JP2010073507A - 走査型電子顕微鏡装置およびその焦点あわせ方法 - Google Patents

走査型電子顕微鏡装置およびその焦点あわせ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
表面電界制御電極を設け,かつ一次電子ビーム径を縮小させた電子光学系を実現するには,表面電界制御電極をウェハに近接させる必要があり,このため,焦点あわせ用の高さ検出が行えなくなる。
【解決手段】
高さ計測位置を一次電子照射位置からずらし,高さ計測位置と一次電子照射位置との水平位置,および時間的な違いによる高さのずれを補正するための高さ補正機構を設ける。また,ずれ量を最小化するため,表面電界制御電極の周囲にウェハと同一電位のシールド板をおき,これに光路を設けて高さ計測を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は工業製品,特に半導体前工程における製造途中の半導体に対し,収束電子ビームを照射しその照射位置から放出される電子を検出して観察対象の画像を撮像する走査電子顕微鏡(以下SEM: Scanning Electron Microscope)装置に関し,特に高倍率の画像を撮像することが必要なSEM式半導体ウェハ検査装置やSEM式半導体パターン計測装置,半導体ウェハで検出された欠陥をより詳細に観察し,さらにこれらの検査装置で出力された欠陥をもとにさらに詳細な検査を行う半導体の検査,レビュー装置,更には計測装置に関する。
半導体の微細化に伴い、半導体の前工程製造プロセスの制御はますます困難になってきており,半導体の露光工程においては45nm以降のノードになってくると,25nm以下の欠陥が電気的不良を引き起こすため,半導体ウェハ表面を極めて高精細に撮像し,外観不良の検出,あるいはパターン幅の計測を行う必要が発生する。この目的のため,従来の光学式の外観検査や測長に変わり,SEM(Scanning Electron Microscope)式の検査やレビュー,パターン測長が重要になっている。これらのSEMを搭載した装置においては検査対象に電子線を照射し,検査対象から放出された二次電子,あるいは反射電子を収集してこれを画像化し,光学式に比較して高解像画像を得ることができる。また,検出する二次電子は,検査対象の電位の影響を受けて増減するため,撮像対象の電気的な特性を可視化することができる。
ウェハ表面は半導体ウェハ自体の反りによりSEMと撮像対象のワークディスタンスは一定ではないため,このままでは一次電子を撮像対象上でベストフォーカスを得られなくなってしまう。そこで,ウェハの表面高さを高さ計測器で求め,この高さ位置にあわせてSEMのフォーカスを設定することが特許文献1に記載されている。
撮像画像のS/Nは対象に照射する一次電子の電子数と,撮像対象の二次電子yieldの積に大きく依存するため,短時間に高S/Nの画像を得るためには一次電子で与える電子数を多くする,すなわちプローブ電流を大きくする必要がある。ところが,これを行うと撮像対象から短時間に多数の二次電子が放出されてしまうため,試料表面が正に帯電してしまい,試料表面から放出される二次電子の軌道を曲げる,あるいは撮像対象の電気的な特性を可視化できなくなってしまう。
これを防ぐ目的のため,SEMのウェハに最も近い箇所にウェハとの相対的な電圧を変更できる下部レンズ極片を設置することが特許文献2に記載されている。 この下部レンズ極片を制御することにより,ウェハ表面で発生する二次電子のうち,電極とウェハにより形勢される電界により発生するポテンシャルを超えるエネルギーを持った二次電子のみ,SEMの検出器に導き,それ以外の電子を再度ウェハに戻すことにより,ウェハの帯電電位を制御することができる。
上記2つの従来技術を組み合わせることにより,ウェハの反りに影響を受けずにSEMの焦点あわせを行い,かつ帯電を制御可能な実用的なSEM式の検査,計測装置を構成することができる。
また,更に高速かつ解像度の高いSEM画像を撮像するためには,複数の電子線を同時に照射し,このそれぞれのビームスポットを独立して検出する公知例が示されている(特許文献3)。本従来例では,電子光学系のウェハに最も近い箇所に,特許文献1の下部レンズ極片と同じ目的で備えられた表面電界制御電極に高さ計測用の光を透過する穴があけられていた。
特開平11-149895号公報 特許第3730263号公報 特開2007−317467号公報
近年の検査,計測対象の微細化は,より高解像の撮像をSEMに要求するようになってきている。このためには,SEMは一次電子のウェハ表面での収束される径であるビーム径をできる限り小さくする必要がある。
しかし,特許文献1に記載されている構成の下部レンズ極片,あるいは特許文献3で述べられている表面電界制御電極を(ほぼ同じ効果であるため,以下表面電界制御電極で統一する),ウェハの正の帯電が進まないよう,ウェハと同程度の電位か,あるいはそれより低く設定すると,ビーム径が増大するという問題が発生する。
例えば回折収差や色収差のSEMの収差や一次電子ビームの電流が大きい場合に問題になる軌道上のビームが反発するクーロン力による電子の広がりは,電子の軌道における電子の速度と密接に影響しており,可能な限り,電子を高速に撮像対象に照射することが必要である。
しかし,下部電極片がウェハと同等以下の電位に設定すると電子の飛行スピードは急激に失われ,ビーム径が増大してしまう。
更に特許文献3に記載されているような例では,表面電界制御電極をウェハ電位に対してほぼ同電位,あるいは負の電位に設定すると,複数箇所に照射した一次電子を分離検出できなくなってしまう。
このビーム径の増大を最低限にするには,表面電界制御電極を出来る限りウェハに近接させ,電子が低速で飛行する区間を最小限にする必要がある。実際,特許文献3の公知例では表面電界制御電極とウェハ間の距離を300μmまで近接させているが,このような構成をとると電子ビームの径が増大してしまう。
一般にビーム径を縮小させるためには,ウェハ面まで強い磁場を形成するセミインレンズ型の電子レンズの採用が有利であるが,このレンズは,対物レンズの下部に強い磁場を漏洩させる形態をとるため,磁場を通すための磁路をコンパクトに設計することができない。このため,表面電界制御電極に穴を空け,高さ検出のための光路を設けたとしても,磁路のウェハに近接した箇所に穴を開放させると対物レンズの収差が増大してしまうため,これを行うことはできない。
また,表面電界制御電極のビーム光軸に近い箇所に光路を設定すると電界の均一性が崩れてしまい,収差が増大するという問題もある。特にこの課題は高さ検出器用にスリット光を照射する場合には大きな課題となる。
スリット光を照射するためには大きな開口が必要になり,電界の均一性は大きく崩れてしまうためである。例えば,ウェハの高さ変動が±40μm,長さ1mmのスリット光をウェハの法線に対して80度の入射角であった場合には,最小で1mmx500μmを超える開口を光軸近くに2つ設ける必要があり,表面電界を制御することができなくなる。
一方において,1つのスポット光で高さ検出する場合には,スポットの照射位置における対象の反射率の影響を受け,最悪,ビーム径の1/2の誤差が発生する。このため,1つのビームスポットでの高さ計測は,高精度かつ安定した検査,計測では不可能であり,スリット光,それも望ましくは複数のスリット光を用いる必要がある。これに必要な巨大な開口と高解像のSEM撮像とは両立しない。
上記課題を解決するために,本発明では表面電界制御電極,あるいはその表面電界制御電極周囲に設けたウェハからの高さ位置が表面電界制御と同程度のシールド電極,あるいはその2つの電極の間に,高さ計測用の光路を電子光学系光軸から一定距離以上離れた位置に光軸に対して非点対称に設け,この光路を用いてウェハ高さを計測する高さ計測手段を設けた。
