JP2003016983A - 荷電粒子線装置および自動非点収差調整方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および自動非点収差調整方法

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    • H01J2237/2813Scanning microscopes characterised by the application
    • H01J2237/2817Pattern inspection

Abstract

(57)【要約】 【課題】高速・高精度の非点収差・焦点調整を行なうこ
とができるようにした荷電粒子線装置および自動非点収
差補正方法を提供することにある。 【解決手段】2種類のスキャン方向で焦点を変化させな
がら取得した少数の2次元の粒子画像を画像処理するこ
とによって非点隔差の方向・大きさと焦点オフセットを
検出し、これを2種類の非点収差補正量と焦点補正量に
一括して変換して補正を行なうことによって高速・高精
度の自動非点・焦点調整を実現する。また、非点較差の
誤差を補正してより高精度な自動非点・焦点調整を実現
する。さらに、本自動非点収差・焦点調整を用いて高精
度の検査・計測を長時間にわたって実現する装置を実現
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子ビームを
用いて高精度の検査・計測や加工等を行う荷電粒子光学
系における非点収差等を自動調整する荷電粒子線装置お
よび自動非点収差調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体ウェハなどに形成された
微細回路パターンを検査・計測するための自動検査シス
テムとして、電子線顕微鏡が用いられてきている。欠陥
検査の場合には、走査電子顕微鏡から検出される電子線
画像を用いて検出画像と基準となる参照画像とを比較し
て行われている。また、半導体装置の製造プロセス条件
の設定やモニタなどに使用される微細回路パターンの線
幅や穴径などを測定する場合には、走査型電子顕微鏡か
ら検出される電子線画像を用いて画像処理による測長が
行われている。
【0003】このように、パターンの電子線像を比較す
ることによりその欠陥を検出する比較検査や、電子線像
を処理してパターンの線幅などを測定する場合には、得
られる電子線像の質がその検査結果の信頼性に多大な影
響を与える。電子線像の質は、電子光学系の収差や、デ
フォーカスによる解像度の低下などにより劣化する。こ
れらの像質の劣化は検査感度や測長の性能を低下させ
る。また、これらの画像ではパターンの幅が変化した
り、画像のエッジ検出の結果が安定して得られなくなる
ため、欠陥の検出感度や、パターンの線幅や穴径の測定
結果が不安定になることとなる。
【0004】従来、電子線光学系の焦点・非点収差合わ
せは、電子線像を目で観察しながら対物レンズの制御電
流と2組の非点収差補正コイルの制御電流を調節するこ
とにより行っている。焦点合わせは、対物レンズに流す
電流を変えることによってビームの収束高さを変えるこ
とによって実現できる。
【0005】このように、電子線像を目で観察しながら
対物レンズの制御電流と2組の非点収差補正コイルの制
御電流を調節する方法は多くの時間を要するのに加え、
電子線で試料表面を何度も走査することとなり、試料へ
のダメージも問題となる可能性がある。また、手動で調
整を行なうと調整結果に個人差がでてしまう。また、通
常、非点収差や焦点位置の時間変動が生じるため、自動
検査や測長を行なう場合に、定期的に人が非点収差・焦
点位置の調整を行なう必要があり、自動化の妨げになっ
ていた。
【0006】このような課題を解決するために、従来か
らさまざまな自動非点収差補正方法が提案されてきた。
例えば、特開平7−153407号公報(従来技術1)
には、荷電粒子線の2次元の走査により、試料から得ら
れる2次電子信号を微分して変化状態の大きいデジタル
データを抽出し、この抽出されたデジタルデータに対応
する試料上の位置を求め、この求められた位置を中心に
対物レンズに流す励磁を変化させながらX方向のみおよ
びY方向のみに荷電粒子線を走査し、これら各走査によ
って得られた2次電子信号のデジタルデータの最大値で
X方向の焦点情報およびY方向の焦点情報を検出し、こ
れらX方向の焦点情報およびY方向の焦点情報から対物
レンズに流す電流を決定して対物レンズに送出し、その
後非点収差補正コイルに流す電流を変化させてXまたは
Yの一方向に荷電粒子線を走査し、得られた2次電子信
号のデジタルデータの最大値で非点収差補正コイルに流
す電流値を決定して送出する荷電粒子線の焦点調節と非
点収差調節とを行う装置が記載されている。
【0007】また、特開平9−161706号公報(従
来技術2)では、さまざまな方向に電子線をスキャンし
ながら焦点を振ることによって非点収差の方向を求めて
から、この方向のみに非点収差が変化するよう2種類の
非点補正量の関係を保ちながら非点補正量を変化させ、
像が鮮明になる条件を探す方法が提案されている。これ
によって、2自由度の非点補正量の条件を1自由度に限
定して調整することができ、調整時間が短縮される。
【0008】また、特開平10−106469号公報
(従来技術3)では、まず合焦状態からわずかずれた状
態に自動焦点調整を行ってから、2次元画像のFFTを
用いて非点収差の方向を求め、この方向のみに非点収差
が変化するよう2種類の非点補正量の関係を保ちながら
非点補正量を変化させ、像が鮮明になる条件を探す方法
が提案されている。
【0009】また、特開平9−82257号公報(従来
技術4)では、2次元粒子画像のフーリエ変換を用い、
焦点を変化させながらフーリエ変換の大きさの変化が反
転する点をまず求めることによって合焦位置を求め、次
に、合焦位置の前後の焦点位置で各1枚の2次粒子像を
測定し、これらのフーリエ変換の大小の分布から非点収
差の方向を求め、この方向に非点収差が変化するように
非点収差補正を行うことが提案されている。
【0010】また、USP6025600(従来技術
5)では焦点位置を増加させながら取得したSEM画像
の4方向の鮮鋭度を求め、これらの最大値が得られるま
で焦点位置を増加させ、これら4方向の鮮鋭度の最大値
から、非点収差の補正量を求めることが提案されてい
た。
【0011】また、特開昭59−18555号公報およ
びその米国出願であるUSP4554452(従来技術
6)では焦点位置を増加させながらSEM画像をいろい
ろな方向にスキャンすることでその方向の鮮鋭度を求
め、これら各方向の鮮鋭度の最大値から、非点収差の補
正量を求めることが提案されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1では、
2種類の非点補正量と焦点補正量の計3種類の制御量を
それぞれ逐次的に変化させながら、粒子画像の鮮鋭度が
最も高くなる点を試行錯誤で求めてゆく方法であるた
め、補正完了までに要する時間がかかり過ぎることにな
り、その結果試料に長時間荷電粒子線が当たり、試料に
チャージアップ、汚れ等のダメージが生じることにな
る。また、鮮鋭度を目安に自動、あるいは、目視で調整
を行うと、試料のパターンによっては真に非点収差がな
くなった状態にならないことが起こりやすくなる。
【0013】また、従来技術2でも、焦点をふって非点
収差の方向を調べてから、非点調整量を変化させながら
1次元スキャンを焦点を振って繰り返して、2方向の合
焦位置が一致する条件を探すということを繰り返す必要
があり、この間時間がかかるという課題があった。ま
た、電子線のスキャンが一次元であるために試料に放射
状の痕がついてしまうという課題があった。また、試料
に一様にテキスチャーがついていないとスキャン1次元
スキャンの場所によって十分な信号が得られないために
安定した非点収差補正が行なえないといった課題もあっ
た。
【0014】また、従来技術3でも、やはり、焦点を振
ってから非点補正量を振るという2ステップの調整を行
うため、調整時間がかかるうえに、試料のダメージが大
きくなる課題があった。また、FFTから非点収差の方
向を求めるためには、非点収差が発生していないときの
画像のスペクトルが均一であるという前提が必要とな
り、使用できる試料が限定されてしまうという課題があ
った。
【0015】以上説明したように従来技術1、2、3の
いずれにも、粒子画像から安定に非点収差の方向と大き
さを求める方法と、非点収差の方向と大きさから非点調
整手段への補正量を計算することとについて示唆されて
いないため、試行錯誤で非点補正量を変化させては結果
をみることを繰り返さざるを得ず、調整に時間がかかる
と同時に試料のコンタミネーションやチャージアップに
よるダメージが生じることになっていた。また、一次元
ビームスキャンの場合は、試料上のパターンが粗な場所
をスキャンした場合に精度が悪化するという課題もあっ
た。
【0016】また、従来技術4では、焦点をふった2次
元画像のフーリエ変換から非点収差の方向と“強度”を
求めているが、非点収差の方向と“強度”から非点調整
手段の補正量を求める具体的な方法について示唆されて
おらず、また“強度”の物理的意味付けが不明確であ
り、非点調整手段の補正量が十分な精度で求められない
という課題を有していた。
【0017】また、従来技術5では、一連の焦点位置を
ずらしたSEM画像から非点収差補正量を求めることが
でき、試料ダメージを少なくすることが可能となる。し
かし、この方法は非点収差が大きい場合に鮮鋭度の曲線
が非対称となったり、双峰性であった場合を考慮してい
なかった。また、一枚の画像から方向性鮮鋭度を求める
とビームノイズや検出器の応答性のために垂直方向の鮮
鋭度と水平方向の鮮鋭度が斜め方向の鮮鋭度に比べてノ
イズが多く、試料が暗い場合に動作が不安定になるとい
う問題もあった。。
【0018】従来技術6では、スキャン方向を3方向以
上に回転させて信号を得て、この断面シグナルからそれ
ぞれの方向の鮮鋭度を求めるために、スキャン時間に時
間がかかることと、基本的に一次元微分処理なのでほか
の方向のエッジの影響を受けて鮮鋭度に誤差が乗りやす
いという問題がある。
【0019】また、従来技術5、6共通の課題として、
鮮鋭度の最大値の線形結合を用いて非点収差補正量を求
めているので、試料のパターンのエッジがある方向に偏
っている場合、ある方向の鮮鋭度が別の方向のエッジに
影響されて大きくなってしまうために非点収差補正量が
正確に求まらず、非点収差補正の収束に時間がかかる、
という問題がある。
【0020】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、
多様な試料に対応して、少数の2次元画像から、2個以
上の非点収差補正量と焦点補正量を一括して求め、試料
のダメージを最小限に押さえながら、短時間で非点収差
と焦点の自動補正を行うことができるようにした荷電粒
子線装置および自動非点収差調整方法を提供することに
ある。
【0021】また、本発明の他の目的は、多様な試料に
対応して、少数の2次元画像から、2個以上の非点収差
補正量を同時に求め、試料のダメージを最小限に押さえ
ながら、短時間で非点収差の自動補正を行うことができ
るようにした荷電粒子線装置および自動非点収差調整方
法を提供することにある。
【0022】また、本発明のさらに他の目的は、荷電粒
子線光学系の非点収差と焦点の自動補正を行うことで被
対象基板から得られる粒子画像の質の向上を図り、長時
間安定で、かつ高信頼性を有する検査、計測、または加
工等を行うことのできる荷電粒子線装置を提供すること
にある。
【0023】また、本発明のさらに他の目的は、荷電粒
子線光学系において試料のダメージを最小限に押さえな
がら、短時間で非点収差と焦点の自動補正を行うことに
適した荷電粒子線の非点収差・焦点調整用試料を提供す
ることにある。
【0024】また、本発明のさらに他の目的は、2枚の
2次元の粒子画像から短時間で非点収差と焦点の自動補
