JPH079745A - 印刷用カセットおよび印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラーインクリボンと受像テープを一つのカ
セットに納めて、フルカラー印刷における消耗品の装着
を容易にする。 【構成】 カセット本体２内に、受像テープ供給スプー
ル２２に卷装された受像テープ２１と、インクリボン供
給スプール２４およびインクリボン巻取りスプール２５
に架け渡されるように卷装されて、少なくともイエロ
ー、マゼンタ、シアンの３色を副走査方向に順に塗り分
けてなるカラーインクリボン２３を共に収納して、その
カラーインクリボン２３と受像テープ２１を印刷ヘッド
挿入凹部５内に共に通す。さらに、カセット本体２に
は、巻戻し駆動部挿入窓３５を設ける。また、印刷装置
５１のカセット装填部５５には、受像テープ巻戻し駆動
部６７を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷用カセットおよび
印刷装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】印刷装置の一つであるサーマルプリンタ
では、サーマルヘッドの熱によりインクリボンのインク
を受像紙に転写するが、フルカラー印刷をする場合、イ
エロー、マゼンタ、シアンの３色、または、これらにブ
ラックを加えた４色を適宜重ね合わせて印刷する必要が
ある。その場合、サーマルヘッドは、プリンタ構成部品
の中では比較的価格が高く、価格を抑えるためには、サ
ーマルヘッドを一つとし、副走査方向に３色または４色
に順に塗り分けたカラーインクリボンを用い、１色印刷
するごとに受像紙を印刷開始位置まで戻し、次の色を重
ね合わすようにしている。このようなプリンタにおい
て、消耗品の一つであるカラーインクリボンはユーザー
が交換する必要があり、装着し易くするためカセット化
している。また、もう一つの消耗品である受像紙もセッ
トで販売されていることが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、受像紙もイン
クリボンとほぼ同時に無くなり、インクリボンの交換時
には受像紙も補充することになる。従って、その場合、
インクリボンと受像紙を双方個別に装着する必要があっ
た。また、所謂ラベルプリンタなどでは、インクリボン
と受像テープが一つのカセットに収納されているものも
あるが、これは単色のインクリボンによるモノクロ印刷
専用なので、色の重ね合わせをする必要がなく、仮にカ
ラー印刷を行おうとして受像テープを戻そうとするに
は、カセットの外部から受像テープを引き回し操作する
しかない。

【０００４】そこで、本発明の目的は、フルカラー印刷
における消耗品であるカラーインクリボンと受像テープ
の装着を同時にかつ容易にすることが可能な印刷用カセ
ットを提供することにある。さらに、本発明の目的は、
フルカラー印刷対応のための受像テープの巻戻しによる
色の重ね合わせ印刷を可能とする印刷装置を提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項１記載の発明は、カセット本体内に、受像テープ
供給スプールと、この受像テープ供給スプールに卷装さ
れた受像テープと、インクリボン供給スプールと、イン
クリボン巻取りスプールと、これらインクリボン供給ス
プールおよびインクリボン巻取りスプールに架け渡され
るように卷装されて、少なくともイエロー、マゼンタ、
シアンの３色を副走査方向に順に塗り分けてなる。例え
ば、前記カセット本体に、前記カラーインクリボンの位
置合わせを外部から行うためのインクリボン位置合わせ
窓を設けている。

【０００６】そして、請求項３記載の発明は、前記カセ
ット本体に、前記受像テープを巻戻し方向に駆動するた
めに印刷装置に備えられる受像テープ巻戻し駆動部用の
巻戻し駆動部挿入窓を設けた構成としている。この場
合、例えば、前記カセット本体の底面に形成した膨出部
の一部に前記巻戻し駆動部挿入窓が開口し、前記受像テ
ープ供給スプールの下部に一体的に備えた被駆動ギアが
前記膨出部内に収納されて、前記受像テープ巻戻し駆動
部は、この被駆動ギアに噛み合う駆動ギアである。また
は、前記カセット本体の底面に前記巻戻し駆動部挿入窓
が開口し、前記受像テープ巻戻し駆動部は、前記受像テ
ープに圧接する駆動ローラである。

