JP2003014930A - 光学異方素子の製造方法、および光学異方素子 - Google Patents

光学異方素子の製造方法、および光学異方素子

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JP2003014930A
JP2003014930A JP2001196013A JP2001196013A JP2003014930A JP 2003014930 A JP2003014930 A JP 2003014930A JP 2001196013 A JP2001196013 A JP 2001196013A JP 2001196013 A JP2001196013 A JP 2001196013A JP 2003014930 A JP2003014930 A JP 2003014930A
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Takeya Sakai
丈也 酒井
Masao Uetsuki
正雄 植月
Yoshihiro Kawatsuki
喜弘 川月
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Hayashi Telempu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜
に、紫外線を照射することによって、分子配向させ該高
分子材料内に位相差とその角度依存性を任意に発現させ
た光学異方素子および、その製造法の実現。 【構成】感光性の重合体と低分子化合物の混合体を基板
上に塗布し製膜する。該膜に、紫外線ランプ、電源ある
いは、自然光を偏光に変換する光学素子(例えばグラン
テーラープリズム)からなる装置を用い、互いに電界振
動面が異なる直線偏光性の光を少なくとも2方向から照
射すると、膜中に位相差が誘起され、1枚でも液晶表示
装置の視野角拡大に有効な光学異方素子を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性の重合体と
低分子化合物の混合体の膜に、直線偏光性の光を照射す
る(偏光露光する)ことによって、位相差とその角度依
存性を任意に発現させた光学異方素子の製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、互いに垂直な主軸方
向に振動する直線偏光成分を通過させ、この二成分間に
必要な位相差を与える複屈折を有する光学異方素子であ
る。このような光学異方素子は液晶表示分野にも活用さ
れてきており、特に、光軸を傾斜させた光学異方素子は
光学補償フィルムとして液晶表示装置の視野角拡大に役
立つ。
【0003】このような光軸を傾斜させた光学異方素子
を製造する従来技術が報告されている。例えば、特許登
録2640083号には、ラビング配向膜、SiO斜方
蒸着配向膜によりディスコティック液晶を傾斜配列させ
た光学異方素子が記載されている。また、特開平10−
332933号では、正の複屈折性を有する液晶性高分
子をラビング配向膜、SiO斜方蒸着配向膜上に傾斜配
列させたフィルムと負の屈折率楕円体の層とによって構
成される光学異方素子が記載されている。
【0004】しかしながら、これらのような一軸性の屈
折率楕円体を傾斜配向させた光学異方素子では、液晶セ
ルの上基板と下基板近傍の傾斜配向した液晶分子を光学
補償するために、2枚の光学異方素子が必要となる。更
には、上記のような配向膜を用いる方法では、配向膜の
配向処理工程、液晶材料の配向工程など製造工程が煩雑
となり、大面積の屈折率楕円体を傾斜させた光学異方素
子の製造費が高くなる。また、配向膜が液晶表示装置の
表示特性に好ましくない影響を与える場合には、剥離や
溶解などの方法により該配向膜を除去する必要がある。
位相差に角度依存性を有する光学異方素子を製造する他
の方法として、無機誘電体を斜方蒸着する方法が提案さ
れているが、長尺状シート上に連続して蒸着膜を形成す
るには、装置が大掛かりになったり、工程が煩雑になる
などして、製造費を抑えることが困難である。また、液
晶表示装置の視野角拡大効果を十分に発現するには、こ
のような液晶成分を傾斜配向させた層と一軸性または/
および負の複屈折性の層などと組み合せる必要があり、
該両層を光学的に影響のない接着層などで貼り合わせる
ため工程が煩雑になることも問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子フィルムの延伸
配向によって作製された光学異方素子は、分子の配向が
延伸方向に限られ光軸を傾斜させることが著しく困難で
ある。一方、配向処理した基材上で液晶性化合物を配列
させる方法や無機誘電体を斜方蒸着する方法では、光軸
を傾斜させた光学異方素子を作製することは可能である
が、低コストで大面積の屈折率楕円体を傾斜させた光学
異方素子を得ることはできない上、液晶表示装置の視野
角拡大効果を得るには2枚の光学異方素子が必要であ
