JP4394184B2 - ドライバービット及びねじとの組合せ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライバービットに係るものであり、特ねじの頭部に形成するビット嵌合溝としての十字溝に対し、これに適合して緊密な嵌合を行うプラスドライバービット(以下、単にドライバービットと称する)であって、常に適正なトルク伝達によってねじの取付けおよび取外しを迅速かつ確実に達成することができるドライバービット及びこのドライバービットに適合するねじとの組合せに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来における、一般的なねじとドライバービットの組合せは、図13ないし図16に示すように構成したものが知られている。すなわち、図13および図14は、従来の十字溝を有するねじを示し、また図15はこの十字溝ねじ用のドライバービットを示し、そして図16は前記ねじとドライバービットとの嵌合状態を示すものである。
【0003】
しかるに、図13に示す従来のねじ10は、そのねじ頭部10aに十字溝12が設けられる。この十字溝12は、それぞれ端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して、それぞれ一定の傾斜溝部12aが延在形成されると共に、その底部において緩傾斜のほぼ円錐底面14が形成された構成からなる。なお、参照符号13は、それぞれ隣接する十字溝12との間に形成されるテーパ側壁部を示す。すなわち、このテーパ側壁部13において、後述するドライバービットの刃部と当接係合する。また、前記各傾斜溝部12aの隣接する隅角部には、円錐底面14の位置よりねじ頭部10aの十字溝12の開口縁部まで延在するテーパ結合面17a、17bがそれぞれ形成され、これらテーパ結合面17a、17bに対しても、後述するドライバービットの刃部の一部と当接係合するように構成される。
【0004】
一方、図15に示す従来のドライバービット20は、前記ねじ10の十字溝12に嵌合する刃部22をそれぞれ備えると共に、前記十字溝12の端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して延在形成された傾斜溝部12aの形状に適合するようにそれぞれ延在させた延長刃部22aを形成した構成からなる。なお、参照符号23は、前記各刃部22ないし延長刃部22aの両側面に形成されるテーパ側壁部を示す。すなわち、このテーパ側壁部23が、前述したねじ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13と当接係合する。
【0005】
このように構成された、従来のねじとドライバービットの組合せによれば、図16に示すように、ねじ10とドライバービット20とを嵌合すれば、前述したように、ドライバービット20の各刃部22および延長刃部22aが、それぞれ十字溝12の傾斜溝部12aに嵌入し、前記各刃部22および延長刃部22aの側壁部23が、ねじ10の十字溝12のテーパ側壁部13に当接して、ドライバービット20を回動することにより、ねじ10に対して所定のトルク伝達を行うことができる。すなわち、所要のねじ取付け対象物におけるねじの取付けまたは取外しを行うことができる。
【0006】
しかしながら、前述した構成からなる従来のねじ10とドライバービット20との組合せによれば、図16に示すように、ねじ頭部10aの十字溝12は、その端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して一定の傾斜溝部12aを形成しており、一方これに対応するドライバービット20は、その延長刃部22aの稜線部分が前記傾斜溝部12aの形状に適合して前記十字溝12に嵌合され、しかもこの延長刃部22aの稜線部分は、その先端より後方に指向して漸次幅広く形成されている。さらに、ドライバービット20の各刃部22に形成されたテーパ側壁部23も、ねじ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13に当接係合するため、前記ドライバービット20を、所定の方向に回動させると、前記ドライバービット20と十字溝12との接触状態が、全面的にテーパ接触と言えるものであるため、ドライバービット20の先端は前記十字溝12の傾斜溝部12aの傾斜面に沿って外方へ飛び出そうとする(図16に矢印で示す)、所謂カムアウト現象が生じる。
【0007】
特に、従来のねじの十字溝の形状は、図14に示すように、ドライバービット20の先端の嵌合を容易にするため、それぞれ十字溝12の溝幅はドライバービット20の延長刃部22aの稜線部分の幅より比較的大きく形成され、一方隣接する十字溝12、12間の境界部分ないし隅角部に形成されるテーパ側壁部13およびテーパ結合面17a、17bの面積は比較的小さい。このため、前記ドライバービット20の回動操作において、前記テーパ側壁部13およびテーパ結合面17a、17bには、多大な応力が負荷され、ねじ締め抵抗が大きな場合には、図14に斜線部15で示すように、前記テーパ側壁部13およびテーパ結合面17a、17bが次第に破損する。従って、この破損部(斜線部15)が拡大されると、前記ドライバービット20のカムアウト現象が頻繁となり、遂にはねじ締め作業が不可能となる。
【0008】