さらに,高さ計測手段の出力するウェハ高さを保持するメモリ手段とウェハの位置を計測するウェハ位置計測手段を設け,事前に計測した電子線光軸上でのウェハ表面高さよりSEMのフォーカス位置制御を行えるようにした。更に事前に計測したウェハ表面高さと,リアルタイムに計測した表面高さをもとに,事前計測した結果からのずれ量を補正して,フォーカス位置を制御する機構を設けた。
本発明を用いて,表面電界制御電極をウェハに近接させた状態でウェハ高さ検出を行い,焦点合わせを行うことができるため,高画質のSEM像の撮像が可能になり,特に,配線幅が45nm以降の半導体ウェハの検査・計測を実現することができる。
電子光学系光軸から一定距離以上離れた位置に光軸に対して非点対称に設けた高さ計測用の光路は,電子光学系光軸の電界に影響を与えることがなく,表面電界制御電極をウェハに近接化させることを実現した。また,メモリに記憶された事前に計測したウェハの高さと,リアルタイムに計測した高さをもとに事前計測した結果からのずれ量を補正してフォーカス位置を制御する機構は,長時間の検査,あるいは計測による,SEMが取り付けられている真空チャンバーの時間変化によるフォーカス位置の変動に対して安定なSEM像の撮像を実現した。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図1はSEM式の検査装置の全体構成図である。
検査装置全体は、電子光学系10、テーブル系20、検出系30、画像処理系40、高さ検出系50、制御系60、二次記憶装置121及び計算機123で構成され、ネットワーク138に接続している。
電子光学系10は、電子銃101、コンデンサーレンズ102と103、偏向器105と106、対物レンズ107、表面電界制御板132、シールド電極133を備えている。
テーブル系20は、ウェハホルダ134、XYステージ117,レーザ測長器等のステージ位置の計測手段104を備えている。
検出系30は、ExB110、電子検出器111とA/D変換器112を備えている。
画像処理系40は、分配手段113、記憶部(1)115と記憶部(2)116とを有する記憶手段114、アライメント手段119、差分算出手段120、差分大領域抽出手段122を備えている。
高さ検出系50は、光パターン投影手段124、光パターン撮像手段125、パターン記憶手段126,高さ算出手段127、高さ算出結果格納バッファ128、面内高さ算出手段129,記憶手段130,高さデータ補正量算出器131を備えている。
制御系60は、偏向制御手段118、シーケンス制御手段135、ステージ制御手段136,電子光学系制御手段137、焦点あわせ手段139を備えている。
上記した構成における各部の動作を以下に説明する。
電子銃101から発射された電子ビームは、102と103の2つのコンデンサーレンズを介した後,X偏向器105は,Y偏向器106で偏向したのち,対物レンズ107で、半導体ウェハ(以下、ウェハと記す)108の電子ビーム照射領域109に電子ビームを照射する。この電子ビームが照射された照射電子ビーム照射領域109からは二次電子と反射電子が発生し,対物レンズ107を介してExB110で偏向された後、電子検出器111で検出される。
表面電界制御板132は,電位をウェハ108に対して正または負に設定することができる。シールド電極133は,ウェハ108と同電位に設定されている。半導体ウェハ108は静電容量を用いてウェハを吸着するウェハホルダ134に保持される。A/D変換器112は、電子検出器111から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号化する。
分配手段113で、A/D変換器112から出力されたデジタル信号は記憶手段114の記憶部(1)115または記憶部(2)116の何れかに分配されて格納される。本実施例においては、記憶部(1)115に少なくとも比較を行う2つのダイで検出した信号を参照画像として格納し,記憶部(2)116に少なくとも比較を行う2つのダイで検出した信号を検査画像として格納する場合について述べる。
XYステージ117は,レーザ測長器等のステージ位置の計測手段104を備えている。偏向制御手段118にはステージ位置の計測手段117で計測されたXYステージ117の位置情報が入力され、X偏向器105とY偏向器106とを制御してウェハ108を一方向に連続的に移動させながら撮像するときに電子ビームをXYステージ117の移動方向と直交するように走査することにより,記憶手段114に二次元画像を格納する。
偏向制御手段118は, XYステージ117が移動中において,ステージ移動速度が変動した場合においても同一の画素サイズの画像が取得できるよう,X偏向器105とY偏向器106を微小調整する。なお,異なるモードにおいては,XYステージ117を静止させた状態において,X偏向器105とY偏向器106とを視野に対して二次元にスキャンすることで,二次元画像を取得できるようにする。アライメント手段119は,この出力画像の正規化相関のピーク,あるいは2枚の画像の差分の2乗和の最小値,あるいは,差分の絶対値などの公知の位置あわせ技術をもとに参照画像と検査画像とのアライメントを行う。差分算出手段120は,アライメントの結果をもとに同一のパターン同士を比較して差分を算出する。
二次記憶装置121,検査パラメータを保存する。差分大領域抽出手段122は,二次記憶装置121に格納されている検査パラメータに対して差分算出手段120から出力される差分の大きさが大なる箇所を欠陥として出力する。なお,差分算出手段120より画像特徴が入力されている場合は,この差分算出手段120より入力された画像特徴をともに用いて判定しても良い。また,二次記憶装置121は記憶手段114の記憶部(1)115又は記憶部(2)116のいずれかの領域に格納された画像を入力して,格納できるように設定されており,更に,差分大領域抽出手段122で抽出された欠陥の座標や,差分算出手段120で出力される画像特徴を格納することも可能にする。123はGUI端末を有した計算機であり,ウェハマップ上に抽出したプロセス変動による影響を大きく受ける箇所の候補を表示する。また,計算機123は外部LAN138に接続されており,検査パラメータの入力や,取得画像,検査結果の出力を外部の装置に対して行うことができる。
光パターン投影手段124は,シールド電極133に設けられた光路を介し,ウェハ108の表面に光パターンを照明する。なお,光パターンとしては1本,あるいは複数の線パターンや,あるいは1つ,あるいは複数の点パターンを用いる。また,あるいは,線とパターンの組み合わせでも良い。光パターンはウェハ108の表面で電子光学系の光軸1010に対してずれて(離れて)照明される。本実施例では,電子光学系の光軸に対して15mm,ステージの走査方向にずらして照明する。また,垂直方向の照射角度はウェハ法線から80°に設定した。
光パターン撮像手段125は,光パターン投影手段124でウェハ108の表面に照明された光パターンを撮像する。パターン記憶手段126は,光パターン撮像手段125で撮像されたウェハ108の表面に照明された光パターンの画像を記憶する。高さ算出手段127は,パターン記憶手段126に記憶された画像に対して処理を行い,ウェハ108上に照射された線,あるいは点パターンの位置を求め,得られた位置をもとに高さ算出を三角測量の原理を用いて算出する。高さ算出結果格納バッファ128は,ステージ位置計測手段104の出力値をもとに高さ算出手段127で算出されたウェハ高さと,その高さが計測されたウェハ位置150とを対応付けて格納する。光パターン投影手段124と光パターン撮像手段125とを組合せたものを、以後、高さセンサと記載する。
なお,ウェハ108の高さが変動すると,光パターン投影手段124でウェハ108の表面に照明される光パターンの位置(高さが計測されるウェハ位置150)が変化し、光パターン撮像手段125で撮像するウェハ108上の光パターンの照射位置が水平方向に変化するので,この変化分を算出して,高さが計測された位置を決定する。
