JP2003018040A - 高周波回路及びその高周波回路部品 - Google Patents

高周波回路及びその高周波回路部品

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JP2003018040A
JP2003018040A JP2001197239A JP2001197239A JP2003018040A JP 2003018040 A JP2003018040 A JP 2003018040A JP 2001197239 A JP2001197239 A JP 2001197239A JP 2001197239 A JP2001197239 A JP 2001197239A JP 2003018040 A JP2003018040 A JP 2003018040A
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antenna
circuit
terminal
transmission
reception
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Motoo Nakagawa
元雄 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アンテナ端子(アンナテ端子電
極)部分で、静電気の対策を行い、送受信信号の劣化を
防止できる高周波回路及びその高周波回路部品を提供す
る。 【解決手段】送信回路TX、受信回路RX及びアンテナ
ANTに接続される送信端子1、受信端子3及びアンテ
ナ端子2を有し、前記送信回路TXと前記アンテナAN
Tとの接続及び前記アンテナANTと前記受信回路RX
との接続を切り換える高周波回路において、前記アンテ
ナ端子2とグランド電位との間にインダクタンス素子1
3を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信回路、受信回
路及びアンテナに接続され、前記送信回路と前記アンテ
ナとの接続及び前記アンテナと前記受信回路との接続を
切り換える高周波回路及びその高周波回路部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機などで用いられるアンテナ入
出力部分(高周波回路)は、図1に示すブロック回路の
ように構成されている。図1において、ANTはアンテ
ナであり、SWは送信受信を切り換えるアンテナスイッ
チ部であり、TXはパワーアンプを含む送信回路であ
り、RXは受信回路であり、LPFは送受信号の高調波
成分を除去するローパスフィルタであり、BPFは受信
信号のみを通過させるフィルタである。
【0003】アンテナスイッチング部SWは、前記アン
テナANTから受信した受信した受信信号を受信回路R
X側に伝送し、また、送信回路TX側から供給された送
信信号をアンテナANTに供給するために動作する。こ
のアンテナスイッチ部SWの具体的な回路構成(アンテ
ナスイッチ回路)は、図8のようにπ型フィルタを構成
するインダクタンス導体膜、コンデンサと、スイッチ素
子を組み合わせたものであり、夫々の構成部品が誘電体
多層基板の表面または内部に形成されている。
【0004】例えば、送信回路TX側に接続される送信
端子1は、コンデンサ4を介してスイッチングダイオー
ドであるPINダイオード5のアノード側に接続され、こ
の第1のスイッチングダイオード5のカソード側はコン
デンサ6を介してアンテナ端子2ならびにπ型フィルタ
部7に接続される。このπ型フィルタ部7はコンデンサ
8を介して受信回路RX側の受信端子3に接続される。
また、π型フィルタ部7の受信端子3側とグランド電位
との間に第2のスイッチングダイオードであるPINダイ
オード9が接続される。この第2のスイッチングダイオ
ード9は、アノードがπ型フィルタ部7に接続され、カ
ソード側がグランド電位に接続される。
【0005】また、第1のスイッチングダイオード5の
アノード側には、インダクタンス素子10、抵抗11を
介してグランド電位に接続されている。そして、インダ
クタンス素子10と抵抗11との間には、第1及び第2
