JP2003073562A - 液晶配向用光配向樹脂組成物、液晶光配向樹脂膜、および液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子 - Google Patents

液晶配向用光配向樹脂組成物、液晶光配向樹脂膜、および液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子

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JP2003073562A
JP2003073562A JP2001265569A JP2001265569A JP2003073562A JP 2003073562 A JP2003073562 A JP 2003073562A JP 2001265569 A JP2001265569 A JP 2001265569A JP 2001265569 A JP2001265569 A JP 2001265569A JP 2003073562 A JP2003073562 A JP 2003073562A
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light
resin film
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JP2001265569A
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English (en)
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Kunihiro Ichimura
國宏 市村
Seiichi Furuumi
誓一 古海
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Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的長波長の光を照射することにより、非
機械的かつ非接触的に、所定の配向状態が形成された液
晶配向用光配向樹脂組成物、液晶光配向樹脂膜、および
その液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子を提供す
る。 【解決手段】 三重項増感剤と、この三重項増感剤が吸
収した光によって光化学反応が誘起される残基を備える
樹脂とを含んでなる液晶配向用光配向樹脂組成物であっ
て、前記三重項増感剤を、前記樹脂1質量部に対して
0.05〜1.5質量部添加されてなる液晶配向用光配
向樹脂組成物と、この組成物からなる膜に、前記三重項
増感剤が吸収する波長で直線偏光を、垂直方向または斜
め方向から、または、三重項増感剤が吸収する波長の非
偏向の光を、斜め方向から照射することにより光学的な
配向性が付与された液晶光配向樹脂膜と、この膜の上に
液晶層を設けてなる液晶光配向膜を用いた液晶光学素子
とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向用光配向
樹脂組成物、この組成物を用いた液晶光配向樹脂膜およ
びこの液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子に係り、
特に比較的長波長の直線偏光または非偏向の斜め方向か
らの光を照射することによって液晶配向を生じさせる液
晶配向膜、その液晶配向膜を用いた光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置等に適用される液晶におい
ては、通常、液晶分子が所定の方向に配向されてなる。
すなわち、前記液晶分子が所定の方向に配向されること
により、液晶層の光軸が決定され、液晶特有の光学的特
性である複屈折性を最大限に引き出すことができる。従
来の液晶表示装置では、このような液晶分子の配向性を
制御するために、以下の2つの方法が用いられてきた。
【0003】すなわち、液晶分子の配向性を制御する第
1の方法は、液晶分子が固有の誘電異方性を有すること
に基づき、液晶分子に対して所定の大きさの電場を印加
することにより、液晶分子をこの電場で規制させる方向
に配向させるものである。
【0004】また、液晶分子の配向性を制御する第2の
方法は、液晶の自己組織化能に基づくものであり、液晶
層が接する基板表面に対して予め所定の処理を施すこと
により所定の配向性を付与し、その後、この基板の表面
に液晶層を形成してこの基板表面の配向性を液晶に転写
させ、液晶に所定の配向性を持たせるものである。な
お、このように「液晶に対して基板の表面の配向性を転
写させるために基板の表面に予め備えられる膜や層」
を、ここではそれぞれ「液晶配向膜」、「液晶配向層」
という。
【0005】従来の液晶表示装置においては、前記「液
晶配向膜」や「液晶配向層」が、所定の2枚の基板上に
各々ポリイミド等の高分子薄膜層を設けた後、この高分
子薄膜層に「ラビング処理」と呼ばれる機械的な配向処
理が施され形成されていた。その後、前記「液晶配向
膜」や「液晶配向層」を有する2枚の基板間に液晶を充
填することにより、光学的に均一な配向を有する液晶層
が形成されていた。なお、前記「ラビング処理」とは、
所定の基板に設けられた高分子薄膜をナイロン繊維等で
一定方向にこすり、予めこの高分子膜に微細な溝を形成
する処理をいう。そして、このようにして形成された均
一な配向を有する液晶に所定の電場を印加するとこの液
晶の配向性が変化し、任意の画像を表示することができ
る。
【0006】従来の液晶配向膜においては、主に前記ラ
ビング処理が施されて製造されていた。しかしながら、
前記ラビング処理によって所定の配向構造が形成された
配向膜においては、ラビング処理が機械的かつ接触的処
理を実行することに伴って生じる静電気や塵埃が、液晶
配向に欠陥を生じさせ易いという問題があり、このた
め、比較的大面積かつ均質な配向膜を形成することが困
難であった。そこで、液晶配向膜の技術分野において
は、非機械的かつ非接触的に液晶を配向させる液晶配向
膜の製造方法の技術開発が強く求められている。
【0007】このような事情に鑑みて、これまで非機械
的かつ非接触的に液晶を配向させる液晶配向膜の製造方
法について、種々の研究開発が行なわれてきている。そ
の中で、光化学反応性薄膜を含み、この光化学反応性薄
膜に光照射することによって液晶を配向させる液晶配向
膜についての研究開発が活発となっている。たとえば、
この光化学反応性薄膜を用いた液晶配向膜として、学術
誌である、K.Ichimura、Chem.Re
v.、100、1847(2000);M.O’Nei
ll and S.M.Kelly、J.Phys.