る。本発明では、簡便な工程で、大量生産に適し1枚で
も視野角拡大効果が得られる光学異方素子およびその製
造法を提供する。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明の光学異方素子およびそ
の製造方法(による光学異方素子)では、感光性の重合
体ないしは感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜
に互いに電界振動面が異なる直線偏光性の光を膜に少な
くとも2方向から照射することによって、光軸を任意に
傾斜させて配向させた層を形成できるので、1枚でも液
晶表示装置の視野角拡大に有効な光学異方素子を簡便な
工程で製造する方法を実現する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。本発明に用いられる感光性の重合体は、液晶性高分
子のメソゲン成分として多用されているビフェニル、タ
ーフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなど
の置換基と、桂皮酸基(または、その誘導体基)などの
感光性基を結合した構造を含む側鎖を有し、炭化水素、
アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、シロキサンなどの構造を主鎖に有する
高分子である。該重合体は同一の繰り返し単位からなる
単一重合体または構造の異なる側鎖を有する単位の共重
合体でもよく、あるいは感光性基を含まない側鎖を有す
る単位を共重合させることも可能である。また、混合す
る低分子化合物も、メソゲン成分として多用されている
ビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、ア
ゾベンゼンなどの置換基を有し、該メソゲン成分とアリ
ル、アクリレート、メタクリレート、桂皮酸基(また
は、その誘導体基)などの官能基を、屈曲性成分を介し
てまたは、介さず結合した結晶性または、液晶性を有す
る化合物である。これら低分子化合物を混合する場合、
単一の化合物のみとは限らず複数種の化合物を混合する
ことも可能である。
【0008】感光性の重合体ないしは感光性の重合体と
低分子化合物の混合体は基材上に塗布し製膜されるが、
該基材に一軸性屈折率楕円体の層または/および二軸性
屈折率楕円体の層を用いることも可能である。該一軸性
屈折率楕円体の層または/および二軸性屈折率楕円体の
層としては、ポリカーボネートやトリアセチルセルロー
スなどの高分子材料を一軸または二軸延伸したもの、本
発明のような感光性材料に光照射し複屈折を発現させた
ものなどが挙げられる。但し、所望の光学特性を有する
ものであればこれらに限定されるものではない。
【0009】図2および図3によって、この種の感光性
の重合体と低分子化合物の混合体を基板上に塗布して形
成した塗布膜20に直線偏光性の光L(矢印mで示す振
動方向を有する)を照射し(また加熱等の配向処理をお
こなった)場合の、塗布膜内に生じる変化を示す(照射
前=図2、照射、配向処理後=図3)。
【0010】塗布膜20は、製膜時には等方性であり、
感光性の重合体の側鎖部(長楕円で示される)および低
分子化合物(円柱で示される)は特定方向を向いていな
い。この塗布膜20にある特定方向から直線偏光性の光
L(矢印mで示す振動方向を有する)が照射(偏光露
光)する場合、膜内には照射光の振動方向mかつ照射光
進行方向に対し垂直方向に対応した向きにある感光性の
高い配置の側鎖2aと感光性の乏しい配置の側鎖2bが
存在している。また、低分子化合物2cが無秩序に共存
している。この膜を偏光露光すると、照射光の電界振動
方向かつ進行方向に対し垂直方向に対応した向きにある
配置の側鎖2aの光反応が優先的に進行する。
【0011】図3は、図2の膜20に光照射し反応が進
行した後の膜30を示す。偏光露光後の分子運動によ
り、光反応を起こさなかった重合体の側鎖3b(2b)
と低分子化合物3c(2c)も光反応した側鎖3a(2
a)と同じ方向に配向する。その結果、塗布膜全体にお
いて、照射した直線偏光の電界振動方向かつ照射光進行
方向に対し垂直方向に重合体の側鎖と低分子化合物の分
子が配向し、位相差が誘起され光学異方素子となる。光
反応を進めるには、感光基の部分が反応し得る波長の光
の照射を要する。この波長は、感光基の種類によっても
異なるが、一般に200−500nmであり、中でも2
50−400nmの有効性が高い場合が多い。
【0012】発明者は、感光性の重合体ないし感光性の
重合体と低分子化合物の混合体で形成された塗布膜の上
記のような性質に着目し、互いに電界振動面が異なる直
線偏光性の光を膜に少なくとも2方向から照射すること
によって位相差の角度依存性を任意に制御した全く新し
い光学異方素子を調製できることを見出し本発明に至っ
た。図1に示すように、感光性の重合体ないしは感光性
の重合体と低分子化合物の混合体で形成された膜11
