JP2003013349A - ヒートシール性を有する不織布とその製造方法 - Google Patents

ヒートシール性を有する不織布とその製造方法

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JP2003013349A JP2001302350A JP2001302350A JP2003013349A JP 2003013349 A JP2003013349 A JP 2003013349A JP 2001302350 A JP2001302350 A JP 2001302350A JP 2001302350 A JP2001302350 A JP 2001302350A JP 2003013349 A JP2003013349 A JP 2003013349A
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Tomoaki Kimura
友昭 木村
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の熱可塑性樹脂からなる製品およびポリ
オレフィン樹脂製品とのヒートシール性に優れ、さらに
は柔軟で通気性および伸縮性に優れた不織布を得るこ
と。 【解決手段】 ポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂から
なる第1成分を30〜99%、重量平均分子量が5,0
00以下のポリエチレンからなる第2成分を70〜1%
の比率でブレンドした樹脂からなる不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布に関するも
のであり、さらに詳しくは、ポリオレフィンシートおよ
び種々の熱可塑性樹脂からなるシートとのヒートシール
性に優れ、さらに柔軟性や伸縮性を有する不織布とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種の熱可塑性樹脂を原料とし
た不織布についての提案は、数多くなされており、これ
らの不織布は、衛材、産業資材、医療用資材、衣料分
野、そして日用品など様々な分野において広く利用され
ている。例えば、熱可塑性樹脂からなる不織布に関して
は、特開昭54−147276号公報において、ポリエ
ステル樹脂からなり、0.1〜5.0μmの平均繊維径
を有する熱可塑性極細繊維不織布が開示されおり、ま
た、特公平7−96746号公報においては、相対粘度
が1.6〜2.2であるポリアミド樹脂を用いたポリア
ミド繊維不織布の製造方法が開示されている。また、熱
可塑性エラストマー樹脂からなる不織布に関しては、特
開昭59−223347号公報において熱可塑性ポリウ
レタンを溶融紡糸後、高温気体流を噴射し細化して得ら
れたフィラメントを実質的に集束させないでシート状に
積層し、積層されたフィラメントの接触点を該フィラメ
ント自体により接合させたポリウレタン弾性繊維不織布
が提案されている。また、特許第2981529号公報
において、ポリウレタン、エステル系エラストマー、そ
してアミド系エラストマーからなる小径繊維ウェブが開
示されている。これらの熱可塑性樹脂からなる不織布
は、該熱可塑性樹脂からなるシートとのヒートシールは
可能であるものの、他の樹脂からなるシート、例えばオ
レフィン系樹脂からなるシートとのヒートシールは困難
であり、仮にできたとしても、どちらかの凹凸部分に、
他のシートが溶融し流れ込んでくさびを打ち込んだよう
な形で固定される、いわゆる疑似接着のレベルが限界で
あった。
【0003】一方、ヒートシール性を有する不織布とし
ては、芯鞘型やサイドバイサイド型複合繊維からなる長
繊維不織布および短繊維不織布が一般的である。例え
ば、特開平1−132861号公報において、捲縮数が
20個/25mm以下のポリオレフィン/ポリエステル
からなる複合繊維と捲縮数が40個/25mm以上のポ
リオレフィン/ポリエステルからなる複合繊維を含有し
てなる熱接着性不織布が開示されている。しかしなが
ら、このような技術では、複合繊維を製造することが前
提であるため、繊維を製造するための設備が複雑になっ
てしまう。さらには、性状の異なる樹脂を同時に扱わね
ばならず、繊維化可能な樹脂の種類や組み合わせが自ず
と限定されてしまう。また、メルトブロー繊維不織布の
ように、細繊度の繊維で構成される場合には複合繊維の
形態が保持できないという問題点もある。
【0004】また、接着を目的としたシートとしては、
代表的なものとしてホットメルトタイプのポリウレタン
樹脂を用いた不織布を挙げることができる。この例とし
て、特公平6−70302号公報、実開昭64−251
25号公報等が挙げられる。また、特開平10−314
208号公報において、ホットメルトタイプの反応型ポ
リウレタンを成分とする接着性物質を繊維化して形成し
た多孔性接着層を介してオレフィン系多孔質フィルムと
通気性基材とを接着してなることを特徴とする多孔質包
装材が開示されている。しかしながら、これらのホット
メルトタイプのポリウレタン樹脂からなる不織布は、不
織布同士の膠着が激しく、単体での取扱が難しい上に、
反応型ポリウレタンはさらに取扱が難しいという問題点
がある。
【0005】さらに、異種ポリマーをブレンドした不織
布については、特許第3153057号公報において、
溶解度パラメータの差が0〜2の樹脂をブレンドして海
島繊維からなるメルトブロー不織布の製法が開示されて
いるが、ここでは、ショットの少ない均質な不織布を得
ることが目的であり、他のシートとのヒートシール性に
ついては触れられていない。また、特開平5−1408
52号公報において、ポリエステル系エラストマー中に
ポリプロピレンおよび無機微粉末を添加したメルトブロ
