JP2003011454A - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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JP2003011454A JP2001195114A JP2001195114A JP2003011454A JP 2003011454 A JP2003011454 A JP 2003011454A JP 2001195114 A JP2001195114 A JP 2001195114A JP 2001195114 A JP2001195114 A JP 2001195114A JP 2003011454 A JP2003011454 A JP 2003011454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】テープ印字装置に関し、テープの収容量によっ
て形状の異なる多色印字用の小型テープカセットと単色
印字用の大型カセットとを共用可能にする。 【解決手段】カセット装着部6には多色印字用の小型テ
ープカセットと、単色印字用の大型テープカセットが交
換可能に装着され、この装着部6には多色又は単色印字
を行うためのサーマルヘッド7、プラテン8、リボン巻
取り軸9が設けられ、またテープ巻戻し軸10が立設さ
れる。巻戻し軸10は多色印字に対応するもので、大型
テープカセットの装着を干渉する位置にあり、駆動機構
によってテープの巻戻し方向に駆動される基軸部10a
と、それに軸着さればね63により起伏可能な係合部1
0bとを備え、装着部6に小型テープカセットが装着さ
れるときには、係合部10bがテープを巻回するスプー
ルに係合し、大型テープカセットが装着されるときに
は、係合部10bが押し倒されて非干渉位置に退避す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字用のテープを
収容した形状の異なるテープカセットを交換可能に装着
し、それらのテープカセットに収容されたテープに多色
又は単色のインクで印字を行う印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印字用のテープ(以下、テープと
いう。)と単色インクリボンとを収容した単色(モノク
ロ)印字用のテープカセットを装置本体のカセット装着
部に装着し、そのテープカセットに収容されたテープに
モノクロ印字を行ってラベルを作成するテープ印字装置
が提供されている。
【0003】また、多色印字用のテープと多色インクリ
ボンとを収容した多色(カラー)印字用のテープカセッ
ト、あるいは前記モノクロ印字用のテープカセットを装
置本体のカセット装着部に装着し、それらのテープカセ
ットに収容されたテープにカラー印字を行い、あるいは
モノクロ印字を行うことができるテープ印字装置も提供
されている。
【0004】カラー印字及びモノクロ印字の両機能を有
する前記テープ印字装置は、印字データに従って発熱駆
動されて多色インクリボン及び単色インクリボンの各イ
ンクをテープに熱転写するサーマルヘッド、カラー及び
モノクロの各印字時にテープを順方向に送るプラテン、
カラー印字中に多色インクリボンの各色インクの転写終
了毎に回転駆動されてテープをテープカセット内のスプ
ールに巻き戻すことによりテープを印字開始位置まで逆
送りするテープ巻戻し軸などをカセット装着部内に備え
て構成される。
【0005】そして、このテープ印字装置では、カセッ
ト装着部内にカラー印字用のテープカセットを装着して
カラー印字を行う場合には、サーマルヘッド、プラテン
及びテープ巻戻し軸を駆動して多色インクリボンの異な
る色のインクを順次テープに重ねて転写し、また、カセ
ット装着部内にモノクロ印字用のテープカセットを装着
してモノクロ印字を行う場合には、サーマルヘッド及び
プラテンを駆動して単色インクリボンのインクをテープ
に転写するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】テープ印字装置は幅広
い分野で各種の用途で使用されているが、従来のテープ
印字装置に使用されるテープカセットのテープの収容量
は個人が家庭で時たま使用するには十分であっても、業
務などの用途で大量のラベルを印字する場合には、テー
プの収容量が不足するため、テープカセットの交換が頻
繁に必要になる。また、ラベルでは簡単な文字列を印字
することが殆どであり、モノクロ印字でも十分に意図す
るラベルを作成することができ、カラー印字に比べて印
字のコストも安価で済むため、カラー印字機能を備える
テープ印字装置でもモノクロ印字が利用される機会が多
い。
【0007】このため、従来のテープカセットに加え
て、特に、消費量の多いモノクロ印字用のテープカセッ
トについて、従来より長尺のテープを収容してテープの
収容量を大きくしたものの供給が望まれる。
【0008】しかし、そのようなテープカセットでは、
テープの長尺化に応じてテープをスプールに巻回したと
きのロール径が大きくなり、それを収容するカセットケ
ースの外形形状、すなわち平面形状も大型となる。ま
た、一方では、長尺のテープを収容する大型のテープカ
セットが加わることで、テープ印字装置のカセット装着
部を大型のテープカセットが装着可能な形状とする必要
があり、かつ、このカセット装着部には、従来のテープ
カセットも装着して使用できるようにしなければならな
い。
【0009】ところが、カラー印字機能を有するテープ
印字装置では、カセット装着部にテープを巻き戻すため
のテープ巻戻し軸が設けられるため、カセット装着部の
形状を単に前記大型のモノクロ印字用のテープカセット
が収容できる形状に形成しただけでは、テープ巻戻し軸
が前記大型のテープカセットに干渉して装着する際に障
害となってしまう。
【0010】本発明は、前記のような問題に鑑みなされ
たもので、テープに単色のインクで印字を行う単色印字
用のテープカセットをカセット装着部に装着するとき
に、そのテープカセットとは形状の異なる多色印字用の
テープカセットに対応して設けられたテープを巻き戻す
ためのテープ巻戻し手段によって干渉されることがな
く、形状の異なる多色印字用のテープカセットと単色印
字用のテープカセットとをカセット装着部に交換可能に
装着してテープに多色印字と単色印字とを行うことがで
きる印字装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の印字装置は、ス
プールに巻回した印字用のテープを収容する形状の異な
る第1又は第2のテープカセットが交換可能に装着され
るカセット装着部と、前記カセット装着部に装着された