面内高さ算出手段129は,高さ算出結果格納バッファ128に格納された複数の高さ算出結果より,ウェハ全体,あるいはその部分的な領域の高さを算出する。面内高さ算出手段129で得られた面内高さのデータを格納する記憶手段130は,ステージ位置計測手段104の出力をもとに,格納するウェハ高さとその計測位置との対応がとれるように格納され,ステージ位置計測手段104の出力に基づき,電子光学系光軸1010に対応する(電子光学系光軸1010上の),既に格納しているウェハ高さデータを出力するようにしてある。
高さデータ補正量算出器131は,記憶手段130に格納されている事前に格納した高さデータと,その後の同一位置で取得した高さデータとを比較し,異なるタイミングで得られたデータ毎の比較をもとに事前に算出した高さデータを補正する。焦点あわせ手段139は,SEMの対物レンズの励磁電流を制御する機構を内蔵する。また,高さ算出結果格納バッファ128は焦点あわせ手段139にも直接接続されており,ステージ位置計測手段104の出力データに基づき,記憶手段130と同様に電子光学系光軸1010に対応する既に格納しているウェハ高さデータを出力するようにしてある。また,シーケンス制御手段135は,装置全体の動作を制御し,ステージ制御手段136は,シーケンス制御手段135のシーケンスに基づいてXYステージ117の移動を制御する。更に電子光学系制御手段137は,電子光学系10のビーム電流や電子レンズ(対物レンズ107)の励磁電流を制御する。
図2の(a)と(b)に表面電界制御板132の構造を示す。図2(a)は表面電界制御板132の斜視図、図2(b)は平面図を示す。表面電界制御板132は,電子光学系光軸1010の近傍において,ウェハ108に近接させることでウェハ108に照射する電子ビームの収差を小さくする一方,高さ計測用の照明光,およびウェハ108からの反射光がこれにあたることを防ぐため,周辺部においてはウェハからの距離が大きくなるように基本形状は円錐形201とし,中心部に一次電子および二次電子を通過させる穴202を設ける。表面電界を均一にするという目的から,電子光学系光軸1010に近接した部分はウェハ108に対して平行,あるいは平行に近い面を持たせる。電子光学系光軸1010から離れた位置では,一次電子,あるいは二次電子に及ぼす影響が少ないため,回転対称であれば比較的形状の制約はなく,高さ計測用の照明光が当たるのを防ぐようなその他の形状,例えば,下に凸のドーム型のようにしてもよい。
図3(a)〜(c)に光パターン投影手段124がウェハ108を照明する光パターンを示す。図3(a)の301は光パターンがポイントビームの場合,図3(b)の302は光パターンがスリット光の場合,図3(c)の303は複数ポイントビームの場合である。光パターンが図3(a)に示すようなポイントビーム301の場合,ウェハ108上の電子ビーム照射位置109に反射率の異なる物質が存在した場合,光パターンの照射位置において明度変化が発生するため,光パターン撮像手段125で検出するパターンの位置がずれてしまう。例えば,照明のNAが0.05であり,光パターン投影手段124が照明する照明光が532nmのレーザ光であった場合,ビーム径は6.3μm程度になり,照明の入射角がウェハ法線に対して80°である場合には,高さ誤差は3.2μm程度となる。このスペックは,本発明が対象としている高解像のSEM撮像の焦点深度(1μm以下)を大幅に超えているため適用できない。
ウェハ108上に形成される半導体デバイスのパターンは領域に応じたパターン密度の違いにより、水平方向,または垂直方向に反射率の異なる境界が存在する場合が多いため,図3(b)の302に示したように,ウェハ108上に形成される半導体デバイスのパターンに対してスリット状の光パターンが斜めに投影されるようにするのがウェハ108の高さ検出において高い精度を得るためには適している。これは、反射率が異なるパターンの境界が斜めに投影されたスリット状の光パターンの照射面積に占める割合が図3(a)の場合に比べて大幅に低減し,高さ計測誤差が大幅に縮小するためである。また,図3(c)の303に示すように複数のビームを照明した場合は,複数照明したビームのうち,反射率の異なる領域の境界面以外に照明した光ビームによる反射光を用いることで本誤差を解消することができる。この効果を最大にするためには,ビームが複数,半導体パターンに対して直交しないように照明する。
以下,図3(b)のスリット光302をウェハ108を照明する光パターンとして採用する方式について述べる。スリット光302のスリット長手方向の幅は1mmとした。ウェハ108の高さ変動のレンジを80μmと仮定した場合、高さ変動によるスリット光302の反射光の光路の変化は150μmである。スリットの方向はステージの走査方向に対して60度傾いている状態に設定した。
図4にスリット光302の水平方向の入射角度を示す。400はSEMカラム,401は水平方向の入射角がステージ走査方向に対して60度傾いている場合,402は75度傾いている場合である。XYステージ117をX方向に移動させた際に,高さ計測がされた後,SEM撮像がされるように高さ計測位置150を設定する必要があるが,スリット光302の水平方向の入射角が90度よりも小さい場合には,電子光学系の光軸1010に最も近接する位置はパターンが照明される位置と異なり,水平方向の入射角が401の場合は403,水平方向の入射角が402の場合は404の位置になる。そこで,高さ計測においては,この403の位置,404の位置における電極や対物レンズの磁路との干渉が問題になる。
電子光学系の光軸1010とスリット光照射位置との距離をΔX,水平方向の入射角をφとすると,もっとも近接する位置における電子光学系光軸1010からの距離Dは以下の式で表される。
D=Δx sin φ (数1)
このため,電極や対物レンズとの干渉を小さくするためにはφをなるべく90度に近くすることが必要である。しかし,スリット光302を90度入射に近づけると,ウェハ108の異なる反射率をもつ境界(パターン領域の境界)と同一方向になる確率が極めて高くなるため,高さ検出誤差を発生させやすくなる。そこで,本発明ではスリット光302を回転させて入射させることとした。
図5に示すようにスリット光302をψ回転させ,スリット光302の垂直方向入射角がθであると,ウェハ上のスリットの回転角Ψは以下の式で表される。
Ψ=atan(tan ψ/sin θ) (数2)
このため,水平方向の入射角φを大きくしても,スリット光302とステージ走査方向とのなす角度を小さくすることが可能である。本発明では,ψを2度に設定し,ウェハ108上でスリット光302が水平方向の入射角に対して-14度の傾きをもつようにした。これにより,スリット光302の水平方向の入射角度は74度にした場合にも,スリットの角度を60度にすることが可能になった。
なお,このスリット光302が水平になるように検出するため,光パターン投影手段124は-2度の角度を持たせて実装する。これにより,本実施例で,光路の最も電子光学系の光軸に近づく位置はスリットサイズを含めて13.4mmとなり,この位置における光路のウェハ108からの垂直方向の距離は,ウェハ108の高さ変動がレンジで最大80μmとした場合,約900μmとなる。そこで,本実施例では表面電界制御板132は電子光学系の光軸1010から13.4mmの位置においてウェハ108から1mm以上離れるように設計した。
シールド電極133の構造を図6に示す。シールド電極133はウェハ108の端部のSEM画像を撮像する際に,ウェハ108の端部のへりの高さ変動等による電界の乱れを抑制するために設け,ウェハ108と同電位に設定する。表面電界制御板132が,時にはウェハ108に対して数KV高い電圧が設定されることがあるため,近接化すると放電を引き起こす可能性があるため,近接化には限界があるが,シールド電極133はウェハ108と同電位に設定するため,よりウェハ108に近づけることが可能であり,また,ウェハ108と近づけた方が光路による電界の乱れを抑制することができる。
