JP2003004967A - 一括融着接続方法と一括融着接続装置 - Google Patents

一括融着接続方法と一括融着接続装置

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JP2003004967A
JP2003004967A JP2001190686A JP2001190686A JP2003004967A JP 2003004967 A JP2003004967 A JP 2003004967A JP 2001190686 A JP2001190686 A JP 2001190686A JP 2001190686 A JP2001190686 A JP 2001190686A JP 2003004967 A JP2003004967 A JP 2003004967A
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optical fiber
optical fibers
fusion splicing
curved
coating
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JP2001190686A
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Eiichiro Yamada
英一郎 山田
Kazuto Saito
和人 斎藤
Mitsuaki Tamura
充章 田村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多心のテープ状光ファイバの各光ファイバに
均一に放電エネルギーが与えられるようにするととも
に、各光ファイバの突合せ端面間の距離を均一に維持で
きる一括融着接続を提供する。 【解決手段】 テープ状光ファイバ1の端部の被覆を除
去して露出された複数本の光ファイバ2を、放電電極5
の中心軸線からの距離が内側に位置する光ファイバより
外側に位置する光ファイバの方が大きくなるように湾曲
状に配列するV溝基板3と押え部材4を備え、複数本の
光ファイバ2に均一に放電エネルギーを与えて融着接続
する一括融着接続装置であって、テープ状光ファイバ1
の被覆の端部分を、湾曲状に配列する光ファイバ2に合
わせて湾曲状に固定する被覆クランプ7を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多心のテープ状光
ファイバを放電により一括して融着接続する一括融着接
続方法と一括融着接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバテープ心線のような多
心のテープ状光ファイバを接続する場合、複数本の光フ
ァイバを一括して融着接続することが行なわれている。
この一括融着接続には、通常、1対の放電電極間で生じ
る放電エネルギーを利用して、融着接続する双方の光フ
ァイバの接続端を同時に溶融して突合せ接続する方法が
用いられている。
【0003】図8は、この放電による一括融着接続方法
の概要を示し、図8(A)は斜視図、図8(B)は放電
状態を示す部分図を示す。図中、1は光ファイバテープ
心線、2は光ファイバ、3はV溝基板、4は押え部材、
5は放電電極、6はアーク放電を示す。接続に際して、
先ず、双方の光ファイバテープ心線1の先端部分の被覆
を除去して、複数本のガラスの光ファイバ2を露出させ
る。露出された複数本の光ファイバ2は、双方の接続端
面が所定の間隔で対抗するようにV溝基板3に入れ、押
え部材4で押えて位置決めされる。この後、1対の放電
電極5間にアーク放電6を生じさせて光ファイバ2の接
続端面を溶融し、双方もしくは片方の光ファイバ2を相
手方に押込むことにより互いに融着接続する。
【0004】しかしながら、図8(B)に示すように多
数本の光ファイバ2が、同一平面に配列されていると、
放電電極5に近いほど放電エネルギーが高いことから、
外側に配列される光ファイバ2aと中央部に配列される
光ファイバ2bとでは、受けるエネルギーに差が生じ
る。また、外側の光ファイバ2aが内側の光ファイバ2
bを遮ることによっても、受ける熱エネルギーに差が生
