JP2008175916A - 多重潜像素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、鮮明な偏光性の多重潜像素子を簡便な製造方法で提供する。
【解決手段】複屈折誘起材料の光照射物で形成された素子であって、(i)前記複屈折誘起材料は、感光性基を有する高分子で構成され、(ii)前記光照射物は、電界振動方向の異なる直線偏光性の照射線がそれぞれ露光用マスクを介して多重照射された照射物であり、かつ(iii)偏光性の多重潜像を有する単層の素子。
【選択図】図5

Description

本発明は、偽造防止シートや偽造防止シールに利用することができる偏光性の多重潜像を有する素子(以下、単に多重潜像素子と称する場合がある)およびその製造方法に関する。
カラーコピー機などの技術進歩に伴い、偽札などの偽造が深刻な社会問題となっている。そこで、単なる目視では画像を視認できないが、所定の動作や処理を行うことにより画像が可視化する潜像技術は、このような偽造を防止するために重要な役割を果たしている。
例えば、潜像の製造方法としては、熱により発色する感熱発色インキを用いる方法、紫外線の照射により発色するフォトクロミックインキを用いる方法、磁性インキを用いる方法、赤外光を吸収するインキを用いる方法などが提案されている。しかしながら、これらの方法により形成された潜像には、耐久性が低い、繰り返し表示が困難、情報の書き換えが可能、真偽判定に特定の検出装置が必要になるなどのさまざまな問題点があった。
このような問題点を解決するために、偏光板を介して潜像を検出する方法が提案されている。特開平8−43804号公報(特許文献1)には、直線偏光をパターン状に照射した配向層の上に、架橋性の液晶化合物を積層して得られた層状構造体が開示されている。この層状構造体では、直線偏光により光配向した配向層のパターンに基づいて、高分子液晶層が配向してレタデーションパターンを形成する。そしてこのレタデーションパターンが、偏光板を介して潜像として認識される。
特開2006−139178号公報(特許文献2)には、第1の配向層と、第1の配向層の上に積層された第2の配向層と、第2の配向層の上に積層された高分子液晶層とを含む積層複合体が開示されている。この積層複合体は、第1配向層に対して一定方向の偏光を照射して配向させた後に第2の配向層を積層し、ついで、第2の配向層に対して第1の偏光とは異なる角度の偏光を照射して配向させた後に高分子液晶層を積層することにより製造される。
特開平8−43804号公報 特開2006−139178号公報
しかし、特許文献1には多重の潜像について何ら記載されていない。また、特許文献2には多重の潜像を形成する記載があるものの、配向層の上に液晶化合物層を積層するため、鮮明な多重潜像を形成できない。さらに、特許文献2の製造方法では、配向層と液晶層とを組み合わせるため、多重潜像を形成する際、いわゆる「毛抜き合わせ」(隣り合うパターンが重ならないように、且つ、隙間ができないように位置を合わせること)で露光する必要があるだけでなく、照射領域毎に液晶層の膜厚を変える必要があるため、非常に煩雑な工程が要求される。
従って、本発明の目的は、鮮明な偏光性の多重潜像を有する素子を提供することである。
本発明の他の目的は、簡便な方法によって工業的に有利に生産できる多重潜像素子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意研究を行った結果、複屈折誘起材料を基材上に塗布した後、電界振動方向の異なる直線偏光性の照射線を露光マスクを介して多重照射すると、複屈折誘起材料の配向を誘起して多重潜像を形成できること、そのような潜像は、偏光板を介して真偽判定が可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の多重潜像素子は、複屈折誘起材料の光照射物で形成された素子であって、(i)前記複屈折誘起材料は、感光性基を有する高分子で構成され、(ii)前記光照射物は、電界振動方向の異なる直線偏光性の照射線がそれぞれ露光用マスクを介して多重照射された照射物であり、かつ(iii)偏光性の多重潜像を有する単層の素子である。
前記光照射物は、例えば、2つの電界振動方向からの直線偏光性の照射線を照射された照射物であってもよく、第1の照射線からの照射量をIr1、第2の照射線からの照射量をIr2、第1の照射線の電界振動方向を0°、第1の照射線の電界振動方向と第2の照射線の電界振動方向との成す角度をα°とするとき、このような照射物には、例えば、−5°<n°<5°の複屈折誘起方向を有する第1の照射領域と、(α−5)°<n°<(α+5)°の複屈折誘起方向を有する第2の照射領域と、{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−5}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+5}°の複屈折誘起方向を有する第3の照射領域とが形成されていてもよい。
また、前記感光性高分子は、感光性基とメソゲン形成性基とを有するユニットで構成された液晶性高分子であるのが好ましい。なお、ここで、「メソゲン形成性基と感光性基とで構成されたユニット」とは、これらの官能基を有する複合基という意味で用いられており、一つのユニットの中で、感光性基とメソゲン形成性基とが化学構造を共有して複合的に存在していてもよく、一つのユニットが、メソゲン形成性基および感光性基をそれぞれ有していてもよい。
複屈折誘起材料は、さらに液晶性低分子化合物を含んでいてもよい。すなわち、複屈折誘起材料の光架橋物は、前記高分子と液晶性低分子化合物とで構成された混合物に対して直線偏光を照射した照射物であってもよい。
本発明の多重潜像素子の製造方法は、複屈折誘起材料を基板に対して塗布する塗布工程と、電界振動方向が異なる複数の直線偏光性の照射線(以下、単に直線偏光と称する場合がある)を、それぞれ露光用マスクを介して塗布物に対して照射する照射工程とで構成される。さらに、複屈折誘起材料が液晶性高分子で構成される場合、製造方法は、塗布工程と照射工程に加えて、さらに加熱工程を含むのが好ましい。
また、本発明は、このような多重潜像素子と、多重潜像素子の一方の面に積層された反射層とで構成された積層体を包含する。
