JP2003014928A - 光学異方素子の製造方法、および光学異方素子 - Google Patents

光学異方素子の製造方法、および光学異方素子

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Takeya Sakai
丈也 酒井
Masao Uetsuki
正雄 植月
Yoshihiro Kawatsuki
喜弘 川月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一軸性屈折率楕円体層または/および二軸性屈
折率楕円体層上に形成した感光性の重合体と低分子化合
物の混合体の膜に、紫外線を照射することによって、分
子配向させ位相差とその角度依存性を任意に発現させた
光学異方素子および、その製造法の実現。 【構成】感光性の重合体と低分子化合物の混合体を一軸
性屈折率楕円体層または/および二軸性屈折率楕円体層
上に塗布し製膜する。該膜に、紫外線ランプ、電源ある
いは、自然光を偏光に変換する光学素子(例えばグラン
テーラープリズム)からなる装置を用い、偏光露光する
と、感光性の重合体の側鎖が異方的に光反応し、位相差
が誘起される。この照射を斜め方向から行なうことによ
って、分子配向を任意に傾斜させることができ、その結
果、位相差の角度依存性を所望に設定した光学異方素子
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一軸性屈折率楕円
体層または/および二軸性屈折率楕円体層上に形成した
感光性の重合体ないしは感光性の重合体と低分子化合物
の混合体の膜に、直線偏光性の紫外線(ないしは、完全
偏光成分と非偏光成分が混在する光)を照射する(偏光
露光する)ことによって、位相差とその角度依存性を任
意に発現させた光学異方素子および、その製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、互いに垂直な主軸方
向に振動する直線偏光成分を通過させ、この二成分間に
必要な位相差を与える複屈折を有する光学異方素子であ
る。このような光学異方素子は液晶表示分野にも活用さ
れてきており、特に、光軸がフィルム面に対し傾いた光
学異方素子は光学補償フィルムとして液晶表示装置の視
野角拡大に役立つ光学異方素子となり得る。
【0003】このような光学異方素子を製造する従来技
術が報告されている。例えば、特許登録2640083
号には、ラビング配向膜、SiO斜方蒸着配向膜により
ディスコティック液晶を傾斜配列させた光学異方素子が
記載されている。また、特開平10−332933号で
は、正の複屈折性を有する液晶性高分子をラビング配向
膜、SiO斜方蒸着配向膜上に傾斜配列させたフィルム
と負の複屈折性の層とによって構成される光学異方素子
が記載されている。
【0004】しかしながら、上記のような配向膜を用い
る方法では、配向膜の配向処理工程、液晶材料の塗布工
程、配向工程など製造工程が煩雑となり、大面積の光軸
を傾斜させた光学異方素子の製造費が高くなる。また、
液晶表示装置は設計により光学特性は多種多様である。
このような多種多様な液晶表示装置に、光学異方素子の
光学特性を合わせ、視野角拡大効果を得るには、光学異
方素子自体の配向の傾きを変える必要もあり、配向膜と
液晶材料の表面張力の調節や塗膜条件の変更が必要であ
る。更には、配向膜が液晶表示装置の表示特性に好まし
くない影響を与える場合には、剥離や溶解などの方法に
より該配向膜を除去する必要がある。光軸の傾いた位相
差フィルムを製造する他の方法として、無機誘電体を斜
方蒸着する方法が提案されているが、長尺状シート上に
連続して蒸着膜を形成するには、装置が大掛かりになる
などの課題がある。また、液晶表示装置の視野角拡大効
果を十分に発現するには、このような液晶成分を傾斜配
向させた層と一軸性屈折率楕円体層または/および二軸
性屈折率楕円体層などと組み合わせる必要があり、該両
層を光学的に影響のない接着剤で貼り合わせるため工程
が煩雑になるなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子フィルムの延伸
配向によって作製された光学異方素子は、分子の配向が
延伸方向に限られ光軸を傾斜させることが著しく困難で
ある。一方、配向処理した基材上で液晶性化合物を配列
させる方法や無機誘電体を斜方蒸着する方法では、光軸
を傾斜させた光学異方素子を作製することは可能である
が、低コストで大面積の光軸を傾斜させた光学異方素子
を得ることはできない。更には、液晶表示装置の視野角
拡大効果を十分に発現するには一軸性屈折率楕円体層ま
