JP2003016991A - イオントラップ型質量分析装置 - Google Patents

イオントラップ型質量分析装置

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JP2003016991A JP2001193505A JP2001193505A JP2003016991A JP 2003016991 A JP2003016991 A JP 2003016991A JP 2001193505 A JP2001193505 A JP 2001193505A JP 2001193505 A JP2001193505 A JP 2001193505A JP 2003016991 A JP2003016991 A JP 2003016991A
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定イオンの選別を行う際に、高い質量分解
能を確保しつつイオンの残留効率を改善して分析感度を
高める。 【解決手段】 イオントラップ領域1に各種イオンを捕
捉した後、所望のイオンに対する振動の基本周波数とう
なり周波数の両者に対応する周波数にノッチを有する広
帯域交流電圧をエンドキャップ電極3,4に印加する。
これにより、所望のイオンは基本周波数での振動が励起
されないのみならずうなり振動も励起されないのでイオ
ントラップ領域1に残り、他の殆どのイオンは排出され
る。次いで、上記うなり周波数に相当する単一成分の信
号をエンドキャップ電極3,4に印加する。すると、う
なり周波数を基本周波数とする、先にイオントラップ領
域1に残ってしまっていたイオンの振動が励起されて排
出され、所望のイオンのみが効率よくイオントラップ領
域1に残る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電場によってイオ
ンを閉じ込めるためのイオントラップを備えるイオント
ラップ型質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】イオントラップ型質量分析装置等を用い
た質量分析においてはMS/MS分析(タンデム分析)
という手法が知られている。一般にMS/MS分析で
は、まず分析対象物から目的とする特定質量数(質量/
電荷)を有するイオンを前駆イオンとして選別し、その
選別した前駆イオンをCID(Collusion Induced Diss
ociation:衝突誘起分解)によって開裂させ、開裂イオ
ンを生成する。その後、開裂によって生成したイオンを
質量分析することによって、目的とするイオンの質量や
化学構造についての情報を取得することができる。
【0003】通常、イオントラップ型質量分析装置にお
いては、内側面が回転1葉双曲面形状を有する1個の環
状のリング電極と、それを挟むように対向して設けられ
た、内側面が回転2葉双曲面形状を有する一対のエンド
キャップ電極とで囲まれる空間にイオントラップ領域が
形成される。このリング電極及びエンドキャップ電極に
それぞれ所定の電圧を印加すると、イオントラップ領域
に四重極電場が形成され、そこに内部で発生した又は外
部から導入されたイオンを閉じ込めておくことができ
る。MS/MS分析を行う場合には、上記のようにイオ
ントラップ領域に各種イオンを閉じ込めた後に、前駆イ
オンの選別行程として、目的とする前駆イオンのみをイ
オントラップ領域に残し、他の不要なイオンはイオント
ラップ領域から排除するような処理を実行する。
【0004】具体的には、例えば次のようなイオン選別
方法が知られている。すなわち、2個のエンドキャップ
電極間に逆位相の交流電圧を印加すると、その交流電圧
の周波数と一致する固有周波数(振動数)を有するイオ
ンが共鳴して振動する。その共鳴振動の振幅は次第に増
大し、結果的にそのイオンはイオントラップ領域から飛
び出したり電極に衝突したりして排除される。共鳴振動
するイオンの質量数はその固有周波数と所定の関係を有
しているから、例えば図6に示すような、特定の周波数
0にノッチを持つ(換言すればその周波数成分を持た
ないような)周波数スペクトルを有する広帯域交流電圧
をエンドキャップ電極に印加すると、そのノッチ周波数
0に応じた質量数m0を有するイオンのみが共鳴振動せ
ずにイオントラップ領域に留まり、他のイオンはイオン
トラップ領域外部に排出される。これにより前駆イオン
の選別を達成することができる。このようにして選別さ
れたイオンに対しイオントラップ領域に導入したバッフ
ァガスの分子を衝突させて開裂を促進し、それによって
発生する生成イオンをイオントラップ領域から放出させ
