JP2003014183A - 管継手 - Google Patents

管継手

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JP2003014183A
JP2003014183A JP2001198108A JP2001198108A JP2003014183A JP 2003014183 A JP2003014183 A JP 2003014183A JP 2001198108 A JP2001198108 A JP 2001198108A JP 2001198108 A JP2001198108 A JP 2001198108A JP 2003014183 A JP2003014183 A JP 2003014183A
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pipe
sleeve
pipe joint
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pipe coupling
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Masabumi Minami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接合作業が簡単で、管に対する係止力が大き
く、しかもコマを管継手本体のロック面と管の外周面と
の間に均等に圧接させることができる管継手を提供す
る。 【解決手段】筒形の管継手本体2と、管継手本体2の内
周に挿入され、内側に管3を受け入れるスリーブ4とを
備え、管継手本体2の内周面には奥部側が漸次大径とな
るテーパ状のロック面2dが形成され、スリーブ4に複
数のビーズ状コマ5がこれらコマに挿通される略リング
状のワイヤ6によって周方向に所定間隔おきに保持され
る。スリーブ4の一端部に、管継手本体2から軸方向外
部へ突出し、外周面に雄ねじ部4fを有する突出部4e
が設けられ、雄ねじ部4fに管継手本体2の端面に当接
可能なリング状ハンドル8が螺合している。ハンドル8
を回すことによりスリーブ4を管継手本体2に対し軸方
向外側へ付勢し、コマ5をロック面2dと管3の外周面
との間に圧接させて管3を抜け止めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管継手、特に水道配
管等の接合作業に用いることができる管継手に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、水道埋設配管などの接合作業に
は、雌ねじ付きの管継手を用いるのが一般的である。す
なわち、配管の端部に雄ねじを形成しておき、この雄ね
じを管継手の雌ねじに螺合させることにより、配管を接
合している。しかしながら、このような螺合による接合
方式の場合、予め配管の端部に雄ねじを形成しておかな
ければならず、加工に手間がかかるとともに、現場での
接合作業にも多大の手間がかかるという欠点があった。
【0003】このような問題を解消するものとして、特
開2000−179769号公報には、筒状の管継手本
体と、管継手本体の内周に挿入されたスリーブと、スリ
ーブの内周に挿入される管とを備え、上記管継手本体の
内周面には奥部側が漸次大径となるテーパ状のロック面
が形成され、上記スリーブに複数のビーズ状コマがこれ
らコマに挿通される略リング状のワイヤによって周方向
に保持され、スリーブを管継手本体に対し軸方向外側へ
付勢することにより、コマをロック面と管の外周面との
間に圧接させて管を管継手本体に対して抜け止めする管
継手が提案されている。
【0004】この管継手を用いれば、管の端部に予め雄
ねじを加工しておく必要がなく、しかも接合に際して管
を管継手本体に差し込むだけでよく、接合作業が簡素化
される。また、ビーズ状のコマがワイヤによって挿通支
持されているので、スリーブの開口部から内径側へ大き
く突出させることができる。そのため、コマと管との係
合代を大きく取れ、管に対する係止力が増大する。特
に、ビーズ状のコマを中央部が膨出した樽形あるいは太
鼓形とすれば、コマと管との接触面積を大きくでき、係
止力をさらに増大させることができるという利点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な管継手の場合、コマをロック面と管の外周面との間に
圧接させるため、スリーブを管継手本体に対し軸方向外