前記第1及び前記第2のテープカセットから外部にテー
プを引き出して順送りするテープ送り手段と、前記カセ
ット装着部に装着された前記第1のテープカセットのテ
ープを逆送りしてスプールに巻き戻すテープ巻戻し手段
と、前記カセット装着部に装着された前記第1のテープ
カセットのテープが前記テープ巻戻し手段による逆送り
を交えて前記テープ送り手段によって複数回順送りされ
る毎に当該テープの同一領域に異なる色のインクで繰り
返し印字を行い、また前記カセット装着部に装着された
前記第2のテープカセットのテープが前記テープ送り手
段によって順送りされるときに単色のインクで印字を行
う印字手段とを備え、前記テープ巻戻し手段は、前記カ
セット装着部内への前記第2のテープカセットの装着を
干渉する位置に突出して配設された回転駆動されるテー
プ巻戻し軸を備え、前記テープ巻戻し軸は、前記第1の
テープカセットが前記カセット装着部に装着されるとき
には、前記第1のテープカセットのスプールに係合する
作動位置に位置し、前記第2のテープカセットが前記カ
セット装着部に装着されるときには、前記第2のテープ
カセットに押動されて前記第2のテープカセットの装着
に干渉しない退避位置に移動するべく構成されることを
特徴とする。
【0012】本発明の印字装置では、テープに多色のイ
ンクで印字を行うための第1のテープカセットがカセッ
ト装着部に装着されるときには、そのテープを巻き戻す
ための手段を構成する巻戻し軸が第1のテープカセット
のスプールに係合し、テープに単色のインクで印字を行
う第2のテープカセットがカセット装着部に装着される
ときには、前記巻戻し軸が第2のテープカセットに押動
されて該第2のテープカセットの装着を干渉しない退避
位置に移動されるので、第1及び第2のテープカセット
をカセット装着部に交換可能に装着することができ、第
1のテープカセットのテープに多色のインクで印字を行
い、第2のテープカセットのテープに単色のインクで印
字を行うことができる。
【0013】前記印字装置において、前記テープ巻戻し
軸は、前記テープ巻戻し手段を構成する駆動機構によっ
て前記第1のテープカセットのテープをスプールに巻き
戻すべく回転駆動される基軸部と、該基軸部に軸着され
て前記カセット装着部内で前記作動位置と前記退避位置
との間で起伏可能に設けられ前記第1のテープカセット
のスプールに係合可能な係合部と、前記係合部を前記退
避位置から前記作動位置に移動するべく付勢する付勢部
材とで構成することができる。
【0014】また、前記テープ巻戻し軸は、前記テープ
巻戻し手段を構成する駆動機構によって前記第1のテー
プカセットのテープを巻き戻すべく回転駆動される基軸
部と、該基軸部の軸方向に伸縮可能にし、かつ、該基軸
部の軸方向の回りに回転不可にして前記カセット装着部
内で前記作動位置と前記退避位置との間で伸縮可能に設
けられ前記第1のテープカセットのスプールに係合可能
な係合部と、前記係合部を前記退避位置から前記作動位
置に伸長すべく付勢する付勢部材とで構成することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1及び図2は、本発明の
実施の形態に係るテープ印字装置の平面図及びそのテー
プ印字装置に備えられるカセット装着部の斜視図であ
る。
【0016】このテープ印字装置は、図7乃至図9に示
す、多色(カラー)印字用のテープ100aと多色(カ
ラー)印字用のインクリボン101aが収容された小型
テープカセット70、単色(モノクロ)印字用のテープ
100cと単色(モノクロ)印字用のインクリボン10
1cが収容され平面形状が前記小型テープカセットと同
等の小型テープカセット90、前記テープ100a、1
00cより長尺の単色(モノクロ)印字用のテープ10
0bと単色(モノクロ)印字用のインクリボン101b
が収容され平面形状が前記小型テープカセット70、9
0より大きい大型テープカセット80が装着可能であ
り、夫々のテープカセットに収容されたテープとインク
リボンを用いてカラー印字又はモノクロ印字を行うこと
ができる。
【0017】図1のように、テープ印字装置1の装置本
体2の上面には、印字すべきデータを入力し印字に必要
な種々の設定や指示を行うキーボード3、印字すべきデ
ータや印字に必要な種々の情報を表示する液晶表示部4
が設けられ、開閉自在の蓋5でカバーされて複数種類の
前記テープカセットのいずれかが交換可能に装着される
カセット装着部6が設けられる。
【0018】カセット装着部6には、テープに印字を行
うための機構として、テープの幅方向に配列された複数
の発熱体を備えて印字データに基づいて発熱駆動される
サーマルヘッド7、このサーマルヘッド7の駆動時に回
転駆動されてテープ及びインクリボンを搬送するプラテ
ン8、熱転写により使用されたインクリボンを巻き取る
リボン巻取り軸9及びカラー印字中にテープを印字開始
位置まで逆送りするテープ巻戻し軸10が設けられる。
【0019】サーマルヘッド7は、プラテン8の側に向
けて開口するヘッド保護ケース11内に配置され、後記
ヘッド移動機構によってプラテン8に圧接する印字位置
とプラテン8から開離する非印字位置とに移動可能にさ
れている。
【0020】プラテン8、リボン巻取り軸9及びテープ
巻戻し軸10の夫々は、カセット装着部6の底面の下部
に設けられる駆動機構によって回転駆動される。
【0021】サーマルヘッド7、プラテン8及びリボン
巻取り軸9は、カラー及びモノクロ印字用のテープカセ
ット70、80、90に対応するものであり、テープ巻
戻し軸10はカラー印字用のテープカセット70に対応
する。また、テープ巻戻し軸10は、小型テープカセッ
ト70,90の所定の部位に係合するが、大型テープカ
セット80に対しては、そのカセットケースの外側面に
突き当たって、その装着を干渉する位置に設けられてい
る。
【0022】このテープ印字装置では、カセット装着部
6への大型テープカセット80の装着を可能にするため
に、テープ巻戻し軸10をカセット装着部6の底面上で
起伏可能な構成としている。このテープ巻戻し軸10の
構成については、さらに後述する。
【0023】また、カセット装着部6には、テープカセ
ット70、80、90の外側面の所定の部位に当接して
これらのテープカセットを載置することにより、カセッ
ト装着部6内に各テープカセット70、80、90を位
置決めして装着するための受台12〜17が設けられ
る。受台12〜15は小型テープカセット及び大型テー
プカセットに共用し、受台16、17は大型テープカセ
ットにのみ対応する。テープカセット70、80、90
が受台12〜17に支持されることにより、そこに収容
されるテープ及びインクリボンが前記サーマルヘッド7