て検出すればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】イオントラップ領域で
のイオンの振動周波数はイオンの質量数に依存するが、
それ以外にイオントラップの動作パラメータ、具体的に
はリング電極に印加するRF主電圧の振幅値などを変え
ることによっても変えることができる。図7は、リング
電極に印加されるRF主電圧の振幅をパラメータとした
ときの、イオンの質量数とその振動周波数(つまり上記
イオン選別においてはノッチ周波数に相当)との関係の
一例を示すグラフである(本出願人による特開2000-323
090号公報参照)。このグラフ上で、質量数と周波数と
の関係を示す曲線の接線の傾きが分解能を表す。図7中
に示すように、或る同一質量数(例えば200)に対して
は、RF主電圧の振幅を大きくするほどノッチ周波数は
高くなり、その周波数が高いほど周波数対質量数の接線
の傾きは緩やかになる(接線P1とP2を比較すれば明ら
か)。これは、質量数の選別分解能が高くなること、つ
まり質量数の選択性が向上することを意味する。したが
って、前駆イオンを高い質量数分解能で選別するには、
振動周波数が高くなるような条件(例えばRF主電圧の
振幅を大きくする)を設定することが望ましい。
【0006】しかしながら、例えばRF主電圧の振幅を
大きくする等の振動周波数が高くなる条件下で前駆イオ
ンの選別を行うと、選別されるべき前駆イオンの一部も
イオントラップ領域から排除されてしまい、イオントラ
ップ領域に留まる前駆イオンの量が減って、最終的に分
析感度の低下を招くという現象があった。すなわち、上
記の従来方法では、前駆イオンの選別行程で、質量数分
解能と分析感度とはトレードオフの関係にあり、両者を
ともに充分に満足させることは困難であった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、イオン
トラップ領域で特定のイオンの選別を行う場合に、高い
質量数分解能と高い分析感度とをともに達成することが
できるイオントラップ型質量分析装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】後に詳述するように、イ
オンの振動周波数が高くなるような条件を設定した際に
選別されるべきイオンの量も減じてしまうのは、主とし
て、そのイオンが有する基本周波数以外のうなりの周波
数での共鳴振動の励起が無視できなくなり、これによっ
て、選別されるべきイオンが共鳴振動して電極へ衝突し
てしまったり或いはイオントラップから排出されてしま
ったりすることによる。
【0009】そこで、本発明は上記課題を解決するため
に、環状のリング電極と、該リング電極を挟むように配
設された一対のエンドキャップ電極とで囲まれる空間に
イオントラップを形成してなるイオントラップ型質量分
析装置であって、前記イオントラップ内に各種イオンを
捕捉した後にそのうちの特定の質量数を有する目的イオ
ンを選別するイオン選別を行うものにおいて、前記目的
イオンの振動の基本周波数と、該基本周波数と所定の関
係を有する別の周波数とに対応する二箇所にノッチを有
するような周波数スペクトルを持つ交流電圧を前記エン
ドキャップ電極に印加する電圧印加手段を備えることを
特徴としている。
【0010】ここで、上記「基本周波数と所定の関係を
有する別の周波数」とは、基本周波数成分とそれとは別
の周波数成分との間で生じるうなりの周波数のことを言
う。
【0011】すなわち、本発明に係るイオントラップ型
質量分析装置によれば、エンドキャップ電極に印加され
る交流電圧によってイオントラップ領域に発生する電場
は、目的イオンの共鳴振動の基本周波数を含まないのみ
ならず、そのイオンのうなり振動の周波数成分も含まな
い。そのため、基本周波数によって共鳴振動が励起され
ないだけでなくうなり周波数によっても共鳴振動が励起
されないので、非常に高い確率でもってイオントラップ
領域に留まることができる。一方、目的イオン以外の各
種イオンは上記電場により共鳴振動が励起され、次第に
その振幅が増大して電極に衝突したりイオントラップ領
域の外部へと排出されてしまったりする。その結果、目
的イオンが効率よくイオントラップ領域に残ることにな
る。
【0012】上述したように二箇所にノッチを有する周
波数スペクトルを持つ交流電圧をエンドキャップ電極に
印加してイオンの選別を行うと、目的イオンが選別され
るのみならず、上記別の周波数が基本周波数と偶然に一
致するような質量数を有する不所望のイオンも同時に選
別される恐れがある。そこで、本発明に係るイオントラ
ップ型質量分析装置では、上記電圧印加手段は、上述し
たように二箇所にノッチを有する交流電圧の印加に引き