本発明では、複屈折誘起材料に対して、電解振動方向の異なる直線偏光性の照射線を露光用マスクを介して照射し、前記複屈折誘起材料の配向を誘起させることにより、偏光性の多重潜像素子を鮮明かつ簡便に製造できる。そのため、パターンの異なる領域にそれぞれ電界振動方向の異なる直線偏光性の光を照射する際に、毛抜き合わせで露光する必要がなく、また、複屈折材料を印刷などの手法でパターン化する必要がない。
[多重潜像素子]
本発明の偏光性の多重潜像を有する素子は、複屈折誘起材料の光照射物(又は光架橋物)で形成(または構成)される。前記複屈折誘起材料は、感光性基を有する高分子(感光性高分子)で少なくとも構成される。
(感光性高分子)
感光性高分子は少なくとも感光性基を有する限り、特に限定されない。感光性基は、光エネルギーにより光架橋反応(例えば、光2量化反応)を起こすことが可能な官能基であれば特に制限されず、例えば、桂皮酸基、フェニルアリル基(シンナモイル基)、フェニルアリリデン基(シンナミリデン基)、フェニルアリリジン基(シンナミリジン基)、カルコン基、アクリロイル基含有感光性基[例えば、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基など]、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体が挙げられる。
複屈折性を向上する観点から、感光性高分子は、感光性基とメソゲン形成性基とで構成されたユニットを有する液晶性高分子であってもよい。前記感光性高分子は、複屈折性を有する限り、感光性基又はユニットを感光性高分子の主鎖に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。
なお、本発明において、メソゲン形成性基は、感光性高分子に対して液晶性を付与できる限り特に制限されず、いわゆるメソゲン基だけでなく、単独では液晶性を呈しないが、分子間の水素結合により液晶性を呈する水素結合性メソゲン基(または超分子性メソゲン基)も含まれる。
例えば、メソゲン基としては、−Ar−Y−Ar−基[式中、ArおよびArは、同一または異なって、置換基を有してもよいアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)、置換基を有してもよい2価の複素環残基(例えば、フラン基、ピラン基などの酸素含有複素環;ピロール基、イミダゾール基などの窒素含有複素環など)を示し;Yは、直接結合(なし)、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−NO=N−、−COO−、または−OCO−、−CH=N−、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)を示す]、ヒドロキシ安息香酸残基などが挙げられる。
前記アリーレン基及び複素環基の結合手の位置は、液晶性を付与する限り特に限定されないが、通常、フェニレン基では、p−配置である場合が多く、ナフチレン基では、2,6−配位である場合が多い。
置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、トリメチレン基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−10アルキル基、さらに好ましくはC1−5アルキル基など)、ホルミル基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−20アルキルオキシ基、好ましくはC1−10アルキルオキシ基、さらに好ましくはC1−5アルキルオキシ基など)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基などのC2−20アルケニル基、好ましくはC2−10アルケニル基、さらに好ましくはC2−5アルケニル基など)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などのC2−20アルキニル基、好ましくはC2−10アルキニル基、さらに好ましくはC2−5アルキニル基など)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、ハロアルキル基(例えば、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチルなどのC1-4 ハロアルキル基など)、置換基を有していてもよいシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのC3-10シクロアルキル基)、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニル、4−メトキシフェニル、2−ニトロフェニル、ナフチル基などのC6-20アリール基など)などが例示できる。
また、水素結合性メソゲン基としては、−(Ar−X)−Ar−(Z)−COOH[式中、Ar及びArは、それぞれ同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基などのC6-20アリーレン基、好ましくはフェニレン基)を示し;X=直接結合、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;Zは、−C=C−または−C≡C−;i=0または1(好ましくは1);j=0または1〜3の整数(好ましくは1〜2の整数)を示す]などが挙げられる。なお、置換基は、前記メソゲン基で記載した置換基を使用できる。このような水素結合性メソゲン基では、末端のカルボキシル基間で水素結合により超分子的に液晶性を発現することが可能である。さらに、水素結合性メソゲン基では、メソゲン基そのものをその構造に含まない場合が多く、そのような場合には感光性基の光反応を進行する波長の光を吸収しない。そのため、照射された光を感光性基の重合に有効に利用でき、製造コストを低減できる。
なお、前述したように、一つのユニットの中で、感光性基とメソゲン形成性基とは、化学構造を共有して複合的に存在してもよいし、一つのユニットの中で、メソゲン形成性基および感光性基が、それぞれ独立した官能基として存在してもよい。メソゲン形成性基および感光性基が独立した官能基として存在する場合、メソゲン形成性基および感光性基は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば、アルキレン基(C1−20アルキレン基、好ましくはC1−10アルキレン基、さらに好ましくはC1−5アルキレン基など)、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C=C−、−C≡C−、−N=N−、−COO−、および−OCO−などが挙げられる。これらの連結基は、単独でまたは組み合わせて、メソゲン形成性基と感光性基とを連結していてもよい。
