JP3470671B2 - イオントラップ型質量分析装置における広帯域信号生成方法 - Google Patents

イオントラップ型質量分析装置における広帯域信号生成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、イオントラップ型
質量分析装置において、各種分析モードを実現するため
にエンドキャップ電極に印加される広帯域信号の生成方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】イオントラップ型質量分析装置は、内側
面が回転1葉双曲面形状を有する1個の環状のリング電
極と、それを挟むように対向して設けられた、内側面が
回転2葉双曲面形状を有する一対のエンドキャップ電極
とを備え、リング電極とエンドキャップ電極の間に高周
波交流電圧を印加することによってこれら電極で囲まれ
る空間(以下「イオントラップ」という)に四重極電場
を形成し、この空間内で生成されたイオン又は外部から
空間内に導入されたイオンを捕捉することができる。 【0003】イオントラップ型質量分析装置では、上述
したように一旦イオントラップにイオンを捕捉したあ
と、エンドキャップ電極に適宜の電圧を印加することに
より各種分析モードを実現することができる。例えば、
図6(a)に示すような特定の周波数faを有する交流
電圧をエンドキャップ電極に印加すると、その周波数f
aに対応した特定の質量数(質量/電荷)を有するイオ
ンのみが電場内で共鳴して振動し、そのイオンのみをイ
オントラップから排出させることができる。このとき、
イオントラップ内に衝突ガスを導入し、印加する電圧を
適切に設定すれば、特定の質量数を有するイオンを励起
し開裂させることができる。この手法はMS/MS分析
に使用される。 【0004】また、図6(b)に示すようにfbからf
cまでの周波数成分を含む信号をエンドキャップ電極に
印加すると、その周波数範囲に対応した複数の質量数を
有するイオンを同時に振動させてイオントラップから排
出することができる。更に、図6(c)に示すような、
広範囲の周波数成分を有する信号からfd〜feなる特
定の周波数範囲を除去した(つまりノッチを持つ)交流
電圧をエンドキャップ電極に印加すると、そのノッチ周
波数範囲に応じた質量範囲に属するイオンのみを共鳴振
動させずにイオントラップ内に残し、他の不要なイオン
を外側へ排出することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】図6(b)及び(c)
に示したような複数の周波数成分を有する信号(以下、
単に「広帯域信号」という)はコンピュータを用いた演
算処理により合成することができる。具体的には、周波
数の相違する複数の単一周波数の正弦波信号を加算演算
することにより、広帯域信号を得ることができる。しか
しながら、単に正弦波波形を加算してゆくと加算毎に振
幅が増大してしまうため、大きなダイナミックレンジを
有する電源を用意しなければならず、装置のコスト増大
を招く。そこで、多数の正弦波を加算する際に、その初
期位相を適切に選択することにより、周波数成分を損な
うことなく振幅成分のみを相殺し、必要なダイナミック
レンジを抑制するような信号生成方法が採られている。 【0006】適切な初期位相を探索する方法として従来
知られている一方法は、正弦波波形を加算する際に、初
期位相を0°から所定角度(例えば1°)ステップ毎ず
らしていってそれぞれ加算後の波形の振幅を調べ、振幅
が最小となる初期位相を見つけるという方法である。し
かしながら、この方法は確実に最小振幅を与える初期位
相を見つけられるという利点はあるものの、計算量が膨
大になるため、高性能のコンピュータを利用しても長い
計算時間を要する。 【0007】そこで、計算量を減らすために、まず初期
位相を粗いステップ幅(例えば10°)毎に設定して振
幅が最小となるおおよその初期位相を見つけ、そのあと
その初期位相の近傍を細かいステップ幅(例えば1°)
毎に設定して振幅が最小となる位相を見つけるというも
のである(例えば特表平7−509097号公報参
照)。しかしながら、この方法によっても最適初期位相
の探索に膨大な計算を行わなければならず、重畳する正
弦波の周波数成分の組合せが変わったとき、その度に再
計算することは非常に困難であった。 【0008】そこで、重畳する正弦波の周波数成分の組
合せの変更に容易に対応可能な波形生成方法として、次
のような方法が知られている。即ち、その質量分析装置