側へ付勢する必要がある。そのため、スリーブを外方へ
付勢するスプリングを設けたり、スリーブの外側端部に
フランジを形成し、このフランジに管継手本体の端面に
当接する複数本の固定ネジを螺合させる方法が用いられ
ている。
【0006】しかし、スプリングを用いた場合には、付
勢力が弱く、コマをロック面と管の外周面との間に強く
圧接させることが難しい。また、固定ネジを用いた場合
には、工具を必要とするとともに、複数のネジを均等に
締め付けるのが難しく、スリーブが管継手本体に対して
傾きを生じ、個々のコマによる係止力にバラツキが生じ
る可能性がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、接合作業が簡単
で、管に対する係止力が大きく、しかもコマを管継手本
体のロック面と管の外周面との間に均等に圧接させるこ
とができる管継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、筒形の管継手本体と、管
継手本体の内周に挿入され、内側に管を受け入れるスリ
ーブとを備え、上記管継手本体の内周面には奥部側が漸
次大径となるテーパ状のロック面が形成され、上記スリ
ーブに複数のビーズ状コマがこれらコマに挿通される略
リング状のワイヤによって周方向に所定間隔おきに保持
され、上記スリーブを管継手本体に対し軸方向外側へ付
勢することにより、上記コマをロック面と管の外周面と
の間に圧接させて管を管継手本体に対して抜け止めする
管継手において、上記スリーブの一端部に、管継手本体
から軸方向外部へ突出し、外周面に雄ねじ部を有する突
出部が設けられ、上記雄ねじ部に螺合し、管継手本体の
端面に当接可能なリング状ハンドルが設けられ、上記ハ
ンドルを回すことにより上記スリーブを管継手本体に対
し軸方向外側へ付勢するようにしたことを特徴とする管
継手を提供する。
【0009】本発明ではビース状のコマをワイヤに挿通
し、このワイヤをスリーブの外周または内周に係合させ
ることで、コマをスリーブに対して周方向に保持する。
このスリーブを管継手本体の中に挿入し、その中に管を
挿入すると、コマは管継手本体のロック面と管の外周面
とに接触する。ここで、スリーブを管継手本体の軸方向
外方へ付勢すると、コマはロック面によって内径方向へ
押されるので、コマは管の外周面に圧接する。コマはワ
イヤによって挿通支持されているので、スリーブから内
径側へ大きく突出させることができる。そのため、コマ
と管との係合代を大きく取れ、管に対する係止力が増大
する。
【0010】スリーブを軸方向外方へ付勢する手段とし
て、スリーブの雄ねじ部に螺合するリング状のハンドル
を用いたので、ハンドルを回すだけで簡単に締め上げ作
業が行え、作業性が向上する。しかも、ハンドルを回す
に従いスリーブが管継手本体に対して平行移動するの
で、複数のコマがロック面と管の外周面とに均等に圧接
し、均等な係止力を発揮する。締め上げ状態でハンドル
の側面が管継手本体の端面に当接するので、何らかの外
力がスリーブに対して内方向へ作用しても、スリーブが
移動せず、コマもロック面から離れない。そのため、管
を強力に係止することができる。
【0011】請求項2のように、管継手本体の端部外周
部に、先端方向に漸次小径となるテーパ状ガイド面を形
成し、ハンドルの内周部をガイド面に接触させてスリー
ブを管継手本体の軸心部に保持するようにしてもよい。
スリーブと管継手本体との間には半径方向の隙間が存在
するので、コマがロック面と管の外周面との間に圧接し
たとき、スリーブが半径方向に偏心し、コマと管との圧
接力が周方向にばらつきを生じる可能性がある。これに
対し、請求項2では管継手本体の端部外周に設けたテー
パ状ガイド面を利用してスリーブを軸心位置へ案内する
ことで、スリーブの偏心を防止し、コマがロック面に周
方向に均等に圧接し、コマと管とを周方向にばらつきな
く圧接させることができる。また、管継手本体と管との
間にはシール部材が設けられるが、このシール部材のシ
ール性も周方向に均等になる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜図9は本発明にかかる管継
手の一例を示し、水道配管の接続に使用した例を示す。
この実施例の管継手1は、両方向に開口した筒体よりな
る管継手本体2を備えており、2本の水道配管(管)3
が管継手本体2に対向して挿入される。管3は比較的小
径で薄肉なステンレスなどの金属管よりなる。管継手1