図6(b)に示した角孔601および角孔602はそれぞれ,シールド電極133の照明光を通過させるための光路である。角孔601の光路の設定には,スリット光302の照明,および検出系のNAを考慮する必要があり,ここでは,加工精度も考慮し,ともに1.3mm x 400μmのサイズとし,ウェハ面とのギャップは0.5mmとした。
なお,本実施例ではシールド電極133に光路を設けたが,表面電界制御板132のサイズを大きくし,これに光路を設けることも可能である。ただし,表面電界制御板132に穴を設ける場合には,これに印加する電圧がウェハ電位と大きく異なっていることもあり,電界の乱れが大きくなる。このため,電界の乱れが電子線の照射エリアに影響を与えないよう,電子光学系の光軸1010から,スリット光302の照明位置109をより離す必要がある。
また,もうひとつの方法としては,シールド電極133に光路を設けず,表面電界制御板132とシールド電極133との間にスペースを設け,この間を光路としてスリットパターンの投影と検出を行う方法もあるが,これを行うと,シールド電極133の電子光学系光軸1010からの距離が大きくなりすぎ,ウェハ108の外周部を検査する際の安定性が欠如するという欠点がある。
図7に検査エリアを示す。一般にはウェハ108のエリア701の検査をする場合,SEM画像を撮像する領域はエリア701のみであるが,本発明では高さ計測とSEM画像の撮像領域とが異なっているため,高さ計測位置とSEMの電子光学系の光軸1010との距離に相当する15mm分の領域である領域703のを加えた領域702でステージ走査を行う必要がある。また,図7において,矢印711のように左から右にXYステージ117を走査する場合には,高さ計測をした後にSEM撮像が可能であるが,矢印712のように右から左にXYステージ117の走査を行った場合にはSEM撮像の後に高さ計測がされる順番となるため,フォーカス制御を行うことが出来ない。
まず,領域702でXYステージ117を左から右に移動させて検査を行う場合には,高さ計測を行った場所のSEM撮像を行うまで時間遅れを持たせてフォーカス制御を行えばよい。ここで,XYステージ117の移動スピードは必ずしも一定速度ではないことに注意が必要である。
本発明で述べる高さ計測は,特にSEM撮像を微小な,例えば50nm以下の画素で撮像する場合,SEM撮像では例えば1×10ピクセル/秒で動作可能なイメージセンサを用いた場合に5mm/s程度のステージ移動スピードであるのに対して,高さ計測は500nm程度の画素サイズで50mm/s程度のステージ移動スピードでも安定した高さ計測を行うことが可能であり,ステージ走査開始直後の,高さ計測のみを行う箇所や,チップ境界等の検査パターンが無い領域ではステージスピードを高くすることがスループット的に優位になる。この方式を採用することにより,高さ計測用に増加するXYステージ117の移動時間は一秒程度に抑えることが可能である。しかし,この制御を行った場合,XYステージ117の移動スピードは複雑に変化するため,高さデータはステージ位置計測手段104の出力に基づきSEM撮像位置109と高さ計測位置との対応をとるようにした。このときの焦点制御は高さ算出結果収納バッファ128 に格納された高さ計測データで行われることになる。
電子光学系光軸1010と高さ計測位置との距離15mmに対応する高さデータを計測する方法として,本実施例では更に,事前に計測した高さデータをもとに,スプライン関数などで内挿し,このデータを用いて焦点合わせを行う。すなわち本実施例においては、XおよびY両方向にずれた複数の位置で計測された高さデータをもとに内面高さ算出手段129で内挿関数を用いて任意の位置の高さを算出する。内挿関数を用いることにより,高さ計測取得時間を短縮することが可能である。算出した高さデータは記憶手段130に格納される。
図7に示した領域702に本実施例を適用した場合,矢印711のように左から右にXYステージ117を走査する場合には,XYステージ117は領域703を事前に走査することになり,領域701のみ走査する。これにより,SEM撮像位置109が領域701の一部である領域704にある場合には事前に内挿関数で算出されたデータである記憶手段130に格納された高さデータで焦点制御を行うことになり,SEM撮像位置109が領域701の残りの部分である領域705にある場合には高さ算出結果格納バッファ128に格納された高さ計測データで焦点制御を行う。
高さ算出結果格納バッファ128に格納されたデータは,さらにそれより以前に取得された高さデータとともに,その近傍の領域の高さデータを内面高さ算出手段129において算出し,記憶手段130に格納する。
一方、矢印712のように領域702を右から左にXYステージ117を移動する場合には,隣接する検査領域で,既に高さデータが計測されて記憶手段130に格納されたデータを用いて焦点制御を行う。本実施例のSEMの視野は600μm以下であるのに対して,高さ計測器のスリット長は1mmであるため,検査領域が隣接している場合には,隣で得られた高さデータを用いて焦点制御を行っても問題はない。
領域702を矢印712のように右から左にXYステージ117ステージを移動する場合であっても,高さデータは計測し,高さ算出結果格納バッファ128に高さデータを格納し,それ以前に取得した高さデータとともに内挿演算に用いられ,記憶手段130に格納されたデータを更新する。領域703のような検査領域の長さが15mmに満たない場合においては高さ計測領域とSEM撮像領域109が重ならないが,やはりこの場合にも事前に計測した高さデータをもとに,記憶手段130に格納された高さデータをもとに焦点制御を行う。
事前に格納された高さデータをもとに焦点制御を行う場合の課題は,高さデータ計測時間の差による高さ変動である。この主要因は大気圧および外気温変動による真空チャンバーの変形とウェハ自体の変形であり,実験をした結果,およそ1時間で数μm程度の変形をすることがあることがわかった。本発明が必要とする焦点あわせ精度は1μm以下であるため,この高さ変動は致命的である。
そこで,事前データがある場合には,事前の高さ計測データと,SEM画像取得時に得られた高さ計測データを比較して,この変化量を求め,変化量を補正データとして,高さデータ補正量算出器131における補正量を決定する。これを図8を用いて説明する。ある時間X方向走査による高さ計測データと事前に得た計測データをそれぞれ,h(x,y,t)とし,また,その点に関する事前に計測した高さデータh(x,y,t0)が予め判っているものとする。
本発明の構成では,求める電子光学系光軸1010から,Δx離れた,h(x+Δx,y,t)はリアルタイムに計測することができるため,一般に必要になるのは,h(x,y,t)- h(x+Δx,y,t)の推定である。ここで,既にh(x,y,t0)-h(x+Δx,y,t0)は既値である。なお,h(x,y,t0)とh(x+Δx,y,t0)は同時に計測できるわけではないため,厳密には,この表記で高さの変動を示すことはできないが,ここではほぼ同一時刻を同じt0で表す。
(x,y,t)に最も近接した既に高さ計測を行った点,例えば,1ステージ走査前のx座標がほぼ同一位置の高さ,h(xn, yn,tn)を求めるようにする。なお,wx, wyを重み係数,f()を好適に設定した関数として,近接の尺度DLは例えば以下のようにして,算出する。
DL = Wx(xn-x)2+ wy (yn-y)2+f(t-tn) (数3)
このとき,h(x,y,t)を例えば以下のように決定する。
h(x,y,t)=h(x+Δx,y,t)+h(x,y,t0)-h(x+Δx, y,t0)+ h(xn,yn,tn)
-( h(xn+Δx,yn,tn)+h(xn,yn,t0)-h(xn+Δx, yn,t0)) (数4)
この式は,事前に計測した高さデータを,既計測の時間および空間的な近傍高さデータにおける推定高さデータと実測高さデータとの差分による補正と考えることが可能であり,本演算を高さデータ補正量算出器131で実施する。
