JP3010740B2 - ノッチフィルタを用いる質量分析法 - Google Patents
ノッチフィルタを用いる質量分析法Info
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Description
質量分析法に関する。更に詳しく言うと、本発明は、ノ
ッチフィルタで濾波された雑音がイオントラップに印加
され、選択された親イオン以外のイオンがトラップから
放出されるようにする質量分析法である。
は、選択された範囲内の質量対電荷比を有するイオン
(「親イオン」として知られる)は、イオントラップ内
で隔離される。その後捕捉された親イオンは、解離する
ようにされ(例えば、トラップ内のバックグランドガス
分子と衝突させることによって)、「娘イオン」として
周知のイオンが生成するようにされる。その後娘イオン
は、トラップから放出されて検出される。
4,736,101号は、イオン(所定の範囲内の質量対電荷比
を有する)が3次元の4極子捕捉フィールド内で捕捉さ
れるMS/MS法を開示している。その後捕捉フィールドが
走査され、不要な親イオン(望ましい質量対電荷比を有
する親イオン以外のイオン)をトラップから順次放出さ
せるようにする。次いで捕捉フィールドが再び変えら
れ、興味のある娘イオンが貯蔵できるようにする。その
後捕捉された親イオンが解離するようにされて娘イオン
を生成するようにし、そして検出のために娘イオンが順
次トラップから放出される 親イオンの解離に先立って不要な親イオンをトラップ
から放出するために、米国特許第4,736,101号は、捕捉
フィールドを定める基本電圧の振幅を掃引することによ
って捕捉フィールドを走査すべきであることを教示して
いる。
いる期間中トラップに補足交流フィールドを加えること
ができることも教示している。これは解離工程(5欄の
43行−62行参照)を促進させるか又は特定のイオンをト
ラップから放出させて、放出されたイオンが次の放出及
びサンプルイオン検出中(4欄の60行−5欄の6行参
照)に検出されないようにすることを目的としている。
味のあるイオンの研究を妨害する特殊なイオン(特にさ
もなければ大量に存在するイオン)を放出させるため
に、初期イオン下記間中トラップに補足交流フィールド
を加えることができることも示唆している(5欄の7行
−12行参照)。
11日公開)は、広周波数帯域信号(「広帯域信号」)が
四極子イオントラップの端電極に印加され、サンプルイ
オン蓄積段階中にすべての不要イオンをトラップ内から
外へ同時に共振させることができるようにすることを開
示している(例えば、3欄56行乃至4欄3行)。EPA第3
62,432号は、化学的イオン化操作の予備段階として、不
要な第1イオンを除去するために広帯域信号が印加され
得ること及び広帯域信号の振幅は約0.1V乃至100Vの範囲
とすべきことを教示している。
数スペクトルを有する雑音)がノッチフィルタを通して
イオントラップに印加され、選択された親イオンを除く
すべてのイオンをトラップ内から外へ共振させるように
する。この様なノッチフィルタで濾波された広帯域信号
は、本明細書では「濾波された雑音」と呼ぶ。
環状電極及び一対の端電極によって定められる四極子捕
捉フィールドであるのが好ましく、また濾波された雑音
は環状電極(端電極よりはむしろ)に印加され、z軸に
沿って取り付けられる検出器向けてz方向よりはむしろ
半径方向(環状電極に向けて)に不要イオンを放出する
ようにするのが望ましい。この方法で濾波された雑音を
印加することで、このようなイオン検出器の動作寿命を
著しく延ばすことができる。
フィールドが高周波数及び低周波数の両方の遮断特性を
持つと共に低遮断周波数よりも低いか若しくは高遮断周
波数よりも高い共振周波数を持つイオンの捕捉ができな
いようにするのが望ましい。本発明の濾波された雑音信
号を捕捉フィールドに印加することは、捕捉されたイオ
ンをこのような高周波数及び低周波数の遮断特性を有す
るノッチ帯域通過フィルタを通して濾波することと同等
である。
が取って代わった従来の技法に対し幾つかの顕著な利点
がある。本発明的方法のすべての実施例において濾波さ