は左右対称構造であるため、その一端側の構造について
のみ、以下に説明する。
【0013】管継手本体4はステンレスなどの金属より
なり、その内周面には図4に示すように2本の凹溝2
a,2bが形成されている。外側の第1凹溝2aと奥側
の第2凹溝2bとは隔壁2cを間にして隣接して形成さ
れている。第1凹溝2aの外側端には、奥部側が漸次大
径となるテーパ状のロック面2dが形成されている。第
2凹溝2bの奥側に、後述するガスケット7の奥方への
移動を規制するストッパ面2eが形成されている。ま
た、管継手本体2の中央部内面に、管3の挿入深さを規
定するためのストッパ壁2fが設けられている。管継手
本体2の両端部外周には、先端方向に向かって漸次小径
となるテーパ状ガイド面2gが設けられている。
【0014】管継手本体2の内周には、スリーブ4が軸
方向に移動自在に挿入されている。スリーブ4は、図5
に示すように、金属または樹脂などの硬度を持つ材料で
円筒状に形成されている。スリーブ4の中央部外周面に
は、後述するコマ5の直径より僅かに幅広な周溝4aが
形成され、この周溝4aの底部には、内外方向に貫通し
た開口部4bが周方向に等間隔で複数個(この実施例で
は4個)形成されている。開口部4bの周方向長さは後
述するコマ5の軸方向長さに比べて長く、開口部4bの
半径方向の深さ(スリーブ4の厚み)はコマ5の直径よ
り小さく設定されている。管継手本体2に挿入されるス
リーブ4の一端部外周面には、係止溝(係止部)4cが
全周に形成されており、この係止溝4cにはガスケット
7の一端部内周面に形成された係合突起(係合部)7a
に着脱可能に係合している。さらに、スリーブ4の一端
部には、ガスケット7の係合突起7aをガイドして係止
溝4cへの係合を円滑にするテーパ面4dが形成されて
いる。スリーブ4の他端部は管継手本体2から軸方向外
方へ突出しており、この突出部4eの外周面には雄ねじ
4fが形成されている。
【0015】スリーブ4の開口部4bには、それぞれビ
ーズ状のコマ5が嵌合され、軸方向および周方向の移動
が一定範囲内に規制されている。コマ5の一部は、開口
部4bの半径方向に突出している。コマ5は高硬度の金
属材料で形成され、図6に示すように、軸心部には軸方
向に貫通する貫通孔5aが設けられている。コマ5の形
状は球形,筒形,太鼓形などであってもよいが、この実
施例では、中央が括れた鼓形に形成されている。すなわ
ち、コマ5の中央部外周面には、管3とほぼ線接触でき
るように凹曲面5bが形成されている。つまり、凹曲面
5bの稜線方向の曲率半径R1は管3の曲率半径と略等
しい。なお、凹曲面5bには、管3との摩擦抵抗を増や
すため、軸方向に複数のローレット5cが設けられてい
る。また、コマ5の両端部外周面には、管継手本体2の
ロック面2dとのエッジ当たりを防止するため、ロック
面2dの曲率半径とほぼ等しい曲率半径R2を持つ凸曲
面5dが形成されている。ローレット5cは凸曲面5d
まで延びている。
【0016】コマ5の貫通孔5aには略リング状の金属
ワイヤ6が挿通されており、ワイヤ6はスリーブ4の周
溝4aに嵌合している。コマ5はワイヤ6に対して回転
自在であり、周方向にも摺動自在である。なお、ワイヤ
6を無端円状としてもよいが、この実施例のワイヤ6
は、両端部6a,6bがオーバーラップした略C字形状
に形成されている(図7参照)。C字形状とした場合、
両端部をオーバーラップさせずに、両端を折り曲げてス
リーブ4に係止してもよい。この実施例では、ワイヤ6
の内径は、自由状態においてスリーブ4の周溝4aの溝
底外径より小さく形成されており、スリーブ4の中に管
3を挿入しない状態ではワイヤ6はスリーブ4の周溝4
aの溝底面に当接している。
【0017】管継手本体2の第2凹溝2b内には、図8
に示す断面形状のガスケット7が配置されている。ガス
ケット7は、弾性ゴムによりリング状に形成されたもの
であり、ガスケット7の一端部の内周面には、上述のと
おり、スリーブ4の係止溝4cと係合可能な環状の係合
突起7aが形成されている。ガスケット7の他端部に
は、管継手本体2の奥方に向かって延び、管継手本体2
の内周面に接する外側リップ7bと、管4の外周面に接
する内側リップ7cとが一体に設けられている。外側リ
ップ7bは外径側に向かってテーパ状に拡開しており、
内側リップ7cは内径側に向かってテーパ状に縮小して
いる。
【0018】管継手本体2と管3との間をシールするシ
ール部材としてOリングを用いることができるが、管3
の外径寸法にはばらつきがあり、もし管3が小径側にば
