JP3163357B2 - 液晶用チルト配向膜、液晶配向処理方法及び液晶セル - Google Patents

液晶用チルト配向膜、液晶配向処理方法及び液晶セル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶用チルト配向
膜、液晶配向処理方法及び液晶セルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶は光学的に異方性を示すので、その
複屈性や二色性、さらには旋光性を用いることによって
表示あるいは記録などの素子、さらには偏光や光干渉な
どの光学特性に基づくさまざまな光学素子に利用可能で
ある。また、透明電極を設けた2枚の基板の間に液晶を
挟持させて、多数の画素からなる液晶セルを構成し、そ
の液晶層に電圧を印加することによって、液晶配向のス
イッチングに基づく液晶表示装置が実現される。このよ
うな液晶表示装置の光学特性を最適とするためには、液
晶を均一方向に配列、配向させることが不可欠であり、
このために、基板表面を化学的あるいは物理的に処理す
る方法が知られている(J.Cognard, Mol.Cryst.Liq.Cry
st., Spplement 1, p1(1982))。
【0003】たとえば、基板表面に平行、かつ、一方向
に均一に配向した液晶のホモジニアス配向を得るため
に、ポリイミドなどの高分子樹脂膜で基板表面を被覆
し、これを一方向に布などで擦るラビング処理する方法
が知られている。この方法は、液晶セルを構築するうえ
で不可欠な液晶用配向膜の製造に広く用いられている。
【0004】液晶の配向には、基板表面に対して垂直な
面内に含まれる方向(極角方向)での配向である面外配
向と、基板表面に平行な面内での方向(方位方向)での
配向である面内配向とがあり、さらには、両者を兼ね備
えた配向、すなわち、一定の緯度と経度の方向への配向
がある。液晶分子の配向方向と基板表面のなす角度はプ
レチルト角と呼ばれているが、面外配向と面内配向を兼
ね備えた配向の制御はプレチルト角の制御と同じ意味を
持つ。動作モードがツイステッドネマチック(TN)で
あれ、スーパーツイステッドネマチック(STN)であ
れ、高画質の液晶表示装置を製造するためには、このプ
レチルト角を制御して、電圧印加オフの状態において液
晶セル内の液晶配向方向と基板表面とがなす角を0度あ
るいは90度以外の傾き角(本明細書中では、これをチ
ルト角と称し、また、チルト角を有する液晶用配向膜を
液晶用チルト配向膜と称する。)に設定する必要があ
る。さまざまな動作モードに応じて最適チルト角が存在
するとされている。したがって、任意のチルト角を発生
する液晶用チルト配向膜が求められている。
【0005】従来、上記のラビング法は一定の向きにラ
ビング処理を施すことによって、方向が一定に定まった
チルト角を与えることから工業的に用いられている。ラ
ビング法以外にチルト角を発生する方法として、斜方蒸
着法(特開昭56−66826号公報)、基板表面に高
分子単分子膜を設けるラングミュア・ブロジェット法
(特開昭62−195622号公報)が提案されてい
る。
【0006】液晶配向を制御する他の方法として、基板
表面の光化学反応を利用する液晶配向制御法が知られて
いる。この方法は、基板表面に光の作用で異性化反応を
起こす分子を含む分子層あるいは高分子層を設け、その
層に直線偏光の光を照射させることにより配向制御を行
うものである(市村、表面、32,671(1994)
参照)。上記の分子層あるいは高分子層に直線偏光の光
を照射することによって、その分子構造あるいは分子配
向の変化が喚起されて液晶の配向が変化し、かつ、直線
偏光の偏光軸によって規定される方向に液晶を配向させ
ることができ、容易にホモジニアス配向制御が実現され
る(kawanishiら、Polym.Mater.Sci.Eng., 66, p263(19
92))。また、ポリイミドに二色性色素を溶解分散して形
成される皮膜に直線偏光の光を照射して、液晶用配向膜
とする方法も提案されている(Gibbonら、Nature, 351,
p49(1991))。しかし、これらではチルト角は制御されて
いない。
【0007】一方、光二量化反応を起す桂皮酸誘導体
(M.Schadtら、Jpn.J.Appl.Phys.,74,p2071(1992))やク
マリン誘導体(M.Schadtら、Nature,381,p212(1996))を