このような観点から、前記ドライバービット20のカムアウト現象を防止するためには、ドライバービット20の回動に際し、これをねじ溝部12aに対して強力に押し付ける推力を加えることが必要となる。しかしながら、ねじの取付け対象物が金属等の剛性体である場合は問題がないが、精密部品等の場合には、これら対象物を損傷ないし破損してしまう欠点がある。
【0009】
また、前述したカムアウト現象の発生は、ビット先端部すなわち刃部22および延長刃部22aの摩耗を早め、これらの摩耗によって、さらに前記カムアウト現象の発生を助長し、この結果ねじ溝の破損も増大することになる。
【0010】
さらに、前記ドライバービット20に対して過大な推力を加えることにより、前記カムアウト現象を防止することは可能であるが、その反面において、ねじに対して正確なトルクを伝達することができず、操作者によってドライバービット20に加える推力の大きさが相違し、この結果ねじの締付けトルクにばらつきが生じる難点がある。
【0011】
さらにまた、タッピングねじの場合、これを合成樹脂等の対象物に対してねじの締付けを行う際には、ねじの回転摩擦に加えて推力による摩擦が加わって、対象物に高熱が発生して対象物のねじ取付け部分の硬度を低下させ、ねじの緩みの発生ないしは対象物を破損させる等の難点がある。
【0012】
一方、手動でねじの締付けを行う場合、ドライバービット20をねじに対し十分押し付けながらこれを回動させるという操作は、操作者にとって多大な労力と疲労とを与える難点がある。
【0013】
また、前述した従来のねじ10とドライバービット20との組合せによれば、手動工具あるは電動工具を使用してねじの取付けを行う場合、ねじ溝に対するビット先端部との嵌合に際して、ねじ軸とドライバービット軸とを同軸に適合させた状態を維持してねじの回動操作を行うことは困難であり、従ってねじ軸とドライバービット軸とが傾斜している場合には、前記カムアウト現象が頻繁に発生するばかりでなく、ねじ溝の破損も頻繁となる。
【0014】
さらに、ねじの取外し作業に際しても、前記と同様のカムアウト現象およびねじ溝の破損を生じ易くなるが、この場合にはねじの取外しが不可能となり、ねじの取付け対象物の一部を破壊しなければならなくなる事態が発生する。特に、ねじ溝内にごみ詰まり等を生じた場合には、前記事態の発生は著しくなる欠点がある。
【0015】
このような観点から、本出願人は、先に、ねじとドライバービットの組合わせにおいて、ねじのビット嵌合溝における溝部の構成を改善することにより、ドライバービットのカムアウト現象を有効に防止し、従来におけるようなねじの破損を防止すると共に、仮にねじのビット嵌合溝部分に破損を生じても、常に適正かつ迅速なねじ締め作業を達成し、作業能率を著しく向上することができるねじとドライバーの組合わせをそれぞれ提案した(特開平8−145024号公報、特開平9−177743号公報)。
【0016】
しかるに、特開平8−145024号公報に係るねじとドライバーの組合わせは、図12の(b)に示すように、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に、所定深さの垂直端壁部32aを形成し、この垂直端壁部から水平段部32bをそれぞれ設けて、これら水平段部32bからねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれ傾斜溝部32cを設けるか、または前記垂直端壁部からねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれテーパないし湾曲状の溝部を延在形成し、さらにその底部においてほぼ円錐底面34を形成し、前記水平段部の近傍または湾曲状の溝部に係合する翼部を備えたドライバービット〔図12の(a)参照〕と適合するように構成したものである。
【0017】
すなわち、図12の(b)において、ドライバービット40の翼部42に形成した直角縁部42aと延長翼部42bとが、それぞれねじ30のビット嵌合溝32の水平段部32b、傾斜溝部32cに嵌入して、前記各翼部42および延長翼部42bの側壁部43が、ねじ30のビット嵌合溝32の側壁部33に当接して、ドライバービット40を回動することにより、ねじ30に対しての所定のトルク伝達を行うことができる。
【0018】
また、特開昭9−177743号公報に係るねじとドライバーの組合わせは、図12の(c)に示すように、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に、所定深さの垂直端壁部32aを形成すると共に、この垂直端壁部の下縁部よりねじ頭部の中心部に指向して隆起させた非平面底部を形成し、これら非平面底部の隆起部よりねじ頸部の中心部に指向してそれぞれ傾斜溝部32cを形成すると共に、その底部においてほぼ円錐底面を形成し、前記と同様に構成した刃部を備えたドライバービット〔図12の(a)参照〕に適合するように構成したものである。
【0019】
すなわち、図12の(c)において、ドライバービット40の扁平刃部42に形成した水平面部42aと突起42bとが、それぞれねじ30のビット嵌合溝32の非平面底部32b、傾斜溝部32cに嵌入して、前記各刃部42および突起42bの側壁部43が、ねじ30のビット嵌合溝32の側壁部33に当接して、ドライバービット40を回動することにより、ねじ30に対しての所定のトルク伝達を行うことができる。
【0020】