の設計上必要な全ての周波数成分を含む波形を生成する
という条件で予め最適初期位相の探索及びその探索結果
に基づく波形生成を行ってこれを記憶しておき、重畳す
る正弦波の周波数成分の組合せが変更されたとき、不要
な周波数成分について既知の初期位相情報に基づく演算
処理によりこれを除外する、という方法である。 【0009】しかしながら、この方法では、全ての正弦
波波形が加算された状態では振幅が最小になっていると
しても、幾つかの周波数成分を除去してしまうと最小振
幅を与えるに最適でない組合せに基づいて重畳された波
形となることがあり、不要周波数成分の除去を行うため
の減算処理を行った結果、振幅が増加してしまうことが
ある。つまり、ダイナミックレンジを抑制するという目
的を十分に果たし得るものではない。 【0010】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、イオン
トラップ型質量分析装置において、正弦波の加算による
振幅の増加を抑制しつつ、演算量も従来に比較して大幅
に削減することができる広帯域信号生成方法を提供する
ことにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】広帯域信号生成方法とし
ては、上述したように大別して、必要な周波数を有する
正弦波信号を順次加算する方法と、全ての周波数成分を
含む重畳波形から不必要な周波数を有する正弦波信号を
減算する方法とがあるが、確実な振幅抑制効果を得ると
いう点では前者が好ましい。しかしながら、最適な初期
位相を有する正弦波を探索する処理が必要であり、この
処理では特に、指定された初期位相を有する正弦波を生
成する演算に大きな時間を要する。そこで、本願発明者
は、最適初期位相の探索時の位相ステップ幅と振幅抑制
効果との関係を詳細に検討した。その結果、従来、位相
ステップ幅を微細にするほど大きな振幅抑制効果が得ら
れると思われてきた考えは必ずしも正しいものではな
く、初期位相を0°と180°との二種類のみとして何
れかを選択するという方法でも、微細な位相ステップ幅
毎の最適位相探索による方法と有意差がないということ
を見い出した。 【0012】また、初期位相の相違する正弦波波形の生
成のための演算量を更に削減するために、本願発明者
は、初期位相180°の正弦波波形の加算演算を初期位
相0°の正弦波波形の減算に置き換えるという手法に想
到するに至った。これによれば、或る1つの周波数を持
つ正弦波波形の重畳に際して、初期位相が0°である正
弦波波形を生成しさえすればよく、従来に比べて大幅な
演算量削減が達成できることになる。 【0013】即ち、本発明は、環状のリング電極と、該
リング電極を挟むように配設された一対のエンドキャッ
プ電極とで囲まれる空間にイオントラップ領域を形成
し、一又は複数の任意の範囲の周波数成分を有する広帯
域信号を前記エンドキャップ電極に印加することにより
イオントラップ内に捕獲したイオンを選択的に励起又は
排出するイオントラップ型質量分析装置において、一定
又は不定の周波数間隔の複数の正弦波信号を重畳するこ
とによって前記広帯域信号を生成する方法であって、或
る周波数を有する正弦波信号又は複数の正弦波信号が重
畳された信号である第1の信号に対して別の第2の信号
を重畳するとき、 a)第2の信号として、第1の信号に対し初期位相が0°
である正弦波信号を生成する信号生成ステップと、 b)前記正弦波信号を第1の信号に加算する加算ステップ
と、 c)第1の信号から前記正弦波信号を減算する減算ステッ
プと、 d)前記加算ステップ及び減算ステップの演算結果である
2つの信号波形を比較し、その振幅が小さくなるほうの
波形を重畳結果として選択する比較選択ステップと、 を有することを特徴としている。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
イオントラップ型質量分析装置における広帯域信号生成
方法を図面を参照して説明する。図1は本実施形態によ
る広帯域信号生成方法を適用したイオントラップ型質量
分析装置の要部の構成図である。 【0015】イオントラップ1は、内面が回転1葉双曲
面形状を有する1個の環状のリング電極2と、それを挟
むように対向して設けられた、内面が回転2葉双曲面形
状を有する一対の第1、第2エンドキャップ電極3、4
とを含んで構成されており、リング電極2にはRF主電
圧発生部11が接続され、エンドキャップ電極3、4に
は補助電圧発生部12が接続される。第1エンドキャッ