などの印字のための機構に対して、特に垂直方向に位置
合わせされる。
【0024】受台14、15及びカセット装着部6の底
部には、モノクロ用とカラー用のテープカセットの識別
スイッチ18、テープカセットの大小形状の識別スイッ
チ19、テープ幅の識別スイッチ20a、20b、20
cが設けられ、これらのスイッチからの情報が制御部に
出力されて、モノクロ用とカラー用、大小のカセット形
状及びテープカセットに収容されるテープの幅を識別で
きるようにしている。
【0025】また、カセット装着部6には、カラー印字
を行う時に機能する、カラー印字用のテープに施された
位置合わせ用マークを検知する位置マークセンサ21及
びカラー印字用のインクリボンに施された複数色の各イ
ンクの頭出し用のマークを検知する頭出しマークセンサ
22が夫々テープ及びインクリボンの搬送経路に臨んで
設けられる。
【0026】23は印字されたテープが装置外に排出さ
れる排出口であり、そこには固定刃24と可動刃25を
備えて印字済のテープを切断するカッターが設けられ
る。
【0027】このテープ印字装置では、正逆転可能なモ
ータを駆動源としてプラテン8、リボン巻取り軸9及び
テープ巻戻し軸10が回転駆動され、サーマルヘッド7
がプラテン8に対して移動される。
【0028】図3及び図4は、カセット装着部6の底面
下に設けられるテープとインクリボンの送り、テープの
逆送り及びサーマルヘッドの移動のための駆動機構の全
体及び要部の説明図であり、図5は駆動機構の動作説明
図である。
【0029】以下、それらの駆動機構について説明す
る。テープとインクリボンとを順送りする送り駆動機構
はステップモータ26の正転時に作動する。ステップモ
ータ26の出力軸に設けられるモータギア27、2段ギ
ア28、ギア29、2段ギア30、ギア31、ギア3
2、ギア33、ワンウェイギア34、2段ギア35、プ
ラテンギア36の順で回転駆動力が伝達されて、プラテ
ンギア36の軸上に設けられたプラテン8が回転駆動さ
れ、さらにプラテンギア36を介してリボン巻取りギア
37に回転駆動力が伝達されてリボン巻取りギア37と
同一軸に設けられたリボン巻取り軸9が回転駆動され
る。
【0030】ギア32とギア33とは同一軸上の上下に
間隔をおいて互いに独立して回転可能に設けられてお
り、ギア32の下面に係合用の突部32aが設けられ、
ギア33の上面に突部32aと係合可能な突部33aが
設けられている。印字開始時、すなわちステップモータ
26の正転駆動が開始されるときの両突部32a、33
aの位置関係は図3の通りであり、ステップモータ26
の正転駆動(図3で矢印Aの方向)が始まると、まずギ
ア32が図3の矢印Bの方向に回転し、突部32aが突
部33aの位置まで達してこれに係合してからギア33
の矢印Bの方向への回転が始まる。これにより、ステッ
プモータ26の正転駆動の開始から所定のタイミングだ
け遅延してプラテン8及びリボン巻取り軸9が回転駆動
されるようにしている。なお、この遅延時間の間にサー
マルヘッド7の後記移動機構が駆動されてサーマルヘッ
ド7の印字位置への移動が行われる。
【0031】また、前記ワンウェイギア34はステップ
モータ26の正転時にのみ、その回転駆動力をプラテン
8及びリボン巻取り軸9に伝達するが、ステップモータ
26の逆転時には、その回転駆動力をプラテン8及びリ
ボン巻取り軸9に伝達しないように構成されている。
【0032】また、サーマルヘッド7を印字位置と非印
字位置とに移動させるヘッド移動機構はステップモータ
26を駆動源とし、ステップモータ26の正転及び逆転
の初期段階で動作するものであり、モータギア27、2
段ギア28及びギア29までの駆動伝達経路を前記送り
駆動機構と共用し、それらに加えて、ギア29に噛み合
う2段ギア38、アーム39に取付けられ太陽ギアとな
る2段ギア38のうちの下部ギア38aに噛み合って軸
40に対して揺動可能に設けられる第1遊星ギア41及
び第2遊星ギア42、第1遊星ギア41及び第2遊星ギ
ア42と噛み合い可能なカムギア43、カムギア43に
係合しカムギア43の回転に応じて移動する移動プレー
ト47、サーマルヘッド7を支持するとともに移動プレ
ート47の移動に連動して軸50を中心に回動するヘッ
ドアーム51で構成される。
【0033】また、テープ逆送り(巻戻し)機構はステ
ップモータ26を駆動源とし、モータギア27から第2
遊星ギア42に至るまでの駆動伝達経路を前記ヘッド移
動機構と共用し、さらに第2遊星ギア42に噛み合うテ
ープ巻戻しギア54を加えて構成される。テープ巻戻し
ギア54の軸上にはテープ巻戻し軸10が取付けられ
る。
【0034】図4に図示のように、カムギア43は、円
板形状に形成されてシャーシ65に設けられた支持軸6
6に回転可能に設けられる。このカムギア43は、図3
に図示のように、テープ巻戻しギア54より大径の外周
部分にギア部が形成されるとともに、その外周部分の所
定位置で厚み方向の下部に前記第1遊星ギア41が入り
込む第1凹部44が形成され、外周部分の他の所定位置
で厚み方向の上部に前記第2遊星ギア42が入り込む第
2凹部45が形成されている。これら第1凹部44及び
第2凹部45の部分にはギア部は形成されていない。第
1遊星ギア41が第1凹部44に入り込んだ状態では、
第1遊星ギア41とカムギア43との噛み合せは解か
れ、第1遊星ギア41とテープ巻戻しギア54とは位置
が上下にずれて設けられるため噛み合うことはない。一
方、第2遊星ギア42が第2凹部45に入り込んだ状態
では、第2遊星ギア42とカムギア43との噛み合せは
解かれ、第2遊星ギア42はテープ巻戻しギア54と噛
み合う。
【0035】また、カムギア43の下面には、中心部か
ら周縁部に向けて円弧状のカム溝46が形成されてい
る。このカムギア43のカム溝46には、移動プレート
47の一端部に設けられたピン48が係合する。
【0036】移動プレート47は、図3において左右の
方向に平行に移動可能に設けられており、移動プレート
47の他端部には上方に起立した連結片49が形成さ
れ、この連結片49がヘッドアーム51の側部に下方に
折り曲げて形成した連結片52に係止される。これによ
り、移動プレート47を介してカムギア43の動きにヘ
ッドアーム51が連動するように構成されている。
【0037】サーマルヘッド7を回動可能に支持するヘ
ッドアーム51の端部とシャーシ65との間にはヘッド
加圧バネ53が張設される。このヘッド加圧バネ53
は、常にヘッドアーム51が反時計回りの方向に回動す
るべく付勢しており、印字位置に移動したサーマルヘッ
ド7をプラテン8に圧接させるべく作用する。
【0038】また、テープ巻戻しギア54は、カムギア