例えば、好ましいユニットとしては、以下の組み合わせが挙げられる。
(i)感光性基:桂皮酸基、水素結合性メソゲン基:(Ar=フェニレン基、Y:−C=C−)、ここで感光性基と水素結合性メソゲン基は、化学構造を共有。
(ii)感光性基:シンナモイル基、メソゲン基:(Ar及びAr:フェニレン基、Y:直接結合)、連結基:(アルキレン基及び−O−)、
(iii)感光性基:ナフチルアクリロイル基、Ar及びAr:フェニレン基、Y:直接結合、連結基:(アルキレン基及び−O−)。
感光性高分子は、重合性基と感光性基とを有する単量体を少なくとも重合させることにより得ることができ、特に、感光性高分子は、重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体を少なくとも重合させることにより得ることができる。
例えば、感光性高分子としては、以下の単量体で形成された重合体が挙げられる。
(i)重合性基と感光性基とを有する単量体の単独または共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(ii)重合性基と感光性基とを有する単量体と、重合性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(iii)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体の単独または共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(iv)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(v)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基および感光性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)、
(vi)重合性基と感光性基とメソゲン形成性基とを有する単量体と、重合性基およびメソゲン形成性基を有する単量体との共重合体(ランダム,ブロック,又はグラフト共重合体)など。
前記重合性基は、付加重合性基であってもよく、縮合重合性基であってもよい。付加重合性基としては、例えば、不飽和脂肪族炭化水素基(ビニル基、アリル基など)、不飽和脂肪族カルボン酸基(アクリロイル基、メタクリロイル基など)などが挙げられる。これらの付加重合性基は、単独でまたは組み合わせて使用できる。付加重合性基は、公知または慣用の重合開始剤で重合させることができ、重合開始剤としては、たとえば、アゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)や過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)などが挙げられる。また、縮合重合性基としては、ヒドロキシル基(シラノール基を含む)、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。なお、シラノール基は、通常、オルガノクロロシラン化合物を加水分解することにより、形成することが多い。
前述したように、前記ユニットは感光性高分子の主鎖を形成してもよいが、前記ユニットの光架橋性や感光性高分子の配向性を制御する観点から、感光性高分子は前記ユニットを少なくとも側鎖に有するのが好ましい。例えば、好ましい感光性高分子としては、下記式1または2で表される側鎖を少なくとも1つ有する液晶性高分子が挙げられる。
Figure 2008175916
式中、k=0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜8の整数);l=0または1(好ましくは1);m=0または1(好ましくは1);n=1〜3の整数(好ましくは1〜2の整数);p=1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜8の整数);q=0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜5の整数);X=直接結合、C1−3アルキレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;Yは、直接結合、アルキレン基(例えば、C1−20アルキレン基、好ましくはC1−10アルキレン基、さらに好ましくはC1−5アルキレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基などのC6−20アリーレン基、好ましくはC6−15アリーレン基など)、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体を示す。なお、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、およびハロゲン原子としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
さらに、ユニットが、メソゲン形成性基および感光性基をそれぞれ独立した官能基として有するとともに、側鎖である場合(感光性側鎖)、感光性高分子は、感光性基を含まずメソゲン基で構成された側鎖(非感光性側鎖)を有してもよい。このような異なる種類の側鎖の併用により、感光性高分子の配向軸に平面性を付与しやすくなる。例えば、好ましい側鎖の組み合わせとしては、下記式3と下記式4で表される側鎖の組み合わせが挙げられる。
Figure 2008175916
式中、pおよびrは、それぞれ同一または異なって、1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは2〜8の整数);qおよびsは、それぞれ同一または異なって、0または1〜12の整数(好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜5の整数);YおよびYは、それぞれ同一または異なって、直接結合、アルキレン基、アリーレン基、−C=C−、−C≡C−、−O−、−N=N−、−COO−、または−OCO−;R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;W=シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミリジン基、カルコン基、フリルアクリロイル基、ビフェニルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、クマリン基、ベンゾフェノン基、またはこれらの誘導体、W=水素原子、−OH、−CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、またはこれらの誘導体を示す。
