JP2003013924A - ねじ及びドライバービットとの組合せ並びにねじ製造用ヘッダーパンチ - Google Patents
ねじ及びドライバービットとの組合せ並びにねじ製造用ヘッダーパンチInfo
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Abstract
て、ねじの十字溝における溝部の構成を改善することに
より、ドライバービットのカムアウト現象を有効に防止
し、従来におけるようなねじの破損を防止すると共に、
仮にねじの十字溝部分に破損を生じても、常に適正かつ
迅速なねじ締め作業を達成し、作業能率を著しく向上す
ることができるねじ及びドライバービットとの組合せ並
びにねじ製造用ヘッダーパンチを提供する。 【解決手段】 ねじ頭部30aにおける十字溝からなる
ビット嵌合溝32のそれぞれ傾斜溝部32aの中位部
に、断面においてほぼ直角三角形状の切欠き段部36を
設けたねじ30と、扁平状の刃部52の傾斜端縁部52
aの中位部に、前記ねじの傾斜溝部の中位部に形成した
切欠き段部と適合する、断面においてほぼ直角三角形状
の突出56部を設け、さらに前記刃部52の先端面を円
錐状の突部54として構成したドライバービット50と
から構成する。
Description
用するドライバービット並びにねじ製造用ヘッダーパン
チに係るものであり、特にねじの頭部に形成する十字溝
からなるビット嵌合溝とこれに適応するドライバービッ
トとの嵌合を緊密に行い、常に適正なトルク伝達によっ
てねじの取付けおよび取外しを迅速かつ確実に達成する
ことができるねじ及びドライバービットとの組合せ並び
にねじ製造用ヘッダーパンチに関するものである。
ビットの組合せは、図9ないし図12に示すように構成
したものが知られている。すなわち、図9および図10
は、従来の十字溝を有するねじを示し、また図11はこ
の十字溝ねじ用のドライバービットを示し、そして図1
2は前記ねじとドライバービットとの嵌合状態を示すも
のである。
そのねじ頭部10aに十字溝12が設けられる。この十
字溝12は、それぞれ端縁部よりねじ頸部10bの中心
部に指向して、それぞれ一定の傾斜溝部12aが延在形
成されると共に、その底部において緩傾斜のほぼ円錐底
面14が形成された構成からなる。なお、図9におい
て、参照符号13は、それぞれ隣接する十字溝12との
間に形成されるテーパ側壁部を示す。すなわち、このテ
ーパ側壁部13において、後述するドライバービットの
刃部が当接係合する。また、前記各傾斜溝部12aの隣
接する隅角部には、円錐底面14の位置よりねじ頭部1
0aの十字溝12の開口縁部まで延在するテーパ結合面
17a、17bがそれぞれ形成され、これらテーパ結合
面17a、17bに対しても、後述するドライバービッ
トの刃部の一部が当接係合するように構成される。
ト20は、前記ねじ10の十字溝12に嵌合する刃部2
2をそれぞれ備えると共に、前記十字溝12の端縁部よ
りねじ頸部10bの中心部に指向して延在形成された傾
斜溝部12aの形状に適合するようにそれぞれ延在させ
た延長刃部22aを形成した構成からなる。なお、図1
2において、参照符号23は、前記各刃部22ないし延
長刃部22aの両側面に形成されるテーパ側壁部を示
す。すなわち、このテーパ側壁部23が、前述したねじ
10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13と当接
係合する。
ライバービット20の組合せによれば、図13に示すよ
うに、ねじ10とドライバービット20とを嵌合すれ
ば、前述したように、ドライバービット20の各刃部2
2および延長刃部22aが、それぞれ十字溝12の傾斜
溝部12aに嵌入し、前記各刃部22および延長刃部2
2aの側壁部23が、ねじ10の十字溝12のテーパ側
壁部13に当接して、ドライバービット20を回動する
ことにより、ねじ10に対して所定のトルク伝達を行う
ことができる。すなわち、所要の取付け対称物における
ねじの取付けまたは取外しを行うことができる。
た構成からなる従来のねじ10とドライバービット20
との組合せによれば、図13に示すように、ねじ頭部1
0aの十字溝12は、その端縁部よりねじ頸部10bの
中心部に指向して、一定の傾斜溝部12aを形成してお