前記各提案に係るドライバービット40は、ねじ30のビット嵌合溝32に、水平段部32bまたは非平面底部32bを形成したことにより、ドライバービット40の翼部42ないし扁平刃部42の側壁部43と当接するビット嵌合溝32の側壁部33の当接面積を増大することができると共に、ねじ30のビット嵌合溝32の傾斜溝部32cとドライバービット40の延長翼部42bまたは突起42bとが当接するテーパ接触面積は、部分的でかつ少ないため、従来のねじとドライバービットの組合わせにおいて生じたカムアウト現象を確実に防止することができるものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記提案に係るねじとドライバービットの組合せにおいても、依然としてねじの頭部に形成したビット嵌合溝に対するドライバービットの先端部の嵌合を、より円滑にかつ迅速に行うものとして十分に満足すべきものではなかった。
【0022】
すなわち、先に提案されたドライバービット40の構成において、前記ビット嵌合溝32の端縁部に形成した垂直端壁部32aに係合するほぼ直角に延在する水平面部42aからなる扁平刃部42は、前記ドライバービットを回動させながらねじ30の頭部に形成したビット嵌合溝32に嵌合させるに際して、前記扁平刃部42の先端が、ねじの頭部表面を摺接擦過して、その表面を損傷させてしまうことが知見された。
【0023】
また、前記ドライバービット40の先端がねじ頭部30aのビット嵌合溝32に嵌合した場合においても、カムアウト現象を生じてしまうことがある。すなわち、図12の(a)に示すドライバービットと、図12の(b)に示すねじとの組合わせにおいては、ねじの量産化において、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に形成した所定深さの垂直端壁部32aから直角に延在する水平段部32bが、適正に形成されない場合、例えばビット嵌合溝32を押し抜き加工するためのヘッダーパンチの摩耗により、前記垂直端壁部32aと水平段部32bとの直角交差部が盛り上がってしまうことがある。このような場合には、前記ドライバービット40の先端が、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32に対して十分な嵌合が得られず、不安定な嵌合状態となって、ドライバービット40の回動操作中においてカムアウト現象を生じてしまう危険があることが判った。
【0024】
一方、図12の(a)に示すドライバービットと、図12の(c)に示すねじとの組合わせにおいては、ビット嵌合溝32を前記水平段部32bに代えて非平面底部32bとして、より深い寸法に設定するため、前述したカムアウト現象を回避することができるとしても、ねじ頸部30bの強度が低下するため、ドライバービット40の締付け操作に際してねじ頭部30aがねじ切れてしまう危険があることが判った。
【0025】
そこで、本発明者は、鋭意研究並びに試作を重ねた結果、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットの基本構成からなり、このドライバービットの先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成すると共に、ドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し1°〜45°の傾斜角度、好ましくは25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成することにより、ドライバービットを回動させながらねじの頭部に形成したビット嵌合溝に嵌合させるに際して、前記扁平刃部の先端が、ねじの頭部表面を摺接擦過した場合において、その表面を全く損傷させることなく、しかもねじとの嵌合状態になって、ドライバービットを回動操作する場合においても、カムアウト現象を確実に防止することができることを突き止めた。
【0026】
従って、本発明の目的は、ねじの頭部表面における摺接擦過による損傷を防止することができると共に、ねじとの嵌合状態おいてのカムアウト現象を確実に防止して、常に適正かつ迅速なねじ締め作業を達成し、作業能率を著しく向上することができるドライバービット及びねじとの組合せを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のプラスドライバービットは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットからなり、
先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成したプラスドライバービットの扁平刃部を備え、
前記プラスドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成したことを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項2に記載のプラスドライバービットは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットからなり、
先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の前記垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成したプラスドライバービットの扁平刃部を備え、
