JP2003009438A - モータ - Google Patents

モータ

Info

Publication number
JP2003009438A
JP2003009438A JP2001183850A JP2001183850A JP2003009438A JP 2003009438 A JP2003009438 A JP 2003009438A JP 2001183850 A JP2001183850 A JP 2001183850A JP 2001183850 A JP2001183850 A JP 2001183850A JP 2003009438 A JP2003009438 A JP 2003009438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
permanent magnet
rotor
magnetic
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001183850A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Nishio
孝幸 西尾
Yasuhiko Iriyama
恭彦 入山
Akira Omatsuzawa
亮 大松澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2001183850A priority Critical patent/JP2003009438A/ja
Publication of JP2003009438A publication Critical patent/JP2003009438A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・薄型でかつ磁束の漏れもほとんど生じ
ないモータを提供する。 【解決手段】 所要数の駆動コイル13を有するステー
タ10と、永久磁石21を有するロータ20とを備えて
なるモータMであって、前記永久磁石21が、最大エネ
ルギー積(BH)maxが13MGOe以上の等方性ボ
ンド磁石とされ、かつその前記駆動コイル13と対向す
る面の周方向に所定間隔で交互に異なる極性の磁極が所
定の着磁パターンで偶数個着磁されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータに関する。
さらに詳しくは、例えばHDD(ハードディスクドライ
ブ)やFDD(フロッピーディスクドライブ)などに使用
されるスピンドルモータのような小型・薄型モータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばHDDやFDDなどに
使用されている小型・薄型モータの一例を図11に示
す。このモータM´は、所要数、例えば9個の駆動コイ
ル101a、101a、…を有するステータ101の内
側で、円筒状の永久磁石102aを有するロータ102
が回転するインナーロータ型のモータとされる。
【0003】永久磁石102aの外周面には、その周方
向に等間隔で交互に異なる極性の偶数磁極、例えば12
磁極が着磁されている。また、通常かかる永久磁石10
2aには、ステータ101との間に磁気回路を形成しや
すいことから、最大エネルギー積(BH)maxが8〜
12MGOe程度の等方性ボンド磁石が使用されてい
る。
【0004】ここで、モータM´をさらに小型・薄型化
し、かつ所望のモータトルクを得るためには(BH)ma
xが12MGOe以上の磁石が必要となるが、そのよう
な等方性ボンド磁石は存在しないため(例えば、特開平
6−45167号公報、特開平11−312617号公
報参照)、かかる場合には(BH)maxが40MGOe
にも及ぶラジアル異方性磁石が使用されている。
【0005】しかしながら、ラジアル異方性磁石は、各
磁極に着磁される磁界の方向が半径方向に固定されるた
め、図12に模式的に示すように、永久磁石102aの
みではステータ101との間に閉じた磁気回路を形成す
ることができず、永久磁石102aの内側に磁束が漏れ
出してしまう。なお、図12は、図11に示す範囲J´
について、無励磁状態におけるモータM´内の磁力線の
流れを矢印で示したものである。そして、かかる磁束の
漏れは、磁気特性の低下を招くだけでなく、モータM´
が使用される装置がHDDやFDDのように磁気を嫌う
ものであった場合には、その装置に悪影響を及ぼすこと
にもなる。
【0006】そこで、従来永久磁石102aの内側に漏
れ磁束の磁路となる円筒状のロータヨーク102bを嵌
め込むことにより、ステータ101との間に閉じた磁気
回路を形成させて磁束の漏れを防止しているが、磁束の
漏れを完全に防止するためには、ロータヨーク102b
の肉厚をかなり厚くする必要がある。したがって、磁束
の漏れを完全に防止しようとするとモータM´の小型化
の障害となり、反対にモータM´の小型化を優先しロー
タヨーク102bの肉厚を薄くすると磁束が漏れ出して
モータM´が使用される装置に悪影響を及ぼすおそれが
あるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、小型・薄型で、
かつ磁束の漏れもほとんど生じないモータを提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のモータは、所要
数の駆動コイルを有するステータと、永久磁石を有する
ロータとを備えてなるモータであって、前記永久磁石
が、最大エネルギー積(BH)maxが13MGOe以
上の等方性ボンド磁石とされ、かつその前記駆動コイル
と対向する面の周方向に所定間隔で交互に異なる極性の
磁極が所定の着磁パターンで偶数個着磁されていること
を特徴とする。
【0009】具体的には、前記等方性ボンド磁石は、フ
レーク状のSmFeN系等方性粉末磁石材料と樹脂バイ
ンダとを混練した混練物から成形されてなるものとさ
れ、さらに前記等方性粉末磁石材料は、原子%でSmx
Fe100-x-vv、SmxFe100- x-y-vM1yvおよびS
xFe100-x-z-vM2zvなる合金組成のいずれかと、
TbCu7型結晶構造とを有し、かつ前記フレークの厚
さが10〜40μmであるものとされる。ここで、組成
式中、M1はHfおよびZrから選ばれる少なくとも1
種とされ、M2はSi、Nb、Ti、Ga、Al、Ta
およびCから選ばれる少なくとも1種とされ、また7≦
x≦12、0.5≦v≦20、0.1≦y≦1.5、
0.1≦z≦1.0とされる。
【0010】本発明のモータにおいては、前記各磁極に
前記ステータと前記永久磁石との間に閉じた磁気回路が
形成されるような着磁パターンで着磁がなされているの
が好ましい。
【0011】本発明のモータの第1形態は、前記ステー
タの内側で前記ロータが回転するインナーロータ型のモ
ータであって、前記ロータは、円筒状の永久磁石と、該
永久磁石に内嵌されたロータヨークと、軸心に配設され
た回転軸とを備え、前記各磁極に、磁界の方向が磁極の
中央部では半径方向で、そこから両側にずれるに従って
円周方向外向きへと徐々に変化していくような着磁パタ
ーンで着磁がなされていることを特徴とする。
【0012】本発明のモータの第1形態においては、前
記永久磁石の外径D、肉厚Tおよび軸方向長さHが、 D=5〜15mm T/Lg>3 T/Lp>0.2 H<1.5mm とされるのが好ましい。ここで、Lgはギャップ長を示
し、Lpは着磁ピッチを示す。この場合、T/Lg<5
とされるのがさらに好ましく、また前記ロータヨークが
削除されるのもさらに好ましい。
【0013】本発明のモータの第2形態は、前記ステー
タの外側で前記ロータが回転するアウターロータ型のモ
ータであって、前記ロータは、円筒状の永久磁石と、該
永久磁石に外嵌されたロータヨークと、軸心に配設され
た回転軸とを備え、前記各磁極に、磁界の方向が磁極の
中央部では半径方向で、そこから両側にずれるに従って
円周方向外向きへと徐々に変化していくような着磁パタ
ーンで着磁がなされていることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は前記のごとく構成されているので、永
久磁石の駆動コイルと対向する面と反対面側への漏れ磁
束が低減されるため、モータを小型・薄型化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】実施形態1 本発明の実施形態1にかかるモータの断面図を図1に示
す。このモータMは、図1に示すように、ステータ10
の内側でロータ20が回転するインナーロータ型のモー
タとされる。
【0017】ステータ10は、所定形状の鋼板を所要枚
数積層してなるものとされ、円筒状のステータヨーク1
1と、ステータヨーク11内周面円周方向に所定間隔、
例えば40°ピッチで軸心に向けて設けられた概略T字
状の9個の突極12、12、…とを備え、この突極1
2、12、…に駆動コイル13、13、…が巻回されて
いる。また、ステータ10は、突極12先端面とロータ
20外周面との間に所定の隙間(以下、ギャップとい
う)、例えば0.2mm程度のギャップが生じるよう
に、ロータ20の外径に対応させてそのサイズが調整さ
れている。
【0018】駆動コイル13は、3相の駆動コイル、す
なわちU相駆動コイル13U、V相駆動コイル13Vお
よびW相駆動コイル13Wからなり、図1における時計
回り方向にU相駆動コイル13Uの隣にV相駆動コイル
13Vが位置し、V相駆動コイル13Vの隣にW相駆動
コイル13Wが位置し、W相駆動コイル13Wの隣にU
相駆動コイル13Uが位置するように突極12、12、
…に巻回されている。
【0019】ロータ20は、円筒状の永久磁石21と、
永久磁石21に内嵌されて漏れ磁束の磁路となる円筒状
のロータヨーク22と、ロータ20の軸心において永久
磁石21およびロータヨーク22と一体的に回転する回
転軸23とを備えてなる。
【0020】永久磁石21は、特願2001−1513
92号の明細書に記載されたSmFeN系等方性粉末磁
石材料とエポキシ樹脂などの樹脂バインダとを混練した
混練物を、例えば射出成形することにより得られる円筒
状の等方性ボンド磁石とされ、前記等方性粉末磁石材料