【０００７】また、請求項６記載の発明は、カセット本
体内に受像テープおよびインクリボンを収納した印刷用
カセットが装着されるカセット装填部と、このカセット
装填部に装着された前記カセット本体内の前記インクリ
ボンを用いて印刷を行う印刷ヘッドとを備える印刷装置
において、前記カセット装填部に、前記カセット本体内
の前記受像テープを巻戻し方向に駆動する受像テープ巻
戻し駆動部を備えた構成としている。なお、前記受像テ
ープ巻戻し駆動部は、前記カセット本体内の前記受像テ
ープを卷装した受像テープ供給スプールに一体的に設け
られた被駆動ギアに噛み合う駆動ギアである。または、
前記受像テープ巻戻し駆動部は、前記カセット本体内の
前記受像テープに圧接する駆動ローラである。

【０００８】

【作用】請求項１記載の発明によれば、カセット本体に
カラーインクリボンと受像テープを共に納めたので、フ
ルカラー印刷に対応でき、消耗品であるカラーインクリ
ボンおよび受像テープの交換が同時にかつ容易に行え
る。なお、カセット本体にインクリボン位置合わせ窓を
設けておくことで、カラーインクリボンの位置合わせが
外部から行える。

【０００９】請求項３記載の発明によれば、カセット本
体に巻戻し駆動部挿入窓を設けたので、印刷装置に備え
られる受像テープ巻戻し駆動部をその窓からカセット本
体内に挿入して、１色の印刷を行った受像テープを印刷
開始位置まで再び巻戻して、次の色を重ね合わせるフル
カラー印刷が行える。例えば、カセット本体の底面膨出
部に開口する窓から内部に挿入される駆動ギアが、受像
テープ供給スプールの下部に一体的に備えた被駆動ギア
に噛み合って、受像テープ供給スプールに対する巻戻し
方向への駆動力が伝達される。または、カセット本体の
底面に開口する窓から内部に挿入される駆動ローラが、
受像テープに圧接して、受像テープが直接巻戻し駆動さ
れる。

【００１０】請求項６記載の発明によれば、受像テープ
巻戻し駆動部をカセット装填部に備えたので、カセット
本体内の受像テープを巻戻し方向に駆動して、色を重ね
合わせるフルカラー印刷が行える。例えば、カセット本
体内の受像テープ供給スプールに一体的に設けられた被
駆動ギアに駆動ギアが噛み合って、受像テープ供給スプ
ールを巻戻し方向に駆動する。または、カセット本体内
の受像テープに駆動ローラが圧接して、受像テープを直
接巻戻し駆動する。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明に係る印刷用カセットおよび
印刷装置の実施例を図１乃至図１０に基づいて説明す
る。図１は本発明を適用した一例としての印刷用カセッ
トの内部の概略構成を示す平面図で、図２はその印刷用
カセットの一部破断側面図、図３は同じく印刷用カセッ
トの底面図、図４はそのカセット本体内に収納するカラ
ーインクリボンおよび受像テープを示すもので、（ａ）
はカラーインクリボンの色分け例を部分的に示す概略正
面図、（ｂ）は受像テープの一部を示す概略正面図、図
５は本発明を適用した一例としての印刷装置を示す表側
から見た外観斜視図であり、図６はその印刷装置を裏側
から見た概略斜視図で、ケース蓋を外してカセット装填
部を示す図である。

【００１２】先ず、印刷用カセットについて説明する。
図１乃至図３に示すように、印刷用カセット１は、その
カセット本体２の図示ほぼ左半分を受像テープ収納部３
として、カセット本体２の図示ほぼ右半分をインクリボ
ン収納部４としている。カセット本体２の図１では右上
側（図３では右下側）にコ字状の印刷ヘッド挿入凹部５
が図示上側の側辺部に切り欠いて形成されており、この
印刷ヘッド挿入凹部５と受像テープ収納部３との間にテ
ープ搬出部６が形成されている。また、印刷ヘッド挿入
凹部５の図示右側にテープ排出口７およびインクリボン
通過口８が開口している。なお、このテープ排出口７と
並ぶようにして位置決め凹部９が形成されると共に、そ
の一隅部を除いたカセット本体２の三隅部には、上下か
ら凹部を切り欠いたようにして高さ合わせ用の鍔１１，
１１，１１が形成されている。

