JP2003009006A - 撮像方法および装置 - Google Patents
撮像方法および装置Info
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Abstract
複数の画像間に動きずれがあったとしても、それによっ
て生ずるSNの劣化を回避し、主観的に好ましい合成画
像を生成することができるようにする。 【解決手段】 動きずれ係数M(x,y)を算出して、
露光量の異なる画像間で動きずれの生じている位置を検
出する。その検出結果に基づいて、動きずれが生じてい
ると思われる画素領域では、平滑化された短時間露光画
像xS''(x,y)をより多く用いて、ダイナミックレ
ンジの広い単一の画像を生成する。すなわち、長時間露
光画像xL(x,y)が飽和して短時間露光画像xS
(x,y)が選択されるべき部分において、動きずれが
生じ、短時間露光画像xS(x,y)のレベルが低くな
っている場合に、その領域のみにおいて短時間露光画像
xS(x,y)を平滑化し、動きずれ部分のSN劣化を
回避する。
Description
チルカメラ、監視カメラおよび車載カメラなどの画像入
力装置などに好適に利用可能なものであり、特に、異な
る露光条件で撮像した複数の画像を合成することによ
り、1つの露光条件で撮像された画像よりもダイナミッ
クレンジの広い単一の画像を生成するための撮像方法お
よび装置に関する。
するための方法としては、例えば撮像素子としてCCD
(Charge Coupled Device)を用い、電子シャッターに
よって露光時間を変化させ、時分割的に複数の画像を撮
像するものが知られている。
を示している。図12において、横軸は時間方向を示
し、縦軸は撮像素子における蓄積電荷量を示す。図12
の例では、あるフィールド期間において、通常の撮像と
同様に電荷の蓄積、読み出しが行われた後、垂直ブラン
キング期間Tblkを利用して、再度蓄積、および読み出
しの動作が行われ、これにより、1フィールド期間Tf
に対応して露光時間の異なる2枚画像が得られる。図1
2において、符号101,102を付した部分が、それ
ぞれ、異なる露光時間の画像として読み出される電荷を
示している。
うに1つの撮像素子上の各画素111の上に、例えば1
ラインごとにND(Neutral Density)フィルタ112
を配列し、空間分割的に露光量の異なる画像を撮像する
方法もある。NDフィルタ112が設置された画素とそ
れ以外の部分とでは、光の透過率が異なるので、これに
より、露光量の異なる画像を撮像することができる。さ
らに、複数の撮像素子を用意し、各撮像素子の全面にそ
れぞれ透過率の異なるNDフィルタを設置し、空間解像
度を落とすことなく、複数の画像を撮像する方法もあ
る。図14は、この方法による撮像装置の例であり、2
つの撮像素子121,122の一方に対してNDフィル
タ124を設置している。この例では、入射光が、ハー
フミラー123によって2分割され、各撮像素子12
1,122に入射する。一方の撮像素子122にはND
フィルタ124が設置されているので、他方の撮像素子
121とは露光量の異なる画像を撮像することができ
る。
異なる複数の画像を合成する方法としては、撮像された
ときの露光量の比に応じた係数を各画像に積算したの
ち、しきい値処理により各画像を切り替える方法が知ら
れている。図15は、この方法の原理を示したものであ
り、横軸が撮像素子への入射光量を、縦軸は撮像素子か
らの出力信号のレベル、すなわち撮像された画像の画素
レベルを表わしている。図15では、例えば相対的に長
い露光時間で撮像された画像yLについては、入射光量
と出力信号のレベルとの関係が、入射光量があるレベル
TH未満では傾きが大きい直線で表わされ、あるレベル
TH以上では、撮像素子の飽和により出力信号は一定の
値となる。また相対的に短い露光時間によって撮像され
た画像ySについては、画像yLに比べて、直線の傾き
は小さく、出力信号はより高い入射光量で飽和する。画
像の合成は、図中、符号yS'で示した直線のように、
はじめに短時間露光に対応する出力信号に対し係数gが
積算されて直線部分の傾きが長時間露光のものと合わせ
られた後、長時間露光に対応する出力信号を参照し、入
射光量のレベルがあるしきい値TH以下である場合には
長時間露光による出力信号を、しきい値THより大きい
場合には短時露光による出力信号を選択することで行わ
れる。これを式で表すと、以下の(1)式のようにな
る。
積算される係数gは、各露光時間の比であり、以下の
(2)式によって与えられる。
れぞれ長時間露光、短時間露光の露光時間である。従っ
て、露光時間の比がN倍である場合、合成画像のダイナ
ミックレンジはN倍に拡大されたことになる。露光時間
が3種類以上ある場合には、露光時間の長いものから順
に(1)式の合成処理を繰り返し適用すれば良い。
制御する撮像方式、すなわち時分割的な撮像法を前提と
して説明したが、実際には上述したどの撮像方式を用い
ても、同じ合成方法を用いることができる。
の広い画像を、出力すべき伝送系、表示装置などの能力
に合わせて圧縮する方法としては、入力画像の各画素に
対し、そのレベルを図16の実線で示すような入出力関
係を持つ関数(以下、「レベル変換関数」と記す。)で
変換する方法(以下、「レベル変換」と記す。)があ
る。図16において、横軸は入力画像の画素レベル(入
力レベル)lを、縦軸はレベル変換処理による出力画像
の画素レベル(出力レベル)T(l)を表す。Lin・max
は、入力画像の各画素が取り得る最大レベルを、Lout・
maxは、出力画像の各画素が取り得る最大レベルを表
す。レベル変換後の画像のコントラストは、レベル変換
関数の傾きが大きいほど高いことになる。図16の例で
は、入力レベルlkを境にして、高レベル側におけるレ
ベル変換関数を示す直線の傾きが、低レベル、中間レベ
ルでの傾きに比べて小さくなっている。従って、図16
に示したレベル変換では、高レベルでのコントラストを
犠牲にすることで、低レベル、中間レベルでのコントラ
ストを確保したまま全体のダイナミックレンジを圧縮し
ている。
素レベルの頻度分布に応じて、レベル変換関数を適応的
に変化させるものがあり、その代表例としてはヒストグ