のスイッチングダイオード5、9をON/OFF制御す
るためのコントロール端子12が設けられている。
【0006】このようなアンテナスイッチ回路におい
て、コントロール端子12に正の電圧を加えることによ
り、バイアス電流が第1のスイッチングダイオード5、
π型フィルタ部7、第2のスイッチングダイオード9を
介してグランド電位に流れる。これにより、第1及び第
2のスイッチングダイオード5、9は共にON状態とな
り、送信端子1とアンテナ端子2間は第1のスイッチン
グダイオード5によりほとんど損失がなく接続される。
またアンテナ端子2と受信端子3間のπ型フィルタ部
7は、第2のスイッチングダイオード9により受信端子
3側が接地される。このため、π型フィルタ部7が送信
周波数に対してインピーダンスが無限大となるため、ア
ンテナ端子2と受信端子3間は高インピーダンス状態と
なり、アンテナ端子2と受信端子3は切り離された状態
となる。したがって送信端子1に供給された送信信号は
受信端子3側にほとんど流れない。
【0007】また受信時にはコントロール端子12に負
の逆バイアス電圧を加えるか、Low状態とする。これに
より、第1及び第2のスイッチングダイオード5、9は
共にOFFとなる。これにより、送信端子1とアンテナ
端子2の間を切断状態とする一方、アンテナ端子2と受
信端子3間のπ型フィルタ部7は単なる伝送線路として
動作するため、アンテナ端子2と受信端子3間はほとん
ど損失がなく接続される状態となる。したがってアンテ
ナ端子2に供給された受信信号は送信端子1側にほとん
ど流れずに受信端子3に伝送される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に携帯電
話の通信周波数は、900MHz帯、1.8GHz帯、
1.9GHz帯などのように、900MHz帯以上が使
用している。また、図1に示したように、このアンテナ
スイッチング回路SWには、不要なスプリアスの輻射を
防止する目的で送信端子側に低域通過型フィルタLPF
を、またスプリアスの受信を防止する目的で受信端子側
に表面弾性波(SAW)フィルタからなるバンドパスフィル
タBPFが接続されている。特に、表面弾性波(SAW)フ
ィルタについては、耐電圧特性が低いものである。
【0009】また、携帯電話の使用においては、アンテ
ナ部分の手で伸縮した時に、アンテナANTから人体の
静電気などがアンテナANTに印加されてしまうことが
多い。
【0010】このアンテナANTに加わる静電気放電
(ESD)により、バンドパスフィルタBPFを構成する
SAWフィルタが破壊されたり、また、アンテナスイッ
チ回路を構成するスイッチングダイオードが破壊されて
しまい、その結果、アンテナスイッチング回路の機能が
損なわれるという問題点があった。このような静電気放
電による素子破壊を防止する目的で、バリスタやアレス
タなどのサージアブソーバ素子がアンテナスイッチ回路
の前段に使用される。
【0011】しかしながら、サージアブソーバによる挿
入損失が大きく電力損失が増大するサージアブソーバは
コンデンサなどの表面実装素子に比して大型であり、ア
ンテナスイッチ回路を含むアンテナ入出力部モジュール
自身が非常に大きくなるという問題があった。また、サ
ージアブソーバは高価であり、アンテナスイッチ回路を
含むアンテナ入出力部モジュールの低価格化が難しいな
どの問題が有った。
【0012】従来のアンテナスイッチ回路を含むアンテ
ナ入出力部モジュール(高周波回路部品)は、図3に示
すように、複数の誘電体層を積層した多層基板20内
に、コンデンサ、インダクタを形成したり、グランド電
位となる内部電極層、さらに、その表面に、インダクを
形成する表面導体膜21やスイッチングダイオード、チ
ップコンデンサ、チップコイル、チップ抵抗やパワート
ランジスタ、SAWフィルタなどを実装電子部品22を
実装して、図1や図8に示す回路構成を構成していた。
【0013】このような多層基板20の端面には、少な
くともアンテナに接続するアンテナ端子2となる端子電
極23やグランド端子電極が形成されている。例えば、
図8に相当する送信端子1や受信端子3に相当する端子
