JP2006085099A - 配向膜の配向処理方法、配向膜の形成方法および光学補償板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームを、マルチモード光ファイバーを介して単一方向から照射する。
【選択図】 図1
Description
(1)支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームを、マルチモード光ファイバーを介して単一方向から照射することを特徴とする配向膜の配向処理方法。
(2)支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射され、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをレンズにより合波したレーザービームを、マルチモード光ファイバーを介して配向膜を塗布した支持体に対して単一の斜め方向から照射することを特徴とする配向膜の配向処理方法。
(3)前記、複数の半導体レーザーおよび合波光学系が組み合わされたマルチモード光ファイバーが複数、少なくとも出射端部において1次元アレイ状に配設され、配向膜を塗布した支持体に対して単一の斜め方向からレーザービームを照射することを特徴とする(2)に記載の配向膜の配向処理方法。
(4)半導体レーザーの出射光の波長が350nmから450nmである(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の配向膜の配向処理方法。
(6)非偏光レーザーが複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームである(5)に記載の配向膜の形成方法。
(8)支持体上に光学異方性層を有する光学補償板の製造方法において、支持体上に配向膜を塗布する工程、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射され、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをレンズにより合波した光をマルチモード光ファイバーを介して支持体に対して単一の斜め方向から配向膜に照射する工程、少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子を含む液晶組成物を配向膜上に塗布する工程、そして重合性基を有する液晶分子を重合させて配向を固定化する工程をこの順序で実施することを特徴とする光学補償板の製造方法。
(9)少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子が少なくとも一つの重合性基を有する棒状液晶分子である(7)または(8)に記載の光学補償板の製造方法。
(10)少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子が少なくとも一つの重合性基を有するディスコティック液晶分子である(7)または(8)に記載の光学補償板の製造方法。
他方、本発明の光学補償板の利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができ、表示ムラのない高品位の画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。
支持体としては、これらの配向膜が塗布されるものであればよく、透明、不透明を問わないが、透明であることが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明な支持体としては、シリカガラス、硬質ガラス、石英、各種ポリマーフイルムあるいはそれらの表面に、酸化珪素、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪素、炭化珪素などを被覆したものが用いられる。不透明な基板としては、金属あるいはガラスやプラスチック板などの表面に金属層や金属酸化物層を付着させたものが用いられる。
配向膜は、感光性を有する(感光性配向膜である)ことが好ましい。
感光性配向膜は、感光性化合物または感光性ポリマーを用いて形成することができる。
感光性化合物は、フォトクロミック化合物であることが好ましい。フォトクロミック化合物は、光の作用で化学構造に変化が生じ、それにより光に対する挙動(例えば色調)も変化する化合物である。一般に、それらの変化は可逆的である。
感光性配向膜について従来提案された感光性化合物には、アゾベンゼン(K. Ichimura et al., Langmuir, vol. 4, page 1214 (1988);K. Aoki et al., Langmuir, vol. 8, page 1007 (1992);Y. Suzuki et al., Langmuir, vol. 8, page 2601 (1992);K. Ichimura et al., Appl. Phys. Lett., vol. 63, No. 4, page 449 (1993);N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 3298 (1993) ;N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 857 (1993))、アゾナフタレン、アゾピリジン、ヒドラゾノ−β−ケトエステル(S. Yamamura et al., Liquid Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))、スチルベン(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、10号、771頁(1990))、スチルバゾール、スチルバゾリウム、カルコン、桂皮酸、シンナミリデン酢酸およびスピロピラン化合物(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (1992) ;K. Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 235, page 101 (1993) )が含まれる。