を使用したこの永久磁石(等方性ボンド磁石)21の
(BH)maxは13MGOe以上、通常は14〜15M
GOeとなる。
【0021】前記等方性粉末磁石材料は、原子%でSm
xFe100-x-vv、SmxFe100-x- y-vM1yvおよび
SmxFe100-x-z-vM2zvなる合金組成のいずれか
と、TbCu7型結晶構造とを有する厚さ10〜40μ
mのフレーク状の粉末とされ、前記所定の合金成分を配
合して溶解し、合金の溶湯を周速20〜45m/秒で回
転する冷却ロール上に噴射して急冷し、得られたフレー
ク状の粉末を不活性雰囲気下で500〜900℃に加熱
処理した後、窒化することにより得られる。
【0022】ここで、前記組成式中、M1はHfおよび
Zrから選ばれる1種または2種とされ、M2はSi、
Nb、Ti、Ga、Al、TaおよびCから選ばれる1
種または2種以上とされ、また7≦x≦12、0.5≦
v≦20、0.1≦y≦1.5、0.1≦z≦1.0と
される。
【0023】また、永久磁石21の外周面には周方向に
所定間隔で交互に異なる極性の磁極が偶数個着磁されて
いる。例えば本実施形態においては、30°ピッチで1
2磁極が着磁されている。さらに、各磁極には、図2に
示すように、磁界の方向が磁極の中央部では半径方向
で、そこから両側にずれるに従って円周方向外向きへと
徐々に変化していくような着磁パターンで着磁がなされ
ている。なお、図2には外周面にS極が着磁されている
磁極の着磁パターンが示されているが、外周面にN極が
着磁されている磁極の場合には、図中の矢印を半径方向
に折り返したものとなる。
【0024】かかる着磁パターンで着磁がなされると、
磁極の外周側磁束密度が正弦波的に変化して(図6参
照)コギングが防止されるとともに、図3に模式的に示
すように、ステータ10と永久磁石21との間に閉じた
磁気回路を形成することができる(図中、太線矢印参照)
ので、永久磁石21内側への漏れ磁束はごく僅かとなる
(図中、細線矢印参照)ため、ロータヨーク22を肉厚の
かなり薄いものとすることができる。なお、図3は、無
励磁状態、すなわち駆動コイル13に電流が供給されて
いない状態におけるモータM内の磁力線の流れを矢印で
示したものであり、矢印の太さは磁束量を示している。
具体的には、矢印が太ければ磁束量が多く、矢印が細け
れば磁束量が少ないことを示している。また、図3に
は、図1に示す範囲Jの部分のみの磁力線の流れが示さ
れている。
【0025】さらに、永久磁石21の外径が5〜15m
m程度である場合には、永久磁石21の肉厚T(m
m)、軸方向長さH(mm)および着磁ピッチLp(m
m)を以下のように設定することにより、永久磁石21
内側への磁束の漏れがほとんど生じなくなるため、ロー
タヨーク22が必要なくなりモータMをさらに小型化で
きる。なお、下記式中、Lg(mm)はギャップ長を示
す。
【0026】T/Lg>3 H<1.5(mm) T/Lp>0.2
【0027】ここで、T/Lgについては、5以上に設
定しても効果が変わらないので、モータMを小型化する
観点から、3<T/Lg<5とされるのがさらに望まし
い。ロータヨーク22は、永久磁石21の内径より若干
小さい外径を有する円筒状体とされ、永久磁石21に内
嵌されてその外周面が永久磁石21の内周面に固着され
ている。また、その肉厚は、永久磁石21内側への漏れ
磁束の量に対応させて適宜調整されている。
【0028】回転軸23はロータヨーク22の内径より
若干小さい外径を有し、ロータヨーク22に内嵌されて
その外周面がロータヨーク22の内周面に固着されてい
る。
【0029】このように、この実施形態1によれば、永
久磁石21内側への磁束の漏れがごく僅かとなるので、
肉厚の薄いロータヨーク22により磁束の漏れを防止で
きるため、モータMが小型化される。また、永久磁石2
1を所定サイズに設定することにより、永久磁石21内
側への磁束の漏れがほとんど生じなくなり、ロータヨー
ク22が必要なくなるため、モータMがさらに小型化さ
れる。
【0030】実施形態2 本発明の実施形態2にかかるモータの断面図を図4に示
す。このモータM1は、図4に示すように、ステータ3
0の外側でロータ40が回転するアウターロータ型のモ
ータとされる。
【0031】ステータ30は、所定形状の鋼板を所要枚
数積層してなるものとされ、円筒状のステータヨーク3
1と、ステータヨーク31外周面円周方向に所定間隔、
例えば40°ピッチで放射状に設けられた概略T字状の
9個の突極32、32、…とを備え、この突極32、3
2、…にU相駆動コイル33U、V相駆動コイル33V
およびW相駆動コイル33Wが実施形態1と同様の巻き
順で巻回されている。
【0032】ロータ40は、円筒状の永久磁石41と、
永久磁石41に外嵌されて漏れ磁束の磁路となる円筒状
のロータヨーク42と、ロータ40の軸心において永久
磁石41およびロータヨーク42と一体的に回転する回
転軸43とを備えてなる。
【0033】永久磁石41は、実施形態1と同様のSm
FeN系等方性粉末磁石材料を使用した等方性ボンド磁
石とされ、その内周面とステータ30の前記突極32先
端面との間に所定のギャップ、例えば0.2mm程度の