【００１３】そして、前記受像テープ収納部３には、受
像テープ２１を巻き付けた受像テープ供給スプール２２
が配設されている。この受像テープ２１は、紙製等のベ
ーステープの裏面に粘着剤層及び剥離テープを設けたも
のであり、受像テープ収納部３から前記テープ搬出部６
を経て、そのガイド壁１２，１３およびガイドピン１
４，１５によりガイドされて前記印刷ヘッド挿入凹部５
内を通る。その後、印刷済みの受像テープ２１が、前記
テープ排出口７から外部に排出される。また、前記イン
クリボン収納部４には、カラーインクリボン２３を巻き
付けたインクリボン供給スプール２４と、このインクリ
ボン供給スプール２４から繰り出されたカラーインクリ
ボン２３を巻き取るインクリボン巻取りスプール２５が
配設されている。このカラーインクリボン２３は、ベー
ステープの片面に熱溶融型のインクが塗布された熱転写
性のものであり、インクリボン供給スプール２４から繰
り出され、インクリボン収納部４から前記テープ搬出部
６を経て、そのガイド壁１６によりガイドされて前記印
刷ヘッド挿入凹部５内を通る。１７はインクリボンガイ
ドピンである。

【００１４】このように、カラーインクリボン２３は、
印刷ヘッド挿入凹部５内に前記受像テープ２１と共に繰
り出されて印刷処理される。その使用済みのカラーイン
クリボン２３が、前記インクリボン通過口８からインク
リボン収納部４内に再び入って、インクリボン巻取りス
プール２５に巻き取られる。１８はインクリボンガイド
ピンである。なお、インクリボン巻取りスプール２５の
内周には、係合爪２６，２６，２６，…が備えられてい
る。そして、図１に示すように、カセット本体２の図示
右側面には、インクリボン位置合わせ窓３１が開口して
形成されており、このインクリボン位置合わせ窓３１に
は、カラーインクリボン２３がそのインク面を表にして
ガイド壁３２により導かれている。

【００１５】また、図１および図２に示すように、前記
受像テープ供給リール２２の下部には、大径の被駆動ギ
ア３３が一体に備えられており、この被駆動ギア３３を
収納するため、カセット本体２の底面に膨出部３４が形
成されている。さらに、この膨出部３４の前記印刷ヘッ
ド挿入凹部５と並ぶ側には、図３に示すように、前記被
駆動ギア３３の一部を臨ませる巻戻し駆動部挿入窓３５
が切り欠いた形状に形成されている。そして、前記カラ
ーインクリボン２３のインク面は、図４（ａ）に示すよ
うに構成されている。即ち、カラーインクリボン２３
は、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の
３色を、その印刷の１コマごとに対応して副走査方向
（インクリボン長手方向）に順に塗り分けた構成による
インク面を有している。

【００１６】次に、印刷装置について説明する。図５お
よび図６に示すように、印刷装置５１は、装置本体５２
の表側に、キー入力部５３および表示部５４を備えると
共に、裏側に開口するカセット装填部５５を形成してな
り、このカセット装填部５５の上方には、図示せぬ蓋体
が着脱自在に備えられている。キー入力部５３には、ラ
ベルプリント用の名前、見出し、インデックス等の文字
列データ等を作成するための文字入力キー、かな／漢字
変換キー、改行キー等が設けられている。表示部５４に
は、キー入力に基づく文字列データやメッセージデータ
等が表示される。

【００１７】平面視長方形の凹状部によるカセット装填
部５５には、図示右側の巻取り軸５６、図示左側のカセ
ットガイド軸５７、図示右上側の位置決めピン５８が備
えられると共に、図示右側の側壁部を切り欠いたテープ
排出口５９が形成されている。そして、このカセット装
填部５５には、前記表示部５４側の底面から突出する印
刷（印字）ヘッドであるサーマルヘッド６１と、プラテ
ンローラ６２が配置され、さらに、テープ切断機構６３
が配置されている。

【００１８】テープ切断機構６３は、前記サーマルヘッ
ド６１の図示右側の前記位置決めピン５８と対向するよ
うに組み込まれており、装置本体５２の図示右上隅部に
組み付けられたカッターレバー６４と、このカッターレ
バー６４の回動操作により前進するカッター歯６５とを
備えている。さらに、カセット装填部５５には、前記プ
ラテンローラ６２を設けた一隅部を除く三隅部に、高さ
合わせ用の載置台６６，６６，６６が形成されると共
に、サーマルヘッド６１およびプラテンローラ６２の側
方に離れて並ぶようにして駆動ギア６７が配置されてい
る。この駆動ギア６７が受像テープ巻戻し駆動部であ
る。