正を行うことができるようにした自動非点収差調整方法
およびそのための試料を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、荷電粒子線装置を、試料を設置するス
テージと、荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを
収束する荷電粒子光学系と、該荷電粒子光学系によって
収束された収束荷電粒子ビームを走査して前記試料上に
照射する走査手段と、前記荷電粒子光学系によって収束
された収束荷電粒子ビームの焦点位置を制御する焦点制
御手段と、前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷
電粒子ビームの非点収差を調整する非点収差調整手段
と、前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照
射された試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子
画像を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画
像をスキャン方向を変えて2組得る粒子画像検出手段
と、該粒子画像検出手段から得られる複数の焦点位置を
有する2次元の粒子画像に基いて前記収束荷電粒子ビー
ムの非点隔差(大きさδと方向αまたはベクトル(d
x,dy))を算出する画像処理手段と、該画像処理手
段で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔差に基づく
非点収差補正量を前記非点収差調整手段にフィードバッ
クして収束荷電粒子ビームの非点収差を調整制御する制
御系とを備えて構成した。
【0026】また、本発明では、自動非点収差調整方法
において、荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを
荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電粒子
ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエッジ
成分を含むパターンが形成されている試料上に照射し、
該試料から発生する粒子画像を粒子画像検出手段で検出
して2次元の粒子画像を得る第1の過程と、該第1の過
程で得られた2次元の粒子画像に基いて収束荷電粒子ビ
ームの非点隔差および焦点オフセットを画像処理手段に
よって算出する第2の過程と、該第2の過程で算出され
た収束荷電粒子ビームの非点隔差に基づく非点収差補正
量を非点収差調整手段にフィードバックして収束荷電粒
子ビームの非点収差を調整制御し、更に前記算出された
収束荷電粒子ビームの焦点オフセットに基づく焦点補正
量を焦点制御手段にフィードバックして収束荷電粒子ビ
ームの焦点を調整制御する第3の過程とを有することを
特徴とする。
【0027】また、本発明では、荷電粒子線の非点収差
調整用試料を、一方向のパターンを持つ少なくとも3つ
の領域を荷電粒子光学系の視野内にもつように構成した
ことを特徴とする。
【0028】以上説明したように、本発明では、焦点を
変化させながら取得した少数の2次元の粒子画像を用い
て画像処理することによって直交方向のパターンに対す
る合焦位置の間隔である非点隔差(例えば大きさδと方
向αまたはベクトル)と焦点オフセットzを算出するこ
とにある。非点収差が発生している状態では焦点を合焦
状態から変化させた時に画像は均等にぼけず、ビームの
楕円形状が最も細くなる点では楕円の長軸方向と平行な
模様は鮮明になる。一方楕円の長軸方向に直交する模様
はぼけが大きくなる。粒子画像上からこれを計測するた
めに、本発明では方向性鮮鋭度{d0(f),d45(f),d90
(f),d135(f)}を定義し、フォーカスを振りながら方向
性鮮鋭度の変化を解析し、これから非点隔差(例えば大
きさδと方向αまたはベクトル)、および焦点オフセッ
トzを求める。このとき、45°方向と135°方向の
方向性鮮鋭度がノイズに対して強くかすかなパターンに
対しても正確であるので、スキャン方向を規準方向にし
たときと、略45°または135°または-45°または-135°
回転させたときと、2組の状態で取得し、それぞれの画
像の組に対して、45°方向と135°方向の方向性鮮
鋭度を計算することで4組の方向性鮮鋭度{d0(f),d4
5(f),d90(f),d135(f)}を得る。更にこれを少なくと
も2種類の非点収差補正量と焦点補正量に一括して配分
することによって非点収差・焦点調整を実現する。
【0029】この構成によれば、焦点を変化させて取得
した少数の2次元の粒子画像から非点収差補正量と焦点
補正量が一括して計算されるため、高速で試料に対する
ダメージの少ない非点収差・焦点調整が実現される。ま
た、焦点距離を変化させながら同じ試料の画像の方向性
鮮鋭度を比較することによって非点隔差が求められるの
で、試料上のパターン(模様)に依存せずに高精度の非
点・焦点調整が実現される。試料上のパターン(模様)
についての唯一の条件は、各方向のエッジ成分をわずか
でも含むものであることである。ここで、エッジ成分と
呼ぶのは明確なパターン境界とは限らず、わずかな傷、
微細な模様、コーナ部の微少な円弧状のパターンなども
含む。
【0030】また、本発明では、方向性鮮鋭度を解析す
る場合に、鮮鋭度の最大値を用いた場合には非点収差補
正の誤差が大きくなる問題に対して、方向性鮮鋭度の曲
線の重心を求める。重心は、鮮鋭度の曲線が非対称であ
ったり、あるいは、双峰性であった場合に、裾野の広い
ほう、あるいは、副次的な峰のある方に、鮮鋭度曲線の
中心位置を補正する効果があり、これにより、常に正確
に非点収差補正が行えるようになる。ただし、荷電粒子
光学系の非点収差以外の収差の影響によって、非点収差
補正量は一般に誤差をもっているため、必要に応じて、
非点収差が大きい場合には複数回繰り返して非点収差補
正を行い、非点補正量の変化が十分小さくなる(収束)
するまで繰り返すことも行なう。これにより、非点収差
補正が失敗することが防止される。
【0031】また、本発明では、各方向鮮鋭度における
合焦位置{p0,p45,p90,p135}を用いて非点収差補
正量を求めるときに、線形演算のほかに非線型補正演算
を用いる方法も提供する。この方法によれば、試料上の
パターンの方向に偏りがある場合にも、これによる強度
の強いの方向のパターンの影響による隣接方向の鮮鋭度
曲線の形状のずれを補正して非点収差補正量を計算でき
るので、安定して高速に非点収差を補正することが可能
になる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明に係る荷電粒子線装置およ
び自動非点収差補正方法並びに荷電粒子線の非点収差調
整用の試料の実施の形態について図面を用いて説明す
る。
【0033】本発明に係る荷電粒子線装置の一実施の形
態である検査/計測装置は、図1に示すように、荷電粒
子光学系10と荷電粒子光学系10を構成する各種要素
を制御する制御系と荷電粒子光学系10内の粒子検出器
16で検出される2次粒子または反射粒子に基づく画像
について画像処理する画像処理系とから構成される。
【0034】荷電粒子光学系10は、電子ビームやイオ
ンビーム等の荷電粒子ビームを出射する荷電粒子線源1
4と、該荷電粒子線源14から出射される荷電粒子ビー
ムの非点収差を電界を与えることによって補正する非点
収差補正器60と、上記荷電粒子線源14から出射され
る荷電粒子ビームを偏向させて走査するビーム偏向器1
5と、該ビーム偏向器15によって偏向される荷電粒子
ビームを磁界によって集束させる対物レンズ18と、試
料20を搭載し、校正用ターゲット62を試料20の周
辺に固定した試料台21を載置して移動するXYステー
ジ46と、接地に近い電位が付与されるグリッド電極1
9と、試料台21上に設けられて試料20および校正用
ターゲット62に対して荷電粒子ビームが電子ビームの
場合負の電位、荷電粒子ビームがイオンビームの場合正
の電位を付与するリターディング電極(図示せず)と、
試料20等の高さを例えば光学的に測定する高さ検出セ
ンサ13と、試料20に荷電粒子ビームを照射すること
によって試料20の表面から放出される2次粒子または
反射粒子を例えば反射板で反射させて検出する粒子検出
器16とを備えて構成する。なお、非点収差補正器60
は、磁界に基づく非点収差補正コイル、または電界に基
づく非点収差補正電極によって構成することができる。
また、対物レンズ18は磁界に基づく対物コイル、また
は電界に基づく静電対物レンズによって構成することが
できる。更に対物レンズ18には、焦点補正用のコイル
18aを設けてもよい。このように非点収差調整手段
は、非点収差補正器60および非点収差補正回路部61
等で構成される。
【0035】ステージ制御部50は、全体制御装置26
からの制御指令に基いてXYステージ46の位置(変
位)を検出しながらXYステージ46の移動(走行)を
駆動制御するものである。なお、XYステージ46に
は、XYステージ46の位置(変位)をモニタする位置
モニタ用測長器が備えられ、モニタされたXYステージ
46の位置(変位)がステージ制御部50を介して全体
制御装置26に提供できるように構成されている。
【0036】焦点位置制御部22は、全体制御装置26
からの指令を基に、高さ検出センサ13によって測定さ
れた試料面の高さ情報に基いて対物レンズ18を駆動制
御して荷電粒子ビームの焦点を試料20上に合わせる。
なお、XYステージ46にZステージを付加することに
よって、焦点合わせを対物レンズ18でおこなう代わり
にZステージを駆動制御してもよい。このように焦点制
御手段は、対物レンズ18またはZステージおよび焦点
位置制御部22等で構成される。
【0037】偏向制御部47は、全体制御装置26から
の制御指令に基いてビーム偏向器15に対して偏向信号
を与えるが、このとき、試料20の表面の高さ変動にと
もなう像倍率変動、対物レンズ18の制御にともなう像
回転を補償するように偏向信号に補正を加える。
【0038】グリッド電位調整部48は、全体制御装置
26からの電位調整指令に基いて試料20の上方に近接
して設けられたグリッド電極19に与える電位を調整す
るものである。試料台電位調整部49は、全体制御装置
26からの電位調整指令に基いて試料台21上に設けら
れたリターディング電極への電位を調整するものであ
る。これらグリッド電極19およびリターディング電極
によって試料20に負または正の電位を付与することに
より、対物レンズ18と試料20との間で電子ビームま
たはイオンビームを減速させることで低加速電圧領域で
の高分解能化を図ることができる。
【0039】線源電位調整部51は、全体制御装置26
からの指令に基いて荷電粒子線源14に与える電位を調
整することによって荷電粒子線源14から出射される荷
電粒子ビームの加速電圧やビーム電流を調整するもので
ある。
【0040】そして、これら線源電位調整部51、グリ
ット電位調整部48、および試料台電位調整部49は、
所望の画質の粒子像を粒子検出器16によって検出でき
るために全体制御装置26によって制御される。
【0041】本発明に係る非点収差調整部64は、非点
収差・焦点補正時に、焦点位置制御部22に焦点位置
(フォーカスf)を変えるべく制御指令を出して焦点位
置制御部22により対物レンズ18を駆動制御し、荷電
粒子ビームを、試料20上または校正用ターゲット62
上の例えば図4(a)(b)の各々に示すような各方向
のエッジ成分を同程度に含むパターンが形成された領域
に照射しながらフォーカスを変える。すると、粒子検出
器16からは、フォーカスfを変えた複数枚の粒子画像
信号が検出され、夫々の粒子画像信号がA/D変換器2
4で粒子デジタル画像信号(デジタル画像データ)に変
換されて画像メモリ52に非点収差調整部64から出力
されるフォーカス指令値fに対応させて記憶される。そ
して、非点収差・焦点補正量算出用画像処理回路53