本演算を行うために,記憶手段130には同一の水平方向位置に対して複数のタイミングで得られた高さデータか,あるいは1つの高さデータとその差分を格納するようにする。なお,各点の高さデータの代わりに得られた高さデータより求めたフィッティング関数を記憶すれば,メモリ量を削減可能であるので,この形式で格納しても良い。
ウェハ108の端部で,高さセンサーがh(x+Δx,y,t)がウェハ108の端から出てしまっている場合においては,h(x,y,t)を算出する式は以下のように書き換えられる。
h(x,y,t)= h(x,y,t0)+ h(xn,yn,tn)-h(xn,yn,t0) (数5)
(数5)は求める(x,y)の近傍(xn,yn)におけるウェハ高さの変動をもとに(数4)に対して時刻tにおいてリアルタイムに得られるデータが無い分,tnとtとの時間差が大きい場合には精度低下要因が増大する。このため,SEM撮像の直前にh(xn,yn,tn)を計測する必要があり,事前の計測に時間を要してしまう。そこで,同一のステージ走査であっても,リアルタイムの計測ができない場合のみ(数5)を用い,リアルタイムに高さ計測ができる領域に入った後は,(数4)を用いて焦点制御をするように設定した。
以上説明した制御により,事前のt0の時間に得たウェハ高さデータのみではなく,リアルタイムに得られた高さデータと,さらには求める高さ位置に最も近接した高さデータも用いて高さ推定を行うことが可能となるため,高精度な焦点合わせを実現することができる。
なお,より高い精度で焦点合わせをするには,h(xn, yn, tn)やh(x,y,t0)等の高さデータを,近傍で得られた複数のデータの平均値などにすることも,一般性を失わずに実施することができる。また,例えばウェハ上の少数の点で高さを計測し,これをスプライン補間や,二次関数補間をおこなったものを事前のt0の時間に得たウェハ高さデータとするのが,検査前のオーバーヘッドを低減するために望ましい。なお,上記に示した計算を実行するためには,同一地点における異なった時間での高さを記憶しておくことが必要であり,このため,高さデータ格納手段である高さ算出結果格納バッファ128と記憶手段130に格納されるデータは,これを組み合わせた場合に同一地点における異なるタイミングのウェハ高さ情報として記憶するようにした。
[第1の実施例の変形例]
上記に説明した実施例においては、XYステージ117を走査しながらSEM画像を得る方式について述べてきた。次に、その変形例として、例えば、他の検査装置でウェハ108を検査して検出された複数の欠陥を順次観察するレビューSEMや、ウェハ108上に形成されたパターンの寸法を複数の箇所について順次計測する側長SEMのように、XYステージ117を間歇的に移動、即ちステップ・アンド・リピートで移動させてウェハ108上の所望の領域を順次撮像するときに第1の実施例で説明したのと同様の方式で焦点合わせを行う場合について説明する。
この変形例においては,事前のt0においてウェハ高さデータを取得しないので,SEM撮像の直前に高さを計測し,この位置で高さをあわせることが必要である。SEM撮像に用いるSEM装置の電子光学系10、テーブル系20、検出系30、高さ検出系50の構成は、図1で説明したものと同じであるが、画像処理系40と制御系60とは多少構成が異なる。本変形例における画像処理系41と制御系61との構成を図16に示す。
画像処理系41は、記憶手段411と画像処理部412とを備え、レビューSEMの場合、画像処理部412では検査対象領域のSEM画像から欠陥の画像を抽出する。一方、側長SEMの場合は、画像処理部412では検査対象領域のSEM画像から計測対象パターンの寸法を算出する。
一方、制御系61は、偏向制御手段6118、シーケンス制御手段6135、ステージ制御手段6136,電子光学系制御手段6137、焦点あわせ手段6139を備えている点において第1の実施例の場合と同じであるが、シーケンス制御手段6135およびステージ制御手段6136はそれぞれレビューSEM又は側長SEMに応じた制御を行い、XYステージ117をステップ・アンド・リピートで移動させてウェハ108の所望の領域を順次撮像する。
このときのシーケンスを図15(a)と(b)とを用いて説明する。図15(a)と図15(b)とは、対応する処理フローを示し、図15(a)は図で、図15(b)はフローチャートで示す。撮像する点数が少ない場合においてはSEM撮像の度に,まず高さセンサー(光パターン投影手段124と光パターン撮像手段125とを組合せたもの)でSEM撮像位置109の高さを計測可能なようにXYステージ117の位置を移動し(S1501),次いで,高さ計測を行う(S1502)。その後,SEM撮像位置109がSEMで撮像できる範囲になるようXYステージ117を再度移動し(S1503),その位置においてSEM撮像を行う(S1504)。最良のスループットを得るため,1502においてはXYステージ117を停止させることなく,移動をさせながら高さ計測を行うことが望ましい。
また,異なる実施形態としては,レビューSEM又は側長SEMにおいてSEMの撮像視野内にウェハ108上の観察箇所又は計測箇所が入るようにXYステージ117を移動させ,Δx離れた位置でリアルタイムに計測した高さデータを用いて焦点合わせをすることも可能である。特に測長SEMや欠陥レビューSEMにおいては,SEM撮像の際にはSEMの画像をもとにしたオートフォーカスであるSEM AFを行い,1μm未満の精度を不要とすることで,この問題を解決することができる。図1に示した本実施例においては、ウェハ108を静電容量式の吸着機構を備えるウェハホルダ134で保持する構成になっているので,ΔXが15mm程度離れても,その高さ変化量を1μm程度以下に抑えることができ,SEM AFを行う場合の初期値決めには問題がない。
少数の事前高さ計測結果をもとにステップ・アンド・リピートのステージ移動を行ってSEM画像を取得する例として,測長SEMに適用した場合のシーケンスを図13に示す。
まず,ウェハ108全体の高さ分布を求めるため,ウェハ108上に均一に設定した複数点,例えば図14(a)に黒丸1401に示す13点程度の位置で,高さデータが取得できるようXYステージ117を移動し(1301),高さデータを取得する(1302)。なお,XYステージ117を間欠的に移動させると計測点に対して計測時間が増大してしまうため,図14(b)に複数のライン1402に示すように,ライン状にステージを移動させながら,高さを計測しても良い。
次いで,予め定められたアライメントマーク複数点(3点程度)が高さ計測できるよう,ステージを移動し(1303),高さ計測を行い(1304),次いでアライメントマークがSEM撮像できるようステージを移動し(1305),1304で得られた高さ計測結果よりSEM AFのレンジを決定して,SEM AFを行う(1306)。SEM AFでは,焦点位置を互いにずらしてSEM撮像を行い,その画像の高周波数成分をエッジ検出で求め,この度合いを焦点測度とし,このピークを合焦位置とする方式を採用する。
合焦点位置に焦点をあわせてアライメントマークのSEM撮像を行い(1307),所定のアライメント位置と撮像したSEM像より得られたアライメントマーク位置のずれ量をもとにウェハライメントを行う(1308)。次いで,高さデータ取得ステップ1302と高さ計測ステップ1304で得られた高さデータを用いてウェハ108全体の高さデータの分布を二次関数フィッティングで演算し,初期データh(x,y,t0)を算出する(1309)。さらに,アライメントマーク位置におけるSEM AF次いで,測長ポイントの撮像を行う。
