構成してい
る。そして、このCCD24は、調整用信号出力機能を有
し、マイコン33からの指示である制御信号A1により、
一般的な撮像動作を行いすなわち通常動作による撮影画
像信号を出力する一般撮像モードと、調整用信号(CD
Sパルス調整用信号)を出力する調整モードとに動作が
切り替えられる。すなわち、CCD24は、一般撮像モー
ドでは、CCD駆動回路35が生成する駆動信号である水
平画素転送を行うための水平転送パルス(水平駆動パル
ス)H1,H2及び垂直電荷転送を行うための複数の垂直
駆動パルス群Vが入力され、垂直電荷転送、水平電荷転
送を組み合わせることにより、画素信号電荷が1画素毎
に順次出力段に導かれる。そして、CCD24の内部の出
力段では、フローティングディフュージョンアンプによ
り、電荷の状態の各画素信号が電圧信号に変換される。
すなわち、このフローティングディフュージョンアンプ
では、順次転送されてくる信号電荷を、水平転送パルス
H1,H2による充電と、リセットパルス発生回路36が出
力するリセットパルスRPによるリセット(放電)を繰り
返して電圧信号に変換し、さらにバッファとしてのMO
Sアンプを介して、電圧出力信号CCDOUTとして出
力する。
2に示すように、水平転送パルスH1,H2による信号電
荷充電の結果の画素信号部Cv、リセットパルスRPに
よる信号電荷放電の結果のリセット部Cr、及び、リセ
ットから次の信号電荷充電までの間にリセットノイズを
含んだ状態で安定し、その後充電される画素信号の基準
となるフィードスルー部Cfなどにより構成されてい
る。さらに、これら画素信号部Cv、リセット部Cr、及
びフィードスルー部Cfで構成される各画素の信号は、
時系列で連続している。
回路)25は、CCDOUTに混合されているノイズの除
去を目的とした回路であり、電圧変換されたCCD24の
出力信号であるCCDOUT中のフィードスルー部Cf
を、フィードスルークランプパルスFPでサンプルホー
ルドし、画素信号部をサンプルパルスSPでサンプルホ
ールドして、両者を引き算することでリセットノイズを
除去し、同時に低周波ノイズも除去するようになってい
る。なお、CCD24の出力信号であるCCDOUTは、
画像信号に比例して負の方向に振幅が大きくなる形態を
とるが、CDS回路25の出力信号であるCDSOUTで
は正負が反転されている。
25の出力信号であるCDSOUTを適切に増幅する増幅
回路である。
のアナログデジタル変換器(A/D)28において、画像信
号の黒レベルを基準のデジタルコード値に安定させるた
めに、増幅器26の出力信号であるAMPOUTを黒基準
画素出力期間及びOBクランプパルスOBCPを基に基
準直流レベルにクランプするクランプ回路である。すな
わち、OBクランプパルスOBCPは、CCD24が遮光
された画素信号などの黒基準信号を出力するタイミング
でアクティブとなるものであり、クランプ回路27は、C
CD駆動回路35が出力するこのOBクランプパルスOB
CPを受けて、AMPOUTの直流レベルを基準レベル
にクランプする。そして、OBクランプパルスOBCP
が非アクティブとなった状態でも、この直流レベルは維
持され、信号全体の基準直流レベルは、アナログデジタ
ル変換器28のデジタル出力において、一定の黒基準コー
ドを出力する位置に安定する。
ログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコ
ンバータであり、クランプ回路27の出力信号であるCL
POUTをデジタル信号であるADOUTに変換する。
ちデジタル化された画像信号を一時保存するためのメモ
リであり、通常動作時には、画像信号の信号処理、ある
いは図示しない画像表示手段用のいわゆるビデオメモリ
などに利用される。
た画像信号などのデータを解析し、判断して、画像撮影
及びCDS調整を含む動作を制御するマイクロプロセッ
サであり、CCD24を制御する制御信号A1の他、CC
D駆動回路35を制御する制御信号A2、リセットパルス
発生回路36を制御する制御信号A3、フィードスルーク
ランプパルス発生回路37を制御する制御信号A4、及び
サンプルパルス発生回路38を制御する制御信号A5を生
成出力する。
に、CCD24を駆動するための駆動信号(水平転送パル
ス(水平駆動パルス)H1,H2及び垂直駆動パルス群
V)、及びOBクランプパルスOBCPを生成出力する
他、リセットパルス発生回路36に供給する同期信号iR
P、フィードスルークランプパルス発生回路37に供給す
る同期信号iFP、及びサンプルパルス発生回路38に供給
する同期信号iSPを生成出力する。
回路37は、CCD駆動回路35の同期信号iFPと同期し
