JP2003012572A - 活性アルミナにルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトを担持した触媒を用いた変換反応による水素化フラーレンの製造方法 - Google Patents

活性アルミナにルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトを担持した触媒を用いた変換反応による水素化フラーレンの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素貯蔵材料としての水素化フラーレンを効
率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 ルテニウム、パラジウム、イリジウム、
白金、コバルトのうちのいずれの一つを活性アルミナに
含浸担持した触媒を用いることにより、C60フラーレン
を水素化フラーレンに変換することを特徴とするフラー
レンの変換方法、ルテニウム、パラジウム、イリジウ
ム、白金、コバルトのうちのいずれか一つを活性アルミ
ナに含浸担持した触媒によるフラーレンの変換反応を利
用して、穏和な水素化条件において高効率的にC6018
やC6036に変換することを特徴とする水素化フラーレ
ンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化フラーレン
を製造する方法に関するものであり、更に詳しくは、ル
テニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトの
うちのいずれか一つを活性アルミナに含浸担持した触媒
によるフラーレンの変換方法、及び当該変換反応を利用
して、高効率的にC60フラーレンをC6018やC6036
に変換することにより、水素化フラーレンからなる水素
貯蔵材料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】21世紀は「水素の時代」であるといわ
れている。したがって、水素の製造・輸送・貯蔵・利用
等に関する技術を制する企業が21世紀を勝ち残るであ
ろう。例えば、自動車産業では、蓄電池とエンジンの併
用型の電気自動車がすでに実用化されているが、水素を
利用した燃料電池型自動車の投入も近いとみられる。地
球温暖化の原因ともなる二酸化炭素の排出がないクリー
ンなエネルギーである水素をいかにして利用してゆくか
が、次世代ハイテク産業の中心課題となるのは確実であ
る。
【0003】このような情勢を踏まえ、本発明者らは、
水素関連技術の中でも「水素の輸送及び貯蔵」にターゲ
ットを絞り込み、いかに軽い貯蔵材料を開発するかに力
点をおいて研究開発を進めてきた。この種の貯蔵材料と
しては、ランタン−ニッケルハイドライド(LaNi5
6 )など、いわゆる金属系化合物の水素脆性を利用し
たものがこれまでによく研究されている。しかしなが
ら、これらは金属であるがゆえに、重量比にしてせいぜ
い1wt%程度しか水素を貯蔵することができない(L
aNi56 では1.4wt%)。金属材料を用いる限
り、これ以上の貯蔵率を望むのは原理的に難しい。一
方、炭素材料は、質量数12のカーボンのみから組み立
てられており、もし、これを貯蔵材料として利用するこ
とが可能であれば、金属系材料をしのぐような比率で水
素を貯蔵できる可能性があると考えられる(C6036
水素貯蔵率は4.8wt%)。
【0004】RuやPd、Ptなどの貴金属触媒を用い
て水素化フラーレンを作製した例は多いが、そのほとん
どは活性炭に担持したものを用いている。例えば、重松
らは、Ru/C、Pt/C、Pd/Cなどの活性炭担持
貴金属触媒を用いて水素化フラーレンを作製している
(K. Shigematsu et al, Chemi
stry Express, 8,p483−486
(1993)。しかしながら、出発原料として500m
gのフラーレンを用いても、回収された水素化フラーレ
ンは、たかだか176−193mgであり、約35−3
8%の回収率でしかない。これは、担体として用いた活
性炭に水素化フラーレンがかなり強吸着され、その結
果、収率が極端に低下したことによるものと考えられ
る。また、100気圧・180℃という厳しい反応条件
のために、フラーレンが水素化された後に分解してしま
ったことも考えられる。このように、より穏和な条件下