ラムイコライゼーションと呼ばれる方法が挙げられる。
図17(A),(B)に、このヒストグラムイコライゼ
ーションの原理を示す。図17(A)において、横軸は
入力画像の画素レベル(入力レベル)lを、縦軸は度数
(頻度または累積頻度)を表す。Fmaxは、累積頻度の
最大値であり、頻度を算出するために用いる画素の総数
である。この方法では、図17(A)に示したように、
はじめに入力画像の画素レベルlに関する頻度分布H
(l)が生成され、次に以下の(3)式を用いて累積頻
度分布C(l)が生成される。
の(4)式を用いて出力画像が取り得るレベル範囲に正
規化することにより、レベル変換関数T(l)が生成さ
れる(図17(B))。この関数T(l)を用いること
により、出現頻度の高いレベルによって構成される領域
(面積が大きい領域)のコントラストを確保して、全体
のダイナミックレンジを圧縮することが可能となる。
応して所定のパターンの色フィルタを配置することによ
り、単一の撮像素子のみでカラー画像を撮像するように
なされた、いわゆる単板式のカラー撮像装置がある。図
18は、その色フィルタの一例であり、Ye(イエロ
ー)、Cy(シアン)、Mg(マゼンタ)およびG(グ
リーン)の補色系のフィルタが所定順序で配列されてい
る。単板式のカラー撮像装置における出力信号は、図1
9に示したように、輝度情報を表す輝度信号yに色情報
を表す周波数変調された色信号cが重畳された形のもの
となる。次に、このような単板式のカラー撮像装置によ
って得られた複数のカラー画像信号を合成し、さらに圧
縮するための従来法について説明する。
は、次の(5)式((5A),(5B),(5C))に
より輝度信号および色信号に分離される。
混合された画像信号を、yは分離された輝度信号を、ま
たcは分離された色信号を表す。LPFy(),LPF
c()は、それぞれ、輝度分離用、色分離用のローパス
フィルタである。
は、上述した方法(図15〜図17参照)によって合
成、圧縮が施される。これに対し色信号cは、多くの露
光量(長時間露光)で得られた輝度信号の大きさを参照
して、次の(6)式のような処理によって合成される。
光量で得られた輝度信号、および色信号であり、cSは
少ない露光量(短時間露光)で得られた色信号である。
また、gは(2)式で示したような露光量の比である。
対する比率が変化しないように、次の(7)式によって
圧縮される。(7)式において、y'は、(1)式のよ
うなダイナミックレンジの拡大された輝度信号を表し、
y''は、ダイナミックレンジの圧縮された輝度信号を表
している。
露光量を変えて複数の画像を撮像、合成する方式におい
ては、不可避的に撮像時刻に差が存在するため、撮像さ
れた画像間にカメラや撮像対象の動きによる“動きず
れ”が生じる可能性がある。
撮像対象が移動する場合を例にこの動きずれによって生
じる問題点を説明する。ここでは、輝度のレベルの低い
静止背景の前方を、輝度のレベルの高い物体が移動して
いる情景を撮像するものとする。図20(A),(B)
は、それぞれ、この情景を長時間露光、および短時間露
光で撮像して得られた画像を表すものであり、簡単のた
めに1次元信号として表してある。横軸xは画像上の位
置座標を表す。
る領域であるが、露光時刻の時間間隔における運動によ
り、その画像上の位置には距離D=x3−x2=x1−
x0だけのずれが生じている。F0〜F2は物体領域内
における相対位置を表しており、F0は物体の左端、F
1は物体の右端、F2は物体上でF1から左にDの距離
にある位置を表している。また、B0〜B3は背景上の
相対位置であり、B0は長時間露光撮像時刻において物
体の左端F0と接する背景位置を、B1は同時刻におい
て物体の右端F1と接する背景位置を、B2は短時間露
光撮像時において物体の左端F0に接する背景位置を、
B3は同時刻において物体の右端F1に接する背景の位
置をそれぞれ表している。ただし、ここでは物体の運動
による動きずれのみを考えるため、背景は静止している
ものとする。従って、背景領域上の相対位置B0,B
1,B2,B3は、それぞれ画像上の座標x0,x2,
x1,x3に1対1で対応している。短時間露光画像
(図20(B))の物体領域Fにおける信号レベルの勾
配が長時間露光画像(図20(A))の物体領域には存
在していないが、これは長時間露光により物体領域にお
ける信号レベルが飽和したことを示している。
(B)の2つの画像を上述の(1)式により合成した画
像を表している。この合成画像では、長時露光画像(図
20(A))が飽和している画像位置x0〜x2の部分
では短時間露光画像(図20(B))に露光比gを積算
したものが、それ以外の部分(長時露光画像が飽和して
いない部分)では長時間露光画像(図20(A))その
ものが現れている。ここで、この合成画像において、画
像位置x2は見かけ上、背景領域と物体領域の境界点に
なっているが,画像位置x2の左側近傍は、物体領域の
右端F1ではなく、物体領域内の点F2に対応してい
る。すなわち、図中、破線で示したように物体領域上の
F2〜F1の部分が欠落していることになる。
0から左側の部分、および位置x0〜x1の部分はいず
れも背景領域を表しており、画像の内容も連続してい
る。しかしながら、前者(位置x0から左側)が長時間
露光画像であるのに対して、後者(位置x0〜x1)は
短時間露光画像に露光比gを積算したものであり、それ
らの間ではSN比(signal-to-noise ratio,以下、単
にSNと記す。)が異なることになる。通常ダイナミッ
クレンジを圧縮する場合には、信号レベルが大きいほど
圧縮率も大きくなるため、信号レベルの高い部分で短時
間画像が用いられる場合にはノイズも圧縮されて大きな
問題とはならない。実際、画像を合成するときには、短
時間露光画像は長時間露光画像が飽和している部分で用
いられるため、動きずれがなく正確に短時間露光画像と
長時間露光画像が対応している場合には、合成画像に表
れる短時間露光画像のレベルも非常に高い。しかしなが
ら、動きずれが生じている場合には、図20(A)〜
(C)で示したとおり、長時間露光画像が飽和していて
も、それに対応する短時間露光画像上の領域ではレベル
が低い可能性があり、このような領域(位置x0〜x1