【００１９】次に、以上の印刷装置５１の回路構成につ
いて説明する。図７に示すように、制御部（ＣＰＵ）７
０は、キー入力部７１（５３）から情報が入力される
と、その情報を印字データ記憶部（ＲＯＭ）７２に記憶
し、キャラクタジェネレータから各情報に基づいたキャ
ラクタを呼び出して、その印字するデータをデータ記憶
部（ＲＡＭ）７３に記憶すると共に、表示制御部７４を
制御して、その情報を表示部７５（５４）に表示する。
そして、制御部（ＣＰＵ）７０は、印字制御部７６を制
御して、印字部７７を駆動し、即ち、サーマルヘッド６
１をプラテンローラ６２に圧接する方向に移動すると共
に、そのサーマルヘッド６１の各発熱素子を選択的に発
熱させる。また、制御部（ＣＰＵ）７０は、プラテン駆
動部（モータ）７８を駆動制御して、プラテン部７９を
駆動し、即ち、巻取り軸５６と同期してプラテンローラ
６２を回転駆動する。さらに、制御部（ＣＰＵ）７０
は、データ記憶部（ＲＡＭ）７３に記憶した印字データ
に基づいて、巻戻し駆動部（モータ）８１を駆動制御し
て、巻戻し機構部８２を駆動し、即ち、印刷すべき色に
応じて駆動ギア６７を回転駆動する。

【００２０】次に、以上の印刷装置５１に前記印刷用カ
セット１を装着して印字を行う場合について説明する。
印刷用カセット１を装置本体５２のカセット装填部５５
に装着する場合には、印刷用カセット１の受像テープ供
給スプール２２をカセットガイド軸５７に遊合させ、イ
ンクリボン巻取りスプール２５を巻取り軸５６に係合さ
せる。この時、位置決めピン５８が位置決め凹部９に合
わせられる。これにより、印刷用カセット１は、印刷ヘ
ッド挿入凹部５内にサーマルヘッド６１が挿入した状態
で、カセット装填部５５内に装着される。印刷用カセッ
ト１の装着状態において、プラテンローラ６２とサーマ
ルヘッド６１の間には、受像テープ２１とカラーインク
リボン２３が互いに重ね合わされている。そして、サー
マルヘッド６１は、受像テープ２１とカラーインクリボ
ン２３をプラテンローラ６２に圧接させる。さらに、受
像テープ供給スプール２２の下部に一体の被駆動ギア３
３には、巻戻し駆動部挿入窓３５において、駆動ギア６
７が噛み合っている。

【００２１】次に、フルカラー印刷処理の一例を示した
図８のフローチャートについて説明する。ここで、印字
開始に先立っては、予め、インクリボン供給スプール２
４およびインクリボン巻取りスプール２５を手作業によ
り回動操作することにより、印刷用カセット１のインク
リボン位置合わせ窓３１に、カラーインクリボン２３の
例えばイエロー（Ｙ）色を位置合わせしておくことによ
って、印刷ヘッド挿入凹部５内を通るカラーインクリボ
ン２３の印刷開始位置に同じくイエロー（Ｙ）色が位置
合わせされる。

【００２２】図８に示すように、このフルカラー印刷処
理においては、先ず、ステップＳ１０で、印字データを
読み出して、次のステップＳ１１で、カラーインクリボ
ン２３のイエロー（Ｙ）色を、受像テープ２１の印刷開
始位置に１コマ分だけ転写する。こうして、１コマ分の
印刷が終わると、巻取り軸５６およびプラテンローラ６
２の同期した回転駆動によって、受像テープ２１および
カラーインクリボン２３が共に１コマ分だけ送られる。
そして、次のステップＳ１２で、そのイエロー（Ｙ）色
の１コマ分の印刷が完了したと判断されると、次のステ
ップＳ１３で、受像テープ２１を巻戻し制御する信号が
出される。即ち、駆動ギア６７の回転駆動によって、こ
の駆動ギア６７に噛み合う被駆動ギア３３が回転し、こ
の被駆動ギア３３と一体の受像テープ供給スプール２２
が巻戻し方向に回転駆動されて、受像テープ２１が１コ
マ分だけ巻戻される。この巻戻しにより、受像テープ２
１の前記イエロー（Ｙ）色を転写した印刷開始位置に、
今度はカラーインクリボン２３のマゼンタ（Ｍ）色が対
応して重なる。