は、画像メモリ52に記憶されたフォーカスfを変えた
複数枚の粒子デジタル画像信号を読み出して、各フォー
カス指令値fに対応する粒子デジタル画像信号について
方向性鮮鋭度d0(f),d45(f),d90
(f),d135(f)を求め、これら方向性鮮鋭度d
0(f),d45(f),d90(f),d135
(f)がピークとなるフォーカス値f0,f45,f9
0,f135を求め、これらフォーカス値f0,f4
5,f90,f135から非点隔差(非点隔差ベクトル
(dx,dy)、または非点隔差の方向αと大きさ
δ)、および焦点オフセット値zを求め、これら求めら
れた非点隔差および焦点オフセット値zを全体制御装置
26に提供して記憶装置57に記憶する。
【0042】全体制御装置26は、予め求めておいた非
点収差補正器60の特性である非点隔差と非点収差補正
量との関係から上記求められて記憶装置57に記憶され
た非点隔差に応じた非点収差補正量(Δstx,Δst
y)を算出し、予め求めておいた対物レンズ18の特性
の関係から上記求められて記憶装置57に記憶された焦
点オフセット値zに応じた焦点補正量を算出し、この算
出された非点収差・焦点補正量を非点収差調整部64に
提供する。
【0043】従って、非点収差調整部64は、全体制御
装置26から提供された非点補正量(Δstx,Δst
y)を非点収差補正回路部61に与えることにより非点
収差補正器(磁界に基づく非点収差補正コイル、または
電界に基づく非点収差補正電極によって構成される。)
60によって荷電粒子ビームの非点収差が補正され、焦
点補正量を焦点位置制御部22に与えることにより対物
レンズ18へのコイル電流または焦点補正用のコイル1
8a(図示せず)へのコイル電流が制御されて焦点が補
正される。
【0044】別の方法として、ステージ46の一部とし
てZステージを具備する場合には、非点収差調整部64
は、全体制御装置26を介してまたは直接ステージ制御
部50に焦点を振る(試料高さを変える)制御指令を出
し、ステージ制御部50によりステージ46のZ軸を駆
動して焦点を振ることによって、粒子検出器16から焦
点を振った粒子画像を得、非点収差・焦点補正量算出用
画像処理回路53において非点収差・焦点補正量を求
め、算出された焦点補正量についてはステージ46のZ
軸にフィードバックし、非点補正量については非点収差
補正器60にフィードバックして補正を行うことも可能
である。もちろん、焦点を振って画像を取得するのと最
終的な焦点補正を行う先が別々、すなわち、どちらか一
方が焦点位置制御部22、もう一方がステージ46のZ
軸でもよいし、両方を組み合わせて同時に制御しても、
焦点位置と試料20または校正用ターゲット62の相対
位置を所望の距離に制御できればよい。なお、対物レン
ズ18を制御する方が、Zステージを制御するよりも応
答性に優れている。
【0045】以上説明したように、非点収差および焦点
補正をする際、全体制御装置26からの指令による非点
収差調整部64からの制御に基いて非点収差および焦点
補正が行われる。その結果、全体制御装置26は、画像
メモリ52に取り込まれた非点収差および焦点が補正さ
れた粒子画像を直接または画像処理回路53を介して提
供を受けることによって表示手段58に表示して非点収
差等の補正の良否を目視確認することができる。
【0046】さらに、例えば、検査・測定時には、ステ
ージ46を制御して試料20上の所定の位置を荷電粒子
光学系の視野に持ってきて、粒子検出器16で粒子画像
信号を得、この粒子画像信号をA/D変換器24で粒子
デジタル画像信号に変換して画像メモリ55に記憶させ
る。そして、検査・計測用画像処理回路56は、画像メ
モリ55に記憶された検出粒子デジタル画像信号に基い
て試料20上に形成された微細なパターンの寸法計測や
試料20上に発生した微細なパターンの欠陥や微細な異
物等の欠陥について検査が行われ、その結果が全体制御
装置26に提供される。この時、少なくとも定期的に本
発明に係る非点収差・焦点補正を行うことによって常に
収差の補正された粒子画像による検査または測定(計
測)を実現することができる。
【0047】なお、粒子画像に基づく欠陥等の検査の場
合には、検査・計測用画像処理回路56において、検出
される検出粒子デジタル画像信号を繰り返しパターン分
遅延させて比較対象となる参照粒子デジタル画像信号を
作成し、そして検出粒子デジタル画像信号と参照粒子デ
ジタル画像信号とを位置合わせして比較することによっ
て不一致もしくは差画像として欠陥候補を抽出し、この
欠陥候補における特徴量を抽出し、この特徴量から虚報
を除去する判定をする処理が行われて真の欠陥が検査さ
れることになる。
【0048】また、光学的な高さ検出センサ13は、試
料20へのチャージアップ、汚れ、ダメージなどの影響
が少ないので、各検査または計測位置での試料20の表
面の高さ変動を検出し、焦点位置制御部22にフィード
バックされて常に合焦点状態が保たれる。このように光
学的な高さ検出センサ13を用いる場合は、予め、ある
いは検査または計測中定期的に、試料20上の別の位
置、あるいは、試料台21上に設けられた校正用ターゲ
ット62で非点収差・焦点自動調整を行うことによっ
て、非点収差・焦点自動調整のための収束荷電粒子ビー
ムの照射を実際の試料に対してなくしたり、または大幅
に少なくすることができ、試料20へのチャージアッ
プ、汚れ、ダメージなどの影響をなくすることができ
る。
【0049】次に、本発明に係る収束荷電粒子光学系に
おける非点収差と焦点の自動調整について説明する。本
発明では、少数の2次元の粒子画像から非点隔差と焦点
オフセットをもとめ、これを非点収差の補正値と焦点の
補正値に同時に変換して一度に補正を行なうものであ
る。
【0050】図2には、非点収差補正器60の一実施例
である磁界に基づく2組の非点収差補正コイルで構成し
た場合を示す。即ち、2組の非点収差補正コイルで構成
した場合には、1組のコイルに電流を流すと、ある方向
にビームを伸ばし、それと直交する方向にビームを縮め
るように働く。これを2組、45°方向にずらしたもの
を(図2のstx,sty)を組み合わせて制御する
と、任意の方向に必要な量だけ非点収差を調整すること
が可能となる。当然、非点収差補正器60を電界に基づ
く電極によって構成することもできる。
【0051】次に、非点収差の様子について図3を用い
て説明する。左側の列は非点収差の補正された状態での
収束荷電粒子ビームの形状で、上から順に焦点位置が高
い(Z>0)場合、合焦位置の場合(Z=0)、焦点位
置が低い(Z<0)場合である。このように、合焦位置
では小さい点に絞れており、その上下では対称に円の径
が大きくなる。これに対してstxに電流を流して非点
収差を発生させると図3の真ん中の列のようにZ>0で
は横方向にビームが伸び、Z<0では縦方向にビームが
伸び、合焦位置では真円となるが径は十分に小さくなら
ない。styに電流を流すと合焦位置から外れた場合に
ビームが楕円となる方向が45°回転するが、やはりZ
>0とZ<0で楕円の長軸は直交する。このstxとs
tyを組み合わせると任意の方向へ任意の方向の非点収
差を発生させ、これによって調整前の荷電粒子光学系の
持っている非点収差を打ち消して非点収差を補正するこ
とができる。
【0052】即ち、図3に示すように非点収差が生じて
いる状態では、合焦点からずれると、荷電粒子ビームは
楕円状にぼける。焦点を挟んで±Zの位置でビームの楕
円形状は最も細くなり、その楕円の方向が直交する。非
点収差の大きさはこの2点間の焦点の距離2Zで表わさ
れ、非点収差の方向は楕円の方向で表わされる。2点間
の焦点の距離2Zは非点隔差と呼ばれ、図6中ではδで
表わされる。また、非点隔差の方向は、図6中では主点
主軸方向αで表わされる。また、非点隔差のベクトルと
しては(dx,dy)で表わすことができる。
【0053】次に、非点収差および焦点の補正について
図4〜図7を用いて説明する。図4(a)、(b)に
は、試料20上または校正用ターゲット62上に形成さ
れた非点収差・焦点補正用のパターンの実施例を示す。
非点収差・焦点補正用のパターンとしては、非点収差が
生じる3方向以上のエッジ成分を同程度に含むパターン
であればよい。図4(a)は、4方向を向いた直線状の
パターンを別々の領域に形成したものである。図4
(b)は、4方向のエッジ成分を有する曲線形状パター
ンを2次元に等ピッチで配列して形成したものである。
特に、試料上の場合、3方向以上のエッジ成分を同程度
に含むパターンが形成されていれば、それを用いること
ができる。但し、この場合、このパターンが形成されて
いる位置情報を予め、入力手段59を用いて全体制御装
置26に入力して記憶装置57等に登録しておくか、あ
るいは操作者が非点収差・焦点補正の都度試料上の位置
を指定する必要がある。また、当然、校正用ターゲット
62が試料台21上に設置された位置情報については、
入力手段59を用いて全体制御装置26に入力して記憶
装置57等に登録してあるものとする。
【0054】そこで、まず、全体制御装置26からステ
ージ制御部50への非点収差・焦点補正用のパターンの
位置情報に基いてステージ46を駆動制御して非点収差
・焦点補正用のパターンを荷電粒子光学系の光軸近傍に
位置付ける。次に、全体制御装置26からの偏向制御部
47への指令に基いて、荷電粒子ビームを上記非点収差
・焦点補正用のパターン上を走査照射しつつ、非点収差
調整部64から焦点位置制御部22への指令で図5に示
すように(1)フォーカスfを変化させながら粒子検出
器16で複数枚の画像を取得して画像メモリ52に記憶
し、画像処理回路53において、各画像について方向性
鮮鋭度(0°,45°,90°,135°)を、図6
(a)に示す如くd0(f),d45(f),d90
(f),d135(f)として計算する(ステップS5
1)。なお、フォーカス値fについては、非点収差調整
部64から焦点位置制御部22への指令値として取得す
ることができる。なお、後述のように2種類以上のスキ
ャン方向を用いてフォーカスfの変化を行い、画像を処
理することによって精度を高めることができる。
【0055】次に、画像処理回路53において、(2)
4種の方向性鮮鋭度は各方向毎にfの関数となり、図6
(a)に示す如く各関数による曲線毎にその中心位置p
0,p45,p90,p135を求める(ステップS5
2)。
【0056】次に、画像処理回路53において、(3)
図6(b)に示す正弦波の関係からp0,p45,p9
0,p135から非点収差に起因する方向によるフォー
カス位置のずれ(非点隔差)の方向αと大きさδ、及
び、焦点オフセットzを求めて全体制御装置26に提供
して記憶装置57に記憶させる(ステップS53)。な
お、このステップS53において非点隔差の方向αと大
きさδとを求める必要はなく、非点隔差のベクトル(d
x,dy)でもよい。非点隔差の大きさδは、次に示す
(数1)式によって表わすことができる。また、非点隔
差の方向(非点主軸方向)αは、次に示す(数2)式に
よって表わすことができる。また、焦点オフセット値z
は、次に示す(数3)式によって表わすことができる。
【0057】
【数1】 δ2=(p0−p90)2+(p45−p135)2=(dx)2+(dy)2 (数1)
【数2】 α=(1/2)tan~1((p45−p135)/(p0−p90)) =(1/2)tan~1((dy)/(dx)) (数2)
【数3】 z=(p0+p45+p90+p135)/4 (数3) なお、記憶装置54には、以上説明した方向性鮮鋭度d
0(f),d45(f),d90(f),d135
(f)を求めるプログラムや方向性鮮鋭度からその中心
位置p0,p45,p90,p135を求めるプログラ
ムや非点隔差および焦点オフセット値を求めるプログラ
ム等が記憶されていて、非点収差・焦点補正量算出用画
像処理回路53においてそれらプログラムに基いて実行
できるように構成されている。当然、記憶装置54とし
てROM等で構成することができる。
【0058】(4)予め、全体制御装置26において、
非点収差補正器60の特性である非点収差制御値(st