の部分)では他の領域に比べて十分な圧縮がなされずに
SNが大きく劣化することになる。
撮像対象は静止しているが、撮像カメラ自体が手ぶれな
どによって移動した場合の動きずれによって生じる問題
点を説明する。図21(A)〜(C)は、それぞれ、カ
メラ自体が移動した場合の、長時間露光画像、短時間露
光画像および合成画像の関係を示している。この場合、
物体自体は静止しており、物体領域と背景領域の相対的
な位置関係に変化はないため、物体の左端F0、または
右端F1に接する背景上の相対位置は常にB0,B1で
あり、撮像時刻によって変化することはない。またこの
場合のB2は、背景上のB0よりずれ量Dだけ左に存在
する背景上の位置とする。ただし、背景自体の画像上に
おける位置が変化するため、これら背景上の相対位置B
0,B1,B2と画像上の位置座標の間には1対1の関
係は成立しない。
同様、図21(C)に示したように、物体領域F2〜F
1の欠落、および画像位置x0〜x1におけるSNの劣
化が生じるが、さらに合成画像上の位置x0において画
像内容の不連続が生じる。すなわち、合成画像における
位置x0〜x1の画像内容は、短時間露光画像(図21
(B))に由来しており、短時間露光画像における背景
の位置B2〜B0の部分に対応する。その一方、長時間
露光画像(図21(A))に由来する位置x0より左側
の部分においては、位置x0は長時間露光画像における
背景上のB0に対応しており、位置x0より左側におい
ても長時間露光画像における背景B2〜B0が重複して
表現されていることになる。すなわち、合成画像では、
長時間露光画像で得られた背景B2〜B0の次に、さら
に短時間露光画像で得られた背景B2〜B0が重複して
現れることになる。
ち、物体領域の欠落、および背景領域の重複は、異なる
手段によりさらに多くの画像情報を入力しない限りは本
質的には解決できないが、それらは視覚的に感度が低く
なる動領域の近傍に発生するため、主観的にはそれほど
大きな画質劣化にはならない。これに対し、レベルの低
い領域において短時間露光画像を用いることによるSN
の劣化は、経験的にも大きな画質劣化の要因となるの
で、特に、この問題を解決することが望まれる。
ので、その目的は、時分割方式によって得られた露光量
の異なる複数の画像間に動きずれがあったとしても、そ
れによって生ずるSNの劣化を回避し、主観的に好まし
い合成画像を生成することができる撮像方法および装置
を提供することにある。
は、露光条件の異なる複数の画像を異なる時刻において
撮像する撮像過程と、複数の画像の少なくとも1つに対
して撮像時の露光量を補正して少なくとも1つの補正画
像を生成する露光量補正過程と、補正画像を含む複数の
画像から、複数の画像間で動きずれの生じている位置を
検出する動きずれ検出過程と、動きずれ検出過程での検
出結果に基づいて、複数の画像を合成し、ダイナミック
レンジの広い単一の画像を生成する合成過程とを含むも
のである。
る複数の画像を異なる時刻において撮像する撮像手段
と、複数の画像の少なくとも1つに対して撮像時の露光
量を補正して少なくとも1つの補正画像を生成する露光
量補正手段と、補正画像を含む複数の画像から、複数の
画像間で動きずれの生じている位置を検出する動きずれ
検出手段と、動きずれ検出手段の検出結果に基づいて、
複数の画像を合成し、ダイナミックレンジの広い単一の
画像を生成する合成手段とを備えたものである。
光条件の異なる複数の画像が、異なる時刻において撮像
されると共に、複数の画像の少なくとも1つに対して、
撮像時の露光量を補正して少なくとも1つの補正画像が
生成される。そして、補正画像を含む複数の画像から、
複数の画像間で動きずれの生じている位置が検出され、
その検出結果に基づいて、複数の画像が合成され、ダイ
ナミックレンジの広い単一の画像が生成される。動きず
れに応じて複数の画像を合成するので、動きずれがあっ
たとしても、主観的に好ましい合成画像が得られる。
て図面を参照して詳細に説明する。
に、本実施の形態に係る撮像装置は、撮像器10と、ゲ
イン補正器11と、合成係数算出器12と、差分係数算
出器13と、乗算器14と、平滑化器15と、合成器1
6とを備えている。
信号は、2次元ディジタル画像を図2に示すように水平
方向、垂直方向の順に走査して得られた時系列な画素値
の信号である。以下では、2次元画像上の任意の位置
(x,y)に対応する画素値を、例えばI(x,y)と
表す。
像を異なる時刻において撮像する機能を有しており、例
えばCCDを含んで構成されている。本実施の形態で
は、撮像器10が、露光時間の異なる2つの画像を時分
割的に撮像するものとし、そのうち、相対的に露光時間
が長い画像(露光量が大きい画像)を長時間露光画像x
L(x,y)、相対的に露光時間が短い画像(露光量が
小さい画像)を短時間露光画像xS(x,y)と表現す
る。撮像器10によって撮像された長時間露光画像xL
(x,y)は、合成係数算出器12、差分係数算出器1
3および合成器16に送られる。また短時間露光画像x
S(x,y)は、ゲイン補正器11に送られる。
撮像された露光時間の異なる2つの画像のうち、短時間
露光画像xS(x,y)に対して撮像時の露光量を補正
する機能を有している。ゲイン補正器11によって行わ
れる露光量の補正は、例えば、短時間露光画像xS
(x,y)の各画素値に対して、上述の(2)式に示す
露光時間の比を表す係数gを積算することにより行われ
る。ゲイン補正器11によって露光量を補正することに
より得られた補正短時間露光画像xS'(x,y)は、
差分係数算出器13、平滑化器15、および合成器16
に送られる。
に、例えば、減算器20、除算器21およびリミッタ2
2を有して構成されている。この合成係数算出器12
は、長時間露光画像xL(x,y)に基づいて、合成器
16において露光時間の異なる画像を合成するための合
成係数C(x,y)を算出する機能を有している。合成
係数算出器12によって算出された合成係数C(x,
y)は、乗算器14と合成器16とに送られる。
に、例えば、第1の減算器30、第2の減算器31、除
算器32およびリミッタ33を有して構成されている。
この差分係数検出器13は、長時間露光画像xL(x,