にて高効率に水素化フラーレンを作製できる触媒及び触
媒担体が必要であり、それにより、高効率かつ高選択率
で水素化フラーレンを製造することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、穏和な条件
下でフラーレンの水素化を高効率かつ高選択的に行うこ
とができる新しいフラーレンの変換方法の確立と優れた
水素貯蔵材料の開発等を目標として鋭意研究を重ねてき
た結果、活性アルミナに担持したルテニウム、パラジウ
ム、イリジウム、白金、コバルトの触媒を用いてフラー
レンの変換反応を行うことにより、所期の目的を達成し
うることを見いだし、本発明を完成するに至った。本発
明は、穏和な水素化条件において高効率かつ高選択率に
フラーレンを水素化フラーレンに変換する方法を提供す
ることを目的とするものである。また、本発明は、上記
変換方法により、水素化フラーレンからなる水素貯蔵材
料を製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)C60フラーレンを水素化フラーレンに変換する方
法であって、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、白
金、コバルトのうちから選択される一つを活性アルミナ
に含浸担持した触媒を用いることにより、穏和な水素化
条件において高効率的にC60フラーレンをC6018ない
しC6036の水素化フラーレンに変換することを特徴と
するフラーレンの変換方法。 (2)ルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コ
バルトのうちから選択される一つを活性アルミナに含浸
担持した触媒によるフラーレンの変換反応を利用して、
水素化フラーレンからなる水素貯蔵材料を製造する方法
であって、穏和な水素化条件において高効率的にC60
ラーレンをC6018ないしC6036の水素化フラーレン
に変換することを特徴とする水素の貯蔵方法。 (3)前記(1)に記載の変換方法を用いて、水素をC
60フラーレンに導入し、水素をC6018ないしC6036
の水素化フラーレンに変換することを特徴とする水素の
貯蔵方法。 (4)フラーレンを水素化して水素化フラーレンに変換
する水素化変換反応用の触媒であって、ルテニウム、パ
ラジウム、イリジウム、白金、コバルトのうちから選択
される一つを活性アルミナに含浸担持してなる、フラー
レンの水素化変換反応用触媒。 (5)金属の含有量が、ルテニウム、パラジウム、イリ
ジウム、白金は0.5〜10wt%、コバルトは2〜5
0wt%である、前記(4)に記載の触媒。 (6)フラーレンを水素化して水素化フラーレンに変換
する水素化変換反応用触媒を製造する方法であって、ル
テニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトの
うちから選択される一つの金属塩水溶液に活性アルミナ
を含浸し、水分を蒸発させた後、乾燥し、その後、40
0〜800℃で焼成することを特徴とする水素化変換反
応用触媒の製造方法。 (7)金属塩水溶液が塩化ルテニウム、塩化パラジウ
ム、塩化イリジウム、塩化白金、又は硝酸コバルトの水
溶液である、前記(6)に記載の製造方法。 (8)反応前に触媒を水素雰囲気下で400〜800
℃、1〜5時間の条件で還元する、前記(1)に記載の
変換方法。 (9)水素化条件が、水素圧力5〜75気圧、反応温度
が50〜200℃である、前記(1)に記載の変換方
法。 (10)水素化フラーレンが、C6018又はC6036
ある、前記(1)に記載の変換方法。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、上記のように、炭素材料のC60
ラーレンを水素化フラーレンに変換することにより、効
率よく水素を貯蔵(水素貯蔵率、C6018:約2.4
%、C6036:約4.8%)するものである。本発明者
らは、炭素材料としてフラーレンに着目し、それへの水
素貯蔵を試みた。C60フラーレンは、60個の炭素原子
からなる球状分子であり、分子内に30の不飽和結合を
有する極めて特異な物質である。この物質は、年々コス
トも低下し、今や汎用製品として簡単に入手することが
できる。
【0008】本発明者らは、フラーレン及び水素化フラ
ーレンをほとんど吸着しないであろう材料として、活性