側鎖に有する高分子膜に直線偏光の光を照射することか
らなる液晶配向処理法法が提案されている。今一つの方
法はポリイミド膜に直線紫外線を照射して液晶用配向膜
とするものである(Hasegawaら、J.Photopolym.Sci.Tec
hnol., 2, p241(1995))。あるいは、高分子膜表面にエ
キシマレーザーを照射して周期的な縞状模様を表面に形
成させる方法も報告されている(特開平2−19621
9号公報など)。
【0008】これらの光照射法はホモジニアス配向を与
えることが良く知られているが、チルト角を与える方法
として、桂皮酸誘導体を側鎖に持つ高分子膜に直線偏光
を斜めから照射する(Y.limura, T.Satoh and S.Kobaya
shi:J.Photopolym.Sci.Technol., 8, p257(1995))、ク
マリン誘導体を側鎖に有する高分子膜に斜めから直線偏
光を照射する(M.Schadtら、Nature, 381,212(1996))、
ポリイミド膜に斜めから偏光レーザー光を照射する(M.H
asegawaら、J.Photopolym.Sci.Technol.,2,p241(1995))
ことが知られている。これらはいずれも直線偏光の光を
用い、これを基板に対して斜め方向から照射するもので
ある。
【0009】ところで、ラビング処理は比較的容易にチ
ルト角を発生しつつホモジニアス配向を与えるが、その
配向方向は一方向に限定されるため、微細、かつ、多軸
の配向状態を与えることは困難、もしくは不可能であ
る。このため、とくに液晶表示装置における視野角依存
性を改善する一方法として提案されている配向分割法
(特開昭62−159119号公報、特開昭63−10
6624号公報)では、一画素を複数に分割して各領域
毎に異なるプレチルト角や液晶配向の方向を設定する
が、これをラビング処理法で行うことは困難であり、生
産性に欠ける。また、他の物理的方法も以下のように生
産性に著しく欠ける。すなわち、斜方蒸着法では真空系
を必要とするし、多軸配向は不可能である。ラングミュ
ア・ブロジェット法では水面展開膜を引き上げることが
不可欠であり、同様に多軸配向はできない。
【0010】これに対して、光の作用によって液晶配向
を制御する方法は、基板の大面積を一括して露光するこ
とによって液晶配向状態を与えるうえに、フォトリソグ
ラフィーの技術を転用することによって多分割画素を与
えることから、原理的に優れた方法である。しかしなが
ら、この方法を液晶用配向膜に応用する上で、以下のよ
うな問題点が存在していた。すなわち、偏光を用いるた
めには一般的に偏光素子を必要とするので有効な光量が
低減するために生産性が低下すること、90度から0度
までの広範囲にわたるプレチルト角を任意に設定できな
いこと、などである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造の際に
偏光素子の使用を必要とせず、生産性に富み、しかも任
意のチルト角に設定できる液晶用チルト配向膜、液晶配
向方法及び液晶セルを提供することをその課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、光異性化反応性の
分子に非偏光の光を照射させた場合、非偏光の光の入射
方向に対して垂直方向に遷移モーメントを有する分子が
選択的に光を吸収して異性化し、その結果、入射方向に
一致する方向に遷移モーメントを持つ分子が優先的に生
成するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明によれば、光異性化反応構成
単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射し
て形成させてなる液晶用チルト配向膜が提供される。ま
た、本発明によれば、光異性化反応構成単位を含み、か
つ、液晶垂直配向を起こす樹脂膜に、非偏光の光を斜め
方向から照射して形成させてなる液晶用チルト配向膜が
提供される。また、本発明によれば、光異性化反応構成
単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射す
ることからなる液晶配向処理方法が提供される。また、
本発明によれば、光異性化反応構成単位を含み、かつ、