なお、YおよびYで記載されたアルキレン基およびアリーレン基としては、前記Yで例示された官能基を挙げることができ、Wで記載されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
なお、前記液晶性高分子の液晶構造は、通常サーモトロピックである場合が多い。また、サーモトロピック液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶のいずれであってもよいが、厚み方向への配向性の観点から、ネマチック液晶が好ましい。
なお、液晶性高分子の平均分子量(数平均分子量)は、例えば、2000〜100万程度、好ましくは5000〜50万程度、さらに好ましくは1万〜20万程度であってもよい。
(液晶性低分子化合物)
本発明では、複屈折誘起材料として、感光性高分子に加え、液晶性低分子化合物を用いてもよく、複屈折誘起材料の光架橋物は、感光性高分子と液晶性低分子化合物(以下、単に液晶性低分子と呼ぶ場合がある)とで構成された混合物に対して直線偏光を照射した照射物であってもよい。液晶性低分子が加わると、素子の複屈折性を向上でき、より鮮明な潜像を形成できる。
液晶性低分子化合物は、前記感光性高分子の項で記載したメソゲン基(例えば、−Ar−Y−Ar−基、ここで、Ar、Ar、Yは前記に同じ)を少なくとも有していればよい。また、液晶性低分子は、メソゲン形成性基と感光性基とを有してもよく、その場合、メソゲン形成性基および感光性基は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、前記感光性高分子の項で記載した連結基が例示できる。
例えば、ArおよびArがともにフェニレン基である場合、液晶性低分子としては、例えば、下記式5で表された化合物が例示できる。
Figure 2008175916
式中、t=0または1(好ましくは1);u=0または1(好ましくは1);Yは前記に同じ;ZおよびZは、それぞれ同一または異なって、直接結合、アルキレン基(例えば、C1−20アルキレン基、好ましくはC1−15アルキレン基、さらに好ましくはC1−10アルキレン基など)、アルケニレン基(例えば、C1−20アルケニレン基、好ましくはC1−15アルケニレン基、さらに好ましくはC1−10アルケニレン基など)を示し;RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、またはハロゲン原子;R11およびR12は、それぞれ同一または異なって、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ハロゲン原子、または前記Wで表される構造を示す。
なお、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、およびハロゲン原子としては、前記メソゲン基の置換基として例示された官能基が挙げられる。
好ましい液晶性低分子としては、Yが直接結合であるビフェニル系化合物、Yが、フェニレン基であるターフェニル系化合物、Yが−COO−であるフェニルベンゾエート化合物、Yが−N=N−であるアゾベンゼン化合物などが挙げられる。これらの液晶性低分子化合物は、単独でまたは組み合わせて使用できる。これらの液晶性低分子化合物のうち、ビフェニル化合物が好ましく、ビフェニル化合物としては、例えば、tおよびuが1であり、ZおよびZがアルキレン基であり、R11およびR12がメタクリロイル基である化合物;tおよびuが1であり、ZおよびZがアルキレン基であり、R11およびR12がアルキル基である化合物;tおよびuが0であり、ZおよびZが直接結合であり、R11がアルキル基であり、R12がシアノ基である化合物などが挙げられる。
液晶性低分子の分子量は、例えば、50〜800程度、好ましくは100〜700程度、さらに好ましくは200〜600程度である。
液晶性低分子の感光性高分子に対する割合は、多重潜像素子の厚み方向の屈折率が制御できる範囲あれば特に制限されない。感光性高分子100重量部に対して、液晶性低分子の割合は、例えば、0.1〜90重量部程度、好ましくは1〜75重量部程度、さらに好ましくは5〜50重量部程度であってもよい。
本発明の多重潜像素子は、単層であっても偏光性の多重潜像を形成するので、配向層と液晶層との組み合わせは必要ではない。そのため、配向層と液晶層との間で配向性が乱れることもなく、さらに位相差を調節するために液晶性化合物の膜厚を変化させる必要もない。
本発明の多重潜像素子は、後述するように、電界振動方向の異なる複数の直線偏光性の照射線が、複屈折誘起材料で構成された塗布物に対して、それぞれ露光用マスクを介して多重(例えば、2重〜4重、好ましくは2重〜3重、さらに好ましくは2重)で照射されることにより形成できる。
例えば、2重照射の場合、鮮明な多重潜像を形成する観点から、本発明の多重潜像素子には、第1の照射線からの照射量をIr1、第2の照射線からの照射量をIr2、第1の照射線の電界振動方向を0°、第1の照射線の電界振動方向と第2の照射線の電界振動方向との成す角度をα°とするとき、−5°<n°<5°(好ましくは−4°<n°<4°、さらに好ましくは−3°<n°<3°)の複屈折誘起方向を有する第1の照射領域と、(α−5)°<n°<(α+5)°(好ましくは(α−4)°<n°<(α+4)°、さらに好ましくは(α−3)°<n°<(α+3)°)の複屈折誘起方向を有する第2の照射領域と、{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−5}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+5}°(好ましくは{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−4}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+4}°、さらに好ましくは{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−3}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+3}°)の複屈折誘起方向を有する第3の照射領域とが形成されることが多い。