y)と補正短時間露光画像xS'(x,y)との差分の
大きさを表す差分係数D(x,y)を算出する機能を有
している。差分係数検出器13によって算出された差分
係数D(x,y)は、乗算器14に送られる。
ように、合成係数C(x,y)と差分係数D(x,y)
との積から、動きずれ係数M(x,y)を算出するよう
になっている。乗算器14によって算出された動きずれ
係数M(x,y)は、合成器16に送られる。動きずれ
係数M(x,y)は、動きずれの度合いを示すものであ
り、後述するように、長時間露光画像xL(x,y)の
信号レベル(画素レベル)が高く(飽和レベルに近
く)、なおかつ長時間露光画像xL(x,y)と補正短
時間露光画像xS'(x,y)との差が大きいほど大き
な値となるように設定されている。すなわち、この動き
ずれ係数M(x,y)の値が大きい画素位置が、長時間
露光画像xL(x,y)と短時間露光画像xS(x,
y)との間で動きずれが生じている可能性が高いとみな
される。
S'(x,y)に対して平滑化処理を行う機能を有して
いる。平滑化器15における平滑化処理には、ノイズ低
減を目的として一般的に使われる線形ローパスフィル
タ、またはメディアンフィルタを始めとする非線形フィ
ルタを用いることができる。平滑化器15によって平滑
化された後の短時間露光画像xS''(x,y)は、合成
器16に送られる。
ば、短時間露光画像合成器40と長短露光画像合成器4
1とを有して構成されている。この合成器16は、撮像
器10によって撮像された長時間露光画像xL(x,
y)、ゲイン補正器11によって補正された補正短時間
露光画像xS'(x,y)、および平滑化器15によっ
て平滑化された短時間露光画像xS''(x,y)を、乗
算器14によって算出された動きずれ係数M(x,y)
をもとに合成し、ダイナミックレンジの広い画像X
(x,y)を生成する機能を有している。合成器16に
よって生成されたダイナミックレンジの広い画像X
(x,y)は、図示しない画像表示装置、画像蓄積装置
または画像伝送装置などに出力される。
器11が、本発明における「露光量補正手段」の一具体
例に対応する。また、主として合成係数算出器12、差
分係数算出器13および乗算器14が、本発明における
「動きずれ検出手段」の一具体例に対応する。
態に係る撮像装置の作用、動作を説明する。なお、以下
の説明は、本実施の形態に係る撮像方法の説明を兼ねて
いる。
なる2つの画像が時分割的に撮像される。撮像器10
は、撮像した2つの画像のうち、相対的に露光量が大き
い長時間露光画像xL(x,y)を、合成係数算出器1
2、差分係数算出器13および合成器16に出力する。
一方、露光量の小さい短時間露光画像xS(x,y)
は、ゲイン補正器11に出力される。
(2)式に示す露光時間の比を表す係数gを、短時間露
光画像xS(x,y)の各画素値に対して積算すること
により、短時間露光画像xS(x,y)の撮像時の露光
量を補正する。ゲイン補正器11は、補正することによ
って得られた補正短時間露光画像xS'(x,y)を、
差分係数算出器13、平滑化器15、および合成器16
に出力する。
力された長時間露光画像xL(x,y)に基づいて、合
成係数C(x,y)を算出し、それを乗算器14と合成
器16とに出力する。
(x,y)の算出は、より詳しくは、例えば図3に示し
たように行われる。合成係数算出器12において、長時
間露光画像xL(x,y)は、まず減算器20に入力さ
れる。減算器20は、入力された長時間露光画像xL
(x,y)の各画素値から、あらかじめ設定された定数
MINLを減算する。減算後の長時間露光画像xL
(x,y)は、次に除算器21に出力され、そこで、あ
らかじめ設定された定数RNGLによって除算され、係
数C(x,y)が算出される。減算器20および除算器
21によるこれらの処理は、長時間露光画像xL(x,
y)に対する正規化処理であり、数学的には以下の
(9)式のように表される。
は、リミッタ22に送られ、そこで、以下の(10)式
で表される値の制限がなされる。このリミッタ22によ
る値の制限のなされたものが、改めて合成係数C(x,
y)として出力される。
画像xL(x,y)と補正短時間露光画像xS'(x,
y)との差分の大きさを表す差分係数D(x,y)の算
出を行い、それを乗算器14に出力する。
(x,y)の算出は、より詳しくは、例えば図4に示し
たように行われる。差分係数検出器13において、長時
間露光画像xL(x,y)および補正短時間露光画像x
S'(x,y)は、第1の減算器30に入力される。第
1の減算器30は、入力された長時間露光画像xL
(x,y)の各画素値から、補正短時間露光画像xS'
(x,y)の対応する画素値を減算し、値LSdifを算
出する。算出された値LSdifを示す信号は、第2の減
算器31に出力される。
よって算出された値LSdifから、あらかじめ設定され
た定数MINdifを減算し、その結果を除算器32に出
力する。除算器32は、除算器32からの出力に対し
て、あらかじめ設定された定数RNGdifによる除算を
施し、係数D(x,y)を算出する。第2の減算器31
および除算器32による処理は、長時間露光画像xL
(x,y)と補正短時間露光画像xS'(x,y)との
差分である値LSdifに対する正規化処理であり、数学
的には上述の(9)式と同様の処理となる。
(x,y)は、リミッタ33に送られ、そこで、上述の
(10)式と実質的に同様にして、値の制限がなされ
る。このリミッタ33による値の制限のなされたもの
が、改めて差分係数D(x,y)として乗算器14に出
力される。
分係数算出器13とで算出された合成係数C(x,y)
と差分係数D(x,y)は、乗算器14によって乗算さ
れ、動きずれ係数M(x,y)として合成器16に出力
される。
上述の(8)式にも示したように合成係数C(x,y)
と差分係数D(x,y)との積である。一方、合成係数
C(x,y)と差分係数D(x,y)の値は、合成係数
算出器12と差分係数算出器13とにおいて、上述した
正規化処理および値の制限が行われることにより、それ
ぞれ0.0以上1.0以下となっている。従って、それ
らの積である動きずれ係数M(x,y)も、0.0以上
1.0以下の値を取る。また、(9)式から分かるよう
