WO2003002880A1 - Combinaison de vis et d'embout de tournevis, et emboutisseur pour la fabrication de vis - Google Patents

Description

明 細 書 ねじ及びドライバ一ビッ トとの組合せ並びにねじ製造用ヘッダーパンチ 技術分野 本発明は、 ねじ及びこれに適用する ドライバ一ピッ ト並びにねじ製造用へッダ —パンチに係るものであり、 特にねじの頭部に形成する十字溝からなるビッ ト嵌 合溝とこれに適応する ドライバービッ トとの嵌合を緊密に行い、 常に適正な トル ク伝達によってねじの取付けおよび取外しを迅速かつ確実に達成することができ るねじ及びドライバービッ トとの組合せ並びにねじ製造用へッダ一パンチに関す るものである。 背景技術 従来における、 一般的なねじと ドライバ一ビッ 卜の組合せは、 第 9図ないし第 1 2図に示すように構成したものが知られている。 すなわち、 第 9図および第 1 0図は、 従来の +字溝を有するねじを示し、 また第 1 1図はこの十字溝ねじ用の ドライバーピッ トを示し、 そして第 1 2図は前記ねじと ドライバービッ トとの嵌 合状態を示すものである。

しかるに、 第 9図に示す従来のねじ 1 0は、 そのねじ頭部 1 0 aに十字溝 1 2 が設けられる。 この十字溝 1 2は、 それぞれ端縁部よりねじ頸部 1 0 bの中心部 に指向して、 それぞれ一定の傾斜溝部 1 2 aが延在形成されると共に、 その底部 において緩傾斜のほぼ円錐底面 1 4が形成された構成からなる。 なお、 第 9図に おいて、 参照符号 1 3は、 それぞれ隣接する十字溝 1 2との間に形成されるテー パ側壁部を示す。 すなわち、 このテーパ側壁部 1 3において、 後述する ドライバ 一ビッ トの刃部が当接係合する。 また、 前記各傾斜溝部 1 2 aの隣接する隅角部 には、 円錐底面 1 4の位置よりねじ頭部 1 0 aの十字溝 1 2の開口縁部まで延在 するテ一パ結合面 1 7 a、 1 7 bがそれぞれ形成され、 これらテーパ結合面 1 7 a、 1 7 bに対しても、 後述する ドライバ一ビッ トの刃部の一部が当接係合する ように構成される。

—方、 第 1 1図に示す従来の ドライバ一ビッ ト 2 0は、 前記ねじ 1 0の十字溝 1 2に嵌合する刃部 2 2をそれぞれ備えると共に、 前記十字溝 1 2の端縁部より ねじ頸部 1 0 bの中心部に指向して延在形成された傾斜溝部 1 2 aの形状に適合 するようにそれぞれ延在させた延長刃部 2 2 aを形成した構成からなる。 なお、 第 1 1図において、 参照符号 2 3は、 前記各刃部 2 2ないし延長刃部 2 2 aの両 側面に形成されるテ一パ側壁部を示す。 すなわち、 このテ一パ側壁部 2 3が、 前 述したねじ 1 0の十字溝 1 2に形成されたテ一パ側壁部 1 3と当接係合する。 このように構成された従来のねじ 1 0と ドライバービッ 卜 2 0の組合せによれ ば、 第 1 2図に示すように、 ねじ 1 0と ドライバ一ビッ ト 2 0とを嵌合すれば、 前述したように、 ドライバービッ ト 2 0の各刃部 2 2および延長刃部 2 2 aが、 それぞれ十字溝 1 2の傾斜溝部 1 2 aに嵌入し、 前記各刃部 2 2および延長刃部 2 2 aの側壁部 2 3が、 ねじ 1 0の十字溝 1 2のテーパ側壁部 1 3に当接して、 ドライバーピッ ト 2 0を回動することにより、 ねじ 1 0に対して所定の トルク伝 達を行うことができる。 すなわち、 所要の取付け対称物におけるねじの取付けま たは取外しを行う ことができる。