電電極は、この高周波部品に搭載する実装部品22によ
っては、パワーアンプや受信信号を処理するICチップ
を搭載した場合には、送信端子や受信端子自身は、回路
構成内に接続点として存在し、多層基板20の端面には
現れない。図において、アンテナ端子電極23は、基板
の厚み方向に形成された凹部24の内壁に被着した導体
膜25によって形成されている。このような端子電極2
3部分の等価回路は、導体膜25の長さや厚みなどに起
因して寄生インダクタスL1(一般に1.0〜2.0n
H)が、また、近傍のグランド電位との間に発生する寄
生容量C1(一般に1.0〜2.0pF)が発生してし
まう。このように端子電極23部分に寄生インダクタン
スなどが発生すると、その図5に示すように、高周波側
の周波数に対する挿入損失が増大してしまい、送受信号
を劣化してしまうという問題があった。尚、図5の特性
図は、寄生インダクタスL1が1.0nH、寄生容量C
1が1.5pFの時の特性である。
【0014】また、この特性図において、マークm1
は、300MHz時の挿入損失である。この300MH
zとは、上述したアンテナに人体が触れた時に発生する
立ち上がり時間、例えば1nsec時間に相当する周波数で
ある。この300MHzの挿入損失が、送受信周波数
帯、例えは900MHz以上の周波数に比較して小さく
なっている。即ち、この静電気によるノイズが、送信信
号などと同様に、アンテナ端子電極を介してアンテナス
イッチ回路に印加されてしまうことを示している。
【0015】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、アンテナ端子(アンナテ端
子電極)部分で、静電気対策を行い、しかも、アンテナ
端子電極部分での寄生成分に起因する送受信信号の劣化
を防止し、その結果、小型化・低価格化が難しく、特性
の改善可能な高周波回路及びその高周波回路部品を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、送信回路、受
信回路及びアンテナに接続される送信端子、受信端子及
びアンテナ端子を有し、前記送信回路と前記アンテナと
の接続及び前記アンテナと前記受信回路との接続を切り
換える高周波回路において、前記アンテナ端子とグラン
ド電位との間にインダクタンス素子を配置した高周波回
路である。
【0017】また、別の発明は、多層基板の端面に、送
信回路、受信回路及びアンテナに接続される送信端子電
極、受信端子電極及びアンテナ端子電極を形成し、多層
基板の内部及び表面に送信回路とアンテナとの接続及び
受信回路と前記アンテナとの接続を切り換えるスイッチ
ングダイオード、伝送線路、インダクタンス、コンデン
サ及びグランド導体膜を配置した高周波回路部品におい
て、前記アンテナ端子電極とグランド導体膜との間に、
インダクタンス素子を配置した高周波回路部品である。
【0018】また、好ましくは、前記インダクンス素子
は、グランド導体膜との間に発生する前記アンテナ端子
電極との間に発生する寄生容量成分と並列的に接続され
ている高周波回路部品である。
【0019】
【作用】本発明は、アンテナ端子からグランド電極間に
インダクタンス素子を設けることにより、静電気放電に
よるアンテナスイッチングやその後段に接続される回路
の所定回路構成部品の破壊を防止できる。
【0020】特に、アンテナ端子電極は、寄生容量と寄
生インダクタンス成分を有し、挿入損失特性が高周波側
で劣化していたのに対して、アンテナに印加される静電
気の周波数である300MHz付近では、損失を大きく
(静電気を回路側に入れない)、且つ900MHz以上
の高周波領域(送受信信号の周波数帯)で良好な挿入損
失特性となる。
【0021】これにより、アンテナ端子(アンナテ端子
電極)部分で、静電気放電の対策ができ、しかも、アン
テナ端子電極部分での寄生成分に起因する送受信信号の
劣化が防止でき、その結果、小型化・低価格化が難し
く、特性の改善可能な高周波回路及びその高周波回路部
品となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波回路及びそ