じる。このため、外側の光ファイバ2aが接続に十分な
溶融状態にあるにもかかわらず、内側の光ファイバ2b
が十分な溶融状態になっておらず、この状態で、双方も
しくは片方の光ファイバ2を相手方に押込むと、内側の
光ファイバ2bは軸ずれを起こしやすい。また、内側の
光ファイバ2bの溶融状態に合わすと、外側の光ファイ
バ2aが溶融過度になって外観が変形してしまう。これ
らの状態での融着接続は、接続損失を悪化させる原因と
なる。
【0005】このような問題を解決する接続方法とし
て、図9に示すように、多数本の光ファイバ2と放電電
極5の中心軸線とからの距離をそれぞれ異ならせ、それ
ぞれの光ファイバ2に均一に放電エネルギーが与えられ
るようにした構成が知られている(特開平9−9015
2号公報参照)。すなわち、外側の光ファイバ2aは放
電電極5の中心軸線5aからの距離を遠くし、内側の光
ファイバ2bは放電電極5の中心軸線5aからの距離を
近くしている。
【0006】それぞれの光ファイバ2と放電電極5の中
心軸線からの距離を異ならせる手段として、多数本の光
ファイバ2の支持高さを変えている。光ファイバ2の支
持高さを変えるには、V溝基板3の外側の光ファイバ2
aの入るV溝を深くし内側の光ファイバ2bが入るV溝
を浅くしたり、またはV溝基板3の各V溝の高さを変
え、複数に分割された押え部材4で保持している。
【0007】しかし、図9のように光ファイバ2のそれ
ぞれの高さ位置を異ならせると、光ファイバ2の接続端
面の位置がずれるという問題がある。また、分割された
押え部材4で光ファイバ2を2本ずつ押える構造である
ため、押え部材4は前後方向に位置をずらせて配置され
る。このため、押え部材4の長手方向距離を十分取るこ
とができず、光ファイバの押えが不足し、光ファイバは
軸ずれを起こしやすい。さらに、光ファイバの長手方向
の押える位置が異なるため、融着端面から押え位置まで
の距離が光ファイバによって異なる。距離が大きい光フ
ァイバは軸ずれが生じやすい。
【0008】図10は、この光ファイバ2の先端面の位
置がずれる状態を示す図で、図10(A)は正面図、図
10(B)は上面図、図10(C)は側面図を示す。複
数本の光ファイバ2は、光ファイバテープ心線1の被覆
された状態においては、テープ被覆内でほぼ平行に平面
配列され保持固定されている。そして、融着接続のため
端部の被覆が除去され露出された光ファイバ2は、先端
を揃えてカットされ、露出された光ファイバ長さは一定
になっている。この状態で、光ファイバ2の端部をV溝
基板3で強制的に高さ位置を異ならせると、被覆された
平面から上下に変位された光ファイバは、変位のない光
ファイバに対して、先端面の長手方向位置が後退する。
【0009】それぞれの光ファイバ2の接続端面の長手
方向位置にずれがあると、光ファイバの突合せ間隔が異
なることになる。一括融着接続では、全ての光ファイバ
端面を溶融後、双方もしくは片方の全光ファイバを同時
に押込んで融着させる必要がある。このため、突合せ間
隔が大きい光ファイバでは押込み不足となり、突合せ間
隔が小さい光ファイバでは軸ずれが生じ、いずれも伝送
損失の増加につながる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、多心のテープ状光ファイバ
の各光ファイバと放電電極の中心軸線とからの距離をそ
れぞれ異ならせ、各光ファイバに均一に放電エネルギー
が与えられるようにするとともに、全ての光ファイバを
確実に押え、かつ各光ファイバの突合せ端面間の間隔を
均一にして、一括融着が行なえる一括融着接続方法と一
括融着接続装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一括融着接続方
法は、テープ状光ファイバの端部の被覆を除去して露出
された複数本の光ファイバを、放電電極の中心軸線から
の距離が内側に位置する光ファイバより外側に位置する
光ファイバの方が大きくなるように湾曲状に配列し、複
数本の光ファイバに均一に放電エネルギーを与えて融着
接続する一括融着接続方法であって、テープ状光ファイ
バの被覆の端部分を、湾曲状に配列する光ファイバに合
わせて湾曲状に固定して融着接続することを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の一括融着接続装置は、テー