て、CDSパルスを構成するフィードスルークランプパ
ルスFPを生成出力するとともに、マイコン33の制御信
号A4の指示により、フィードスルークランプパルスF
Pを出力するタイミング位置を変化させる機能を有して
いる。
CD駆動回路35の同期信号iSPと同期して、CDSパル
スを構成するサンプルパルスSPを生成出力するととも
に、マイコン33の制御信号A5の指示により、サンプル
パルスSPを出力するタイミング位置を変化させる機能
を有している。
CD駆動回路35の同期信号iRPと同期して、CCD24内
部のフローティングディフュージョンアンプをリセット
するリセットパルスRPを生成出力するとともに、マイ
コン33の制御信号A3の指示により、出力するリセット
パルスRPのパルス幅を変化させる機能を有している。
作時の撮像動作は、図10及び図11に示す構成と同様
に行われる。さらに、この構成では、メモリ32により、
画像信号の処理あるいは表示手段への表示が行われる。
グタイミング調整装置22の動作を説明する。
ミング調整装置22は、CCD24から出力される調整用出
力信号を利用し、CDSパルスを構成するフィードスル
ークランプパルスFP及びサンプルパルスSPのタイミ
ング位置調整と、リセットパルスRPのパルス幅を調整
する。そして、一連の動作は、フィードスルークランプ
パルスFPを予め決められたタイミング位置に固定し、
このフィードスルークランプパルスFPに対して、サン
プルパルスSPのタイミング位置を画素単位で周期性を
有する調整用出力信号の1画素分の範囲で微小時間ずつ
移動操作させつつデジタルデータ化された画像信号を記
録することにより、CDS回路25が実際に受ける調整用
画像信号の信号波形の全体像を把握し、フィードスルー
クランプパルスFP及びサンプルパルスSPのタイミン
グ位置を決定する。この後、リセットパルスRPのパル
ス幅を、予め設定された初期パルス幅から微小時間ずつ
細くしつつ、同様に特定部分の画像データを記録するこ
とにより、適切なリセットパルスRPのパルス幅を決定
するものである。
P及びサンプルパルスSPのタイミング調整手段を概説
すれば、まず、撮像素子から安定した調整用信号である
撮像素子出力信号を出力させ、以下の調整動作の過程に
おいて撮像素子にこの調整用信号を出力させる。そし
て、フィードスルークランプパルスFP及びサンプルパ
ルスSPを撮像素子出力信号の予め決められた調整初期
タイミング位置になるように設定する。次いで、i)調整
用の撮像素子出力信号に対し、CDS、増幅、黒基準ク
ランプ、アナログデジタル変換を行った結果のデータを
メモリに保存する。ii)サンプルパルスSPを直前のタ
イミング位置から遅延方向すなわち撮像素子出力信号の
画素信号部方向に僅かに位置を変える。このi),ii)の
工程を繰り返し、サンプルパルスSPのタイミング位置
を調整初期タイミング位置から遅延方向にずらしつつデ
ータを取得し、集められたデータから信号波形形状の全
体像を把握する。そして、得られた信号波形形状から最
適なフィードスルークランプパルスFPのタイミング位
置及びサンプルパルスSPのタイミング位置を求め、各
CDSパルス(FP,SP)をそれぞれのタイミング位置
に設定する。そして、これら一連の動作により、CDS
回路の内部遅延をも含め、CDS回路がCDSパルス
(FP,SP)で実際にサンプリングする撮像素子の出力
波形の全体像を正確につかむことができ、十分な余裕度
を考慮した上で極めて正確にCDSパルス(FP,SP)
のタイミング位置を調整できるものである。
整手段を概説すれば、上記のCDSパルス(FP,SP)
のタイミング調整に加え、リセットパルスRPのパルス
幅可変の手段により、以下の手順でリセットパルスRP
のパルス幅を最適化し、フィードスルークランプパルス
FPの調整の余裕度を広げ、調整後の安定度を向上させ
るものである。すなわち、まず、撮像素子から安定した
調整用信号を出力させる。そして、リセットパルスRP
のパルス幅を決められた調整初期の幅に設定する。次い
で、i)調整用信号が出力される画素から調整用信号が出
力されない画素への変化点の、本来画素信号が出力され
ない側の境界画素の画素信号をCDS、増幅、黒基準ク
ランプ、アナログデジタル変換を行った結果のデータを
メモリに保存する。ii)リセットパルスRPのパルス幅
を直前の状態から微小時間分細くする。そして、この
i),ii)の工程を繰り返してデータを取得し、集められ
たデータからフローティングディフュージョンアンプの
リセット動作が安定して動作する条件でかつ最も細いパ
ルス幅となるパルス幅にリセットパルスRPを設定して
調整を終わる。すなわち、リセットパルスRPのパルス
幅が十分でないと、フローティングディフュージョンア