まず,各測長ポイントの近傍に設けたSEM AFポイントとSEMの電子光学系の光軸1010が一致するようにXYステージ117を移動し(1310),高さ計測を行う(1311)。次いで,式(1)を用いて既計測データよりもっとも近接したデータを探索し(1312),式(2)を用いてSEM光軸位置1010におけるウェハ108の高さを推定する(1313)。ウェハ高さをもとに,SEM AFをかけるレンジを設定し,SEM AFを行う(1314)。次いで,SEM AFを行った位置から,一次ビームの偏向範囲内に設定した望ましくはユニークな形状のパターンであり,微小アライメントを行うアライメントポイントのSEM像を撮像し(1315),予め定めておいたアライメント位置と比較して位置ずれ補正を行う。
ついで,パターン幅を測長するパターンの位置に,視野を移動して画像を撮像し(1316),得られた画像からパターン幅を計測すればよい。なお,1316は一次ビームの変更範囲内にあるため,視野移動のためのステージ移動は不要である。1317にて,測長ポイントのSEM画像をもとに,所定の位置のパターン幅,パターン間距離等の計測を行う。
なお,ここでは測長SEMを例にとりステップ・アンド・リピートのステージ移動をする装置での適用例を示したが,例えば欠陥レビューSEMの場合においても,測長ポイントを検査装置が出力する欠陥座標に置き換えれば,同様のシーケンスで欠陥の高倍画像を自動的に撮像するADR(Automatic Defect Review)を構成することができる。
本発明の第2の実施例を図9及び10を用いて説明する。先ず、図9に第2の実施例に係るSEM装置の構成を示す。901は電子源であり,902,903の2つの電磁レンズを用いて電子ビームを平行に整える。904は開口を二次元に配列した第1のアパーチャアレイであり,一次ビームを複数に分割する。本実施例では開口数は4であり,一次ビームは4本に分割される。911はレンズアレイであり,一次ビームを収束させる。912は第2のアパーチャアレイであり,第2のアパーチャアレイ912の位置で収束しなかった電子を遮断させる効果をもつ。913は電磁レンズである。914はX偏向器,915はY偏向器であり,電子ビームを偏向させ,ウェハ908上面で一次電子の走査を制御する。916はExBであり,一次電子は偏向させず,二次電子を検出器の方向に偏向させる。917は電磁レンズであり,ウェハ908上面に第2のアパーチャアレイ912の像を縮小光学系で結像させる。918は電磁レンズ,919はアパーチャであり,電磁レンズ918とアパーチャ919との組み合わせにより,二次電子の放出方向が著しくウェハ法線からはずれているものを遮断する。
920,921,922,923はそれぞれ検出器である。検出器920〜923の出力はそれぞれA/D変換器924〜927でデジタル信号に変換された後,画像生成手段928で,A/D変換器924〜927の出力すべてを用いて1枚の画像を生成する。画像生成手段928で生成された画像は分配手段9113に転送され、記憶手段9114の記憶部(1)9115または記憶部(2)9116の何れかに格納される。本実施例においては、記憶部(1)9115に少なくとも比較を行う2つのダイで検出した信号を参照画像として格納し,記憶部(2)9116に少なくとも比較を行う2つのダイで検出した信号を検査画像として格納する場合について述べる。
9117はXYステージであり,レーザ測長器等のステージ位置の計測手段9104を備えている。9118は偏向制御手段で、ステージ位置の計測手段9104で計測されたXYステージ9117の位置情報が入力され、X偏向器914とY偏向器915とを制御してウェハ908を一方向に連続的に移動させながら撮像するときに電子ビームをXYステージ9117の移動方向と直交するように走査することにより,記憶手段9114に二次元画像を格納する。偏向制御手段9118は, XYステージ9117が移動中において,ステージ移動速度が変動した場合においても同一の画素サイズの画像が取得できるよう,X偏向器914とY偏向器915を微小調整する。なお,異なるモードにおいては,XYステージ9117を静止させた状態において,X偏向器914とY偏向器915とを視野に対して二次元にスキャンすることで,二次元画像を取得できるようにする。9119はアライメント手段であり,第1の実施例の場合と同様に参照画像と検査画像とのアライメントを行う。9120は差分算出手段であり,アライメントの結果をもとに同一のパターン同士を比較して差分を算出する。
9121は二次記憶装置であり,検査パラメータを保存する。9122は差分大領域抽出手段であり,二次記憶装置9121に格納されている検査パラメータに対して差分算出手段9120から出力される差分の大きさが大なる箇所を欠陥として出力する。なお,差分算出手段9120より画像特徴が入力されている場合は,この差分算出手段9120より入力された画像特徴をともに用いて判定しても良い。また,二次記憶装置9121は記憶手段9114の記憶部(1)9115又は記憶部(2)9116のいずれかの領域に格納された画像を入力して,格納できるように設定されており,更に,差分大領域抽出手段9122で抽出された欠陥の座標や,差分算出手段9120で出力される画像特徴を格納することも可能にする。9123はGUI端末を有した計算機であり,ウェハマップ上に抽出したプロセス変動による影響を大きく受ける箇所の候補を表示する。また,計算機9123は外部LAN9138に接続されており,検査パラメータの入力や,取得画像,検査結果の出力を外部の装置に対して行うことができる。
9124は光パターン投影手段であり,第1の実施例の場合と同様にシールド電極9133に設けられた光路を介し,ウェハ908の表面に光パターンを照明する。なお,光パターンとしては第1の実施例と同様に1本,あるいは複数の線パターンや,あるいは1つ,あるいは複数の点パターンを用いる。また,あるいは,線とパターンの組み合わせでも良い。光パターンはウェハ908の表面で電子光学系の光軸9010に対してずれて照明される。本実施例では,電子光学系の光軸9010に対して15mm,ステージの走査方向にずらして照明する。また,垂直方向の照射角度はウェハ法線から80°に設定した。
9125は光パターン撮像手段であり,光パターン投影手段9124でウェハ908の表面に照明された光パターンを撮像する。高さ検出系950の9126はパターン記憶手段であり,光パターン撮像手段9125で撮像されたパターンを記憶する。9127は高さ算出手段であり,第1の実施例と同様に光パターン画照射されたウェハ908の高さを算出する。9128は高さ算出結果格納バッファであり,ステージ位置計測手段9104の出力値をもとに高さ算出手段9127で算出されたウェハ高さと,その高さが計測されたウェハ位置9150とを対応付けて格納する。なお,ウェハ9108の高さが変動すると,光パターン投影手段9124でウェハ908の表面に照明される光パターンの位置(高さが計測されるウェハ位置9150)が変化し、光パターン撮像手段9125で撮像するウェハ908上の光パターンの照射位置が水平方向に変化するので,この変化分を算出して,高さが計測された位置を決定する。
9129は面内高さ算出手段であり,高さ算出結果格納バッファ9128に格納された複数の高さ算出結果より,ウェハ全体,あるいはその部分的な領域の高さを算出する。9130は記憶手段であり第1の実施例の場合と同様に面内高さ算出手段9129で得られた面内高さのデータを格納する。9131は高さデータ補正量算出器であり,第1の実施例の場合と同様に事前に算出した高さデータを補正する。
制御系960の9132は焦点あわせ手段であり,SEMの対物レンズ917の励磁電流を制御する機構を内蔵する。また,高さ算出結果格納バッファ9128は焦点あわせ手段9132にも直接接続されており,ステージ位置計測手段9104の出力データに基づき,記憶手段9130と同様に電子光学系光軸9010に対応する既に格納しているウェハ高さデータを出力するようにしてある。また,9135はシーケンス制御手段であり,装置全体の動作を制御し,9136はステージ制御手段であり,シーケンス制御手段9135のシーケンスに基づいてステージの移動を制御する。更に9137は電子光学系制御手段であり,電子光学系のビーム電流や電子レンズ(対物レンズ917,918)の励磁電流を制御する。