の高周波回路部品について図面に基づいて詳説する。図
1は典型的な高周波回路のブロック図である。図2は本
発明の高周波回路の一部を構成するアンテナスイッチ回
路図である。図3は本発明の高周波回路部品のシールド
ケースを省略した外観斜視図である。
【0023】本発明の高周波回路は、少なくともアンテ
ナスイッチング回路を含むアンテナ入出力回路である。
例えば、図1に示すように、SWは送信受信を切り換え
るアンテナスイッチング部SWと、パワーアンプを含む
送信回路TX、受信回路RX、送受信号の高調波成分を
除去するローパスフィルタLPF、受信信号のみを通過
させるフィルタBPFから構成される。また、図3に示
す多層基板20に一体化されたモジュール部品となる。
即ち、高周波回路とは、少なくともアンテナスイッチン
グ回路SWを含むものであり、必要に応じて、受信端子
側や送信端子側は市場の要求によって、受信回路RXや
送信回路TX、それを制御する電圧制御発振回路を含
む。
【0024】本発明の必須部分であるアンテナスイッチ
ング部SWは、図2に示すようにコンデンサ、インダク
タ導体膜からなるアンナテπ型フィルタ7、スイッチン
グダイオード5、9などからなり、送信回路TXから送信
される送信信号をアンテナANTに、また、アンテナA
NTから受信された受信信号を受信回路RXにそれぞれ
導出されるように制御している。
【0025】アンテナスイッチング部SWを構成するア
ンテナスイッチング回路には、送信回路TX側に接続さ
れる送信端子1、受信回路RX側に接続される受信端子
3、アンテナ側に接続するアンテナ端子2を備えてい
る。実際には、図2に示すアンテナスイッチング回路の
送信端子3と送信回路TXとの間には、必要に応じてロ
ーパスフィルタLPFやその他の回路部が配置され、ま
た、受信端子1と受信回路RXとの間には、必要に応じ
てバンドパスフィルタBPFやその他の回路部を配置さ
れる。またアンテナ端子2とアンテナANTとの間に必
要に応じてディプレクサなどを配置し、デュアルモード
に対応させてもかまわない。
【0026】送信端子3は、コンデンサ4を介して第1
のスイッチングダイオード(PINダイオード)5のアノ
ード側に接続され、この第1のスイッチングダイオード
5のカソード側はコンデンサ6を介してアンテナ端子2
ならびにπ型フィルタ部7の一端に接続される。このπ
型フィルタ部7は送信端子1に入力される送信周波数F1
に対して高いインピーダンスとなるように設定されてい
る。また、π型フィルタ部7の他端は、コンデンサ8を
介して受信端子3に接続される。また、π型フィルタ部
7の他端には、第2のスイッチングダイオード9(PIN
ダイオード)のアノードが接続され、またカソード側が
グランド電極に接続される。
【0027】また、第1のスイッチングダイオード5の
アノード側とグランド電位との間には、インダクタ素子
10、抵抗11とが配置され、インダクタ素子10と抵
抗11との間には、コントロール端子12が設けられて
いる。
【0028】さらにアンテナ端子2において、カップリ
ングコンデンサ6とアンテナ端子2の間からグランド電
位との間にインダクタンス素子13が接続される。
【0029】このような回路において、コントロール端
子12に、第1のスイッチングダイオード5、第2のス
イッチングダイオード9のバイアス電流を制御(供給、
非供給)により、第1及び第2のスイッチングダイオー
ド5、9のON/OFFを制御することができる。
【0030】ここでコンデンサ4、6、8は、スイッチ
ングダイオード5、9に流れるバイアス電流がアンテナ
スイッチ回路の外に流れ出すことを防止するためのカッ
プリングコンデンサであり、インダクタンス素子10は
コントロール端子12と送信端子1との間をハイインピ
ーダンスに保ち、送信信号がコントロール端子12に流
れることを防ぐために用いられる。
【0031】また、π型フィルタ部7は、例えぱ3つの
インダクタ導体71、72、73とそれぞれぞれの2つ
の接続点とグランド電位との間に配置された2つのコン
デンサ74、75とか構成されている。実際には、3つ
のインダクタ導体71、72、73を一体のインダクタ
導体膜として形成し、その導体膜の途中に2つのコンデ