(1)C=C、C=NまたはN=Nからなる二重結合構造
(2)上記(1)の結合の両側に(直結しなくてもよく)存在する環状構造
(3)任意の(1)と(2)との間の連結基
(4)任意の(1)の炭素原子の置換基
(5)任意の(2)の環状構造の置換基
上記(1)の二重結合構造は、シス型よりもトランス型が好ましい。二重結合構造は、分子内に二つ以上存在していてもよい。複数の二重結合構造は、共役の関係にあることが好ましい。また、二つの二重結合構造の間に一つの環状構造が存在してもよい。言い換えると、環状構造−二重結合構造−環状構造−二重結合構造−環状構造の構成になっていてもよい。
上記(2)の環状構造の例には、ベンゼン環、ナフタレン環および含窒素複素環(例、ピリジニウム環、ベンゾピリジニウム環)が含まれる。含窒素複素環の場合、環を構成する(窒素原子ではなく)炭素原子が(1)の二重結合構造の炭素原子または窒素原子と結合することが好ましい。ベンゼン環が特に好ましい。
上記(4)の置換基の例には、アリール基(例、フェニル)およびシアノが含まれる。ただし、(4)の置換基がなく、二重結合構造に含まれる炭素原子が、(2)との結合以外は無置換(−CH=CH−または−CH=N−)であることが好ましい。
上記(5)の置換基の例には、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、アルコキシ基(例、メトキシ、ヘキシルオキシ)、シアノ、アルキル基(例、ブチル、ヘキシル)およびアルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ)を挙げることができる。カルボキシルおよびスルホは、プロトンが解離していても、対イオン(例、アルカリ金属イオン)と共に塩の状態になっていてもよい。(2)の環状構造がベンゼン環の場合、パラ位に置換基が結合することが好ましい。なお、後述するように、感光性化合物をポリマーに化学的結合させて使用する場合は、ポリマーに化学的結合させるための官能基を、(5)の置換基として感光性化合物に導入する。
支持体がガラス板である場合は、(c)または(d)の手段を用いて、感光性化合物をガラス板に吸着または結合させることができる。一方、ポリマーフイルムを支持体として用いる場合は、(a)または(b)の手段を用いることが好ましい。支持体は、ガラス板よりもポリマーフイルムが好ましいため、(c)または(d)の手段よりも、(a)または(b)の手段の方が好ましい。感光性化合物を安定に固定するため、(b)の手段を用いることが特に好ましい。
(b)の手段における、感光性化合物とポリマーとの反応は、ポリマーの種類(特に官能基の種類)に応じて決定する。ポリビニルアルコールのような水酸基を有するポリマーの場合は、酸ハライドと水酸基との反応を利用して、感光性化合物をポリマーと結合させることができる。具体的には、ハロゲン化アシル基(−COX、Xはハロゲン)を、感光性化合物に置換基として導入し、ハロゲン化アシル基とポリマーの水酸基との反応(Ph−COX+HO−Pl→Ph−CO−O−Pl+HX、Phは感光性化合物、Plはポリマーの主鎖)により化学的に結合させる。
感光性配向膜は、光異性化ポリマー(感光性化合物を結合させたポリマー)または光二量化ポリマーから形成することが特に好ましい。
感光性化合物または感光性ポリマーを含む膜は、適当な溶媒を用いた溶液または分散液の塗布により、透明支持体上に形成することができる。
塗布液は、公知の方法(例、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により支持体上に塗布した後、乾燥する。
配向膜の厚さは、0.01乃至2μmが好ましく、0.01乃至0.1μmがさらに好ましい。
配向膜にレーザーを単一方向から照射することで、配向膜に配向方向を付与する。
レーザーは、非偏光であることが好ましい。非偏光レーザーは、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームであることが好ましい。レーザーは斜めに照射することが好ましい。
単一方向とは、膜平面(光の方向を膜平面に投影した向き)において単一の方向であることを意味する。
支持体上に光学異方性層を有する光学補償板は、上記のように1)支持体上に配向膜を塗布し、2)複数の半導体レーザーからそれぞれ出射され、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをレンズにより合波した光を、マルチモード光ファイバーを介して支持体に対して斜め方向から配向膜に照射する工程を経て、3)少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子を含む液晶組成物の塗布液を配向膜上に塗布する工程、そして4)重合性基を有する液晶分子を重合させて配向を固定化する工程をこの順序で実施することにより製造できる。
本発明で用いる光学異方性層形成のための液晶組成物としては、少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子は、求める光学補償板の特性に応じて棒状液晶分子、およびディスコティック液晶分子のいずれを選択してもよい。また、該液晶組成物は二種以上の少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子の混合物でもよい。また、非重合性液晶化合物との混合物でもよい。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、重合性基であり、L1、L2、L3およびL4はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表すが、L2およびL3の少なくとも一方は、−O−CO−O−を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサー基を表す。Mはメソゲン基を表す。