ンプのリセット動作が正しく行われず、画素電荷の混合
(画素電荷混合)が起こるが、上記の境界画素のCDS、
増幅、黒基準クランプ、アナログデジタル変換の結果の
データの解析により、リセットパルスRPのパルス幅と
画素電荷混合、すなわちリセット動作との関係を正確に
知ることができる。さらに、画素電荷混合の起こらない
最小のリセットパルスRPのパルス幅に適度な余裕を与
えて、必要最小限のリセットパルスRPを決定すること
により、CDS動作の内、撮像素子出力信号のフィード
スルー部に対するフィードスルークランプパルスFPの
タイミング位置の余裕度をさらに大きくし、これら一連
のCDSに絡む調整動作後の温度変化などの環境変化に
対する耐性をさらに向上できる。
明する。
は、通常動作時の画像信号の出力状態から、調整用信号
の出力状態に切り替わる。この調整用信号の信号波形で
は、図2の波形図に示すように、本来黒基準画素が出力
される部分が一定の直流値Bに置き換えられている。そ
こで、以後の調整動作の過程で、CDSパルスのサンプ
ルパルスSPのタイミング位置を様々な位置に移動させ
ても、黒基準画素部は一定の直流電圧となっているた
め、フィードスルークランプパルスFP及びサンプルパ
ルスSPの位置関係に影響することなく、黒基準クラン
プの対象部において、常に振幅がゼロとなるCDS出力
を得られ、本来のタイミング位置とは異なる特殊なフィ
ードスルークランプパルスFP及びサンプルパルスSP
のタイミング位置にも関わらず、黒基準のクランプ動作
を正しく行うことができるようになっている。
ンプパルス発生回路37及びサンプルパルス発生回路38を
制御し、フィードスルークランプパルスFP及びサンプ
ルパルスSPを調整初期位置(図3中のFP0,SP0)に設定
する。この状態から、マイコン33は、CDS回路25、増
幅器26、黒基準のクランプ回路27を介してアナログデジ
タル変換器(A/D)28から出力されたデジタル信号デー
タをメモリに32に記録しつつ、微小時間ずつサンプルパ
ルスSPのタイミング位置をSP1,SP2・・・SPi・・・S
Pnとずらし、1画素分の範囲を走査し、(n+1)個のデ
ータを記録する。
すると、マイコン33は、メモリに32に記録された結果デ
ータを解析する。ここで、サンプルパルスSPの走査位
置と記録された結果データとの関係は、図4(b)に示す
グラフDを描き、このグラフDの形状は、図4(a)に示
すCDS回路25が受ける信号形状そのものを示してい
る。すなわち、図4(b)に示すグラフDは、左側から、
リセット部の右淵、フィードスルー部、画素信号部に対
応する。
果データから図4(b)に示す形のグラフDを作製するに
あたり、各サンプルパルスSPのタイミング位置につい
て、それぞれ複数の画素データの平均値を用いるように
すると、リセットノイズ及びその他のノイズの影響を軽
減することができる。
ンプルパルスSPの位置で一次微分すると、図4(c)に
示す形のグラフEが得られる。そして、マイコン33は、
この図4(c)に示すグラフEにおいて、原点側で微分値
が最初に谷になる領域Aの内で最もゼロに近くなる点を
FP位置(図4(c)におけるFPa)とし、次に谷になる領域B
の内で最もゼロに近くなる点をSP位置(図4(c)における
SPa)とし、CDSパルスを構成するフィードスルークラ
ンプパルスFP及びサンプルパルスSPの位置をそれぞ
れ決定する。
スFP及びサンプルパルスSPのタイミング位置を決定
した後、マイコン33は、リセットパルスRPのパルス幅
を決定する。すなわち、マイコン33は、リセットパルス
発生回路36を制御し、図5に示すように、リセットパル
スRPを調整初期位置(図5中のRP0)に設定する。この
状態から、マイコン33は、CDS回路25、増幅器26、黒
基準のクランプ回路27を介してアナログデジタル変換器
(A/D)28から出力されたデジタル信号データをメモリ
に32に記録しつつ、予め設定された幅(太さ)RPnになる
まで微小時間ずつパルス幅を小さくし、すなわち、パル
スを立ち上げるタイミング位置は固定した状態でリセッ
トパルスRPのパルス幅をRP1,RP2・・・RPnと順次小
さくし、(n+1)個のデータを記録する。
幅のシフト動作が終了すると、マイコン33は、メモリに
32に記録された結果データを解析する。ここでは、マイ
コン33は、リセットパルスRPのパルス幅とフローティ
ングディフュージョンアンプのリセット動作状況との関
係の指標として、フローティングディフュージョンアン
プに最後に電荷が充電された出力画素信号と水平転送の
空送りなどで、電荷充電がなされなかった出力画素信号
との境界部の、電荷充電がなされなかった側の出力画素