x,sty)の変化と、非点隔差の方向αと大きさδま
たは非点隔差のベクトル(dx,dy)の変化量(感
度)との関係を求めておけば、これを利用して非点隔差
(α、δまたは(dx,dy))を必要な非点収差補正
値(1,2)(Δstx,Δsty)へ変換配分するこ
とが可能となり(ステップS54)、非点収差補正値
(1,2)(Δstx,Δsty)およびフォーカス値
zを設定して非点収差調整部64に提供することができ
る(ステップS55)。なお、非点収差補正値(1,
2)(Δstx,Δsty)およびフォーカス値zの算
出は、全体制御装置26で行うのではなく、非点収差補
正器60や対物レンズ18の特性を全体制御装置26か
ら提供を受けることによって画像処理回路53において
実行してもよい。
【0059】(5)非点収差調整部64は、全体制御装
置26から提供を受けた焦点オフセット値zを焦点位置
制御部22に送って焦点位置制御部22により対物レン
ズ18または焦点補正用のコイル18aにおける対物コ
イル電流または焦点補正コイル電流を補正し、全体制御
装置26から提供を受けた非点収差補正値(Δstx,
Δsty)を非点収差補正回路61に送って非点収差補
正回路61により非点収差補正コイル電流または非点収
差補正静電圧を補正する。このように非点収差補正と焦
点合わせとを一括して実行することができる。
【0060】(6)非点収差が小さい場合には上記動作
一回でオートスティグマ動作は完了するが、非点収差が
大きい場合には、非点収差以外の収差他の要因(高次の
非点収差や像歪等がある。)によって一回では補正しき
れない。この場合(1)に戻り再度オートスティグマを
かけ、z、(Δstx,Δsty)が小さくなるまでル
ープを繰り返す。
【0061】以上の方法によって、高速で試料20や校
正用ターゲット62に対するダメージの少ない非点収差
・焦点の一括調整が実現される。また、焦点距離を変化
させながら同じ試料20または校正用ターゲット62の
画像の方向性鮮鋭度を比較することによって非点隔差が
求められるので、試料20や校正用ターゲット62の模
様(非点収差・焦点補正用のパターン)に依存せずに高
精度の非点収差・焦点の一括調整が実現される。試料2
0や校正用ターゲット62の模様についての唯一の条件
は、各方向のエッジ成分を同程度に含むパターンである
ことである。
【0062】なお、上記実施例ではθ=0°,45°,
90°,135°の4種類の方向性鮮鋭度を用いたが、
非点隔差の方向αと大きさδがわかればθは4方向でな
くてもよく、最低3方向以上の任意個数のθに対する方
向性鮮鋭度dθ(f)を用いればよい。この場合、各θ
毎に曲線dθ(f)の中心位置pθを求め、さらに正弦
波(正弦波に近似した波形でもよい。)をpθに当ては
めて、この正弦波の振幅と位相を求めてやればこれが非
点隔差の大きさδと方向αとなる。
【0063】次に、画像処理回路53において粒子画像
の方向性鮮鋭度を求める具体的な実施例について説明す
る。
【0064】第1の実施例としては、図7(a)に示す
ように領域によって方向の異なる縞パターンを持った自
動非点収差補正専用の試料(ターゲット)62に対して
荷電粒子ビームを走査照射することによって粒子検出器
16によって粒子画像を検出して観察する。そして、こ
の各領域の粒子画像の振幅を計測することによって方向
性鮮鋭度dθを求めるものである。この振幅は、直接に
各領域における振幅{s(x,y)の最大値−s(x,
y)の最小値}を計測してもよいし、各領域における粒
子画像の濃淡値(階調値)s(x,y)の分散{V=Σ
xy(s(x,y)−smean)2/N}を求めてもよい。
あるいは、ラプラシアン等の2次元微分の結果s(x,
y)の微分t(x,y)の絶対値の和{Σxy|t(x,
y)|}や二乗和{Σxy(t(x,y))2}を求めて
もよい。この時の結果を方向性鮮鋭度dθと定義する。
角度方向θはどのように定義しても良いが、図ではパタ
ーンの法線方向が左右方向になる場合を0°とし、ここ
から時計周りに定義している。パターンの方向としては
図に示すように4方向の場合にとらわれず、180°の
角度範囲を略n等分する任意の角度の組み合わせが考え
られる。この場合のnは3以上の任意の整数である。
【0065】第2の実施例としては、図7(b)に示す
ようなパターンを持った試料20やターゲット62の場
合で、粒子検出器16によって検出された粒子画像に対
して方向性微分演算を施すことによって方向性鮮鋭度d
θを求めるものである。方向性微分は図に例示したよう
なマスクを画像に対して畳込み演算を行なうことによっ
て実現される。微分結果の画像に対して各点の値の二乗
の和を計算して、これを鮮鋭度dθとする。ここで、図
示した微分マスクは一例で、方向性微分を取る為のマス
クの要件(ある軸を中心として対称の位置にある値は符
号が反転していて値が略等しい。)を満たしていれば、
これにとらわれる必要はない。ノイズの抑圧と微分の方
向選択性の向上のためにさまざまな微分マスクのバリエ
ーションが考えられる。また、画像微分を計算する前の
フィルタリング、画像の縮小も画像に適合したものを選
択する必要がある。また、画像を回転してから方向性微
分を行なうことにより単純な0°微分あるいは90°微
分を用いて任意の方向θの方向性微分を行なうことも可
能である。
【0066】更に方向性鮮鋭度を正確に求めるために以
下のようにしても良い。図16に示すように、鮮鋭度の
曲線の性質が走査線の方向と検出器の周波数応答とノイ
ズの性質の影響で0°、90°、45°と135°では違うの
で、一枚の画像から方向性微分によって4方向の鮮鋭度
を求める方法では、非点収差の誤差につながって問題が
ある。すなわち、0°と90°の鮮鋭度はピークの高さに
対するすそ野の高さが相対的に高く、また、特に0°は
すそ野のノイズが大きいため、鮮鋭度曲線の中心を求め
る際に誤差が大きくなる。この理由は、90°方向につ
いては複数の走査線をまたがる方向に微分をすることと
なるので、走査線間の一次ビームの電流量の違いによる
明るさのばらつきが影響して、ノイズが大きくなる。0
°方向については走査線方向に微分をすることになるの
で、検出器の周波数応答に起因して信号がなまる分だ
け、鮮鋭度のピークが小さくなる。これに対して、45
°,135°方向については、水平、垂直方向のいずれ
に対しても応答の低い微分フィルターを用いれば、上記
いずれの影響も受けにくいため、ピークが高く裾野の低
い鮮鋭度曲線が選られる。そこで、図17に示すよう
に、1回目のFocus sweepと2回目のFocus sweepでスキャ
ン方向を略−45°回転させる。それぞれの画像セットで
性質の優れた45°と135°鮮鋭度のみを計算する。2回
目は画像が45°回転しているため、それぞれ0°と90°
方向の鮮鋭度すなわちd0とd90を計算していること
になる。スキャン方向は−45°の代わりに135°回
転させてもよい。また45°あるいは−135°回転さ
せても良いが、この場合は微分方向45°がd90、微
分方向135°がd0に対応することとなる。なお、0
°及び90°から微分方向がずれていれば、必ずしも±
45°と±135°方向に微分を行わなくても良く、例
えば、60°と150°あるいは−150°と−60°
方向への微分を回転しない画像と、−45°回転された
画像に対して行っても、4種類のノイズに強い方向性鮮
鋭度が選られる。ただしこの場合は、得られる4組の方
向性鮮鋭度は{d15(f),d60(f),d105(f),d150(f)}
となるが、角度を表す数字をすべておきかえれば本文中
の計算式はすべて成り立つ。これによって、ノイズに対
して強くかすかなパターンに対しても正確な非点収差測
定が可能となる。また、試料のコンタミネーション等に
よって暗くなった場合にも安定な非点収差測定・補正が
可能となる図18にこの場合のフローチャートを示す。
全体制御装置26からの偏向制御部47への指令に基い
て、荷電粒子ビームを上記非点収差・焦点補正用のパタ
ーン上を走査照射しつつ、非点収差調整部64から焦点
位置制御部22への指令で (1)フォーカスfを変化させながら粒子検出器16で
複数枚の画像を取得して画像メモリ52に記憶し、画像
処理回路53において、各画像について方向性鮮鋭度
(45°,135°)を、図17に示す如くd45
(f),d135(f)として計算する(ループL5
1)。
【0067】(2)次に。全体制御装置26からの偏向
制御部47への指令に基いて、荷電粒子ビームを上記非
点収差・焦点補正用のパターン上を上記ループとは−4
5°回転させて走査照射しつつ、非点収差調整部64か
ら焦点位置制御部22への指令で図5に示すように
(1)フォーカスfを変化させながら粒子検出器16で
複数枚の画像を取得して画像メモリ52に記憶し、画像
処理回路53において、各画像について方向性鮮鋭度
(45°,135°)を、図17に示す如くd0
(f),d90(f)として計算する(ループL5
1’)。
【0068】次に、画像処理回路53において、(3)
4種の方向性鮮鋭度は各方向毎にfの関数となり、図6
(a)に示す如く各関数による曲線毎にその中心位置p
0,p45,p90,p135を求める(ステップ5
2)。
【0069】次に、画像処理回路53において、(4)
図6(b)に示す正弦波の関係からp0,p45,p9
0,p135から非点収差に起因する方向によるフォー
カス位置のずれ(非点隔差)の方向αと大きさδ、及
び、焦点オフセットzを求めて全体制御装置26に提供
して記憶装置57に記憶させる(ステップ53)。な
お、このステップにおいて非点隔差の方向αと大きさδ
とを求める必要はなく、非点隔差のベクトル(dx,d
y)でもよい。
【0070】(5)予め、全体制御装置26において、
非点収差補正器60の特性である非点収差制御値(st
x,sty)の変化と、非点隔差の方向αと大きさδま
たは非点隔差のベクトル(dx,dy)の変化量(感
度)との関係を求めておけば、これを利用して非点隔差
(α、δまたは(dx,dy))を必要な非点収差補正
値(1,2)(Δstx,Δsty)へ変換配分するこ
とが可能となり、非点収差補正値(1,2)(Δst
x,Δsty)およびフォーカス値zを設定して非点収
差調整部64に提供することができる(ステップ5
4)。
【0071】(6)非点収差調整部64は、全体制御装
置26から提供を受けた焦点オフセット値zを焦点位置
制御部22に送って焦点位置制御部22により対物レン
ズ18または焦点補正用のコイル18aにおける対物コ
イル電流または焦点補正コイル電流を補正し、全体制御
装置26から提供を受けた非点収差補正値(Δstx,
Δsty)を非点収差補正回路61に送って非点収差補
正回路61により非点収差補正コイル電流または非点収
差補正静電圧を補正する。このように非点収差補正と焦
点合わせとを一括して実行することができる(ステップ
55)。
【0072】(7)非点収差が小さい場合には上記動作
一回でオートスティグマ動作は完了するが、非点収差が
大きい場合には、非点収差以外の収差他の要因(高次の
非点収差や像歪等がある。)によって一回では補正しき
れない。この場合(1)に戻り再度オートスティグマを
かけ、z、(Δstx,Δsty)が小さくなるまでル
ープを繰り返す。
【0073】更に、図16に示すような鮮鋭度の曲線の
性質が走査線の方向と検出器の周波数応答とノイズの性
質の影響で0°、90°、45°と135°では違う現象にたい
して、別の原理により対処する方法の実施例について示
す。走査線の明るさノイズはランダムであり、同じ条件
で粒子画像を2回スキャンした場合の走査線の明るさノ
イズは画像間で無相関である。このため、2枚の画像で
それぞれ方向性微分を計算した後、2枚の微分画像の各
画素の共分散値、あるいは、その平方根を求めるとノイ
ズ成分が消えて、微分画像の二乗平均あるいはその平方
根の値が求められる。なお、二つの微分画像をf(x,
y)、g(x,y)とすれば、共分散は(Σf(x,y)
g(x,y))/Nで計算できる(Nは共分散計算領域
内の画素数)。この方法によれば、図16に示した90