り、一方これに対応するドライバービット20は、その
延長刃部22aの稜線部分が前記傾斜溝部12aの形状
に適合して前記十字溝12に嵌合され、しかもこの延長
刃部22aの稜線部分は、その先端より後方に指向して
漸次幅広く形成されている。さらに、ドライバービット
20の各刃部22に形成されたテーパ側壁部23も、ね
じ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13に当
接係合するため、前記ドライバービット20を、所定の
方向に回動させると、前記ドライバービット20と十字
溝12との接触状態が、全面的にテーパ接触と言えるも
のであるため、ドライバービット20の先端は前記十字
溝12の傾斜溝部12aの傾斜面に沿って外方へ飛び出
そうとする(図13に矢印で示す)、所謂カムアウト現
象が生じる。
は、図11に示すように、ドライバービット20の先端
の嵌合を容易にするため、それぞれ十字溝12の溝幅
は、ドライバービット20の延長刃部22aの稜線部分
の幅より比較的大きく形成され、一方隣接する十字溝1
2、12間の境界部分ないし隅角部に形成されるテーパ
側壁部13およびテーパ結合面17a、17bの面積は
比較的小さい。このため、前記ドライバービット20の
回動操作において、前記テーパ側壁部13およびテーパ
結合面17a、17bには、多大な応力が負荷され、ね
じ締め抵抗が大きな場合には、図11に斜線部15で示
すように、前記テーパ側壁部13およびテーパ結合面1
7a、17bが次第に破損する。従って、この破損部
(斜線部15)が拡大されると、前記ドライバービット
20のカムアウト現象が頻繁となり、遂にはねじ締め作
業が不可能となる。
は、例えばタッピンクねじの場合、その表面硬度が高く
設計されていることから、ドライバービットの先端刃部
が摩耗してしまう難点がある。また、トルク制御機能を
有するクラッチ型自動ドライバーにおいては、ねじ締め
の途中でカムアウト現象を生じた場合に、ねじが適正ト
ルクで確実に取付けられたかどうかを、オペレータが判
断できない難点がある。
ト20のカムアウト現象を防止するためには、ドライバ
ービット20の回動に際し、これをねじ溝12aに対し
て強力に押し付ける推力を加えることが必要となる。し
かしながら、ねじの取付け対象物が金属等の剛性体であ
る場合は問題がないが、精密部品等の場合には、これら
対象物を破損してしまう欠点がある。
端部すなわち刃部22および延長刃部22aの摩耗を早
め、これらの摩耗によって、さらに前記カムアウト現象
の発生を助長し、この結果、ねじ溝の破損も増大する難
点がある。
て過大な推力を加えることにより、前記カムアウト現象
を防止することは可能であるが、その反面において、ね
じに対して正確なトルクを伝達することができず、オペ
レータによってドライバービット20に加える推力の大
きさが相違し、この結果、ねじの締付けトルクにばらつ
きが生じる難点がある。
ライバービット20をねじに対し十分押し付けながらこ
れを回動させるという操作は、オペレータにとって多大
な労力と疲労とを与える難点がある。
ービット20との組合せによれば、手動工具あるいは電
動工具を使用してねじの取付けを行う場合、ねじ溝に対
するビット先端部との嵌合に際して、ねじ軸とドライバ
ービット軸とを同軸に適合させた状態を維持して、ねじ
の回動操作を行うことは困難であル。従って、ねじ軸と
ドライバービット軸とが傾斜している場合には、前記カ
ムアウト現象が頻繁に発生するばかりでなく、ねじ溝の
破損も頻繁となり、ねじ締め作業の作業効率を低下させ
ると共に、破損ねじの消費に伴う経費の無駄を生じさせ
る難点がある。
記と同様のカムアウト現象およびねじ溝の破損を生じ易
くなるが、この場合にはねじの取外しが不可能となり、
ねじの取付け対象物の一部を破壊しなければならなくな
る事態が発生する。特に、ねじ溝内にごみ詰まり等を生
じた場合には、前記事態の発生は著しくなり、例えばね
じの取外しを伴う廃棄物品のリサイクルのための分別作
業を煩雑化させる難点がある。
を重ねた結果、ねじ頭部に十字溝からなるビット嵌合溝
を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心