D、33、R67(2000)に記載されたものが挙げ
られる。このように光化学反応性薄膜に光照射すること
によって得られる配向膜を、ここでは「液晶光配向樹脂
膜」という。なお、このような液晶光配向樹脂膜の形成
には、光二量化反応、光分解反応等が好適に利用されて
いる(長谷川等、液晶、第1巻、p3(2000)参
照)。
【0008】また、前記液晶光配向樹脂膜は、液晶が光
異性化反応のような可逆的な光化学反応が誘起される置
換基を含む構造であれば、照射光の波長を変えることに
よって液晶の配向性を可逆的に変えることが可能な液晶
光配向樹脂膜を具現化することができる。たとえば、ア
ゾベンゼンに代表されるような光異性化反応性を有する
分子を前記液晶光配向樹脂膜の構造に導入すれば、前記
のような可逆的な光化学反応が誘起される液晶光配向樹
脂膜を実現することが可能となる。
【0009】一方、液晶表示装置に適用される液晶光配
向樹脂膜では、この液晶光配向樹脂膜の配向状態が、
熱、光および電場に対して充分な安定性を備えることが
必要とされる。このような安定性を備えた液晶光配向樹
脂膜としては、光二量化反応に代表される不可逆的な光
化学反応が誘起される置換基を有するものが挙げられ
る。たとえば、このような不可逆的な光化学反応を生ず
る液晶光配向樹脂膜として、学術誌である、M.Sch
adt、K.Schmitt、V.Kozenkov、
Jpn.J.Appl.Phys.、Part1、3
1、2155(1992)に記載されているものが挙げ
られる。
【0010】以上述べたように、「液晶光配向樹脂膜」
は、光化学反応性基が導入された高分子薄膜を含み、こ
の高分子薄膜に対して、直線偏光を照射したり、あるい
は、非偏向の光を斜め方向から照射したりすることによ
って光化学反応性基の配向性を制御するものである。そ
して、このようにして所定の配向性が形成された液晶光
配向樹脂膜の配向性が液晶層へ転写される。
【0011】さらに、このような液晶光配向樹脂膜を用
いて特定の液晶に所定の配向性を付与することができる
ようにすれば、従来の液晶光配向樹脂膜のように、単に
液晶表示装置の用途のみに限定されることなく、各種の
配向素子または配向材料を製造することができる液晶光
配向樹脂膜を具現化することができる。たとえば、光重
合性を有するネマチック液晶の低分子を、前記液晶光配
向樹脂膜によって配向させた後、光重合させることによ
って、配向性が固定されてなる分子配向膜が比較的容易
に得られるようになる。この内容は、科学誌である、
P.S.Shcannon、W.M.Gibbons
and S.T.Sun、Nature、368、53
2(1994)に記載されている。
【0012】また、高分子液晶の溶液を、前記液晶光配
向樹脂膜の上に塗布し、溶媒を除去した後、加熱するこ
とにより、配向性が付与された高分子液晶膜が得られる
ことが既知となっている。この内容は、学術誌である、
M.Kidowaki、T.Fujiwara and
K.Ichimura、Chem.Lett.、64
3(1999)に記載されている。
【0013】また、ディスコチック液晶を、前記液晶光
配向樹脂膜に塗布して液晶相の温度に加熱することによ
り、配向したディスコチック液晶膜が得られることが既
知となっている。この内容は、学術誌である、K.Ic
himura、S.Furumi、S.Morino、
M.Kidowaki、M.Nakagawa、M.O
gawa and Y.Nishiura、Adv.M
ater.、12、950(2000)に記載されてい
る。
【0014】そして、比較的多量の溶媒を含有してなる
リオトロピック液晶を、前記液晶光配向樹脂膜の上に設
けることにより安定な配向状態が得られ、その後溶媒を
除去することにより、良質の色素分子配向膜が得られる
ことが既知となっている。この内容は、学術誌である、
K.Ichimura、M.Momose andT.
Fujiwara、Chem.Lett.、1022
(2000)に記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記液晶光配向樹脂膜
に適用することが可能な光化学反応性高分子として、桂
皮酸、クマリン、カルコン等の不飽和二重結合を有する
光化学反応性分子が置換基として導入された高分子が挙
げられ、種々検討されてきた。これら桂皮酸、クマリ
ン、カルコン等の光化学反応性分子が導入されてなる高
分子は、光照射によって光二量化反応が誘起される。す
なわち、前記桂皮酸、クマリン、カルコン等の光化学反
応性分子を含む高分子に直線偏光を照射したり、あるい
は、非偏向の光を斜め方向から照射したりすることによ
って前記液晶光配向樹脂膜を調製することができる。
【0016】しかしながら、前記桂皮酸、クマリン、カ
ルコン等の光化学反応性分子を含む高分子を液晶光配向
樹脂膜として工業的規模で利用するには、以下のような
照射光の波長に基づく問題点が残されている。すなわ
ち、前記桂皮酸、クマリン、カルコン等の光化学反応性
分子を含む高分子が吸収する光の波長は、およそ350
nm以下の紫外線領域の波長であるが、前記液晶光配向
樹脂膜を工業的規模で利用できるようにするには、光源
として水銀ランプを使用するのが好ましい。ところが、
この水銀ランプから照射される光のスペクトルのうち、
紫外線領域で充分な光強度を有する輝線スペクトルで最
も短波長の光の波長は約365nmであり、365nm
以下の紫外線領域の光強度は小さくなって充分ではな
い。
【0017】また、このような水銀ランプから照射され
た光を直線偏光とするには、この光を、偏光素子を通過
させることが必要となり、このため偏光素子の光吸収に
より光強度の損失が生じて光強度が低下する。さらに、
前記偏光素子は、前記水銀ランプから照射された光のう
ち、波長が比較的短い光、すなわち紫外線領域の光を通
過させる場合に、紫外領域の光に対して耐性を備えた材
料に限定される。
【0018】したがって、前記桂皮酸、クマリン、カル
コン等に代表される光化学反応性分子を含む光化学反応
性高分子の光化学反応を、前記水銀ランプを用いて効率
的に行なわせるようにするためには、より長波長側の
光、具体的には350nm以上の波長を有する光で、光
化学反応性高分子を感光できるように構成することが必
要となる。
【0019】かかる問題点に鑑み、本発明の目的は、過
度に短波長に偏らない、比較的長波長側の光を照射する
ことによって、力学的な操作を用いることなく非機械的
かつ非接触的に、所定の配向状態が形成されるとともに
この配向が比較的長期間にわたって安定に保持される、
液晶配向用光配向樹脂組成物、液晶光配向樹脂膜、およ
びその液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子を提供す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、前記の液晶配向用
光配向膜を形成する際に必要な光化学反応を誘起する光
の波長を、液晶配向用光配向膜に三重項増感剤を添加す
ることによって、光化学反応を誘起する光の波長を長波
長化させることができ、このようにして比較的長い波長
の光、すなわち、たとえば、水銀ランプから出射された
光を用いて光化学反応を誘起することにより前記の液晶
配向用光配向膜をより低コストで容易に製造することが
できるようになり、しかも、このように製造された液晶
配向用光配向膜は長期間にわたって安定に保持されるこ
とが明らかとなり、本発明を創作するに至った。
【0021】すなわち、前記課題を解決するための本発
明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物は、三重項増感剤
が吸収する光によって光化学反応を引き起こす残基を含
有する樹脂とこの樹脂1質量部に対して0.05〜1.