ンサ74、75を接続して形成する。さらに、これらの
コンデンサ74、75と並列的に第2のスイッチングダ
イオード9が接続されている。即ち、この第2のスイッ
チングダイオード9を含んで、このπ型フィルタ部7
は、複数の共振回路が合成され、送信信号の通過を阻止
するフィルタを構成する。即ち、第2のスイッチングダ
イオード9がオフ状態においては、受信信号F2の周波
数帯域において、インピーダンスが「ゼロ」になるよう
に、第2のスイッチングダイオード9がオン状態におい
ては、送信信号F1の周波数帯域において、高いインピ
ーダンスになるようにフィルタ設計を行う。
【0032】ここで、送信時には、コントロール端子1
2に、負の逆バイアス電圧を加えるか、Low状態として
第1及び第2のスイッチングダイオード5、9を共にO
FFさせることで、アンテナ端子2と送信端子1との間
を切断する。また、アンテナ端子2と受信端子3との間
は、π型フィルタ部7を介して接続されることになる。
このときの受信周波数特性は平坦であり、通過帯域にて
アンテナ端子2と受信端子3間の良好な挿入損失を得る
ことができる。
【0033】送信時にはコントロール端子12より加え
た正の電圧により送信端子 1とアンテナ端子2との間
にある第1のスイッチングダイオード5をONさせて接
続状態とする。この時、第2のスイッチングダイオード
9は、送信信号に対して高インピーダンスとなるため、
アンテナ端子2と受信端子3との間が切断された状態と
なる。したがって送信端子1に入力された送信信号は受
信端子3にほとんど流れずに、アンテナ端子2に伝送さ
れる。
【0034】本発明は、上述のアンテナスイッチング回
路において、アンテナ端子2とグランド電位との間にイ
ンダクタンス素子13を配置した。このアンテナ端子2
は、実際の高周波部品として例えば多層基板は、とした
場合に寄生インダクタンス及び寄生容量を有している。
そして、このアンテナ端子2に接続するインダクタンス
素子13が、これら寄生インダクタンス及び寄生容量と
ともに動作して、ハイパスフィルタを構成している。
【0035】このようなアンテナスイッチング回路は、
図3のように、多層基板に形成されることになる。多層
基板の内部構造は、図示していないが、複数の誘電体材
料からなる絶縁層が積層された積層基体20と、積層基
体20の表面に形成された表面配線層21、この表面配
線層21に実装された回路成部品22とからなる。尚、
図には省略しているが、多層基板の表面は、シールドケ
ースによって覆われている。
【0036】また、積層基体20の各絶縁層の層間に
は、内部電極層が配置されており、この各絶縁層には内
部電極層どうし、内部電極層と表面配線層21とを接続
するビアホール導体が形成されている。
【0037】また、多層基板20の端面には、複数の端
子電極23が形成されている。この端子電極23は、例
えば、端面の厚み方向に形成された凹部24、凹部の内
壁面に形成された導体膜25によって構成されている。
この端子電極23の種類は、少なくともアンテナと接続
するアンテナ端子電極であり、さらにグランド電位とな
る端子電極、さらに内部に内装する回路によって入出力
端子電極、コントロール端子電極など端子電極の種類が
種々存在する。
【0038】上述の多層基板20において、内部配線層
は所定配線以外に上述のアンテナスイッチ回路におい
て、所定コンデンサの容量を形成するための対向電極、
インダクタ導体、グランド電位の導体膜などが例示でき
る。また、表面配線層21は、配線以外に、所定抵抗、
インダクタ導体膜、クランド電位の導体膜などが例示で
き、回路構成部品22は、スイッチングダイオード5、
9やチップコンデンサ、チップコイル、チップ抵抗など
が例示できる。尚、多層基板20に受信回路RXや送信
回路TXなどを一体化する場合には、回路構成部品22
としては、さらに、SAWフィルタ素子、共振素子、ト
ランジスタ、パワーアップを含むICチップなども例示
できる。
【0039】ここで、どのような高周波回路であって
も、多層基板20の端面には、アンテナ端子2となる端
子電極23が存在する。ここで、以下、端子電極23を
アンテナ端子電極とする。このアンテナ端子電極23に