らつくと、Oリングのシール力が低下し、水漏れなどの
問題を引き起こす可能性がある。そのため、Oリングは
最小径の管3を用いた場合でもシール性を確保できる寸
法に選定されるが、これでは外径の大きな管3が挿入さ
れた場合に、挿入が非常に困難であり、Oリングが傷付
きやすい。このようにOリングを用いた管継手では、管
の外径寸法のばらつきに対して安定したシール性を確保
しにくい。これに対し、シール部材として外側リップ7
bと内側リップ7cとを有するガスケット7を用いれ
ば、内側リップ7cが撓んで管3の外径寸法のばらつき
を吸収し、安定したシール性を発揮できる。また、管3
の中を流れる流体圧がガスケットに作用した時、外側リ
ップ7bは外側へ、内側リップ7cは内側へ撓むので、
シール性が一層向上し、流体漏れを防止できる。
【0019】スリーブ4の突出部4eに形成された雄ね
じ4fには、リング状のハンドル8が螺合している。こ
のハンドル8は、例えば樹脂で一体成形されたものであ
り、図9に示すように、一端部内周部には雄ねじ4fに
螺合する雌ねじ8aが形成され、他端部内周面には、管
継手本体2の端部に設けられたガイド面2gとほぼ同等
な傾斜角を持つ内テーパ面8bが形成されている。実際
には、内テーパ面8bの傾きはガイド面2gより小さ
く、内テーパ面8bの先端部が先にガイド面2gに接触
する。ハンドル8の内側であって、雌ねじ8aと隣接す
る部位には、管継手本体2の端面に当接する内側面8c
が形成されている。ハンドル8の外周面には、手で操作
できるように軸方向のローレット8dが設けられてい
る。なお、ハンドル8をレンチなどの工具によって回す
ことができるように、外周面を例えば六角形に形成して
もよいし、ハンドル8の周面または側面に工具係合穴を
設けることもできる。
【0020】管3の先端部内側には、管3の内面を支持
するインナーパイプ9が挿入されている。インナーパイ
プ9も管3と同様なステンレスなどの金属管で構成され
ており、一端部外周には、管3の先端面に係止される外
フランジ9aが形成されている。管3の中を高圧の流体
が流れると、コマ5がロック面2dの作用によって管3
に強く食い込み、管3に凹みが発生することがある。そ
こで、管3の先端部にインナーパイプ9を挿入してお
き、コマ5と接する管5の内面を支持することで、管3
の凹みを抑制することができる。インナーパイプ9は管
3の先端面に係止される外フランジ9aを持つので、イ
ンナーパイプ9が管3の中を動くことがない。なお、イ
ンナーパイプ9は必要に応じて設けられる。
【0021】ここで、管継手本体2に対して管3を固定
する方法について説明する。まず、スリーブ4に対して
コマ5とワイヤ6とを一体的にアッセンブリする。その
ため、コマ5にワイヤ6を挿通し、このワイヤ6をスリ
ーブ4の周溝4aに嵌合させるとともに、コマ5をスリ
ーブ4の開口部4bに嵌合させる。ワイヤ6の内径は、
自由状態においてスリーブ4の周溝4aの溝底外径より
小さく形成されているので、ワイヤ6はスリーブ4の周
溝4aの溝底面に安定に支持される。このようにして、
スリーブ4とコマ5とワイヤ6は一体的にアッセンブリ
されるので、コマ5がスリーブ4から脱落せず、取り扱
いが容易となる。
【0022】次に、コマ5を装着したスリーブ4を管継
手本体2に対して挿入するのであるが、その前に、ガス
ケット7を管継手本体2の第2凹溝2bに嵌め込んでお
く。ガスケット7は弾性ゴムよりなるので、簡単に嵌め
込むことができる。ガスケット7を嵌め込んだ管継手本
体2に対して、スリーブ4を挿入すると、スリーブ4か
ら外径方向に突出しているコマ5が管継手本体2の内周
縁に当たる。ここで、スリーブ4を強く押し込むと、ワ
イヤ6の一部分が撓んでコマ5が内径側へ変位するの
で、コマ5が管継手本体2の内周側へ潜り込み、スリー
ブ4を挿入することができる。さらにスリーブ4を押し
込むと、コマ5が管継手本体2の入口部を乗り越えて第
1凹溝2aに嵌まり込む。ここで、コマ5はワイヤ6の
弾性によって外径方向へ突出するので、スリーブ4は抜
け止めされる。スリーブ4を奥まで挿入すると、スリー
ブ4の先端に設けた係止溝4cにガスケット7の係合突
起7aに自動的に係合し、ガスケット7がスリーブ4と
連結される。このとき、ガスケット7はスリーブ4に押
されて奥方へ逃げようとするが、管継手本体2の第2凹
溝2bの奥部にストッパ面2eが形成されているので、
ガスケット7の逃げが規制され、係止溝4cと係合突起
7aとを確実に係合させることができる。