液晶垂直配向を起こす樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向
から照射することからなる液晶配向処理方法が提供され
る。さらに、本発明によれば上記のいずれかの液晶用チ
ルト配向膜を形成させた基板と、これと同一あるいは異
なってもよい液晶用配向膜を形成させた基板とを対向配
置し、これらの基板の間に液晶を狭持してなる液晶セル
が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の液晶用チルト配向膜は、光異性化反応構成
単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射し
て形成させてなるものである。本発明において用いる樹
脂膜は、光異性化反応構成単位を含むものであるが、こ
の光異性化反応構成単位としては、N=N結合及びC=
C結合から選ばれた少なくとも一つの二重結合を有し、
光照射によって光幾何異性化反応を起こすものが好適に
用いられる。N=N結合を有する光異性化反応構成単位
としては、アゾベンゼン、アゾピリジン、アゾナフタレ
ンなどが例示される。C=C結合を有する光異性化反応
構成単位としては、スチルベン、スチルバゾール、スチ
ルバゾリウム、カルコン、桂皮酸、シンナミリデン酢酸
などが例示される。
【0015】光異性化反応構成単位を含む樹脂として
は、ビニル重合体、開還重合体、縮合重合体、付加重合
体のいずれでもよい。チルト角は高分子の主鎖構造のみ
ならず、側鎖構造によって顕著な影響を受ける。また、
大きなチルト角を発生させるためには、とくに光照射前
の樹脂膜が液晶垂直配向を起こすものであることが好ま
しい。液晶垂直配向を起こすものであるためには、光異
性化反応構成単位に好適な置換基を導入することが適し
ており、そのための置換基としては、炭素数が1から8
までの直鎖アルキル基、炭素数が1から8までの直鎖ア
ルケニル基、炭素数が1から8までの直鎖アルコキシ
基、炭素数が1から8までの直鎖アルケニルオキシ基、
シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フルオロ基、
トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基などが
挙げられる。
【0016】上記の樹脂からなる膜を設けるために必要
な本発明に用いられる基板としては、これらの樹脂が塗
布されるものであればよく、透明、不透明を問わない
が、液晶セルを構成する2枚の基板のうちの少なくとも
一方は透明であることが必要である。透明な基板として
は、シリカガラス、硬質ガラス、石英、各種プラスチッ
クなどのシートあるいはそれらの表面に、酸化珪素、酸
化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪
素、炭化珪素などを被覆したものが用いられる。不透明
な基板としては、金属あるいはガラスやプラスチックシ
ートなどの表面に金属層や金属酸化物層を付着させたも
のが用いられる。
【0017】本発明の液晶用チルト配向膜は、上記樹脂
膜に光照射を施して形成されたものであるが、ここで、
光異性化反応性単位を持つ樹脂膜に対する光照射につい
て説明する。上記樹脂の溶液を基板上に回転塗布、流延
塗布、スクリーン印刷などの塗布法によって薄膜とす
る。樹脂膜の膜厚は5nmから1000nmの範囲、よ
り好ましくは10nmから500nmの範囲である。液
晶の配向は樹脂膜の表面層における光異性化残基の配向
によって主として規制されるので、上記範囲より膜厚が
大きくても液晶チルト配向を制御するためには意味がな
い。
【0018】液晶の均一チルト配向を得るために、光異
性化能を有し、かつ、垂直配向を示す樹脂膜に非偏光の
光を膜面に対して斜め方向から照射する。光源として
は、超高圧水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、水銀・キセノ
ン灯などを用いることができる。光源からの光を、樹脂
膜に、樹脂膜表面に対する垂線からある角度をなす方向
から入射させる。垂線と入射方向のなす角度は5度から
60度、より好ましくは10度から45度である。単位
面積当たりの照射エネルギー量は樹脂の特性、照射波長
などに大きく依存するが、10mJ/cm2から10J
/cm2程度、より好ましくは50mJ/cm2から2J