通常、レタデーションは膜厚に比例するため、レタデーション値を変化させるためには液晶層の膜厚を変化させなければならず、煩雑な製造工程となる場合が多い。しかし、本発明の素子では、それぞれの領域の照射線の照射量を変化させることによってレタデーションを、自由に制御することができる。そのため本発明の素子では、一定の膜厚のままであっても、幅広い範囲のレタデーションを有する偏光性の潜像を形成できる。例えば、このようなレタデーションの範囲としては、1〜1000nm程度、好ましくは5〜500nm程度(例えば30〜250nm程度)、さらに好ましくは10〜250nm程度(例えば50〜200nm程度)であってもよい。
本発明の多重潜像素子では、以下のようにして素子中の潜像を認識することができる。すなわち、多重潜像素子をそのまま直視しても、素子中のそれぞれの領域のパターン(図柄)を明確に認識することはできない。しかし、例えば、反射板上に素子を配置して、偏光板を介して観察すると、偏光板の吸収軸に対応した各領域の複屈折誘起方向の角度とレタデーションの大きさに基づいて、反射光の透過率が変化し、各領域のパターンを認識できる。そして、偏光板の吸収軸を回転させることにより、各吸収軸に対応したそれぞれのパターンが多重の潜像として認識できるようになる。また、レタデーションが小さい場合、直交した2枚の偏光板の間に素子を配置し、裏面から照明すると、素子を回転させることにより透過光のパターンを2重潜像のように付与することができる。
[多重潜像素子を有する積層体]
このような多重潜像素子は、通常、多重潜像素子の一方の面に反射層を積層した積層体として利用される場合が多い。また、前記積層体において、多重潜像素子は、少なくとも反射層を積層する面とは反対側の面(または多重潜像素子の両面)に、保護層を設けて用いられてもよい。
(反射層)
反射層は、多重潜像素子を透過する光線を反射できる限り特に限定されないが、例えば、反射層としては、各種金属板の他、支持層と金属層とで構成された反射シートなどが挙げられる。反射層の厚みは、特に限定されず、例えば、10μm以上(例えば、10μm〜10mm程度)、好ましくは20μm〜5mm程度であってもよい。
金属板や金属層を構成する金属成分としては、光反射性を有する金属であれば特に制限されず、通常、反射率の高い金属成分(例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム、亜鉛、銅、銀、金、ニッケル、白金、チタン、ジルコニウムなど)を用いる場合が多い。これらの金属成分のうち、アルミニウムが好ましい。これらの金属成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
支持層としては、金属層を保持できる限り特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂[例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなど)、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体など)、アクリル系樹脂(PMMAなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、AS、ABSなど)、ポリエステル系樹脂(PET、PBTなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612など)、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレートなど)など]や熱硬化性樹脂[例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂など]で構成されたプラスチックフィルムやシート、紙類、合成紙などが例示できる。
支持層に対して、金属層は公知又は慣用の方法を用いて積層できる。例えば、支持層に対して金属層を接着剤を介して積層してもよいし、支持層に対して金属層を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法によって積層してもよい。なお、接着剤を介して金属層を積層する場合、金属層の厚さとしては、5〜500nm程度、好ましくは10〜300nm程度、さらに好ましくは20〜100nm程度であってもよい。また、物理蒸着法によって金属層を積層する場合、金属層の厚さとしては、100〜10000Å程度、好ましくは200〜4000Å程度であってもよい。
(保護層)
また、多重潜像素子を保護するための保護層としては、支持層の項で記載したプラスチックシートやフィルムを用いてもよい。保護層の厚みは、素子に形成された潜像を認識できる限り特に限定されないが、たとえば、1〜100μm程度、好ましくは3〜50μm程度、さらに好ましくは5〜20μm程度であってもよい。このような保護層は、多重潜像素子の上に保護層を構成する成分を塗布することにより形成してもよいし、多重潜像素子に対して保護層を形成するシート又はフィルムを公知又は慣用の接着剤を介して積層することにより形成してもよい。
[多重潜像素子の製造方法]
本発明の多重潜像素子の製造方法は、前記複屈折誘起材料を基板に対して塗布する塗布工程と、電界振動方向が異なる複数の直線偏光性の照射線を、それぞれ露光用マスクを介して塗布物に対して照射する照射工程とで構成される。本発明では、このような製造方法により、非常に簡便に多重潜像を製造することができる。
(塗布工程)
本発明では、感光性高分子(および、必要に応じて、液晶性低分子化合物)で構成された複屈折誘起材料を溶媒に溶解して基板に塗布する。前記溶媒は、固形成分を溶解できる限り特に制限されず、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、ベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。また、溶媒は混合溶媒であってもよい。これらの溶媒のうち、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびエーテル類が好ましく、特に芳香族炭化水素類およびエーテル類が好ましい。