5質量部の当該増感剤とからなることを特徴とする(請
求項1)。
【0022】請求項1のように構成すれば、対象分子の
光化学反応を誘起する光の波長をより長波長側にシフト
させることができる、いわゆる「スペクトル増感」の現
象を誘起させる液晶配向用光配向樹脂組成物を具現化す
ることができる。たとえば、対象分子の光化学反応を誘
起する光の波長が比較的短い、たとえば365nm以下
の波長の光である場合に、このような「スペクトル増
感」の現象によって光化学反応を誘起する光の波長をよ
り長波長側にシフトさせることができるため、たとえ
ば、水銀ランプを用いてこのような対象分子の光化学反
応を誘起させることができる。
【0023】また、前記の液晶配向用光配向樹脂組成物
において、前記三重項増感剤が吸収する光によって光化
学反応が引き起こす残基を含有する樹脂が、下記一般式
(1)で表される芳香族不飽和基を含有するように構成
すれば、350nm以上の波長を有する光に感光する液
晶配向用光配向樹脂組成物を具現化することができる
(請求項2)。
【0024】
【化2】
【0025】前記一般式(1)中、R1はフェニル基、
置換フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基か
らなる群の中から選択されるいずれか1つの芳香族残基
であり、R2は水素原子またはシアノ基であり、R3は酸
素原子またはNH基であり、AおよびBのいずれか一方
は、樹脂本体へ結合するための有機物からなる残基を示
す。
【0026】また、前記液晶配向用光配向樹脂組成物か
らなる膜は、前記三重項増感剤が吸収する波長を含む直
線偏光を、垂直方向または斜め方向から、または、三重
項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光を、斜め方向
から照射することにより光学的な配向性を付与すること
ができるので、液晶に配向性を転写させるための液晶光
配向樹脂膜を具現化することができる(請求項3)。
【0027】さらにまた、前記液晶光配向樹脂膜におい
て、前記三重項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光
を、斜め方向から照射することにより配向させる液晶
が、ネマチック液晶であるように構成してもよい(請求
項4)。
【0028】そして、前記液晶光配向樹脂膜において、
前記三重項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光を、
斜め方向から照射することにより配向させる液晶が、デ
ィスコチック液晶であるように構成することもできる
(請求項5)。
【0029】また、前記液晶光配向樹脂膜において、前
記三重項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光を、斜
め方向から照射することにより配向させる液晶が、リオ
トロピック液晶であってもよい(請求項6)。
【0030】そしてまた、前記液晶光配向樹脂膜におい
て、前記三重項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光
を、斜め方向から照射することにより配向させる液晶
が、キラルネマチック液晶であってもよい(請求項
7)。
【0031】さらにまた、前記液晶光配向樹脂膜におい
て、前記三重項増感剤が吸収する波長を含む非偏向の光
を、斜め方向から照射することにより配向させる液晶
が、高分子性液晶であるように構成してもよい(請求項
8)。
【0032】さらに、前記液晶光配向樹脂膜の上に液晶
層を設ければ、液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光学素子
を具現化することができる(請求項9)。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明に係る液晶光配向樹脂膜は、
三重項増感剤と、この三重項増感剤が吸収した光によっ
て光化学反応が誘起される残基を含有する樹脂とからな
る液晶配向膜用樹脂組成物から形成されるものである。
すなわち、本発明にあっては、光を吸収した三重項増感
剤が、樹脂の側鎖に設けられた残基に対して、光エネル
ギ移動または光電子移動のスペクトル増感作用を起こ
し、このスペクトル増感作用によって残基が励起され
て、残基の光化学反応が誘起される。その際、光二量化
反応により、残基が異性化され、前記樹脂の表面が所定
の方向に配向される。
【0034】(三重項増感剤)本発明に係る液晶配向用
光配向樹脂組成物で用いられる三重項増感剤は、ベース
となる樹脂に備えられた光化学反応性を有する残基に対
して、充分に高い効率で光化学反応を誘起させるもので
あれば、特に限定されるものではない。このような三重
項増感剤としては、たとえば、ベンゾフェノン系、アン
トラキノン系、芳香族ニトロ化合物、ケトクマリン系
等、各種の従来公知のものが挙げられる(詳しくは、永
松 元太郎、乾 英夫共著、「感光性高分子」、講談社
(1977)に記載されている)。
【0035】また、これらの三重項増感剤の分子を、後
記する高分子の主鎖に化学的に結合させてもよい。な
お、本発明で、スペクトル増感に三重項増感剤を用いる
理由はつぎの通りである。すなわち、前記スペクトル増
感の機構には、前記したような光エネルギ移動と光電子
移動とがあるが、この光エネルギ移動は、さらに光励起
状態の違いによって2種類あって、一重項状態における
一重項エネルギ移動と、三重項状態における三重項エネ
ルギ移動とに分類される。これらの光エネルギ移動のう
ち、本発明は、三重項エネルギ移動を利用する。
【0036】本発明の原理は、光化学反応性を有する残
基を備えた樹脂からなる液晶配向膜に大気中で光照射し
て所定の方向に配向させるという、いわゆる「感光性樹
脂」の原理を用いるものである。この感光性樹脂では、
一般に、励起寿命が比較的長く、光エネルギ移動が充分
に効率的に起こる三重項エネルギ移動が利用され、した
がって、感光性樹脂には、通常、三重項増感剤が好適に
使用される。
【0037】これに対して、一重項エネルギ移動は、励
起寿命が比較的短く、一重項状態で光エネルギ移動が効
率的に生じるようにするには、一重項増感剤の分子と光
化学反応性を有する分子または官能基とが充分に接近し
た状態にあることが必要である。このため、感光性樹脂
系では、通常、励起寿命が比較的短い一重項エネルギ移
動が利用されず、したがって一重項増感剤は使用されな
い。この内容は、徳丸克巳、大河原信編、「増感剤」、
講談社(1987)に記載されている。このため、本発
明にあっては、光化学反応性を有する残基の光化学反応
を充分に効率的に行なうために、三重項増感剤を用い
る。
【0038】(直線偏光または非偏向の光の照射による