プ電極3のほぼ中央に穿孔された開口5の外側には熱電
子生成部7が配設されており、この熱電子生成部7から
放出された電子が開口5を通過してイオントラップ1内
に導入され、試料導入部9から導入された試料分子に接
触してこれをイオン化する。一方、第2エンドキャップ
電極4で上記開口5とほぼ一直線上に設けられた開口6
の外側には検出器8が配設されており、該開口6を通し
てイオントラップ1内から放出されたイオンを検出し、
検出信号をデータ処理部10へと送出する。 【0016】RF主電圧発生部11及び補助電圧発生部
12は制御部13から与えられる制御信号により、それ
ぞれ所定周波数及び所定振幅の交流電圧を発生するよう
に制御される。制御部13はCPU、ROM、RAMな
どを含んで構成されており、入力部14から設定された
条件に基づいて上記各部に制御信号を送る。制御部13
は機能的に広帯域信号データ生成部20を含んでいる。
広帯域信号データ生成部20は、入力部14から設定さ
れた条件に基づいて、後述するようにデジタルデータか
ら成る広帯域信号を生成して補助電圧発生部12へと送
り、補助電圧発生部12はこのデジタルデータをD/A
変換器121でアナログ信号に変換してエンドキャップ
電極3、4に印加する。 【0017】図2は広帯域信号データ生成部20の機能
構成図である。広帯域信号データ生成部20は、指示さ
れた周波数及び振幅を有する正弦波波形を構成するデー
タを生成する正弦波信号生成部21と、2つの信号波形
を構成する各データの加算を行う加算演算部22と、2
つの信号波形を構成する各データの差を求める減算演算
部23と、複数の正弦波波形が重畳された重畳波形の最
大振幅値を計算する最大振幅算出部24と、算出された
最大振幅値を比較する比較部25と、正弦波波形記憶部
(sine)261、重畳波形記憶部(wave)26
2、加算波形記憶部(add)263及び減算波形記憶
部(sub)264を含む記憶部26と、信号波形を構
成するデータを相互に送るデータバス27と、上記各部
の動作を制御する制御部28とを含んで構成されてい
る。正弦波波形記憶部261、重畳波形記憶部262、
加算波形記憶部263及び減算波形記憶部264は、そ
れぞれn個のデータ記憶領域を有しており、その1個の
データ記憶領域のビット数は信号波形を構成するデジタ
ルデータのビット数又はそれ以上である。 【0018】図3は広帯域信号データ生成部20におけ
る信号生成処理手順を示すフローチャートである。図2
及び図3を参照しつつ、本発明の特徴である広帯域信号
の生成方法を説明する。この例では、目的とする広帯域
信号波形を生成するために、fL(Hz)からfh(H
z)までの周波数範囲において、Δf(Hz)の周波数
間隔毎の正弦波波形を重畳することとする。このとき、
各正弦波の振幅は任意である。 【0019】また、各記憶部261〜264のデータ記
憶領域の数nは、最終的に生成される広帯域信号におい
て最低限必要なデータの個数である。この値は次のよう
に決められる。多数の正弦波波形を重畳する場合、全て
の正弦波波形の組合せのうち、最も周波数の差が小さく
なる2つの正弦波波形の周波数差のうなり(ビート)を
生じる。例えば、Δf=1kHzの周波数間隔の任意の
組合せで広帯域信号を生成するとすれば、1kHzの整
数倍のうなりが生じる。従って、1kHzの1周期分に
相当する1msecの波形を繰り返すことによって、時
間方向に連続な広帯域信号を得ることができる。この1
周期分のアナログ波形をD/A変換器で生成するには、
D/A変換器の変換周期に相当する時間毎に1個のデー
タが必要となる。例えばD/A変換器の変換レートが1
0MHzである場合には、1msec分の波形は100
00個のデータで構成される。従って、この場合には、
n=10000となる。即ち、ΔfとD/A変換器の変
換レートとに応じてnは決められる。 【0020】なお、図3のフローチャートにおいて、
[i]はi=1〜nの各データ記憶領域の処理を順次行
うことを意味している。 【0021】まず、周波数fを下限周波数fLに設定し
(ステップS1)、重畳波形記憶部262のn個のデー
タ記憶領域をリセットする(ステップS2)。次に、正
弦波信号生成部21は、周波数がfであって所定の振幅
を有する正弦波信号波形データを生成し、これを正弦波
波形記憶部261に格納する(ステップS3)。次い
で、重畳波形記憶部262に格納されている波形データ
(始めは全てゼロ)と正弦波波形記憶部261に格納さ