ー不織布の製造方法が開示されているが、この発明は、
ポリエステル系エラストマーの粘着性を軽減することが
目的であり、他のシートとのヒートシール性については
触れられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の熱可塑性樹脂からなる製品およびポリオレフィン樹脂
製品とのヒートシール性に優れ、さらには柔軟で通気性
および伸縮性に優れた不織布および該不織布を容易に製
造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィ
ンを除く熱可塑性樹脂に特定のポリエチレン樹脂をブレ
ンドした樹脂からなる不織布とすることにより、ポリオ
レフィン系シートと該第1成分樹脂とヒートシール性を
有する樹脂からなるシートのどちらにもヒートシール可
能な不織布を製造可能であることを見いだし本発明に至
った。
【0008】すなわち本発明は、ポリオレフィンを除く
熱可塑性樹脂からなる第1成分を30〜99%、重量平
均分子量が5,000以下のポリエチレンからなる第2
成分を70〜1%の比率でブレンドした樹脂からなる不
織布である。
【0009】また本発明は、ポリオレフィンを除く熱可
塑性樹脂からなる第1成分を30〜99%、重量平均分
子量が5,000以下のポリエチレンからなる第2成分
を30〜0.01%および少なくとも1種類のポリオレ
フィン樹脂からなる第3成分を70%未満の比率でブレ
ンドした樹脂からなる不織布である。
【0010】さらに本発明は、ポリオレフィンを除く熱
可塑性樹脂からなる第1成分を30〜99%、重量平均
分子量が5,000以下のポリエチレンからなる第2成
分を30〜0.01%、少なくとも1種類のポリオレフ
ィン樹脂からなる第3成分を70%未満の比率でブレン
ドした樹脂を200〜350℃の温度で溶融し、温度2
00〜350℃、圧力1〜30kPaの噴射気流で加速
することで細化紡糸し、次いでこれをシート状に捕集す
ることを特徴とする不織布の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明の不織布を構成する
樹脂について説明する。本発明の不織布を構成する樹脂
はポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂からなる第1成分
と重量平均分子量5,000以下のポリエチレンからな
る第2成分により構成される。また必要に応じて第3成
分としてポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポ
リオレフィン系樹脂を用いてもよい。この第3成分は、
これらのうち一種類でもよいし、これらの混合物でもよ
い。また、第3成分が、第2成分と同一であってもかま
わないが、ヒートシールをする相手のオレフィンシート
とのヒートシール強度をより強固なものとする場合は、
そのオレフィンと同種の樹脂を第3成分として用いるこ
とが好ましい。
【0012】本発明の第1成分として用いられる熱可塑
性樹脂は、ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂であれば
特に限定はなく、従来公知のものが使用可能であり、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニ
トリル、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネー
ト、ポリシロキサン等の非エラストマー樹脂の他、熱可
塑性エラストマー樹脂も用いることができ、該熱可塑性
エラストマー樹脂として熱可塑性ポリウレタン、ポリエ
ステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が
挙げられる。
【0013】本発明の第1成分として非エラストマー樹
脂を用いる際、一例としてポリエステル樹脂を使用する
場合は例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−
ビス(4−カルボフェノキシ)エタン、2,6−ナフタ
リンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸やアジピン
酸、セバシン酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸とエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパン、ネオペンチルグリコール、ポリエ
チレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール
などのグリコールとの縮合体などから選ぶことができ
る。該ポリエステル樹脂は、上記ジカルボン酸成分およ
びグリコール成分の各々1種ずつから形成されてもいて
もよく、いずれか一方または双方の成分が2種以上の化
合物からなる物であってもよい。
【0014】本発明において熱可塑性ポリエステル樹脂
を用いる場合、0.45〜0.80dl/gの固有粘度
を有する樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは
0.60〜0.75dl/gである。固有粘度が0.4
5dl/g未満では、紡糸安定性が低く断糸し易いた
め、いわゆるショットが発生しやすくなるほか、繊維強
度が確保できずに得られるウェブの強力が低くなる場合
がある。また0.80dl/gを超えると、逆に樹脂の
溶融粘度が高すぎるため、ウェブ内にコイル状の繊維塊
が入り込んだり、繊維径が太くなり、地合が粗く、硬い
ウェブになってしまう場合がある。さらに、ブローン温
度を上げて、見掛の溶融粘度を下げたとしても、温度が