しかしながら、 前述した構成からなる従籴のねじ 1 0と ドライバ一ビッ ト 2 0 との組合せによれば、 第 1 2図に示すように、 ねじ頭部 1 0 aの十字溝 1 2は、 その端縁部よりねじ頸部 1 O bの中心部に指向して、 一定の傾斜溝部 1 2 aを形 成しており、 一方これに対応する ドライバ一ビッ ト 2 0は、 その延長刃部 2 2 a の稜線部分が前記傾斜溝部 1 2 aの形状に適合して前記十字溝 1 2に嵌合され、 しかもこの延長刃部 2 2 aの稜線部分は、 その先端より後方に指向して漸次幅広 く形成されている。 さ らに、 ドライバービッ ト 2 0の各刃部 2 2に形成されたテ ーパ側壁部 2 3 も、 ねじ 1 0の +字溝 1 2に形成されたテ一パ側壁部 1 3に当接 係合するため、 前記ドライバービッ 卜 2 0を、 所定の方向に回動させると、 前記 ドライバ一ピッ ト 2 0と十字溝 1 2との接触状態が、 全面的にテ一パ接触と言え るものであるため、 ドライバ一ビッ ト 2 0の先端は前記十字溝 1 2の傾斜溝部 1 2 aの傾斜面に沿って外方へ飛び出そうとする （第 1 2図に矢印で示す） 、 所謂 力厶ァゥ ト現象が生じる。

特に、 従来のねじ 1 0の十字溝 1 2の形状は、 第 1 0図に示すように、 ドライ バービッ ト 2 0の先端の嵌合を容易にするため、 それぞれ十字溝 1 2の溝幅は、 ドライバ—ビッ ト 2 0の延長刃部 2 2 aの稜線部分の幅より比較的大きく形成さ れ、 一方瞵接する十字溝 1 2、 1 2間の境界部分ないし隅角部に形成されるテー パ側壁部 1 3およびテ一パ結合面 1 7 a、 1 7 bの面積は比較的小さい。 このた め、 前記ドライバ一ビッ ト 2 0の回動操作において、 前記テ一パ側壁部 1 3およ びテ一パ結合面 1 7 a、 1 7 bには、 多大な応力が負荷され、 ねじ締め抵抗が大 きな場合には、 第 1 0図に斜線部 1 5で示すように、 前記テーパ側壁部 1 3およ びテ一パ結合面 1 7 a、 1 7 bが次第に破損する。 従って、 この破損部 （斜線部 1 5 ) が拡大されると、 前記ドライバ一ビッ ト 2 0のカムアウ ト現象が頻繁とな り、 遂にはねじ締め作業が不可能となる。

なお、 このようなカムアウ ト現象の発生は、 例えばタッ ピングねじの場合、 そ の表面硬度が高く設計きれていることから、 ドライバ一ピッ トの先端刃部が摩耗 してしまう難点がある。 また、 トルク制御機能を有するクラ ッチ型自動ドライバ —においては、 ねじ締めの途中でカムアウ ト現象を生じた場合に、 ねじが適正ト ルクで確実に取付けられたかどうかを、 オペレータが判断できない難点がある。 このような観点から、 前記 ドライバービッ ト 2 0のカ厶アウ ト現象を防止する ためには、 ドライバ一ピッ ト 2 0の回動に際し、 これをねじ溝 1 2 aに対して強 力に押し付ける推力を加えることが必要となる。 しかしながら、 ねじの取付け対 象物が金属等の剛性体である場合は問題がないが、 精密部品等の場合には、 これ ら対象物を破損してしまう欠点がある。

また、 カムアウ ト現象の発生は、 ビッ ト先端部すなわち刃部 2 2および延長刃 部 2 2 aの摩耗を早め、 これらの摩耗によって、 さらに前記カムアウ ト現象の発 生を助長し、 この結果、 ねじ溝の破損も増大する難点がある。

さらに、 前記ドライバ一ビッ ト 2 0に対して過大な推力を加えることにより、 前記カムアウ ト現象を防止することは可能であるが、 その反面において、 ねじに 対して正確な トルクを伝達することができず、 オペレータによって ドライバービ ヅ ト 2 0に加える推力の大きさが相違し、 この結果、 ねじの締付け トルクにばら つきが生じる難点がある。