信号に着目する。すなわち、リセットパルスRPのパル
ス幅が十分であれば、フローティングディフュージョン
アンプのリセットすなわち放電は正常に行われるため、
1段前の画素の信号電荷は完全に放電される。一方、リ
セットパルスRPのパルス幅が細すぎて十分ではない
と、放電動作が完全には行われず、1段前の画素の信号
電荷の放電されずに残された分と、次の画素の信号電荷
とが混合されることになる。そこで、1段前の画素には
信号電荷があり、次の画素が水平転送空送り部や遮光画
素などで信号電荷がゼロであったとすると、その部分の
出力画素信号を観察することで、1画素前の信号電荷の
放電残量が分かり、リセット動作の確実性を判断でき
る。例えば、図6(a)に示す波形図は、十分なパルス幅
のリセットパルスRPを与えた場合であり、水平転送空
送り出力部を観察することにより、放電動作が行われた
ことが分かる。図6(b)に示す波形図は、リセットパル
スRPのパルス幅が不足した場合であり、水平転送空送
り出力部を観察することにより、放電動作が不完全であ
ることが分かる。
と、図6中の水平転送空送り出力部のA部分の出力との
関係は、図7に示すグラフGとなる。なお、メモリ32に
記録されているデータから、図7に示す形のデータを導
出するにあたり、各リセットパルスRPのパルス幅につ
いて、それぞれ複数の図6のA部分の出力データの平均
を用いるようにすると、より正確性が増す。そして、図
7のグラフGから、データが最初にゼロで無くなる点RP
kを求め、そこから予め余裕度として決められていた時
間Δtだけ太い側にシフトさせた点RPaを最終的なリセッ
トパルスRPのパルス幅として決定する。
サンプリングを行う相関2重サンプリングタイミング調
整装置及び相関2重サンプリングを利用する撮像手段を
搭載した撮像装置に関し、CDSパルス(FP,SP)の
タイミング及びリセットパルスRPの幅を調整可能と
し、撮像素子からそれらの調整用信号を出力することに
より、正確にCDSパルス(FP,SP)のタイミング位
置を調整でき、高品質な画像を提供でき、さらに、撮像
手段の高画素化などに伴う高速転送化において重要な技
術を提供できる。
ンプリングタイミング調整装置22において、フィードス
ルークランプパルスFP及びサンプルパルスSPのタイ
ミング調整手段の調整動作の過程において、撮像素子で
あるCCD24から安定した調整用信号を出力させること
により、CDS回路25の内部遅延をも含めて、CDS回
路25がCDSパルス(FP,SP)で実際にサンプリング
するCCD24の出力波形の全体像を正確に把握すること
ができ、十分な余裕度を考慮した上で極めて正確にCD
Sパルス(FP,SP)のタイミング位置を調整できる。
などの外部機器を用いる場合よりも、正確な調整が可能
になる。すなわち、CDS回路25に入力されるCCD24
の出力信号CCDOUTやCDSパルス(FP,SP)を
オシロスコープのプローブに接続すると、このプローブ
自体の等価容量の影響で、プローブが接触していない本
来の状態とは異なる波形が観測されてしまう。さらに、
プローブによる遅延も存在することから、正確なタイミ
ングの相互関係を知ることができなくなる。また、CD
S回路25が集積回路である場合には、集積回路の内部に
含まれるCDS回路25の入力部にプローブを接触させこ
のCDS回路25を直接観測することは困難である。この
点、本実施の形態によれば、CDS回路25が実際にCD
Sパルス(FP,SP)でサンプリングする信号波形の全
体像を明示的に知ることができるため、CDSパルス
(FP,SP)のタイミング位置を極めて正確に求めるこ
とができる。
ィードスルー部Cfは、画像信号部(信号サンプル部)Cv
に比べて、もともとリセットパルスRPが存在する分、
時間幅が小さく、信号の高速駆動化が進むにつれてタイ
ミング位置の余裕度(自由度)の減少が深刻な問題とな
る。そして、正しくフィードスルークランプが行われな
いと、リセットノイズや低周波ノイズが除去しきれず、
画質低下の原因になる。この点、本実施の形態では、リ
セットパルス幅調整手段を備え、すなわち、リセットパ
ルスRPのパルス幅を調整可能な構成とし、CDSパル
ス(FP,SP)のタイミング調整に、リセットパルスR
Pのパルス幅の調整を組み入れ、高速駆動時などには、
リセットパルスRPのパルス幅を必要最小限に調整、す
なわち最適化することにより、フィードスルー部Cfの
直流レベルの幅を極力大きく確保し、フィードスルーク
ランプパルスFPのタイミング調整の余裕度(自由度)を
より広く確保でき、CDSタイミング調整後の安定性を
さらに向上できるとともに、CCD24の高画素化などに
伴う高速転送化、すなわち高速駆動にも対応することが