に、互いに電界振動面が異なる直線偏光性の光
(L)、(L)、(L)を等しい露光量で特定の
3方向から照射した膜(図4)を例にとり説明する。図
4において、屈折率楕円体41、42、43が混在して
いる層40を光が通過するとき、互いに垂直な主軸方向
に振動する直線偏光成分間に与えられる位相差は、各々
屈折率楕円体により与えられる位相差を合成したものと
なる。図4の配置をとっている場合、面内の位相差は無
く、O方向から光が通過する場合、3つの屈折率楕円体
から合成される屈折率楕円体の屈折率は、面平行方向>
面垂直方向となる。反対に、P方向から光が通過する場
合、3つの屈折率楕円体から合成される屈折率楕円体の
屈折率は、面平行方向<面垂直方向となる。また、Q、
Q’方向から光が通過する場合、3つの屈折率楕円体か
ら合成される屈折率楕円体の屈折率は、屈折率楕円体4
1、42、43の長軸41a、42a、43aの傾き角
α、β、γによって異なる。このような光学異方素子の
光学特性は、該光学異方素子が装着される液晶表示装置
の光学特性によって設計されるものである。また、液晶
表示装置の光学補償には、偏光板を含め該装置を構成す
る全ての光学系の位相差を考慮し光学異方素子の位相差
を調整する必要がある。
【0013】感光性の重合体ないしは感光性の重合体と
低分子化合物の混合体は基材上に塗布し製膜されるが、
該基材に一軸性屈折率楕円体層または/および二軸性屈
折率楕円体層を用いることも可能である。該一軸性屈折
率楕円体層または/および二軸性屈折率楕円体層として
は、ポリカーボネートやトリアセチルセルロースなどの
高分子材料を一軸または二軸延伸したもの、本発明のよ
うな感光性材料に光照射し位相差を発現させたものなど
が挙げられる。但し、所望の光学特性を有するものであ
ればこれらに限定されるものではない。前述の偏光露光
後の分子運動による配向は、基板を加熱することにより
促進される。基板の加熱温度は、光反応した部分の軟化
点より低く、光反応しなかった側鎖と低分子化合物の軟
化点より高いことが望ましい。このように偏光露光した
のち加熱し未反応側鎖を配向させた膜または加熱下で偏
光露光し配向させた膜を該高分子の軟化点以下まで冷却
すると分子が凍結され、本発明の配向膜が得られる。低
分子化合物が低分子化合物同士、もしくは該重合体に対
して熱および/または光反応性を有している場合には、
配向が強固に固定されるため耐熱性の向上が期待され
る。このような場合、再配向時の分子運動を妨げないよ
う、露光量を抑えるか反応性を調整するなどして、光反
応点の密度を制御する必要がある。
【0014】また、低分子化合物を混合することは、適
量ならば曇り度を抑制する効果がある反面、過剰に添加
すると曇り度の増加、配向性の低下を引き起こす。この
ような観点から、感光性の重合体または低分子化合物の
種類にもよるが、低分子化合物を0.1wt%〜80w
t%添加しても光学異方素子は製造可能であるが、好ま
しくは5wt%〜50wt%であることが望ましい。こ
こで、感光性の重合体と低分子化合物の相溶性が十分で
ない場合には、製膜時ないしは偏光露光後の基板の加熱
によって相分離や可視光の散乱を誘起しうる大きさの結
晶を生成し曇り度の増加の原因となる。この相分離や微
結晶の生成を抑制するためには、重合体と低分子化合物
の相溶性を調節する必要がある。この相溶性の尺度とし
てPolymer Engineering and
Science,Vol.7,No.2,147(19
74)に記載されているような蒸発エネルギー(ΔE
v)と分子容(V)から計算式(1)をもって算出され
る溶解性パラメーター(σ)を便宜的に利用でき、重合
体と低分子化合物の溶解性パラメーター(σ)の比:z
が、0.93<z<1.06の範囲である場合に相分離
や微結晶の生成を効果的に抑制できることが実験により
判明している。 σ=(ΔEv/V)1/2 計算式(1)
【0015】また、曇り度は、膜厚が厚くなり分子配向
が乱れると増加しやすくなる。該曇り度を抑制するに
は、膜厚を薄くすることが有効である。膜厚を薄くする
と位相差の低下に繋がるが、基材の両面に材料溶液を塗
布し、一層当りの膜厚を薄くすることにより、光学異方
素子全体の位相差を低下させることなく曇り度を抑制で
きる。また、大きな位相差を得る手法として、膜を積層
する方法が挙げられる。この場合、先に製膜し、偏光露
光した膜上に材料溶液を塗布し積層するが、この先に形
成された膜の破壊を防ぐために、溶解性を下げた溶媒に
重合体および低分子化合物を溶解し用いることが有効で
ある。また、表面の感光性の重合体と低分子化合物の混
合体の膜側および裏面の基材(もしくは、裏面の感光性
の重合体と低分子化合物の混合体の膜側)からの両側よ
り偏光露光することによって、効率よく位相差を発現さ
せることもできる。用いる基材は感光性の重合体の反応
しうる波長の光の透過性を有している限りどのような材
料でも良いが、光透過率が高い程、露光量が少なくて済
み、製造工程上有利となる。
【0016】本発明における原料化合物の例に関する合