一方、 手動でねじの締付けを行う場合、 ドライバ一ビッ ト 2 0をねじに対し十 分押し付けながらこれを回動させるという操作は、 オペレータにとって多大な労 力と疲労とを与える難点がある。

また、 前述した従来のねじ 1 0と ドライバ一ビッ ト 2 0との組合せによれば、 手動工具あるいは電動工具を使用してねじの取付けを行う場合、 ねじ溝に対する ビッ ト先端部との嵌合に際して、 ねじ軸と ドライバービッ ト拿由とを同軸に適合さ せた状態を維持して、 ねじの回動操作を行うことは困難でぁル。 従って、 ねじ軸 と ドライバ一ビッ 卜軸とが傾斜している場合には、 前記カムアウ ト現象が頻繁に 発生するばかりでなく 、 ねじ溝の破損も頻繁となり、 ねじ締め作業の作業効率を 低下させると共に、 破損ねじの消費に伴う経費の無駄を生じさせる難点がある。 さ らに、 ねじの取外し作業に際しても、 前記と同様のカムァゥ ト現象およびね じ溝の破損を生じ易く なるが、 この場合にほねじの取外しが不可能となり、 ねじ の取付け対象物の一部を破壊しなければならなく なる事態が発生する。 特に、 ね じ溝内にごみ詰ま り等を生じた場合には、 前記事態の発生は著しく なり、 例えば ねじの取外しを伴う廃棄物品のリサイクルのための分別作業を煩雑化させる難点 がある。

そこで、 本発明者は、。 鋭意研究並びに試作を重ねた結果、 ねじ頭部に十字溝か らなるビッ ト嵌合溝を設け、 このビッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部に 指向して所要の傾斜溝部を形成すると共にその交差中心部においてほぼ円維底面 を形成したねじにおいて、 前記ピッ ト嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断 面においてほぼ直角三角形状の切欠き段部を設け、 この切欠き段部に ドライバー ビッ トの一部を係合するように構成することにより、 ドライバ一ビッ トのカムァ ゥ ト現象を確実に防止し得ると共に、 ねじの強度を高めてその破損を著しく低減 することができ、 しかもねじに対するバランスのとれた トルク伝達を達成するこ とができることを突き止めた。

前記構成からなるねじは、 特に小型および軽量の精密機器用ねじに適用する場 合、 ビッ ト嵌合溝の形成をねじ強度を低下させることなく容易に行うことができ ると共に、 ドライバ一ビッ トのカムアウ ト現象を確実に防止し、 しかもねじに対 するバランスのとれた トルク伝達を行って、 常に適正かつ安全なねじ締め作業を 達成することができることが判つた。

従って、 本発明の目的は、 ねじ及びドライバ一ビッ トとの組合せにおいて、 ね じの十字溝における溝部の構成を改善することにより、 ドライバービッ トのカム ァゥ ト現象を有効に防止し、 従来におけるようなねじの破損を防止すると共に、 仮にねじの十字溝部分に破損を生じても、 常に適正かつ迅速なねじ締め作業を達 成し、 作業能率を著しく向上することができるねじ及びドライバーピッ トとの組 合せ並びにねじ製造用へッダ一パンチを提供することにある。 発明の開示 前記の目的を達成するため、 本発明に係るねじは、 ねじ頭部に十字溝からなる ビッ 卜嵌合溝を設け、 このビッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部に指向し て所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成すると共に、 その交差中心部において ほぼ円錐底面を形成してなるねじにおいて、

前記ビッ ト嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三角 形状の切欠き段部を設けたことを特徵とする。

前記ビ'ソ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部に指向して形成される傾斜溝 部は、 ねじ軸に対し約 2 0 ~ 3 0 ° の傾斜角度 に形成することができる。 また、 前記ねじ頭部を、 鍋型、 皿型または薄肉の扁平型から構成することがで きる。