たは/および二軸性屈折率楕円体層と組み合わせて用い
る場合があり、該層を接着剤などで貼り合わせる必要が
あり工程が煩雑となる。本発明では、簡便な工程で、大
量生産に適する光学異方素子およびその製造法を提供す
る。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明の光学異方素子の製造方
法(による光学異方素子)では、感光性の重合体ないし
は感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜を一軸性
屈折率楕円体層または/および二軸性屈折率楕円体層上
に形成し、偏光露光することによって、光軸を任意に傾
斜させて配向させた光学異方層を一軸性屈折率楕円体層
または/および二軸性屈折率楕円体層上に形成できるの
で、液晶表示装置の視野角拡大に有効な光学異方素子を
簡便な工程で製造する方法を実現する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。本発明に用いられる感光性の重合体は、液晶性高分
子のメソゲン成分として多用されているビフェニル、タ
ーフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなど
の置換基と、桂皮酸基(または、その誘導体基)などの
感光性基を結合した構造を含む側鎖を有し、炭化水素、
アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、シロキサンなどの構造を主鎖に有する
高分子である。該重合体は同一の繰り返し単位からなる
単一重合体または構造の異なる側鎖を有する単位の共重
合体でもよく、あるいは感光性基を含まない側鎖を有す
る単位を共重合させることも可能である。また、混合す
る低分子化合物も、メソゲン成分として多用されている
ビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、ア
ゾベンゼンなどの置換基を有し、該メソゲン成分とアリ
ル、アクリレート、メタクリレート、桂皮酸基(また
は、その誘導体基)などの官能基を、屈曲性成分を介し
てまたは、介さず結合した結晶性または、液晶性を有す
る化合物である。これら低分子化合物を混合する場合、
単一の化合物のみとは限らず複数種の化合物を混合する
ことも可能である。
【0008】該感光性の重合体ないしは感光性の重合体
と低分子化合物の混合体を一軸性屈折率楕円体層または
/および二軸性屈折率楕円体層上に塗布し塗布膜を形成
する。ここで用いられる一軸性屈折率楕円体層または/
および二軸性屈折率楕円体層としては、ポリカーボネー
トやトリアセチルセルロースなどの高分子材料を一軸ま
たは二軸延伸したもの、本発明のような感光性材料に光
照射し複屈折を発現させたものなどが挙げられる。但
し、所望の光学特性を有するものであればこれらに限定
されるものではない。
【0009】図2および図3によって、この種の感光性
の重合体と低分子化合物の混合体を基板上に塗布して形
成した塗布膜20に直線偏光性の光L(矢印mで示す振
動方向を有する)を照射し(また加熱等の配向処理をお
こなった)場合の、塗布膜内に生じる変化を示す(照射
前=図2、照射、配向処理後=図3)。
【0010】塗布膜20は、製膜時には等方性であり、
感光性の重合体の側鎖部(長楕円で示される)および低
分子化合物(円柱で示される)は特定方向を向いていな
い。塗布膜20にある特定方向から直線偏光性の光Lが
照射(偏光露光)する場合の状態を図2に基づいて説明
する。塗布膜20中では、照射光の振動方向mかつ照射
光進行方向に対し垂直方向に対応した向きにある感光性
の高い配置の側鎖2aと、感光性の乏しい配置の側鎖2
bが存在している。また、低分子化合物2cが無秩序に
共存している。この膜を偏光露光すると、照射光の電界
振動方向かつ進行方向に対し垂直方向に対応した向きに
ある配置の側鎖2aの光反応が優先的に進行する。
【0011】図3は、図2の膜20に光照射し反応が進
行した後の膜30を示す。偏光露光後の分子運動によ
り、図3に示すように、光反応を起こさなかった重合体
の側鎖3b(2b)と低分子化合物3c(2c)も光反
応した側鎖3a(2a)と同じ方向に配向する。その結
果、塗布膜全体において、照射した直線偏光の電界振動
方向かつ照射光進行方向に対し垂直方向に重合体の側鎖
と低分子化合物の分子が配向し、複屈折が誘起され光学
異方層となる。この偏光露光を膜面に対して斜め方向か
ら行なうことによって、光軸を任意に傾斜させて配向さ
せることができる。その結果、光軸を所望の方向に設定
した光学異方層が一軸性屈折率楕円体層または/および