できる。
24から安定した調整用信号を得られる相関2重サンプリ
ングタイミング調整装置22を備えた撮像装置21につい
て、さらに、マイコン33及びメモリ32を備えることによ
り、この撮像装置21の単体で、自動的にCDSタイミン
グに関する調整を行うことができる。すなわち、マイコ
ン33により、CCD24への調整用信号出力指示、フィー
ドスルークランプパルスFP及びサンプルパルスSPの
タイミング制御指示、リセットパルスRPのパルス幅制
御指示、メモリ32に記録された結果データの解析による
各パルスの最終調整値決定など、タイミング調整時に必
要な各部の制御、結果の判定、及び最終調整値の決定を
全てマイコン33が自動で行うことにより、本実施の形態
の相関2重サンプリングタイミング調整装置22を組み込
んだあらゆる撮像装置21は、いかなる時も装置単体でC
DSに関する調整を行うことが可能になり、例えば、温
度変化などの環境変化に対応して最適に調整された状態
を維持でき、撮像装置21の使用環境の範囲を拡大できる
とともに、稼働品質を安定させることができる。また、
メモリ32は、マイコン33が調整の途中過程から最終調整
値を判断する過程で調整に必要な画像データを一次記憶
する媒体として使用される。
生成手段としては、撮像素子であるCCD24に調整用信
号出力機能を持たせたが、この構成としては、例えば、
CCD24の有効画素(受光画素)の周辺部遮光画素部に極
端に大きな暗電流を発生する、あるいは、何らかの手段
により擬似信号電荷を発生する画素を設け、この画素
に、通常の駆動状態において、撮影光に関わらず安定し
た調整用信号を出力させる構成とすることができる。例
えば、有効画素の周辺部に暗黒条件においても常に信号
電荷供給のある状態の画素列を設けて、安定した調整用
画素出力信号を得ることができる。また、撮像素子であ
るCCD24に調整用信号出力機能を持たせる構成として
は、例えば、調整用信号の出力時にフローティングディ
フュージョンアンプに別経路で安定した調整用信号電荷
を供給する手段を設けることもできる。また、例えば、
出力信号の黒基準画素出力部を一定直流値に切り替える
機能を設けることもでき、この構成では、タイミング位
置調整時にCDSパルス(FP,SP)のタイミング位置
を移動しても、黒基準を常にゼロに保つことができる。
さらに、撮像素子に調整用信号出力機能を持たせた構成
では、調整用の画素列に素子構造により遮光させること
により、シャッタなどの外的な遮光手段の状況によら
ず、常に安定した調整用出力信号を得ることができる。
素子であるCCD24に調整用信号出力機能を持たせる
他、既存の撮像素子であるCCDを用いて、この撮像素
子の駆動条件、バイアス状況を変化させて、調整用信号
を生成することもできる。すなわち、調整時に、既存の
撮像素子の駆動条件や内部バイアス状況を意図的に通常
動作とは異なる状況に設定して、画素内に擬似信号電荷
を発生させ、撮像素子出力を安定した調整用信号(パル
スタイミング調整用信号)として用いることができる。
例えば、CCD型固体撮像素子において、SUBバイア
ス電圧を極端に下げて意図的に注入電荷をフォトダイオ
ード内に蓄積させ、その後、溜められた電荷を読み出し
て、調整用信号として利用することができる。また、必
要に応じて、注入電荷量が一定レベルになるまで電荷蓄
積時間も通常とは異なる設定とすることができる。ま
た、この他に、既存の撮像素子を用いる構成としては、
例えば、撮像素子に供給する電源電圧、あるいは各種駆
動パルスなどの駆動条件を通常とは異なる状態に変更す
ることにより、暗電流などを意図的に極端に増加させる
などして、擬似信号を生成することもできる。また、既
存の撮像素子を用いる構成では、調整時に撮像素子を外
部手段で遮光することにより、外光によらず常に安定し
た調整用信号を得ることができる。
スについて、フィードスルークランプパルスFPに対し
てサンプルパルスSPのタイミング位置をシフトして調
整したが、この構成に限られず、例えば、リセットパル
スRPに対して、フィードスルークランプパルスFP及
びサンプルパルスSPの双方を個別にシフトしてタイミ
ング調整可能とすることもできる。
参照して説明する。
同一の符号を付して説明を省略する。
から調整用信号を出力させる構成であり、撮像手段とし
てのCCD24は、一般的な既存のCCD型固体撮像素子
である。
D駆動回路35と同期して、CCD24内部のフローティン
グディフュージョンアンプをリセットするリセットパル
スRPを生成出力するとともに、マイコン33の指示によ
り、リセットパルスRPのパルス幅を変化させる機能
と、CCD24が本来黒基準画素を出力する部分において