高すぎ、樹脂の分解が始まってしまい、かえってショッ
ト発生等の問題が生ずる場合がある。
【0015】また、第1成分としてポリアミド樹脂を用
いる場合、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,
10、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミド、ポリパラキシレンドデカ
ンアミド、あるいはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0016】なお本発明においてポリアミド樹脂を用い
る場合、相対粘度が1.5〜3.0であることが好まし
く、さらに好ましくは1.8〜2.5である。相対粘度
がこの範囲から外れた場合は、ショットが発生しやすく
なり結果として良好なヒートシール性が得られない場合
がある。
【0017】次に該第1成分に用いる熱可塑性エラスト
マー樹脂の一例として、熱可塑性ポリウレタン樹脂につ
いて説明する。本発明に使用される該熱可塑性ポリウレ
タン樹脂(以下TPUと略記することがある)は、高分
子ジオールとしては代表的なものとしてポリエステルジ
オール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオ
ールまたはこれらの共縮合物が挙げられるが、好ましく
はポリエステルジオールが用いられる。
【0018】該ポリエステルジオールを用いる場合のT
PUの製法は、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
または、これを主体とする混合グリコールとジカルボン
酸よりなる末端に水酸基を有するポリエステルジオール
(以下、MPD系PESジオールと略記することがあ
る)に有機ジイソシアネートを反応させる方法等があ
る。上記において、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ールと混合して用いられる代表的なグリコールとして
は、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジ
オール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ノナンジオール等の炭素数2〜10の脂肪族ジオー
ル、ジエチレングリコール等のポリアルキレンポリオー
ルが挙げられる。これらグリコールは各々1種のみなら
ず2種以上組み合わせてもよい。これらのジオールをあ
まり多く用いることは、本発明の効果を小さくするため
好ましくなく、MPD系PESジオールの製造の際グリ
コール成分に対して40質量%以下、さらに好ましくは
20質量%以下の範囲で用いられる。
【0019】また、ジカルボン酸としては脂肪族カルボ
ン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。その代
表的なものとしてはコハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバチン酸等の炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素数4〜12の
芳香族カルボン酸が挙げられる。
【0020】上記ポリエステルジオールはポリエチレン
テレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの製
造において用いられている公知の方法と同様の方法、す
なわちエステル交換または直接エステル化とそれに続く
溶融重縮合反応にて製造可能である。その平均分子量は
500〜3,000、好ましくは1,000〜2,00
0の範囲内にあるのが望ましい。前記分子量が小さすぎ
ると有機ジイソシアネートと反応させて得られるポリウ
レタンの溶融時の弾性的性質が低下して溶融紡糸と同時
に高温高速気体を噴出しての極細化は容易になるが、得
られるポリウレタン不織布の弾性的性質すなわち伸縮性
が低下する場合がある。一方、分子量が大きすぎると有
機ジイソシアネートと反応して得られるポリウレタンの
溶融紡糸と同時の高温高速気体を噴出しての細化が著し
く困難となって極細のポリウレタン繊維流が形成され
ず、良好な感触、柔軟性を有する不織布が得られない場
合がある。
【0021】さらに、TPUを製造するために使用され
る適当な有機ジイソシアネートとしてはイソシアネート
基を分子中に2個以上含有する公知の脂肪族、脂環族、
芳香族有機ジイソシアネート、特に、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、2,2’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族または脂環族
ジイソシアネートが挙げられる。これらの有機ジイソシ
アネートは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。これら有機ジイソシアネートの中で最も
好ましいのは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートである。
【0022】また、本発明では所望により適当な鎖伸長
剤を使用してもよく、該鎖伸長剤としては、ポリウレタ
ンにおける常用の連鎖成長剤、すなわち、イソシアネー
トと反応し得る水素原子を少なくとも2個有する分子量
400以下の低分子化合物、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグ
リコール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジヒドラジドトリ
メチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパン
ジオール等が挙げられる。これらの中でも1,4−ブタ
ンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、3−メチル−1,5−ペンタンジオールある
いはこれらの混合物が最も有効に使用できる。また場合
によっては、ポリエチレンジオール、ポリテトラメチレ
ンジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリマー
ジオールを成形性をそこなわない範囲で使用できる。
【0023】特に、該ポリウレタン樹脂に関しては、固
有粘度0.40dl/g以上の樹脂が好ましく用いられ
る。固有粘度が0.40dl/g未満の場合は、安定に
繊維化することが困難であり、さらに、仮に繊維状にで
きたとしてもその繊維が脆く、または弱いため実用性が
得られない場合がある。
【0024】また、ポリエステル系エラストマーとして
は、ハードセグメントにポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリテトラメ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ
ヘキサメチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート
等を用い、そしてソフトセグメントとして、炭素/酸素
の比率が1.8/1〜4.5/1の脂肪族ポリエーテル
類(例えばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール)、あるいは、例えばアジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸の如き炭素数
4〜12の脂肪族ジカルボン酸と例えばエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリ
コールの如き炭素数2〜12の脂肪族グリコールとのポ
リエステル類(例えばε−オキシカプロン酸の如き炭素
数4〜12の脂肪族オキシカプロン酸の自己縮合したポ
リエステル類)などを挙げることができる。
【0025】ポリアミド系エラストマーについては、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン6,12、ナイロン
11、ナイロン12等のポリアミドからなるハードセグ
メントを有し、ポリエステル系エラストマーの場合と同
様に、脂肪族ポリエーテル類やポリエステル類からなる
ソフトセグメントを有するものが好ましく用いられる。
【0026】本発明の第2成分に適用されるポリエチレ
ン樹脂(PE)は、重量平均分子量が5,000以下で
あり、一般にポリエチレンワックスと称されているもの
である。該ポリエチレン樹脂が第1成分を構成する樹脂
内に均一に分散することでポリオレフィン系シートとの
ヒートシール性が向上する。また、第1成分に第3成分
であるポリオレフィン樹脂を均一に混合させ紡糸時の曳
糸性を発現させるための、いわゆる分散剤としても作用
する。したがって、この樹脂の重量平均分子量が5,0
00を超えると分子量が大きすぎるために、分散剤とし
ての機能を発現しにくくなってしまう。分散性等の点か
ら、重量平均分子量3,000以下が好ましく、さらに
好ましくは重量平均分子量1,000〜2,000であ
る。
【0027】また、本発明では必要に応じてポリオレフ
ィン系樹脂を第3成分として用いてもよい。該ポリオレ
フィン樹脂は重量平均分子量10,000〜300,0
00の樹脂を用いることが好ましく、さらには重量平均
分子量50,000〜200,000の樹脂を用いるこ
とがより好ましい。本発明に適用されるポリオレフィン
樹脂は、特に限定はなく、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレン、ポリペンテン等およびこれらの改質
ポリマーあるいは混合物であってもよいが、中でもポリ
プロピレン(PP)を用いることが好ましい。ポリプロ
ピレン樹脂は、ポリオレフィン樹脂の中で最も曳糸性に
優れかつ第2成分であるポリエチレン樹脂との親和性も
高く、安価で入手し易いというメリットがある。また、
ヒートシールを行う場合、相手のシート(不織布、フィ
ルム)を構成する樹脂としてもポリプロピレン樹脂が一
般的に用いられている場合が多く、本発明のポリオレフ
ィンもポリプロピレンを使用することが有効となる。
【0028】本発明において、第3成分にポリプロピレ
ンを用いる場合は、MFRが10〜2,000の樹脂を
用いることが好ましい。MFRが10未満であると、溶
融粘度が高くなりすぎてしまい、均一に分散することが
難しく、特にメルトブロー不織布に加工したい場合に
は、一部の繊維がコイル状になってウェブに混入してし
まうため、非常に不均一な不織布になってしまう場合が
ある。一方、2,000を超えると樹脂粘度があまりに
も低く、例えば、本発明においてメルトブロー不織布を
得る際、製造時の紡糸性が非常に不安定になり、良好な
ウェブを製造しにくい場合がある。
【0029】これら個々の樹脂の混合比は、ポリオレフ
ィンを除く熱可塑性樹脂からなる第1成分を30〜99
%、重量平均分子量が5,000以下のポリエチレンか
らなる第2成分を70〜1%の比率とすることで、オレ
フィンシートとの好ましいヒートシール性を得ることが
可能である。そして、より好ましくは、該第1成分を3
0〜90%、該第2成分を70〜10%の比率でブレン
ドした樹脂であり、さらに好ましくは、該第1成分を4
0〜80%、該第2成分を60〜20%の比率でブレン