プ状光ファイバの端部の被覆を除去して露出された複数
本の光ファイバを、放電電極の中心軸線からの距離が内
側に位置する光ファイバより外側に位置する光ファイバ
の方が大きくなるように湾曲状に配列するV溝基板と押
え部材を備え、複数本の光ファイバに均一に放電エネル
ギーを与えて融着接続する一括融着接続装置であって、
テープ状光ファイバの被覆の端部分を、湾曲状に配列す
る光ファイバに合わせて湾曲状に固定する被覆クランプ
を配置することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4により本発明の実施の
形態を説明する。図1は一括融着接続端部分の側面図、
図2は図1の放電状態を示す部分図、図3は図1のa−
a方向からの光ファイバテープ心線のクランプ部を示す
図、図4は図1のb−b方向からの光ファイバのV溝ク
ランプを示す図である。図中、7は被覆クランプで、そ
の他、図8および図9と同一の機能を備える構成部分に
同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0014】一括融着接続に際して、従来技術の図8で
説明したように、先ず、双方の光ファイバテープ心線1
の先端部分の被覆を除去して、複数本のガラスの光ファ
イバ2を露出させる。露出された複数本の光ファイバ2
は、双方の接続端面(図では片側のみを示している)が
所定の間隔で対抗するようにV溝基板3に入れて配列
し、押え部材4で押えて位置決めする。また、被覆が除
去されていない光ファイバテープ心線1の被覆部分を被
覆クランプ7で保持固定する。この後、1対の放電電極
5間にアーク放電6を生じさせて光ファイバ2の端面を
溶融し、双方もしくは片方の光ファイバ2を相手方に押
込むことにより互いに融着接続する。
【0015】本発明では、融着接続に際して、図2
(B)に示すように従来例の図9で説明した構成と同様
に、多数本の光ファイバ2と放電電極5の中心軸線5a
とからの距離をそれぞれ異ならせ、それぞれの光ファイ
バ2に均一に放電エネルギーが与えられるようにする。
すなわち、放電エネルギーが与えられやすい外側の光フ
ァイバ2aは放電電極5の中心軸線5aからの距離を遠
くし、放電エネルギーが与えられにくい内側の光ファイ
バ2bは放電電極5の中心軸線5aからの距離を近くし
ている。なお、「均一に」とは、全く同一という意味で
はなく、所定の範囲内にあるという意味である。
【0016】それぞれの光ファイバ2と放電電極5の中
心軸線5aからの距離を異ならせる手段として、図3に
示すように、光ファイバテープ心線1を保持固定する被
覆クランプ7のクランプ面7a(光ファイバの中心を横
切る面)を凸状に形成して、光ファイバ露出部近くの光
ファイバテープ心線1の被覆部分を固定する。これによ
り、光ファイバ露出部近くでは、テープ被覆内の光ファ
イバは平面配列状態ではなくなり、クランプ面7aに倣
って湾曲した配列とされる。
【0017】しかし、被覆内の固定された状態の光ファ
イバを変位させるので、光ファイバテープ心線1の被覆
内の光ファイバを強制的に湾曲状に配列しても、その先
端部の位置は変わらない。したがって、図2(A)に示
すように全光ファイバ2は、突き出たり、後退すること
なく先端が均一に揃えられた状態で固定され、アーク放
電6による放電エネルギーを受けることができる。
【0018】図4のV溝クランプは、クランプ面を凸状
にした図4(A)と図4(B)の2つの例を示したもの
である。図4(A)に示す例は、V溝基板3を被覆クラ
ンプ7のクランプ面7aと同様な凸状に湾曲したクラン
プ面3a(光ファイバ2の中心を横切る面)に倣わせ
て、光ファイバ2の長手方向に沿う複数のV溝3bを設
けたものである。V溝3bは、その開き角度が90°位
で、凸状に湾曲したクランプ面3aの法線方向に向けて
設けられ、光ファイバ2が所定のピッチP(光ファイバ
テープ心線1の光ファイバピッチにほぼ等しい)で等間
隔に配列されるように形成される。なお、このような凸
状の湾曲面をもつ部材上にV溝を設けることは比較的容
易である。押え部材4は、単一の部材により形成され、
V溝基板3のクランプ面3aに対応する凹状に湾曲した