【００２３】この後、前記イエロー（Ｙ）色の場合と同
様に、次のステップＳ１４で、カラーインクリボン２３
のマゼンタ（Ｍ）色を、受像テープ２１の前記イエロー
（Ｙ）色を転写した印刷開始位置に１コマ分だけ重ねて
転写する。こうして、１コマ分の２色目を重ねた印刷が
終わると、前記と同様、巻取り軸５６およびプラテンロ
ーラ６２の同期した回転駆動によって、受像テープ２１
およびカラーインクリボン２３が共に１コマ分だけ送ら
れる。そして、次のステップＳ１５で、そのマゼンタ
（Ｍ）色の１コマ分の印刷が完了したと判断されると、
前記と同様、次のステップＳ１６で受像テープ２１を巻
戻し制御する信号が出され、即ち、駆動ギア６７の回転
駆動により被駆動ギア３３を介して受像テープ供給スプ
ール２２が巻戻し方向に回転駆動されて、受像テープ２
１が１コマ分だけ巻戻される。この巻戻しにより、受像
テープ２１の前記イエロー（Ｙ）色の上に前記マゼンタ
（Ｍ）色を重ねて転写した印刷開始位置に、今度はカラ
ーインクリボン２３のシアン（Ｃ）色が対応して重な
る。

【００２４】さらに、この後、前記マゼンタ（Ｍ）色の
場合と同様に、次のステップＳ１７で、カラーインクリ
ボン２３のシアン（Ｃ）色を、受像テープ２１の前記イ
エロー（Ｙ）色を転写してその上に重ねて前記マゼンタ
（Ｍ）色を転写した印刷開始位置に１コマ分だけさらに
重ねて転写する。こうして、１コマ分の３色目を重ねた
印刷が終わると、前記と同様、巻取り軸５６およびプラ
テンローラ６２の同期した回転駆動によって、受像テー
プ２１およびカラーインクリボン２３が共に１コマ分だ
け送られる。そして、次のステップＳ１８で、そのシア
ン（Ｃ）色の１コマ分の印刷が完了したと判断される
と、次のステップＳ１９において、受像テープ２１の次
の１コマ分に対する前記と同様の印字制御が順次行われ
る。

【００２５】ところで、図８のフローチャートでは、イ
エロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の３色を
転写して重ね合わせる印刷について説明したが、イエロ
ー（Ｙ）とマゼンタ（Ｍ）の２色、イエロー（Ｙ）とシ
アン（Ｃ）の２色、マゼンタ（Ｍ）とシアン（Ｃ）の２
色を重ね合わせて印刷したり、ここの色をそのまま印刷
する等、具体的なフルカラー印刷については適宜変更し
て行えるものである。以上のようにして、印刷用カセッ
ト１を印刷装置５１のカセット装填部５５に装着するこ
とによって、カラーインクリボン２３のイエロー
（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）の３色に基づい
て、受像テープ２１にフルカラー印刷を施すことができ
る。なお、印刷装置５１に関しては、通常の単色による
モノクロ印刷の場合も使用可能である。

【００２６】次に、印刷用カセット１における巻戻し駆
動部挿入窓の他の構成例を示す図９について説明すると
共に、印刷装置５１における受像テープ巻戻し駆動部の
他の構成例を示す図１０について説明する。なお、巻戻
し駆動部挿入窓および受像テープ巻戻し駆動部を除く部
分の構成は前記実施例で述べた内容と同一であるため、
ここではその説明を省略する。図９に示すように、印刷
用カセット１には、そのカセット本体２のテープ搬出部
６における底面に、巻戻し駆動部挿入窓９１を形成して
いる。即ち、この巻戻し駆動部挿入窓９１は、受像テー
プ２１が印刷ヘッド挿入凹部５５に向かって通過する部
分に開口している。