二軸性屈折率楕円体層上に形成できる。光反応を進める
には、感光性基の部分が反応し得る波長の光の照射を要
する。この波長は、感光性基の種類によっても異なる
が、一般に200−500nmであり、中でも250−
400nmの有効性が高い場合が多い。
【0012】前述の偏光露光後の分子運動による配向
は、基板を加熱することにより促進される。基板の加熱
温度は、光反応した部分の軟化点より低く、光反応しな
かった側鎖と低分子化合物の軟化点より高いことが望ま
しい。このように偏光露光したのち加熱し未反応側鎖を
配向させた膜または加熱下で偏光露光し配向させた膜を
該高分子の軟化点以下まで冷却すると分子が凍結され、
本発明の配向膜が得られる。低分子化合物が低分子化合
物同士、もしくは該重合体に対して熱および/または光
反応性を有している場合には、配向が強固に固定される
ため耐熱性の向上が期待される。このような場合、再配
向時の分子運動を妨げないよう、露光量を抑えるか反応
性を調整するなどして、光反応点の密度を制御する必要
がある。
【0013】低分子化合物は、適量ならば曇り度を抑制
する効果がある反面、過剰に添加すると曇り度の増加、
配向性の低下を引き起こす。このような観点から、感光
性の重合体または低分子化合物の種類にもよるが、低分
子化合物を0.1wt%〜80wt%添加しても光学異
方素子は製造可能であるが、好ましくは5wt%〜50
wt%であることが望ましい。ここで、感光性の重合体
と低分子化合物の相溶性が十分でない場合には、製膜時
ないしは偏光露光後の基板の加熱によって相分離や可視
光の散乱を誘起しうる大きさの結晶を生成し曇り度の増
加の原因となる。この相分離や微結晶の生成を抑制する
ためには、重合体と低分子化合物の相溶性を調節する必
要がある。この相溶性の尺度としてPolymer E
ngineering and Science,Vo
l.7,No.2,147(1974)に記載されてい
るような蒸発エネルギー(ΔEv)と分子容(V)から
計算式(1)をもって算出される溶解性パラメーター
(σ)を便宜的に利用でき、重合体と低分子化合物の溶
解性パラメーター(σ)の比:zが、0.93<z<
1.06の範囲である場合に相分離や微結晶の生成を効
果的に抑制できることが実験により判明している。 σ=(ΔEv/V)1/2 計算式(1)
【0014】また、曇り度は、膜厚が厚くなり分子配向
が乱れると増加しやすくなる。該曇り度を抑制するに
は、膜厚を薄くすることが有効である。膜厚を薄くする
と位相差の低下に繋がるが、一軸性屈折率楕円体層また
は/および二軸性屈折率楕円層の両面に材料溶液を塗布
し、一層当りの膜厚を薄くすることにより、光学異方素
子全体の位相差を低下させることなく曇り度を抑制でき
る。また、大きな位相差を得る手法として、膜を積層す
る方法が挙げられる。この場合、先に製膜し、偏光露光
した膜上に材料溶液を塗布し積層するが、この先に形成
された膜の破壊を防ぐために、溶解性を下げた溶媒に重
合体および低分子化合物を溶解し用いることが有効であ
る。また、表面の感光性の重合体と低分子化合物の混合
体の膜側および裏面の一軸性屈折率楕円体層または/お
よび二軸性屈折率楕円体層側(もしくは、裏面の感光性
の重合体と低分子化合物の混合体の膜側)からの両側よ
り偏光露光することによって、効率よく位相差を発現さ
せることもできる。用いる一軸性屈折率楕円体層または
/および二軸性屈折率楕円体層は感光性の重合体の反応
しうる波長の光の透過性を有している限りどのような材
料でも良いが、光透過率が高い程、露光量が少なくて済
み、製造工程上有利となる。
【0015】光軸の傾斜した光学異方層と一軸性屈折率
楕円体層または/および二軸性屈折率楕円体層の光学特
性は、該光学異方素子が装着される液晶表示装置の光学
特性によって調節される。光軸の傾斜した光学異方層と
一軸性屈折率楕円体層の配向方向を直交させて配置させ
た場合、各々の位相差を調節することにより、負の複屈
折を有する屈折率楕円体を傾斜配向させたのと同様な光
学特性を有する光学異方素子を調整することもできる。
液晶表示装置の光学補償には、偏光板を含め該装置を構
成する全ての光学系の位相差を考慮し光学異方素子の位
相差を設計する必要がある。
【0016】本発明における原料化合物の例に関する合
成方法を以下に示す。 (単量体1)4,4’−ビフェニルジオールと2−クロ
ロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することによ
り、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェ
ニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,
6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘ
キシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニル
を合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応さ
せ、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−4’−(6−メ
タクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成
した。最後に、塩基性の条件下において、塩化シンナモ
イルを加え、化学式1に示されるメタクリル酸エステル
を合成した。
【化1】
【0017】(重合体1)単量体1をテトラヒドロフラ
ン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブ
チロニトリル)を添加して重合することにより重合体1
を得た。この重合体1は、47−75℃の温度領域にお
いて、液晶性を呈した。
【0018】(低分子化合物1)4,4’−ビフェニル
ジオールと1,6−ジブロモヘキサンを、アルカリ条件
下で反応させ、4,4’−ビス(6−ブロモヘキシルオ
キシ)ビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタク
リレートを反応させ、生成物をカラム精製することによ
り化学式2に示される低分子化合物1を合成した。
【化2】
【0019】
【実施例】図1には、本発明の光学異方素子を直線偏光
性の紫外光を偏光露光することにより作製する場合の製
造方法(装置)の例を示す。但し、本発明の光学異方素
子の製造方法はこれに限定されるものではない。電源1
2によって励起された紫外線ランプ11で発生した無秩
序光16は、光学素子13(例えば、グランテーラープ
リズム)をもって直線偏光性の紫外線17に変換され、
延伸などの方法により作製された一軸性屈折率楕円体の
フィルムまたは/および二軸性屈折率楕円体のフィルム
15上に塗布(コート)された感光性の重合体ないしは
感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜14を照射
する。実施例1および実施例2は、本発明の製造法によ
り、光学異方素子を作製した実施例である。該光学異方
素子の位相差の角度依存性は、偏光子、1/4波長板お
よび検光子を用いたセナルモン法により所定の光学系で
測定試料を回転させながら検光子の消光角を測定するこ
とにより求めた。
【0020】(実施例1) (1)3.75重量%の重合体1および1.25重量%
の低分子化合物1をジクロロエタンに溶解し、面内の位
相差が81nmであるポリカーボネートフィルム上に約
1.5μmの厚さで塗布し製膜した。 (2)製膜したフィルムの製膜面側に、グランテーラー
プリズムを用いて直線偏光に変換した紫外線を電界振動
方向がポリカーボネートフィルムの延伸方向と一致する
ようにし、製膜面法線方向に対して20度傾斜する方向
から100mJ/cm2照射した。 (3)続いて、ポリカーボネートフィルム裏面側から2
00mJ/cm2180度対称に照射した。 (4)照射を終えたフィルム(膜)を100℃に加熱し
た後、室温まで冷却した。 このようにして得られた光学異方素子の位相差は、図4
に示すような角度依存性を有していた。
【0021】(実施例2) (1)3.75重量%の重合体1および1.25重量%
の低分子化合物1をジクロロエタンに溶解し、面内の位
相差が81nmであるポリカーボネートフィルム上に約
1.5μmの厚さで塗布し製膜した。 (2)製膜したフィルムの製膜面側に、グランテーラー
プリズムを用いて直線偏光に変換した紫外線を、電界振
動方向がポリカーボネートフィルムの延伸方向と直交す
るようにし、製膜表面の法線方向に対して20度傾斜す
る方向から100mJ/cm2照射。 (3)続いて、ポリカーボネートフィルム裏面側から2
00mJ/cm2180度対称に照射した。 (4)照射を終えたフィルム(膜)を100℃に加熱し
た後、室温まで冷却した。 このようにして得られた光学異方素子の位相差は、図5
に示すような角度依存性を有していた。
【0022】カシオ製液晶カラーテレビEV−510の
偏光シートを剥がし、図6に示すように、実施例1によ
る光学異方素子(フィルム)61、61’を、液晶セル
62の上下に各1枚貼り合わせ、次いで、偏光シート6
3、63’を上下1枚ずつ貼り合わせた。図において、