リセットパルスRPを高レベル状態に維持し続ける出力
形態に切り替わる機能とを有している。
回路51は、CCD駆動回路35と同期して、第1の実施の
形態の図1ではCCD駆動回路35が出力していたCCD
24の駆動信号の内、水平転送パルスH1,H2を生成出力
するとともに、マイコン33の指示により、CCD24が本
来、黒基準画素を出力する部分において、H1を高レベ
ル状態、H2を低レベル状態に維持し続ける出力形態に
切り替わる機能を有している。
回路53は、マイコン33の指示により、CCD24の内部S
UBバイアス電圧を外部から特定の電圧値に切り替える
機能を有している。
CD24の撮像面を外光から遮光する機械的遮光手段であ
り、例えば、マイコン33により開閉が制御されるメカニ
カルシャッタである。なお、この遮光手段55について
は、電子スチルカメラなどの撮像装置21で高精細な静止
画像を得る目的でほとんどの製品に採用されているメカ
ニカルシャッタを利用し、あるいは、メカニカルシャッ
タを用いない構成などでは、撮影レンズの保護や撮像素
子のカラーフィルタの退職防止などの目的で多くの撮像
装置に採用されているレンズバリアを用いることもでき
る。さらに、この遮光手段55は、これらメカニカルシャ
ッタ及びレンズバリアを含みあらゆる遮光手段を含むも
のであり、開閉動作も必ずしもマイコン33が制御する必
要はなく、撮像装置21の使用者が手動で開閉する構成と
することもできる。但し、遮光手段55の開閉を手動で行
う構成では、調整動作に先立って事前に使用者の手によ
り遮光手段55が閉じられている必要がある。
実施の形態と同様であり、これら構成要素は、通常動作
時には、図10及び図11に示す構成と同様に動作す
る。但し、遮光手段55がメカニカルシャッタや自動開閉
機構付きのレンズバリアの場合には、撮影動作におい
て、マイコン33による遮光手段35の開閉制御が行われ
る。各部の信号の流れ及び動作については第1の実施の
形態と同様である。
ング位置調整及びリセットパルスRPのパルス幅調整動
作について図8及び図9を参照して説明する。この第2
の実施の形態の基本的な動作手順は、第1の実施の形態
の動作手順と類似するが、CCD24から調整用信号出力
を得る部分の手順が異なっている。
ミング位置調整の詳細を説明すると、まず、調整に先立
ち、マイコン33は、SUBバイアス発生回路53を制御
し、CCD24に与えるSUBバイアス電圧を通常動作電
圧よりも低い電圧に変更する。そして、SUBバイアス
電圧が極端に低くなると、CCD24内のSUB基板から
CCD24の各画素部に電荷が注入される。通常動作時に
は、この電荷が撮影信号電荷と混合されると画像再現と
しては好ましくないため、SUB基板には適切なバイア
ス電圧が与えられている。これに対して、本実施の形態
では、上記のように、SUBバイアスを通常とは異なる
状態として、意図的に画素に注入された電荷を、CDS
パルス(FP,SP)のタイミング位置調整の調整用信号
源として用いるものである。なお、適度な量の注入電荷
を得るために、必要に応じてマイコン33はCCD駆動回
路35を制御して、CCD24の電荷蓄積時間も制御する。
の全ての画素に電荷が注入されるため、CCD24からの
出力は、図9(a)に示す通常動作状態の出力波形に対
し、図9(b)に示すように、本来黒基準画素を出力する
黒基準画素出力部にも信号電圧が発生している。
に、水平転送パルス発生回路51のパルス出力である水平
転送パルスH1,H2について、CCD24の信号出力の黒
基準画素出力部において、H1は高レベルを維持、H2は
低レベルを維持する出力形態に変更する指示を出す。
生回路36のパルス出力であるリセットパルスRPが、C
CD24の信号出力の黒基準画素出力部において、高レベ
ルを維持する出力形態に変更する指示を出す。
リセットパルスRPの出力形態の通常動作時との相違は
図9の(a)と(c)とを比較すると分かりやすい。
の信号出力の信号波形は、図9(c)に示すように、第1
の実施の形態の図2に示した調整用波形信号と等価な形
状になる。そこで、以降は、この図9(c)に示す信号波
形を調整用信号波形として、第1の実施の形態と同様
に、CDSパルス(FP,SP)のタイミング位置調整及
びリセットパルスRPのパルス幅調整ができ、第1の実
施の形態と同様に、撮像素子からそれらの調整用信号を
出力することにより、正確にCDSパルス(FP,SP)
のタイミング位置を調整でき、高品質な画像を提供でき
るとともに、撮像手段の高画素化などに伴う高速転送化
に対応できる。
手段として一般的な既存のCCD型固体撮像素子である
CCD24を用いることが可能であり、製造コストの低減
が容易になる。
たな部品あるいは装置を追加することなく、上記のCD