—方、 本発明に係るねじと ドライバービッ 卜との組合せは、 ねじ頭部に十字溝 からなるピッ ト嵌合溝を設け、 このピッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部 に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成すると共に、 その交差中心部 においてほぼ円錐底面を形成してなるねじと、 先端部において前記ねじ頭部のビ ッ ト嵌合溝の傾斜溝部に沿って嵌入する傾斜端縁部を形成したほぼ扁平状の刃部 を備えてなる ドライバービッ トとの組合せにおいて、

前記ビッ ト嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三角 形状の切欠き段部を設けたねじと、 前記刃部の傾斜端縁部の中位部に、 前記ねじの傾斜溝部の中位部に形成した切 欠き段部と適合する、 断面においてほぼ直角三角形状の突出部を設け、 さ らに前 記刃部の先端面を円錐状の突部と して構成した ドライバービッ トとから構成した ことを特徴とする。

この場合、 前記ねじのピッ ト嵌合溝における傾斜溝部および前記ドライバ一ビ ッ トの刃部における傾斜端縁部は、 それぞれねじ軸およびビッ ト軸に対し約 2 0 〜3 0 ° の傾斜角度/ Sおよびァに形成することができる。

さらに、 本発明に係るねじを製造するためのヘッダ一パンチは、 ねじ頭部のビ ッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ蚰に対し約 2 0〜 3 0 ° の傾斜角度 からなる傾斜 溝部を形成する突起片をそれぞれ備え、 前記突起片の中位部に、 断面においてほ ぼ直角三角形状の突起部を設け、 さらに前記突起片ょりねじ頸部の中心部に指向 するように、 ねじ軸と直角となる水平面に対し約 1 5 ~ 3 5 ° の緩傾斜角度 aか らなる円錐底面を形成する円錐突部を設けたことを特徴とする。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明に係るねじの基本構成を示すねじの頭部平面図である。 第 2図は、 本発明に係るねじの一実施例と して頭部皿型ねじの要部断面側面図 である。

第 3図は、 本発明に係るねじの別の実施例と して頭部鍋型ねじの要部断面側面 図である。

第 4図は、 本発明に係るねじのさらに別の実施例と して頭部薄肉扁平型ねじの 要部断面側面図である。

第 5図は、 第 1図に示す本発明に係るねじの頭部を成形するためのねじ製造用 へッダーパンチの要部側面図である。

第 6図は、 第 1図に示す本発明に係るねじと適合する刃部を備えた ドライバー ピッ トのー実施例を示す要部拡大側面図である。

第 7図は、 第 6図に示すドライバ一ビッ トの刃部先端を示す底面図である。 第 8図は、 第 2図に示すねじに対し第 6図に示す ドライバ一ビッ トが嵌合する 状態を示す要部拡大断面側面図である。

第 9図は、 従来の十字溝ねじの要部断面側面図である。

第 1 0図は、 第 9図に示す十字溝ねじの頭部平面図である。

第 1 1図は、 従来の十字溝ねじ用の ドライバービッ トの要部側面図である。 第 1 2図は、 第 9図に示すねじと第 1 1図に示す ドライバ一ビッ トとの結合状 態を示す要部断面側面図である。

(符号の説明）

3 0 ねじ 3 0 a ねじ頭部

3 0 b ねじ頸部 3 2 ピッ ト嵌合溝

3 2 a 傾斜溝部 3 4 円錐底面

3 6 切欠き段部 3 7 a、 3 7 b テ―パ結合面

4 0 ドライバ一ビッ ト 4 2 扁平刃部

4 2 a 傾斜端縁部 4 4 円錐状の突部

4 6 突出部 5 0 ヘッダ一パンチ

5 2 突起片 5 2 a 傾斜縁部

5 4 円錐突部 5 6 突起部 発明を実施するための最良の形態 次に、 本発明に係るねじ及びドライバ一ビッ トとの組合せ並びにねじ製造用へ ッダーパンチに関する実施例につき、 添付図面を参照しながら以下詳細に説明す る。

実施例 1

(ねじの構成例 1 )

第 1図および第 2図は、 本発明に係るねじの一実施例を示すものである。 すな わち、 第 1図および第 2図において、 参照符号 3 0は本発明に係るねじを示し、 このねじ 3 0の頭部 3 0 aは、 断面において皿型に形成され、 その頂部中央には ビッ ト嵌合溝 3 2が設けられている。 なお、 このビッ ト嵌合溝 3 2は、 ねじ頭部 3 0 aの中心部において、 プラス （+ ) 状に直交する十字溝として構成されてい る。