/cm2の範囲である。
【0019】このようにして発生するチルト角は室温で
は安定であるが、さらに加熱状態あるいは光照射状態に
おいてもチルト角に変化が生じないようにするために
は、熱硬化剤や光硬化剤を併用すればよい。たとえば、
アジド基を2つ有する光架橋剤を樹脂に溶解し、436
nmの光を斜め照射した後に光架橋のための紫外線で垂
直方向から照射することによって架橋構造を形成する。
これによってチルト角の安定化を実現することができ
る。
【0020】本発明によれば、上記の液晶用チルト配向
膜を有する基板を用いて液晶セルを構成することができ
る。この場合、基板としてはITOなどの透明電極を設
けた基板を用い、その基板表面に上記樹脂の膜を形成し
た後、上記の光照射処理を施す。以下、この液晶用チル
ト配向膜付き基板を用いて公知の方法により液晶セルを
作成することができる。液晶セルの表示動作モードはT
Nでもよいし、STNでもよい。大きなチルト角を有す
る液晶用チルト配向膜を形成した基板は、垂直配向(ve
rtically aligned)型の液晶セルを作成するために好適
に用いることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の液晶用チルト配向膜及び液晶配
向処理方法は、通常の光源からの光によって調製するも
のであるため、製造に偏光素子を必要とせず、光量を減
じることなく露光操作が可能であり、生産性に富んでい
る。また、本発明の液晶用チルト配向膜は、樹脂構造の
選択によって任意のチルト角を設定でき、これを利用し
た液晶セルは多様な液晶表示装置に用いることができ
る。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0023】実施例1 1−ヒドロキシ−4′−フルオロアゾベンゼンと炭酸エ
チレンから得られた1−(2−ヒドロキシエチル)−
4′−フルオロアゾベンゼンを、メタクリル酸クロリド
によってトリエチルアミンの存在下でエステル化し、1
−(2−メタクロイルオキシエチル)−4′−フルオロ
アゾベンゼンを得た。このモノマーをテトラヒドロフラ
ン中でアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として
重合させ、重量平均分子量1.1×105のポリ(1−
(2−メタクロイルオキシエチル)−4−フルオロアゾ
ベンゼン)を得た。熱分析の結果、このホモポリマーの
ガラス転移温度は98度であった。次に、このホモポリ
マーをトルエンに溶解し、その溶液をガラス板の上にス
ピン塗布して薄膜を形成した。この薄膜がネマチック液
晶(NPC−02)に対して垂直配向性を示すことを確
認した。次に、この薄膜を100度まで加熱した後に室
温に戻した後、超高圧水銀灯から取り出した。そして、
この薄膜に、波長436nmの光を、単位面積当たりの
照射エネルギー量5J/cm2で、膜面に対して垂直方
向から20度をなす角度で照射して、本発明による液晶
用配向膜付き基板を得た。上記のようにして得た2枚の
液晶用配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを作
成した。また、上記において、単位面積当たりの照射エ
ネルギー量を変えて、同様にしてネマチック液晶セルを
作成した。上記で作成した各ネマチック液晶セルについ
て、クリスタルローテーション法によってチルト角を求
めた。その結果、照射エネルギー量がそれぞれ5J/c
2、10J/cm2、20J/cm2のときに、チルト
角はそれぞれ80度、75度、70度であった。また、
上記において、入射角度を変えて、同様にして液晶用配
向膜付き基板を得てこれらを用いてネマチック液晶セル
を作成し、チルト角を求めた。その結果、入射角度を膜
面に対して垂直方向から35度、45度をなす角度にそ
れぞれ変えたときには、単位面積当たりの照射エネルギ
ー量10J/cm2でチルト角はそれぞれ60度、57
度であった。
【0024】実施例2 実施例1において、波長365nmの光を単位面積当た
りの照射エネルギー量0.3J/cm2、膜面に垂直な
方向から20度をなす入射角度で照射した以外は同様に
して得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いて、同様に
ネマチック液晶セルを作成し、チルト角を測定したとこ
ろ、7度であった。