43とともに支持軸66に回転可能に設けられる。この
テープ巻戻しギア54は、支持軸66上でカムギア43
より上方に設けられ、かつカムギア43とは独立して回
転可能に設けられている。
【0039】次に、前記駆動機構の動作について説明す
る。モノクロ及びカラーの印字の開始時には駆動機構は
図3に示す状態である。まずステップモータ26が矢印
Aの方向に正転駆動されると、その回転駆動力は、モー
タギア27、2段ギア28、ギア29、2段ギア30、
ギア31、ギア32、ギア33、ワンウェイギア34、
2段ギア35、プラテンギア36及びリボン巻取りギア
37の順で伝達されてプラテン8及びリボン巻取り軸9
が回転駆動される。矢印B、C、Dはステップモータ2
6が正転駆動されるときの夫々ギア32、プラテン8及
びリボン巻取り軸9の回転方向を示す。このとき、前述
のように、ギア32とギア33の間には駆動力の伝達を
遅延させる機構が設けられているため、プラテン8及び
リボン巻取り軸9は所定の時間だけ遅れて回転駆動され
る。
【0040】また、ステップモータ26の正転駆動が開
始されると、その回転駆動力はモータギア27、2段ギ
ア28、ギア29、2段ギア38及び第1遊星ギア41
の順に伝達され、軸40を中心にアーム39が矢印Eの
方向に揺動して第1遊星ギア41がカムギア43に噛合
し、カムギア43が矢印Fの方向に回転する。このカム
ギア43の回転によって移動プレート47に設けられた
ピン48はカム溝46に沿ってカムギア43の中心部か
ら円周方向に向け移動し、これに伴って移動プレート4
7は図3の右方向に移動する。ヘッドアーム51はヘッ
ド加圧バネ53によってシャーシ65に向けて付勢され
ているので、ヘッドアーム51は軸50を中心に矢印G
の方向に回動し、これによりサーマルヘッド7は印字位
置に移動してプラテン8に圧接することになる。
【0041】なお、ステップモータ26の正転駆動の開
始からサーマルヘッド7の印字位置への移動時間に対応
して、ギア32とギア33によって構成される前記駆動
力の伝達遅延機構の遅延時間が設定されている。
【0042】ステップモータ26が更に正転駆動する
と、第1遊星ギア41はカムギア43の所定位置でその
厚さ方向の下部に形成された第1凹部44に嵌り込み、
第1遊星ギア41とカムギア43のギア部との噛み合わ
せが解かれる。そして、ステップモータ26が更に正転
駆動を続けると、第1遊星ギア41はカムギア43の第
1凹部44内で空転を続けることになり、カムギア43
は停止状態を維持してサーマルヘッド7はプラテン8に
圧接する印字位置に保持される。この状態でサーマルヘ
ッド7が印字データに基づいて発熱駆動されてインクリ
ボンのインクがテープに熱転写印字され、それに対応し
てテープとインクリボンがプラテン8によって搬送さ
れ、リボン巻取り軸9による使用済のインクリボンの巻
取りが行われる。
【0043】カラー印字の場合には、印字前にインクリ
ボンの各色インクの頭出しが行われ、またテープの同一
印字領域にイエロー、マゼンタ、シアンの各色インクに
よる3回の重ね印字が行われる。この重ね印字を行うた
めには、1色のインクの印字終了毎にテープを印字開始
位置に逆送りする必要がある。
【0044】1色のインクの印字終了時には、図5のよ
うに、サーマルヘッド7が印字位置に位置し、第1遊星
ギア41とカムギア43の第1凹部44に嵌り込んだ状
態にある。そこで、テープをテープカセット内のスプー
ルに巻き戻して印字開始位置まで逆送りするためにステ
ップモータ26を逆転駆動する。ステップモータ26の
回転駆動力はモータギア27、2段ギア28、ギア2
9、2段ギア38及び第2遊星ギア42の順に伝達さ
れ、軸40を中心にアーム39が矢印Hの方向に揺動し
て第2遊星ギア42がカムギア43に噛合し、カムギア
43が矢印Jの方向に回転する。このカムギア43の回
転によって移動プレート47に設けられたピン48はカ
ム溝46に沿ってカムギア43の周縁部から中心方向に
移動し、これに伴って移動プレート47は図5の左方向
に移動し、ヘッドアーム51は軸50を中心に矢印Kの
方向に回動してサーマルヘッド7が印字位置から開離す
る。これにより、サーマルヘッド7とプラテン8との間
に挟圧されていたテープが開放される。
【0045】サーマルヘッド7が印字位置から非印字位
置に移動するとともに、第2遊星ギア42はカムギア4
3の所定位置でその厚さ方向の上部に形成された第2凹
部45に嵌り込む。第2遊星ギア42はカムギア43の
第2凹部45に嵌り込んだ状態ではテープ巻戻しギア5
4と噛み合う。
【0046】しかして、更にステップモータ26が逆転
駆動することで、テープ巻戻しギア54は矢印Lの方向
に回転しテープ巻戻し軸10によってテープの巻き戻し
が行われる。このとき、第2遊星ギア42はテープ巻戻
しギア54とは噛み合うがカムギア43との噛み合いは
外れているため、カムギア43は停止したままでありサ
ーマルヘッド7は非印字位置に保持される。
【0047】なお、印字終了時にもサーマルヘッド7を
非印字位置まで移動して印字動作を完了する。このとき
にもステップモータ26は逆転駆動される。
【0048】図4に戻って、テープ巻戻し軸10につい
て、更に説明する。図4のように、テープ巻戻しギア5
4の上面の中心部には突壁部55が形成され、その内部
には平面視非円形の嵌合穴56が形成され、その穴56
にカセット収納部6の底面上に突出するテープ巻戻し軸
10の下部にある基軸部10aがテープ巻戻しギア54
に対して回動不可にして嵌合される。
【0049】図6(a)、(b)は、テープ巻戻し軸1
0を示すものであり、図示のように、このテープ巻戻し
軸10は、基軸部10aの下端部がテープ巻戻しギア5
4の上面部に取付けられ、基軸部10aの上端部にはテ
ープスプールに係合する係合部10bが取付けられる。
基軸部10aの上端部の中央は凹部57に形成され、そ
の両側に一対の突起部58,58が形成され、一方、係
合部10bの下端部の中央には凸部59が形成され、係
合部10bの凸部59が基軸部10aの凹部57に嵌め
込まれて軸62によって凸部59が突起部58,58に
軸着される。基軸部10aと係合部10bの接続部位に
は、両端を基軸部10aと係合部10bに夫々係止して
ねじりコイルばねからなる付勢部材としてのばね部材6
3が配設され、係合部10bが基軸部10a上に同一軸
線状に起立するべく付勢している。
【0050】基軸部10aに形成される凹部57の底面
57aは軸方向に対して垂直の平面に形成され、また係
合部10bの凸部59の下端の一部も軸方向に対して垂
直の平面60に形成され、ばね部材63の作用によって
係合部10bが基軸部10a上で起立しているときに
は、基軸部10aの上端と係合部10bの下端の両平面