複屈折誘起材料の溶解液は、公知または慣用のコーティング機(例えば、スピンコータ、スリットコータ、スプレーコータ、ロールコータ、カーテンコータ、エアナイフコータなど)により、基板に塗布される。基板への塗布物の厚さは、乾燥後の厚みで、通常、0.1〜20μmの範囲から選択でき、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜9μm程度であってもよい。
(照射工程)
照射工程では、電界振動方向が異なる複数の直線偏光性の照射線を、それぞれ露光用マスクを介して塗布物に対して照射する。すると、露光用マスクで遮光されずに照射された領域では、塗布物の中でさまざまな方向に配置している感光性基のうち、照射線の電解振動方向に沿って配置している感光性基同士が、選択的に光架橋反応(光2量化)する。そして、複屈折誘起材料がメソゲン形成性基を有していない場合、通常、光架橋反応に伴い配向が誘起する。
照射線の種類は、赤外線、可視光線、紫外線(近紫外線、遠紫外線など)、X線、荷電粒子線(例えば、電子線など)など、照射により化学反応を生じさせることができる照射線であれば、特に限定されないが、通常、照射線は200〜500nmの波長を有する場合が多く、光架橋を有効に発生させる点から、250〜400nmの波長を有する紫外線が好ましい。これらの照射線は、例えば、グランテーラープリズムなどを介して直線偏光にすることができる。
各照射線の電解振動方向は、多重潜像を形成できる限り特に限定されないが、例えば、2つの電解振動方向で照射する場合、第1の照射線の電解振動方向と第2の照射線の電解振動方向とは、例えば、10°〜80°程度、好ましくは20°〜70°程度、さらに好ましくは30°〜60°程度異なっていてもよい。
露光用マスクとしては、前記照射線が適切に遮光される限り特に限定されないが、通常、遮光性の高いメタルマスク(例えば、ステンレス製メタルマスクなど)やフォトマスク(例えば、石英基板にクロム薄膜を形成したマスクなど)が用いられることが多い。露光用マスクは、形成する潜像の図柄に応じて、任意のデザインを用いることができる。
なお、複屈折誘起材料を露光させる際の感光性を増強するため、増感剤を用いてもよい。増感剤としては、例えば、クマリン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、ペリレン誘導体、ニトロアニリン、4−ニトロー4’−アルキルオキシビフェニルなどが挙げられる。これらの増感剤のうち、ベンゾフェノン誘導体(たとえば、4、4´−(N、Nビスジメチルアミノ)ベンゾフェノンなど)、ニトロアニリン(例えば、p−ニトロアニリンなど)、4−ニトロー4’−アルキルオキシビフェニル(例えば、4−ニトロー4’−エチルオキシビフェニルなど)などが好ましい。
例えば、2つの電界振動方向から照射線を照射した場合、第1の照射線からの照射量をIr1、第2の照射線からの照射量をIr2、第1の照射線の電界振動方向を0°、第1の照射線の電界振動方向と第2の照射線の電界振動方向との成す角度をα°とすると、照射された照射物には、(i)第1のパターンのみ照射された領域(例えば、−5°<n°<5°程度の複屈折誘起方向を有する第1の照射領域)と、(ii)第2のパターンのみ照射された領域(例えば、(α−5)°<n°<(α+5)°程度の複屈折誘起方向を有する第2の照射領域)と、(iii)第1および第2のパターンが重なって照射された領域(例えば、{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−5}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+5}°程度の複屈折誘起方向を有する第3の照射領域)とが形成され得る。配向が誘起すると、第1のパターンのみの照射領域には、この領域に照射された直線偏光の電界振動方向に沿った第1の方向に複屈折が誘起され、第2のパターンのみの照射領域には、この領域に照射された直線偏光の電界振動方向に沿った第2の方向に複屈折が誘起され、第1、第2のパターンが重複して照射された領域には、照射された2つの直線偏光の電界振動方向が成す角度と照射量によって決まる第3の方向に複屈折が誘起される。なお、双方のマスクにより遮光された未照射の領域では複屈折が誘起されない。
(加熱工程および徐冷工程)
複屈折誘起材料が、メソゲン形成性基を有する場合、メソゲン形成性基を配向するために加熱工程を設けてもよい。加熱工程では、通常、光照射された塗布物を加熱する。
加熱温度は、複屈折誘起材料の種類により異なるが、通常、60℃〜150℃程度、好ましくは70℃〜140℃程度、さらに好ましくは80℃〜130℃程度であってもよい。
徐冷工程では、加熱された塗布物を徐冷する。徐冷条件についても、液晶性高分子の種類により異なるが、例えば、0.1〜100℃/min程度、好ましくは1〜20℃/min程度の徐冷速度で冷却し、液晶性高分子のガラス転移温度以下まで冷却する。
通常、加熱工程および徐冷工程では、塗布膜を有する基板を加熱プレートの上に設置し加熱して所望の温度に到達後、その温度を保持した後、基板を載せたままこの加熱プレートの電源を切って放置する場合が多い。
(配向固定工程)
なお、誘起された配向を固定するために、加熱・徐冷工程を経た塗布物に対して、再度光照射をしてもよい。照射線としては誘起された配向を固定できる限り特に限定されず、前記照射工程の項で例示した各種照射線を用いることができる。配向を有効に固定できる観点から、例えば、波長200〜500nm程度の照射線、好ましくは波長250〜400nm程度の紫外線である場合が多い。
本発明の多重潜像素子は、偽造防止シートや偽造防止シールの他に、金券、商品券、各種カード類(例えば、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカードなど)に対して用いられる部材として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本発明の多重潜像素子の実施例において用いた複屈折誘起材料の原料化合物に関する合成方法を以下に示す。
(単量体1)