Sパルス(FP,SP)の位置調整に加え、撮像装置の提
供する画像の画質に直接的に最も影響のある、画像信号
のS/Nに着目したさらに高精度な調整が可能になる。
また、このようなS/Nを考慮したより高精度な調整に
ついても、マイコン及びメモリを備えることにより、装
置単体で自発的に実行することができる。
(FP,SP)のタイミング位置調整の指標として、S/
Nを利用し、さらに詳細な調整を行うもので、構成は図
1及び図8に準じるものである。
るいは第2の実施の形態の構成により、CDSパルス
(FP,SP)のタイミング位置及びリセットパルスRP
のパルス幅の調整を行い、この調整位置を第1の調整位
置とする。そして、この第3の実施の形態では、さらに
より確実に高画質を得るために、得られたデジタル信号
のノイズ量を調整の指標として、より高精度な第2の調
整を行うことを目的とする。
いは第2の実施の形態の動作で決定されたリセットパル
スRPの位置を第1の調整位置に固定する一方、CDS
パルスを構成するフィードスルークランプパルスFP及
びサンプルパルスSPについては、第1の調整位置か
ら、この第1の調整位置の前後を含む複数の位置へずら
し、ノイズの状況を比較し、最もノイズの少ないタイミ
ング位置にフィードスルークランプパルスFP及びサン
プルパルスSPのタイミング位置を決定するものであ
る。
に説明する。
ンプルパルスSPの第1の調整位置をそれぞれFP00、
SP00とする。そしてこれら第1の調整位置FP00、S
P00の前後それぞれ1ステップまでを第2の調整位置の
候補とする。すなわち、フィードスルークランプパルス
FPについては、FP-1,FP00,FP+1の3点、サン
プルパルスSPについては、SP-1,SP00,SP+1の
3点をそれぞれ第2の調整位置の候補とする。よって、
フィードスルークランプパルスFP及びサンプルパルス
SPの位置の全組合せとしては、9種類が存在すること
になる。
ンプパルスFPをFP-1、サンプルパルスSPをSP-1
として、CCD24を調整用信号出力状態とし、各状態
で、調整用信号のデジタルデータ、すなわち、CDS回
路25、増幅器26、黒基準のクランプ回路27を介してアナ
ログデジタル変換器(A/D)28から出力されたデジタル
信号データをそれぞれメモリに32に記録する。この後、
マイコン33は、記録されたデジタルデータの内の予め決
められていた領域の複数画素データを標本として、これ
ら標本間の標準偏差σ0を求める。
ンプパルスFPのタイミング位置はFP-1に固定したま
ま、サンプルパルスSPをSP00として再度同様の動作
を行い、デジタルデータの内の上記の構成と同一の標本
領域の複数画素データの標準偏差σ1を求める。
PをSP+1として再度同様の動作を行い、標準偏差σ2
を求め、この後、フィードスルークランプパルスFPの
タイミング位置をFP00、サンプルパルスSPをSP-1
として、同様にσ3を求める。
σ0からσ8までの9個の標準偏差を求め、最もσの値の
小さい、すなわち、最もノイズ量の少なくなるフィード
スルークランプパルスFP及びサンプルパルスSPの位
置の組合せを導出し、この組合せをフィードスルークラ
ンプパルスFP及びサンプルパルスSPのタイミング位
置を第2の調整位置として調整を完了する。
ノイズ量を削減し、より確実に高画質を得ることができ
る。
調整位置の候補は、第1の調整位置の前後1ステップと
したが、さらに多数のステップ数とすることもできる。
また、ノイズ量の指標としては、標準偏差を使用した
が、分散を領しても良く、また、簡易的に、標本中の最
大値と最小値との差の絶対値とすることもできる。
タの標本を、予め決められた領域の複数画像データすな
わち異なる画素の集合としたが、特定の1画素のデータ
を複数回取得し、これらデータを標本として用いること
もできる。
素子は、CCDに限られるものではなく、個別の画素で
構成された固体撮像素子のような構造のもので良い。ま
た、撮像素子は、2次元のものに限られず、1次元のも
のに適用することもできる。
イミング調整装置によれば、撮像手段の出力信号が入力
された相関2重サンプリング手段は、フィードスルーク
ランプパルスが入力された時点でフィードスルー部をサ
ンプルホールドし、サンプルパルスが入力された時点で
画素信号部をサンプルホールドし、両者を引き算するこ
とでリセットノイズ及び低周波ノイズを除去できる。制
御手段は、調整用信号出力手段により撮像手段から出力
された調整用信号を用いて、フィードスルークランプパ
ルス及びサンプルパルスを出力するタイミングを調整す
ることにより、安定して調整でき、安定した高品質な画
像を提供できる。また、調整用信号出力手段を備えるこ