これら扁平刃部の先端における両側壁部を、ねじのビット嵌合溝に適合する末広がり状に形成すると共に、前記プラスドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成したことを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項3に記載のねじとプラスドライバービットとの組合せは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成し、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とするねじと、請求項1に記載のプラスドライバービットとを組合せることを特徴とする
【0030】
本発明の請求項4に記載のねじとプラスドライバービットとの組合せは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成し、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とするねじと、請求項2に記載のプラスドライバービットとを組合せることを特徴とする
【0031】
本発明の請求項5に記載のねじとプラスドライバービットとの組合せは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の交差する一方の直線溝を、プラスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成すると共に、交差する他方の直線溝をマイナスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成し、前記一方の直線溝の端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成したことを特徴とするプラマイねじと、請求項1に記載のプラスドライバービットとを組合せることを特徴とする
【0032】
本発明の請求項6に記載のねじとプラスドライバービットとの組合せは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の交差する一方の直線溝を、プラスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成すると共に、交差する他方の直線溝をマイナスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成し、前記一方の直線溝の端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成したことを特徴とするプラマイねじと、請求項2に記載のプラスドライバービットとを組合せることを特徴とする
【0033】
本発明の請求項7に記載のねじとプラスドライバービットとの組合せは、請求項5または請求項6記載のプラマイねじとプラスドライバービットとの組合せにおいて、前記プラマイねじは、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るドライバービット及びねじとの組合せの実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0040】
実施例1
図1ないし図3は、本発明に係るドライバービットの一実施例を示すものである。すなわち、図1ないし図3において、参照符号50は本発明に係るドライバービットを示し、このドライバービット50の刃部先端は、図6および図7に示す従来において提案されたねじ30のねじ頭部30aの中心部において、十字溝として形成されたビット嵌合溝32に適合するように構成される。
【0041】
従って、本実施例のドライバービット50は、前記ねじ30のビット嵌合溝32に嵌合し、このビット嵌合溝32のそれぞれ端縁部に形成した前記ねじ頭部30aの頂部平面に対し垂直となる垂直端壁部32aおよびその下縁部32a′に段部として形成した平面底部32bに対して、前記垂直端壁部32aに沿って平行に嵌入係合する垂直外周縁部を形成した扁平刃部52を備える。そして、前記ドライバービット50の先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部52の垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、前記ビット嵌合溝32の前記段部よりねじ頸部30bの中心部に指向して形成された傾斜溝部32cに対応させて、水平面に対しほぼ1°〜45°の傾斜角度θ、好適には25°〜35°の傾斜角度θを有する円錐状の突起部54を設けた構成からなる。
【0042】
なお、参照符号53は、前記各扁平刃部52の両側面に形成される多少のテーパが許容され得るほぼ垂直な側壁部を示す。従って、この側壁部53は、前述したねじ30のビット嵌合溝32に形成された側壁部33と当接係合する。従って、これら駆動面の係合は、その係合面積が十分な大きさを得ることができるため、従来のねじとドライバービットの組合せにおいて生じたカムアウト現象を、有効に防止することが可能となる。
【0043】