アルミナを選択し、これを担体に用いて担持金属触媒を
作製し、穏和な条件下でフラーレンの水素化を行った。
その結果、例えば、50気圧・150℃の穏和な条件下
で高効率(収率約100%)にC6018やC6036を製
造しうることがわかった。
【0009】本発明では、触媒材料として、ルテニウ
ム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルト、及び活
性アルミナが用いられる。この場合、上記金属は、各金
属塩水溶液、例えば、塩化ルテニウム、塩化パラジウ
ム、塩化イリジウム、塩化白金、硝酸コバルトの水溶液
が用いられる。本発明で使用する触媒は、例えば、各金
属塩水溶液に活性アルミナを含浸し、ゆっくりと水分を
蒸発させた後に、乾燥機で乾燥し、その後、例えば、5
00℃で3時間の条件で焼成して調製することができ
る。金属の含有量は、好適にはルテニウム、パラジウ
ム、イリジウム、白金が5wt%であり、コバルトは1
0wt%である。この触媒は、反応前に水素雰囲気下
(例えば、500℃・3時間)で還元して使用する。そ
の条件としては、好適には、触媒に30ml/分の流速
で水素を導入し、1時間かけて500℃にまで昇温し、
その後3時間、500℃を保持することが例示される。
本発明の方法において、水素化条件としては、水素圧力
が5〜75気圧、好適には50気圧、反応温度が50〜
200℃、好適には150℃を例示することができる。
【0010】次に、フラーレンを利用した水素貯蔵及び
輸送について説明する。フラーレンの水素化反応は、2
300kJ/molの発熱反応である。反応生成物であ
る軽くて空気中でも安定なこの固体水素化物は、水素の
長距離輸送・長距離貯蔵に向いていると言える。例え
ば、砂漠などの自然エネルギーの豊富な地域で得たエネ
ルギーを水素に変換した後に、この固体へ水素貯蔵し、
エネルギー多消費地に運んでから水素を取り出し利用す
ることが例示される。この固体水素化物は、酸素雰囲気
下でも280℃までなら酸化しない安定な物質であるの
で、水素の長時間貯蔵・長距離輸送以外にもいろいろな
用途に使用できるが、その範囲は特に限定されるもので
はない。
【0011】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。以下の実施例は本発明の好適な一例を示すもの
であり、本発明は該実施例によって何ら限定されるもの
ではない。 実施例 (1)水素化フラーレンの作製 フラーレンはC60(純度約100%、ヘキスト製)を用
いた。触媒は活性アルミナ(住友化学、KHS−46)
に触媒金属を含浸担持したものを用いた。この場合、金
属塩水溶液100mlに活性アルミナ10gを含浸し、
水浴上で水分を蒸発させ、500℃で3時間焼成した
後、500℃で3時間水素還元を行った。担持率はルテ
ニウム、パラジウム、イリジウム、白金触媒が5wt%
であり、コバルト触媒は10wt%であった。内容積3
90mlのステンレス容器に、C60(50mg)をトル
エン(200ml)に溶解した溶液を触媒と共に入れ
た。オートクレーブ(高圧反応装置)に容器を設置し、
容器内を水素で置換した後に、水素圧を50kgf/c
2 にセットし、150℃まで昇温した。溶液を33回
/分の速度で回転させながら所定時間反応を行った。反
応後、触媒や溶媒を取り除いて、残留物の物性を質量分
析装置で調べた。
【0012】(2)結果 表1に触媒の物性値として結晶子(ナノメートル)を示
した。Irは結晶子が小さすぎてXRDピークの半値幅
からの測定が不能であったが、その他の触媒では結晶子
は約5〜15nmの大きさであった。表1には反応時間
と反応後の水素圧減少量を示した。ルテニウム、パラジ
ウム、イリジウム、白金触媒では水素圧(初気圧:50
kgf/cm2 )が12kgf/cm2 になるまで反応
を行い続け、一方、コバルト触媒では水素圧が33kg
f/cm2 になるまで反応を行った。反応後のC60の転
化率をUV可視吸収スペクトルから計算し、表1に示し
た。いずれの触媒でもC60の反応転化率は100%に近
い値を示した。また、反応後に回収された水素化フラー
レンの収率(Φ=(得られた水素化フラーレン[m
g])/(用いたフラーレン:50mg))はいずれも
100%に近く、水素化フラーレンは活性アルミナ担体
に吸着されることなく、そのほぼ全量が回収された。
【0013】
【表1】