押え面4aを備え、その表面は滑らかな面で形成してあ
る。押え面4aは、V溝基板3のクランプ面3aに倣っ
て配列された複数本の光ファイバ2を法線方向に押圧す
る。
【0019】図4(B)に示す例は、図4(A)と同様
にV溝基板3を被覆クランプ7のクランプ面7aと同様
な凸状に湾曲したクランプ面3aに倣わせて、光ファイ
バの長手方向に沿う複数のV溝3bを設けたものであ
る。V溝3bは、その開き角度が90°位で、全て上面
方向の一方向に向けて設けられ、光ファイバ2が所定の
ピッチP(光ファイバテープ心線1の光ファイバピッチ
にほぼ等しい)で等間隔に配列されるように形成され
る。押え部材4は、単一の部材により形成され、V溝基
板3のクランプ面3aに対応した凹状に湾曲した押え面
4aを備え、その表面は階段状に形成してある。押え面
4aは、V溝基板3のクランプ面3aに倣って配列され
た複数本の光ファイバ2を下面方向に押圧する。なお、
図4(A)および図4(B)の例は、いずれも光ファイ
バ2をV溝3bに対して真上から押える構造となってい
るため、しっかりと確実に押えることができ、軸ずれが
生じない。
【0020】本発明は、上述したように、一括融着接続
する光ファイバテープ心線の接続端部の露出された光フ
ァイバ2を、放電電極5の中心軸線5aからの距離を異
ならせるとともに、露出された光ファイバ2の近傍の被
覆部分も光ファイバの軸線方向に沿って同様に異ならせ
ている。すなわち、光ファイバ2の先端から被覆クラン
プ7の後端まで、ほぼ直線状で全光ファイバ2の相対的
な位置関係が保たれているといえる。光ファイバテープ
心線1の被覆で平面状に配列保持されている全光ファイ
バ2は、被覆クランプ7で長手方向と直交する方向に相
対的に位置変化されるが、被覆内においては光ファイバ
の長手方向の移動は生じない。
【0021】したがって、被覆クランプ7で相対的位置
変化を与えても光ファイバの長手方向の移動はなく、図
10で示したような光ファイバ2の接続端の先端面の長
手方向へのずれは生じない。このため、光ファイバ2の
高さ位置を異ならせることによる突合せ間隔が変化する
ことはなく、全ての光ファイバ端面を溶融後、双方もし
くは片方の全光ファイバを同時に押込んでも押込み不足
や軸ずれを起こすことなく、融着させることができ、こ
れによる伝送損失の増加を少なくすることができる。
【0022】図5〜図6は、光ファイバ2と放電電極5
の中心軸線5aからの距離を異ならせる他の例を示す図
で、図5は図1のa−a方向からの光ファイバテープ心
線の被覆クランプを示す図、図6は図1のb−b方向か
らの光ファイバのV溝クランプを示す図である。図中、
図3〜図4に示した構成と同一の機能を備える部分に同
じ符号を付すことで詳細説明を省略する。
【0023】図5に示すように、光ファイバテープ心線
1を保持固定する被覆クランプ7のクランプ面7a(光
ファイバの中心を横切る面)を、図3では凸状に形成し
たのに対して凹状に形成して、光ファイバ露出部近くの
光ファイバテープ心線1の被覆部分を固定する。これに
より、光ファイバ露出部近くでは、光ファイバテープ心
線1の被覆内の光ファイバは平面配列状態ではなくな
り、クランプ面7aに倣って湾曲した配列とされる。
【0024】図6のV溝クランプは、クランプ面を凹状
にした図6(A)と図6(B)の2種類の例を示したも
のである。図6(A)に示す例は、V溝基板3を被覆ク
ランプ7のクランプ面7aと同様な凹状に湾曲したクラ
ンプ面3a(光ファイバ2の中心を横切る面)に倣わせ
て、光ファイバの長手方向に沿う複数のV溝3bを設け
たものである。V溝3bは、その開き角度が90°位
で、凹状に湾曲したクランプ面3aの法線方向に向けて
設けられ、光ファイバ2が所定のピッチP(光ファイバ
テープ心線1の光ファイバピッチにほぼ等しい)で等間
隔に配列されるように形成される。押え部材4は、単一
の部材により形成され、V溝基板3のクランプ面3aに
対応する凸状に湾曲した押え面4aを備え、その表面は
滑らかな面で形成してある。押え面4aは、V溝基板3
のクランプ面3aに倣って配列された複数本の光ファイ
バ2を法線方向に押圧する。
【0025】図6(B)に示す例は、図6(A)と同様
にV溝基板3を被覆クランプ7のクランプ面7aと同様