ドした樹脂であり、特に好ましくは、該第1成分を50
〜70%、該第2成分を50〜30%の比率でブレンド
した樹脂である。
【0030】また、ポリエチレン以外のポリオレフィン
樹脂からなるシートとヒートシールをする場合、その樹
脂とのより強固なヒートシール強度を得るためには、ポ
リオレフィンを除く熱可塑性樹脂からなる第1成分を3
0〜99%、重量平均分子量が5,000以下のポリエ
チレンからなる第2成分を30〜0.01%および少な
くとも1種類のポリオレフィン樹脂からなる第3成分を
70%未満の比率でブレンドした樹脂であることが好ま
しい。より好ましくは、第1成分を30〜90%、第2
成分を30〜0.01%および第3成分を70%未満の
比率でブレンドした樹脂であり、さらに好ましくは、第
1成分を50〜80%、第2成分を20〜0.01%お
よび第3成分を50%未満の比率でブレンドした樹脂で
あり、特に好ましくは第1成分を50〜60%、第2成
分を10〜0.01%および第3成分を50%未満の比
率でブレンドした樹脂である。なお第3成分は、本発明
の不織布と貼り合わせる対象となるシートとの間で最も
高いヒートシール強度を得ることのできる樹脂を1種あ
るいは2種以上の混合物として選択し、使用することが
好ましい。
【0031】また、これらの樹脂のブレンド方法として
は、各成分が均一に混合できれば特に限定されないが、
例えば、予め本発明の第2成分であるポリエチレンを第
1成分の熱可塑性樹脂に練り込んでマスターバッチと
し、このマスターバッチに第3成分のポリオレフィンを
チップブレンドする方法でもよいし、あるいは、二軸押
出機等を用いて、第1成分の熱可塑性樹脂を押し出すと
共に、第2成分および第3成分を添加混練する方法でも
よい。
【0032】次に本発明の不織布の製造方法について説
明する。本発明の不織布を製造する方法としては、スパ
ンボンド法やメルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの
直接法や短繊維からカードウェブを得、これを水流絡
合、エンボスあるいはニードルパンチなどの繊維固定方
法により製造する方法があり、これら不織布化の方法に
ついては特に限定されない。しかしながら、第1成分と
してポリウレタン樹脂を用いる場合等には通常の溶融紡
糸によりフィラメントやステープルを製造することが難
しいので、スパンボンド法やメルトブロー法の様にコン
パクトな直接法を用いて製造することが本発明の不織布
の製造方法として好ましい。
【0033】本発明の不織布は、ポリオレフィンを除く
熱可塑性樹脂を1成分とした不織布であり、公知の製法
であれば特に問題なく製造することができるが、既に述
べたとおり、スパンボンド法またはメルトブロー法によ
り製造される不織布であることが好ましい。このうち、
樹脂の持つ曳糸性をあまり強く要求しない技術であるメ
ルトブロー法が特に好ましい。そしてこの方法を用いる
ことにより不織布を構成する繊維の極細化が容易に行え
るというメリットもある。
【0034】メルトブロー法で得られる極細繊維からな
る不織布は、フィルター用途をはじめ多くの用途が開発
されてきており、メルトブロー法による重合体の紡糸方
法については、インダストリアル・アンド・エンジニア
リング・ケミストリー(Industrial and Engineering C
hemistry)48巻、第8号(p1342〜1346)、1956
年に基本的な装置および方法が開示されている。本発明
においても、同じ手法で不織布製造が可能であり、例え
ば、本発明においては常法のメルトブロー用装置を用い
て第1成分の熱可塑性樹脂に、第2成分であるポリエチ
レンを予め練り込んだポリオレフィン樹脂を紡糸孔から
溶融紡出すると同時に、紡糸孔に隣接して設置されたス
リット状気体吹出口から紡糸温度とほぼ同じ温度の高温
高速気体を噴出して細化繊維化した極細繊維流を移動す
るコンベアネット状に捕集して目的の不織布を得ること
が可能であるが、本発明においては、特に限定されるも
のではない。
【0035】とりわけ、本発明の不織布において、良好
なシート形態を保ちかつ良好な触感と柔軟性、通気性お
よび伸縮性を有するようにするためには、ポリオレフィ
ンを除く熱可塑性樹脂からなる第1成分とポリエチレン
樹脂からなる第2成分および/またはポリオレフィン樹
脂からなる第3成分とをブレンドした樹脂を200〜3
50℃の温度で溶融押出し、同じく200〜350℃の
温度、圧力1〜30kPaの噴射気流で加速することで
細化紡糸し、シート状に捕集する。さらには紡糸ノズル
とコンベアネット間の距離を10〜50cmに設定する
のが好ましい。これが50cm以上大きく離れるとシー
ト形態を保つことが困難になる場合がある。また、10
cmより短くなると、繊維同士の膠着が激しく、不織布
の良好な触感が損なわれる場合がある。特にポリウレタ
ン樹脂のように、樹脂そのものに粘着性のある樹脂につ
いては、その傾向が大きいので注意を要する。なお、本
発明の繊維不織布の良好なヒートシール性等に影響を与
えない程度に光安定剤、顔料、その他の添加物を添加す
ることは可能である。
【0036】このようにして得られる本発明のヒートシ
ールを有する不織布は、第1成分として使用している熱
可塑性樹脂と同種の樹脂からなるシートとのヒートシー
ル性は当然ながら、ポリオレフィン系シートとのヒート
シール性にも優れ、これらのシートの間に介在して両者
を結合する接着剤として、あるいは本発明の不織布の一
端を該不織布の第1成分とヒートシール性を有する樹脂
からなるシートとヒートシールし、もう一方の端をポリ
オレフィンシートとヒートシールすることで、これらの
シートを連結することも可能になる。
【0037】さらに、本発明の不織布のうち、第1成分
として熱可塑性エラストマーを選択した場合において