°の鮮鋭度曲線の裾野がノイズで持ち上がる現象は抑制
でき、とくに、ノイズが問題となるパターンの弱い試料
での自動非点補正の安定度・精度が向上できる。共分散
を用いる場合は、2回の焦点スキャンによって選られた
一組の焦点位置fが共通の画像に対して、上記方向微分
後の共分散を0°,45°,90°,135°方向の微
分に対して求め、それぞれ、方向性鮮鋭度d0(f),
d45(f),d90(f),d135(f)とすれば
いい。
【0074】次に、画像処理回路53においてfの関数
である方向性鮮鋭度dθ(f)に対してその中心位置p
θを求める具体的な実施例について説明する。中心位置
pθを求める方法としては、dθ(f)が最大となるf
の位置の前後の値に2次関数、ガウス関数等を当てはめ
た場合の関数の中心位置として求める方法と、dθ
(f)がある閾値以上の点に対する重心として求める方
法等から適当なものを用いればよい。
【0075】2次関数、ガウス関数等を当てはめた場合
の関数の中心位置を求める方法を図11をもちいて示
す。このように鮮鋭度が最大となる点をもとめ、この前
後のN点のデータに対して、2次関数、ガウス関数等の
凸関数を当てはめる。N=3の場合は、2次関数、ガウ
ス関数がすべてのデータを通るようにパラメータを決定
することができ、これによって、鮮鋭度曲線の中心の位
置を補間して求められる。ただし、単純な最大位置ある
いは最大位置の補間では特に非点収差が大きい場合に誤
差が生じる。これを図12を用いて示す。(a)の様に
略±45°方向に非点収差を生じている場合の0°方向
の鮮鋭度を考える。すると、±45°方向に荷電粒子線
のスポットの焦点があっている場合に0°方向のスポッ
ト断面長さが狭くなり、合焦状態では0°方向のスポッ
ト断面長さが広くなる。スポット断面長さが狭いほど鮮
鋭度が高くなるので、(b)のように、d0(f),d
90(f)の曲線のように、非点収差の生じていない方
向の鮮鋭度曲線は非点収差が大きい場合に、双峰性とな
る傾向がある。この場合、単純な最大値を用いると
(c)のB点のように偏った位置が鮮鋭度の中心と判断
されてしまう。この例の場合にはd45(f)の最大値
p45に近い値がd0(f)の中心とされてしまう。図
12の例で示すと、最大値を用いるとp0がp45に近い値
となり、p90がp135に近い値となる。この場合、非点較
差の±45°方向の成分p45−p135が本来の大きさの倍以
上となってしまうので、これを使って補正を行うと、こ
の方向の非点収差を補正しすぎて不安定となる。
【0076】逆に、最大値のサーチの方法によっては極
大値であるC点をd0(f)の中心としてしまうことも
ある。この場合、非点較差の±45°方向の成分がほとん
ど補正されないこととなる。このため、図6によって示
したように非点較差の大きさと、非点主軸方向を正しく
求める場合には(c)のA点のように、B、Cの中間を
d0(f)の中心として求める必要がある。
【0077】このために、本発明ではB、Cの中間を
B、Cの山の大きさに応じて求めて方向性鮮鋭度の中心
とする。このためには色々な方法が考えられるが、いく
つかの実施例を以下に示す。ただし、以下に示す実施例
にとらわれず、方向性鮮鋭度が双峰性であった場合に、
山の大きさに応じてその中間の値を求める方法を用いる
事が本発明の範囲内で可能である。図13に重心を用い
る場合を示す。このように最大値をまず求め、これに一
定の1以下の値αを掛けこれを閾値とし、方向性鮮鋭度
の焦点位置に対する変化を示す曲線が、閾値レベルを上
回った点に対して、曲線と閾値で囲まれる部分の重心を
求め、これを方向性鮮鋭度の中心とする。すなわち、 pθ=Σf・(dθ(f)−α最大値)/Σd(dθ
(f)−α最大値) によって、方向性鮮鋭度の中心pθを求める。
【0078】図14に加重平均を用いる場合を示す。方
向性鮮鋭度の極大値が複数ある場合に、これらのピーク
位置をそれぞれ求め、それぞれの高さに応じた加重平均
をもとめ、これを方向性鮮鋭度の中心とする。すなわち
極大位置をB、Cとすると、 pθ=(dθ(C)・B+dθ(B)・C)/(dθ(C)+d
θ(B)) によって、方向性鮮鋭度の中心pθを求める。
【0079】図15に対称性マッチングを用いる方法を
示す。方向性鮮鋭度の焦点位置に対する変化を示す曲線
dθ(f)に対し、これを対称軸f=aに対して左右に
鏡像反転させた曲線dθ(a−f)との一致度のpθに
対する変化を計算し、この一致度が最良となる鏡像反転
の対称軸aを求め、これを合焦位置pθとする。一致度
としては相関値が最大となる点を用いてもいいし、差の
自乗和が最小となる点を用いてもいいし、一致度の指針
として一般に用いられている他の指針を用いても良いこ
とはいうまでもない。
【0080】次に、全体制御装置26において画像処理
回路53から得られる非点隔差から非点収差補正値を求
める具体的な実施例について説明する。0°,45°,
90°,135°のp0、p45、p90、p135の
4方向を用いる場合には、画像処理回路53においてま
ず非点隔差ベクトル(dx,dy)=(p0−p90,
p45−p135)を計算して全体制御装置26に提供
する。次に、全体制御装置26は、次に示す(数4)式
に基いて非点収差補正量(Δstx,Δsty)の配分
を行う。
【0081】
【数4】 Δstx=mxx・dx+mxy・dy Δsty=myx・dx+myy・dy (数4) 但し、(mxx,mxy,myx,myy)は、予め非
点収差補正器60の特性に基いて算出される非点収差補
正量配分パラメータであり、例えば記憶装置57に記憶
されている。従って、非点収差調整部64は、全体制御
装置26から得られる非点収差補正量を(βΔstx、
βΔsty)だけ変化させるように非点収差補正回路部
61に送信し、非点収差補正回路部61によって非点収
差補正器60を(βΔstx、βΔsty)だけ補正す
る。βは補正量減少係数である。
【0082】また、全体制御装置26において、画像処
理回路53から得られる焦点オフセットzは各方向に対
する焦点位置の平均値となるので、焦点補正量としては
(p0+p45+p90+p135)/4を設定すれば
よい。従って、非点収差調整部64は、全体制御装置2
6から得られる焦点補正量を例えば焦点位置制御部22
に送信し、焦点位置制御部22によって対物レンズ18
を焦点補正量で補正する。
【0083】なお、別の実施例として、画像処理回路5
3において、非点隔差ベクトル(dx,dy)から非点
隔差の大きさδ=|(dx,dy)|、方向α=1/2
arctan(dy/dx)を一旦求めて全体制御装置
26に送信し、全体制御装置26はこれら送信された非
点隔差の大きさδおよび方向αから非点収差補正量(Δ
stx,Δsty)に変換してもよい。
【0084】また、n方向(nは3以上の任意の整数)
の方向性鮮鋭度pθを用いる場合には、画像処理回路5
3は、これらのデータに正弦波を当てはめてその位相、
振幅、オフセットから非点隔差の方向α、大きさδ、焦
点オフセットzを求めればよい。
【0085】さらに、非点収差補正量を変えると焦点位
置が干渉を受けて若干ずれることがあるので、この場合
は、例えば全体制御装置26において、ΔstxとΔs
tyそれぞれについて適当な係数を掛けたものを焦点補
正量の変化分に足し込んでやるとよい。
【0086】さらにこれに対して、非点収差補正量をよ
り正確に計算し、高速。高精度に非点補正を行うための
実施例を示す。上記方法では鮮鋭度の重心位置が隣接方
向の鮮鋭度に引きずられてずれる現象が起こる。例え
ば、縦・横のエッジを斜めのエッジに比べて多く含む例
えば図19のようなパターンに対する45°方向の鮮鋭度
曲線d45では、斜め方向のエッジはパターンのコーナー
部のみなので、縦・横のエッジの影響を相対的に強く受
け、本来のピーク位置だけでなく、d0,d90のピーク位
置にもピークが現れる。d135についても同様である。そ
のために、先鋭度曲線の重心によって計算した非点較差
ベクトルの成分dxは実際よりも小さ目の値となる。半導
体を試料20として用いた場合、一般に半導体パターン
は縦・横のパターンを用いて構成されているので、この
ような現象が起こりやすい。このため、非点較差ベクト
ルを補正したものを用いて非点収差補正量Δstx,Δsty
を求めるようにする。図20のように、非点較差dxが
dyに比較して小さく、ピークd0,d90が大きい場
合には非点較差dyは実際よりも小さい方向にずれるの
で、これを補正できる式を用いればよい。下記3種類の
補正式を例としてあげるが、上記補正を行える類似の働
きをする式を用いても同じことである。第1の補正式で
は、非点較差dxとdyの大小関係によって非点較差ベクト
ル(dx,dy)を補正する。非点較差ベクトル(dx,dy)=(p0-
p90,p45-p135)を(dx/dy)^pによって補正して(記号 ^
はべき乗を示す)、
【0087】
【数5】
【数6】 によって非点補正量配分をおこなう。mxx,mxy,myx,myy
は従来の非点補正量配分パラメータである。pは非線型
補正用のべき乗パラメータである。ここで、pは鮮鋭度
の重心位置が隣接方向の鮮鋭度に引きずられてずれる現
象を補正するパラメータで、0<p<1の値である。第2
の補正式では、非点較差dxとdyの大小関係に加えて方向
性鮮鋭度のピーク高さを用いて非点較差ベクトル(dx,d
y)を補正する。それぞれpd0,pd45,pd90,pd135をd0,
d45,d90,d135曲線のピーク高さとし、px=pd0+pd9
0、py=pd45+pd135 とすると、
【0088】
【数7】
【数8】 によって非点補正量配分をおこなう。ここで、a:1.8
(1〜2)、bp,bd:5、cp,cd:0.5程度の補正係数であ
る。すなわちpx<pyでかつdx>dyの場合に最大a倍程度d
xを補正する。またpx>pyでかつdx<dyの場合に最大a倍
程度dyを補正する。第3の補正式として
【0089】
【数9】
【数10】 によって非点補正量配分をおこなう。a:1.8(1〜2)、
bp,bd:2程度、cp,cd:4程度の補正係数である。す
なわちpx<pyでかつdx>dyの場合に最大a倍程度dxを補
正する。またpx>pyでかつdx<dyの場合に最大a倍程度d
yを補正する。これらの式によって、試料パターンの方
向に偏りがある場合でも、これを補正して高精度に非点
収差補正量を計算でき、非点収差補正を高速、高精度に
行うことが可能となる。
【0090】次に、本発明に係る非点収差・焦点自動補
正をさらに高速に行うための別の実施例について図8お
よび図9を用いて説明する。即ち、校正用ターゲット6
2として、図8(a)に示すように表面が傾いており、
この表面上に適当なパターンの形成された校正用ターゲ
ット62a、または図8(b)に示すように表面が階段
状になっており、この表面上に適当なパターンの形成さ
れた校正用ターゲット62bを用いる。本ターゲット6
2a、62bは、図1および図10に示すように試料台
20上に備えておけばよい。すると、このターゲット
(試料)62a、62bの粒子画像を一枚得るだけで、
画像中の領域によって焦点fのことなる画像が得られ
る。これをスキャン方向を回転させて2枚得ることによ
って、既述のノイズに強い方向鮮鋭度の計算が可能にな
る。なお、校正用ターゲット62aの基準点の高さ、お
よび校正用ターゲット62bの基準面の高さと実際の試
料20の表面の高さの差を予め計測しておくものとす
る。方法としては、ターゲット62と試料20の双方で
自動高さ補正をかけるか、後述のように光学式高さセン
サで計測する方法が例として挙げられる。
【0091】即ち、図8(a)、図8(b)に示す校正
用ターゲット62a、62bを用いたため、一枚の粒子
画像の異なった領域からフォーカスfが変わった画像が
得られることにある。そのため、図9に示すフローチャ
ートにおいて、図5に示すフローチャートと相違するの
は、領域毎に高さ(フォーカス)fが変えられた3方向
以上のエッジ成分を同程度に含む一枚の粒子画像を取得
し、各領域ごとに方向性鮮鋭度pθ(f)を計算するス
テップS51’である。後は、図5に示すステップS5