【0023】上記のようにコマ5を装着したスリーブ4
を管継手本体2に挿入した状態において、コマ5が第1
凹溝2aに嵌まり込むことで、スリーブ4は管継手本体
2に対して抜け止めされる。また、スリーブ4の係止溝
4cにガスケット7の係合突起7aが係合することで、
スリーブ4の軸方向の遊びが解消される。この状態で、
スリーブ4の雄ねじ4fにハンドル8を軽く螺合させれ
ば、準備が完了する。
【0024】上記のようにスリーブ4を組み付けた管継
手本体2に対して管3を挿入すると、複数のコマ5の内
周面を結ぶ包絡円の直径は管3の外径より小さいので、
管3の外周面がスリーブ4の内周面から内径方向へ突出
しているコマ5に接触する。そして、管3の挿入に伴っ
てコマ5を挿通支持したワイヤ6が押し広げられるが、
コマ5は管3と接触しながら回転するので、管3はスム
ーズに挿入される。また、ガスケット7の内側リップ7
cは挿入方向に傾斜しているので、管3を円滑に挿入で
きる(図1の右半分に示す)。
【0025】管3をストッパ壁2fと当接する位置まで
挿入した後、ハンドル8を締付方向に回し、スリーブ4
の雄ねじ4fに対して螺進させる。ハンドル8の内側面
8cが管継手本体2の端面に当接することで、スリーブ
4が管継手本体2の軸方向外方へ引っ張られる。このと
き、スリーブ4は平行移動するので、周方向に複数個設
けられたコマ5が管継手本体2のロック面2dにほぼ同
時に接触する。そして、コマ5が管継手本体2のロック
面2dによって内径方向へ押されて管3の外周面に圧接
し、管3を確実に抜け止めする。
【0026】コマ5の外周面には、管3とほぼ線接触で
きるように凹曲面5bが形成されているので、コマ5が
管3に対して強く食い込んでも、管3の凹みを最小限に
抑制できる。なお、コマ5の外周面に軸方向のローレッ
ト5cが形成されているので、ロック力がさらに強力と
なり、管3に大きな引張力が作用しても、管3の抜けを
確実に防止できる。コマ5の両端部外周面には、凸曲面
5dが形成されているので、管継手本体2のロック面2
dとのエッジ当たりを防止し、ロック面2dの損傷を防
止できる。
【0027】ハンドル8を雄ねじ4fに螺合させるに従
い、ハンドル8の内テーパ面8bが管継手本体2のガイ
ド面2gに接触して軸心位置へガイドされるので、スリ
ーブ4の偏心が防止される。そのため、複数のコマ5が
管継手本体2のロック面2dに均等に接触し、管3に対
する係止力も周方向に均等に働く。ハンドル8を最後ま
で締め付けると、ハンドル8の内テーパ面8bが管継手
本体2のガイド面2gに密着し、その摩擦抵抗によりハ
ンドル8の緩みが防止される。なお、図1の左半分よび
図2に示すように、締め込み完了状態においてハンドル
8からスリーブ4の雄ねじ4fが露出するので、締め込
み完了を確認することができる。
【0028】管継手本体2から管3を取り外す必要が生
じた場合には、まずスリーブ4の雄ねじ4fに螺合した
ハンドル8を緩め、スリーブ4を管継手本体2の奥方へ
押し込む。これにより、スリーブ4に保持されたコマ5
も管継手本体2の奥側へ移動し、ロック面2dから離れ
るため、コマ5と管3とのロックが解除される。この状
態で、管3を引っ張ると、管3を容易に引き抜くことが
できる。
【0029】図10はハンドルの第2実施例を示し、図
9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略す
る。このハンドル8は、内テーパ面8bに代えて環状の
凸部8eをハンドル8の先端部内面に設けたものであ
る。この場合には、凸部8eが管継手本体2のガイド面
2gに摺接し、ハンドル8ひいてはスリーブ4の偏心を
防止する。さらに、ハンドル8を締め込んだ状態で、凸
部8eの一部が潰れてガイド面2gに圧接することで、
ハンドル8の緩みを防止できる。
【0030】図11はコマの第2実施例を示す。このコ
マ5も略鼓形に形成されたものであるが、管3の外周面
に接触する部分が、複数の面5e,5fで構成されてい
る。すなわち、中央部に円筒面5eが形成され、その両
側にテーパ面5fが形成されている。これら3つの面が
管3の外周面に複数箇所で接触することで、管3の凹み
を防止することができる。この場合も、円筒面5eおよ
びテーパ面5fと管3との摩擦抵抗を増やすため、軸方
向のローレット(図示せず)や微小な凹凸を設けてもよ
い。コマ5の軸方向両端部には、ロック面2dとのエッ
ジ当たりを防止するため、テーパ面5gが形成されてい
る。
【0031】本発明は上記実施例にのみ限定されるもの