一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5)n−W2−
式中、W1およびW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基または二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合または連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、および−O−CH2−が挙げられる。nは1、2または3を表す。
るものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号
公報に記載の方法で合成することができる。
一般式(III): D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
該液晶組成物に関しては、前述の少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子以外に、必要に応じて適切な任意の添加剤を併用することができる。添加剤の例としては、水平配向剤、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。加える添加剤の量は組成物の液晶性を損なわない範囲なら特に限定されないが、その総量が構成成分の30質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。以下、各添加剤について説明する。
水平配向剤とは、光学異方性層を構成する液晶が棒状液晶の場合、該棒状液晶の分子長軸と支持体の水平面を平行、あるいはほぼ平行にする添加剤を指し、光学異方性層を構成する液晶がディスコティック液晶の場合、該ディスコティック液晶化合物のメソゲンコアとなる円盤面と支持体の水平面を平行、あるいはほぼ平行にする添加剤を指す。本明細書では、水平配向とは水平面とのなす角が10度未満であることを指し、その角は0度から5度が好ましく、0度から3度がより好ましい。トリアジンやトリフェニレン骨格を有する円盤状化合物が具体的な好ましい例として挙げられる。
ディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時の風ムラを防止するための材料としては、一般にフッ素系ポリマーを好適に用いることができる。使用するフッ素系ポリマーとしては、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。風ムラ防止剤として使用可能なフッ素ポリマーの例としては、特開2004−198511号公報(段落番号[0049]〜[0057]{[化20]〜[化28]}に記載の化合物)、特願2003−129354号明細書、特願2003−394998号明細書、特願2004−12139号明細書に記載がある。ディスコティック液晶性化合物とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。液晶性化合物の配向を阻害しないように、風ムラ防止目的で使用されるフッ素系ポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜2質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜1質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.4〜1質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
重合開始剤には、熱重合開始剤と光重合開始剤等が含まれるが、光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号明細書、米国特許第2367670号明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号明細書、米国特許第2951758号明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至5質量%であることがさらに好ましい。
液晶性化合物とともに重合性モノマーを使用してもよい。本発明に使用可能な重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため特に好ましい。
本発明の組成物は、塗布液として調製してもよい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の配向膜表面への塗布は、公知の方法(例えば、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
液晶組成物が液晶を呈する温度付近において重合を施し、液晶組成物の配向を固定化することにより安定な光学異方性層を構築して光学補償板を製造することができる。液晶性分子の重合には、熱あるいは電磁波による公知の種々の架橋法が採用できるが、紫外光による光重合開始剤を用いるラジカル重合が特に好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方性層の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。
本発明の光学補償板は、偏光膜と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償板を利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
本発明の光学補償板と偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償板を利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