このピッ ト嵌合溝 3 2は、 従来より公知の J I S (日本工業規格） に基づく開 口部寸法 （m ) と溝底部寸法 （ g ) とによって形成されている （第 2図参照） 。 すなわち、 ビッ ト嵌合溝 3 2の開口端縁部より所要の深さまで、 ねじ軸に対し約 2 0〜 3 0 ° (例えば、 2 6 ° 3 0 ' ) の傾斜角度 を有する傾斜溝部 3 2 aを 形成し、 この傾斜溝部 3 2 aの下縁部よりねじ頭部 3 0 aの中心部に指向して、 ねじ軸と直角となる水平面に対し約 1 5〜 3 5 ° の緩傾斜角度なからなる円錐底 面 3 4を形成した構成からなる。

しかるに、 本実施例のねじ 3 0においては、 第 2図に示すように、 前記ビッ ト 嵌合溝 3 2の傾斜溝部 3 2 aの中位部に、 断面においてほぼ直角三角形状の切欠 き段部 3 6をそれぞれ設けたことを特徴とするものである。

また、 本実施例のねじ 3 0においては、 第 1図に示すように、 前記ビッ ト嵌合 溝 3 2の隣接する隅角部に、 第 1 0図に示す従来の十字溝ねじ 1 0と同様にして. 円錐底面 3 4の位置よりねじ頭部 3 0 aにおけるビッ ト嵌合溝 3 2の開口縁部ま で延在するテ一パ結合面 3 7 a、 3 7 bが、 それぞれ形成されている。 実施例 2

(ねじの構成例 2 )

第 3図ほ、 本発明に係るねじの別の実施例を示すものである。 すなわち、 第 3 図において、 本実施例のねじ 3 0は、 ねじ頭部 3 0 aを、 断面において鍋型に形 成したものである。 そして、 本実施例のねじ 3 0のねじ頭部 3 0 aに設けたビッ ト嵌合溝 3 2の構成は、 前述した第 1図および第 2図に示す実施例のねじ頭部 3 0 a (断面において皿型に形成） に設けたビッ ト嵌合溝 3 2と同一である。 従つ て、 同一の構成部分には同一の参照符号 ¾付し、 その詳細な説明は省略する。 実施例 3

( じの構成例 3 )

第 4図は、 本発明に係るねじのさらに別の実施例を示すものである。 本実施例 に係るねじは、 ねじ頭部 3 0 aを小型および軽量の精密機器用ねじと して、 例え ば薄肉の扁平型に形成したものである。 そして、 本実施例のねじ 3 0のねじ頭部 3 0 aに設けたビッ ト嵌合溝 3 2の構成においても、 前述した第 1図および第 2 図に示す実施例のねじ頭部 3 0 a (断面において皿型に形成） に設けたビッ ト嵌 合溝 3 2と同一である。 従って、 同一の構成部分には同一の参照符号を付し、 そ の詳細な説明は省略する。

以上、 本発明に係るねじの好適な実施例についてそれぞれ説明したが、 本発明 に係るねじのビッ ト嵌合溝 3 2は、 従来より公知の J I S (日本工業規格） に基 づく開口部寸法 （m ) と溝底部寸法 （ g ) とに基づく ものであり、 傾斜溝部 3 2 aの一部に断面においてほぼ直角三角形状の切欠き段部 3 6を設けることによつ て、 従来のプラス ドライバービッ トは勿論のこと、 後述する構成からなる ドライ バ一ビッ トを適用することにより、 ドライバ一ビッ トがねじに対して回転駆動力 を与える面積 （以下、 駆動面積という） を拡大することができると共に、 ドライ バービッ トのカムアウ ト現象を確実に防止し、 ねじに対するバラ ンスのとれた ト ルク伝達を達成することができる。