は、ヒートシール性と伸縮性が同時に求められるような
用途においても有用である。かかる用途に用いる場合
は、50%伸長回復率が60%以上であることが好まし
く、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましく
は85%以上である。
【0038】本発明の不織布は、平均繊維径1〜20μ
mという細い繊維からなり、通気度1〜400cc/c
/秒という良好な通気性を有することがより好まし
い。平均繊維径が1μmより小さくなる場合には、不織
布としての強度が低下してしまう場合がある。逆に平均
繊維径が20μmを超えると風合いが硬くなったり、地
合が粗くなるため、ポリオレフィンのシートにヒートシ
ールした場合に安定したヒートシール強度を発揮しにく
い場合がある。さらに、このような不織布は形態安定性
が悪くなったり、シートの取扱が難しく操業性が低下す
るという問題が発生する場合もある。同様に、通気度が
400cc/cm/秒を超える場合においても、この
ような不織布は地合が粗くなるため、品質の安定性、形
態安定性に欠けるという問題点が発生する場合がある。
反対に、通気度が1cc/cm/秒未満の場合におい
ては、不織布としては均一なものであり外観上は好まし
いものの、不織布の特徴である通気性を発揮できなくな
るため好ましくない。また、不織布の目付としては10
〜100g/mがコスト的にも好ましい範囲である。
【0039】本発明の不織布を以上のような好ましい繊
維径、通気度にすることにより、より安定なヒートシー
ル性を発揮し、さらに伸縮性、柔軟性そして均一な地合
を有する不織布になる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。本実施例における各物性値は、次の方法によ
り測定した。 1.TPU固有粘度 樹脂をN,N’−メチルホルムアミドに溶解し、毛細管
粘度計を用いて温度30℃で測定し、固有粘度〔η〕を
式(1)により求めた。
【数1】
【0041】2.ポリエステル樹脂の固有粘度 フェノールとテトラクロロエタンの等量混合溶媒を用
い、該当するポリエステル樹脂を1g/100cm
解した溶液について、粘度計を用いて30℃での溶媒お
よび溶液の流下時間を測定し、上記式(1)から算出し
た。
【0042】3.ポリアミド樹脂の相対粘度 98%硫酸を溶媒として用い、該当するポリアミド樹脂
を1g/100cm溶解した溶液について、粘度計を
用いて温度25℃で測定した溶媒および溶液の流下時間
より次式により求めた。 相対粘度=t/t0 ただし、tは溶液の流下時間(秒) t0は溶媒の流下時間(秒)
【0043】4.平均繊維径 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の表面を
1,000倍に拡大した写真を撮影し、この写真に2本
の対角線を引き、この対角線と交わった繊維の太さを倍
率換算した値を用いた。そしてそれらの繊維100本の
平均値を平均繊維径とした。
【0044】5.ヒートシール強度 測定装置として、テスター産業社製 ヒートシールテス
ター「TP−701−B」型機を使用した。試験用ポリ
オレフィン系シートとして出光ユニテック社製ポリプロ
ピレンスパンボンド(PPSB)不織布「RN205
0」を使用した。また各実施例で用いた第1成分100
%からなるシートとして、以下のシートを準備した。T
PUシートとして比較例1の不織布、ポリエステル系エ
ラストマーシートとして比較例5の不織布、ポリアミド
系エラストマーシートとして比較例6の不織布、ポリブ
チレンテレフタレートシートとして比較例7の不織布、
ポリアミドシートとして比較例8の不織布をそれぞれヒ
ートシール試験に供した。なお、ヒートシール強度測定
に際し、シールが剥離する前にウェブが破断することを
回避するため、各実施例の不織布を温度120℃、線圧
35kg/cmL、5m/分の速度にて、圧着面積率1
0%のドット状エンボス加工を施して、測定用サンプル
とした。実施例で得られた不織布と試験用オレフィン系
シートについて、50mm幅×100mm長のサンプル
を用意し、これらを重ねてヒートシール試験機を用いて
表1に示す条件でシール処理した。シール部のズレを除
去する目的で、幅方向中央部25mmを切り出し、これ
らのシール部分を引き剥がす方向に、サンプルを広げ、
両端を引張試験機にて引張り、シール部の剥離時にかか
る荷重をシール強度とした。また、実施例で得られた不
織布と各実施例で用いた第1成分100%からなるシー
トについても同様に測定を行った。
【0045】
【表1】
【0046】6.目付・厚さ JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」に
準拠して測定した。
【0047】7.強度・伸度 JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」に
準拠して測定した。なお、強度および伸度は不織布のM
D方向とCD方向について測定を行った。
【0048】8.通気度 JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」の
フラジール法に準拠して測定した。
【0049】9.伸張回復率 JIS L1096 「一般織物試験方法」に準拠して
測定した。ただし、本発明における評価は、一律、伸度
50%での回復率とし、また50%伸長後、元の位置に
戻った後は待ち時間無しに次の動作に入った。
【0050】10.MFR PPおよびPEについてそれぞれ以下の方法で測定し
た。 PP:JIS K 6758に準拠;230℃、2.1
6kg荷重。 PE:JIS K 6760に準拠;190℃、2.1
6kg荷重。
