JP2003315598A - 放電による一括融着接続方法および一括融着接続装置 - Google Patents

放電による一括融着接続方法および一括融着接続装置

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JP2003315598A
JP2003315598A JP2002119552A JP2002119552A JP2003315598A JP 2003315598 A JP2003315598 A JP 2003315598A JP 2002119552 A JP2002119552 A JP 2002119552A JP 2002119552 A JP2002119552 A JP 2002119552A JP 2003315598 A JP2003315598 A JP 2003315598A
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optical fibers
fusion splicing
optical fiber
discharge path
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Eiichiro Yamada
英一郎 山田
Kazuto Saito
和人 斎藤
Mitsuaki Tamura
充章 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融着接続のためのアーク放電加熱またはTE
C処理の追加加熱で、アーク放電路を磁界作用により所
定の曲率半径に湾曲させ、多心の全光ファイバに均一に
熱エネルギーを加えるようにした放電による一括融着接
続方法および一括融着接続装置を提供する。 【解決手段】 端部被覆を除去した複数本の光ファイバ
2を、V溝基板5で平面状に一列に配列して接続端4を
突き合わせ、光ファイバ2の配列方向にアーク放電によ
る熱エネルギーを与えて融着接続する一括融着接続方法
であって、放電電極7間のアーク放電路8を水平磁界H
mの作用により最外側に位置する光ファイバ間の距離に
相当する曲率半径で湾曲させ、配列の内側に位置する光
ファイバがアーク放電路8に近く、配列の外側に位置す
る光ファイバがアーク放電路8から遠くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多心の光ファイバ
をアーク放電により一括融着接続する方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバテープ心線のような多
心のテープ状光ファイバを接続する場合、複数本の光フ
ァイバを一括して融着接続することが行なわれている。
この一括融着接続には、通常、1対の放電電極間で生じ
るアーク放電による熱エネルギーで融着接続する双方の
光ファイバの接続端を同時に溶融し、突き合せ接続する
方法が用いられている。さらに、近年は、波長多重伝送
用光ファイバやラマン増幅用光ファイバ等の高機能光フ
ァイバを、通常のシングルモード光ファイバと組み合わ
せたハイブリッド光ファイバの開発が進められている。
この光ファイバの開発では、光ファイバ自身の特性向上
のみならず光ファイバ同士の接続技術が重要な要素とな
っている。
【0003】図6は、この放電による一括融着接続方法
の概要を示し、図6(A)は斜視図、図6(B)は放電
状態を示す部分図、図6(C)各光ファイバに加えられ
る熱エネルギー量の状態を示す。図中、1は光ファイバ
テープ心線、2は光ファイバ、4は融着接続部、5はV
溝基板、6は押え部材、7は放電電極、8はアーク放電
路を示す。融着接続に際して、先ず、双方の光ファイバ
テープ心線1の先端部分の被覆を除去して、ガラスの光
ファイバ2を露出させる。露出された複数本の光ファイ
バ2は、V溝基板5と押え部材6で位置決めされ、双方
の接続端面を所定の間隔で対向するように調整される。
この後、複数本の光ファイバ2の配列面からオフセット
配置した1対の放電電極7間に、アーク放電路8を生じ
させて光ファイバ2の接続端を溶融し、双方もしくは片
方の光ファイバ2を相手方に押込むことにより一括融着
接続される。
【0004】しかしながら、図6(B)に示すように複
数本の光ファイバ2が、同一平面に配列されていると、
放電電極7に近いほど放電エネルギーが高いことから、
外側に配列される光ファイバ2aと内側に配列される光
ファイバ2bとでは、受ける熱エネルギーに差が生じ
る。また、外側の光ファイバ2aが内側の光ファイバ2
bを遮ることによっても、受ける熱エネルギーに差が生
じる。図6(C)は、複数本の光ファイバ2に加えられ
た熱エネルギーの分布を示すもので、外側の光ファイバ
2aに加えられた熱エネルギーは、内側の光ファイバ2
bに加えられた熱エネルギーより多い。このため、融着
接続状態にムラが生じる。
【0005】また、モードフィールド径が異なる高機能