a、a’は屈折率楕円体の傾斜方向を示し、b、b’は
ポリカーボネートフィルムの延伸方向を示し、c、c’
は液晶セルのプレチルト方向を示し、d、d’は偏光シ
ートの吸収軸方向を示す。光学異方素子61、61’
は、それぞれ基材61b、61b’に斜め配向層61
a、61a’を積層してなる。このような構成で液晶カ
ラーテレビを駆動し、白表示および黒表示した場合のコ
ントラスト比が5になるところを視野角と定義し、左右
上下方向の視野角特性を測定した。コントラスト比の測
定には、トプコン製BM−5Aを用いた。結果をまとめ
て表1に示す。
【表1】 本発明の光学異方素子およびその製造法では、偏光露光
により位相差を生じた素子に、更に紫外線を照射するこ
とにより未反応の感光性基の光反応を促進させ、素子中
の配向を強固に固定することができる。このような光学
異方素子は、耐熱性、光安定性に優れ実用に充分であっ
た。実施例1、実施例2の光学異方素子ともに、下、
左、右、方向で視野角拡大効果が確認された。
【発明の効果】従来、液晶表示装置において視野角拡大
用の光学異方素子として活用できるような、光軸の傾斜
した光学素子の製造工程には、煩雑な工程が必要であっ
たが、本発明により、一軸性屈折率楕円体層または/お
よび二軸性屈折率楕円体層に塗布した感光性の重合体な
いしは感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜に斜
め方向から偏光露光するという簡便な操作で光学異方素
子の製造が可能となった。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学異方素子の製造方法を示す概念図
【図2】偏光露光により感光した側鎖の模式図
【図3】偏光露光後の分子運動により配列した側鎖の模
式図
【図4】実施例1の光学異方素子の位相差角度依存性
【図5】実施例2の光学異方素子の位相差角度依存性
【図6】視野角特性評価時の光学系
【0024】
【符号の説明】
11・・・紫外線ランプ 12・・・電源 13・・・光学素子(グランテーラープリズム) 14・・・膜(フィルム) 15・・・一軸性屈折率楕円体層または/および二軸性
屈折率楕円体層 16・・・無秩序光 17・・・直線偏光性の紫外線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2H049 BA04 BA06 BA42 BB03 BC01 BC05 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB04 FC08 FC09 LA12 LA19 4F073 AA32 BA18 BB01 CA45 FA03 GA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性の重合体ないしは感光性の重合体
    と低分子化合物の混合体で形成された膜を、一軸性屈折
    率楕円体層または/および二軸性屈折率楕円体層上に形
    成し、光照射することによって、光軸を任意に傾斜、配
    向させた光学異方層を形成することを特徴とする、光学
    異方素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記感光性の重合体ないしは感光性の重
    合体と低分子化合物の混合体で形成された膜に対する光
    照射が、膜の表裏面両方向からなされることを特徴とす
    る、請求項1に記載の光学異方素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記感光性の重合体ないしは感光性の重
    合体と低分子化合物の混合体で形成された膜を加熱、お
    よび/または冷却する工程を含むことを特徴とする、請
    求項1ないし請求項2に記載の光学異方素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記光学異方層を構成する感光性の重合
    体ないしは低分子化合物を架橋する工程を含むことを特
    徴とする、請求項1〜請求項3に記載の光学異方素子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4に記載の製造方法に
    よって製造されたことを特徴とする、光学異方素子。
  6. 【請求項6】 前記感光性の重合体が液晶性を有するこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の光学異方素子。
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