は、図4の点線で囲む寄生容量C1、寄生インダクタン
スL1を無視できない。即ち、寄生容量成分C1は、端
子電極23となる導体膜25の近傍に存在するグランド
電位の導体膜やシールドケースとの間に発生する容量で
ある。また、寄生インダクタンスL1は、端子電極23
となる導体膜25の基板厚み方向の高さ寸法や厚みなど
によって決まるものである。
【0040】通常の端子電極23の形状、直径3mmの
凹部24に高さ方向に1.5mmの導体膜25を形成し
た場合、寄生容量C1は、約1.5pFであり、寄生イ
ンダクタンスL1は、約1.0nHである。
【0041】本発明では、アンテナ端子2とグランド電
位の間に、インダクタンス素子13を配置している。即
ち、多層基板20においては、アンテナ端子電極23と
グランド電位の導体膜27との間にコイル26などのイ
ンダクタンス素子を配置した。また、積層基体20の内
部にコイルパターンを形成したり、多層基板20の表面
にコイルパターンを形成してもよい。また、回路構成部
品22としてチップコイル26を用いることにより達成
できる。
【0042】即ち、このインダクタンス素子13(図4
の等価回路図では、Lと記す)とを含む端子電極23の
等価回路は、図4の全体のようになる。図4の点線内に
示されている寄生容量C1、寄生インダクタンスL1か
らなるT型LC回路に、さらに、インダンタクスLのイ
ンダクタンス素子13が付加される。
【0043】このようにインダンタクスLを付加するこ
とにより、特に、アンテナANTを介してアンテナ端子
電極23に印加される静電気などに対して、その影響を
非常に抑えることができる。
【0044】図5は、従来のアンテナ端子電極部分での
周波数−挿入損失特性であり、図6、図7は、本発明に
おけるアンテナ端子電極部分での周波数−挿入損失特性
である。ここで、アンテナANTを手でふれたりするこ
とによって発生する静電気は、その立ち上がり時間から
して、周波数で換算すると、約300MHzの信号とな
る。また、携帯電話における送受信信号は、通信システ
ムによって相違するももの、900MHz帯、1.8G
Hz、1.9GHzなど900MHz以上である。
【0045】図5〜図7の特性において、m1は300
MHzであり、m2は、1.0GHzをマークしたもの
である。
【0046】従来のように、アンテナ端子2(アンテナ
端子電極23)にインダクタンス素子13を付加しない
場合、静電気を想定した300MHzでは、−0.01
2dBであり、送受信信号を想定した1.0GHzで
は、0.131dBであった。即ち、静電気と送受信信
号とを比較した場合、種々の回路に傷害となる静電気を
損失なく通過させ、逆に重要な送受信信号の挿入損失が
大きくなることがわかる。しかも、高周波側にシフトす
るに従い、その挿入損失も単調に増加してしまう。
【0047】これに対して、図6の特性は、端子電極2
3の寄生容量C11.5pF、寄生インダクタンスL
1、約1.0nHを考慮して、端子電極23とグランド
電位との間にインダクタンス素子13として、15nH
を付加したものである。また、図7の特性は、端子電極
23の寄生容量C11.7pF、寄生インダクタンスL
1、約1.0nHを考慮して、端子電極23とグランド
電位との間にインダクタンス素子13として、12nH
を付加したものである。
【0048】図6において、静電気を想定した300M
Hzでは、−2.539dBであり、送受信信号を想定
した1.0GHzでは、0.057dBであった。
【0049】また、図7において、静電気を想定した3
00MHzでは、−3.176dBであり、送受信信号
を想定した1.0GHzでは、0.072dBであっ
た。
【0050】即ち、静電気を想定した300MHzで
は、挿入損失を大きくすることができ、これにより、ア
ンテナ端子電極23の外部から印加され静電気の損失を
大きくして、その結果、アンテナスイッチング回路をは
じめ、各種回路を静電気から保護することができる。
【0051】また、図6、図7から理解できるように、
反射特性が最も少なく周波数帯を、例えば、送受信信号
の周波数帯域、1.0GHzに設定することができ、従