光化学反応)本発明にあっては、本発明に係る液晶配向
用光配向樹脂組成物からなる膜に対して、直線偏光を垂
直方向または斜め方向から、または、三重項増感剤が吸
収する波長を含む非偏向の光を、斜め方向から照射する
ことにより、この膜に所定の光学的な配向性を付与し
て、液晶に配向性を転写させるための液晶光配向樹脂膜
を具現化することができる。
【0039】この直線偏光または非偏向の光は、三重項
増感剤が吸収する波長を含む光であれば、特に限定され
るものではない。前記直線偏光は、たとえば、単色光を
従来公知の直線偏光素子を通して得られる光や、所定波
長の光を発振する各種のレーザによって得られる光を用
いることができる。また、前記非偏向の光は、たとえ
ば、水銀ランプやキセノンランプからの光を、そのまま
用いても、フィルタを用いて三重項増感剤が吸収する波
長の単色光として用いてもよい。
【0040】従来、三重項増感剤を含有する感光性樹脂
膜に、この三重項増感剤が吸収する波長を含む直線偏光
を照射するか、あるいは、この三重項増感剤が吸収する
波長を含む非偏向の光を斜め方向から照射することによ
って光学的な所定の配向性を得るという技術は、全く存
在しなかった。本発明者等は、光化学反応性を有する所
定の残基を備えた樹脂膜に三重項増感剤を添加するか、
あるいは、このような樹脂膜に三重項増感剤の分子を化
学結合させて導入することにより、このように三重項増
感剤が吸収する波長を含む直線偏光を、垂直方向または
斜め方向から、または、三重項増感剤が吸収する波長を
含む非偏向の光を、斜め方向から照射することにより、
所定の光学的な配向性を付与することが可能となること
を全く新規に見いだし、本発明をなすに至った。
【0041】(樹脂)本発明に係る液晶配向用光配向樹
脂組成物に用いられる樹脂としては、前記スペクトル増
感を生じさせ得る樹脂を用いることができるが、好まし
くは下記一般式(1)で表される芳香族不飽和基を含有
する樹脂である。
【0042】
【化3】
【0043】前記一般式(1)中、R1はフェニル基、
置換フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基か
らなる群の中から選択されるいずれか1つの芳香族残基
であり、R2は水素原子またはシアノ基であり、R3は酸
素原子またはNH基であり、AおよびBのいずれか一方
は、樹脂本体へ結合するための有機物からなる残基を示
す。
【0044】なお、前記一般式(1)で表される残基
は、この残基が吸収する波長を含む直線偏光を照射する
ことによって光異性化反応または光二量化反応が生起さ
れ、光学的な配向性が付与された液晶配向膜が得られる
現象自体は既知となっている。
【0045】また、本発明に係る液晶配向用光配向樹脂
組成物は、前記一般式(1)で表される残基の他に、下
記一般式(2)〜(8)で表される芳香族不飽和基の残
基を含有する樹脂であってもよい。
【0046】
【化4】
【0047】前記一般式(2)は桂皮酸残基であって、
エステル結合によって高分子鎖に結合される。R4は水
素原子の他に、炭素数が1から6までのアルキル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチ
ル基、トリフルオロメトキシ基、炭素数が2から6まで
のペルフルオロアルキル基、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、およびアシルオキシ基からなる群の中から選
択される1つが好適に用いられる。
【0048】
【化5】
【0049】前記一般式(3)はα−シアノ桂皮酸残基
であって、R4は前記一般式(2)と同一のものであ
る。
【0050】
【化6】
【0051】前記一般式(4)はシンナミリデンアセテ
ート残基であって、R4は前記一般式(2)、(3)と
同一のものである。
【0052】
【化7】
【0053】前記一般式(5)はp−フェニレンジアク
リレート残基であって、R5は炭素数が1から6までの
アルキル基、または炭素数が1から6までのフッ素置換
アルキル基である。
【0054】
【化8】
【0055】前記一般式(6)は、チエニル置換体から
なる残基である。
【0056】
【化9】
【0057】前記一般式(7)は、フリル置換体からな
る残基である。
【0058】
【化10】
【0059】前記一般式(8)は、桂皮酸エステル基
を、フェニル基を介して、高分子鎖に結合するものであ
って、R5は前記一般式(5)と同一のものであり、A
は二価の有機残基を示す。
【0060】前記一般式(1)から(8)で例示される
光化学反応性を有する残基を結合させる高分子として
は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン等
を適用することができる。また、前記一般式(1)から
(8)で例示される光化学反応性を有する残基をコモノ
マ単位として、前記高分子に導入してもよい。
【0061】また、予め前記一般式(1)〜(8)で表
される残基のモノマを作製し、このモノマを重合させて
作製ことができる。あるいは、前記一般式(1)〜
(8)で表されるモノマを、従来公知の方法により、前
記高分子の主鎖に化学的に結合させて導入してもよい。
【0062】光化学反応性を有する残基をコモノマ単位
として、前記高分子に導入する場合には、前記一般式
(1)〜(8)で表される光化学反応性を有する残基と
非光化学反応性の残基との比率はモル比で、100:0
から30:70の範囲とすることが好ましい。その理由
は、光化学反応性を有する残基のモル数30に対して、
非光化学反応性の残基のモル数が70を越えると、光化
学反応性が低下して液晶配向用光配向樹脂組成物の光学
的な配向性が阻害され、その結果、液晶配向能が不良と
なる。一方、残基として、液晶の性質を発現し得るメソ
ゲン性コモノマを用いることも可能である。
【0063】また、非光化学反応性の残基のモル数が光
化学反応性を有する残基のモル数100に対して0であ
る場合には、液晶配向用光配向樹脂組成物の光化学反応
の量子収率性が最も高くなって、光学的な所定の配向性
が最も得られ易くなる。しかしながら、このように光化
学反応性を有する残基のみを含み、非光化学反応性の残
基を全く含まない液晶配向用光配向樹脂組成物では、非
光化学反応性の残基を含む液晶配向用光配向樹脂組成物
に比べて原料コストが高くなる。このため、前記光化学
反応性を有する残基のモル数と非光化学反応性の残基の
モル数との比率は、100:0から30:70の範囲内
で、必要とされる光学的な配向性の程度に応じて決定さ
れる。
【0064】前記一般式(1)で表される残基を有する
樹脂と、前記した三重項増感剤との質量混合比は、樹脂
1質量部に対して、三重項増感剤0.05〜1.5質量
部とする。その理由は、三重項増感剤の含有比率が1.