とにより、撮像手段の高画素化などに伴う高速転送へ対
応できる。さらに、調整用信号出力手段を備えることに
より、この相関2重サンプリングタイミング調整装置を
備えた撮像装置の単体で調整でき、温度変化などの環境
変化へ対応できる。
ミング調整装置によれば、請求項1記載の効果に加え、
調整用信号出力手段を設けた撮像素子を用いることによ
り、撮像手段から調整用信号を出力させる調整用信号出
力手段を容易に実現できる。そして、調整用信号を出力
させる画素を、有効画素以外の部分に設けることによ
り、常時安定した調整用信号を出力できる。
ミング調整装置によれば、請求項1記載の効果に加え、
調整用信号出力手段を、撮像手段を駆動する駆動手段に
設けたため、駆動手段の制御により、撮像手段から調整
用信号を容易に出力でき、撮像手段から調整用信号を出
力させる調整用信号出力手段を容易に実現できる。
ミング調整装置によれば、請求項1ないし3いずれか記
載の効果に加え、制御手段がリセットパルスのパルス幅
を調整するため、リセットパルスのパルス幅を必要最低
限に設定することにより、フィードスルー部の幅を最大
限に確保し、フィードスルークランプパルスのタイミン
グ調整の自由度を高め、撮像手段を容易に高速駆動でき
る。
ミング調整装置によれば、請求項1ないし4いずれか記
載の効果に加え、制御手段は、フィードスルークランプ
パルス及びサンプルパルスのタイミングを変化させ、ノ
イズ量が小さい状態にフィードスルークランプパルス及
びサンプルパルスのタイミングを設定することにより、
ノイズ量を抑制し、高品質な画像を提供できる。
ミング調整装置によれば、請求項1ないし5いずれか記
載の効果に加え、制御手段は、相関2重サンプリング手
段の出力を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶さ
れたデータを解析する演算処理装置とを備えたため、こ
の相関2重サンプリングタイミング調整装置を備えた撮
像装置について、単独で、自動的に調整作業を行うこと
ができる。
装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
の動作を示す波形図である。
の動作を示す波形図である。
の動作を示す説明図である。
の動作を示す波形図である。
の動作を示す波形図である。
の動作を示す説明図である。
装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
の動作を示す波形図である。
図である。
形図である。
示す構成図である。
図である。
の例を示す一部の回路図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の画素を備え、各画素について、リ
セット部、フィードスルー部、及び画素信号部を有した
アナログの出力信号を出力する撮像手段と、 この撮像手段の出力信号が入力される相関2重サンプリ
ング手段と、 前記撮像手段から調整用信号を出力させる調整用信号出
力手段と、 前記撮像手段にリセットパルスを供給するとともに、前
記調整用信号が入力された前記相関2重サンプリング手
段の出力を解析し、相関2重サンプリング手段に前記フ
ィードスルー部に対応するフィードスルークランプパル
ス及び前記画素信号部に対応するサンプルパルスをタイ
ミング調整可能に供給する制御手段とを具備したことを
特徴とする相関2重サンプリングタイミング調整装置。 - 【請求項2】 調整用信号出力手段は、撮像手段を構成
する撮像素子に設けられたことを特徴とする請求項1記
載の相関2重サンプリングタイミング調整装置。 - 【請求項3】 調整用信号出力手段は、撮像手段を駆動
する駆動手段に設けられたことを特徴とする請求項1記
載の相関2重サンプリングタイミング調整装置。 - 【請求項4】 制御手段は、リセットパルスのパルス幅
を調整することを特徴とする請求項1ないし3いずれか
記載の相関2重サンプリングタイミング調整装置。 - 【請求項5】 制御手段は、フィードスルークランプパ
ルス及びサンプルパルスのタイミングを変化させ、ノイ
ズ量が小さい状態にフィードスルークランプパルス及び
サンプルパルスのタイミングを設定することを特徴とす
る請求項1ないし4いずれか記載の相関2重サンプリン
グタイミング調整装置。 - 【請求項6】 制御手段は、 相関2重サンプリング手段の出力を記憶する記憶手段
と、 この記憶手段に記憶されたデータを解析する演算処理装
置とを備えたことを特徴とする請求項1ないし5いずれ
か記載の相関2重サンプリングタイミング調整装置。
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