ギャップが生じるようにその内径が調整されている。ま
た、その内周面には周方向に所定間隔で交互に異なる極
性の磁極が偶数個、例えば30°ピッチで12個着磁さ
れている。さらに、各磁極には、実施形態1と同様の着
磁パターンで着磁がなされて、コギングが防止されると
ともに永久磁石41外側への漏れ磁束が低減されてい
る。
【0034】ロータヨーク42は、永久磁石41の外径
より若干大きい内径を有する円筒状体とされ、永久磁石
41に外嵌されてその内周面が永久磁石41の外周面に
固着されている。また、その肉厚は、永久磁石41外側
への漏れ磁束の量に対応させて適宜調整されている。
【0035】回転軸43は、ロータ40の一方の開口端
をふさぐように配設されロータヨーク42と一体化され
た蓋部材44の中心に固定されて、永久磁石41および
ロータヨーク42と一体的に回転可能とされている。こ
こで、回転軸43の直径は、ステータヨーク31の内径
よりも小さくされている。
【0036】このように、この実施形態2においても、
実施形態1と同様に、永久磁石41外側への磁束の漏れ
がごく僅かとなるので、肉厚の薄いロータヨーク42に
より磁束の漏れを防止できるため、モータM1が小型化
される。
【0037】
【実施例】以下、本発明をより具体的な実施例に基づい
てより具体的に説明する。
【0038】実施例 実施例として外径9.5mm、肉厚1.25mm、軸方
向長さ1mmの円筒状体に成形された(BH)maxが
14.5MGOeのSm−Fe−N系等方性ボンド磁石
を使用して実施形態1のモータMを試作した。なお、ス
テータの材質は3%Si−Feとされている。
【0039】無励磁状態における本実施例のモータ内の
磁束密度分布を測定した測定結果を図5に示し、永久磁
石に着磁された一磁極についてその外周側ギャップ部磁
束密度および内周側漏れ磁界を測定した測定結果を図6
に示す。また、図7に駆動コイルと鎖交する鎖交磁束を
測定した測定結果を示す。
【0040】図5および図6より、この実施例のモータ
においては、永久磁石の内周側にほとんど漏れ磁界(磁
束)が存在しないことが理解される。
【0041】比較例1 比較例1として実施例と同様に成形された(BH)ma
xが39MGOeのNd−Fe−B系ラジアル異方性焼
結磁石を使用して実施形態1と同様に構成された12磁
極−9突極のインナーロータ型モータを試作した。ここ
で、本比較例の永久磁石の各磁極には、図8に示すよう
に、磁界の方向は半径方向に固定され、磁束密度が円周
方向に正弦波的に変化し中央部で最大、両端部で最小と
なるような着磁パターンで着磁がなされている。また、
ステータの材質は、3%Si−Feとされている。
【0042】無励磁状態におけるこの比較例1のモータ
内の磁束密度分布を測定した測定結果を図9に示し、永
久磁石に着磁された一磁極についてその外周側ギャップ
部磁束密度および内周側漏れ磁界を測定した測定結果を
図10に示す。また、図7に、駆動コイルと鎖交する鎖
交磁束を測定した測定結果を実施例のモータの鎖交磁束
との相対値として併せて示す。
【0043】図9および図10より、この比較例1のモ
ータにおいては、永久磁石の内周側にかなりの漏れ磁界
(磁束)が存在することが理解される。
【0044】比較例2 比較例2として、比較例1のモータにおいて、永久磁石
への着磁パターンを変更したモータを試作した。具体的
には、永久磁石の各磁極に磁束密度が矩形波的に変化し
磁極の両端部で0、それ以外の位置では一定値となるよ
うな着磁パターンで着磁がなされるとともに、永久磁石
全体に所定角度のスキュー(ねじり)が加えられてい
る。
【0045】図7に、この比較例2のモータの駆動コイ
ルと鎖交する鎖交磁束を測定した測定結果を、実施例の
モータの鎖交磁束との相対値として併せて示す。
【0046】図5、図6および図10より、(BH)m
axが14.5MGOeの等方性ボンド磁石を使用した
本実施例のモータによって、(BH)maxが39MG
Oeのラジアル異方性焼結磁石を使用した比較例1のモ
ータと同程度の外周側ギャップ部磁束密度を得ることが
できるにもかかわらず、永久磁石の内周側への磁界(磁
束)の漏れがほとんど生じないことが理解される。
【0047】また、図7より、本実施例のモータの駆動
コイルには、(BH)maxが39MGOeのラジアル
異方性焼結磁石を使用した比較例1および比較例2のモ
ータよりも大きな鎖交磁束が存在することが理解され
る。
【0048】しかして、トルク定数は鎖交磁束に比例す
ることから、図7に示す測定結果は、(BH)maxが
14.5MGOeの等方性ボンド磁石を使用した本実施
例のモータによって、(BH)maxが39MGOeの
ラジアル異方性焼結磁石を使用した比較例1および比較
例2のモータよりも大きなトルク定数が得られることを
示すものである。
【0049】以上、本発明を実施形態および実施例に基
づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および
実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能であ