部に指向して所要の傾斜溝部を形成すると共にその交差
中心部においてほぼ円錐底面を形成したねじにおいて、
前記ビット嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、断面
においてほぼ直角三角形状の切欠き段部を設け、この切
欠き段部にドライバービットの一部を係合するように構
成することにより、ドライバービットのカムアウト現象
を確実に防止し得ると共に、ねじの強度を高めてその破
損を著しく低減することができ、しかもねじに対するバ
ランスのとれたトルク伝達を達成することができること
を突き止めた。
軽量の精密機器用ねじに適用する場合、ビット嵌合溝の
形成をねじ強度を低下させることなく容易に行うことが
できると共に、ドライバービットのカムアウト現象を確
実に防止し、しかもねじに対するバランスのとれたトル
ク伝達を行って、常に適正かつ安全なねじ締め作業を達
成することができることが判った。
バービットとの組合せにおいて、ねじの十字溝における
溝部の構成を改善することにより、ドライバービットの
カムアウト現象を有効に防止し、従来におけるようなね
じの破損を防止すると共に、仮にねじの十字溝部分に破
損を生じても、常に適正かつ迅速なねじ締め作業を達成
し、作業能率を著しく向上することができるねじ及びド
ライバービットとの組合せ並びにねじ製造用ヘッダーパ
ンチを提供することにある。
め、本発明に係るねじは、ねじ頭部に十字溝からなるビ
ット嵌合溝を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ
頸部の中心部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝
部を形成すると共に、その交差中心部においてほぼ円錐
底面を形成してなるねじにおいて、前記ビット嵌合溝の
それぞれ傾斜溝部の中位部に、断面においてほぼ直角三
角形状の切欠き段部を設けたことを特徴とする。
中心部に指向して形成される傾斜溝部は、ねじ軸に対し
約20〜30°の傾斜角度βに形成することができる。
薄肉の扁平型から構成することができる。
トとの組合せは、ねじ頭部に十字溝からなるビット嵌合
溝を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中
心部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成
すると共に、その交差中心部においてほぼ円錐底面を形
成してなるねじと、先端部において前記ねじ頭部のビッ
ト嵌合溝の傾斜溝部に沿って嵌入する傾斜端縁部を形成
したほぼ扁平状の刃部を備えてなるドライバービットと
の組合せにおいて、前記ビット嵌合溝のそれぞれ傾斜溝
部の中位部に、断面においてほぼ直角三角形状の切欠き
段部を設けたねじと、前記刃部の傾斜端縁部の中位部
に、前記ねじの傾斜溝部の中位部に形成した切欠き段部
と適合する、断面においてほぼ直角三角形状の突出部を
設け、さらに前記刃部の先端面を円錐状の突部として構
成したドライバービットとから構成したことを特徴とす
る。
る傾斜溝部および前記ドライバービットの刃部における
傾斜端縁部は、それぞれねじ軸およびビット軸に対し約
20〜30°の傾斜角度βおよびγに形成することがで
きる。
のヘッダーパンチは、ねじ頭部のビット嵌合溝の端縁部
よりねじ軸に対し約20〜30°の傾斜角度βからなる
傾斜溝部を形成する突起片をそれぞれ備え、前記突起片
の中位部に、断面においてほぼ直角三角形状の突起部を
設け、さらに前記突起片よりねじ頸部の中心部に指向す
るように、ねじ軸と直角となる水平面に対し約15〜3
5°の緩傾斜角度αからなる円錐底面を形成する円錐突
部を設けたことを特徴とする。
イバービットとの組合せ並びにねじ製造用ヘッダーパン
チに関する実施例につき、添付図面を参照しながら以下
詳細に説明する。
じの一実施例を示すものである。すなわち、図1および
図2において、参照符号30は本発明に係るねじを示
し、このねじ30の頭部30aは、断面において皿型に
形成され、その頂部中央にはビット嵌合溝32が設けら
れている。なお、このビット嵌合溝32は、ねじ頭部3
0aの中心部において、プラス(+)状に直交する十字
溝として構成されている。