成方法を以下に示す。 (単量体1)4,4’−ビフェニルジオールと2−クロ
ロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することによ
り、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェ
ニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,
6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘ
キシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニル
を合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応さ
せ、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−(6−メ
タクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成
した。最後に、塩基性の条件下において、塩化シンナモ
イルを加え、化学式1に示されるメタクリル酸エステル
を合成した。
【化1】
【0017】(重合体1)単量体1をテトラヒドロフラ
ン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブ
チロニトリル)を添加して重合することにより重合体1
を得た。この重合体1は、47−75℃の温度領域にお
いて、液晶性を呈した。
【0018】(低分子化合物1)4,4’−ビフェニル
ジオールと1,6−ジブロモヘキサンを、アルカリ条件
下で反応させ、4,4’−ビス(6−ブロモヘキシルオ
キシ)ビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタク
リレートを反応させ、生成物をカラム精製することによ
り化学式2に示される低分子化合物1を合成した。
【化2】
【0019】
【実施例】図6には、本発明の光学異方素子を直線偏光
性の紫外光を偏光露光することにより作製する場合の製
造方法(装置)の例を示す。但し、本発明の光学異方素
子の製造方法はこれに限定されるものではない。電源6
2によって励起された紫外線ランプ61で発生した無秩
序光66は、光学素子63(例えば、グランテーラープ
リズム)をもって直線偏光性の紫外線67に変換され、
フィルム65上に塗布(コート)された感光性の材料の
膜64に照射する。本発明の製造法により、光軸の傾い
た光学異方素子を作製した実施例を以下に示す。
【0020】(1)3.75重量%の重合体1および
1.25重量%の低分子化合物1をジクロロエタンに溶
解し、基板上に約2μmの厚さで塗布し製膜した。 (2)上記製膜した基板の製膜面側と裏側(基板側)か
ら、製膜面(基板)の法線方向に対して20度傾斜する
方向から、グランテーラープリズムを用いて直線偏光に
変換した紫外線を、それぞれ100mJ/cm2、20
0mJ/cm2ずつ180度対称に照射した。 (3)次いで、照射する紫外線の電界振動面を照射方向
軸まわりに+60度回転し、上記製膜した基板の製膜面
側と裏側(基板側)から、製膜面(基板)の法線方向に
対して20度傾斜する方向から、グランテーラープリズ
ムを用いて直線偏光に変換した紫外線を、それぞれ10
0mJ/cm2、200mJ/cm2ずつ180度対称に
照射した。 (4)次いで、照射する紫外線の電界振動面を照射方向
軸まわりに−120度回転し、上記製膜した基板の製膜
面側と裏側(基板側)から、製膜面(基板)の法線方向
に対して20度傾斜する方向から、グランテーラープリ
ズムを用いて直線偏光に変換した紫外線を、それぞれ1
00mJ/cm2、200mJ/cm2ずつ180度対称
に照射した。 (5)照射を終えた基板(製膜)を100℃に加熱した
後、室温まで冷却した。このように作製された光学異方
素子の位相差の角度依存性は、図4のように配置した場
合、O方向(入射角は、基材法線から50度)から光が
通過する場合、屈折率は、面平行方向>面垂直方向で位
相差は60nm、P方向(入射角は、基材法線から50
度)から光が通過する場合、屈折率は、面平行方向<面
垂直方向で位相差は10nm、Q、Q’方向(入射角
は、基材法線から50度)から光が通過する場合、屈折
率は、面平行方向>面垂直方向で位相差は10nm以下
であった。
【0021】得られた基板を、カシオ製液晶カラーテレ
ビEV−510の偏光シートを剥がし、液晶セルの上面
もしくは下面に1枚貼り合わせ、次いで、偏光シート
(日東電工製 HEG1425DU)を上下1枚ずつ貼
り合わせた。各光学素子の軸配置は、図5に示すように
した。図5において、51は基板であり、a、a’、
a”がそれぞれの屈折率楕円体の傾斜方向を示し、52
は液晶セルであり、b、b’がプレチルト方向を示し、
53、53’は偏光シートであり、c、c’がそれぞれ
の光吸収軸方向を示している。このような構成で液晶カ