る。例えば、実施形態においては、駆動コイルの相数は
3相とされているが、これに限定されるものではなく、
単相または2相、あるいは4相以上とされてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
永久磁石の駆動コイルと対向する面と反対面側への磁束
の漏れがごく僅かとなるので、肉厚の薄いロータヨーク
により磁束の漏れを防止できるため、モータが小型・薄
型化されるという優れた効果が得られる。
【0051】また、本発明の好ましい形態によれば、永
久磁石の駆動コイルと対向する面と反対面側への磁束の
漏れがほとんど生じなくなるため、ロータヨークが必要
なくなりモータがさらに小型化されるという優れた効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1にかかるモータの断面図で
ある。
【図2】同モータの永久磁石に着磁される各磁極への着
磁パターンの説明図である。
【図3】無励磁状態における同モータ内の磁力線の流れ
を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態2にかかるモータの断面図で
あって、同(a)は軸方向と直交する方向の断面図を示
し、同(b)は軸方向の要部断面図を示す。
【図5】無励磁状態における実施例のモータ内の磁束密
度分布を測定した測定結果を示す分布図である。
【図6】実施例のモータの永久磁石に着磁された一磁極
について、その外周側ギャップ部磁束密度および内周側
漏れ磁界を測定した測定結果を示すグラフ図である。
【図7】実施例および比較例1〜比較例2の各モータに
ついて、その駆動コイルと鎖交する鎖交磁束を測定した
測定結果を相対的に示すグラフ図である。
【図8】比較例1のモータの永久磁石に着磁される各磁
極への着磁パターンを説明する図である。
【図9】無励磁状態における比較例1のモータ内の磁束
密度分布を測定した測定結果を示す分布図である。
【図10】比較例1のモータの永久磁石に着磁された一
磁極について、その外周側ギャップ部磁束密度および内
周側漏れ磁界を測定した測定結果を示すグラフ図であ
る。
【図11】従来のモータの一例を示す断面図である。
【図12】無励磁状態における同モータ内の磁力線の流
れを示す模式図である。
【符号の説明】
10、30 ステータ 11、31 ステータヨーク 12、32 突極 13、33 駆動コイル 20、40 ロータ 21、41 永久磁石 22、42 ロータヨーク 23、43 回転軸 M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大松澤 亮 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 Fターム(参考) 5H621 AA03 BB07 GA04 GB00 HH03 JK03 5H622 AA03 AA04 CA02 CA05 CA14 CB05 DD01 QB01 QB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要数の駆動コイルを有するステータ
    と、永久磁石を有するロータとを備えてなるモータであ
    って、 前記永久磁石が、最大エネルギー積が13MGOe以上
    の等方性ボンド磁石とされ、かつその前記駆動コイルと
    対向する面の周方向に所定間隔で交互に異なる極性の磁
    極が所定の着磁パターンで偶数個着磁されていることを
    特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記等方性ボンド磁石が、フレーク状の
    SmFeN系等方性粉末磁石材料と樹脂バインダとを混
    練した混練物から成形されてなることを特徴とする請求
    項1記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記等方性粉末磁石材料が、原子%でS
    xFe100-x-vv、SmxFe100-x-y-vM1yvおよ
    びSmxFe100-x-z-vM2zvなる合金組成のいずれか
    と、TbCu7型結晶構造とを有し、かつ前記フレーク
    の厚さが10〜40μmであることを特徴とする請求項
    2記載のモータ。ここで、組成式中、M1はHfおよび
    Zrから選ばれる少なくとも1種とされ、M2はSi、
    Nb、Ti、Ga、Al、TaおよびCから選ばれる少
    なくとも1種とされ、また7≦x≦12、0.5≦v≦
    20、0.1≦y≦1.5、0.1≦z≦1.0とされ
    る。
  4. 【請求項4】 前記各磁極に前記ステータと前記永久磁
    石との間に閉じた磁気回路が形成されるような着磁パタ
    ーンで着磁がなされていることを特徴とする請求項1記
    載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記ステータの内側で前記ロータが回転
    するインナーロータ型のモータであって、 前記ロータは、円筒状の永久磁石と、該永久磁石に内嵌