5質量部を越えると、均質な樹脂膜を形成させることが
困難となり、また、増感剤による可塑剤効果のために光
学的な配向の状態が不安定化する。一方、三重項増感剤
の含有比率が0.05質量部未満では、前記光化学反応
性を有する残基へのスペクトル増感の作用が低下し、こ
の残基の光化学反応が極めて生じ難くなって所望の光学
的な配向性が得られない。
【0065】(液晶光配向樹脂膜の形成方法)本発明に
係る液晶光配向樹脂膜は、以上に説明した樹脂および三
重項増感剤とからなる液晶用光配向樹脂組成物を所定の
溶媒に溶解させて、均一な溶液を調製し、この溶液を所
定の基板上に従来公知の塗布方法によって塗布し、薄膜
を形成して得られる。
【0066】前記塗布方法としては、回転塗布、流延塗
布、スクリーン印刷等が挙げられる。前記薄膜の膜厚
は、好ましくは、5nmから1000nm、より好まし
くは、10nmから500nmとする。前記薄膜の膜厚
がこのような範囲内であれば、前記三重項増感剤に由来
する薄膜の着色が、ほとんど無視することができるよう
になり、実質的に無色透明な薄膜が得られる。
【0067】また、液晶の配向は、樹脂の表面層におけ
る高分子の分子配向のみによって決定されるため、前記
の膜厚の上限値を越えても液晶の配向には意味がないば
かりではなく、三重項増感剤に由来する薄膜の着色が無
視できなくなるので、本発明によって製造される液晶光
学素子の品質が阻害される。一方、前記薄膜の膜厚が下
限値未満では、均質な薄膜が得られ難く、液晶を配向さ
せる際に液晶の配向性が阻害される。
【0068】(基板)以上のような本発明に係る液晶配
向用光配向樹脂組成物からなる薄膜を形成するために用
いられる基板としては、特に限定されるものではなく、
前記液晶配向用光配向樹脂組成物を均一に塗布すること
ができるものであればよい。このような基板としては、
透明なもの、不透明なものを問わず使用することがで
き、透明な基板としては、シリカガラス、硬質ガラス、
各種のプラスチックからなるシートからなるもの、また
は、これらの材料の表面に酸化珪素、酸化錫、酸化イン
ジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、
酸化亜鉛等の金属酸化物や、窒化珪素、炭化珪素等を被
覆したものが挙げられる。不透明な基板としては、金
属、あるいはガラスやプラスチックシート等の表面に金
属層や金属酸化物層が形成されたものが挙げられる。
【0069】(液晶光配向樹脂膜の光照射条件)つぎ
に、本発明に係る液晶光配向樹脂膜を得るための光照射
条件を説明する。本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組
成物からなる樹脂膜に照射する光は、前記したような三
重項増感剤が吸収する波長を含む光とする。この光の波
長の範囲は、前記した下記一般式(1)〜(8)で表さ
れる光化学反応性を有する残基が吸収する波長よりも長
波長側の光を含んでもよいが、これらの光化学反応性を
有する残基が吸収する波長を含んだ波長の範囲であるこ
とが必要である。
【0070】
【化11】
【0071】前記一般式(1)中、R1はフェニル基、
置換フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基か
らなる群の中から選択されるいずれか1つの芳香族残基
であり、R2は水素原子またはシアノ基であり、R3は酸
素原子またはNH基であり、AおよびBのいずれか一方
は、樹脂本体へ結合するための有機物からなる残基を示
す。
【0072】
【化12】
【0073】前記一般式(2)中、R4は水素原子、ま
たは、炭素数が1から6までのアルキル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、ト
リフルオロメトキシ基、炭素数が2から6までのペルフ
ルオロアルキル基、シアノ基、アルコキシカルボニル
基、およびアシルオキシ基からなる群の中から選択され
る1つである。
【0074】
【化13】
【0075】前記一般式(3)中、R4は前記一般式
(2)と同一のものである。
【0076】
【化14】
【0077】前記一般式(4)中、R4は前記一般式
(2)、(3)と同一のものである。
【0078】
【化15】
【0079】前記一般式(5)中、R5は炭素数が1か
ら6までのアルキル基、または炭素数が1から6までの
フッ素置換アルキル基である。
【0080】
【化16】
【0081】前記一般式(6)は、チエニル置換体から
なる残基である。
【0082】
【化17】
【0083】前記一般式(7)は、フリル置換体からな
る残基である。
【0084】
【化18】
【0085】前記一般式(8)中、R5は前記一般式
(5)と同一のものであり、Aは二価の有機残基を示
す。
【0086】光源としては、超高圧水銀ランプ、キセノ
ンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光
灯、各種のレーザ光等が用いられる。本発明に係る液晶
配向用光配向樹脂組成物からなる樹脂膜を液晶光配向膜
に形成するための光照射方法としては、直線偏光を照射
する方法と、非偏向の光を斜めから照射する方法とがあ
る。前者を用いる場合には、光源から得られる光を、偏
光素子を通すことにより直線偏光とし、このようにして
得られた直線偏光を前記樹脂膜の表面に対して略垂直方
向または斜め方向から照射する。
【0087】前記偏光素子としては、前記一般式(1)
〜(8)で表される三重項増感剤が吸収する光は350
nm以上の波長範囲にあるので、ポリビニルアルコール