JIS(日本工業規格)に基づく開口部寸法(m)と溝
底部寸法(g)とによって形成されている(図2参
照)。すなわち、ビット嵌合溝32の開口端縁部より所
要の深さまで、ねじ軸に対し約20〜30°(例えば、
26°30′)の傾斜角度βを有する傾斜溝部32aを
形成し、この傾斜溝部32aの下縁部よりねじ頭部30
aの中心部に指向して、ねじ軸と直角となる水平面に対
し約15〜35°の緩傾斜角度αからなる円錐底面34
を形成した構成からなる。
は、図2に示すように、前記ビット嵌合溝32の傾斜溝
部32aの中位部に、断面においてほぼ直角三角形状の
切欠き段部36をそれぞれ設けたことを特徴とするもの
である。
1に示すように、前記ビット嵌合溝32の隣接する隅角
部に、図10に示す従来の十字溝ねじ10と同様にし
て、円錐底面34の位置よりねじ頭部30aにおけるビ
ット嵌合溝32の開口縁部まで延在するテーパ結合面3
7a、37bが、それぞれ形成されている。
施例を示すものである。すなわち、図3において、本実
施例のねじ30は、ねじ頭部30aを、断面において鍋
型に形成したものである。そして、本実施例のねじ30
のねじ頭部30aに設けたビット嵌合溝32の構成は、
前述した図1および図2に示す実施例のねじ頭部30a
(断面において皿型に形成)に設けたビット嵌合溝32
と同一である。従って、同一の構成部分には同一の参照
符号を付し、その詳細な説明は省略する。
別の実施例を示すものである。本実施例に係るねじは、
ねじ頭部30aを小型および軽量の精密機器用ねじとし
て、例えば薄肉の扁平型に形成したものである。そし
て、本実施例のねじ30のねじ頭部30aに設けたビッ
ト嵌合溝32の構成においても、前述した図1および図
2に示す実施例のねじ頭部30a(断面において皿型に
形成)に設けたビット嵌合溝32と同一である。従っ
て、同一の構成部分には同一の参照符号を付し、その詳
細な説明は省略する。
ついてそれぞれ説明したが、本発明に係るねじのビット
嵌合溝32は、従来より公知のJIS(日本工業規格)
に基づく開口部寸法(m)と溝底部寸法(g)とに基づ
くものであり、傾斜溝部32aの一部に断面においてほ
ぼ直角三角形状の切欠き段部36を設けることによっ
て、従来のプラスドライバービットは勿論のこと、後述
する構成からなるドライバービットを適用することによ
り、ドライバービットがねじに対して回転駆動力を与え
る面積(以下、駆動面積という)を拡大することができ
ると共に、ドライバービットのカムアウト現象を確実に
防止し、ねじに対するバランスのとれたトルク伝達を達
成することができる。
の設定が、ねじ頭部30aを皿型(図2参照)、鍋型
(図3参照)は勿論のこと、特にねじ頭部30aを薄肉
の扁平型(図4参照)に形成したねじ30においても、
ビット嵌合溝32の形成に際して、ねじ頭部30aとね
じ頸部30bとの境界部の肉厚を、適正に保持すること
ができるため、ねじ締め作業に際してのねじの強度を十
分に高めることができる利点を有している。また、この
ような形状からなるビット嵌合溝32を、ヘッダーパン
チにより簡便かつ容易に形成することができる。
いし図4に示す実施例1〜3の本発明に係るねじ30を
製造するためのヘッダーパンチ40の一実施例を示すも
のである。すなわち、本実施例のヘッダーパンチ40
は、図2ないし図4に示すねじ30のねじ頭部30aに
おけるビット嵌合溝32を押し抜き成形加工するもので
ある。
は、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部より、
ねじ軸に対し約20〜30°(例えば、26°30′)
の傾斜角度βからなる傾斜溝部32aを形成するための
傾斜縁部42aを有する突起片42をそれぞれ備え、こ
れら突起片42の前記傾斜縁部42aの中位部に、断面
においてほぼ直角三角形状の突起部46を設ける。さら
に、前記突起片42よりねじ頸部30bの中心部に指向
するように、ねじ軸と直角となる水平面に対し約15〜
35°の緩傾斜角度αからなる円錐底面34を形成する
ための円錐突部44を設けた構成からなる。なお、前記
実施例2および実施例3に示すねじをそれぞれ製造する
ためのヘッダーパンチとしては、前記突起片42の周囲
基部の形状を、各実施例のねじ頭部30aの形状に適合