れた雑音信号は、選択された範囲内(ノッチフィルタの
ノッチによって定められる小「ウィンドウ」を占める)
の質量対電荷比を有する親イオンを除いて、すべてのイ
オンをトラップ内から外へ共振させるために印加され
る。選択された質量対電荷比を有するイオン以外のイオ
ンを放出させるために捕捉フィールドが走査される先行
技法においては、走査動作は、本発明による濾波された
雑音を印加する場合よりも遥かに長い時間を必要とす
る。このような先行技法の長時間継続するフィールド走
査中に汚染されたイオンがトラップ内に不可避的に生成
され、さらにこれらの汚染イオンの多くは、それらをト
ラップから放出するのに十分なフィールド条件を経てい
ないであろう。本発明による濾波された雑音の印加動作
は、このような汚染イオンの蓄積を回避する。
オンを放出し、イオン検出器の動作寿命を延ばすことを
可能にすると共に濾波された雑音信号によって定められ
る最小値以下、最大値以上及びウインドウの外部(最小
値と最大値の間)の質量対電荷比を有する不要イオンを
急速に放出できるようにしている。
加されて選択された親イオンがトラップ内に蓄積された
(かつ不要イオンが放出された)後、補足交流電圧がト
ラップに印加されて蓄積された親イオンを解離させるよ
うにする。結果として生じる娘イオンは、トラップ内に
蓄積され、その後トラップ内又はトラップ外検出器によ
って検出される。
するために有用な装置の単純化した概念図である。
生成される信号を表す図表である。
タで濾波された広帯域信号の好ましい実施例を表す図表
である。
ましい実施例の1つの種類を実施するために有用であ
る。図1の装置には、環状電極11と、端電極12及び13と
が含まれる。3次元四極子捕捉フィールドは、基本電圧
発生器14のスイッチが入って電極11と電極12及び13との
間に(無線周波数成分、及び任意的に直流をも具える)
基本無線周波数電圧が印加されると、電極11から13まで
によって取り囲まれる区域16の中に生成される。イオン
貯蔵区域16は、(図1では垂直方向の)z方向の寸法z0
と、(環状電極11の中心を通るz軸から環状電極11の内
壁までの半径方向の)半径r0とを有する。電極11、12、
及び13は、結合変圧器32を介して共通に接地される。
り、(本発明の濾波された雑音のような)望ましい補足
交流電圧信号を端電極12及び13を横切って印加すること
ができる。補足交流電圧信号は、望ましい捕捉されたイ
オンを軸方向共振周波数で共振させるべく(以下で詳細
に説明する方法で)選択することができる。これに替え
て、補足交流電圧発生器35(若しくは、図1には示され
ていない第2の交流発生器)を、環状電極11と接地との
間に接続し、不要イオンをトラップ軸から半径方向に
(半径方向共振周波数で)共振させることができる。
れると、これによりイオン化電子ビームが端電極12の開
口部を通して区域16に向けられる。電子ビームによって
区域16内のサンプルの分子がイオン化され、結果的に イオンを四極子捕捉フィールドによって区域16内に捕捉
することができる。円筒状ゲート電極及びレンズ19がフ
ィラメント・レンズ制御回路21によって制御され、これ
により電子ビームを望むようにゲート制御で開閉する。
の電子増倍管検出器24によって検出するための区域16か
ら(z方向に)放出させるパーフォレーション23が具え
られている。電気メータ27では、検出器24の出力で集め
られる電流信号を受け取り、プロセッサ29内で処理する
ために電圧信号に変換する。電圧信号は加算され、回路
28の中に記憶される。
は省略され、トラップ内イオン検出器によって代替され
る。かかるトラップ内検出器は、トラップの電極自体で
構成することができる。例えば、端電極の1つ又は両方
を、電極の1つの表面でイオンの入射に応答して光子を
放出する蛍光材料で構成する(若しくは部分的に構成す
る)こともできる。実施例のもう1つの種類において
は、トラップ内イオン検出器は、端電極とは明確に区別
されるが、端電極の1つ又は両方に統合的に(端電極に
衝突するイオンを、区域16に面する端電極表面の形状に
著しい歪みを与えることなしに検出するように)取り付
けられる。この形式のトラップ内イオン検出器の1つの