図10に本実施例で取得する画像を示す。1001〜1004は、ステージを走査しながらステージの走査方向に直交する方向に電子ビームを走査した場合の各検出器が取得するSEM像の対応する位置であり,それぞれ,X,Y方向に位置がずれている。そこで,928の画像生成手段でそれぞれの位置ずれを考慮して,1枚の画像を生成する。これ以外の処理は図1の構成で説明した処理に準じる。
図11に図1の構成に対して,更に高さ計測手段を複数設けた場合の実施例を示す。図1の構成とは,1101の光パターン投影手段および1102の光パターン撮像手段が更に備えられていることが異なっている。また,133のシールド電極には,図6に示したような125の光パターン投影手段と126の光パターン撮像手段に対するの光路601および602に加えて,1101の照明光を透過させる光路と1102に反射光を通す光路が新たに空けられている(図示を省略する)。図12に上側からみた光パターン投影手段と光パターン撮像手段の配置を示す。光パターンの投影位置は電子光学系光軸のX方向の右,および左側に照明できるようになっており,いずれの方向からステージを移動させた場合においても,SEMの撮像位置の高さを予め計測できるようになっている。128の高さ算出結果格納バッファには,1102の出力と127の出力の両方が入力される。128の高さ算出結果格納バッファには,1102の出力と127の出力の両方が格納されるモードと,1102と127の高さ計測位置の中央の位置,すなわち,ほぼ電子光学系光軸位置で取得されたデータとして,その1102と127の平均値を格納するモードの2つを持たせる。なお,2つの高さ計測のうち,一方のみがウェハの外にでた場合には,平均値を格納するのではなく,ウェハ内で算出したにある高さ算出結果のみを格納する。
実施例1,2,3については,光学式の高さ検出手段をビーム光軸とずらして設置する構成について述べてきたが,この光学式の高さ検出手段をその他の高さ検出手段に変更したとしても,同様の機能を実現することができる。例えば,図1,あるいは図9の125と126の組による高さ計測を静電容量センサーに変更したとしても,図1の 127,128,129,130,131の機能を同一にして,SEMの焦点制御を行うことができる。あるいは図11においては125と126の組による高さ計測以外に,もう1つの高さ検出手段である1101と1102の組を静電容量センサーに変更することにより,2組の高さ検出手段による焦点制御を行うことが可能である。
第1の実施例におけるSEM式検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 第1の実施例における表面電界制御電極の一例である。 第1の実施例におけるウェハ上に照明された光パターンの例である。 第1の実施例における高さ検出器の光路の説明図である。 高さ検出器におけるスリットの照明方法である。 第1の実施例におけるシールド電極の一実施例である。 検査エリアと焦点合わせ方法の説明図である。 高さ推定方法を説明する図である。 第2の実施例におけるSEM装置の概略の構成を示すブロック図である。 画像撮像エリアの説明図である。 第3の実施例におけるSEM装置の概略の構成を示すブロック図である。 高さ検出器の光路の説明図である。 測長SEMのシーケンス図である。 ウェハ上の初期高さ計測位置の例を示す図である。 ステージをステップ アンド リピートで移動させながら試料を撮像する場合の 撮像シーケンスを説明する図である。 第1の実施例の変形例を示すSEMシステムの構成図である。
符号の説明
101・・・電子源 102、103・・・コンデンサーレンズ 104・・・ステージ一計測手段 105・・・X偏向器 106・・・Y偏向器 107・・・対物レンズ 108・・・半導体ウェハ 111・・・電子検出器 113・・・分配手段 114・・・記憶手段 117・・・XYステージ 118・・・偏向制御系 120・・・差分算出手段 122・・・差分大領域抽出手段 124・・・光パターン投影手段 125・・・光パターン撮像手段 126・・・パターン記憶手段 127・・・高さ算出手段 128・・・高さ算出結果格納バッファ 129・・・面内高さ算出手段 130・・・記憶手段 131・・・高さデータ補正量算出器 132・・・表面電界制御板 133・・・シールド電極 135・・・シーケンス制御手段 136・・・ステージ制御手段 137・・・電子光学系制御手段 139・・・ 焦点あわせ手段

Claims (16)

  1. 試料を載置して平面内で移動可能なテーブル手段と、
    一次電子ビームを発射する電子銃と、該電子銃から発射された一次電子ビームを収束させる電子レンズ部と、該電子レンズ部で集束させた一次電子ビームを偏向させて前記テーブル手段に載置された試料の表面に走査して照射するビーム偏向器とを有する電子光学系手段と、
    該電子光学系手段により一次電子ビームが走査して照射された前記試料から発生する二次電子及び/又は反射電子を検出する二次電子検出手段と
    該二次電子検出手段で前記試料から発生した二次電子及び/又は反射電子を検出して得られた信号をデジタル化するA/D変換手段と、
    該A/D変換手段でデジタル化した信号を入力してデジタル画像として記憶する画像記憶手段と、
    該画像記憶手段に記憶されたデジタル画像を処理する画像処理手段と、
    前記テーブル手段に載置された試料の表面の高さを検出して前記電子光学系手段の電子レンズのフォーカス位置を制御する高さ検出・制御手段と
    を備えた走査電子顕微鏡装置であって、
    該高さ検出・制御手段は、
    前記テーブル手段に載置された試料の表面のうちの前記電子光学系手段の電子線光軸から離れた位置の高さを検出する高さ検出部と、
    該高さ検出部で検出した前記試料の表面の前記電子線光軸から離れた位置の高さの情報を用いて前記電子光学系手段の電子線光軸上の部分における前記試料の表面の高さを推定する試料高さ推定部と、
    該試料高さ推定部で推定した前記電子光学系手段の電子線光軸上の部分における前記試料の高さの情報に基づいて前記電子光学系手段の電子レンズ部を制御して前記一次電子ビームのフォーカス位置を調整するフォーカス位置調整部と
    を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  2. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記電子光学系手段の電子レンズ部と前記テーブル手段との間に配置されて前記テーブル手段との間の電界を変更可能な表面電界制御電極手段を更に備え、該表面電界制御電極は中心部に前記一次電子,二次電子及び反射電子を通過させる開口部を有し,前記表面電界制御電極は該開口部の近傍で前記テーブル手段の前記試料を載置する面との間隔が小さく,前記中心部から離れた部分では前記テーブル手段の前記試料を載置する面との間隔が大きく,回転対称な形状を有することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  3. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記テーブル手段に載置した試料と等しい電位に設定可能なシールド電極手段を前記表面電界制御電極手段の前記電子線光軸の外側に備え,前記高さ検出部で前記電子線光軸から離れた位置の高さを検出ための開口部を前記電子線光軸に対して非軸対象に備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  4. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記高さ検出・制御手段の高さ検出部は、前記テーブル手段に載置された試料の表面のうちの前記電子光学系手段の電子線光軸から離れた位置に光パターンを投影する光パターン照明部と、該試料の表面に投影された光パターンを該光パターンが投影された方向と異なる方向から撮像する光パターン撮像部と、該光パターン撮像部で撮像して得た前記試料の表面に投影された光パターンの像の情報を用いて前記試料の表面の該光パターンが投影された箇所の高さを算出する高さ算出部とを有することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  5. 請求項4記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記高さ検出・制御手段の試料高さ推定部は、前記高さ検出部で検出した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を記憶する高さ情報記憶部と、前記高さ検出部から出力された前記試料の表面の前記光パターンが投影された箇所の高さデータと前記高さ情報記憶部に記憶されている高さデータをもとに前記電子光学系手段の電子線光軸上の部分における該試料の高さを算出する試料高さ算出部とを有することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  6. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記テーブル手段は前記載置した試料の位置を検出する位置検出部を備え、前記高さ検出・制御手段の試料高さ推定部の高さ情報格納部は、前記高さ検出部で検出した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を,前記位置検出部で検出した試料の位置情報と関連付けて記憶することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  7. 請求項6記載の高さ情報格納手段は,前記試料上の同一の位置について異なるタイミングで取得した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を格納することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  8. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって、前記テーブル手段は回転可能な回転テーブルと該回転テーブルの回転角度を制御する回転角度制御部とを有し、前記光パターン照明手段は光パターンとしてスリット光を前記試料の表面のうちの前記電子光学系手段の電子線光軸から離れた位置に投影し、前記回転角度制御部は、前記試料に投影されるスリット光が該試料上に形成されたパターンと交差するように前記試料の回転角度を制御することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  9. 請求項1記載の走査電子顕微鏡装置であって,前記高さ検出・制御手段は、前記光パターン照明部と前記光パターン撮像部との組を複数の組備え,該複数の光パターン照明部と光パターン撮像部との組はそれぞれ前記試料の表面のうちの前記電子光学系手段の電子線光軸から離れた位置の高さを計測することを特徴とする走査電子顕微鏡装置。
  10. 平面内で移動可能なテーブルに載置した試料に走査電子顕微鏡装置の電子光学系の電子レンズ部を介して集束させた電子ビームを照射して走査し、
    該集束させた電子ビームが照射されて走査された前記試料から発生した二次電子及び/又は反射電子を検出し、
    該検出して得た信号をA/D変換して前記試料のデジタル画像を得、
    該得たデジタル画像を処理する走査電子顕微鏡装置を用いて試料の画像を取得する方法であって、
    前記試料のデジタル画像を得る工程において、
    前記テーブルに載置された試料の表面のうちの前記電子光学系の電子線光軸から離れた位置の高さを検出し、
    該検出した前記試料の表面の前記電子線光軸から離れた位置の高さの情報を用いて前記電子線光軸上の部分における前記試料の表面の高さを推定し、
    該推定した前記電子線光軸上の部分における前記試料の高さの情報に基づいて前記電子光学系の電子レンズ部を制御して前記試料に照射する電子ビームのフォーカス位置を調整し、
    該フォーカス位置を調整した電子ビームを試料に照射して走査することにより前記試料から発生した二次電子及び/又は反射電子を検出して得た信号から前記試料のデジタル画像を得る
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  11. 請求項10記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記試料のデジタル画像を得る工程において前記電子光学系の電子線光軸から離れた位置の高さを検出することを、前記試料の表面のうちの前記電子光学系の電子線光軸から離れた位置に光パターンを投影し、該試料の表面に投影された光パターンを該光パターンが投影された方向と異なる方向から撮像し、該撮像して得た前記試料の表面に投影された光パターンの像の情報を用いて前記試料の表面の該光パターンが投影された箇所の高さを算出することを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  12. 請求項11記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記電子光学系の電子線光軸から離れた位置位置に投影する光パターンが、スリット光であることを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  13. 請求項10記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記試料のデジタル画像を得る工程において前記電子線光軸上の部分における前記試料の表面の高さを推定することを、前記検出した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を記憶しておき、前記検出された前記試料の表面の前記光パターンが投影された箇所の高さデータと前記記憶しておいた高さデータをもとに前記電子線光軸上の部分における該試料の高さを算出することを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  14. 請求項12記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記検出した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を、前記テーブルに載置された試料の位置情報と関連付けて記憶することことを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  15. 請求項12記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記検出した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を記憶しておくことを、前記試料上の同一の位置について異なるタイミングで取得した前記試料の表面の光パターンが投影された箇所の高さ情報を格納することを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
  16. 請求項11記載の走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法であって、前記光パターンとしてスリット光を前記試料の表面のうちの前記電子光学系の電子線光軸から離れた位置で前記試料上に形成されたパターンと交差するように投影することを特徴とする走査電子顕微鏡装置を用いた試料の撮像方法。
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