部が当接して係合部10bの起立姿勢を保持することが
できる。なお、係合部10bの上端には中心軸線上に位
置する軸62に対して、その中心軸線から先端が偏って
位置する傾斜部61が形成されており、この係合部10
bに上方から垂直下方に外力が加わったときに、係合部
10bが軸62を中心に回動して基軸部10a上で倒れ
るようにしている。
【0051】このテープ巻戻し軸10は、後述するカラ
ー印字用及びモノクロ印字用の小型のテープカセット7
0、90がカセット装着部6に装着されるときに、夫々
のテープカセットに設けられる被係合部と係合する位置
に設けられるものであり、この位置はモノクロ印字用の
大型のテープカセット80に対しては、そのテープカセ
ットに突き当たる位置である。
【0052】次に、テープ印字装置1に使用される複数
種類のテープカセットの構成について説明する。まず、
図7(a)、(b)はカラー印字用の小型テープカセッ
トの斜視図及び断面図である。カラー印字用の小型テー
プカセット70は、カラー印字用のテープ100aを外
側に巻回し、内側にテープ巻戻し軸10が挿入されて係
合される係合穴71aを有するテープ供給スプール71
と、カラー印字用の多色インクリボン101aを巻回し
たリボン供給スプール72a及びリボン巻取り軸9が挿
入されて係合される係合穴72b1を有するリボン巻取
スプール72bとを収容する下ケース70aと、該下ケ
ース70aの蓋となる上ケース70bとから構成され、
これらケースにはサーマルヘッド7が挿入されるヘッド
挿入部73が形成されている。前記テープ供給スプール
71は、その係合穴71aの内周部分にテープ巻戻し軸
10の係合部10bと係合するためにフィン71bが設
けられ、上下両端が上ケース70bと下ケース70aに
形成された軸受穴に回転可能に嵌め込まれて支持され
る。また、リボン供給スプール72a及びリボン巻取ス
プール72bも上下両端が上ケース70bと下ケース7
0aに形成された軸受穴に回転可能に嵌め込まれて支持
される。
【0053】前記カラー印字用のテープ100aには、
裏面の長手方向に前記位置マークセンサ21によって検
出可能な位置マークが所定の間隔で連続して施されてお
り、前記多色インクリボン101aには、長手方向にイ
エロー、マゼンタ、シアンの各色インク領域が繰り返し
配置され、各インクの先頭位置には前記頭出しマークセ
ンサ22によって検知可能な頭出しマークが設けられて
いる。これらカラー印字用のテープ100a及び多色イ
ンクリボン101aはテープ供給スプール71及びリボ
ン供給スプール72aからヘッド挿入部73に重ねて引
き出されサーマルヘッド7に供給されて印字が行われ
る。
【0054】また、下ケース70aには、カセット装着
部6に設けられる凸形状の受台12〜15の位置に対応
して、その凸形状と嵌合する凹形状部分を有する穴乃至
突起形状の位置合わせ部74〜77を備えている。
【0055】また、位置合わせ部76、77あるいは下
ケース70aの底面には、前記識別スイッチ18、1
9、20a〜20cによってテープカセットの種類を識
別するべく識別部が形成される。この識別部は、前記識
別スイッチ18、19、20a〜20cの対応位置に設
ける穴の有無により異なる組合せで前記複数の識別スイ
ッチ18、19、20a〜20cをオンオフ操作する。
【0056】次に、図8(a)、(b)はモノクロ印字
用の大型テープカセットの斜視図及び断面図である。モ
ノクロ印字用の大型テープカセット80は、モノクロ印
字用のテープ100bを巻回したテープ供給スプール8
1と、単色のインクリボン101bを巻回したリボン供
給スプール82a及びリボン巻取り軸9が挿入されて係
合される係合穴82b1を有するリボン巻取スプール8
2bとを収容する下ケース80aと、該下ケース80a
の蓋となる上ケース80bとから構成され、前記テープ
供給スプール81は、下ケース80aの底面にその内方
へ向けて突設形成された下部凹部80a1とこの位置に
対応した上ケース80bにその内方へ向けて形成された
上部円形凹部80b1とを合わせてなる円筒部の外周に
回転可能に装着されて支持され、リボン供給スプール8
2a及びリボン巻取スプール82bは上下両端が下ケー
ス80a及び上ケース80bに形成された軸穴に回動可
能に嵌め込まれて支持される。
【0057】83は、下ケース80a及び上ケース80
bに形成されたヘッド挿入部であり、テープ100b及
び単色インクリボン101bはテープ供給スプール81
及びリボン供給スプール82aからヘッド挿入部83に
重ねて引き出されサーマルヘッド7に供給されて印字が
行われる。
【0058】また、下ケース80aには、カセット装着
部6に設けられる凸形状の受台12〜14、16〜17
の位置に対応して、その凸形状と嵌合する凹形状部分を
有する位置合わせ部84〜88を備えている。受台15
の位置には前記下ケース80aに形成された下部凹部8
0a1が対応する。
【0059】また、位置合わせ部87、88あるいは下
ケース80aの下部凹部80a1には、前記識別スイッ
チ18、19、20a〜20cによってテープカセット
の種類を識別するべく識別部が形成される。
【0060】この大型テープカセット80に収容される
テープ100bは、未使用状態において、前記小型のテ
ープカセット70,90に収容されるテープ100a、
100cより長尺とし、インクリボン101bもテープ
100bに対応する長さを有している。従って、その長
尺のテープを収容してテープの収容量を多くしたため
に、大型テープカセット80は小型のテープカセット7
0,90に比べてカセットケースの平面形状が大型に形
成されている。
【0061】次に、図9(a)、(b)はモノクロ印字
用の小型テープカセットの斜視図及び断面図を示す。モ
ノクロ印字用の小型テープカセット90は、モノクロ印
字用のテープ100cを巻回したテープ供給スプール9
1と、単色のインクリボン101cを巻回したリボン供
給スプール92a及びリボン巻取り軸9が挿入されて係
合される係合穴92b1を有するリボン巻取スプール9
2bとを収容する下ケース90aと、該下ケース90a
の蓋となる上ケース90bとから構成され、前記テープ
供給スプール92は、下ケース90a内に形成された円
筒部98の外周に回転可能に装着されて支持され、リボ
ン供給スプール92a及びリボン巻取スプール92bは
上下両端が下ケース90a及び上ケース90bに形成さ
れた軸穴に回動可能に嵌め込まれて支持される。前記円
筒部98の内側は上ケース90bから下ケース90aま
でを貫通する貫通穴99が形成されており、カセット装
着部6にテープカセット90が装着されるときに貫通穴
99の位置はテープ巻戻し軸10の位置に対応する。