【0014】生成物の質量分析スペクトルを図1−5に
示す。生成物は主にC6018やC60 36であった。全て
の二重結合が水素化されたC6060(m/z780)は
見あたらなかった。この水素化反応に対し、用いた触媒
は次の二群に分類された。一つはC6018を主に与える
触媒(Ru,Ir)であり、もう一つはC6036を主に
与える触媒(Pd、Pt、Co)である。用いた触媒に
よって主生成物が異なることから、触媒金属を選択する
ことにより、目的とする水素化フラーレンをほぼ100
%の収率で製造することが可能である。水素化反応は、
金属のd−特性(%)、すなわち、金属結合に寄与して
いるd電子の割合と相関があるとされている。d−特性
が大きいほどd−電子は金属結合に使われてフラーレン
との結合には関与しなくなる結果、吸着熱は小さくな
る。つまりd−特性の大きなRu(50%)やIr(4
9%)は、d−電子が金属結合に使用される結果、フラ
ーレンの吸着が弱く、したがってC60からC6036を与
える逐次反応、すなわち、C60→C602 →C604
・・・C6018→・・・→C6036が進行しない。吸着
が弱いために、おそらくC6018で止まってしまうもの
と考えられる。一方、Pd(46%),Pt(44
%),Co(39.5%)では、d−特性が小さいため
に、フラーレンを強く吸着する。したがって、C60から
6036への逐次反応がきちんと進行し、C6036が主
生成物となるものと考えられる。
【0015】(3)熱安定性 水素貯蔵材料にとって、水素化反応中における熱安定性
も重要である。典型的水素化触媒であるNiを用いて、
フラーレンが何℃で接触水素化分解するかをTempe
rature−programmed Surface
Reaction(TPSR)の手法で調べた。図6
はNi(NO32 ・6H2 O−C60を水素下(大気圧
下)で昇温させたときのTPSRスペクトルである。N
i(NO32 ・6H2 Oは温度が約300℃に到達す
るまでに、H2 OやNOx を脱離し、Ni金属になっ
た。約400℃からCH4 の生成が認められ、587℃
と818℃に二つのCH4 生成ピークが認められた。C
4 以外の炭化水素生成は認められなかった。前者のピ
ークはNi金属に接触しているC60フラーレンの接触水
素化分解反応、後者のピークはバルク中のC60が熱拡散
によりNi金属表面に到達して引き起こされた接触水素
化分解であると考えられた。すなわち、このスペクトル
は、大気圧下では約400℃までならフラーレンは水素
化分解せず安定であることを示している。
【0016】一方、水素化フラーレンの安定性を不活性
ガス雰囲気下で調べた。熱力学的にもっとも安定な水素
化フラーレンであるC6036を熱重量分析装置にセット
し、ヘリウムキャリヤガス中で1000℃まで昇温し、
熱重量減少と熱伝導度検出(TCD)で分解反応を追跡
した。図7にその結果を示した。503℃にシャープな
TCDピークを示し、呼応して重量減少が認められた。
1000℃までにはセットしたC6036のほとんどが分
解し気体となって消失した。一方、C60は、ヘリウム雰
囲気下では分解せず、800℃を越えたところで昇華
し、反応装置の出口でそのまま回収された。このことか
らも、図6に示したC60の接触水素化分解反応は、C60
がそのまま分解してCH4 が生成したのではなく、C60
がいったんC60x となった後にC−C結合開裂(分
解)が起こり、そして、最終的にCH4 が生成したもの
と考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ルテニ
ウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトのうち
のいずれか一つを活性アルミナに含浸担持して調製し
た、Ru/Al23 、Pd/Al23 、Ir/Al
23 、Pt/Al23 、Co/Al23 触媒によ
るフラーレンの変換反応を利用して、穏和な水素化条件
下において高効率的にC60フラーレンをC6018やC60
36に変換することを特徴とする水素化フラーレンの製
造方法、及び水素をC60フラーレンに導入し水素を水素
化フラーレンC6036に変換することを特徴とする水素
貯蔵材料の製造方法に関するものであり、本発明によ
り、1)水素貯蔵材料として有用な水素化フラーレンを
ほぼ100%という収率で製造することができる、2)