Re(λ)は、KOBRA・21ADH(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフイルム法線方向に入射させて測定する。Rth(λ)は、前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA・21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフイルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜角(回転軸)としてフイルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA・21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(John Wiley & Sons, Inc)、各種光学フイルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フイルムの平均屈折率の値を以下に例示する。
セルロースアシレート: 1.48
シクロオレフィンポリマー:1.52
ポリカーボネート: 1.59
ポリメチルメタクリレート:1.49
ポリスチレン: 1.59
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA・21ADHはnx、ny、nzを算出する。
化合物1(特開2004−83810号公報に記載の方法により合成した)の1%ジメチルホルムアミド溶液を配向膜塗布液として、20mm×25mmの透明電極(ITO)付ガラス支持体上にスピンコート(5000rpmにて20秒間)により配向膜を形成して試料を作成した。得られた試料をその配向層側を上にしてステージ上に設置した。図1に示すように、放熱ブロック(10)上に配列固定された7つのGaN系半導体レーザー(LD1〜LD7)からそれぞれ出射されたレーザービーム(レーザービーム波長;406nm)を、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズ(11から17)で平行光化し、一つの合波レンズ(20)によりマルチモード光ファイバー(30)に収束させ、出射端部に配置した円筒レンズへと導き、配向膜を塗布した支持体に対して垂直方向から45度の角度をなす方向から照射した。このとき、単位面積あたりの照射エネルギーが均一に5J/cm2になるようにステージを走査し、光照射を行った。
また、上記において、支持体に対して垂直方向から30度の角度をなす方向にレーザービームの入射角度を変えて、同様にしてネマティック液晶セルを作成し、チルト角を求めた。その結果、チルト角は28度に変化し、傾斜角度により液晶のプレチルト角を変化させることができることを確認した。
化合物2(アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として4−シアノ−4’−メタクリロイルオキシアゾベンゼンを重合反応させて得た)の1%シクロヘキサノン溶液を配向膜塗布液とし、配向膜を塗布した支持体に対して垂直方向から45度の角度をなす方向からレーザービームを照射し、あとは実施例1と同様にして得た2枚の配向膜付き基板を用いてネマティック液晶セルを作成し、そのチルト角を測定したところ、52度であった。
化合物3(特開2000−226448号公報、及びLiquid Crystals誌、第31巻、233頁(1975年)に記載の方法に準じて合成した)の1%シクロヘキサノン溶液を配向膜塗布液とし、配向膜を塗布した支持体に対して垂直方向から45度の角度をなす方向からレーザービームを照射し、あとは実施例1と同様にして得た2枚の配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを作成し、そのチルト角を測定したところ、57度であった。
上記実施例1で示した化合物1の1%ジメチルホルムアミド溶液を配向膜塗布液として、100mm×100mmのガラス支持体上にスピンコート(5000rpmにて20秒間)により配向膜を形成した試料を作成した。上記で得られた試料をその配向層側を上にしてステージ上に設置し、後は実施例1と同様な方法により配向処理を施した。
次に、下記に示す組成の光学異方性層塗布液を、ワイヤーバーコーターを用いて塗布し、上記塗布層を膜面温度120℃で加熱熟成した後、約20秒間で80℃まで冷却した。次いで、同温度を保持したまま0.4J/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.5μmであった。以上の如く光学異方性層を形成し光学補償板を作製した。その光学特性をKOBRA・21ADH(王子計測機器製)により測定した結果、正面レターデーションであるRe(589nm)が64nm、厚み方向のレターデーションであるRth(589nm)が111nmであった。
光学異方性層塗布液
────────────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性化合物(4) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
3.3質量部
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
────────────────────────────────────────
上記実施例1で示した化合物2の1%シクロヘキサノン溶液を配向膜塗布液とし、100mm×100mmのトリアセチルセルロース支持体上にワイヤーバーコーターを用いて配向膜を形成した以外は実施例4と同様にして光学補償板を作成した。その光学特性をKOBRA・21ADH(王子計測機器製)により測定した結果、正面レターデーションであるRe(589nm)が29nm、厚み方向のレターデーションであるRth(589nm)が132nmであった。