【0062】93は、下ケース90a及び上ケース90
bに形成されたヘッド挿入部であり、94〜97は、カ
セット装着部6に設けられる凸形状の受台12〜15の
位置に対応して設けられる位置合わせ部である。なお、
位置合わせ部96、97には前記識別部と同様な識別部
が形成される。
【0063】このモノクロ印字用の小型テープカセット
90は、前記カラー印字用の小型テープカセット70と
は平面形状が同等である。
【0064】なお、テープカセット70、80、90に
は、収容するテープ及びインクリボンの幅が異なるもの
が複数種類用意されている。
【0065】図10は、小型テープカセット70、90
をテープ印字装置のカセット装着部6に装着した状態を
示す。小型テープカセット70、90の位置合わせ部7
4〜77、94〜97がカセット装着部6の受台12〜
15に係合し、小型テープカセット70、90のヘッド
挿入部73、93にサーマルヘッド7が挿入され、リボ
ン巻取りスプール72b、92bにリボン巻取り軸9が
係合し、テープ供給スプール71の係合穴71aにテー
プ巻戻し軸10が挿入されて係合部10bが係合し、あ
るいは貫通穴99にテープ巻戻し軸10が挿入されるこ
とで、小型テープカセット70、90がカセット装着部
6に位置決めされて装着される。
【0066】図11及び図12は、大型テープカセット
80をテープ印字装置のカセット装着部6に装着する場
合を示す。大型テープカセット80は、小型テープカセ
ット70、90とは形状が異なり、カセット装着部6内
で突出するテープ巻戻し軸10に対応する位置には下部
ケース80aの底面が位置し、小型テープカセット7
0、90の係合穴71aや貫通穴99のように、テープ
巻戻し軸10をケース内に受け入れる構造を有していな
い。しかし、前述のように、テープ巻戻し軸10はカセ
ット装着部6内に突出し前記カラー印字用のテープカセ
ット70のスプール71と係合する係合部10bが基軸
部10a上で回動可能に構成されているため、図11の
ように、大型テープカセット80をテープ巻戻し軸10
の先端方向から基端部方向に向けてカセット装着部6に
装填すると、大型テープカセット80の底面がテープ巻
戻し軸10の先端に突き当たり、大型テープカセット8
0に押動されてテープ巻戻し軸10の係合部10bが大
型テープカセット80の底面下に倒れる。このように、
テープ巻戻し軸10はカセット装着部6内で大型テープ
カセット80の装着を干渉する位置に配置されているも
のの、大型テープカセット80の装着時には、その装着
を干渉しない位置に退避するため、何等支障なく大型テ
ープカセット80を装着することができる。
【0067】また、大型テープカセット80をカセット
装着部6から取り出せば、ばね部材63の作用によりテ
ープ巻戻し軸10の係合部10bは元の起立姿勢に復帰
し、次に小型テープカセット70、90に取り替えて印
字を行う場合に何等操作等を行うことなく使用すること
ができる。
【0068】図13は、テープ印字装置の電子回路のブ
ロック図を示す。
【0069】このテープ印字装置1の電子回路には、C
PUからなる制御部110が備えられる。制御部110
には、印字データや印字に関する指令情報などを入力す
るキーボード3、入力された印字データや印字に関する
情報等を表示する表示部4、装置の動作処理に関するシ
ステムプログラムを記憶するROM111、印字データ
及び印字の処理に必要な各種の情報を記憶するRAM1
12が接続される他、サーマルヘッド7の発熱体を印字
データに応じて発熱駆動する駆動回路113、プラテン
8やリボン巻取り軸9及びテープ巻戻し軸10を回転駆
動しサーマルヘッド7を移動するためのステップモータ
26の駆動回路114、テープを切断するカッターモー
タ115を駆動するための駆動回路116が接続され
る。
【0070】また、識別スイッチ18、19、20a〜
20c、位置マークセンサ21及び頭出しマークセンサ
22が制御部110に接続されている。
【0071】次に、図14は本発明の実施形態における
印字処理を示すフローチャートである。キーボード3よ
り印字開始の指示があると印字処理が開始される。ま
ず、印字データがカラーかモノクロかが判断され(ステ
ップS1)、カラーの印字データであれば識別スイッチ
18の情報に基づいてカセット装着部6にカラー印字用
のテープカセット70が装着されているか否か判断され
る(ステップS2)。
【0072】カラー印字用のテープカセット70が装着
されている場合には、ステップモータ26が正転駆動さ
れ、前記ヘッド移動機構が駆動されてサーマルヘッド7
が印字位置に移動される(ステップS3)。サーマルヘ
ッド7が印字位置に移動した状態でサーマルヘッド7を
駆動することなくステップモータ26が更に正転駆動さ
れると、前記送り機構が駆動されてテープ100a及び
インクリボン101aが重ね合わされて搬送されインク
リボン101aの所定の色インクの頭出し処理を行う。
頭出しマークセンサ22によって頭出しマークが検知さ
れたときにステップモータ26の正転駆動が停止され
る。この間、テープ100aもインクリボン101aと
ともに搬送されており、位置マークセンサ21によって
通過するテープ100a上の位置マークの数が計数され
ている(ステップS4)。
【0073】所定の色インクの頭出し終了後、ステップ
モータ26が逆転駆動され前記ヘッド移動機構が駆動さ
れてサーマルヘッド7が非印字位置に移動する(ステッ
プS5)。その状態で、続けてステップモータ26が逆
転駆動されると、テープ巻戻し軸10が回転駆動されて
テープ100aがテープ供給スプール71に巻き戻され
る。この巻戻し時にもテープ100aに付された位置マ
ークが計数され、その計数値に基づいて頭出し時のテー
プ搬送量と同量の長さが巻き戻される(ステップS
6)。
【0074】その後、ステップモータ26が正転駆動さ
れ前記ヘッド移動機構が駆動されてサーマルヘッド7が
印字位置に移動する(ステップS7)。そして、サーマ
ルヘッド7が印字位置に移動した状態で印字データに基
づいてサーマルヘッド7が駆動されつつ、ステップモー
タ26の正転駆動によってテープ100a及びインクリ
ボン101aが順方向に送られて所定の色インクの印字
が行われる(ステップS8)。
【0075】所定の色インクの印字が終了すると、全て
の色の印字が終了したか判断され、終了していなけれ
ば、サーマルヘッド7を印字位置に保持したままでステ
ップモータ26が更に正転駆動されて次の色インクの頭
出し処理が行われる(ステップS9、S10)。その
後、ステップモータ26が逆転駆動されてサーマルヘッ
ド7を非印字位置に移動させてから、更にステップモー
タ26の逆転駆動が継続されて前記ステップS8の印字