させて設計変更することにより、それぞれ所要のヘッダ
ーパンチを構成することができる。
明に係るドライバービットの一実施例を示すものであ
る。すなわち、図6および図7において、参照符号50
は本実施例のドライバービットの要部を示し、このドラ
イバービットの刃部先端は、前述した本発明に係るねじ
30のねじ頭部30aの中心部において、十字溝として
形成されたビット嵌合溝32に適合するように構成され
る。
は、前記ねじ30のビット嵌合溝32に嵌合し、このビ
ット嵌合溝32の端縁部に形成した傾斜溝部32aに対
して、それぞれ係合するように、ビット軸に対し約20
〜30°(例えば、26°30′)の傾斜角度γからな
る傾斜端縁部52aを有する扁平刃部52をそれぞれ備
え、これら扁平刃部52の前記傾斜端縁部52aの中位
部に、断面においてほぼ直角三角形状の突出部56を設
ける。さらに、前記ビット嵌合溝32の円錐底部34に
対応させて、前記扁平刃部52の先端面をビット軸と直
角となる水平面に対しほぼ15〜35°の傾斜角度θを
有する円錐状の突部54を設けた構成からなる。
ービット50によれば、前記各扁平刃部52の傾斜端縁
部52aに設けられる突出部56は、前述したねじ30
のビット嵌合溝32の傾斜溝部32aに設けられた切欠
き段部36と当接係合することによって、ドライバービ
ット50の扁平刃部52による駆動面の係合において、
その係合面積が十分な大きさを得ることができるため、
従来のねじとドライバービットの組合せにおいて生じた
カムアウト現象を、有効に防止することが可能となる。
このねじに対し好適に適合し得るドライバービット50
との結合操作について説明する。
すドライバービット50との結合状態を示すものであ
る。すなわち、この場合、図8に示すように、ねじ30
のねじ頭部30aに形成されたビット嵌合溝32に対す
るドライバービット50の先端に形成された扁平刃部5
2の当接に際して、前記扁平刃部52の傾斜端縁部52
aに設けられた突出部56が、ねじ30のビット嵌合溝
32の傾斜溝部32aに設けられた切欠き段部36と当
接係合することによって、ドライバービット50の扁平
刃部52による駆動面の係合において、その係合面積が
十分な大きさを得ることができる。また、この場合、ド
ライバービット50の扁平刃部52の傾斜端縁部52a
に設けた突出部56が、ねじ30のビット嵌合溝32の
傾斜溝部32aに設けた傾斜段部36に対して極めて有
効に接触係合して、ビット嵌合溝の一部において破損を
生じさせることなく、カムアウト現象も生じることな
く、適正なねじ締め操作およびねじの取外し操作を達成
することができる。
ぞれ説明したが、本発明は前記各実施例に限定されるこ
となく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多
くの設計変更を行うことができることは勿論である。
明に係るねじは、ねじ頭部に十字溝からなるビット嵌合
溝を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中
心部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成
すると共に、その交差中心部においてほぼ円錐底面を形
成してなるねじにおいて、前記ビット嵌合溝のそれぞれ
傾斜溝部の中位部に、断面においてほぼ直角三角形状の
切欠き段部を設けた構成としたことにより、ねじ締め作
業に際してのねじの強度を十分に高めることができると
共に、従来のプラスドライバービットの使用を可能とし
て、ねじ締め作業におけるドライバービットのカムアウ
ト現象を確実に防止し、ねじに対するバランスのとれた
トルク伝達を達成することができる等、多くの優れた利
点が得られる。
トとの組合せによれば、ビット嵌合溝のそれぞれ傾斜溝
部の中位部に、断面においてほぼ直角三角形状の切欠き
段部を設けたねじと、扁平刃部の傾斜端縁部の中位部
に、前記ねじの傾斜溝部の中位部に形成した切欠き段部
と適合する、断面においてほぼ直角三角形状の突出部を
設け、さらに前記刃部の先端面を円錐状の突部として構
成したドライバービットとを組合せることによって、ド
ライバービットのねじに対する駆動面積を拡大すること
ができ、これによりドライバービットのカムアウト現象