例は、電気的に絶縁された導電性のピンが先端を端電極
表面と面位置にして(好ましくは、端電極13の中心のZ
軸に沿った位置で)取り付けられるファラデー効果検出
器である。これに替えて、検出器に直接衝突しない共振
的に励振されたイオンを検出できるイオン検出器のよう
な、別の種類のトラップ内イオン検出装置を用いること
ができる(この後者の形式の検出装置の例には、共振電
力吸収検出装置、及びイメージ電流検出装置が含まれ
る)。各トラップ内イオン検出器の出力は、適切な検出
器電子回路を通してプロセッサ29に供給される。
ト・レンズ制御回路21、及び補足交流電圧発生器35を制
御するための制御信号が生成される。制御回路31によっ
て、プロセッサ29から受け取る指令に応答して、回路1
4、21、及び35へ制御信号が送り出され、プロセッサ29
からの要求に応答して、プロセッサ29へデータが送り出
される。
に図2を参照して叙述する。図2に示すように、(期間
Aの間に進行する)この方法の第1段階は、トラップの
中に親イオンを貯蔵することである。これは、基本電圧
信号を(図1の装置の基本電圧発生器14を起動させるこ
とにより)トラップに印加して四極子捕捉フィールドを
確定し、イオン化電子ビームをイオン貯蔵区域16に導入
することによって達成される。これに替えて、親イオン
を外部で生成させ、これを貯蔵区域16に注入することも
できる。
(例えば、サンプル分子とイオン化電子ビームとの間の
相互作用から生じる親イオン)が、望ましい範囲の質量
対電荷比を有する(期間Bの間に生成される)娘イオン
と共に(貯蔵区域16内に)貯蔵されるように選ばれる。
基本電圧信号は、無線周波数成分を有し、また捕捉フィ
ールドで貯蔵できるイオンに対する高い周波数の遮断特
性と低い周波数の遮断特性との両方を捕捉フィールドに
具えるように振幅が選択される直流成分をも有すること
が望ましい。かかる高い周波数の遮断特性及び低い周波
数の遮断特性は、それぞれ(周知の方法で)、特定の最
大及び最小の質量対電荷比に相当する。
信号(図2における「濾波された雑音」信号)がトラッ
プに印加される。図3には、かかる濾波された雑音の好
ましい実施例の周波数対振幅スペクトルが、環状電極11
に印加される基本電圧信号の無線周波数成分が1.0MHzの
周波数を持つ場合と、基本電圧信号が(例えば、全く直
流成分がない)非最適直流成分を持つ場合とに使用され
るように示されている。「最適直流成分」という語句に
ついては、以下で説明する。図3に示すように、濾波さ
れた雑音信号の帯域幅は、約10kHzから約500kHzまで
(質量対電荷比の低下するイオンに相当する周波数の上
昇の成分と共に)広がる。濾波された雑音信号には、ト
ラップの中に貯蔵される特定の親イオンの軸方向共振周
波数に相当する(10kHzと約500kHzの間の)周波数に(1
kHzに等しい帯域幅を持つ)ノッチが存在する。
ップの中に貯蔵される親イオンの半径方向共振周波数に
相当する周波数を持たせる(これは、濾波された雑音信
号を、四極子イオントラップの端電極にではなく、かか
るトラップの環状電極に印加する、以下で論考する実施
例の1つの種類において有用である)か、或いは、各々
がトラップの中に貯蔵される異なる親イオンの(軸方向
又は半径方向の)共振周波数に相当する、2つ又はそれ
以上のノッチを持たせることもできる。
ルドに対して望ましい高い周波数の遮断特性と望ましい
低い周波数の遮断特性との両方を確定すべく選択される
直流成分)を有する場合には、図3に示すような周波数
帯域幅ではなく、より狭い周波数帯域幅の濾波された雑
音を、本発明を実施する間に用いることができる。かか
る狭周波数帯域幅の濾波された雑音信号は、(最適直流
成分が印加されたと仮定して)十分である。何故なら
ば、低い周波数の遮断特性に相当する、最大質量対電荷
比以上の質量対電荷比を有するイオンは捕捉区域内で安
定な軌道を持たないので、濾波された雑音信号を一切印
加しなくてもトラップから逸出するからである。実質的
に10kHz以上の(例えば、100kHzの)最低周波数成分を
有する濾波された雑音信号は、もし基本電圧信号が最適
直流成分を持っていれば、典型的には、不要親イオンを