【0025】実施例3 1−ヒドロキシ−4′−シクロヘキシルアゾベンゼンと
炭酸エチレンから得られた1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4′−シクロヘキシルアゾベンゼンを、メタクリ
ル酸クロリドによってトリエチルアミンの存在下でエス
テル化し、1−(2−メタクロイルオキシエチル)−
4′−シクロヘキシルアゾベンゼンを得た。このモノマ
ーをテトラヒドロフラン中でアゾビスイソブチロニトリ
ルを重合開始剤として重合させ、重量平均分子量3.1
×105のポリ(1−(2−メタクロイルオキシエチ
ル)−4′−シクロヘキシルアゾベンゼン)を得た。熱
分析の結果、このホモポリマーのガラス転移温度は49
度であった。このホモポリマーをトルエンに溶解し、そ
の溶液をガラス板の上にスピン塗布して薄膜を形成し
た。この薄膜がネマチック液晶(NPC−02)に対し
て垂直配向性を示すことを確認した。次に、この薄膜を
100度まで加熱した後に室温に戻した後、超高圧水銀
灯から取り出した。そしてこの薄膜に、波長436nm
の光を、単位面積当たりの照射エネルギー10J/cm
2で、膜面に対して垂直方向から20度をなす角度で照
射して、本発明による液晶用配向膜付き基板を得た。上
記のようにして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用い
てネマチック液晶セルを作成した。このネマチック液晶
セルについて、クリスタルローテーション法によってチ
ルト角を求めた。その結果、チルト角は72度であっ
た。また、上記において、入射角度を35度に変えて、
同様にして液晶用配向膜付き基板を得てこれらを用いて
ネマチック液晶セルを作成し、チルト角を求めた。その
結果、チルト角は67度であった。
【0026】実施例4 実施例3において、波長365nmの光を単位面積当た
りの照射エネルギー量0.5J/cm2、膜面に垂直な
方向から20度をなす入射角度で照射した以外は同様に
して得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いて、同様に
ネマチック液晶セルを作成し、チルト角を測定したとこ
ろ、1.1度であった。
【0027】実施例5 重量平均分子量1.7×105のポリ(1−(2−メタ
クロイルオキシエチル)アゾベンゼン)を同様にラジカ
ル重合によって合成した。熱分析の結果、このホモポリ
マーのガラス転移温度は88度であった。このホモポリ
マーをトルエンに溶解し、その溶液をガラス板の上にス
ピン塗布して薄膜を形成した。この薄膜がネマチック液
晶(NPC−02)に対して垂直配向性を示すことを確
認した。次に、この薄膜を100度まで加熱した後に室
温に戻した後、超高圧水銀灯から取り出した。そして、
この薄膜に、波長436nmの光を、単位面積当たりの
照射エネルギー量0.3J/cm2で、膜面に対して垂
直方向から20度をなす角度で照射して、本発明による
液晶用配向膜付き基板を得た。このようにして得た2枚
の液晶用配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを
作成し、クリスタルローテーション法によってチルト角
を求めた。その結果、チルト角は83.4度であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−284421(JP,A) 特開 平2−55330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1337 520

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光異性化反応構成単位を含み、かつ、液
    晶垂直配向を起こす樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向か
    ら直接照射して形成させてなる液晶用チルト配向膜。
  2. 【請求項2】 光異性化反応構成単位が、N=N結合及
    びC=C結合から選ばれた少なくとも一つの二重結合を
    有し光幾何異性化反応を示すものであり、かつ、液晶垂
    直配向を起こすものである請求項1に記載の液晶用チル
    ト配向膜。
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