図4の(a)〜(d)は、本発明に係るドライバービット50の扁平刃部52の先端面に形成した円錐状の突起部54のそれぞれ変形例を示すものである。すなわち、図4の(a)は、前記突起部54の円錐面を単一のテーパ面54aとして形成したものである。また、図4の(b)は、前記突起部54の円錐面をそれぞれ傾斜角度の異なる多段(2段)のテーパ面54bとして形成したものである。さらに、図4の(c)は、前記突起部54の円錐面を断面おいて凸面状54cに形成したものである。そして、図4の(d)は、前記突起部54の円錐面を断面おいて凹面状54dに形成したものである。
【0044】
実施例2
図5の(a)および(b)は、本発明に係るドライバービット50の扁平刃部52の別の実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、図5の(a)および(b)に示すように、扁平刃部52の少なくとも1つにおいて、その先端面よりビット軸方向に延在する所要長さの切込み55を設けた構成からなるものである。
【0045】
このように、扁平刃部52に切込み55を設けることにより、ドライバービット50の軸心部より半径方向に弾力的に変位する刃部切片52aが形成され、この刃部切片52aの作用によって、後述するねじ30のビット嵌合溝32との結合に際しての保持を容易に達成することができる。
【0046】
実施例3(ねじの構成例1)
図6の(a)および(b)は、本発明に係るドライバービット50の仕様に適合するねじ30の一構成例を示すものである。すなわち、図6の(a)、(b)において、ねじ30の頭部30aには、ビット嵌合溝32が設けられる。なお、このビット嵌合溝32は、ねじ頭部30aの中心部において、プラス(+)状に直交するように設けられている。しかるに、このビット嵌合溝32は、それぞれその端縁部において、前記ねじ頭部30aの頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部32aを形成し、前記垂直端壁部32aの下縁部32a′よりねじ頸部30bの中心部に指向して、段部としての平面底部32bを形成し、さらにこの段部としての平面底部32bからねじ頸部30bの中心部に指向して傾斜溝部32cを形成すると共に、前記傾斜溝部の中心底部として緩傾斜のほぼ円錐底面34を形成した構成からなる。
【0047】
なお、参照符号33は、それぞれ隣接するビット嵌合溝32との間に形成される適宜抜きテーパ(ヘッダーパンチの抜け角度)として約1.5°〜2°程度のほぼ垂直な側壁部を示す。従って、この側壁部33において、前述した本発明に係るドライバービット50の扁平刃部52の側壁部53と当接係合する。
【0048】
また、前記ビット嵌合溝32の隣接する隅角部には、図14に示す従来の十字溝ねじと同様に、円錐底面34の位置よりねじ頭部30aにおけるビット嵌合溝32の開口縁部まで延在するテーパ結合面37a、37bをそれぞれ形成する。
【0049】
このように構成されるねじ30は、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に平面底部32bをそれぞれ設け、これら平面底部32bからねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれ傾斜溝部32cを延在形成することにより、ビット嵌合溝32の全体に対するテーパ接触面積を部分的にかつ少なく構成し、しかも隣接するビット嵌合溝32、32間の境界部におけるドライバービットの先端が当接する側壁部33の面積(ドライバービットがねじに対し回転駆動力を与える面の面積すなわち駆動面の面積)が拡大される。
【0050】
図7は、本発明に係るドライバービット50と、前記図6の(a)および(b)に示すねじ30との結合状態をそれぞれ示すものである。すなわち、本実施例においては、図7の(a)および(b)に示すように、ねじ30のねじ頭部30aに形成されたビット嵌合溝32に対するドライバービット50の先端に形成された扁平刃部52の当接に際して、扁平刃部52の先端面が円錐状の突起部54として形成されていることから、前記ビット嵌合溝32の開口縁部に対する接触が点ないし線からなる極めて小さな接触となると共に、相互の中心部の位置合わせが簡易迅速に達成され、ねじ頭部に対する摩耗損傷を低減して、ドライバービット50とねじ30との適正な結合を直ちに行うことが可能となる。
【0051】
実施例4(ねじの構成例2)
図8の(a)および(b)は、本発明に係るドライバービット50に対し好適に適合し得るねじ30の別の構成例と、その結合状態を示すものである。すなわち、本実施例においては、図8の(a)および(b)に示すように、ねじ30のビット嵌合溝32の相対する側壁部33において、ねじ頭部30aの中心部から半径方向外方に指向して、溝幅が末広がり状の溝33a、33bとなるようにそれぞれ形成する。一方、このように構成したねじ30に対応して、ドライバービット50の扁平刃部52の先端における側壁部53を、それぞれ前記末広がり状の溝33a、33bと適合する形状、すなわち末広がり状の側壁部53a、53bとして構成する。
【0052】
このように、ドライバービット50の扁平刃部52の先端において末広がり状の側壁部53a、53bを形成することにより、ドライバービット50の刃部52とねじ30の末広がり状の溝33a、33bを形成したビット嵌合溝32の各側壁部(T1、T2、T3、T4)との当接に際して、前記溝33a、33bと前記側壁部53a、53bとの間のクリアランスを極力小さくして、適正なねじとドライバービットとの嵌合を達成することができると共に、隣接する各溝33a、33bの対向する側壁部の開口角度βが直角より若干鋭角となるように設定することにより、ねじ締め作業において、ドライバービット50のカムアウト現象を確実に防止し、ねじ30に対するバランスのとれたトルク伝達を達成することができる。