れている波形データとを読み出してきて加算演算部22
で加算し、これを加算波形記憶部263に格納する(ス
テップS4)。また、重畳波形記憶部262に格納され
ている波形データから正弦波波形記憶部261に格納さ
れている波形データを減算演算部23で減算し、その結
果を減算波形記憶部264に格納する(ステップS
5)。この加算演算及び減算演算は、それぞれ対応する
データ記憶領域に格納されているデータ毎に行うもので
ある。 【0022】或る波形を減算するという処理は、その波
形の極性を反転させたものを加算することと同じである
から、波形が正弦波波形である場合には、位相が180
°ずれた波形を加算することと等価である。初めてステ
ップS4、S5の処理を行うときには、上記ステップS
2の処理により重畳波形記憶部262はゼロになってい
るから、加算波形記憶部263にはステップS3で生成
された正弦波信号波形データがそのまま、一方、減算波
形記憶部264にはその正弦波波形の極性が反転された
波形データが格納される。 【0023】次に、最大振幅算出部24は、加算波形記
憶部263に格納されている波形データのうち最大値と
最小値とを探索し、その差(つまり最大振幅)を計算し
て加算時振幅aaとして比較部25に与える(ステップ
S6)。また同様に、減算波形記憶部264に格納され
ている波形データのうち最大値と最小値とを探索し、そ
の差を計算して減算時振幅asとして比較部25に与え
る(ステップS7)。 【0024】比較部25は、減算時振幅asが加算時振
幅aa以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
ここでは振幅が小さくなるほうを選択し、asがaa以
上である場合には、初期位相0°が適当であると判断し
(ステップS9)、加算波形記憶部263に格納されて
いる波形データを重畳波形記憶部262に格納する(ス
テップS10)。一方、ステップS8でasがaa未満
である場合には、初期位相180°が適当であると判断
し(ステップS11)、減算波形記憶部264に格納さ
れている波形データを重畳波形記憶部262に格納する
(ステップS12)。 【0025】これにより、或る1つの周波数を有する正
弦波信号波形の重畳処理が終了するので、次に現時点で
の設定周波数fに周波数間隔Δfを加算したものを新た
な設定周波数fとし(ステップS13)、この新たな設
定周波数fが上限周波数fh以下であるか否かを判定す
る(ステップS14)。新たな設定周波数fが上限周波
数fh以下である場合には、更により高い周波数を有す
る正弦波波形を重畳する必要があるから、ステップS3
へと戻り、該設定周波数fに対する新たな正弦波信号波
形の生成を行って上記処理を繰り返す。 【0026】こうした繰り返しにより、Δfの周波数間
隔毎に離散的な周波数を有する正弦波信号波形が順次重
畳されて、重畳波形記憶部262に上書きされてゆく。
このようにして設定周波数fが上限周波数fhになる
と、ステップS14で「N」と判断されて処理が終了す
る。 【0027】即ち、上記方法では、或る1つの周波数の
正弦波波形の重畳を行う際に、初期位相0°と180°
との2種類の正弦波波形の重畳のうちの何れか振幅が小
さくなるほうの選択のみを行い、しかも初期位相180
°の正弦波波形の加算処理は初期位相0°の正弦波波形
の減算処理に置換される。従って、1つの周波数の正弦
波波形の重畳に対し1回の正弦波波形の生成処理を行い
さえすればよく、初期位相の相違する複数の正弦波波形
を生成する必要はない。 【0028】次に、本実施形態の広帯域信号生成方法の
評価について述べる。本願発明者は、以下のような条件
の下で、上記広帯域信号生成方法の評価を行った。 下限周波数fL:10kHz 上限周波数fh:455kHz 周波数間隔Δf:1kHz D/A変換レート:10MHz 従って、上述したように、重畳波形の1周期は1mse
cとなり、nは10000個となる。 【0029】図4は、正弦波波形を低周波数側から順次
重畳してゆく際の重畳個数を横軸に、振幅(ピーク)の
増加を縦軸にとったグラフである。この図では、本実施
形態による方法(A)、1.8°位相ステップ幅で最適
位相を探索する方法(B)、18°位相ステップ幅で最
適位相を探索する方法(C)、最適位相探索を全く行わ
ない場合(D)、についての結果を記載している。な
お、(D)は縦軸を1/10に縮小して示しており、実
際には非常に大きな傾きを有する直線である。 【0030】(A)、(B)及び(C)の各方法は