4,4’−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、4−ヒドロキシエトキシ−4’−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。最後に、塩基性の条件下において、塩化シンナモイルを加え、化学式6に示される単量体1を合成した。
Figure 2008175916
(単量体2)
p−クマル酸と6−クロロ−1−ヘキサノールとの混合物を、アルカリ条件下で加熱することにより、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)桂皮酸を合成した。この生成物に、メタクリル酸を大過剰加えてエステル化反応させ、化学式7に示される単量体2を合成した。
Figure 2008175916

(重合体1)
単量体1とメタクリル酸メチルを85:15のモル比でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体1を得た。
(重合体2)
単量体2を1、4−ジオキサン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体2は液晶性を呈した。
(低分子化合物1)
4,4’−ビフェニルジオールと6−ブロモヘキサノールを、アルカリ条件下で反応させ、4,4’− ビス(6−ブロモヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。次いで、メタクリル酸リチウムを加え反応させ、生成物をカラム精製することにより化学式8に示される低分子化合物1[4,4’−ビス(メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニル]を合成した。
Figure 2008175916
(実施例1)
重合体1と、4,4’‐ビス(メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルとの混合物(重量比:前者/後者=8.5/1.5)と、増感剤としてのミヒラーケトン(2wt%)とを、o‐ジクロロベンゼンに19.5重量%の濃度で溶解し、スピンコータ(回転数:2500rpm)を用いて、乾燥後の厚みが3.1μmとなるよう、この溶液をカバーガラス基板上に塗布した。この塗布膜の上に、左から1/3の部分が隠れるように遮光性メタルマスクを配置し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換して227秒間〜1124秒間の間のさまざまな照射時間で照射した。ついで塗布膜の上に、右から1/3の部分が隠れるように遮光性メタルマスクを配置し、第1の照射光の電界振動方向に対して電界振動方向を45°回転させる以外は第1の照射と同様にして、直線偏光を基板に照射した。
続いて、基板を120℃まで加熱し、120℃に到達後、加熱プレートの電源を切り、そのまま基板をプレート上に放置した。さらに、徐冷した塗布物に対し、高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず500秒間照射した。このようにして作製した素子は、図1に示すように、各照射領域において、照射時間に応じてさまざまなレタデーションを示した。なお、各照射領域の複屈折誘起方向は、第1の照射光の電界振動方向を0°とすると、第1の照射領域での複屈折誘起方向は約0°であり、第2の照射領域での複屈折誘起方向は約45°であり、第3の照射領域での複屈折誘起方向は、約22.5°であった。なお、図1において、第3の領域は、第1および第2の領域が重なって照射された領域であるため、その照射時間は実質的にはx軸の数値の2倍である。
(実施例2)
重合体1と、4,4’‐ビス(メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルとの混合物(重量比:前者/後者=8.5/1.5)と、増感剤としてのミヒラーケトン(2wt%)とを、o‐ジクロロベンゼンに19.5重量%の濃度で溶解し、スピンコータ(回転数:2500rpm)を用いて、乾燥後の厚みが3.1μmとなるよう、この溶液をカバーガラス基板上に塗布した。この塗布膜の上にパターン1の遮光性メタルマスクを配置し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し440秒間照射した。ついで、塗布膜の上にパターン2の遮光性メタルマスクを配置した後、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し、パターン1の照射光の電界振動方向に対して電界振動方向を45°回転させて、440秒間照射した。続いて、基板を120℃まで加熱し、加熱終了後は室温に放置することにより徐冷した。最後に250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず500秒間照射した。このようにして作製した素子をアルミ板上に配置して偏光板を介して観察すると、素子は2種類の潜像を形成した(図2〜図5)。
図2は、偏光板を介さずに、素子を観察した際の写真である。直視では基板上に像がほとんど確認されないことが分かる。図3は、パターン1を認識できるように偏光板を配置して、素子を観察した際の写真である。図4は、パターン2を認識できるように偏光板を配置して、素子を観察した際の写真である。図5は、パターン1およびパターン2の双方が認識できるように偏光板を配置して、素子を観察した際の写真である。
なお、各照射領域の複屈折誘起方向とレタデーションは以下のとおりであった。すなわち、パターン1の照射光の電界振動方向を0°とすると、パターン1のみの照射領域での複屈折誘起方向は0°であり、レタデーションは69.5nmであった。パターン2のみの照射領域での複屈折誘起方向は30°であり、レタデーションは185.0nmであった。パターン1とパターン2が重なり重複して照射された領域での複屈折誘起方向は22.5°であり、レタデーションは69.5nmであった。
(実施例3)
ポリビニルシンナメート(アルドリッチ社製)を、1,4−ジオキサンに20重量%の濃度で溶解し、スピンコータ(回転数:1500rpm)を用いて、乾燥後の厚みが約9.4μmとなるよう、この溶液をカバーガラス上に塗布した。この塗布膜の上にパターン1の遮光性メタルマスクを配置し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し10分間照射した。ついで、塗布膜の上にパターン2の遮光性メタルマスクを配置した後、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し、パターン1の照射光の電界振動方向に対して電界振動方向を40°回転させて、10分間照射した。このようにして作製した素子を、直交した2枚の偏光板の間に配置して、その透過光を観察すると、素子は2種類の潜像を形成した。