トラップで共振させるには十分である。
によって規定される)望ましい範囲外の質量対電荷比を
有する、期間Aの間にトラップの中に生成される(或い
は、注入される)イオンは、区域16から逸出し、図2に
示す「イオン信号」の値によって指示されるように、期
間Aの間に、これらのイオンが逸出するにつれて検出器
24を飽和させる。
御で遮断される。
が(図1の装置の補足交流電圧発生器35、又は、適切な
電極に接続される第2の補足交流電圧発生器を起動させ
るようなことによって)トラップに印加される。補足交
流電圧信号の振幅(印加される出力電圧)は、濾波され
た雑音信号の振幅よりも小さい(典型的には、補足交流
電圧信号の振幅は100mVの規模であるが、濾波された雑
音信号の振幅は10Vの規模である)。補足交流電圧信号
は、(娘イオンを生成すべく)特定の親イオンの解離を
誘導させるべく選択される周波数を具えるが、この電力
によって顕著な数のイオンが励起されてトラップ内検出
又はトラップ外検出に十分な程度にまで共振させるに足
りない位の小さい振幅(すなわち、電力)を有する。
れは、図2に示すように、基本電圧信号の無線周波数成
分(或いは、基本電圧信号の高周波数及び直流成分の両
方)の振幅を走査して、異なる質量対電荷比を有する娘
イオンをトラップ外での(例えば、図1に示すような電
子増倍管検出器24による)検出のためにトラップから継
続的に放出することによって達成することができる。図
2の期間C内に示される「イオン信号」部分には、順次
検出された異なる質量対電荷比を有する娘イオンを各々
が表す4つのピークがある。
すれば、娘イオンを、z軸に沿って配置される検出器
(電子増倍管検出器言24のような)に向けてz方向にト
ラップから放出することが好ましい。これは、合計共振
技法、質量選択的不安定放出技法、組み合わされた捕捉
フィールド及び補足交流フィールドを掃引若しくは走査
して娘イオンをz方向に継続的に放出される共振放出技
法を用いるか、或いはその他のイオン放出技法によって
達成することができる。
娘イオンを、トラップの端電極の1つ又は両方に(更に
好ましくは、z軸に中心を置いて)配置されるトラップ
内検出器で検出することが好ましい。かかるトラップ内
検出器の例については、以上で論考した。
プ内検出器又はトラップ外検出器の動作寿命を延ばすた
めに、期間Aに間に(濾波された雑音信号によって)共
振させられる不要イオンは、期間Aに間に検出器に衝突
しないように(端電極にではなく、環状電極に向けて)
半径方向に放出されなければならない。図1に関連して
上で示したように、これは、濾波された雑音信号を四極
子イオントラップの環状電極に印加して不要親イオンを
トラップから(検出器から離れる)半径方向に(半径方
向共振周波数で)共振させることによって達成すること
ができる。
オン化電子ビーム)は閉じられている。ここで、本発明
の方法を反復することができる(すなわち、図2の期間
Dの間)。
れた周波数範囲内に2つ又はそれ以上の異なる周波数成
分を有する。かかる周波数成分の各々には、図2に関連
して上述した形式の周波数及び振幅特性を具えていなけ
ればならない。
世代(上で言及した娘イオンの、孫娘イオン、又はその
他の生成物)をトラップの中で隔絶し、その後検出す
る、図2の方法の変形が含まれる。例えば、図2の方法
の段階Bの後、濾波された雑音を再びトラップに印加し
て選択された娘イオン(すなわち、望ましい範囲内の質
量対電荷比を有する娘イオン)以外の総てのイオンを放
出させることができる。その後、トラップの中で隔絶さ
れる娘イオンを解離(或いは解離すべく誘導)させて孫
娘イオンを生成させ、その後孫娘イオンを期間Cの間に
順次検出することができる。
を、早期部分には(親イオンを解離することによって)
娘イオンの生成を誘導すべく選択される周波数を有し、
後期部分には(娘イオンを解離することによって)孫娘
イオンの生成を誘導すべく選択される周波数を有する、
早期部分と後期部分とから構成することができる。かか
る早期部分及び後期部分の印加の間に、濾波された雑音
信号を印加して娘イオン以外のイオンをトラップから共
振させることもできる。
世代の娘イオンと共に、孫娘イオン(娘イオンの次世