ラーテレビを駆動し、白表示および黒表示した場合のコ
ントラスト比が5になるところを視野角と定義し、上下
左右方向の視野角を測定した。コントラスト比の測定に
は、トプコン製BM−5Aを用いた。結果を表1に示
す。表1のとおり、本発明の実施例で(上下、左右方向
の)視野角が拡大することが確認された。
【表1】 本発明の光学異方素子およびその製造法では、偏光露光
により位相差を生じた素子に、更に紫外線を照射するこ
とにより未反応の感光性基の光反応を促進させ、素子中
の配向を強固に固定することができる。このような光学
異方素子は、耐熱性、光安定性に優れ実用に充分であっ
た。
【0022】
【発明の効果】従来、液晶表示装置において視野角拡大
用の光学異方素子として活用できるような、光軸の傾斜
した光学素子を製造するには煩雑な工程を要したうえ、
液晶表示装置の視野角拡大効果を得るには該光学異方素
子を2枚要していたが、本発明により、感光性の重合体
ないしは感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜に
偏光露光するという簡便な工程で、1枚でも液晶表示装
置の視野角拡大効果が得られる光学異方素子の製造が可
能となった。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学異方素子の製造方法における偏光
露光方向を示す概念図
【図2】偏光露光により感光した側鎖の模式図
【図3】偏光露光後の分子運動により配列した側鎖の模
式図
【図4】本発明の光学異方素子の屈折率楕円体の模式図
【図5】視野角特性評価時の光学系
【図6】本発明の光学異方素子の製造方法を示す概念図
【0024】
【符号の説明】
、L、L・・・直線偏光性の光 11・・・塗布膜 61・・・紫外線ランプ 62・・・電源 63・・・光学素子(グランテーラープリズム) 64・・・膜(フィルム) 65・・・基材 66・・・無秩序光 67・・・直線偏光性の紫外線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB03 BB62 BC05 BC09 BC14 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB04 FC08 FC09 LA12 LA19 4F073 AA32 BA18 BB01 CA53 FA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性の重合体ないしは感光性の重合体
    と低分子化合物の混合体で形成された膜に、互いに電界
    振動面が異なる直線偏光性の光を少なくとも2方向から
    照射し、この際すくなくとも一方向から照射される光
    は、その照射方向が前記膜の法線方向に対して斜め方向
    照射であることを特徴とする、光学異方素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記感光性の重合体ないしは感光性の重
    合体と低分子化合物の混合体で形成された膜に対する直
    線偏光性の光の照射が、前記感光性の重合体ないしは感
    光性の重合体と低分子化合物の混合体で形成された膜の
    表裏面両方向からなされることを特徴とする、請求項1
    に記載の光学異方素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記感光性の重合体ないしは感光性の重
    合体と低分子化合物の混合体で形成された膜を加熱、お
    よび/または冷却する工程を含むことを特徴とする、光
    学異方素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記感光性の重合体ないしは感光性の重
    合体と低分子化合物の混合体で形成された膜を架橋する
    工程を含むことを特徴とする、光学異方素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の製造方法に
    よって製造されたことを特徴とする、光学異方素子。
  6. 【請求項6】 前記感光性の重合体が液晶性を有するこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の光学異方素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項4に記載の製造方法に
    よって製造された光学異方素子に、一軸性屈折率楕円体
    層または/および二軸性屈折率楕円体の層を付加して構
    成されることを特徴とする、光学異方素子。
JP2001196013A 2000-12-28 2001-06-28 光学異方素子の製造方法、および光学異方素子 Pending JP2003014930A (ja)

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