2〜S55と同様に非点収差・焦点補正量を求めて調整
をおこなえばよい。これによって一枚の画像だけから高
速に非点収差・焦点補正を行うことが可能となる。
【0092】また、水平な平面状の校正用ターゲット6
2または実際の試料20を用いても上記実施例と同様の
効果を得ることも可能である。即ち、焦点位置を高速に
変化させながら粒子画像を撮像すると、上記実施例と同
様に画像中の領域によって焦点の異なる画像を得ること
ができ、これによって一枚の画像だけから高速に非点収
差・焦点補正を行うことが可能となる。
【0093】次に、被対象基板に対する検査または計測
と非点収差・焦点補正との関係について説明する。ま
ず、被対象基板(実際の試料)20を試料台21上に搭
載する。そして、全体制御装置26に対しては、上記被
対象基板20上において検査または計測すべき少なくと
も位置情報が記録媒体やネットワーク等で構成された入
力手段59を用いて入力されて記憶されている。従っ
て、被対象基板20に対して検査または計測する場合、
全体制御装置26からの指令でステージ46が制御され
て被対象基板20上の所定の位置は、荷電粒子光学系の
視野に持ってこられ、次に荷電粒子ビームが走査照射さ
れて粒子検出器16で粒子画像が検出されてA/D変換
後画像メモリ55に記憶され、検査・計測用画像処理回
路56で画像処理が行われて検査または計測が行われ
る。この時、各検査または計測位置で本発明に係る非点
収差・焦点補正を行うことによって常に収差の補正され
た粒子画像に基づく検査または計測を実現することがで
きる。
【0094】また、検査/計測装置が、チャージアッ
プ、汚れ、ダメージなどの被対象基板への影響の少ない
例えば光学的な高さ検出センサ13を持っている場合に
は、各検査または計測位置では光学的な高さ検出センサ
13を用いた試料高さの焦点へのフィードバックを行
い、焦点・非点収差調整のための収束荷電粒子ビームの
走査照射を行わずに、検査または計測のための収束荷電
粒子ビームの走査照射を行うことによって、被対象基板
(試料)20へのチャージアップ、汚れ、ダメージなど
の影響を最小限に抑えることも可能である。この場合
は、予め、あるいは検査または計測中に定期的に試料2
0上の別の位置、あるいは、試料台21上に設けられた
校正用ターゲット62を用いて非点収差・焦点自動調整
を行う。
【0095】ところで、校正用ターゲット62は、図8
に示された傾いたあるいは階段状の試料でも、図1に示
された上面が水平な試料でもよい。
【0096】以上説明した本発明に係る非点収差・焦点
自動調整によって、焦点位置と非点収差の経時変化によ
るずれを補正することになる。しかし、予め本発明に係
る非点収差・焦点自動調整によって、光学的な高さ検出
センサ13との検出オフセットを合せておく必要があ
る。実際の試料(被対象基板)20上の各検査または計
測位置での高さの違い(変動)は、光学的な高さ検出セ
ンサ13によって検出して合焦点補正を行う。これによ
って、検査または計測時のみ非点収差のない収束荷電粒
子ビームを実際の試料20に合焦点状態で走査照射する
ことによって、チャージアップ、汚れ、ダメージなどの
影響を最小限に抑えた状態で粒子画像を検出することが
でき、その結果被対象基板に対して高精度の検査または
計測をおこなうことが可能となる。
【0097】また、光学的高さ検出センサ13と焦点位
置制御部22との間のオフセットのみならずゲインも校
正したい場合には、あらかじめ、高さの分かった校正用
ターゲット62を複数用意して、これらの上で、自動焦
点補正と光学的高さ検出センサ13による検出の両方を
行うことにより、ゲインさらにはリニアリティーも校正
することができる。また、ステージ46のZ軸によって
校正用ターゲット62あるいは試料20の高さを変えな
がら、このうえで自動焦点補正と光学的高さ検出センサ
13による検出の両方を行うことにより、ゲインさらに
はリニアリティーの校正を行うことも可能である。
【0098】また、図10に示すようにステージ46を
横方向に連続移動させながら、ビーム偏向器15を駆動
して収束荷電粒子ビームを上記ステージの移動方向と交
差する方向(特にほぼ直交する方向)に走査し、粒子検
出器16で粒子画像を連続検出し、高速の検査または計
測を行う場合には、次に説明するような制御を行う。
【0099】即ち、光学的な高さ検出センサ13の高さ
検出値を、焦点位置制御部22と偏向制御部47とに常
にフィードバックし、常に、焦点のずれと偏向の回転を
補正しながら粒子画像を連続的に検出することによっ
て、実際の試料20の全面に亘っての高精度・高感度の
検査または計測を実現することができる。なお、焦点の
補正のために焦点位置制御部22を駆動する代わりに、
ステージ46のZ軸を駆動しても同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。この間、図10に示すように定
期的に校正用試料62に移動して、自動焦点・非点収差
補正を行うことによって、長時間にわたって、焦点・非
点収差を高精度に補正された粒子画像を用いた高精度・
高感度検査を行うことが可能となる。
【0100】以上説明した実施の形態では、荷電粒子線
装置を検査/計測装置に適用した場合について説明した
が、荷電粒子ビームを用いた加工装置等にも適用するこ
とができる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、収束荷電粒子ビームの
走査照射によって検出される少数の粒子画像を用いて試
料にダメージを与えずに高速・高精度に非点収差および
焦点の自動調整を行うことができる効果を奏する。
【0102】また、本発明によれば、試料にダメージを
与えずに高速・高精度に非点収差および焦点の自動調整
が行われた収束荷電粒子ビームを被対象基板に走査照射
することによって検出される粒子画像に基いてパターン
や異物などの欠陥を検査またはパターンの寸法を計測す
る場合に、長時間にわたって検出される粒子画像の画質
を維持し、安定し、しかも高精度の自動検査または計測
を行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る荷電粒子線装置の一実施の形態で
ある検査/計測装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】非点収差補正コイルの平面図である。
【図3】非点収差とビームスポット形状の関係を示す図
である。
【図4】焦点・非点収差補正用パターンの実施例を示す
平面図である。
【図5】図1に示す非点収差・焦点補正量算出用画像処
理回路で実行する画像処理フローを示すフロー図であ
る。
【図6】計算される方向性鮮鋭度dθ(f)と、非点隔
差の大きさδと方向αおよび焦点オフセットzとの関係
を示すグラフである。
【図7】方向性鮮鋭度を求めるための画像処理の例を示
す図である。
【図8】焦点・非点収差補正を高速に行なうための校正
用ターゲット(試料)形状を示す平面図である。
【図9】図8に示す校正用ターゲットを用いた場合にお
ける図1に示す非点収差・焦点補正量算出用画像処理回
路で実行する画像処理フローを示すフロー図である。
【図10】焦点・非点収差のドリフトの定期校正を行な
う場合の視野移動シーケンスを示すウェハの平面図であ
る。
【図11】方向性鮮鋭度曲線の最大位置を補間する方法
を説明するためのフォーカス値と先鋭との関係を示すグ
ラフである。
【図12】(a)z方向の各位置におけるビーム形状を
示す断面図、(b)(c)ともに方向性鮮鋭度曲線が双
峰性を示す場合を説明するためのフォーカス値と先鋭と
の関係を示すグラフである。
【図13】方向性鮮鋭度曲線の中心位置を重心を用いて
求める方法を説明するためのフォーカス値と先鋭との関
係を示すグラフである。
【図14】方向性鮮鋭度曲線の中心位置を極大位置の加
重平均を用いて求める方法を説明するためのフォーカス
値と先鋭との関係を示すグラフである。
【図15】(a)(b)ともに、方向性鮮鋭度曲線の中
心を対称性マッチングを用いて求める方法を説明するた
めのフォーカス値と先鋭との関係を示すグラフである。
【図16】方向性鮮鋭度曲線の方向による特性の違いを
示すためのフォーカス値と先鋭との関係を示すグラフで
ある。
【図17】2方向にスキャンをした2枚の画像から4方
向の方向性鮮鋭度をより正確に求める方法を説明するた
めのウェハの平面図とフォーカス値と先鋭との関係を示
すグラフとを組合わせた図である。
【図18】図17に示す方法で方向性鮮鋭度を算出する
場合の非点収差補正の処理フローを示すフロー図であ
る。
【図19】方向鮮鋭度がほかの方向のパターンの影響で
ずれる場合を説明するためのウェハの平面図とフォーカ
ス値と先鋭との関係を示すグラフとを組合わせた図であ
る。
【図20】図19で示した現象を補正してより高精度な
非点収差補正をおこなう原理を説明するためのフォーカ
ス値と先鋭との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…荷電粒子光学系 13…光学的高さ検出センサ
14…荷電粒子源(電子源またはイオン源) 1
5…ビーム偏向器 18…対物レンズ 18a…焦
点補正用のコイル 16…粒子検出器 19…グリ
ッド電極 20…試料 実際の試料(被対象基板)
21…試料台 22…焦点位置制御部 24…
A/D変換器 26…全体制御装置 46…XYス
テージ 47…偏向制御部 48…グリッド電位調整部 4
9…試料台電位調整部 50…ステージ制御部 51…線源電位調整部 5
2、55…画像メモリ 53…非点収差・焦点補正量
算出用画像処理回路 54…記憶装置 56…検査・計測用画像処理回路 57…記憶装置
58…表示装置(表示手段) 60…非点収差補正
器 61…非点収差補正回路部 62…校正用ター
ゲット 64…非点収差調整部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 功一 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 郡司 康弘 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2G001 AA03 BA07 BA14 CA03 DA02 DA09 FA01 GA01 GA06 GA13 HA13 JA02 JA03 KA03 LA11 MA05 5C033 FF10 JJ01 JJ02 JJ05 MM07 UU02 UU04

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を設置するステージと、 荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを収束する荷
    電粒子光学系と、 該荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビー
    ムを走査して前記試料上に照射する走査手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビ
    ームの焦点位置を制御する焦点制御手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷電粒子ビー
    ムの非点収差を調整する非点収差調整手段と、 前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照射さ
    れた試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画像
    を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像を
    得る焦点スキャン動作を2回繰り返して行う粒子画像検
    出手段と、 該粒子画像検出手段から得られる2組の複数の焦点位置
    を有する2次元の粒子画像に基いて前記収束荷電粒子ビ
    ームの非点隔差を算出する画像処理手段と、 該画像処理手段で算出された収束荷電粒子ビームの非点