【0053】
実施例5(ねじの構成例3)
図9の(a)、(b)および(c)は、本発明に係るドライバービット50に対し好適に適合し得るねじ30のさらに別の構成例と、その結合状態を示すものである。すなわち、本実施例においては、図9の(a)および(b)に示すように、ねじ30のビット嵌合溝32の端縁部に、前記ねじ頭部30aの頂部平面に対し垂直に形成した、所定深さの垂直端壁部32aにおいて、前記垂直端壁部32aの垂直壁面より内方へ断面がほぼ“く”の字状に凹んだ壁部32aaを形成し、この凹んだ壁部32aaの下縁部32a′よりほぼ水平方向に延在する段部32b′を設け、次いでこの段部32b′からねじ頸部30bの中心部に指向して傾斜溝部32cをそれぞれ形成すると共に、前記傾斜溝部32cの中心底部として緩傾斜のほぼ円錐底面34を形成した構成からなり、その他の構成は、前述した実施例3の図6の(a)、(b)に示すねじ30と同じである。
【0054】
本実施例におけるねじ30によれば、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に、凹んだ壁部32aaと段部32b′とをそれぞれ設けると共に、前記段部32b′の端縁部からねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれ傾斜溝部32cを延在形成することにより、ビット嵌合溝32の全体に対するテーパ接触面積を部分的にかつ少なく構成し、しかも隣接するビット嵌合溝32、32間の境界部におけるドライバービットの先端が当接する側壁部33の面積を拡大することができる。
【0055】
すなわち、本実施例によれば、図9の(c)に示すように、ドライバービット50の扁平刃部52の先端が、それぞれねじ30のビット嵌合溝32の段部32bまで嵌入して、前記刃部先端の側壁部53が、ねじ30のビット嵌合溝32の側壁部33に当接して、ドライバービット50を回動することにより、ねじ30に対して所定のトルク伝達を行うことができる。特に、本実施例のねじ30およびドライバービット50との組合せによれば、ねじ30のビット嵌合溝32の端縁部における垂直端壁部35aの垂直壁面に形成した前記“く”の字状に凹んだ壁部32aaは、ドライバービット50との嵌合に際し、前記垂直壁面より凹んだ部分が常に空隙部Gとして存在することから、ビット嵌合溝32内へ塵埃や異物等が進入した際には、ドライバービット50の強制的な嵌入操作により、前記空隙部G内に塵埃や異物等を押し込み除去することができ、これによりドライバービット50の刃部先端とねじ30のビット嵌合溝32との嵌合を容易にかつ確実に達成することができる。
【0056】
また、本実施例のねじ30およびドライバービット50との組合せによれば、ねじの締付けまたは取外し作業において、通常のプラスドライバービットを使用して、ビット嵌合溝32の開口部側を破損させた場合には、前記ドライバービット50を使用することにより、ビット嵌合溝32内に堆積した切り粉を前記空隙部G内に押し込み除去させて、ビット嵌合溝32の底部側においてドライバービット50の刃部先端との適正な嵌合を達成して、ねじの締付けまたは取外し作業を完遂することができる。
【0057】
さらに、本実施例のねじ30およびドライバービット50との組合せによれば、ドライバービット50をビット嵌合溝32へ嵌入する際に、前記凹んだ壁部32aaの存在により、その先端の自由度が拡大されて、ドライバービット50をねじ30の軸方向に対して多少傾斜させた状態でも、ビット嵌合溝30への嵌入を容易かつ確実に達成することができる。
【0058】
実施例6(ねじの構成例4)
図10の(a)および(b)は、本発明に係るドライバービット50に対し好適に適合し得るねじ30のさらに他の構成例をそれぞれ示すものである。
【0059】
すなわち、図10の(a)は、ねじ頭部30aの中心部において、十字状に交差する一対の直線溝31a、31bによって構成されたプラマイねじ30A を示すものである。しかるに、本実施例のプラマイねじ30A は、前記一方の直線溝31aは、その端縁部において、前記ねじ頭部30aの頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部35aを形成し、この垂直端壁部35aの下縁部よりほぼ水平方向に延在する段部32b′を設け、次いでこの段部32b′からねじ頸部30bの中心部に指向して傾斜溝部32cをそれぞれ形成すると共に、前記傾斜溝部32cの中心底部として緩傾斜のほぼ円錐底面34を形成した構成からなる。また、前記他方の直線溝31bは、マイナスドライバービットの刃部として当接係合するに十分な幅と深さを備えた水平溝部として延在形成した構成からなる。従って、このように構成したプラマイねじ30A に対しても、本発明にかかるドライバービット50を好適に使用することができる。
【0060】