光ファイバと、通常のシングルモード光ファイバとの接
続では、アーク放電による融着接続のみでは実用的な接
続損失が得るのが難しい。このため、融着接続部4およ
びその近傍を追加加熱処理して、接続部のモードフィー
ルド径を一致させるようにコア径をテーパー状に拡大し
て滑らかな形状にする方法(Thermally-diffused Expan
ded Core、以下、TECという)等が知られている(例
えば、特許2618500号公報参照)。
【0006】図7は、上述の融着接続後に追加加熱処理
を行なう一例を示す図である。図7(A)は、モードフ
ィールド径の異なる光ファイバを融着接続のため対向配
置させた状態を示す図、図7(B)はアーク放電で融着
接続させた状態を示す図、図7(C)は追加の加熱でT
EC処理を行なった状態を示す図である。図中、3a,
3bはコア部を示し、他の符号は図6に用いた符号と同
じものを用い詳細説明を省略する。
【0007】互いに融着接続する光ファイバ2は、クラ
ッド部の外径は同じであるが、コア部3aと3bのモー
ドフィールド径および比屈折率差が異なる。光ファイバ
2同士は図7(A)に示すように接続端面を対向配置さ
せた後、図7(B)に示すようにアーク放電により接続
端を溶融して融着させる。単に融着接続しただけでは、
モードフィールド径の違いにより、接続が不連続または
不一致となり接続損失が大きくなる。
【0008】これを改善するために、図7(C)に示す
ように、融着接続部4の近傍をアーク放電等で追加加熱
してTEC処理する。この追加加熱は、光ファイバ2自
身は溶融しないが、コア部3a,3bに添加されている
屈折率を上げるドーパントがクラッド部に拡散する温度
と時間で行なわれる。この追加加熱により、モードフィ
ールド径が小さく比屈折率差の大きい光ファイバのコア
部3bのモードフィールド径がテーパー状に拡大され
て、他方の光ファイバのコア部3aとの不連続または不
一致状態を小さくし、接続損失を低減する。このような
異種光ファイバ間で融着接続を行なう場合は、上述した
TEC処理を行なうことで、モードフィールド径の小さ
い光ファイバのモードフィールド径を、他方の光ファイ
バのモードフィールド径に徐々に近づけ、接続損失を低
減できることが明らかになっている。また、このような
加熱によるTEC処理は、同種の光ファイバ同士の接続
でも、融着接続部分のモードフィールド径を拡大して偏
心等による接続損失を低減することに有効であることが
知られている。
【0009】しかしながら、図6で説明した形態による
放電加熱方法は、外側の光ファイバ2aに加えられた熱
エネルギーは、内側の光ファイバ2bに加えられた熱エ
ネルギーより強いため、融着状態にムラが生じる。この
融着加熱時にTECもある程度進行する。さらにTEC
処理の追加加熱を、融着接続と同様な形態で行なうと、
内側の光ファイバ2bのTEC処理の進みが遅く、完了
する頃には外側の光ファイバ2aには過剰な熱エネルギ
ーが加えられて、かえって接続損失が増えるという事態
になる。
【0010】また、放電を用いた多心光ファイバの一括
融着接続で、放電電極間のアーク放電路に磁界を作用さ
せることにより偏向させる技術も知られている(特許2
854361号公報参照)。この公報技術によれば、ア
ーク放電路を磁界作用により任意に変位させて、均一な
温度分布を作り、多心光ファイバを効率よく融着接続で
きるとされている。しかしながら、どのような温度分布
とするのか具体的な開示がなく、その都度、最適な温度
分布を選択しなければならない。また、モードフィール
ド径の異なる多心光ファイバ間の融着接続についての開
示はなく、TEC処理をどのようにして行なうかについ
ては明らかにされていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、融着接続のためのアーク放
電加熱またはTEC処理の追加加熱で、アーク放電路を
磁界作用により所定の曲率半径に湾曲させ、多心の全光
ファイバに均一に熱エネルギーを加えるようにした放電
による一括融着接続方法および一括融着接続装置の提供
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の放電による一括
融着接続方法は、端部被覆を除去した複数本の光ファイ
バを、V溝基板で平面状に一列に配列して接続端を突き
合わせ、光ファイバの配列方向にアーク放電による熱エ
ネルギーを与えて融着接続する放電による一括融着接続
方法であって、放電電極間のアーク放電路を磁界の作用
により最外側に位置する光ファイバ間の距離に相当する
曲率半径で湾曲させ、配列の内側に位置する光ファイバ
がアーク放電路に近く、配列の外側に位置する光ファイ
バがアーク放電路から遠くすることを特徴とする。
【0013】また、本発明の放電による一括融着接続装
置は、端部被覆を除去した複数本の光ファイバを、V溝