ではない。上記実施例では、管継手本体を二方向に開口
した接続口を有するソケット形とした場合を示したが、
一端部にネジを形成して配管に螺着し、他端部に接続口
を設けた構造としてもよい。さらに、管継手本体に3方
向または4方向の接続口を設けてもよいことは勿論であ
る。本発明の管継手は、鋼管のような金属管の接続だけ
でなく、樹脂管の接続にも使用できる。また、管継手本
体やスリーブは、金属材料や樹脂材料など如何なる材料
を使用してもよい。上記実施例ではワイヤ6をスリーブ
4の外周面に形成した周溝4aに係合保持させたが、ス
リーブ4の内周面に周溝を形成し、この周溝にワイヤ6
を内径側から係合させてもよい。コマの形状は、図6,
図11に示すような中央部が括れた鼓形に限るものでは
なく、中央部が膨らんだ太鼓形、球形、あるいは円筒形
であってもよい。管継手本体と管との間をシールするシ
ール部材として、外側リップと内側リップとを有するガ
スケット7を使用したが、Oリングや他の公知のシール
部材を用いることができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、スリーブにワイヤによって保持されたビーズ状
コマを取り付けたので、スリーブからコマが脱落せず、
コマをスリーブから内径側へ大きく突出させることがで
きる。そのため、コマと管との係合代を大きく取れ、管
に対する係止力が増大するという効果を有する。また、
スリーブの一端部に、管継手本体から軸方向外部へ突出
し、外周面に雄ねじ部を有する突出部を設け、雄ねじ部
に管継手本体の端面に当接可能なリング状ハンドルを螺
合させたので、ハンドルを回転させることにより、スリ
ーブを軸方向外方へ均等に付勢でき、複数のコマをロッ
ク面に均等に圧接させることができる。そのため、複数
のコマが管の外周面に均等に圧接し、安定した係止力を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる管継手の一例の全体断面図であ
る。
【図2】図1の主要部の拡大断面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】管継手本体の一部断面側面図である。
【図5】スリーブの一部断面側面図である。
【図6】コマの正面図,側面図およびB−B線断面図で
ある。
【図7】ワイヤの側面図である。
【図8】ガスケットの断面図である。
【図9】ハンドルの一部断面側面図である。
【図10】ハンドルの他の実施例の一部断面側面図であ
る。
【図11】コマの他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 管継手 2 管継手本体 2d ロック面 3 管 4 スリーブ 5 コマ 6 ワイヤ 7 ガスケット 8 ハンドル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒形の管継手本体と、管継手本体の内周に
    挿入され、内側に管を受け入れるスリーブとを備え、上
    記管継手本体の内周面には奥部側が漸次大径となるテー
    パ状のロック面が形成され、上記スリーブに複数のビー
    ズ状コマがこれらコマに挿通される略リング状のワイヤ
    によって周方向に所定間隔おきに保持され、上記スリー
    ブを管継手本体に対し軸方向外側へ付勢することによ
    り、上記コマをロック面と管の外周面との間に圧接させ
    て管を管継手本体に対して抜け止めする管継手におい
    て、上記スリーブの一端部に、管継手本体から軸方向外
    部へ突出し、外周面に雄ねじ部を有する突出部が設けら
    れ、上記雄ねじ部に螺合し、管継手本体の端面に当接可
    能なリング状ハンドルが設けられ、上記ハンドルを回す
    ことにより上記スリーブを管継手本体に対し軸方向外側
    へ付勢するようにしたことを特徴とする管継手。
  2. 【請求項2】上記管継手本体の端部外周部には、先端方
    向に漸次小径となるテーパ状ガイド面が形成され、上記
    ハンドルの内周部が上記ガイド面に接触してスリーブが
    管継手本体の軸心部に保持されることを特徴とする請求
    項1に記載の管継手。
JP2001198108A 2001-06-29 2001-06-29 管継手 Pending JP2003014183A (ja)

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