な凹状に湾曲したクランプ面3aに倣わせて、光ファイ
バの長手方向に沿う複数のV溝3bを設けたものであ
る。V溝3bは、その開き角度が90°位で、全て上面
方向の一方向に向けて設けられ、光ファイバ2が所定の
ピッチP(光ファイバテープ心線1の光ファイバピッチ
にほぼ等しい)で等間隔に配列されるように形成され
る。押え部材4は、単一の部材により形成され、V溝基
板3のクランプ面3aに対応した凸状に湾曲した押え面
4aを備え、その表面は階段状に形成してある。押え面
4aは、V溝基板3のクランプ面3aに倣って配列され
た複数本の光ファイバ2を下面方向に押圧する。
【0026】図6(A)および図6(B)の例は、いず
れも光ファイバ2をV溝3bに対して真上から押える構
造となっているため、しっかりと確実に押えることがで
き、軸ずれが生じない。また、光ファイバテープ心線1
の被覆除去部の光ファイバは静電気を帯びやすく、その
静電気により互いに反発し広がりやすいため、凹状に湾
曲したクランプ面3aのV溝基板を用いることで光ファ
イバをセットしやすい。さらに、図6(A)および図6
(B)の構造の場合、放電電極が光ファイバ2の下側で
押え部材4から離れる位置となるため、押え部材4はあ
まり高い温度とはならず、このため、材質選定の自由度
が広くなる。
【0027】図7は、多心一括融着接続における融着部
の温度分布(図の上方の分布)を示す図である。融着接
続に必要な温度範囲は、光ファイの種類によって異なる
が、大体1500℃〜1600℃位が適切である。この
図は、横軸にV溝基板上に複数本の光ファイバを配列
し、一方の端の光ファイバから他方の端の光ファイバに
順に番号を付与し、縦軸に融着部における各光ファイバ
の温度をプロットしたものである。細線は従来(図8)
の光ファイバを平面状に配列して、放電エネルギーを付
与した場合の温度分布を示す。太線が本発明で用いた光
ファイバを湾曲状に配列して、放電エネルギーを付与し
た場合の温度分布を示す。
【0028】この図7から明らかなように、光ファイバ
を単に平面状に配列して放電エネルギーを付与した場合
は、外側に位置する光ファイバ(1番および8番)の温
度が高く、内側に位置する光ファイバ(4番および5
番)の温度が低く温度差が大きい。これに対し、本発明
のように光ファイバを湾曲状に配列して放電エネルギー
を付与した場合は、外側に位置する光ファイバ(1番お
よび8番)と内側に位置する光ファイバ(4番および5
番)との温度差が小さい。このような範囲であれば、全
光ファイバに均一な放電エネルギーが与えられていると
いえる。本発明の一括融着接続方法によれば、上述の適
切な融着接続を行なうことができる。
【0029】また、本発明による一括融着接続方法は、
モードフィールド径の異なる光ファイバの接続にも適用
することができる。互いに接続される光ファイバのモー
ドフィールド径が異なると、接続部での急激なモードフ
ィールド径の違いにより光損失を生じさせる。この光損
失を低減させる方法として、融着接続に引続いて接続部
近傍を再加熱してコアドーパントを拡散させる方法(Th
ermal Expanded Core略称:TEC)が知られている。
【0030】TECを実施する場合、放電エネルギーは
融着接続時よりは低いエネルギーで実施されるが、融着
接続時と同様に、外側に配列する光ファイバ2aと内側
に配列する光ファイバ2bとでは、受ける熱エネルギー
に差が生じる。このため、内側の光ファイバ2bと外側
の光ファイバ2aでは、TEC状態に差が生じ、内側光
ファイバ2bのTECが完了する頃には、外側の光ファ
イバ2aには過剰なエネルギーのため損失が増加するこ
ととなる。したがって、上述した本発明の光ファイバを
湾曲状に配列して放電を付与する方法を用いることによ
り、TEC実施時の放電加熱でも全光ファイバ2に対し
て放電エネルギーの均一化を図ることができる。
【0031】図7の下側にTEC時の温度分布を示す。
TECの温度範囲は、コアドーパントが拡散する温度か
ら光ファイバが軟化する温度の範囲が適切で、光ファイ
バの種別によって異なるが、例えば、日本電気製のサー
モトレーサ「TH3104MR」による測定では、大体
700℃〜1000℃位の範囲が目安とされる。この図