基板で平面状に一列に配列して接続端を突き合わせ、光
ファイバの配列方向にアーク放電による熱エネルギーを
与えて融着接続する放電による一括融着接続装置であっ
て、放電電極間のアーク放電路を最外側に位置する光フ
ァイバ間の距離に相当する曲率半径で湾曲させる磁界発
生装置を備え、配列の内側に位置する光ファイバがアー
ク放電路に近く、配列の外側に位置する光ファイバがア
ーク放電路から遠くしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1および図2により、本発明の
実施の形態を説明する。図1は多心光ファイバの一括融
着接続部の斜視図、図2はアーク放電路を湾曲させた図
である。図中、9は水平磁界Hm発生用のマグネット、
10は垂直磁界Vm発生用のマグネットを示し、その他
の符号は、図6で使用したのと同じ符号を用いることに
より説明を省略する。
【0015】図1に示す一括融着接続部は、上述の特許
2854361号公報で開示された構成と同様のもの
で、光ファイバ2の軸方向に平行でアーク放電路8に直
交する水平磁界Hmを発生するマグネット9と、光ファ
イバ2に直交しアーク放電路8とも直交するする垂直磁
界Vmを発生するマグネット10を備えている。マグネ
ット9、10による磁界は、励磁コイル(図示せず)に
より励磁電流を流すことにより発生され、励磁電流の大
きさを調整することにより発生磁界の強さが変えられ
る。これらの磁界は、アーク放電路8に作用させて、水
平磁界Hmはアーク放電路8を上下方向に偏向させ、垂
直磁界Vmはアーク放電路8を水平方向に偏向する。
【0016】融着接続に際しては、図6で説明したのと
同様に、先ず、双方の多心光ファイバテープ心線1の先
端部分の被覆を除去して、ガラスの光ファイバ2を露出
させる。露出された複数本の光ファイバ2は、V溝基板
5と押え部材(図示せず)で位置決めされ、双方の接続
端面が所定の間隔で対向するように調整される。この
後、複数本の光ファイバ2の配列面からオフセット配置
した1対の放電電極7間にアーク放電路8に生じさせる
とともに、水平磁界Hmを作用させてアーク放電路8を
光ファイバ側に湾曲偏向させる。このアーク放電路8の
偏向により、配列の内側に位置する光ファイバはアーク
放電路に近く、配列の外側に位置する光ファイバがアー
ク放電路から遠くなる。
【0017】図2は、アーク放電路8を湾曲させた状態
を示す図で、アーク放電路8の中心8’を曲率半径Rで
湾曲させる。曲率半径Rは、多心光ファイバの最外側光
ファイバの間隔Pにほぼ等しい値とする。湾曲されたア
ーク放電路8の曲率半径Rとし、その曲率中心Dとして
アーク放電路の角度θを120°とすると、放電電極7
間の間隔は幾何学的に1.732Rとなる。しかし、こ
れらの寸法は厳密なものではなく、アーク放電路8が、
多心光ファイバの最外側光ファイバの間隔Pにほぼ等し
い距離の曲率半径Rで湾曲されていればよい。例えば、
8心の多心光ファイバの最外側光ファイバ間の距離Pが
1.75mmであるとすると、曲率半径Rも1.75m
mとなるようにアーク放電路を湾曲させる。このとき、
放電電極間隔は3.03mmとなる。なお、所定のアー
ク放電路を所定の曲率半径Rで湾曲させるには、アーク
電流の大きさと水平磁界Hmの強さを調整、選定すれば
よい。
【0018】上記の形態でアーク放電を発生させ、光フ
ァイバ2の接続端を溶融し、双方もしくは片方の光ファ
イバ2を相手方に押込むことにより一括融着接続する。
この融着接続方法を用いることにより、内側光ファイバ
2bと外側光ファイバ2aとは、ほぼ均一な熱エネルギ
ーを受けて、均一に加熱溶融されて融着接続され、全光
ファイバ間での接続損失のバラツキを少なくすることが
できる。
【0019】融着接続される多心光ファイバが互いにモ
ードフィールド径が異なる場合、融着接続部を追加加熱
してTEC処理を行ない、モードフィールド径の違いを
整合させる必要がある。このTEC処理は、融着接続に
引き続いて放電電極7により、アーク放電を発生させて
行なうことができる。この場合のアーク放電による追加
加熱は、光ファイバ2自身は溶融しないが、コア部に添
加されている屈折率を上げるドーパント剤がクラッド部
に拡散する温度と時間で行なう。
【0020】TEC処理の追加加熱は、図7で示したよ
うに、融着接続部のモードフィールド径をテーパー状に
拡大して整合させるため、融着接続部およびその両側近
傍も加熱する必要がある。従来は、このためバーナ等の
広がりのある加熱源を用いて、所定領域を追加加熱して
いた。本発明では、アーク放電路8を磁界作用により偏
向させることにより、融着接続で使用した放電電極7を
用い、また、融着接続部4との相対位置を変えることな
く、所定領域を均一に追加加熱するものである。
【0021】図3は、TEC処理を行なうときの本発明
による放電方法を示す図で、図3(A)は上面図、図3
(B)は側面図である。多心の光ファイバ2の一括融着