【0051】実施例1 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸と
からなる平均分子量1,500のポリエステルジオール
と分子量500未満の1,4−ブタンジオールおよび
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからな
る、ポリマー中の窒素含有量が3.8%のポリウレタン
樹脂を得た。このポリウレタン樹脂に、重量平均分子量
(Mw)1,700のポリエチレンを、70対30の質
量比で二軸押出機にて260℃で溶融混練しながら押出
し、該溶融ポリマー流をダイヘッドに導き、ギヤポンプ
で計量し、直径0.3mmφの孔を1.0mmピッチで
一列に並べたメルトブローンノズルから吐出させ、同時
にこの樹脂に260℃の熱風を噴射して吐出した繊維を
成形コンベア上に捕集し、目付35.3g/mの不織
布を得た。この時の樹脂の単孔吐出量は0.5g/分/
孔であり、熱風圧力は18kPaであり、ノズルと捕集
コンベア間の距離は15cmであった。
【0052】実施例2 第1成分と第2成分の混合比を質量比90対10でブレ
ンドしたこと以外は、実施例1と同様にして、不織布を
得た。
【0053】実施例3〜6 MFR100のポリプロピレン樹脂(第3成分)と重量
平均分子量1700のポリエチレン(第2成分)を二軸
押出機にて溶融混練した後、ダイスより押出し、ポリエ
チレンが30質量%混練されたポリプロピレンマスター
バッチを得た。実施例1で第1成分と得られたポリプロ
ピレンマスターバッチの混合比を90対10、70対3
0、60対40、50対50の比率でチップブレンドし
て単軸押出機にて溶融押出したこと以外は、実施例1と
同様にして、各々不織布を得た。
【0054】実施例7 実施例1で用いた第1成分と実施例3で用いたポリプロ
ピレンマスターバッチとMFR=100のポリプロピレ
ン樹脂を70対0.33対29.67の比率でチップブ
レンドしたこと以外は実施例3と同様にして不織布を得
た。
【0055】実施例8、9 第3成分として、それぞれMFR100および20の線
状低密度ポリエチレンを使用したこと以外は実施例4と
同様にして、それぞれ不織布を得た。
【0056】実施例10、11 固有粘度がそれぞれ1.5および0.5であるポリウレ
タン樹脂を第1成分として使用したこと以外は、実施例
4と同様にして、それぞれ不織布を得た。
【0057】実施例12、13 ポリプロピレンマスターバッチを構成するポリプロピレ
ン樹脂のMFRがそれぞれ50および1,600の樹脂
を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてそれぞれ不
織布を得た。
【0058】実施例14、15 ポリプロピレンマスターバッチを構成するポリエチレン
の重量平均分子量がそれぞれ1,200および2,50
0の樹脂を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、
それぞれ不織布を得た。
【0059】実施例16 第1成分として、硬度38D(ASTM D224
0)、結晶融点172℃、MFR10(190℃ AS
TM D1238)のポリエステルエラストマー(ペル
プレンP40H 東洋紡績社製)と、実施例3で製造し
たポリプロピレンマスターバッチを質量比で70対30
の比率でチップブレンドした樹脂を用いて、ダイ温度を
310℃、熱風温度を310℃とし、さらに熱風圧力を
16kPaとしたこと以外は実施例1と同様にして不織
布を得た。
【0060】実施例17 第1成分として、硬度96D(ASTM D224
0)、結晶融点200℃、メルトインデックス20g/
10分(230℃ ASTM D1238)のポリエス
テルエラストマー(ペルプレンP70B 東洋紡績社
製)を用いたこと以外は実施例16と同様にして不織布
を得た。
【0061】実施例18 第1成分として、硬度35D(ASTM D224
0)、結晶融点152℃、メルトインデックス(235
℃、1kg荷重;ASTM D1238)7のポリアミ
ド系エラストマー(ペバックス3533SD01 東レ
社製)と、実施例3で製造したポリプロピレンマスター
バッチを質量比で70対30の比率でチップブレンドし
た樹脂を用いて、ダイ温度310℃、熱風温度310℃
とし、さらに熱風圧力を20kPaとしたこと以外は実
施例1と同様にして不織布を得た。
【0062】実施例19 第1成分として、固有粘度0.70dl/g、融点24
6℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂と、
実施例3で製造したポリプロピレンマスターバッチを質
量比で70対30の比率でチップブレンドした樹脂を用
いて、ダイ温度290℃、熱風温度290℃とし、さら
に熱風圧力を22kPaとしたこと以外は実施例1と同
様にして不織布を得た。
【0063】実施例20 第1成分として、相対粘度2.0、融点225℃のナイ
ロン6樹脂と、実施例3で製造したポリプロピレンマス
ターバッチを質量比で70対30の比率でチップブレン
ドした樹脂を用いて、ダイ温度300℃、熱風温度30
0℃し、さらに熱風圧力を20kPaとしたこと以外は
実施例1と同様にして不織布を得た。
【0064】これら実施例1〜20の不織布に関する詳
細を表2および表3に示した。全てのサンプルについ
て、温度120℃、線圧35kg/cmL、5m/分の
速度にて、圧着面積率10%のドット状エンボス加工を
施すことによって、ウェブ強度を確保した後ヒートシー
ル強度を測定した結果、ポリプロピレンスパンボンド不
織布(PPSB)および各々第1成分100%からなる
メルトブロー不織布(MB)に対して良好なヒートシー