に、長時間露光画像xL(x,y)の信号レベルが高い
とき(飽和レベルに近いとき)には、合成係数C(x,
y)の値が大きくなる。また、長時間露光画像xL
(x,y)と補正短時間露光画像xS'(x,y)との
差が大きいほど、それらの差分である差分係数D(x,
y)の値は大きくなる。従って、合成係数C(x,y)
と差分係数D(x,y)との積である動きずれ係数M
(x,y)は、長時間露光画像xL(x,y)の信号レ
ベルが高く、なおかつ長時間露光画像xL(x,y)と
補正短時間露光画像xS'(x,y)との差が大きいほ
ど大きな値となる。
算出器12および差分係数算出器13において、長時間
露光画像xL(x,y)および補正短時間露光画像x
S'(x,y)に基づいて、合成係数C(x,y)およ
び差分係数D(x,y)が算出される。さらに、これら
2つの係数に基づいて、乗算器14において動きずれ係
数M(x,y)を算出することにより、露光量の異なる
複数の画像間において動きずれの生じている位置が検出
される。
く、2つの画像間に動きずれが存在すると判定される場
合、すなわち、長時間露光画像xL(x,y)の信号レ
ベルが高く、なおかつ長時間露光画像xL(x,y)と
補正短時間露光画像xS'(x,y)との差が大きい場
合には、補正短時間露光画像xS'(x,y)の信号レ
ベルが、長時間露光画像xL(x,y)の信号レベルに
比べてかなり小さくなっていることを意味する。
器11による補正のなされた補正短時間露光画像xS'
(x,y)に対してノイズ低減のための平滑化処理が行
われ、その平滑化された後の短時間露光画像xS''
(x,y)が、合成器16に出力される。
(x,y)、補正短時間露光画像xS'(x,y)、お
よび短時間露光画像xS''(x,y)と共に、動きずれ
係数M(x,y)および合成係数C(x,y)が入力さ
れる。合成器16は、これらの入力信号に基づいて、ダ
イナミックレンジの広い合成画像X(x,y)を生成
し、それを、図示しない画像表示装置、画像蓄積装置ま
たは画像伝送装置などに出力する。
えば図5に示したように行われる。合成器16におい
て、補正短時間露光画像xS'(x,y)および平滑化
された短時間露光画像xS''(x,y)は、短時間露光
画像合成器40に入力される。短時間露光画像合成器4
0は、入力された補正短時間露光画像xS'(x,y)
と短時間露光画像xS''(x,y)とを、動きずれ係数
M(x,y)に応じて以下の(11)式のように合成す
る。
短時間露光画像合成器40は、短時間露光画像xS
(x,y)に関して、動きずれ係数M(x,y)が大き
く、動きずれの生じている可能性の高い位置では、より
平滑化された信号(xS''(x,y))が出力されるよ
うにする。平滑化がなされることにより、動きずれ係数
M(x,y)が生じることによるSNの劣化が防止され
る。短時間露光画像合成器40は、このように合成する
ことによって得られた合成短時間露光画像xS'''
(x,y)を、長短露光画像合成器41に出力する。
(x,y)に応じて、長時間露光画像xL(x,y)と
合成短時間露光画像xS'''(x,y)とを以下の(1
2)式により合成する。
長短露光画像合成器41は、合成係数C(x,y)が大
きく、長時間露光画像xL(x,y)が飽和レベルに近
づくほど、合成短時間露光画像xS'''(x,y)の割
合が大きくなるように合成する。このとき、動きずれが
生じていたとしても、その画素領域では、(11)式で
示したように、合成短時間露光画像xS'''(x,y)
には平滑化された短時間露光画像xS''(x,y)の割
合が多く含まれているので、動きずれによるSNの劣化
が防止される。一方、合成係数C(x,y)が小さく、
長時間露光画像xL(x,y)が飽和レベルに達してい
ない場合には、長時間露光画像xL(x,y)の割合が
大きくなるように合成される。このようにして合成され
た画像X(x,y)が、広ダイナミックレンジ画像とし
て出力される。なお、動きずれが存在しない領域におい
ては、長時間露光画像xL(x,y)と補正短時間露光
画像xS'(x,y)とのうち、画素レベルの飽和が発
生しておらず、かつ撮像時の露光量が大きな方の画像の
割合が多くなるよう合成される。
ば、動きずれ係数M(x,y)を算出して、露光量の異
なる画像間で動きずれの生じている位置を検出し、その
検出結果に基づいて、動きずれが生じていると思われる
画素領域では、平滑化された短時間露光画像xS''
(x,y)をより多く用いて、ダイナミックレンジの広
い単一の画像を生成するようにしたので、動きずれがあ
ったとしても、主観的に好ましい合成画像X(x,y)
を得ることができる。すなわち、長時間露光画像xL
(x,y)が飽和して短時間露光画像xS(x,y)が
選択されるべき部分において、動きずれが生じ、短時間
露光画像xS(x,y)のレベルが低くなっている場合
(図20参照)に、その領域のみにおいて短時間露光画
像xS(x,y)が平滑化されることになり、合成画像
上の高レベル領域における解像度の低下を伴うことな
く、動きずれ部分のSN劣化を回避することができる。
ダイナミックレンジの拡大された画像X(x,y)を出
力するようにしているが、通常の画像表示装置、画像伝
送装置および画像蓄積装置などでは、このように広いダ
イナミックレンジを持つ画像を扱うことは困難である。
このような場合には、合成器16の後段に、例えば図1
6および図17に示されるようなレベル変換関数を用い
たレベル変換処理を行う手段を設け、ダイナミックレン
ジを圧縮するようにすれば良い。
おいて、ゲイン補正の施された補正短時間露光画像x
S'(x,y)に対して平滑化処理を行っているが、こ
の場合、平滑処理を施す画像のダイナミックレンジが既
に広がっているために、演算量が多くなる。これを回避
するために、例えば、撮像器10によって得られた短時
間露光画像xS(x,y)を直接平滑化すると共に、そ
の後段にゲイン補正器11とは別に第2のゲイン補正手
段を設置するようにしても良い。
なる画像を合成するための合成係数C(x,y)を、動
きずれ係数M(x,y)の算出にも用いているが、
(8)式において差分係数D(x,y)に積算する係数
を別の演算によって求めることも可能である。例えば、