なお、各照射領域の複屈折誘起方向とレタデーションは以下のとおりであった。すなわち、パターン1の照射光の電界振動方向を0°とすると、パターン1のみの照射領域での複屈折誘起方向は0°であり、レタデーションは14.7nmであった。パターン2のみの照射領域での複屈折誘起方向は40°であり、レタデーションは13.3nmであった。パターン1とパターン2が重なり重複して照射された領域での複屈折誘起方向は20°であり、レタデーションは18.3nmであった。
(実施例4)
ポリビニルシンナメート(アルドリッチ社製)を、1,4−ジオキサンに20重量%の濃度で溶解し、スピンコータ(回転数:1500rpm)を用いて、乾燥後の厚みが約15μmとなるよう、この溶液をカバーガラス上に塗布した。この塗布膜の上にパターン1の遮光性メタルマスクを配置し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し15分間照射した。ついで、塗布膜の上にパターン2の遮光性メタルマスクを配置した後、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し、パターン1の照射光の電界振動方向に対して電界振動方向を35°回転させて、15分間照射した。このようにして作製した素子をアルミ板上に配置して偏光板を介して観察すると、素子は2種類の潜像を形成した。
なお、各照射領域の複屈折誘起方向とレタデーションは以下のとおりであった。すなわち、パターン1の照射光の電界振動方向を0°とすると、パターン1のみの照射領域での複屈折誘起方向は0°であり、レタデーションは56.1nmであった。パターン2のみの照射領域での複屈折誘起方向は35°であり、レタデーションは57.6nmであった。パターン1とパターン2が重なり重複して照射された領域での複屈折誘起方向は17.5°であり、レタデーションは51.7nmであった。
(実施例5)
重合体2を1,4−ジオキサンに10重量%の濃度で溶解し、スピンコータ(回転数:1500rpm)を用いて、乾燥後の厚みが約1.7μmとなるよう、この溶液をカバーガラス上に塗布した。この塗布膜の上にパターン1の遮光性メタルマスクを配置し、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し73秒間照射した。ついで、塗布膜の上にパターン2の遮光性メタルマスクを配置した後、250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介して直線偏光に変換し、パターン1の照射光の電界振動方向に対して電界振動方向を45°回転させて、73秒間照射した。続いて、基板を120℃まで加熱し、加熱終了後は室温に放置することにより徐冷した。最後に250W高圧水銀灯からの紫外光を、グランテーラープリズムを介さず500秒間照射した。このようにして作製した素子をアルミ板上に配置して偏光板を介して観察すると、素子は2種類の潜像を形成した。
なお、各照射領域の複屈折誘起方向とレタデーションは以下のとおりであった。すなわち、パターン1の照射光の電界振動方向を0°とすると、パターン1のみの照射領域での複屈折誘起方向は0°であり、レタデーションは130.0nmであった。パターン2のみの照射領域での複屈折誘起方向は45°であり、レタデーションは131.5nmであった。パターン1とパターン2が重なり重複して照射された領域での複屈折誘起方向は22.5°であり、レタデーションは112.3nmであった。
実施例1の素子に照射された各照射線の照射量とレタデーション値との関係を示すグラフである。 実施例2の素子を、偏光板を介さずに直視した際の写真である。 実施例2の素子を、偏光板を介して観察した写真(パターン1)である。 実施例2の素子を、偏光板を介して観察した写真(パターン2)である。 実施例2の素子を、偏光板を介して観察した写真(パターン1およびパターン2)である。

Claims (7)

  1. 複屈折誘起材料の光照射物で形成された素子であって、(i)前記複屈折誘起材料は、感光性基を有する高分子で構成され、(ii)前記光照射物は、電界振動方向の異なる直線偏光性の照射線がそれぞれ露光用マスクを介して多重照射された照射物であり、かつ(iii)偏光性の多重潜像を有する単層の素子。
  2. 光照射物が、2つの電界振動方向からの直線偏光性の照射線を照射された照射物であり、第1の照射線からの照射量をIr1、第2の照射線からの照射量をIr2、第1の照射線の電界振動方向を0°、第1の照射線の電界振動方向と第2の照射線の電界振動方向との成す角度をα°とするとき、−5°<n°<5°の複屈折誘起方向を有する第1の照射領域と、(α−5)°<n°<(α+5)°の複屈折誘起方向を有する第2の照射領域と、{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]−5}°<n°<{[ATAN(Ir2COSα)/(Ir1+Ir2SINα)]+5}°の複屈折誘起方向を有する第3の照射領域とが形成された請求項1記載の多重潜像素子。
  3. 感光性高分子が、感光性基とメソゲン形成性基とを有するユニットで構成された液晶性高分子である請求項1または2記載の多重潜像素子。
  4. 複屈折誘起材料が、さらに液晶性低分子化合物を含む請求項1から3のいずれかに記載の多重潜像素子。
  5. 複屈折誘起材料を基板に対して塗布する塗布工程と、電界振動方向が異なる複数の直線偏光性の照射線を、それぞれ露光用マスクを介して塗布物に対して照射する照射工程とで構成された請求項1記載の多重潜像素子の製造方法。
  6. 塗布工程と照射工程に加えて、さらに照射された塗布物を加熱する加熱工程と、加熱された塗布物を徐冷する徐冷工程とで構成された請求項5記載の製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載の多重潜像素子と、多重潜像素子の一方の面に積層された反射層とで構成された積層体。
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