系の偏光シートが好適に用いられる。
【0088】一方、非偏向の光を斜め方向から照射する
場合には、前記した光源から照射された光を、前記樹脂
膜の表面に対し、この表面の垂線方向と所定の角度をな
す方向から入射させる。この前記樹脂膜の表面の垂線方
向となす所定の角度は、好ましくは5度から80度であ
り、より好ましくは10度から60度である。その理由
は、角度が5度未満では分子配向が誘起され難く、また
角度が80度超では単位面積当りの実効的な光量が顕著
に減少するためである。
【0089】また、前記樹脂膜の表面に照射する光のエ
ネルギは、単位面積当りの照射エネルギとして表され、
本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物の特性や、照
射波長等に依存するが、通常、好ましくは1mJ/cm
2から10J/cm2であり、より好ましくは10mJ/
cm2から1J/cm2である。そして、このような光
を、フォトマスクを通して前記樹脂膜の表面に照射して
露光したり、あるいは、レーザ光を前記樹脂膜の表面に
走査しながら照射して露光したりする走査露光を行なう
ことにより、所定の配向パターンを形成することができ
る。その理由は、露光部分が、照射条件に対応して分子
配向を起こすためである。
【0090】本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物
からなる樹脂膜に、三重項増感剤のみが吸収する直線偏
光を照射、あるいは、非偏向の光を斜め方向から照射し
た後、この樹脂膜の偏光吸収スペクトルを測定すると、
前記一般式(1)で表される光化学反応性を有する残基
が吸収する波長領域において、二色性が発現し、この上
に液晶層を設けることによって、液晶配向を実現するこ
とができる。
【0091】一方、三重項増感剤を含まない樹脂膜に、
三重項増感剤のみが吸収する光を前記と同一の条件で照
射しても光化学反応は全く起こらず、液晶配向も起こら
ない。さらに、このような光化学反応性を有する残基を
備えない高分子として、たとえば、ポリメチルメタクリ
レートを用い、この高分子に三重項増感剤を溶解させて
薄膜を調製し、このようにして調製した薄膜に三重項増
感剤が吸収する波長を含む光を前記と同一の条件で照射
しても、液晶配向は生起されない。これらのような事実
は、光化学反応性を有する残基と三重項増感剤とが共存
することによって、比較的長波長の光が液晶配向を生起
させること意味するものである。
【0092】つぎに、本発明に係る液晶光配向樹脂膜に
よって、所要の配向性に形成することができる液晶の種
類について説明する。なお、「液晶」という用語自体は
比較的広範囲な意味を有するものであり、ここで説明す
る配向方法がすべての液晶に対してそのまま適用される
ものではない(詳しくは、岡野 光治、小林 俊介共
著、「液晶 基礎編」、培風館(1985)に記載され
ている)。
【0093】また、「液晶」の分類は、液晶相の種類、
分子量の違い、液晶性分子の形状および溶媒の有無によ
って行なわれる。前記液晶相に関しては、ネマチック
相、スメクチック相およびコレステリック相に分類され
る。また、分子量に関しては、低分子液晶および高分子
液晶とに分類される。さらに、液晶性分子の形状に関し
ては、棒形状のカラミチック液晶と円盤形状のディスコ
チック液晶とに分類される。そして、溶媒の有無に関し
ては、溶媒が存在するリオトロピック液晶と溶媒が存在
しないサーモトロピック液晶に分類される。
【0094】まず、前記液晶相に関しては、ネマチック
相またはコレステリック相を示す液晶であれば、前記本
発明に係る液晶光配向樹脂膜によって、制御して所要の
配向性に形成することができる。また、スメクチック液
晶の場合には、この液晶相がネマチック相を示すもので
あれば、本発明に係る液晶光配向樹脂膜によって所要の
配向を制御して形成することが可能である。さらに、低
分子液晶は勿論のこと、高分子液晶であっても、本発明
に係る液晶光配向樹脂膜によって、所要の配向を制御し
て形成することが可能である。
【0095】高分子液晶は低分子液晶と比べて分子運動
性が低いので、本発明に係る液晶光配向樹脂膜によって
高分子液晶の配向を行なう際、所要の配向性の形成を促
進させるために、相転移温度近傍まで液晶の層を昇温さ
せることが好ましい。
【0096】ディスコチック液晶は、一般に、カラミチ
ック液晶と比べて、分子運動性は低いものの、カラミチ
ック液晶ともども本発明に係る液晶光配向樹脂膜によっ
て所要の配向を制御して形成することが可能である。ま
た、これらの液晶をラジカル重合性またはカチオン重合
性のモノマとすれば、本発明に係る液晶光配向樹脂膜を
用いてこのモノマからなる液晶配向膜を調製した後、こ
のモノマを重合させることにより、熱的に安定な液晶光
学素子とすることができる。
【0097】リオトロピック液晶相は、比較的大量の溶
媒を含有するにもかかわらず、本発明に係る液晶光配向
樹脂膜によって、所要の配向を制御して形成することが
できる。また、このようにして、リオトロピック液晶に
所要の配向を付与した状態から、溶媒を除去することに
よって、この配向を固定化することができる。
【0098】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について詳細に説
明する。 (実施例1〜4)ポリ(p−メタクロイルオキシ桂皮酸
メチル)(Mw(質量平均分子量):7.2×10
質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):3.