しかも、 前記傾斜溝部 3 2 aの傾斜角度 /8の設定が、 ねじ頭部 3 0 aを皿型 (第 2図参照） 、 鍋型 （第 3図参照） は勿論のこと、 特にねじ頭部 3 0 aを薄肉 の扁平型 （第 4図参照） に形成したねじ 3 0においても、 ビッ ト嵌合溝 3 2の形 成に際して、 ねじ頭部 3 0 a とねじ頸部 3 0 bとの境界部の肉厚を、 適正に保持 することができるため、 ねじ締め作業に際してのねじの強度を十分に高めること ができる利点を有している。 また、 このような形状からなるビッ ト嵌合溝 3 2を. へッダ一パンチにより簡便かつ容易に形成することができる。 実施例 4

(ねじ製造用ヘッダ—パンチの構成例)

第 5図は、 第 1図ないし第 4図に示す実施例 1 ~ 3の本発明に係るねじ 3 0を 製造するためのヘッダ一パンチ 4 0の一実施例を示すものである。 すなわち、 本 実施例のへッダーパンチ 4 0は、 第 2図ないし第 4図に示すねじ 3 0のねじ頭部 3 0 aにおける ビッ ト嵌合溝 3 2を押し抜き成形加工するものである。

そして、 本実施例のへッダーパンチ 4 0は、 ねじ頭部 3 0 aのビッ ト嵌合溝 3 2の端縁部より、 ねじ軸に対し約 2 0 ~ 3 0 ° (例えば、 2 6 ° 3 0 ' ) の傾斜 角度 /3からなる傾斜溝部 3 2 aを形成するための傾斜縁部 4 2 aを有する突起片 4 2をそれぞれ備え、 これら突起片 4 2の前記傾斜緣部 4 2 aの中位部に、 断面 においてほぼ直角三角形状の突起部 4 6を設ける。 さ らに、 前記突起片 4 2より ねじ頸部 3 0 bの中心部に指向するように、 ねじ軸と直角となる水平面に対し約 1 5〜 3 5 ° の緩傾斜角度 αからなる円錐底面 3 4を形成するための円錐突部 4 4を設けた構成からなる。 なお、 前記実施例 2および実施例 3に示すねじをそれ ぞれ製造するためのヘッダーパンチとしては、 前記突起片 4 2の周囲基部の形状 を、 各実施例のねじ頭部 3 0 aの形状に適合させて設計変更することにより、 そ れぞれ所要のへッダーパンチを構成することができる。 実施例 5

( ドライバ一ビッ トの構成例）

第 6図および第 7図は、 本発明に係る ドライバ一ピッ トのー実施例を示すもの である。 すなわち、 第 6図および第 7図において、 参照符号 5 0は本実施例の ド ライバービッ トの要部を示し、 この ドライバービッ トの刃部先端は、 前述した本 発明に係るねじ 3 0のねじ頭部 3 0 aの中心部において、 十字溝と して形成され たビッ ト嵌合溝 3 2に適合するように構成される。

従って、 本実施例の ドライバーピッ ト 5 0は、 前記ねじ 3 0のビッ ト嵌合溝 3 2に嵌合し、 このビッ ト嵌合溝 3 2の端縁部に形成した傾斜溝部 3 2 aに対して、 それぞれ係合するように、 ビッ ト蚰に対し約 2 0〜 3 0 ° (例えば、 2 6 ° 3 0 ' ) の傾斜角度 7からなる傾斜端縁部 5 2 aを有する扁平刃部 5 2をそれぞれ備 え、 これら扁平刃部 5 2の前記傾斜端縁部 5 2 aの中位部に、 断面においてほぼ 直角三角形状の突出部 5 6を設ける。 さ らに、 前記ビッ ト嵌合溝 3 2の円錐底部 3 4に対応させて、 前記扁平刃部 5 2の先端面をビ ト軸と直角となる水平面に 対しほぼ 1 5〜 3 5 ° の傾斜角度 6»を有する円錐状の突部 5 4を設けた構成から なる。