また、図10の(b)は、前記プラマイねじ30Aの変形例を示すものである。すなわち、この場合、プラマイねじ30Aの一方の直線溝31aと他方の直線溝31bにおいて、前記ドライバービット50の刃部52との対応関係から、溝幅がほぼ末広がり状の溝33a′、33b′となるようにそれぞれ形成したものである。このように構成することにより、ドライバービット50の刃部52とプラマイねじ30Aのビット嵌合溝との嵌合に際して、前述した実施例4の図8の(a)、(b)に示すねじ30の場合と全く同様の作用および効果を得ることができる。
【0061】
実施例7(ねじの構成例5)
図11の(a)および(b)は、前述した実施例6の図10の(a)および(b)に示すプラマイねじ30A のさらに別の変形例を示すものである。すなわち、本実施例においては、図11の(a)および(b)に示すように、プラマイねじ30A の一方の直線溝31aに対し、ビット嵌合溝32の端縁部に、前記ねじ頭部30aの頂部平面に対し垂直に形成した、所定深さの垂直端壁部32aにおいて、前記垂直端壁部32aの垂直壁面より内方へ断面がほぼ“く”の字状に凹んだ壁部32aaを形成して、前述した実施例5の図9の(a)に示すねじ30と同様のビット嵌合溝32を構成したものである。
【0062】
従って、このようにプラマイねじ30Aを構成することによって、前述した実施例5のねじ30と全く同様の作用および効果を得ることができる。
【0063】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、例えば前述したねじの各構成例についはそれぞれ相互に組み合わせて使用することも有効であり、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】
前述した実施例から明らかなように、本発明に係るドライバービットは、ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットであって、先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成したプラスドライバービットの扁平刃部を備え、前記プラスドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成することにより、ドライバービットの先端とビット嵌合溝との嵌合に際して、前記扁平刃部の先端全体が、ねじの頭部表面を摺接擦過した場合において、その表面を全く損傷させることなく、しかもねじとの嵌合状態になって、ドライバービットを回動操作する場合においても、カムアウト現象を確実に防止することができる。
【0065】
また、本発明に係るドライバービットとねじとの組合せにおいては、ねじの頭部に形成されたビット嵌合溝に対するドライバービットの先端に形成された扁平刃部の当接に際して、扁平刃部の先端面が全体的に円錐状の突起部として形成されていることから、前記ビット嵌合溝の開口縁部に対する接触が、常に点ないし線からなる極めて小さい接触となると共に、ねじとビットとの相互の中心部の位置合わせが簡易迅速に達成され、ねじ頭部に対する摩耗損傷を低減して、ドライバービットとねじとの適正な結合を直ちに行うことが可能となる。
【0066】
さらに、ドライバービットの扁平刃部の先端において末広がり状の側壁部を形成すると共に、ねじのビット嵌合溝における各側壁部をの末広がり状の溝に形成することにより、ドライバービットとねじとの嵌合面間のクリアランスを極力小さくし、特に隣接する各溝の対向する側壁部の開口角度βを直角より若干鋭角となるように設定することにより、ねじ締め作業におけるドライバービットのカムアウト現象を確実に防止し、ねじに対するバランスのとれたトルク伝達を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドライバービットの一実施例を示す要部拡大側面図である。
【図2】図1に示すドライバービットの要部拡大側面斜視図である。
【図3】図1に示すドライバービットの拡大底面図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明に係るドライバービットの先端部のそれぞれ変形例を示す概略側面説明図である。
【図5】本発明に係るドライバービットのさらに別の変形例を示すもので、(a)は要部拡大側面図、(b)は拡大底面図である。
【図6】本発明に係るドライバービットを適用し得るねじの一構成例を示すもので、(a)はねじ頭部の要部拡大断面側面図、(b)はねじ頭部の拡大平面図ある。
【図7】図6に示すねじに対し本発明に係るドライバービットが嵌合する状態を示す要部拡大断面側面図である。
【図8】本発明に係るドライバービットに対し好適に適用し得るねじの別の構成例を示すもので、(a)はねじ頭部の拡大平面図、(b)はドライバービットの嵌合状態を示すねじ頭部の要部拡大断面平面図である。
【図9】本発明に係るドライバービットに対し好適に適用し得るねじのさらに別の構成例を示すもので、(a)はねじ頭部の要部拡大断面側面図、(b)はねじ頭部の拡大平面図、(c)はドライバービットの嵌合状態を示すねじ頭部の要部拡大断面平面図である。
【図10】本発明に係るドライバービットを適用し得るプラマイねじのそれぞれ構成例であって、(a)はその一構成例を示すプラマイねじのねじ頭部の拡大平面図、(b)はその変形例を示すプラマイねじのねじ頭部の拡大平面図である。
【図11】図10に示すねじの変形例を示すもので、(a)はねじ頭部の拡大平面図、(b)はねじ頭部の要部拡大断面側面図である。