    隔差に基づいて非点収差補正量を前記非点収差調整手段
    にフィードバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を
    調整制御する制御系とを備えたことを特徴とする荷電粒
    子線装置。
  2. 【請求項2】試料を設置するステージと、 荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを収束する荷
    電粒子光学系と、 該荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビー
    ムを走査して前記試料上に照射する走査手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビ
    ームの焦点位置を制御する焦点制御手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷電粒子ビー
    ムの非点収差を調整する非点収差調整手段と、 前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照射さ
    れた試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画像
    を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像を
    得る粒子画像検出手段と、 該粒子画像検出手段から得られる複数の焦点位置を有す
    る2次元の粒子画像に基いて前記収束荷電粒子ビームの
    非点隔差を算出する画像処理手段と、 該画像処理手段で算出された収束荷電粒子ビームの非点
    隔差に基づく非点収差補正量を非線型演算によって求
    め、前記非点収差調整手段にフィードバックして収束荷
    電粒子ビームの非点収差を調整制御する制御系とを備え
    たことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 【請求項3】試料を設置するステージと、 荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを収束する荷
    電粒子光学系と、 該荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビー
    ムを走査して前記試料上に照射する走査手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビ
    ームの焦点位置を制御する焦点制御手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷電粒子ビー
    ムの非点収差を調整する非点収差調整手段と、 前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照射さ
    れた試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画像
    を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像を
    得ることを2回繰り返して行う粒子画像検出手段と、 該粒子画像検出手段から得られる複数の焦点位置を有す
    る2次元の粒子画像に基いて前記収束荷電粒子ビームの
    非点隔差および焦点オフセットを算出する画像処理手段
    と、 該画像処理手段で算出された収束荷電粒子ビームの非点
    隔差に基づく非点収差補正量を前記非点収差調整手段に
    フィードバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調
    整制御し、前記画像処理手段で算出された収束荷電粒子
    ビームの焦点オフセットに基づく焦点補正量を前記焦点
    制御手段にフィードバックして収束荷電粒子ビームの焦
    点を調整制御する制御系とを備えたことを特徴とする荷
    電粒子線装置。
  4. 【請求項4】試料を設置するステージと、 荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを収束する荷
    電粒子光学系と、 該荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビー
    ムを走査して前記試料上に照射する走査手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビ
    ームの焦点位置を制御する焦点制御手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷電粒子ビー
    ムの非点収差を調整する非点収差調整手段と、 前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照射さ
    れた試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画像
    を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像を
    得る焦点スキャンを画像の方向を略45°あるいは135°
    あるいは−45°あるいは−135°変えて2回繰り返して
    行う粒子画像検出手段と、 該粒子画像検出手段から得られる複数の焦点位置を有す
    るスキャン角度の異なる2種類の2次元の粒子画像から
    各画像において45°方向と135°方向の鮮鋭度を求め、2
    回の焦点スキャンの結果をまとめることにより、0°,4
    5°,90°,135°の4方向の複数の焦点位置に対する方
    向鮮鋭度を求め、これら求められた少なくとも4の方向
    鮮鋭度における合焦位置を求め、これら求められた4方
    向についての合焦位置の関係から前記収束荷電粒子ビー
    ムの非点隔差を算出する画像処理手段と、 該画像処理手段で算出された収束荷電粒子ビームの非点
    隔差に基づく非点収差補正量を前記非点収差調整手段に
    フィードバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調
    整制御する制御系とを備えたことを特徴とする荷電粒子
    線装置。
  5. 【請求項5】試料を設置するステージと、 荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビームを収束する荷
    電粒子光学系と、 該荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビー
    ムを走査して前記試料上に照射する走査手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束された収束荷電粒子ビ
    ームの焦点位置を制御する焦点制御手段と、 前記荷電粒子光学系によって収束する収束荷電粒子ビー
    ムの非点収差を調整する非点収差調整手段と、 前記走査手段によって収束荷電粒子ビームが走査照射さ
    れた試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画像
    を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像を
    得る焦点スキャンを2度行う粒子画像検出手段と、 該粒子画像検出手段から得られる複数の焦点位置を有す
    る2次元の粒子画像から各画像の0°,45°,90°,135
    °の4方向の微分画像に対して、一回目と2回目の対応
    する焦点位置と微分方向の微分画像の共分散値あるいは
    共分散値の平方根により、 0°,45°,90°,135°の
    4方向の鮮鋭度を求め、これら求められた4方向につい
    ての方向鮮鋭度における合焦位置を求め、これら求めら
    れた4方向についての合焦位置の関係から前記収束荷電
    粒子ビームの非点隔差および焦点オフセットを算出する
    画像処理手段と、 該画像処理手段で算出された収束荷電粒子ビームの非点
    隔差に基づく非点収差補正量を前記非点収差調整手段に
    フィードバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調
    整制御し、前記画像処理手段で算出された収束荷電粒子
    ビームの焦点オフセットに基づく焦点補正量を前記焦点
    制御手段にフィードバックして収束荷電粒子ビームの焦
    点を調整制御する制御系とを備えたことを特徴とする荷
    電粒子線装置。
  6. 【請求項6】前記試料上には、少なくとも3方向のエッ
    ジ成分を含むパターンが形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2または3または4または5記載の荷
    電粒子線装置。
  7. 【請求項7】前記試料上には、一方向のエッジ成分を有
    するパターンを形成した少なくとも3つの領域を有して
    少なくとも3方向のエッジ成分を含むパターンが形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2または3ま
    たは4または5記載の荷電粒子線装置。
  8. 【請求項8】前記粒子画像検出手段を、前記焦点制御手
    段を制御することによって試料上から複数の焦点位置を
    有する粒子画像を検出するように構成したことを特徴と
    する請求項2または3または4または5記載の荷電粒子
    線装置。
  9. 【請求項9】前記粒子画像検出手段を、試料上の異なる
    複数の領域から複数の焦点位置を有する粒子画像を検出
    するように構成したことを特徴とする請求項2または3
    または4または5記載の荷電粒子線装置。
  10. 【請求項10】前記試料が、傾けた試料、若しくは階段
    状の段差を持った試料であることを特徴とする請求項1
    2記載の荷電粒子線装置。
  11. 【請求項11】前記試料に対して高速に焦点位置を変化
    させながら収束荷電粒子ビームを走査して照射すること
    を特徴とする請求項12記載の荷電粒子線装置。
  12. 【請求項12】前記画像処理手段における非点隔差とし
    ては、非点隔差の大きさと方向または非点隔差のベクト
    ルであることを特徴とする請求項1または2または3ま
    たは4または5記載の荷電粒子線装置。
  13. 【請求項13】更に、前記制御系によって少なくとも非
    点収差が調整制御された収束荷電粒子ビームを前記走査
    手段によって被対象基板上に走査して照射して該被対象
    基板上から発生する粒子画像を前記粒子画像検出手段に
    より検出するように構成し、この検出される粒子画像に
    基いて前記被対象基板上に存在する欠陥を検査する欠陥
    検査画像処理手段を備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは2または3または4または5記載の荷電粒子線装
    置。
  14. 【請求項14】更に、前記制御系によって少なくとも非
    点収差が調整制御された収束荷電粒子ビームを前記走査
    手段によって被対象基板上に走査して照射して該被対象
    基板上から発生する粒子画像を前記粒子画像検出手段に
    より検出するように構成し、この検出される粒子画像に
    基いて前記被対象基板上に存在するパターンの寸法を計
    測する計測画像処理手段を備えたことを特徴とする請求
    項1または2または3または4または5記載の荷電粒子
    線装置。
  15. 【請求項15】更に、被対象基板上の高さを光学的に検