化合物2の1%シクロヘキサノン溶液を配向膜塗布液とし、100mm×100mmのノルボルネン系支持体上にワイヤーバーコーターを用いて配向膜を形成した以外は実施例4と同様にして光学補償板を作成した。その光学特性をKOBRA・21ADH(王子計測機器製)により測定した結果、正面レターデーションであるRe(589nm)が27nm、厚み方向のレターデーションであるRth(589nm)が151nmであった。
上記実施例1で示した化合物1の1%ジメチルホルムアミド溶液を配向膜塗布液として、100mm×100mmのガラス支持体上にスピンコート(5000rpmにて20秒間)により配向膜を形成した試料を作成した。上記で得られた試料をその配向層側を上にしてステージ上に設置し、後は実施例1と同様な方法により配向処理を施した。
次に、下記に示す組成の光学異方性層塗布液をワイヤーバーコーターを用いて塗布し、上記塗布層を膜面温度100℃で加熱熟成した後、約20秒間で75℃まで冷却した。次いで、同温度を保持したまま0.4J/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.8μmであった。得られた試料の偏光顕微鏡観察により、該試料は一軸配向していることを確認した。
光学異方性層塗布液
────────────────────────────────────────
下記の棒状液晶性化合物(5) 100質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
3.3質量部
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
下記の水平配向剤(6) 0.3質量部
メチルエチルケトン 300質量部
────────────────────────────────────────
また、本発明の光学補償板は前述の各種モードで駆動される液晶セルと組み合わせて液晶表示装置に適用できる。
2 支持体
3 光配向膜
4 円筒レンズ
9 サブマウント
10 ヒートブロック
11〜17 コリメーターレンズ
20 合波レンズ
30 マルチモード光ファイバー
30a マルチモード光ファイバーのコア
LD1〜7 GaN系半導体レーザー
B1〜7 レーザービーム
A 支持体に対して垂直方向から角度(入射角)
B 合波されたレーザービーム
Claims (10)
- 支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームを、マルチモード光ファイバーを介して単一方向から照射することを特徴とする配向膜の配向処理方法。
- 支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射され、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをレンズにより合波したレーザービームを、マルチモード光ファイバーを介して配向膜を塗布した支持体に対して単一の斜め方向から照射することを特徴とする配向膜の配向処理方法。
- 前記、複数の半導体レーザーおよび合波光学系が組み合わされたマルチモード光ファイバーが複数、少なくとも出射端部において1次元アレイ状に配設され、配向膜を塗布した支持体に対して単一の斜め方向からレーザービームを照射することを特徴とする請求項2に記載の配向膜の配向処理方法。
- 半導体レーザーの出射光の波長が350nmから450nmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配向膜の配向処理方法。
- 支持体上に感光性配向膜を設ける工程、そして、感光性配向膜に非偏光レーザーを単一の斜め方向から照射して、配向膜に配向方向を付与する工程からなる配向膜の形成方法。
- 非偏光レーザーが複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームである請求項5に記載の配向膜の形成方法。
- 支持体上に光学異方性層を有する光学補償板の製造方法において、支持体上に配向膜を塗布する工程、支持体上に塗布した配向膜の配向処理において、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射された複数のレーザービームを合波したレーザービームを単一方向から照射する工程、少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子を含む液晶組成物を配向膜上に塗布する工程、そして重合性基を有する液晶分子を重合させて配向を固定化する工程をこの順序で実施することを特徴とする光学補償板の製造方法。
- 支持体上に光学異方性層を有する光学補償板の製造方法において、支持体上に配向膜を塗布する工程、複数の半導体レーザーからそれぞれ出射され、それぞれの半導体レーザー毎に設けられたコリメーターレンズで平行光化された複数のレーザービームをレンズにより合波した光をマルチモード光ファイバーを介して支持体に対して単一の斜め方向から配向膜に照射する工程、少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子を含む液晶組成物を配向膜上に塗布する工程、そして重合性基を有する液晶分子を重合させて配向を固定化する工程をこの順序で実施することを特徴とする光学補償板の製造方法。
- 少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子が少なくとも一つの重合性基を有する棒状液晶分子である請求項7または8に記載の光学補償板の製造方法。
- 少なくとも一つの重合性基を有する液晶分子が少なくとも一つの重合性基を有するディスコティック液晶分子である請求項7または8に記載の光学補償板の製造方法。
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