続いて、上記別の周波数のみを含む周波数スペクトルを
持つような交流電圧を前記エンドキャップ電極に印加す
る構成とするとよい。これにより、上記不所望のイオン
が共鳴振動してイオントラップ領域から排除されるた
め、最終的に目的イオンのみをイオントラップ領域に残
すことができる。
【0013】なお、上述したような特定の周波数にノッ
チを有する広帯域信号は、例えば、周波数の相違する複
数の単一周波数の正弦波信号を合成することにより得る
ことができるほか、本出願人が特願2000-22370号で提案
しているような方法でも得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係るイオントラッ
プ型質量分析装置におけるイオン選別の原理を詳細に説
明する。いま、図2に示すように円筒座標系(r,z)に
おいて典型的なイオントラップを考える。
【0015】すなわち、内側面が回転1葉双曲面形状を
有する1個の環状のリング電極2と、それを挟むように
対向して設けられた、内側面が回転2葉双曲面形状を有
する一対のエンドキャップ電極3,4により囲われた空
間がイオントラップ領域1になる。図示するように、リ
ング電極2には、+(U−VcosΩt)/2、エンドキャッ
プ電極3,4には−(U−VcosΩt)/2なる交流電圧が
印加されているとする。
【0016】このような電圧が印加されたときにイオン
トラップ領域1に形成される四重極電場における各種イ
オンの運動は、z方向、r方向について次の(1),(2)式
で示す独立の運動方程式で記述することができる。 d2r/dt2+(e/mr0 2)(U−VcosΩt)r=0 …(1) d2z/dt2+(2e/mr0 2)(U−VcosΩt)z=0 …(2) ここで、mはイオンの質量、eはイオンの電荷である。
【0017】いま、az,ar,qz,qrを(3),(4)式の
ように定義すると、上記運動方程式(1),(2)は(5),(6)
のマチウ(Mathieu)方程式の形で表すことができる。 az=−2ar=(−8eU)/(mr0 2 Ω2) …(3) qz=−2qr=(−4eV)/(mr0 2 Ω2) …(4) d2r/dζ2+(ar−2qrcos2ζ)r=0 …(5)
2z/dζ2+(az−2qzcos2ζ)z=0 …(6)
但し、ζ=(Ωt)/2
【0018】このマチウ方程式の解の性質は、az,qz
を用いて表すことができる。図3はこのマチウ方程式の
解の安定条件を説明するための図であり、縦軸がaz
横軸がqzである。図3に示すaz−qz面において実線
で囲まれた領域Sが上記方程式の安定解となる。すなわ
ち、上記パラメータaz,qzはイオンの質量数(m/
e)によって定まり、これらの値の組(az,qz)が特
定の範囲に存在する場合に、このイオンは特定の周波数
で振動を繰り返しイオントラップ領域1に捕捉される。
具体的には、図3中で実線で囲まれた安定領域Sがイオ
ンがイオントラップ領域1に安定して存在できる範囲で
あり、その外側が不安定領域である。なお、βはqに依
存する値である。
【0019】イオントラップ領域1に閉じ込められたイ
オンは、このβをパラメータとして(7)式で表される運
動をする。 α1ΣC2n cos(2n±β)ζ+α2ΣC2n sin(2n±β)ζ …(7) (7)式より、これは周波数ωn=(2n±β)ζの重なり合
った運動であることがわかるが、一般には、イオンは近
似的にn=0とした基本周波数ω0で運動するものとし
て近似されている。
【0020】通常、イオントラップ型質量分析装置は、
U=0つまりa=0で使用されることが多いので、説明
を簡単にするためにこのような条件の下で説明を続け
る。いま、或る一定の電圧Vをリング電極2に印加した
とすると、(4)式の定義からもわかる通り、安定領域S
内でのqの値は質量mに依存している。また図3より、
zの相違はβzの相違であることもわかる。したがっ
て、一定電圧Vがリング電極2に印加された状態では、
各種イオンはイオントラップ領域1で質量mによってそ
れぞれ異なる周波数で運動していることになる。その運
動(振動)の周波数は、質量mが小さいイオンでは相対
的に高く、質量mが大きなイオンでは低くなる。
【0021】既述のように、イオントラップ領域1に閉
じ込められている各種イオンのうち、或る特定の質量数
を有するイオンをイオントラップ領域1から排除するた
めには、そのイオンの振動の周波数と共振するような周
波数の交流電圧をエンドキャップ電極3,4に印加する
という方法が用いられる。すなわち、特定質量数のイオ
ンをイオントラップ領域1に残し、それ以外の不要な質
量数のイオンを排除する前駆イオンの選別行程において
は、前駆イオンの質量数に相当する周波数にノッチを有