    出する高さ検出手段を備え、該高さ検出手段によって光
    学的に検出された被対象基板上の高さに基いて前記焦点
    制御手段を制御するように構成したことを特徴とする請
    求項16または17記載の荷電粒子線装置。
  16. 【請求項16】荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビー
    ムを荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電
    粒子ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエ
    ッジ成分を含むパターンが形成されている試料上に照射
    し、該試料から発生する粒子画像を粒子画像検出手段で
    検出して2次元の粒子画像を得る第1の過程と、 該第1の過程で得られた2次元の粒子画像に基いて収束
    荷電粒子ビームの非点隔差および焦点オフセットを画像
    処理手段によって算出する第2の過程と、 該第2の過程で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔
    差に基づく非点収差補正量を非点収差調整手段にフィー
    ドバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調整制御
    し、更に前記算出された収束荷電粒子ビームの焦点オフ
    セットに基づく焦点補正量を焦点制御手段にフィードバ
    ックして収束荷電粒子ビームの焦点を調整制御する第3
    の過程とを有することを特徴とする自動非点収差調整方
    法。
  17. 【請求項17】荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビー
    ムを荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電
    粒子ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエ
    ッジ成分を含むパターンが形成されている試料上に照射
    し、該試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画
    像を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像
    を得る焦点スキャン動作を2回繰り返して行う第1の過
    程と、 該第1の過程で得られた複数の焦点位置を有する2次元
    の粒子画像に基いて収束荷電粒子ビームの非点隔差を画
    像処理手段によって算出する第2の過程と、該第2の過
    程で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔差に基づく
    非点収差補正量を非点収差調整手段にフィードバックし
    て収束荷電粒子ビームの非点収差を調整制御する第3の
    過程とを有することを特徴とする自動非点収差調整方
    法。
  18. 【請求項18】荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビー
    ムを荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電
    粒子ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエ
    ッジ成分を含むパターンが形成されている試料上に照射
    し、該試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画
    像を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像
    を得る第1の過程と、 該第1の過程で得られた複数の焦点位置を有する2次元
    の粒子画像に基いて収束荷電粒子ビームの非点隔差およ
    び焦点オフセットを画像処理手段によって算出する第2
    の過程と、 該第2の過程で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔
    差に基づく非点収差補正量を非線型演算によって求め、
    非点収差調整手段にフィードバックして収束荷電粒子ビ
    ームの非点収差を調整制御し、更に前記算出された収束
    荷電粒子ビームの焦点オフセットに基づく焦点補正量を
    焦点制御手段にフィードバックして収束荷電粒子ビーム
    の焦点を調整制御する第3の過程とを有することを特徴
    とする自動非点収差調整方法。
  19. 【請求項19】荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビー
    ムを荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電
    粒子ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエ
    ッジ成分を含むパターンが形成されている試料上に照射
    し、該試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画
    像を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像
    を得ることを2回繰り返して行う第1の過程と、 該第1の過程で得られた複数の焦点位置を有する2次元
    の粒子画像から複数の焦点位置に対する少なくとも3方
    向についての方向鮮鋭度を求め、これら求められた少な
    くとも3方向についての方向鮮鋭度における合焦位置を
    求め、これら求められた少なくとも3方向についての合
    焦位置の関係から収束荷電粒子ビームの非点隔差を算出
    する第2の過程と、 該第2の過程で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔
    差に基づく非点収差補正量を非点収差調整手段にフィー
    ドバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調整制御
    する第3の過程とを有することを特徴とする自動非点収
    差調整方法。
  20. 【請求項20】荷電粒子源から発せられた荷電粒子ビー
    ムを荷電粒子光学系で収束し、この収束された収束荷電
    粒子ビームを走査手段で走査して少なくとも3方向のエ
    ッジ成分を含むパターンが形成されている試料上に照射
    し、該試料から発生する複数の焦点位置を有する粒子画
    像を検出して複数の焦点位置を有する2次元の粒子画像
    を得る焦点スキャンを画像の方向を略45°あるいは135
    °あるいは−45°あるいは−135°変えて2回繰り返し
    て行う第1の過程と、 該第1の過程で得られた複数の焦点位置を有するスキャ
    ン角度の異なる2種類の2次元の粒子画像から各画像に
    おいて45°方向と135°方向の鮮鋭度を求め、2回の焦点
    スキャンの結果をまとめることにより、0°,45°,90
    °,135°の4方向の複数の焦点位置に対する方向鮮鋭
    度を求め、4方向についての方向鮮鋭度における合焦位
    置を求め、これら求められた4方向についての合焦位置
    の関係から収束荷電粒子ビームの非点隔差および焦点オ
    フセットを算出する第2の過程と、 該第2の過程で算出された収束荷電粒子ビームの非点隔
    差に基づく非点収差補正量を非点収差調整手段にフィー
    ドバックして収束荷電粒子ビームの非点収差を調整制御
    し、更に前記算出された収束荷電粒子ビームの焦点オフ
    セットに基づく焦点補正量を焦点制御手段にフィードバ
    ックして収束荷電粒子ビームの焦点を調整制御する第3
    の過程とを有することを特徴とする自動非点収差調整方
    法。
  21. 【請求項21】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の最大値を求め、この最大値
    前後の値を用いて、2次関数あるいはガウシアン関数の
    ようなピークを持つ関数に当てはめることによって、真
    のピーク位置を補間して求めることを特徴とする、請求
    項4から10に記載の荷電粒子線装置。
  22. 【請求項22】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の極大値が複数ある場合に、
    これらのピーク位置のそれぞれの高さに応じた加重平均
    をもとめ、これを合焦位置とすることを特徴とする、請
    求項24に記載の荷電粒子線装置。
  23. 【請求項23】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の焦点位置に対する変化を示
    す曲線に対し、これが、閾値レベルを上回った点に対し
    て、曲線と閾値で囲まれる部分の重心を求め、これを合
    焦位置とすることを特徴とする、請求項4から10に記
    載の荷電粒子線装置。
  24. 【請求項24】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの評価値の方向鮮鋭度に対する変化を示す
    曲線に対し、これを左右に鏡像反転させた曲線との一致
    度を計算し、この一致度が最良となる鏡像反転の対称軸
    を求め、これを合焦位置とすることを特徴とする、請求
    項4から10に記載の荷電粒子線装置。
  25. 【請求項25】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の最大値を求め、この最大値
    前後の値を用いて、2次関数あるいはガウシアン関数の
    ようなピークを持つ関数に当てはめることによって、真
    のピーク位置を補間して求めることを特徴とする、請求
    項22または23に記載の自動非点収差調整方法。
  26. 【請求項26】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の極大値が複数ある場合に、
    これらのピーク位置のそれぞれの高さに応じた加重平均
    をもとめ、これを合焦位置とすることを特徴とする、請
    求項28に記載の自動非点収差調整方法。
  27. 【請求項27】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの方向鮮鋭度の焦点位置に対する変化を示
    す曲線に対し、これが、閾値レベルを上回った点に対し
    て、曲線と閾値で囲まれる部分の重心を求め、これを合
    焦位置とすることを特徴とする、請求項22または23
    に記載の自動非点収差調整方法。
  28. 【請求項28】それぞれの方向鮮鋭度に対する合焦位置
    は、それぞれの評価値の方向鮮鋭度に対する変化を示す
    曲線に対し、これを左右に鏡像反転させた曲線との一致
    度を計算し、この一致度が最良となる鏡像反転の対称軸
    を求め、これを合焦位置とすることを特徴とする、請求
    項22または23に記載の自動非点収差調整方法。
  29. 【請求項29】対象基板に隣接して校正用の標準試料を
    具備し、被対象基板の観察・検査・計測の前、あるい
    は、定期的に、該標準試料上で非点収差と焦点の少なく
    とも一方の補正を行い、常に、非点収差と焦点の合った
    状態で被対象基板の観察・検査・計測をおこなうことを
    特徴とする、請求項4から10または、請求項24から
    27に記載の荷電粒子線装置。
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