    されたロータヨークと、軸心に配設された回転軸とを備
    え、 前記各磁極に、磁界の方向が磁極の中央部では半径方向
    で、そこから両側にずれるに従って円周方向外向きへと
    徐々に変化していくような着磁パターンで着磁がなされ
    ていることを特徴とする請求項4記載のモータ。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石の外径D、肉厚Tおよび軸
    方向長さHが、 D=5〜15mm T/Lg>3 T/Lp>0.2 H<1.5mm とされてなることを特徴とする請求項5記載のモータ。
    ここで、Lgはギャップ長を示し、Lpは着磁ピッチを
    示す。
  7. 【請求項7】 T/Lg<5とされてなることを特徴と
    する請求項6記載のモータ。
  8. 【請求項8】 前記ロータヨークが削除されてなること
    を特徴とする請求項6または7記載のモータ。
  9. 【請求項9】 前記ステータの外側で前記ロータが回転
    するアウターロータ型のモータであって、 前記ロータは、円筒状の永久磁石と、該永久磁石に外嵌
    されたロータヨークと、軸心に配設された回転軸とを備
    え、 前記各磁極に、磁界の方向が磁極の中央部では半径方向
    で、そこから両側にずれるに従って円周方向外向きへと
    徐々に変化していくような着磁パターンで着磁がなされ
    ていることを特徴とする請求項4記載のモータ。
JP2001183850A 2001-06-18 2001-06-18 モータ Withdrawn JP2003009438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001183850A JP2003009438A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001183850A JP2003009438A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003009438A true JP2003009438A (ja) 2003-01-10

Family

ID=19023725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001183850A Withdrawn JP2003009438A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003009438A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010565A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki ギャップワインディングモータ
WO2005008862A1 (ja) * 2003-07-22 2005-01-27 Aichi Steel Corporation Ltd. 薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、ヨーク付き薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、および、ブラシレスモータ
JP2006108591A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Tdk Corp 希土類焼結磁石及びその製造方法
JP2008104290A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Sii Micro Precision Kk 磁性部材、モータ装置、及び記憶装置
JP2009247041A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Tdk Corp 回転機
US7750776B2 (en) 2004-04-20 2010-07-06 Aichi Steel Corporation Anisotropic bonded magnet for use in a 4-pole motor, a motor employing that magnet, and an alignment process apparatus for the anisotropic bonded magnet for use in a 4-pole motor
JP2015046520A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 ミネベア株式会社 希土類鉄系ボンド磁石
JP2015142471A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 住友重機械工業株式会社 永久磁石電動機およびその着磁方法、製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010565A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki ギャップワインディングモータ