2)1質量部と、三重項増感剤であるミヒラーズケトン
1.09質量部(実施例1)、0.55質量部(実施例
2)、0.27質量部(実施例3)および0.13質量
部(実施例4)を、それぞれモノクロロベンゼンと塩化
メチレンの1:1(容積比)混合溶媒に溶解して、4種
類の各5質量%の本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組
成物の溶液を調製した。
【0099】つぎに、このようにして調製した各溶液
を、それぞれ2枚のガラス板にスピンコート法によって
塗布し、膜厚が約30nmの本発明に係る液晶光配向樹
脂膜を形成した。このようにして本発明に係る樹脂膜を
形成した各ガラス板に、出力が150Wの水銀キセノン
ランプから波長が365nmの直線偏光を取り出し、こ
の直線偏光を前記本発明に係る樹脂膜に対して略鉛直方
向から100mJ/cm 2の光量にて照射した。なお、
比較のため、前記各ガラス板に対して光が未照射のもの
も作製した。
【0100】さらに、このようにして前記本発明に係る
樹脂膜に光照射した2枚のガラス板を用いて、空隙が5
μmである空セルを作製し、この空セルの内部にネマチ
ック液晶である4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル
を充填して液晶充填セルを作製した。そして、このよう
にして作製した各液晶充填セルについて偏光顕微鏡を用
いてこのネマチック液晶の液晶配向を調査したところ、
前記本発明に係る樹脂膜に光が未照射の液晶充填セルは
シュリーレン組織を示して液晶配向が全く形成されてい
ないのに対し、前記本発明に係る樹脂膜に光が照射され
た液晶充填セルではいずれも液晶がホモジニアス配向を
示している状態が観察された。
【0101】(比較例1)前記実施例1〜4において、
三重項増感剤であるミヒラーズケトンを含まないポリ
(p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチル)の溶液をガラ
ス板の上にスピンコート法によって塗布して樹脂膜を形
成し、このようにして形成した樹脂膜に対して前記実施
例1〜4と同様にして、10J/cm2の光量で波長が
365nmの直線偏光を照射し、引き続き、この光照射
した2枚のガラス板を用いて空セルを作製した後、この
空セルに前記4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルを
充填して液晶充填セルを作製した。そして、この液晶充
填セルについて偏光顕微鏡を用いて液晶配向を調査した
ところ、この液晶充填セルはシュリーレン組織を示して
おり、液晶配向が全く形成されていない状態が確認され
た。
【0102】(比較例2)前記比較例1で用いたポリ
(p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチル)に代えて、ポ
リ(メタクリル酸メチル)を用いてミヒラーズケトンを
50質量%含有する溶液をガラス板の上にスピンコート
法により塗布して樹脂膜を形成し、その後、実施例1〜
4と同様にして、この樹脂膜が形成されたガラス板に直
線偏光を照射し、引き続き、この光照射した2枚のガラ
ス板を用いて空セルを作製した。そして、この空セルに
ついて偏光顕微鏡を用いて液晶配向を調査したところ、
シュリーレン組織が観察され、液晶配向が全く形成され
ていない状態が確認された。
【0103】(実施例5〜8)実施例1〜4で調製した
4種類の本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物の溶
液をガラス板の上にスピンコート法により塗布して本発
明に係る液晶光配向樹脂膜を形成し、このようにして形
成した本発明に係る樹脂膜に対して、波長が365nm
の直線偏光を露光のエネルギを変化させて照射した後、
それぞれのガラス板を2枚用いて空セルを作製し、その
後、この空セルに2質量%の二色性色素であるLCD−
118を溶解した前記4−シアノ−4’−ペンチルビフ
ェニルを充填してホストゲスト型の液晶充填セルを作製
した。さらに、二色性色素の二色比を偏光吸収スペクト
ルから求め、液晶の配向度および配向方向を求めた。こ
の結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】表1に示す結果より、本発明に係る液晶配
向用光配向樹脂組成物は、露光エネルギ量が2〜5mJ
/cm2ですでに、直線偏光の偏向軸に対して垂直方向
に液晶配向が生じており、また、露光量が約10mJ/
cm2以上では、液晶配向の方向が平行方向に変化し、
安定な配向となっていることが明らかとなった。
【0106】(実施例9〜12)前記実施例1〜4と同
様に、ポリ(p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチル)
(質量平均分子量(Mw):7.2×104、質量平均
分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):3.2)1質
量部と、三重項増感剤であるミヒラーズケトン1.09
質量部(実施例9)、0.55質量部(実施例10)、
0.27質量部(実施例11)および0.13質量部
(実施例12)をそれぞれモノクロロベンゼンと塩化メ
チレンの1:1(容積比)混合溶媒に溶解して4種類の
5質量%の本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物の
溶液を調製した。これらの本発明に係る液晶配向用光配
向樹脂組成物の溶液を、それぞれ2枚のガラス板の上
に、スピンコート法によって塗布し、膜厚が約30nm
の本発明に係る液晶光配向樹脂膜を形成した。
【0107】その後、この本発明に係る液晶光配向樹脂
膜に出力が150Wの水銀キセノンランプから波長が3
65nmの非偏向の光を取り出し、この非偏向の光を前
記本発明に係る樹脂膜に対して45度の入射方向で10
0mJ/cm2の光量にて照射した。なお、比較のた
め、前記各ガラス板に対して光が未照射のものも作製し
た。
【0108】引き続き、このようにして光照射した本発
明に係る液晶光配向樹脂膜の上に、トリフェニレン骨格
を有するディスコチック液晶(K115℃ND150℃
I)の20%メチルエチルケトン溶液をスピンコート法
で塗布し、液晶膜を形成した。次いで、この液晶膜を相
転移温度近傍の130℃に加熱した後、室温まで急冷
し、この液晶膜のリターデーションを透過型のエリプソ
メータを用いて測定した。この結果を表2にまとめて示
す。
【0109】
【表2】
【0110】表2に示す結果より、本発明に係る液晶光
配向樹脂膜の上に形成されたディスコチック液晶は、光
の入射方向と一致する方向に配向し、その傾斜角は、本
発明に係る液晶光配向樹脂膜との界面、および、空気層
との界面で各々異なるハイブリッド型の配向を形成して
いることが明らかとなった。
【0111】(実施例13)ポリ(p−メタクロイルオ
キシ桂皮酸メチル)(質量平均分子量(Mw):7.2
×104、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n):3.2)1質量部と、三重項増感剤であるミヒラ
ーズケトン0.27質量部をモノクロロベンゼンと塩化
メチレンの1:1(容積比)混合溶媒に溶解し、5質量
%の本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成物の溶液を
調製した。この本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成
物の溶液を、2枚のガラス板の上に、スピンコート法に
よって塗布し、膜厚が約30nmの本発明に係る液晶光
配向樹脂膜を形成した。
【0112】その後、この本発明に係る液晶光配向樹脂
膜に、波長が365nmで、光量が300mJ/cm2