来の送受信信号の周波数帯の反射特性に比較して、図
6、図7で、夫々約0.7dB、0.6dB改善でき
る。即ち、アンテナ端子2(アンテナ端子電極23)で
送受信信号の周波数帯域の反射特性を向上させることも
できる。
【0052】上述のように、静電気に相当する300M
Hzの挿入損失はインダクタンス素子13のない場合に
比して3dB程度増加している。このことは、電力比にし
て約1/2の電力が伝送しないことを示し、上述したよ
うに、アンテナスイッチ回路をはじめとする高周波回路
のサージ保護として絶大な効果がある。
【0053】従って、アンテナ端子2(アンテナ端子電
極23)とグランド電位との間にインダクタンス素子1
3を挿入することにより、通過帯域の損失を改善すると
同時に、静電気放電による電力を1/2程度低減するこ
とが可能となる。
【0054】以上の実施例においてはインダクタンス素
子として集中定数を用いたが、ストリップラインなどの
分布定数素子であっても効果は同じである。
【0055】
【発明の効果】以上の本発明では、高周波回路におい
て、アンテナ端子とグランド電位との間、高周波回路部
品において、アンテナ端子電極とグランド導体膜との間
に、インダクタンス素子を挿入することにより、端面電
極部分に起因する送受信信号の通過帯域の損失を改善す
ると同時に、静電気放電の電力を阻止することでき、ア
ンテナスイッチ回路をはじめ他の高周波回路の破壊を防
止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な高周波回路のブロック図である。
【図2】本発明の高周波回路で必須回路であるアンテナ
スイッチ回路の回路図である
【図3】高周波回路を組み込んだ高周波回路部品の外観
斜視図である。
【図4】本発明のアンテナ端子電極部分の等価回路図で
ある。
【図5】従来のアンテナ端子電極での周波数−挿入損失
特性を示す特性図である。
【図6】本発明のアンテナ端子電極にインダクタンス素
子を挿入した状態の周波数−挿入損失特性を示す特性図
である。
【図7】本発明のアンテナ端子電極に別のインダクタン
ス素子を挿入した状態の周波数−挿入損失特性を示す特
性図である。
【図8】従来のアンテナスイッチ回路の回路図である。
【符号の説明】
ANT アンテナ TX 送信回路 RX 受信回路 LPB ローパスフィルタ BPF バンドパスフィルタ SW アンテナスイッチ回路部 1 送信端子 2 アンテナ端子 3 受信端子 12 コントロール端子 5 第1のスイッチングダイオード 9 第2のスイッチングダイオード 7 π型フィルタ部 13(L) インダクタンス素子 23 端子電極 C1 寄生容量成分 L1 寄生インダクタンス成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信回路、受信回路及びアンテナに接続
    される送信端子、受信端子及びアンテナ端子を有し、前
    記送信回路と前記アンテナとの接続及び前記アンテナと
    前記受信回路との接続を切り換える高周波回路におい
    て、 前記アンテナ端子とグランド電位との間にインダクタン
    ス素子を配置したことを特徴とする高周波回路。
  2. 【請求項2】多層基板の端面に、送信回路、受信回路及
    びアンテナに接続される送信端子電極、受信端子電極及
    びアンテナ端子電極を形成し、多層基板の内部及び表面
    に送信回路とアンテナとの接続及び受信回路と前記アン
    テナとの接続を切り換えるスイッチングダイオード、伝
    送線路、インダクタンス、コンデンサ及びグランド導体
    膜を配置した高周波回路部品において、 前記アンテナ端子電極とグランド導体膜との間に、イン
    ダクタンス素子を配置したことを特徴とする高周波回路
    部品。
  3. 【請求項3】前記インダクンス素子は、グランド導体膜
    との間に発生する前記アンテナ端子電極との間に発生す
    る寄生容量成分と並列的に接続されていることを特徴と
    する請求項2記載の高周波回路部品。
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