WO2005008862A1 (ja) * 2003-07-22 2005-01-27 Aichi Steel Corporation Ltd. 薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、ヨーク付き薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、および、ブラシレスモータ
CN100380779C (zh) * 2003-07-22 2008-04-09 爱知制钢株式会社 薄型混合磁化环状磁铁和具有轭部的薄型混合磁化环状磁铁、以及无电刷电机
US7560841B2 (en) 2003-07-22 2009-07-14 Aichi Steel Corporation, Ltd. Thin hybrid magnetization type ring magnet, yoke-equipped thin hybrid magnetization type ring magnet, and brush-less motor
US7750776B2 (en) 2004-04-20 2010-07-06 Aichi Steel Corporation Anisotropic bonded magnet for use in a 4-pole motor, a motor employing that magnet, and an alignment process apparatus for the anisotropic bonded magnet for use in a 4-pole motor
JP2006108591A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Tdk Corp 希土類焼結磁石及びその製造方法
JP2008104290A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Sii Micro Precision Kk 磁性部材、モータ装置、及び記憶装置
JP2009247041A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Tdk Corp 回転機
JP2015046520A (ja) * 2013-08-29 2015-03-12 ミネベア株式会社 希土類鉄系ボンド磁石
JP2015142471A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 住友重機械工業株式会社 永久磁石電動機およびその着磁方法、製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4250878B2 (ja) バーニヤ型ブラシレスモータ
EP1263116A2 (en) Dynamo electric machine with permanent magnet type rotor
WO2005008862A1 (ja) 薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、ヨーク付き薄型ハイブリッド着磁型リング磁石、および、ブラシレスモータ
JPH0456542B2 (ja)
JP3268152B2 (ja) 永久磁石界磁方式回転電機
JP2004096803A (ja) 永久磁石同期モータ
JP4828043B2 (ja) Pm型ステッピングモータ
JP2003009438A (ja) モータ
JP5490171B2 (ja) 回転子および同期電動機
JP7542815B2 (ja) 永久磁石回転子および回転電気機械、永久磁石回転子の製造方法
JP2000152593A (ja) ステッピングモータ
JPH089610A (ja) 永久磁石式回転電機
JP2004032861A (ja) ステッピングモータ
JP4077898B2 (ja) 永久磁石モータ
JP2010098863A (ja) 円筒状磁石素材および表面磁石型モータ
JP5144923B2 (ja) 回転電機
JP2001218402A (ja) 回転電機
JPH06225509A (ja) Pm型ステッピングモータ
JP2003007534A (ja) 永久磁石着磁方法、永久磁石およびモータ
WO2003012806A1 (en) Method of magnetizing rare-earth magnet and rare-earth magnet
JP4216369B2 (ja) ステッピングモータ
JP5759935B2 (ja) Dcブラシレスモータおよびその制御方法
JP2005245162A (ja) ハイブリッド型ステッピングモータ
JP5126464B2 (ja) ステッピングモータ及びカメラの焦点調整用アクチュエータ
JP2003219623A (ja) ステッピングモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902