触媒金属を選択することにより、C6018やC6036
高選択的に製造することができる、3)フラーレンの変
換方法を提供することができる、4)水素貯蔵率の高い
優れた水素貯蔵材料が得られる、5)水素の貯蔵・利用
技術を提供することができる、等の格別の効果が奏され
る。
【0018】参考文献 1. K. Shigematsu and K. Abe, Chem Express, 1992,
7, 905. 2. K. Shigematsu, K. Abe, M. Mitani and K. Tanaka,
Chem Express, 1992, 7, 957. 3. K. Shigematsu, K. Abe, M. Mitani and K. Tanaka,
Chem Express, 1993, 8, 37. 4. K. Shigematsu, K. Abe, M. Mitani and K. Tanaka,
Chem Express, 1993, 8, 483. 5. K. Shigematsu, K. Abe, M. Mitani, M. Nakao and
K. Tanaka, Chem Express, 1993, 8, 669.
【図面の簡単な説明】
【図1】Ru/Al2 3 触媒で製造した水素化フラー
レンの質量スペクトルを示す。
【図2】Pd/Al23 触媒で製造した水素化フラー
レンの質量スペクトルを示す。
【図3】Ir/Al2 3 触媒で製造した水素化フラー
レンの質量スペクトルを示す。
【図4】Pt/Al23 触媒で製造した水素化フラー
レンの質量スペクトルを示す。
【図5】Co/Al23 触媒で製造した水素化フラー
レンの質量スペクトルを示す。
【図6】Ni(NO3 2 ・6H2 O−C60の水素雰囲
気下におけるTemperature−program
med Surface Reaction(TPS
R)スペクトルを示す。
【図7】C6036のヘリウム下における分解反応を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/75 B01J 37/02 101C 37/02 101 37/08 37/08 37/18 37/18 C07C 5/02 C07C 5/02 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 311M Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BB08C BB12C BC67A BC67B BC67C BC70A BC70B BC70C BC72A BC72B BC72C BC74A BC74B BC74C BC75A BC75B BC75C BD12C CC40 DA05 EA01Y EB18Y FA01 FA02 FB14 FB30 FB44 FC02 FC08 4H006 AA02 AC11 BA20 BA22 BA23 BA25 BA26 BA55 BA61 BA81 BB11 BC10 BC11 BC19 BC32 4H039 CA40 CB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C60フラーレンを水素化フラーレンに変
    換する方法であって、ルテニウム、パラジウム、イリジ
    ウム、白金、コバルトのうちから選択される一つを活性
    アルミナに含浸担持した触媒を用いることにより、穏和
    な水素化条件において高効率的にC60フラーレンをC60
    18ないしC6036の水素化フラーレンに変換すること
    を特徴とするフラーレンの変換方法。
  2. 【請求項2】 ルテニウム、パラジウム、イリジウム、
    白金、コバルトのうちから選択される一つを活性アルミ
    ナに含浸担持した触媒によるフラーレンの変換反応を利
    用して、水素化フラーレンからなる水素貯蔵材料を製造
    する方法であって、穏和な水素化条件において高効率的
    にC60フラーレンをC6018ないしC6036の水素化フ
    ラーレンに変換することを特徴とする水素の貯蔵方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の変換方法を用いて、水素
    をC60フラーレンに導入し、水素をC6018ないしC60
    36の水素化フラーレンに変換することを特徴とする水
    素の貯蔵方法。
  4. 【請求項4】 フラーレンを水素化して水素化フラーレ
    ンに変換する水素化変換反応用の触媒であって、ルテニ
    ウム、パラジウム、イリジウム、白金、コバルトのうち
    から選択される一つを活性アルミナに含浸担持してな
    る、フラーレンの水素化変換反応用触媒。
  5. 【請求項5】 金属の含有量が、ルテニウム、パラジウ
    ム、イリジウム、白金は0.5〜10wt%、コバルト
    は2〜50wt%である、請求項4記載の触媒。
  6. 【請求項6】 フラーレンを水素化して水素化フラーレ
    ンに変換する水素化変換反応用触媒を製造する方法であ
    って、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、コ
    バルトのうちから選択される一つの金属塩水溶液に活性
    アルミナを含浸し、水分を蒸発させた後、乾燥し、その
    後、400〜800℃で焼成することを特徴とする水素
    化変換反応用触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属塩水溶液が、塩化ルテニウム、塩化
    パラジウム、塩化イリジウム、塩化白金、又は硝酸コバ
    ルトの水溶液である、請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応前に触媒を水素雰囲気下で400〜
    800℃、1〜5時間の条件で還元する、請求項1記載
    の変換方法。
  9. 【請求項9】 水素化条件が、水素圧力5〜75気圧、
    反応温度が50〜200℃である、請求項1記載の変換
    方法。
  10. 【請求項10】 水素化フラーレンが、C6018又はC
    6036である、請求項1記載の変換方法。
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CN1328150C (zh) * 2004-12-15 2007-07-25 中国科学院理化技术研究所 富勒烯多氢化物储氢材料的催化分解放氢方法
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KR101382610B1 (ko) * 2012-05-18 2014-04-07 한국표준과학연구원 탄소 구조체의 수소화 처리 방법

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