接続は、図1,2で示したように、アーク放電路8が融
着接続部4の真下の位置にある状態で行なわれる。この
融着接続が行なわれた後、アーク放電路8を中央の加熱
位置aから、加熱位置bまたは加熱位置cで示すように
左右に偏向させる。この偏向は、光ファイバの配列面と
直交する方向に配した垂直磁界発生用のマグネット10
による磁界を作用させることにより行なうことができ
る。
【0022】TEC処理時のアーク放電は、図2に示す
ように水平磁界Hmにより垂直方向に曲率半径Rで湾曲
させると同時に、垂直磁界Vmにより水平方向に偏向さ
せ、中央の加熱位置aから右側の加熱位置bまたは左側
の加熱位置cに変位させる。アーク放電路8は、水平磁
界Hmと垂直磁界Vmの合成磁界により、湾曲状態を保
持した状態で放電電極7を軸に任意の偏向角度γで、加
熱位置を変えることが可能である。この偏向角度γは、
水平磁界Hmと垂直磁界Vmの強さを制御することによ
り行なうことができ、アーク放電路8が加熱位置b−c
の間を往復移動するように設定することができる。な
お、モードフィールド径が小さい側の光ファイバを多く
加熱することにより、モードフィールド径の大きい光フ
ァイバに一致させる。したがって、アーク放電路を主と
してモードフィールド径が小さい側の光ファイバを加熱
するように垂直磁界を作用させるようにしてもよい。
【0023】上記の追加加熱は、湾曲されたアーク放電
路8により、一列に配列された多心光ファイバの外側と
内側の光ファイバ2a,2bを、一括融着接続の場合と
同様にほぼ均一に加熱することができる。この結果、図
4に示すように、融着接続部およびその近傍に均一な熱
エネルギーを加えることができ、接続損失のバラツキを
少なくすることができる。
【0024】図5は、多心一括融着接続における融着部
の温度分布(図の上方の分布)を示す図である。融着接
続に必要な温度範囲は、光ファイバの種類によって異な
るが、大体1500℃〜1600℃位が適切である。こ
の図は、横軸にV溝基板上に複数本の光ファイバを配列
し、一方の端の光ファイバから他方の端の光ファイバに
順に番号を付与し、縦軸に融着部における各光ファイバ
の温度をプロットしたものである。細線は従来(図6)
の光ファイバを平面状に配列して、放電エネルギーを付
与した場合の温度分布を示す。太線が本発明によるアー
ク放電路を湾曲状にして、放電エネルギーを付与した場
合の温度分布を示す。
【0025】この図5から明らかなように、光ファイバ
を平面状に一列に配列して直線状に放電エネルギーを付
与した場合は、外側に位置する光ファイバ(1番および
8番)の温度が高く、内側に位置する光ファイバ(4番
および5番)の温度が低く温度差が大きい。これに対
し、本発明のようにアーク放電路を湾曲状にして放電エ
ネルギーを付与した場合は、外側に位置する光ファイバ
(1番および8番)と内側に位置する光ファイバ(4番
および5番)との温度差が小さすることができ、均一と
いえる範囲内に収めることができ、接続損失のバラツキ
を少なくすることができる。
【0026】また、本発明による一括融着接続方法は、
モードフィールド径の異なる光ファイバの接続にも適用
することができる。このためのTEC処理を実施する場
合、放電エネルギーは融着接続時よりは低い加熱で実施
されるが、融着接続時と同様に、外側に配列する光ファ
イバ2aと内側に配列する光ファイバ2bとでは、受け
る熱エネルギーに差が生じる。このため、内側の光ファ
イバ2bと外側の光ファイバ2aでは、TEC状態に差
が生じ、内側の光ファイバ2bのTEC処理が完了する
頃には、外側の光ファイバ2aには過剰なエネルギーの
ため損失が増加することとなる。したがって、上述した
本発明のアーク放電路を湾曲状にして放電する方法を用
いることにより、TEC実施時の放電加熱でも全光ファ
イバ2に加える熱エネルギーを均一にすることができ
る。
【0027】図5の下側にTEC処理時の温度分布を示
す。TEC処理の温度範囲は、コア部のドーパントが拡
散する温度から光ファイバが軟化する温度の範囲が適切
で、光ファイバの種別によって異なるが、例えば、日本
電気製のサーモトレーサ「TH3104MR」による測
定では、大体700℃〜1000℃位の範囲が目安とさ
れる。この図から明らかなように、融着接続の場合と同
様に全光ファイバに均一な熱エネルギーが与えられ、良
好なTEC処理を実施することができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、多心光ファイバの一括融着接続で、複数本の
光ファイバ2に均一に熱エネルギーを加えることができ
る。この結果、全ての光ファイバ端面を溶融後、双方も
しくは片方の全光ファイバを同時に押込んでも、伝送損
失をバラツキの少な低減したものとすることができる。
また、モードフィールド径が異なる多心光ファイバの融
着接続で、融着接続のセット状態のままで、引続きTE