代)及び継続(第3又はその後継)の世代の娘イオンを
呼ぶことを意図している。
形を、本発明の範囲及び神髄から逸脱せずに行えること
は、当業者にとっては明白である。本発明を、特定の好
ましい実施例に関して叙述したが、請求する本発明はか
かる特定の実施例に不当に限定されるものではないこと
を理解して置くべきである。
Claims (18)
- 【請求項1】(a) 1組の電極で境界づけられた捕捉
区域において、選択された範囲内の質量対電荷比を有す
る親イオン及び娘イオンを蓄積できる捕捉フィールドを
設定し、 (b) ノッチ瀘波された広帯域信号を該電極の少なく
とも1つに印加し、該ノッチ濾波広帯域信号の周波数帯
に対応した共振周波数を有する、第2の選択された範囲
の質量対電荷比内の不要イオンを該捕捉区域から外へ共
振させるようにする段階において、該ノッチ瀘波された
広帯域信号が、第1周波数からノッチ周波数帯域までの
低周波数範囲内の周波数成分及び該ノッチ周波数帯域か
ら第2周波数までの高周波数範囲内の周波数成分を有
し、該第1周波数から該第2周波数にわたる周波数範囲
が該捕捉フィールドの捕捉イオンに対応した共振周波数
範囲を含むようにすることから成る質量分析方法。 - 【請求項2】該第1周波数が10kHzと等しく、該第2周
波数が500kHzと等しく、該ノッチ周波数帯域が1kHzと等
しい帯域幅を有する、請求項1の方法。 - 【請求項3】該ノッチ瀘波された雑音信号の周波数成分
が、10V水準の振幅を有する、請求項2の方法。 - 【請求項4】該捕捉フィールドが、3次元4極子電極捕
捉フィールドであり、(a)段階が、 該電極の少なくとも1つに基本電圧信号を印加する段階
において、該基本電圧信号が無線周波数成分及び直流成
分を有し、該直流成分が捕捉フィールドの共振周波数に
対して所望の低遮断周波数及び所望の高遮断周波数の両
方を設定するように選択され、該第1周波数が該低遮断
周波数よりも著しくは低くなくかつ該第2周波数が該高
遮断周波数よりも著しくは高くないようにすることを含
む、請求項3の方法。 - 【請求項5】(a) 1組の電極で境界づけられた捕捉
区域において、選択された範囲内の質量対電荷比の範囲
を有するイオン及び娘イオンを蓄積できる捕捉フィール
ドを設定し、 (b) ノッチ瀘波された広帯域信号を該電極の少なく
とも1つに印加し、該ノッチ濾波広帯域信号の周波数帯
に対応した共振周波数を有する、第2の選択された範囲
の質量対電荷比内の不要イオンを該捕捉区域から外へ共
振させるようにする段階において、該捕捉フィールドが
3次元4極子電極捕捉フィールドであり、該電極が環状
電極及び1組の端電極を含み、(a)段階が捕捉フィー
ルドを設定するために該環状電極に基本電圧信号を印加
することを含むようにし、(b)段階が、 該ノッチ瀘波された広帯域信号を該環状電極に印加し、
該不要イオンを該環状電極に向けて半径方向に該捕捉区
域内から外へ共振させるようにすることを含むようにす
ることから成る質量分析方法 - 【請求項6】(b)段階後親イオンが該捕捉区域内に捕
捉され、 (c) (b)段階後娘イオンを生成するために該親イ
オンの解離を誘導し、 (d) (c)段階後該環状電極から離れて配置された
検出器を用いて該娘イオンを検出することをさらに含
む、請求項5の方法。 - 【請求項7】該検出器が該端電極の1つで構成されるか
若しくは該端電極の1つと一体的に取り付けられる、請
求項6の方法。 - 【請求項8】該環状電極が長手方向の中央z軸を有し、
該端電極及び該検出器が該z軸に沿って配置される、請
求項6の方法。 - 【請求項9】(a) 1組の電極で境界づけられた捕捉
区域において、選択された範囲内の質量対電荷比の範囲
を有する親イオン及び娘イオンを蓄積できる捕捉フィー
ルドを設定し、 (b) ノッチ瀘波された広帯域信号を該電極の少なく
とも1つに印加し、該ノッチ濾波広帯域信号の周波数帯
に対応した共振周波数を有する、選択された第2範囲の
質量対電荷比内の不要イオンを該捕捉区域から外へ共振
させるようにする段階において、該捕捉フィールドが3
次元4極子電極捕捉フィールドであり、該電極が環状電
極及び1組の端電極を含み、(a)段階が、捕捉フィー