【００２７】また、図１０に示すように、印刷装置５１
には、その装置本体５２のカセット装填部５５に、受像
テープ巻戻し駆動部をなす駆動ローラ９２と、この駆動
ローラ９２に対し接離方向に移動する移動ピン９３とを
備えている。即ち、この駆動ローラ９２と移動ピン９３
は、サーマルヘッド６１の左側方に配置されている。こ
の実施例によると、印刷用カセット１を印刷装置５１の
カセット装填部５５に装着すると、巻戻し駆動部挿入窓
９１から駆動ローラ９２および移動ピン９３がカセット
本体２内に挿入されて、その駆動ローラ９２および移動
ピン９３間に受像テープ２１が通る。従って、色の重ね
合わせのために受像テープ２１を巻戻す際は、図９に示
したように、移動ピン９３を駆動ローラ９２側に移動し
て、その間に受像テープ２１を圧接状態で挟み込んで、
駆動ローラ９２を図示時計廻りに回転駆動することによ
って、受像テープ２１を１コマ分だけ巻戻すことができ
る。

【００２８】なお、以上の実施例においては、カラーイ
ンクリボンとしてイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）およ
びシアン（Ｃ）の３色を副走査方向に順に塗り分けたも
のとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
ブラックも加えて、そのブラックをシアン（Ｃ）とイエ
ロー（Ｙ）との間に設けたり、さらに、それ以上の色数
を有するカラーインクリボンであってもよい。また、カ
セット本体内における受像テープ供給スプール、インク
リボン供給スプールおよびインクリボン巻取りスプール
の配置の仕方、印刷装置のデザイン等も任意であり、そ
の他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能で
あることは勿論である。

【００２９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カラー
インクリボンと受像テープを共に納めた印刷用カセット
によって、フルカラー印刷における消耗品の装着を容易
に行うことができ、しかも、受像テープ巻戻し駆動部を
カセット装填部に備えた印刷装置によって、フルカラー
印刷対応のカセットに納めた受像テープを巻戻して色の
重ね合わせを行うことができる。

【００３０】即ち、請求項１記載の印刷用カセットによ
れば、カセット本体にカラーインクリボンと受像テープ
を共に納めたことによって、フルカラー印刷に対応する
ことができ、特に、消耗品であるカラーインクリボンお
よび受像テープの交換容易化をカセット化により達成す
ることができる。なお、請求項２記載のように、カセッ
ト本体にインクリボン位置合わせ窓を設けておくことに
よって、カラーインクリボンを外部から位置合わせする
ことができる。

【００３１】さらに、請求項３記載の印刷用カセットに
よれば、カセット本体に巻戻し駆動部挿入窓を設けたこ
とによって、印刷装置に備えられる受像テープ巻戻し駆
動部をその窓からカセット本体内に挿入して、１色の印
刷を行った受像テープを印刷開始位置まで再び巻戻すこ
とができ、従って、次の色を重ね合わせてフルカラー印
刷することができる。また、請求項４記載のように、カ
セット本体の底面膨出部に開口する窓から内部に挿入し
た駆動ギアが、受像テープ供給スプールの下部に一体的
に備えた被駆動ギアと噛み合うことによって、受像テー
プ供給スプールに対する巻戻し方向への駆動力を伝達す
ることができる。また、請求項５記載のように、カセッ
ト本体の底面に開口する窓から内部に挿入した駆動ロー
ラが、受像テープに圧接することによって、受像テープ
を直接巻戻し駆動することができる。

【００３２】そして、請求項６記載の印刷装置によれ
ば、カセット装填部に備えた受像テープ巻戻し駆動部に
よって、カセット本体内の受像テープを巻戻し方向に駆
動することができ、従って、色を重ね合わせてフルカラ
ー印刷することができる。また、請求項７記載の受像テ
ープ巻戻し駆動部によれば、カセット本体内の受像テー
プ供給スプールに一体的に設けられた被駆動ギアに駆動
ギアが噛み合うことによって、受像テープ供給スプール
を巻戻し方向に駆動することができる。また、請求項８
記載の受像テープ巻戻し駆動部によれば、カセット本体
内の受像テープに駆動ローラが圧接することによって、
受像テープを直接巻戻し駆動することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した一例としての印刷用カセット
の内部の概略構成を示す平面図である。

【図２】同じく印刷用カセットを示す一部破断の側面図
である。

【図３】同じく印刷用カセットの底面図である。

【図４】カセット本体内に収納するカラーインクリボン
および受像テープを示すもので、（ａ）はカラーインク
リボンの色分け例を部分的に示す概略正面図、（ｂ）は
受像テープの一部を示す概略正面図である。