する周波数スペクトルを持つ広帯域の交流電圧をエンド
キャップ電極3,4に印加する。図3からわかる通り、
安定領域S内のaz=0上では、一定のqzの差に対する
βの差はqzが大きいほど大きくなる。つまり、一定の
質量差Δmに対する周波数差はqzが大きいところほど
大きくなる。換言すれば、上述の前駆イオンの選別行程
におけるqzが大きいほど前駆イオンの質量分解能能
(選択性)が高くなる。このことは図7のグラフにも合
致している。
【0022】さて、前述したように、イオンの振動は
(7)式においてn=0を基本周波数とする運動で近似で
きると考えられているが、実は、このような近似が成立
し得るのはqが比較的小さい領域でのことである。図5
に相異なるqにおけるイオンの運動の周波数スペクトル
をシミュレーションによって計算した結果を示す。図5
で(a)はq=0.14、(b)はq=0.782のときの結果
である。この結果から明らかなように、qが0.14のとき
は基本周波数ω0よりも高い周波数成分の強度は基本周
波数ω0の1/10以下であるが、qが0.782まで大きくなる
と、基本周波数ω 0よりも高い周波数成分における強度
の比率が大きくなり、例えばn=1とした周波数ω1
(1−β/2)Ωは基本周波数ω0=(β/2)Ωの1/2程度に
まで大きくなっている。
【0023】図2からわかるように、βの採り得る値は
0から1までの範囲である。したがって、イオンの振動
周波数の最大値は補助交流電圧の周波数の1/2までであ
って、基本周波数ω0はイオンの振動成分の最低周波数
である。基本周波数の次に低い周波数成分は(1−β/
2)Ωであるが、βの最大値が1であることから(β/2)
Ωを下回ることはない。そのため、(1−β/2)Ωが安
定領域S内の周波数と重なることはなく、このような周
波数成分が混在しても安定領域S内に存在するイオンの
振動が不所望に励起されることはないから、イオントラ
ップ領域1から排除されずにすむ。
【0024】しかしながら、複数の周波数成分が混在し
ている場合には、その周波数差に相当するうなりが発生
する。図5(b)に示すように、qが大きな場合には、
(1−β/2)Ωの周波数成分が大きくなるとイオンの共
鳴振動の振幅が増大する。このときのうなりの周波数は
(1−β)Ωとなり、安定領域S内の周波数と重なる。そ
のため、前駆イオンの選別の際にこのような周波数成分
が存在すると、イオンのうなりの振動振幅が励起されて
次第にその振幅が大きくなり、電極に衝突したりイオン
トラップ領域から排除されてしまったりする。
【0025】そこで、本発明に係るイオントラップ型質
量分析装置では、次のような手順で前駆イオンの選別、
換言すれば前駆イオン以外のイオンのイオントラップ領
域からの排除を実行する。
【0026】まず、各種イオンを四重極電場によってイ
オントラップ領域1に捕捉した後、第一段階として、目
的とする前駆イオンの基本周波数に相当する(β/2)Ω
とうなりの周波数に相当する(1−β)Ωの二箇所にノッ
チを有する周波数スペクトルを持つ広帯域電圧をエンド
キャップ電極3,4に印加する。これにより、上記前駆
イオンは基本周波数でもって振動することがないのみな
らず、うなりの周波数でも振動することがない。したが
って、前駆イオンは確実にイオントラップ領域1に残
る。
【0027】このとき、前駆イオン以外の殆ど全てのイ
オンはイオントラップ領域1で共鳴振動して電極に衝突
するか或いは外部へと飛び出すため、イオントラップ領
域1には残らない。但し、上記広帯域交流電圧はうなり
の周波数に相当する(1−β)Ωにノッチを有しているた
め、この周波数が基本周波数となるような、前駆イオン
とは異なる他のイオンは殆ど振動せず(実際には、この
イオンに対するうなりの周波数によって振動する可能性
はある)、前駆イオンと共にイオントラップ領域1に残
る可能性が高い。
【0028】そこで第二段階として、(1−β)Ωの周波
数成分のみを有する単一周波数の補助交流電圧をエンド
キャップ電極3,4に印加する。上記のようにこの周波
数は前駆イオンと共にイオントラップ領域1に残った他
の不所望のイオンの基本周波数であるから、その電圧に
より形成される電場によって上記不所望のイオンは共鳴
振動して振幅が次第に増大し、電極に衝突するか或いは
外部へと飛び出して排除されてしまう。このとき、周波
数は単一であるためうなりは生じず、前駆イオンはその
電場の影響を受けることなくイオントラップ領域1にそ
のまま残る。
【0029】このようにして、二段階の手順で前駆イオ
ン以外の不所望のイオンの排除を行うことにより、前駆
イオンを実質的に殆ど排除することなく他の不所望のイ
オンをイオントラップ領域1から除外することができ