ルドを設定するために該環状電極に基本電圧信号を印加
することを含むようにし、(b)段階が、 該ノッチ瀘波された広帯域信号を該環状電極に印加し、
該不要イオンを該環状電極に向けて半径方向に該捕捉区
域内から外へ共振させるようにする段階において、該ノ
ッチ瀘波された広帯域信号が、第1周波数からノッチ周
波数帯域までの低周波範囲内の周波数成分及び該ノッチ
周波数帯域から第2周波数までの高周波数範囲内の周波
数成分を有し、該第1周波数から該第2周波数にわたる
周波数範囲が該捕捉フィールドの捕捉イオンに対応した
共振捕捉周波数範囲を含み、該基本電圧信号が無線周波
数成分及び直流成分を有し、該直流成分が、捕捉フィー
ルドに対して所望の低遮断周波数及び所望の高遮断周波
数の両方を設定するように選択され、該第1周波数が該
低遮断周波数よりも著しくは低くなくかつ該第2周波数
が該高遮断周波数よりも著しくは高くないようにするこ
とを含むことから成る質量分析方法。 - 【請求項10】(a) 環状電極と1組の端電極で境界
づけられた捕捉区域内に選択された範囲内の共振周波数
を有するイオンを蓄積できる3次元4極子電極捕捉フィ
ールドを設定し、 (b) ノッチ周波数帯域内に共振周波数を有する親イ
オンを該捕捉区域内に導入しかつノッチ瀘波された広帯
域信号を該電極の少なくとも1つに印加する段階におい
て、第1周波数から該ノッチ周波数帯域までの低周波数
範囲内の共振周波数と、該ノッチ周波数帯域から第2周
波数までの高周波数範囲内の共振周波数とを有する不要
イオンを捕捉区域から外へ共振させると共に該ノッチ周
波数帯域が該選択された範囲内にあるようにし、 (c) 該選択された範囲内の共振周波数を有する娘イ
オンを生成するために該親イオンを解離させ、 (d) (c)段階後該娘イオンを検出することから成
る質量分析方法。 - 【請求項11】該環状電極が長手方向の中央z軸を有
し、該端電極が該z軸に沿って配置され、該(d)段階
が、 該娘イオンを該捕捉区域からz軸に平行な方向に放出
し、 該z軸に沿って配置される検出器を用いて該放出された
娘イオンを検出することを含む、請求項10の方法。 - 【請求項12】該環状電極が長手方向の中央z軸を有
し、該端電極が該z軸に沿って配置され、該(d)段階
が、 該娘イオンを該z軸に平行な方向に共振させ、 該放出された娘イオンを、該端電極の少なくとも1つで
構成されるか若しくは該端電極の1つと一体的に取り付
けられる検出器を用いて検出することを含む、請求項10
の方法。 - 【請求項13】該環状電極が長手方向の中央z軸を有
し、該端電極が該z軸に沿って配置され、該(d)段階
が、 該z軸に平行な方向に該娘イオンを共振させ、 該z軸に沿って配置され検出器を用いて該放出された娘
イオンを検出することを含む、請求項10の方法。 - 【請求項14】(c)段階が、 該親イオンの共振周波数と整合する周波数を有する補足
交流電圧信号を該電極の少なくとも1つに印加すること
を含む、請求項10の方法。 - 【請求項15】該第1周波数が10kHzと等しく、該第2
周波数が500kHzと等しく、該ノッチ周波数帯域が1kHzと
等しい帯域幅を有する、請求項10の方法。 - 【請求項16】該ノッチ瀘波された広帯域信号の周波数
成分が、10V水準の振幅を有する、請求項10の方法。 - 【請求項17】(a)段階が、 該電極の少なくとも1つに基本電圧信号を印加する段階
において、該基本電圧信号が無線周波数成分及び直流成
分を有し、該直流成分が捕捉フィールドに対して所望の
高遮断周波数及び所望の高遮断周波数の両方を設定する
ように選択され、該第1周波数が該低遮断周波数よりも
著しくは低くなくかつ該第2周波数が該高遮断周波数よ
りも著しくは高くないようにすることを含む、請求項10
の方法。 - 【請求項18】(a)段階が、該捕捉フィールドを設定
するために基本電圧信号を該環状電極に印加することを
含み、(b)段階が、 該ノッチ瀘波された広帯域信号を該環状電極に印加し、
該不要イオンを該環状電極に向けて半径方向に該捕捉区
域内から外へ共振させることを含む、請求項10の方法。
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