と前記ステップS10の頭出しによって搬送された分だ
けテープ100aの巻戻しが行われる。これにより、テ
ープ100aはその印字領域の印字開始位置まで巻き戻
される(ステップS12)。ステップS8とステップS
10でのテープ搬送量と、ステップS12でのテープ巻
戻し量とは同量になるようにテープに付された位置マー
クの計数によって管理される。
【0076】以下、全ての色の印字が終了するまで、前
記ステップS8の印字、前記ステップS10の頭出し及
び前記ステップS12のテープ巻戻しが繰り返される。
【0077】全ての色の印字の終了が判断されると、テ
ープ100aは排出口23に向けて搬送され(ステップ
S9、S13)、カッターによる切断処理が行われる
(ステップS14)。
【0078】また、印字対象のデータがカラー印字用の
データにも係わらずカセット装着部6に装着されている
テープカセットがカラー印字に対応していないときに
は、エラーメッセージを表示して処理を終える(ステッ
プS15、END)。
【0079】一方、印字対象のデータがモノクロ印字の
ものであり、カセット装着部6に装着されているテープ
カセットがモノクロ印字用のものであれば(ステップS
1、S16)、ステップモータ26が正転駆動され前記
ヘッド移動機構が駆動されてサーマルヘッド7が印字位
置に移動する(ステップS17)。そして、サーマルヘ
ッド7が印字位置に移動した状態で印字データに基づい
てサーマルヘッド7が駆動されつつ、ステップモータ2
6の正転駆動によってテープ100b、100c及びイ
ンクリボン101b、101cが順方向に送られて単色
のインクで印字が行われる(ステップS18)。印字が
終了すれば、テープを更に順方向に搬送して排出口23
からのテープ排出とテープ切断が行われる(ステップS
13、S14)。
【0080】また、印字対象のデータがモノクロ印字用
のデータにも係わらずカセット装着部6に装着されてい
るテープカセットがカラー印字に対応するときにも、エ
ラーメッセージを表示し印字を行うことなく処理を終え
る(ステップS15、END)。なお、この場合には、
カラー印字用のテープカセット70を用いステップS3
〜S12までの手順に従って印字を実行するようにして
もよい。
【0081】テープの切断が行われた後には、プラテン
8に圧接して印字位置にあるサーマルヘッド7を、ステ
ップモータ26を逆転駆動することにより非印字位置ま
で移動させた上で全ての処理を終了する(ステップS1
9、END)。
【0082】以上のように、本実施形態によるテープ印
字装置では、テープ巻戻し軸10が大型テープカセット
80の装着を干渉する位置に設けられているが、テープ
巻戻し軸10には、小型テープカセット70のテープ供
給スプール71と係合し、あるいは小型テープカセット
90の貫通穴99に係合する係合部10bが基軸部10
a上で回動可能に構成されているため、大型テープカセ
ット80の装着時に、大型テープカセット80の底面が
テープ巻戻し軸10の先端に突き当たると、係合部10
bが大型テープカセット80に押されて回動し干渉しな
い位置に退避するため、何等支障なく大型テープカセッ
ト80を装着することができる。従って、カラー及びモ
ノクロ印字用の大小テープカセット70、80、90を
カセット装着部6に交換可能に装着することができて、
それらのテープカセットに収容されたテープにカラー及
びモノクロ印字を行なうことができる。
【0083】次に、図15及び図16に基づいて他の実
施形態に係るテープ巻戻し軸120について説明する。
前述の実施の形態に係るテープ巻戻し軸10は、カセッ
ト装着部6内で軸回転により起伏可能に設けたものであ
るが、このテープ巻戻し軸120は全体を伸縮可能に構
成するものである。このテープ巻戻し軸120は、カセ
ット装着部6にテープカセットが装着されないときは伸
長状態にある。そして、前記カラー印字用の小型テープ
カセット70がカセット装着部6に装着されると、伸長
状態のままで係合部10bがテープカセット70のテー
プ供給スプール71に係合し、また前記モノクロ印字用
の小型テープカセット90がカセット装着部6に装着さ
れると、伸長状態のままで係合部10bがテープカセッ
ト90の貫通穴99に挿入嵌合して、夫々テープの巻戻
しや位置合わせの機能を果たす。
【0084】また、前記モノクロ印字用の大型テープカ
セット80の装着に際しては、テープ巻戻し軸120は
圧縮状態に変化して大型テープカセット80の装着に干
渉しない位置に退避するものである。
【0085】すなわち、図15に図示のように、テープ
巻戻し軸120は、テープ巻戻しギア54の上面の中心
軸部分に中空の筒状の基軸部120aを設け、この基軸
部120aの内側に上端部が閉塞された中空筒状の係合
部120bを設け、これら基軸部120a及び係合部1
20bの内部には係合部120bが基軸部120aの上
方開口部からその外方に突き出るべく付勢するコイルば
ねからなる、ばね部材121を内装して構成したもので
ある。
【0086】前記基軸部120aの内壁と係合部120
bの外壁とは、軸方向に垂直の断面形状が非円形に形成
され、あるいは回り止めの係合構造が施されていて、係
合部120bは基軸部120aに対して軸方向には摺動
可能に、かつ軸回りには回転不可にして設けられる。ま
た、基軸部120aには係合部120bが上方開口部か
ら外側に抜けることを防止する抜け止め構造を有する。
【0087】図16のように、大型のテープカセット8
0がカセット装着部6に装着される際に、テープ巻戻し
軸120の係合部120bはテープカセット80の底部
に押されてばね部材121の力に抗して下方に移動し、
テープカセット80の装着に干渉しない基軸部120a
の内部に退避する。これにより、大型のテープカセット
80を装着する際に支障なく作業できる。
【0088】また、テープカセット80がカセット装着
部6から取り出されれば、テープ巻戻し軸120の係合
部120bに対して加わる力が解除されるため、ばね部
材121の作用によって係合部120bが基軸部120
a外に突き出す元の作動位置に復帰する。
【0089】従って、この実施の形態に係るテープ印字
装置でも、大型テープカセット80の装着時に、テープ
巻戻し軸120の係合部120bを非干渉位置に退避さ
せることができ、カラー及びモノクロ印字用の大小テー
プカセット70、80、90をカセット装着部6に交換
可能に装着することができて、それらのテープカセット
に収容されたテープにカラー及びモノクロ印字を行なう
ことができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る印字装置に