る。したがって、このようなイオン選別行程により選別
された前駆イオンに、外部からイオントラップ領域1へ
導入されたHe等のバッファガスの分子に衝突させるこ
とにより開裂を促し、各種の開裂イオンを生成する。そ
の後、この開裂によって生成したイオンを質量分析する
ことによって、分析対象イオンの質量や化学構造につい
ての情報を取得することができる。
【0030】図1は上記原理を具現化するイオントラッ
プ型質量分析装置の一実施例の構成図である。イオント
ラップ領域1周辺の構成に関しては、既に説明した図2
と同一であるので説明を省略する。
【0031】図1に示すように、リング電極2にはRF
主電圧発生部11が接続され、エンドキャップ電極3、
4には補助電圧発生部12が接続される。入口側エンド
キャップ電極3のほぼ中央に穿孔された入射口5の外側
には熱電子生成部7が配設されており、この熱電子生成
部7から放出された電子が入射口5を通過してイオント
ラップ領域1に導入され、試料導入部9から導入された
試料分子に接触してこれをイオン化する。一方、出口側
エンドキャップ電極4にあって入射口5とほぼ一直線上
に設けられた出射口6の外側には検出器8が配設されて
おり、出射口6を通してイオントラップ領域1から放出
されたイオンを検出し、検出信号をデータ処理部10へ
と送出する。
【0032】RF主電圧発生部11及び補助電圧発生部
12は制御部13から与えられる制御信号により、それ
ぞれ所定周波数及び所定振幅の交流電圧を発生するよう
に制御される。制御部13はCPU、ROM、RAMな
どを含んで構成されており、入力部14から設定された
条件に基づいて上記各部に制御信号を送る。制御部13
は機能的に広帯域信号データ生成部131を含んでい
る。広帯域信号データ生成部131は、入力部14から
設定された条件に基づいて、後述するように所定の周波
数にノッチを有する広帯域信号を構成するデジタルデー
タを生成して補助電圧発生部12へと送り、補助電圧発
生部12はこのデジタルデータをD/A変換器121で
アナログ信号に変換してエンドキャップ電極3,4に印
加する。
【0033】広帯域信号データ生成部131は、例え
ば、多数の正弦波波形を重畳することにより所望の広帯
域信号を生成する構成を有する。具体的には、本出願人
が特願2000-22370号で提案しているような方法を利用す
ることができる。
【0034】次に、このイオントラップ型質量分析装置
において、或る特定の質量数を有するイオンをMS/M
Sモードで分析したい場合について説明する。オペレー
タが入力部14により分析対象の前駆イオンの質量数を
入力設定すると、制御部13は予め決められている分解
能等に応じて、その前駆イオンの基本周波数に相当する
第1ノッチ周波数と、うなり周波数に相当する第2のノ
ッチ周波数とを求める。このようなノッチ周波数の算出
は予め格納されているROMテーブルを用いてもよい
し、計算式に基づいて計算を行うようにしてもよい。
【0035】イオントラップ領域1に前駆イオンを含む
各種イオンを捕捉するまでの動作は従来の装置と同様で
ある。すなわち、試料導入部9からイオントラップ領域
1に導入した試料分子に熱電子生成部7で発生した電子
を接触させて試料分子をイオン化する。発生したイオン
は、RF主電圧発生部11からリング電極2に印加され
るRF主電圧によりイオントラップ領域1に形成される
四重極電場に閉じ込められる。
【0036】その後、広帯域信号データ生成部131は
上述したような二箇所にノッチを有する広帯域信号を構
成するデータを生成し、補助電圧発生部12へと送る。
補助電圧発生部12は、D/A変換器121でこのデー
タをアナログ信号に変換してエンドキャップ電極3,4
に印加する。印加電圧の周波数スペクトルは例えば図4
(a)に示すようにf0とf1の二箇所にノッチを有する
ものとなる。これにより、所望の周波数を有する前駆イ
オンのみが共振振動を生じずにイオントラップ領域1に
残り、他の不要なイオンは次第に振動振幅が増大して、
電極に衝突したり出射口6から外部へと排出されたりし
てしまう。
【0037】このようにして所望の前駆イオンのみをイ
オントラップ領域1に残した後、次に、広帯域信号デー
タ生成部131はうなり周波数に相当する周波数f1
みを有する単一周波数信号を構成するデータを生成し、
補助電圧発生部12へと送る。補助電圧発生部12は、
D/A変換器121でこのデータをアナログ信号に変換
してエンドキャップ電極3,4に印加する。印加電圧の
周波数スペクトルは例えば図4(b)に示すようにf1
にのみ周波数成分を有している。これにより、イオント
ラップ領域1において、周波数f1が基本周波数となっ