C処理を行なうことができ、さらに、均一な熱エネルギ
ーを加えることができる。この結果、TEC処理の作業
性を向上させることができ、モードフィールド径の違い
による伝送損失のバラツキも少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる多心光ファイバの一括融着接続
部の斜視図である。
【図2】本発明のアーク放電路を湾曲させた状態を示す
図である。
【図3】本発明の追加加熱時のアーク放電路を示す図で
ある。
【図4】本発明において、光ファイバに加えられる熱エ
ネルギー量の関係を説明する図である。
【図5】多心の光ファイバの一括融着接続における融着
部の温度分布を示す図である。
【図6】従来の多心の光ファイバの一括融着接続を説明
する図である。
【図7】従来のTEC処理を説明する図である。
【符号の説明】
1…多心光ファイバテープ心線、2…光ファイバ、2a
…外側光ファイバ、2b…内側光ファイバ、3a,3b
…コア部、4…融着接続部、5…V溝基板、6…押え部
材、7…放電電極、8…アーク放電路、9…水平磁界H
m発生用のマグネット、10…垂直磁界Vm発生用のマ
グネット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 充章 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 JA02 LA03 MA12 MA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部被覆を除去した複数本の光ファイバ
    を、V溝基板で平面状に一列に配列して接続端を突き合
    わせ、前記光ファイバの配列方向にアーク放電による熱
    エネルギーを与えて融着接続する放電による一括融着接
    続方法であって、放電電極間のアーク放電路を磁界の作
    用により最外側に位置する前記光ファイバ間の距離に相
    当する曲率半径で湾曲させ、配列の内側に位置する前記
    光ファイバが前記アーク放電路に近く、配列の外側に位
    置する前記光ファイバが前記アーク放電路から遠くする
    ことを特徴とする放電による一括融着接続方法。
  2. 【請求項2】 一括融着接続される前記光ファイバは、
    モードフィールド径が互いに異なる光ファイバであり、
    アーク放電による一括融着接続した後、前記アーク放電
    路を磁界の作用により前記光ファイバの軸方向に偏向さ
    せて融着接続部およびその近傍を追加加熱し、前記モー
    ドフィールド径を互いに一致させることを特徴とする請
    求項1に記載の放電による一括融着接続方法。
  3. 【請求項3】 端部被覆を除去した複数本の光ファイバ
    を、V溝基板で平面状に一列に配列して接続端を突き合
    わせ、前記光ファイバの配列方向にアーク放電による熱
    エネルギーを与えて融着接続する放電による一括融着接
    続装置であって、放電電極間のアーク放電路を最外側に
    位置する前記光ファイバ間の距離に相当する曲率半径で
    湾曲させる磁界発生装置を備え、配列の内側に位置する
    前記光ファイバが前記アーク放電路に近く、配列の外側
    に位置する前記光ファイバが前記アーク放電路から遠く
    したことを特徴とする放電による一括融着接続装置。
  4. 【請求項4】 一括融着接続される前記光ファイバは、
    モードフィールド径が互いに異なる光ファイバであり、
    アーク放電による一括融着接続した後、前記アーク放電
    路を磁界の作用により前記光ファイバの軸方向に偏向さ
    せる磁界発生装置を備え、融着接続部およびその近傍を
    追加加熱し、前記モードフィールド径を互いに一致させ
    るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の放電に
    よる一括融着接続装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7438485B2 (en) 2004-06-10 2008-10-21 Fujikura Ltd. Optical fiber fusion splicer and optical fiber loading device
WO2012029157A1 (ja) * 2010-09-02 2012-03-08 株式会社巴川製紙所 屈曲光伝送媒体製造装置および屈曲光伝送媒体製造方法
CN109407214A (zh) * 2017-08-17 2019-03-01 广东安捷康光通科技有限公司 对不同纤芯直径带纤熔接的装置及方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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