(10)式の正規化処理においてMINL,RNGLと
は異なる定数を用いて算出した別の係数C'(x,y)
を、動きずれ係数M(x,y)の算出に用いるようにし
ても良い。
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と実質的に
同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、適宜説
明を省略する。
撮像装置の構成を示している。本実施の形態と第1の実
施の形態との違いは、合成器16における各露光画像の
合成方法にある。ダイナミックレンジを拡大するよう、
長時間露光画像xL(x,y)と短時間露光画像xS
(x,y)とを合成するためには、短時間露光画像xS
(x,y)について、あらかじめ撮像時の露光量の差を
補正してやる必要がある。第1の実施の形態では、これ
を撮像器10の後段に設けられたゲイン補正器11で行
い、その結果(補正短時間露光画像xS'(x,y))
を、動きずれ係数M(x,y)の算出と、合成器16に
おける画像合成処理の両方で用いていた。
y)の算出は、第1の実施の形態と同様に行うが、合成
器16における画像合成処理には異なる方法を用いてい
る。これに伴い、本実施の形態における合成器16Aに
は、ゲイン補正器11によって補正された補正短時間露
光画像xS'(x,y)ではなく、撮像器10から出力
された短時間露光画像xS(x,y)が直接入力されて
いる。また、平滑化器15においても、短時間露光画像
xS(x,y)が撮像器10から直接入力され、短時間
露光画像xS(x,y)が直接平滑化される構成になっ
ている。合成器16A以外の各部における処理は、上記
第1の実施の形態と同じである。
Aの構成を示している。合成器16Aの構成は、第1の
実施の形態における合成器16(図5)の構成とほぼ同
じであるが、短時間露光画像合成器40の後段に、ゲイ
ンオフセット補正器42が設置されている点が異なる。
また、上記第1の実施の形態では、短時間露光画像合成
器40に、補正短時間露光画像xS'(x,y)と平滑
化された短時間露光画像xS''(x,y)とが入力され
たが、本実施の形態では、補正短時間露光画像xS'
(x,y)に代えて、撮像器10からの短時間露光画像
xS(x,y)が直接入力される。短時間露光画像合成
器40は、撮像器10から直接入力された短時間露光画
像xS(x,y)と平滑化された短時間露光画像xS''
(x,y)とを、動きずれ係数M(x,y)に応じて上
述の(11)式と同様にして合成し、その結果である合
成短時間露光画像xS'''(x,y)を、ゲインオフセ
ット補正器42に出力する。
露光画像合成器40から出力された合成短時間露光画像
xS'''(x,y)に対して、以下の(13)式に示す
ように、ゲインの積算と所定量のオフセットとを施して
露光量を補正する。(13)式において、g'はゲイン
を表し、Offsetは、オフセット量を表す。
に露光量を補正することによって得られた短時間露光画
像xS''''(x,y)を、長短露光画像合成器41に出
力する。長短露光画像合成器41は、露光量の補正され
た短時間露光画像xS''''(x,y)と長時間露光画像
xL(x,y)とを、上記第1の実施の形態と同様に、
合成係数C(x,y)に応じて合成する。
露光画像の合成は、図15に示した合成法に基づいて行
われるものであるが、本実施の形態では、図8に示すよ
うな合成がなされることになる。
がMINLまでは、長時間露光画像xL(x,y)が用
いられ、長時間露光画像xL(x,y)が飽和レベルに
達した後は、露光量の補正された短時間露光画像x
S''''(x,y)が、合成画像として用いられる。ここ
で、上述の(9)式で算出される合成係数C(x,y)
を用いる場合、長時間露光画像xL(x,y)から短時
間露光画像xS''''(x,y)への切り換えは、長時間
露光画像xL(x,y)のレベルがMINLからMIN
L+RNGLである間において行われる。MINLから
MINL+RNGLの間では、長時間露光画像xL
(x,y)と短時間露光画像xS''''(x,y)とに適
当な重み付けをすることにより得られた画像が合成画像
として出力される。
Lの間において切り替えを行うためには、この範囲の中
で、図8に示したように、長時間露光画像xL(x,
y)を示す直線と補正された短時間露光画像xS''''
(x,y)を示す直線とが交差している必要がある。す
なわち(13)式のゲインg'とオフセット量offset
は、以下の(14)式の関係を満足する必要がある。g
は上述の(2)式で表される露光時間の比である。
(x,y)に基づいて、平滑化された短時間露光画像x
S''(x,y)を適宜用いて合成画像を生成しているこ
とに変わりはないので、上記第1の実施の形態と同様
に、各露光画像間に動きずれがあったとしても、それに
よって生ずるSNの劣化を回避し、主観的に好ましい合
成画像を生成することができる。
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態または上記第2の実施の形態
における構成要素と実質的に同一の機能を有する部分に
は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
撮像装置の構成を示している。本実施の形態に係る撮像
装置の構成は、上記第2の実施の形態における構成(図
6)と類似しているが、平滑化器15が除去されている
点が異なる。これに伴い、本実施の形態における合成器
16Bでは、平滑化された短時間露光画像xS''(x,
y)は用いられずに、長時間露光画像xL(x,y)と
短時間露光画像xS(x,y)とから合成画像X(x,
y)が生成される。
6Bの構成を示している。合成器16Bは、上記第2の
実施の形態における合成器16A(図7)と比べると、
短時間露光画像合成器40が除去されており、撮像器1
0からの短時間露光画像xS(x,y)が直接ゲインオ
フセット補正器42に入力されている。ゲインオフセッ
ト補正器42は、上記第2の実施の形態における合成短
時間露光画像xS'''(x,y)に代えて、撮像器10
からの短時間露光画像xS(x,y)に対して、上述の
(13)式と実質的に同様にして露光量を補正する。ゲ