を確実に防止すると共にねじに対するバランスのとれた
トルク伝達を達成して、ねじ締め作業の迅速化と作業能
率の向上とを容易に達成することができる等、多くの優
れた利点が得られる。
ットとの嵌合に際して、ビット嵌合溝の傾斜溝部の一部
に、若干の切欠き段部を設けるだけで、ドライバービッ
トの扁平刃部の傾斜端縁部が、ビット嵌合溝の傾斜溝部
に対して極めて有効に接触係合して、例えば図10に示
すような、ビット嵌合溝の一部において破損(参照符号
15)を生じさせることなく、カムアウト現象も生じる
ことなく、適正なねじ締め操作およびねじの取外し操作
を達成することができる。
トとの組合せによれば、ねじ軸とビット軸とを常に同一
軸上において嵌合させ、回動させることができるので、
カムアウト現象やねじ等の破損を生じることなく、ドラ
イバービットの回動力をねじに対して円滑に伝達して、
常に適正なトルクによるねじ締め操作を迅速に達成する
ことができる。
ビットとの組合せを使用すれば、特に硬軟各種の材料か
らなる小型および軽量の精密機器用のねじの取付けに対
して、常に適正なトルクにより確実なねじの締付け操作
を行うことができるばかりでなく、ねじの破損を大幅に
低減することができ、ねじ締め作業の安全性と作業能率
の向上を、容易かつ経済的に達成することができる。
平面図である。
じの要部断面側面図である。
ねじの要部断面側面図である。
部薄肉扁平型ねじの要部断面側面図である。
ためのねじ製造用ヘッダーパンチの要部側面図である。
備えたドライバービットの一実施例を示す要部拡大側面
図である。
底面図である。
ットが嵌合する状態を示す要部拡大断面側面図である。
部側面図である。
ットとの結合状態を示す要部断面側面図である。
7)
ト20は、前記ねじ10の十字溝12に嵌合する刃部2
2をそれぞれ備えると共に、前記十字溝12の端縁部よ
りねじ頸部10bの中心部に指向して延在形成された傾
斜溝部12aの形状に適合するようにそれぞれ延在させ
た延長刃部22aを形成した構成からなる。なお、図1
1において、参照符号23は、前記各刃部22ないし延
長刃部22aの両側面に形成されるテーパ側壁部を示
す。すなわち、このテーパ側壁部23が、前述したねじ
10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13と当接
係合する。
ライバービット20の組合せによれば、図12に示すよ
うに、ねじ10とドライバービット20とを嵌合すれ
ば、前述したように、ドライバービット20の各刃部2
2および延長刃部22aが、それぞれ十字溝12の傾斜
溝部12aに嵌入し、前記各刃部22および延長刃部2
2aの側壁部23が、ねじ10の十字溝12のテーパ側
壁部13に当接して、ドライバービット20を回動する
ことにより、ねじ10に対して所定のトルク伝達を行う
ことができる。すなわち、所要の取付け対称物における
ねじの取付けまたは取外しを行うことができる。
た構成からなる従来のねじ10とドライバービット20
との組合せによれば、図12に示すように、ねじ頭部1
0aの十字溝12は、その端縁部よりねじ頸部10bの
中心部に指向して、一定の傾斜溝部12aを形成してお
り、一方これに対応するドライバービット20は、その
延長刃部22aの稜線部分が前記傾斜溝部12aの形状
に適合して前記十字溝12に嵌合され、しかもこの延長
刃部22aの稜線部分は、その先端より後方に指向して
漸次幅広く形成されている。さらに、ドライバービット
20の各刃部22に形成されたテーパ側壁部23も、ね
じ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13に当
接係合するため、前記ドライバービット20を、所定の
方向に回動させると、前記ドライバービット20と十字
溝12との接触状態が、全面的にテーパ接触と言えるも
のであるため、ドライバービット20の先端は前記十字
溝12の傾斜溝部12aの傾斜面に沿って外方へ飛び出
そうとする(図12に矢印で示す)、所謂カムアウト現
象が生じる。
は、図10に示すように、ドライバービット20の先端
の嵌合を容易にするため、それぞれ十字溝12の溝幅
は、ドライバービット20の延長刃部22aの稜線部分
の幅より比較的大きく形成され、一方隣接する十字溝1