ル性を示した。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】比較例1 実施例1で得たポリウレタン樹脂のみを原料としたこと
以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。この不織
布に関する詳細を表2に示したが、良好なヒートシール
性は得られなかった。
【0068】比較例2 ポリウレタン樹脂(第1成分)とポリプロピレン樹脂
(第3成分)の2種類の原料のみを90:10の比率で
チップブレンドして使用したこと以外は、実施例3と同
様にして不織布を得たが、この不織布は全面にショット
が発生し、安定に巻き取ることができなかった。(表
2)
【0069】比較例3 ポリウレタン樹脂(第1成分)と重量平均分子量50,
000のポリエチレン樹脂(第2成分)の2種類の原料
のみを70:30の混率でチップブレンドして使用した
こと以外は、実施例3と同様にして不織布を得たが、こ
の不織布は全面にショットが発生し、安定に巻き取るこ
とができなかった。(表2)
【0070】比較例4 実施例1で得たポリウレタン樹脂と実施例3で用いたポ
リプロピレンマスターバッチとMFR=100のポリプ
ロピレン樹脂の混合比を20対30対50としたこと以
外は、実施例4と同様にして不織布を得た。この不織布
に関する詳細を表2に示したが、ポリプロピレンスパン
ボンド不織布との良好なヒートシール性は得られたもの
の、ポリウレタンメルトブロー不織布とのヒートシール
性は得られなかった。(表2)
【0071】比較例5 実施例16で用いたポリエステルエラストマー100%
の樹脂を用いたこと以外は実施例16と同様にして不織
布を得た。(表3)
【0072】比較例6 実施例18で用いたポリアミド系エラストマー100%
の樹脂を用いたこと以外は実施例18と同様にして不織
布を得た。(表3)
【0073】比較例7 実施例19で用いたポリブチレンテレフタレート樹脂1
00%の樹脂を用いたこと以外は実施例19と同じ方法
で不織布を得た。(表3)
【0074】比較例8 実施例20で用いたナイロン6樹脂100%を用いたこ
と以外は実施例20と同じ方法で不織布を得た。(表
3)
【0075】比較例5〜8で得た不織布についてヒート
シール強度の測定を行ったが、全て各々の第一成分10
0%からなるメルトブロー不織布にはヒートシールでき
たものの、ポリプロピレンスパンボンド不織布とはヒー
トシールできなかった。
【0076】
【発明の効果】本発明により、種々の熱可塑性樹脂から
なる製品およびポリオレフィン樹脂製品とのヒートシー
ル性に優れ、さらには柔軟で通気性および伸縮性に優れ
た不織布を容易に得ることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂から
    なる第1成分を30〜99%、重量平均分子量が5,0
    00以下のポリエチレンからなる第2成分を70〜1%
    の比率でブレンドした樹脂からなる不織布。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂から
    なる第1成分を30〜99%、重量平均分子量が5,0
    00以下のポリエチレンからなる第2成分を30〜0.
    01%および少なくとも1種類のポリオレフィン樹脂か
    らなる第3成分を70%未満の比率でブレンドした樹脂
    からなる不織布。
  3. 【請求項3】 第1成分が固有粘度0.45〜0.80
    のポリエステル樹脂である請求項1または2に記載の不
    織布。
  4. 【請求項4】 第1成分が相対粘度1.5〜3.0のポ
    リアミド樹脂である請求項1または2に記載の不織布。
  5. 【請求項5】 第1成分が熱可塑性エラストマー樹脂で
    ある請求項1または2に記載の不織布。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマー樹脂がポリウレタ
    ン、ポリエステル系エラストマー、またはポリアミド系
    エラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エ
    ラストマー樹脂である請求項5に記載の不織布。
  7. 【請求項7】 熱可塑性エラストマー樹脂がポリウレタ
    ン樹脂であって、固有粘度が0.40dl/g以上であ
    る請求項5または6に記載の不織布。
  8. 【請求項8】 50%伸長回復率が60%以上である請
    求項5〜7のいずれか1項に記載の不織布。
  9. 【請求項9】 第3成分がMFR=10〜2,000の
    ポリプロピレン樹脂である請求項2〜8のいずれか1項
    に記載の不織布。
  10. 【請求項10】 不織布を構成する繊維の平均繊維径が
    1〜20μmであり、通気度が1〜400cc/cm
    /秒である請求項1〜9のいずれか1項に記載の不織
    布。
  11. 【請求項11】 ポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂か
    らなる第1成分を30〜99%、重量平均分子量が5,
    000以下のポリエチレンからなる第2成分を30〜
    0.01%、少なくとも1種類のポリオレフィン樹脂か
    らなる第3成分を70%未満の比率でブレンドした樹脂
    を200〜350℃の温度で溶融し、温度200〜35
    0℃、圧力1〜30kPaの噴射気流で加速することで
    細化紡糸し、次いでこれをシート状に捕集することを特
    徴とする不織布の製造方法。
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