ているために先の広帯域交流電圧の印加の際には充分に
共鳴振動しなかった不所望のイオンを大きく振動させ、
電極に衝突させたり或いは出射口6から外部へと排出さ
せることによってイオントラップ領域1から排除する。
【0038】これにより、イオントラップ領域1には目
的とする前駆イオンのみが残るから、図示しないバッフ
ァガス供給管を介してイオントラップ領域1へと導入し
たバッファガスの分子を衝突させることにより、前駆イ
オンの開裂を誘発して各種の開裂イオンを発生させれば
よい。
【0039】なお、既に述べたように、本発明は、特
に、前駆イオンの選別分解能は高い反面、その選別によ
り分析感度が低下する(つまり選別効率が良好でない)
ような高い周波数を用いてイオン選別を行う場合に有効
であって、そうでない領域での分析には充分な効果を奏
さない。したがって、そのイオントラップの設定条件に
応じて、必要とされるときにのみ上述したようなイオン
選別を行い、そうでない場合には従来のイオン選別を行
うようにしてもよい。また、上記実施例は一例にすぎな
いから、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行える
ことは明らかである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイオ
ントラップ型質量分析装置によれば、特定の質量数を有
するイオンをイオントラップ領域に残すようなイオン選
別を行う際に当該イオンの共鳴振動をより確実に抑制す
ることができるので、イオントラップ領域により多くの
量のイオンを残すことができる。したがって、例えばこ
のイオン選別行程に引き続いてMS/MS分析を行うよ
うな場合に、検出可能なイオンの量が従来よりも増加す
るので、分析感度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるイオントラップ型質
量分析装置の構成図。
【図2】 本発明のイオントラップ型質量分析装置の原
理を説明するための円筒座標系(r,z)におけるイオン
トラップの構成図。
【図3】 イオントラップにおけるイオンの安定領域を
示す図。
【図4】 本発明に係るイオントラップ型質量分析装置
のイオン選別行程における補助交流電圧の周波数スペク
トルの一例を示す図。
【図5】 相異なるqにおけるイオンの運動の周波数ス
ペクトルをシミュレーションによって計算した結果を示
す図。
【図6】 従来のイオン選別行程における補助交流電圧
の周波数スペクトルの一例を示す図。
【図7】 補助交流電圧のノッチ周波数と選別されるイ
オンの質量数との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…イオントラップ領域 2…リング電極 3,4…エンドキャップ電極 5…入射口 6…出射口 7…熱電子生成部 8…検出器 10…データ処理部 11…RF主電圧発生部 12…補助電圧発生部 121…D/A変換器 13…制御部 131…広帯域信号データ生成部 14…入力部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状のリング電極と、該リング電極を挟
    むように配設された一対のエンドキャップ電極とで囲ま
    れる空間にイオントラップを形成してなるイオントラッ
    プ型質量分析装置であって、前記イオントラップ内に各
    種イオンを捕捉した後にそのうちの特定の質量数を有す
    る目的イオンを選別するイオン選別を行うものにおい
    て、 前記目的イオンの振動の基本周波数と、該基本周波数と
    所定の関係を有する別の周波数とに対応する二箇所にノ
    ッチを有するような周波数スペクトルを持つ交流電圧を
    前記エンドキャップ電極に印加する電圧印加手段を備え
    ることを特徴とするイオントラップ型質量分析装置。
  2. 【請求項2】 前記基本周波数と所定の関係を有する別
    の周波数は、基本周波数成分とそれとは別の周波数成分
    との間で生じるうなり振動の周波数であることを特徴と
    する請求項1に記載のイオントラップ型質量分析装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧印加手段は、前記周波数スペク
    トルを持つ交流電圧の印加に引き続いて、前記別の周波
    数のみを含むような周波数スペクトルを持つ交流電圧を
    前記エンドキャップ電極に印加することを特徴とする請
    求項1又は2に記載のイオントラップ型質量分析装置。
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