2、12間の境界部分ないし隅角部に形成されるテーパ
側壁部13およびテーパ結合面17a、17bの面積は
比較的小さい。このため、前記ドライバービット20の
回動操作において、前記テーパ側壁部13およびテーパ
結合面17a、17bには、多大な応力が負荷され、ね
じ締め抵抗が大きな場合には、図10に斜線部15で示
すように、前記テーパ側壁部13およびテーパ結合面1
7a、17bが次第に破損する。従って、この破損部
(斜線部15)が拡大されると、前記ドライバービット
20のカムアウト現象が頻繁となり、遂にはねじ締め作
業が不可能となる。
は、例えばタッピングねじの場合、その表面硬度が高く
設計されていることから、ドライバービットの先端刃部
が摩耗してしまう難点がある。また、トルク制御機能を
有するクラッチ型自動ドライバーにおいては、ねじ締め
の途中でカムアウト現象を生じた場合に、ねじが適正ト
ルクで確実に取付けられたかどうかを、オペレータが判
断できない難点がある。
Claims (6)
- 【請求項1】 ねじ頭部に十字溝からなるビット嵌合溝
を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心
部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成す
ると共に、その交差中心部においてほぼ円錐底面を形成
してなるねじにおいて、 前記ビット嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、断面
においてほぼ直角三角形状の切欠き段部を設けたことを
特徴とするねじ。 - 【請求項2】 前記ビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部
の中心部に指向して形成される傾斜溝部は、ねじ軸に対
し約20〜30°の傾斜角度βに形成したことを特徴と
する請求項1記載のねじ。 - 【請求項3】 前記ねじ頭部を、鍋型、皿型または薄肉
の扁平型から構成したことを特徴とする請求項1または
2記載のねじ。 - 【請求項4】 ねじ頭部に十字溝からなるビット嵌合溝
を設け、このビット嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心
部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成す
ると共に、その交差中心部においてほぼ円錐底面を形成
してなるねじと、先端部において前記ねじ頭部のビット
嵌合溝の傾斜溝部に沿って嵌入する傾斜端縁部を形成し
たほぼ扁平状の刃部を備えてなるドライバービットとの
組合せにおいて、 前記ビット嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、断面
においてほぼ直角三角形状の切欠き段部を設けたねじ
と、 前記刃部の傾斜端縁部の中位部に、前記ねじの傾斜溝部
の中位部に形成した切欠き段部と適合する、断面におい
てほぼ直角三角形状の突出部を設け、さらに前記刃部の
先端面を円錐状の突部として構成したドライバービット
とから構成したことを特徴とするねじとドライバービッ
トとの組合せ。 - 【請求項5】 前記ねじのビット嵌合溝における傾斜溝
部および前記ドライバービットの刃部における傾斜端縁
部は、それぞれねじ軸およびビット軸に対し約20〜3
0°の傾斜角度βおよびγに形成したことを特徴とする
請求項4記載のねじとドライバービットとの組合せ。 - 【請求項6】 ねじ頭部のビット嵌合溝の端縁部よりね
じ軸に対し約20〜30°の傾斜角度βからなる傾斜溝
部を形成する突起片をそれぞれ備え、前記突起片の中位
部に、断面においてほぼ直角三角形状の突起部を設け、
さらに前記突起片よりねじ頸部の中心部に指向するよう
に、ねじ軸と直角となる水平面に対し約15〜35°の
緩傾斜角度αからなる円錐底面を形成する円錐突部を設
けたことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに
記載のねじを製造するためのヘッダーパンチ。
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