よれば、テープに単色のインクで印字を行う単色印字用
のテープカセットをカセット装着部に装着するときに、
そのテープカセットとは形状の異なる多色印字用のテー
プカセットに対応して設けられたテープを巻き戻すため
の巻戻し手段によって干渉されることがなく、形状の異
なる多色印字用のテープカセットと単色印字用のテープ
カセットとをカセット装着部に交換可能に装着してテー
プに多色印字と単色印字とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るテープ印字装置の平
面図。
【図2】前記テープ印字装置のカセット装着部の斜視
図。
【図3】前記テープ印字装置の駆動機構の全体構成図。
【図4】前記テープ印字装置の駆動機構の要部の構成
図。
【図5】前記テープ印字装置の駆動機構の動作説明図。
【図6】図6(a)は前記テープ印字装置の駆動機構を
構成するテープ巻戻し軸の側面図、図6(b)は図6
(a)の縦断面図。
【図7】図7(a)はカラー印字用の小型テープカセッ
トの斜視図、図7(b)は同じく断面図。
【図8】図8(a)はモノクロ印字用の大型テープカセ
ットの斜視図、図8(b)は同じく断面図。
【図9】図9(a)はモノクロ印字用の小型テープカセ
ットの斜視図、図9(b)は同じく断面図。
【図10】前記小型テープカセットをテープ印字装置に
装着した状態の平面図。
【図11】前記大型テープカセットをテープ印字装置に
装着する場合の説明図。
【図12】前記大型テープカセットをテープ印字装置に
装着した状態の平面図。
【図13】テープ印字装置の電子回路のブロック図を示
す。
【図14】印字処理を示すフローチャート。
【図15】本発明の他の実施の形態に係るテープ巻戻し
軸の縦断面図。
【図16】テープカセットの装着の際の前記他の実施の
形態に係るテープ巻戻し軸の動作説明図。
【符号の説明】
1 …テープ印字装置 2 …装置本体 3 …キーボード 4 …液晶表示部 6 …カセット装着部 7 …サーマルヘッド 8 …プラテン 9 …リボン巻取軸 10 …テープ巻戻し軸 10a …基軸部 10b …係合部 18、19、20a、20b、20c …識別スイッチ 21 …位置マークセンサ 22 …頭出しマークセンサ 23 …排出口 24 …固定刃 25 …可動刃 26 …ステップモータ 27 …モータギア 34 …ワンウェイギア 36 …プラテンギア 37 …リボン巻取りギア 54 …テープ巻戻しギア 63 …ばね部材 70 …カラー印字用の小型テープカセット 71 …テープ供給スプール 71a …係合穴 72a …リボン供給スプール 72b …リボン巻取スプール 72b1 …係合穴 80 …モノクロ印字用の大型テープカセット 81 …テープ供給スプール 82a …リボン供給スプール 82b …リボン巻取スプール 90 …モノクロ印字用の小型テープカセット 91 …テープ供給スプール 92a …リボン供給スプール 92b …リボン巻取スプール 100a …カラー印字用のテープ 100b …モノクロ印字用のテープ 100c …モノクロ印字用のテープ 101a …多色インクリボン 101b …単色インクリボン 101c …単色インクリボン 120 …テープ巻戻し軸 120a …基軸部 120b …係合部 121 …ばね部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C055 CC00 CC01 CC05 2C060 CA01 CA13 2C065 AB03 AD02 DC23 DC26 DC27 DC32 2C068 LL08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スプールに巻回した印字用のテープを収容
    する形状の異なる第1又は第2のテープカセットが交換
    可能に装着されるカセット装着部と、 前記カセット装着部に装着された前記第1及び前記第2
    のテープカセットから外部にテープを引き出して順送り
    するテープ送り手段と、 前記カセット装着部に装着された前記第1のテープカセ
    ットのテープを逆送りしてスプールに巻き戻すテープ巻
    戻し手段と、 前記カセット装着部に装着された前記第1のテープカセ
    ットのテープが前記テープ巻戻し手段による逆送りを交
    えて前記テープ送り手段によって複数回順送りされる毎
    に当該テープの同一領域に異なる色のインクで繰り返し
    印字を行い、また前記カセット装着部に装着された前記
    第2のテープカセットのテープが前記テープ送り手段に
    よって順送りされるときに単色のインクで印字を行う印
    字手段とを備え、 前記テープ巻戻し手段は、前記カセット装着部内への前
    記第2のテープカセットの装着を干渉する位置に突出し
    て配設された回転駆動されるテープ巻戻し軸を備え、 前記テープ巻戻し軸は、前記第1のテープカセットが前
    記カセット装着部に装着されるときには、前記第1のテ
    ープカセットのスプールに係合する作動位置に位置し、
    前記第2のテープカセットが前記カセット装着部に装着
    されるときには、前記第2のテープカセットに押動され
    て前記第2のテープカセットの装着に干渉しない退避位
    置に移動するべく構成されることを特徴とする印字装
    置。
  2. 【請求項2】前記テープ巻戻し軸は、前記テープ巻戻し
    手段を構成する駆動機構によって前記第1のテープカセ
    ットのテープをスプールに巻き戻すべく回転駆動される
    基軸部と、該基軸部に軸着されて前記カセット装着部内
    で前記作動位置と前記退避位置との間で起伏可能に設け
    られ前記第1のテープカセットのスプールに係合可能な
    係合部と、前記係合部を前記退避位置から前記作動位置
    に移動するべく付勢する付勢部材とを備えることを特徴
    とする請求項1に記載の印字装置。
  3. 【請求項3】前記テープ巻戻し軸は、前記テープ巻戻し
    手段を構成する駆動機構によって前記第1のテープカセ
    ットのテープを巻き戻すべく回転駆動される基軸部と、
    該基軸部の軸方向に伸縮可能にし、かつ、該基軸部の軸
    方向の回りに回転不可にして前記カセット装着部内で前
    記作動位置と前記退避位置との間で伸縮可能に設けられ
    前記第1のテープカセットのスプールに係合可能な係合
    部と、前記係合部を前記退避位置から前記作動位置に伸
    長すべく付勢する付勢部材とを備えることを特徴とする
    請求項1に記載の印字装置。
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