(D)と比較すると振幅を約1/10程度に抑制する効
果を有している。また、(A)、(B)及び(C)の各
方法の間には有意な差はない。即ち、本発明による方法
でも、微小な位相ステップ幅毎に初期位相を移動させな
がら最適位相を探索する場合とほぼ同様のダイナミック
レンジ圧縮効果を得られることがわかる。 【0031】本実施形態の方法により生成した広帯域信
号の波形を図5に示す。このような波形を実際の装置に
搭載し、その出力波形をスペクトルアナライザで周波数
特性を測定した結果でも、特定の周波数成分が欠落した
り逆に突出したりするような現象は生じず、良好な特性
を得られることが確認できた。 【0032】上記説明では、広帯域信号は所定の周波数
間隔Δf毎の多数の正弦波信号を重畳して生成するよう
にしていたが、任意の周波数間隔とできることは明らか
である。即ち、必要とする周波数のみを選択的に指定し
て、その指定された周波数を有する正弦波を重畳する場
合でも、同様の効果が得られる。 【0033】 【発明の効果】以上のように、本発明に係るイオントラ
ップ型質量分析装置における広帯域信号作成方法によれ
ば、同一周波数であって位相の相違する多数の正弦波波
形を生成する必要がなくなり、従来の方法と比較して、
正弦波波形の生成及び正弦波の加算演算に要する時間が
格段に少なくて済む。そのため、広帯域信号の生成が大
幅に高速化される。しかも、重畳波形の振幅の増加も微
細な初期位相の探索と同程度に抑えることができるの
で、電圧発生回路のダイナミックレンジも抑制すること
ができる。従って、本発明の広帯域信号生成方法によれ
ば、広帯域信号に含まれる周波数の設定条件などが変更
される毎に、その設定条件に対応した最適な広帯域信号
を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施形態を適用したイオントラッ
プ型質量分析装置の要部の構成図。 【図2】 図1中の広帯域信号生成部の機能構成図。 【図3】 本実施形態による広帯域信号生成方法の処理
手順を示すフローチャート。 【図4】 本実施形態による広帯域信号生成方法におけ
る振幅抑制効果を示すグラフ。 【図5】 本実施形態の広帯域信号生成方法により生成
された信号波形の一例。 【図6】 イオントラップ型質量分析装置のエンドキャ
ップ電極に印加される広帯域信号の各種の周波数成分分
布を示す図。 【符号の説明】 1…イオントラップ 2…リング電極 3、4…エンドキャップ電極 5、6…開口 7…熱電子生成部 8…検出器 10…試料導入部 11…RF主電圧発生部 12…補助電圧発生部 121…D/A変換器 13…制御部 14…入力部 20…広帯域信号データ生成部 21…正弦波信号生成部 22…加算演算部 23…減算演算部 24…最大振幅算出部 25…比較部 26…記憶部 261…正弦波波形記憶部 262…重畳波形記憶部 263…加算波形記憶部 264…減算波形記憶部 27…データバス 28…制御部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 環状のリング電極と、該リング電極を挟
    むように配設された一対のエンドキャップ電極とで囲ま
    れる空間にイオントラップ領域を形成し、一又は複数の
    任意の範囲の周波数成分を有する広帯域信号を前記エン
    ドキャップ電極に印加することによりイオントラップ内
    に捕獲したイオンを選択的に励起又は排出するイオント
    ラップ型質量分析装置において、一定又は不定の周波数
    間隔の複数の正弦波信号を重畳することによって前記広
    帯域信号を生成する方法であって、或る周波数を有する
    正弦波信号又は複数の正弦波信号が重畳された信号であ
    る第1の信号に対して別の第2の信号を重畳するとき、 a)第2の信号として、第1の信号に対し初期位相が0°
    である正弦波信号を生成する信号生成ステップと、 b)前記正弦波信号を第1の信号に加算する加算ステップ
    と、 c)第1の信号から前記正弦波信号を減算する減算ステッ
    プと、 d)前記加算ステップ及び減算ステップの演算結果である
    2つの信号波形を比較し、その振幅が小さくなるほうの
    波形を重畳結果として選択する比較選択ステップと、 を有することを特徴とするイオントラップ型質量分析装
    置における広帯域信号生成方法。
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