の直線偏光を照射し、続いて、この光照射した液晶光配
向樹脂膜の上に高分子液晶であるポリ{4−メトキシフ
ェニル−4−(3−アクリロイルプロピルオキシ−ベン
ゾエート)}(G30℃N76℃I)の20質量%のト
ルエン溶液をスピンコート法によって塗布して、高分子
液晶膜を形成した。次いで、このようにして作製した試
料をこの高分子液晶の相転移温度近傍まで加熱した後、
この高分子液晶について偏光顕微鏡を用いて観察したと
ころ、ホモジニアス配向となっている状態が観察され
た。
【0113】また、これとは別に、この本発明に係る液
晶光配向樹脂膜に対してフォトマスクを通して、前記波
長が365nm、光量が300mJ/cm2の直線偏光
を照射した後、同様にして、前記ポリ{4−メトキシフ
ェニル−4−(3−アクリロイルプロピルオキシ−ベン
ゾエート)}(G30℃N76℃I)の20質量%のト
ルエン溶液をスピンコート法によって塗布して、高分子
液晶膜を形成し、続いて、この試料をこの高分子液晶の
相転移温度近傍まで加熱し、この高分子液晶について偏
光顕微鏡を用いて観察したところ、明瞭な配向パターン
が観察された。
【0114】(実施例14)前記実施例13と同様にし
て、本発明に係る液晶光配向樹脂膜を形成し、続いてこ
の液晶光配向樹脂膜に波長が365nmの直線偏光を照
射し、その後、このように光照射した液晶光配向樹脂膜
の上に、リオトロピック液晶性を示すダイレクトブルー
67の10質量%水溶液をスピンコート法によって塗布
した。この塗布の過程で、溶媒たる水が蒸発して紫色を
呈する色素膜が得られたが、この色素膜を偏光シート越
しに観察したところ、色素分子が1軸配向していること
が確認された。
【0115】(実施例15)前記実施例1におけるポリ
(p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチル)に代えて、ポ
リ(桂皮酸ビニル)(質量平均分子量(Mw):7.2
×104、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n):2.5)1質量部と、、三重項増感剤であるミヒ
ラーズケトン0.10質量部をそれぞれモノクロロベン
ゼンと塩化メチレンの1:1(容積比)混合溶媒に溶解
し、5質量%の本発明に係る液晶配向用光配向樹脂組成
物の溶液を調製した。
【0116】この液晶配向用光配向樹脂組成物の溶液
を、実施例1と同様にして、2枚のガラス板の上にスピ
ンコート法によって塗布して光照射を行ない、この光照
射した2枚のガラス板を用いて空隙が5μmである空セ
ルを作製し、次いでこの空セルにネマチック液晶である
4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルを充填して液晶
充填セルを作製した後、この液晶充填セルについて偏光
顕微鏡を用いてこのネマチック液晶の液晶配向を調査し
た。その結果、前記ネマチック液晶がホモジニアス配向
を示している状態が観察された。
【0117】
【発明の効果】以上、説明した通りに構成される本発明
によれば、以下の効果を奏する。すなわち、本発明の請
求項1または請求項2に係る液晶配向用光配向樹脂組成
物によれば、三重項増感剤が添加されているので、比較
的長波長の光を用いて配向した樹脂膜を得ることがで
き、この樹脂膜を、液晶を配向させるための液晶配向光
配向膜に適用することができる。
【0118】また、本発明の請求項3〜8に係る液晶光
配向樹脂膜によれば、液晶配向用光配向樹脂組成物に含
まれる三重項増感剤が吸収する直線偏光を照射、あるい
は、非偏向の光を斜め方向から照射することにより、各
種の液晶に好適な配向性を有する樹脂膜が得られる。そ
のため、種々の液晶を配向させることができる液晶光配
向樹脂膜を提供することが可能となる。また、フォトマ
スクを用いて露光すれば、所定の液晶配向パターンを形
成するための配向パターンを有する液晶光配向樹脂膜を
提供することができる。
【0119】さらに、このような特徴を備える本発明の
請求項3に係る液晶光配向樹脂膜を用いて、液晶表示装
置に不可欠な液晶配向膜の生産性を向上させることがで
き、かつ、偏光素子、光学補償フィルム、光導波路、カ
ラーフィルタ等の各種の光学材料、および光学素子を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HB07Y HC05 HC13 HC18 HC20 MA01 MA02 MB12 4J002 BB011 BG041 BG051 CF001 CH001 CK021 EE026 EE056 ES006 GS00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三重項増感剤と、この三重項増感剤が吸
    収する波長を含む光によって光化学反応が誘起される残
    基を備える樹脂とを含んでなる液晶配向用光配向樹脂組
    成物であって、 前記三重項増感剤は、前記樹脂1質量部に対して0.0
    5〜1.5質量部添加されて構成されることを特徴とす
    る液晶配向用光配向樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    光によって光化学反応が誘起される残基を含有する樹脂
    は、下記一般式(1)で表される芳香族不飽和基を含有
    する請求項1に記載の液晶配向用光配向樹脂組成物。 【化1】 前記一般式(1)中、R1はフェニル基、置換フェニル
    基、ナフチル基、チエニル基、フリル基からなる群の中
    から選択されるいずれか1つの芳香族残基であり、R2
    は水素原子またはシアノ基であり、R3は酸素原子また
    はNH基であり、AおよびBのいずれか一方は、樹脂本
    体へ結合するための有機物からなる残基を示す。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の液晶配
    向用光配向樹脂組成物からなる膜に、前記三重項増感剤
    が吸収する波長を含む直線偏光を、垂直方向または斜め
    方向から、または、三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより光学的
    な配向性を付与した液晶光配向樹脂膜。
  4. 【請求項4】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより配向さ
    せる液晶が、ネマチック液晶である請求項3に記載の液
    晶光配向樹脂膜。
  5. 【請求項5】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより配向さ
    せる液晶が、ディスコチック液晶である請求項3に記載
    の液晶光配向樹脂膜。
  6. 【請求項6】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより配向さ
    せる液晶が、リオトロピック液晶である請求項3に記載
    の液晶光配向樹脂膜。
  7. 【請求項7】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより配向さ
    せる液晶が、キラルネマチック液晶である請求項3に記
    載の液晶光配向樹脂膜。
  8. 【請求項8】 前記三重項増感剤が吸収する波長を含む
    非偏向の光を、斜め方向から照射することにより配向さ
    せる液晶が、高分子性液晶である請求項3に記載の液晶
    光配向樹脂膜。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の液晶光配向樹脂膜の上
    に液晶層を設けてなる液晶光配向樹脂膜を用いた液晶光
    学素子。
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