から明らかなように、融着接続の場合と同様に全光ファ
イバに均一な放電エネルギーが与えられ、良好なTEC
を実施することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、多心のテープ状光ファイバの一括融着接続
で、複数本の光ファイバ2に均一に放電エネルギーが与
えるように光ファイバ2の高さ位置を異ならすととも
に、これによる複数本の光ファイバの突合せ間隔が変化
しないようにすることができる。この結果、全ての光フ
ァイバ端面を溶融後、双方もしくは片方の全光ファイバ
を同時に押込んでも、押込み量不足や押込み過多による
軸ずれを起こすことなく融着させることができ、伝送損
失の増加を少なくすることができる。また、本発明のV
溝基板と押え部材を用いることにより、全光ファイバを
V溝に対して真上からしっかりと確実に押えることがで
きるため、融着接続時に光ファイバの軸ずれが生じず、
融着接続時の作業性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する一括融着接続端
部分の側面図である。
【図2】図1の放電状態を示す部分図である。
【図3】図1のa−a方向からの断面を示す図である。
【図4】図1のb−b方向からの断面を示す図である。
【図5】図1のa−a方向からの断面の他の実施の形態
を示す図である。
【図6】図1のb−b方向断面の他の実施の形態を示す
図である。
【図7】多心一括融着接続における融着部の温度分布を
示す図である。
【図8】従来の一括融着接続方法の概要を説明する図で
ある。
【図9】従来の他の一括融着接続方法を説明する図であ
る。
【図10】従来の他の一括融着接続方法における接続端
部を示す図である。
【符号の説明】
1…光ファイバテープ心線、2…光ファイバ、3…V溝
基板、4…押え部材、5…放電電極、6…アーク放電、
7…被覆クランプ。
フロントページの続き (72)発明者 田村 充章 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 JA01 LA03 LA08 MA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状光ファイバの端部の被覆を除去
    して露出された複数本の光ファイバを、放電電極の中心
    軸線からの距離が内側に位置する光ファイバより外側に
    位置する光ファイバの方が大きくなるように湾曲状に配
    列し、前記複数本の光ファイバに均一に放電エネルギー
    を与えて融着接続する一括融着接続方法であって、前記
    テープ状光ファイバの被覆の端部分を、湾曲状に配列す
    る前記光ファイバに合わせて湾曲状に固定して融着接続
    することを特徴とする一括融着接続方法。
  2. 【請求項2】 テープ状光ファイバの端部の被覆を除去
    して露出された複数本の光ファイバを、放電電極の中心
    軸線からの距離が内側に位置する光ファイバより外側に
    位置する光ファイバの方が大きくなるように湾曲状に配
    列するV溝基板と押え部材を備え、前記複数本の光ファ
    イバに均一に放電エネルギーを与えて融着接続する一括
    融着接続装置であって、前記テープ状光ファイバの被覆
    の端部分を、湾曲状に配列する前記光ファイバに合わせ
    て湾曲状に固定する被覆クランプを配置することを特徴
    とする一括融着接続装置。
  3. 【請求項3】 前記V溝基板のV溝を湾曲状のクランプ
    面の法線方向に向けて形成し、前記押え部材を前記複数
    本の光ファイバを前記湾曲状のクランプ面の法線方向に
    押圧する滑らかな湾曲面で形成することを特徴とする請
    求項2に記載の一括融着接続装置。
  4. 【請求項4】 前記V溝基板のV溝を湾曲状のクランプ
    面の上方の一方向に向けて形成し、前記押え部材を前記
    複数本の光ファイバを前記湾曲状のクランプ面の下方の
    一方向に押圧する階段状の湾曲面で形成することを特徴
    とする請求項2に記載の一括融着接続装置。
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