このように構成された本実施例の ドライバ一ビッ ト 5 0によれば、 前記各扁平 刃部 5 2の傾斜端縁部 5 2 aに設けられる突出部 5 6は、 前述したねじ 3 0のピ ッ ト嵌合溝 3 2の傾斜溝部 3 2 aに設けられた切欠き段部 3 6と当接係合するこ とによって、 ドライバ一ビッ ト 5 0の扁平刃部 5 2による駆動面の係合において、 その係合面積が十分な大きさを得ることができるため、 従来のねじと ドライバ一 ビッ トの組合せにおいて生じたカムァゥ ト現象を、 有効に防止することが可能と なる。

次に、 前述した本発明に係るねじ 3 0と、 このねじに対し好適に適合し得る ド ライバーピッ ト 5 0 との結合操作について説明する。

第 8図は、 第 2図に示すねじ 3 0と、 第 6図に示す ドライバ一ビッ ト 5 0との 結合状態を示すものである。 すなわち、 この場合、 第 8図に示すように、 ねじ 3 0のねじ頭部 3 0 aに形成されたビッ ト嵌合溝 3 2に対する ドライバービッ ト 5 0の先端に形成された扁平刃部 5 2の当接に際して、 前記扁平刃部 5 2の傾斜端 縁部 5 2 aに設けられた突出部 5 6が、 ねじ 3 0のビッ ト嵌合溝 3 2の傾斜溝部 3 2 aに設けられた切欠き段部 3 6と当接係合することによって、 ドライバービ ッ ト 5 0の扁平刃部 5 2による駆動面の係合において、 その係合面積が十分な大 きさを得ることができる。 また、 この場合、 ドライバ一ビッ ト 5 0の扁平刃部 5 2の傾斜端縁部 5 2 a に設けた突出部 5 6が、 ねじ 3 0のビッ ト嵌合溝 3 2の傾 斜溝部 3 2 aに設けた傾斜段部 3 6に対して極めて有効に接触係合して、 ビッ ト 嵌合溝の一部において破損を生じさせることなく、 カムアウ ト現象も生じること なく、 適正なねじ締め操作およびねじの取外し操作を達成することができる。 以上、 本発明の好適な実施例についてそれぞれ説明したが、 本発明は前記各実 施例に限定されることなく、 本発明の精神を逸脱しない範囲内において、 多く の 設計変更を行う ことができることは勿論である。

(発明の効果）

前述した実施例から明らかな通り、 本発明に係るねじは、 ねじ頭部に十字溝か らなるビッ ト嵌合溝を設け、 このビッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部に 指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成すると共に、 その交差中心部に おいてほぼ円錐底面を形成してなるねじにおいて、 前記ビッ ト嵌合溝のそれぞれ 傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三角形状の切欠き段部を設けた構成 と したことにより、 ねじ締め作業に際してのねじの強度を十分に高めることがで きると共に、 従来のプラス ドライバ一ビッ トの使用を可能として、 ねじ締め作業 における ドライバ一ビッ 卜のカムアウ ト現象を確実に防止し、 ねじに対するバラ ンスのとれた トルク伝達を達成することができる等、 多く の優れた利点が得られ る。

また、 本発明に係るねじと ドライバ一ビッ トとの組合せによれば、 ビッ ト嵌合 溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三角形状の切欠き段部 を設けたねじと、 扁平刃部の傾斜端縁部の中位部に、 前記ねじの傾斜溝部の中位 部に形成した切欠き段部と適合する、 断面においてほぼ直角三角形状の突出部を 設け、 さらに前記刃部の先端面を円錐状の突部と して構成した ドライバービッ ト とを組合せることによって、 ドライバ一ビッ トのねじに対する駆動面積を拡大す ることができ、 これにより ドライバ一ビッ 卜のカムァゥ ト現象を確実に防止する と共にねじに対するバラ ンスのとれた トルク伝達を達成して、 ねじ締め作業の迅 速化と作業能率の向上とを容易に達成することができる等、 多く の優れた利点が 得られる。

なお、 本発明に係るねじは、 ドライバ一ビッ トとの嵌合に際して、 ビッ ト嵌合 溝の傾斜溝部の一部に、 若干の切欠き段部を設けるだけで、 ドライバービッ トの 扁平刃部の傾斜端縁部が、 ビッ ト嵌合溝の傾斜溝部に対して極めて有効に接触係 合して、 例えば第 1 0図に示すような、 ビッ ト嵌合溝の一部において破損 （参照 符号 1 5 ) を生じさせることなく、 カムアウ ト現象も生じることなく、 適正なね じ締め操作およびねじの取外し操作を達成することができる。