【図12】従来において提案されたねじとこれに適合するドライバービットとの構成例を示すもので、(a)はドライバービットの要部拡大側面図、(b)は従来の提案されたねじの一構成例とドライバービットとの嵌合した状態を示す要部拡大断面側面図、(c)は従来の提案されたねじの他の構成例とドライバービットとの嵌合した状態を示す要部拡大断面側面図である。
【図13】従来の一般的な十字溝ねじの要部断面側面図である。
【図14】図13に示す十字溝ねじのねじ頭部の平面図である。
【図15】従来の一般的な十字溝ねじ用のドライバービットの要部側面図である。
【図16】図13に示す十字溝ねじと図15に示すドライバービットとの結合状態を示す要部断面側面図である。
【符号の説明】
30 ねじ
30A プラマイねじ
30a ねじ頭部
30b ねじ頸部
31a、31b 直線溝(プラマイねじ)
32 ビット嵌合溝
32a 垂直端壁部
32aa 凹んだ壁部
32a′ 下縁部
32b 平面底部
32b′ 段部
32c 傾斜溝部
33 側壁部
33a、33b 末広がり状の溝
33a′、33b′ 末広がり状の溝(プラマイねじ)
34 円錐底部
35a 垂直端壁部(プラマイねじ)
37a、37b テーパ結合面
50 ドライバービット
52 扁平刃部
52a 刃部切片
53 側壁部
54 円錐状の突起部
55 切込み
θ 傾斜角度
G 空隙部

Claims (7)

  1. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットからなり、
    先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成したプラスドライバービットの扁平刃部を備え、
    前記プラスドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成したことを特徴とするプラスドライバービット。
  2. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成してなるねじに適合するプラスドライバービットからなり、
    先端部においてねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の前記垂直端壁部に沿って平行に嵌入する垂直外周縁部を形成したプラスドライバービットの扁平刃部を備え、
    これら扁平刃部の先端における両側壁部を、ねじのビット嵌合溝に適合する末広がり状に形成すると共に、前記プラスドライバービットの先端中心部より半径方向に指向して扁平刃部の前記垂直外周縁部に至る前記扁平刃部の先端面を、水平面に対し25°〜35°の傾斜角度となる円錐状の突起部として構成したことを特徴とするプラスドライバービット。
  3. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成し、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とするねじと、請求項1に記載のプラスドライバービットとの組合せ。
  4. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝のそれぞれ端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成し、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とするねじと、請求項2に記載のプラスドライバービットとの組合せ。
  5. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の交差する一方の直線溝を、プラスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成すると共に、交差する他方の直線溝をマイナスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成し、前記一方の直線溝の端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成したことを特徴とするプラマイねじと、請求項1に記載のプラスドライバービットとの組合せ。
  6. ねじ頭部の十字溝からなるビット嵌合溝の交差する一方の直線溝を、プラスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成すると共に、交差する他方の直線溝をマイナスドライバービットの刃部が嵌入適合するように形成し、前記一方の直線溝の端縁部に、前記ねじ頭部の頂部平面に対し垂直な所定深さの垂直端壁部を形成すると共に、前記ビット嵌合溝の溝幅をねじ頭部の中心部から半径方向外方に指向して末広がり状に形成し、前記垂直端壁部の下縁部に段部を形成すると共に、ねじ頸部の中心部に指向して傾斜溝部を形成し、さらに前記傾斜溝部の中心底部として円錐底面を形成したことを特徴とするプラマイねじと、請求項2に記載のプラスドライバービットとの組合せ。
  7. 請求項5または請求項6記載のプラマイねじとプラスドライバービットとの組合せにおいて、前記プラマイねじは、前記ビット嵌合溝の前記垂直端壁部に対し、前記垂直端壁部の垂直壁面より内方へ断面が“く”の字状に凹んだ壁部を形成したことを特徴とするプラマイねじとプラスドライバービットとの組合せ。
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