インオフセット補正器42は、このように露光量を補正
することによって得られた短時間露光画像xS''''
(x,y)を、長短露光画像合成器41Bに出力する。
の実施の形態における長短露光画像合成器41(図7)
と比べると、長時間露光画像xL(x,y)、短時間露
光画像xS''''(x,y)および合成係数C(x,y)
に加えて、さらに動きずれ係数M(x,y)が入力され
る。長短露光画像合成器41Bでは、合成係数C(x,
y)および動きずれ係数M(x,y)を用いて、長時間
露光画像xL(x,y)と露光量の補正された短時間露
光画像xS''''(x,y)とを、以下の(15)式によ
って合成する。
長短露光画像合成器41Bは、長時間露光画像xL
(x,y)のレベルに対応する合成係数C(x,y)が
小さいか、または合成係数C(x,y)が大きい場合で
あっても動きずれ係数M(x,y)が大きい場合には、
長時間露光画像xL(x,y)が最終的な合成画像X
(x,y)として出現するよう、合成処理を行うことに
なる。つまり、本実施の形態では、動きずれが存在する
領域においては、露光量の大きい画像が合成画像として
選択される。
きずれが存在する領域においては、平滑化された短時間
露光画像xS''(x,y)を用いることによりSN劣化
を回避していたが、本実施の形態においては、露光量の
大きい画像を選択することにより、SN劣化を回避して
いる。これは、合成画像X(x,y)を、出力画像表示
装置、画像伝送装置および画像蓄積装置などに出力する
場合に行われるダイナミックレンジの圧縮特性を考慮し
たものである。通常、ダイナミックレンジをレベル変換
処理して圧縮する場合には、信号レベルが大きいほど圧
縮率が大きくなり、ノイズ成分も同様に大きく圧縮され
る。このため、動きずれが存在し、短時間露光画像のレ
ベルが低くなっている場合には、その領域において短時
間露光画像に代えて長時間露光画像を用いることで、結
果的にノイズ成分が圧縮されることになり、SN劣化を
回避することができる。
ば、長時間露光画像xL(x,y)が飽和して短時間露
光画像xS(x,y)が選択されるべき部分において、
動きずれが生じ、短時間露光画像xS(x,y)のレベ
ルが低くなっている場合(図20参照)に、その領域に
おいて長時間露光画像xL(x,y)を用いることで、
結果的に、動きずれ部分のSN劣化を回避し、主観的に
好ましい合成画像を生成することができる。
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1〜第3の実施の形態における構成要素と実
質的に同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、
適宜説明を省略する。
による信号処理を、単板式のカラー撮像装置で撮像する
ことによって得られたカラー画像に対して適用した例を
説明する。なお、上記第1および第2の実施の形態によ
る信号処理についても同様に、単板式のカラー撮像装置
に適用することが可能である。
ラー撮像装置の構成を示している。単板式のカラー撮像
装置は、既に[従来の技術]の項において説明したよう
に、撮像素子の前面に、例えば図18に示したパターン
の色フィルタを配置して構成されている。単板式のカラ
ー撮像装置から出力される撮像信号は、図19に示した
ように、輝度信号yに周波数変調された色信号cが重畳
された形となっている。すなわち、本実施の形態におい
て、撮像器10から出力される長時間露光画像xL
(x,y)および短時間露光画像xS(x,y)は、周
波数変調された色信号が輝度信号に重畳された複合画像
信号である。このため、図11に示した構成では、各露
光画像の複合画像信号から輝度信号(Y)と色信号
(C)とをYC分離するためのYC分離器17S,17
Lを備えている。
時間露光画像xL(x,y)に対して、上述の(5A)
〜(5C)式に示すようなYC分離処理を施し、輝度成
分yL(x,y)と色成分cL(x,y)とに分離す
る。YC分離器17Sも同様に、撮像器10からの短時
間露光画像xS(x,y)に対して、上述の(5A)〜
(5C)式に示したYC分離処理を施し、輝度成分yS
(x,y)と色成分cS(x,y)とに分離する。
差分係数算出器13および乗算器14によって算出され
る合成係数C(x,y)および動きずれ係数M(x,
y)は、各露光画像の輝度成分yL(x,y),yS
(x,y)から、上記第3の実施の形態と同様に算出さ
れる。算出された合成係数C(x,y)および動きずれ
係数M(x,y)は、長時間露光画像xL(x,y)の
輝度成分yL(x,y)および色成分cL(x,y)
と、短時間露光画像xS(x,y)の輝度成分yS
(x,y)および色成分cS(x,y)と共に、合成器
16Bに入力される。
補正器42(図10)には、短時間露光画像xS(x,
y)の輝度成分yS(x,y)および色成分cS(x,
y)が入力される。ゲインオフセット補正器42は、入
力された輝度成分yS(x,y)および色成分cS
(x,y)に対して、露光量の補正を行う。このとき、
ゲインオフセット補正器42は、輝度成分yS(x,
y)に対しては、上述の(13)式によって、上記第2
の実施の形態および上記第3の実施の形態とまったく同
様の処理を行い、露光量の補正された輝度成分yS''''
(x,y)を生成する。一方、色成分cS(x,y)に
対しては、次の(16)式によって補正を施す。
補正された色成分である。また、g'は色成分の露光量
を補正するためのゲインであるが、この値は、輝度成分
に対するゲインと異なる値を用いることも可能である。
うに露光量を補正して得られた短時間露光画像xS
(x,y)の輝度成分yS''''(x,y)および色成分
cS''''(x,y)を、長短露光画像合成器41(図1
0)に出力する。
(x,y)および動きずれ係数M(x,y)、ならびに
長時間露光画像xL(x,y)の輝度成分yL(x,
y)および色成分cL(x,y)と、露光量補正後の短
時間露光画像xS(x,y)の輝度成分yS''''(x,
y)および色成分cS''''(x,y)とが入力される。
長短露光画像合成器41は、入力された信号のうち、輝
度成分yL(x,y),yS''''(x,y)を、合成係