【図５】本発明を適用した一例としての印刷装置を示す
表側から見た外観斜視図である。

【図６】同じく印刷装置を裏側から見た概略斜視図で、
ケース蓋を外してカセット装填部を示す図である。

【図７】同じく印刷装置における制御系の一例を示すブ
ロック構成図である。

【図８】フルカラー印刷処理の一例を示すフローチャー
トである。

【図９】本発明を適用した他の構成例としての印刷用カ
セットの内部の概略構成を示すもので、図１と同様の平
面図である。

【図１０】本発明を適用した他の構成例としての印刷装
置を裏側から見た概略斜視図で、ケース蓋を外してカセ
ット装填部を示す図６と同様の図である。

【符号の説明】

１ 印刷用カセット ２ カセット本体 ５ 印刷ヘッド挿入凹部 ７ テープ排出口 ８ インクリボン通過口 ２１ 受像テープ ２２ 受像テープ供給スプール ２３ カラーインクリボン ２４ インクリボン供給スプール ２５ インクリボン巻取りスプール ３１ インクリボン位置合わせ窓 ３３ 被駆動ギア ３４ 膨出部 ３５，９１ 巻戻し駆動部挿入窓 ５１ 印刷装置 ５５ カセット装填部 ５６ 駆動軸 ５９ テープ排出口 ６１ 印刷ヘッド ６２ プラテンローラ ６４ カッターレバー ６５ カッター歯 ６７ 駆動ギア ９２ 駆動ローラ ９３ 移動ピン

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセット本体内に、受像テープ供給スプ
   ールと、この受像テープ供給スプールに卷装された受像
   テープと、インクリボン供給スプールと、インクリボン
   巻取りスプールと、これらインクリボン供給スプールお
   よびインクリボン巻取りスプールに架け渡されるように
   卷装されて、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの
   ３色を副走査方向に順に塗り分けてなるカラーインクリ
   ボンとを収納したことを特徴とする印刷用カセット。
2. 【請求項２】 前記カセット本体に、前記カラーインク
   リボンの位置合わせを外部から行うためのインクリボン
   位置合わせ窓を設けたことを特徴とする請求項１記載の
   印刷用カセット。
3. 【請求項３】 前記カセット本体に、前記受像テープを
   巻戻し方向に駆動するために印刷装置に備えられた受像
   テープ巻戻し駆動部用の巻戻し駆動部挿入窓を設けたこ
   とを特徴とする請求項１または２記載の印刷用カセッ
   ト。
4. 【請求項４】 前記カセット本体の底面に形成した膨出
   部の一部に前記巻戻し駆動部挿入窓が開口し、 前記受像テープ供給スプールの下部に一体的に備えた被
   駆動ギアが前記膨出部内に収納されて、 前記受像テープ巻戻し駆動部は、この被駆動ギアに噛み
   合う駆動ギアであることを特徴とする請求項３記載の印
   刷用カセット。
5. 【請求項５】 前記カセット本体の底面に前記巻戻し駆
   動部挿入窓が開口し、 前記受像テープ巻戻し駆動部は、前記受像テープに圧接
   する駆動ローラであることを特徴とする請求項３記載の
   印刷用カセット。
6. 【請求項６】 カセット本体内に受像テープおよびイン
   クリボンを収納した印刷用カセットが装着されるカセッ
   ト装填部と、このカセット装填部に装着された前記カセ
   ット本体内の前記インクリボンを用いて印刷を行う印刷
   ヘッドとを備える印刷装置において、 前記カセット装填部に、前記カセット本体内の前記受像
   テープを巻戻し方向に駆動する受像テープ巻戻し駆動部
   を備えたことを特徴とする印刷装置。
7. 【請求項７】 前記受像テープ巻戻し駆動部は、前記カ
   セット本体内の前記受像テープを卷装した受像テープ供
   給スプールに一体的に設けられた被駆動ギアに噛み合う
   駆動ギアであることを特徴とする請求項６記載の印刷装
   置。
8. 【請求項８】 前記受像テープ巻戻し駆動部は、前記カ
   セット本体内の前記受像テープに圧接する駆動ローラで
   あることを特徴とする請求項６記載の印刷装置。