また、 本発明に係るねじと ドライバ一ビッ 卜との組合せによれば、 ねじ軸とビ ヅ ト拿由とを常に同一軸上において嵌合させ、 回動させることができるので、 カム ァゥ ト現象やねじ等の破損を生じることなく 、 ドライバ一ビッ トの回動力をねじ に対して円滑に伝達して、 常に適正な トルクによるねじ締め操作を迅速に達成す る ことができる。

すなわち、 本発明に係るねじと ドライバービッ トとの組合せを使用すれば、 特 に硬軟各種の材料からなる小型および軽量の精密機器用のねじの取付けに対して、 常に適正な トルクにより確実なねじの締付け操作を行うことができるばかりでな く 、 ねじの破損を大幅に低減するこ とができ、 ねじ締め作業の安全性と作業能率 の向上を、 容易かつ経済的に達成することができる。

Claims

請 求 の 範 囲 . ねじ頭部に十字溝からなるビッ ト嵌合溝を設け、 このビッ ト嵌合溝の端縁 部よりねじ頸部の中心部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成す ると共に、 その交差中心部においてほぼ円錐底面を形成してなるねじにおいて、 前記ビッ ト嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三 角形状の切欠き段部を設けたことを特徴とするねじ。

. 前記ビッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ頸部の中心部に指向して形成される傾 斜溝部は、 ねじ軸に対し約 2 0 ~ 3 0 ° の傾斜角度 に形成したことを特徴と する請求の範囲 1項記載のねじ。

. 前記ねじ頭部を、 鍋型、 皿型または薄肉の扁平型から構成したことを特徴 とする請求の範囲 1項または 2項記載のねじ。

. ねじ頭部に十字溝からなるピッ ト嵌合溝を設け、 このビッ ト嵌合溝の端縁 部よりねじ頸部の中心部に指向して所要の傾斜角度からなる傾斜溝部を形成す ると共に、 その交差中心部においてほぼ円錐底面を形成してなるねじと、 先端 部において前記ねじ頭部のビッ ト嵌合溝の傾斜溝部に沿って嵌入する傾斜端縁 部を形成したほぼ扁平状の刃部を備えてなる ドライバ一ビッ 卜との組合せにお いて、

前記ビッ ト嵌合溝のそれぞれ傾斜溝部の中位部に、 断面においてほぼ直角三 角形状の切欠き段部を設けたねじと、

前記刃部の傾斜端緣部の中位部に、 前記ねじの傾斜溝部の中位部に形成した 切欠き段部と適合する、 断面においてほぼ直角三角形状の突出部を設け、 さら に前記刃部の 端面を円錐状の突部として構成した ドライバービッ 卜とから構 成したことを特徴とするねじと ドライバ一ビッ トとの組合せ。

. 前記ねじのビッ ト嵌合溝における傾斜溝部および前記ドライバ一ビッ トの 刃部における傾斜端縁部は、 それぞれねじ轴およびビッ ト軸に対し約 2 0〜 3 0 ° の傾斜角度 /3および τに形成したことを特徴とする請求の範囲 4項記載の ねじと ドライバ一ビッ トとの組合せ。

. ねじ頭部のビッ ト嵌合溝の端縁部よりねじ軸に対し約 2 0〜 3 0 ° の傾斜 角度 /5からなる傾斜溝部を形成する突起片をそれぞれ備え、 前記突起片の中位 部に、 断面においてほぼ直角三角形状の突起部を設け、 さらに前記突起片より ねじ頸部の中心部に指向するように、 ねじ軸と直角となる水平面に対し約 1 5 - 3 5 " の緩傾斜角度なからなる円錐底面を形成する円錐突部を設けたことを 特徴とする、 請求の範囲 1項ないし 3項のいずれかに記載のねじを製造するた めのへッ夕"一ハ°ンチ。