数C(x,y)および動きずれ係数M(x,y)を用い
て、上述の(15)式と実質的に同様にして合成する。
また、色成分cL(x,y),cS''''(x,y)につ
いても同様にして合成される。このように合成された輝
度成分と色成分とが、さらにYC合成され、これにより
広いダイナミックレンジを有する合成カラー画像X
(x,y)が生成される。
ば、単板式のカラー撮像装置によって得られたカラー画
像に対しても、上記各実施の形態と同様に、動きずれに
起因するSNの劣化を回避し、主観的に好ましい合成画
像を生成することができる。
されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実
施の形態では、短時間露光画像の露光量を長時間露光画
像を基準にして補正する場合について説明したが、長時
間露光画像の露光量を短時間露光画像を基準にして補正
するようにしても良い。また、各露光画像の双方の露光
量を補正するようにしても良い。
のいずれか1項に記載の撮像方法または請求項6ないし
10のいずれか1項に記載の撮像装置によれば、複数の
画像間で動きずれの生じている位置を検出し、その検出
結果に基づいて、複数の画像を合成し、ダイナミックレ
ンジの広い単一の画像を生成するようにしたので、動き
ずれがあったとしても、主観的に好ましい合成画像が得
られる。すなわち、時分割方式によって得られた露光量
の異なる複数の画像間に動きずれがあったとしても、そ
れによって生ずるSNの劣化を回避し、主観的に好まし
い合成画像を生成することができる。
成を示すブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
ついて示す説明図である。
成を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
ある。
ある。
構成図である。
る。
る。
いて示す説明図である。
示す構成図である。
信号波形図である。
て示す説明図である。
示す説明図である。
出器、13…差分係数算出器、14…乗算器、15…平
滑化器、16,16A,16B…合成器、17S,17
L…YC分離器、20,30,31…減算器、21,3
2…除算器、22,33…リミッタ、40…短時間露光
画像合成器、41…長時間露光画像合成器、42…ゲイ
ンオフセット補正器。
Claims (10)
- 【請求項1】 異なる露光条件により撮像した複数の画
像から、1つの露光条件で撮像された画像よりもダイナ
ミックレンジの広い単一の画像を生成する撮像方法であ
って、 露光条件の異なる複数の画像を異なる時刻において撮像
する撮像過程と、 前記複数の画像の少なくとも1つに対して撮像時の露光
量を補正して少なくとも1つの補正画像を生成する露光
量補正過程と、 前記補正画像を含む複数の画像から、前記複数の画像間
で動きずれの生じている位置を検出する動きずれ検出過
程と、 前記動きずれ検出過程での検出結果に基づいて、前記複
数の画像を合成し、ダイナミックレンジの広い単一の画
像を生成する合成過程とを含むことを特徴とする撮像方
法。 - 【請求項2】 前記動きずれ検出過程では、前記複数の
画像のうち2つの画像に関して、露光量が大きい画像の
画素レベルに飽和が発生し、なおかつ小さい露光量に対
応する前記補正画像上の画素レベルが、露光量が大きい
画像の画素レベルよりも小さい場合に、前記2つの画像
の間に前記動きずれが存在すると判定することを特徴と
する請求項1記載の撮像方法。 - 【請求項3】 前記合成過程では、前記複数の画像のう
ち2つの画像に関して、前記動きずれが存在しない領域
においては、画素レベルの飽和が発生しておらず、かつ
撮像時の露光量が最も大きなものを選択して合成するこ
とを特徴とする請求項1記載の撮像方法。 - 【請求項4】 前記合成過程では、前記複数の画像のう
ち2つの画像に関して、前記動きずれが存在する領域に
おいては、露光量の小さい画像に対して平滑化処理を施
した後に合成することを特徴とする請求項1記載の撮像
方法。 - 【請求項5】 前記合成過程では、前記複数の画像のう
ち2つの画像に関して、前記動きずれが存在する領域に
おいては、露光量の大きい画像を選択して合成すること
を特徴とする請求項1記載の撮像方法。 - 【請求項6】 異なる露光条件により撮像した複数の画
像から、1つの露光条件で撮像された画像よりもダイナ
ミックレンジの広い単一の画像を生成する撮像装置であ
って、 露光条件の異なる複数の画像を異なる時刻において撮像
する撮像手段と、 前記複数の画像の少なくとも1つに対して撮像時の露光
量を補正して少なくとも1つの補正画像を生成する露光
量補正手段と、 前記補正画像を含む複数の画像から、前記複数の画像間
で動きずれの生じている位置を検出する動きずれ検出手
段と、 前記動きずれ検出手段の検出結果に基づいて、前記複数
の画像を合成し、ダイナミックレンジの広い単一の画像
を生成する合成手段とを備えたことを特徴とする撮像装
置。 - 【請求項7】 前記動きずれ検出手段は、前記複数の画
像のうち2つの画像に関して、露光量が大きい画像の画
素レベルに飽和が発生し、なおかつ小さい露光量に対応
する前記補正画像上の画素レベルが、露光量が大きい画
像の画素レベルよりも小さい場合に、前記2つの画像の
間に前記動きずれが存在すると判定することを特徴とす
る請求項6記載の撮像装置。 - 【請求項8】 前記合成手段は、前記複数の画像のうち
2つの画像に関して、前記動きずれが存在しない領域に
おいては、画素レベルの飽和が発生しておらず、かつ撮
像時の露光量が最も大きなものを選択して合成すること
を特徴とする請求項6記載の撮像装置。 - 【請求項9】 前記合成手段は、前記複数の画像のうち
2つの画像に関して、前記動きずれが存在する領域にお
いては、露光量の小さい画像に対して平滑化処理を施し
た後に合成することを特徴とする請求項6記載の撮像装
置。 - 【請求項10】 前記合成手段は、前記複数の画像のう
ち2つの画像に関して、前記動きずれが存在する領域に
おいては、露光量の大きい画像を選択して合成すること
を特徴とする請求項6記載の撮像装置。
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