JP2012141485A - 光ファイバ端部加工方法および光ファイバ端部加工装置ならびに光ファイバ端部 - Google Patents

光ファイバ端部加工方法および光ファイバ端部加工装置ならびに光ファイバ端部 Download PDF

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Abstract

【課題】ホーリーファイバなどの空孔を有する光ファイバの端部での封止加工に伴う損失増加を大幅に低減する。
【解決手段】複数の空孔を有する光ファイバの2箇所を固定する工程と、固定された2箇所の固定部の間の光ファイバを加熱溶融手段によって加熱し溶融させて、光ファイバに第一加熱溶融域を形成する工程と、光ファイバの2箇所を固定した状態のまま、固定された2箇所の固定部の間の光ファイバを加熱溶融手段によって加熱し溶融させながら、加熱溶融手段を第一加熱溶融域側から光ファイバの基端部側に移動させると共に、加熱溶融手段の移動に同期して光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことにより、第一加熱溶融域に連続し、かつ、光ファイバの空孔が消滅された第二加熱溶融域を形成する工程と、第二加熱溶融域内で光ファイバを切断して第一加熱溶融域を除去する工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コア部の周囲に複数の空孔を有する構造の光ファイバの端部を加工する光ファイバ端部加工方法および光ファイバ端部加工装置ならびに光ファイバ端部に関する。
近年、コア部の周囲に複数の空孔を有する、ホーリーファイバやフォトニック結晶ファイバと呼ばれる新しい光ファイバが注目されており、通信用光コード、光デバイス等への広範な応用が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
図10に、代表的なホーリーファイバの構造を示す。図10に示すように、ホーリーファイバ1は、コア部2と、コア部2の外周に形成されたクラッド部3と、クラッド部3のコア部2周囲に、コア部2の軸方向に沿って形成された複数の空孔4とから構成される。
ホーリーファイバ1の端面に、クラッド部3に形成した空孔4が開口していると、空孔4の内部に水分が進入したり、温度変化によって空孔4内に結露が発生したりして、ホーリーファイバ1の機械的強度の低下や、光学的特性の変動が生じることがある。
また、メカニカルスプライスや、MTコネクタ等の接続部材を用いて光ファイバ同士を接続する場合、一方の光ファイバの接続端面と、他方の光ファイバの接続端面との間隙に液体の屈折率整合剤を充填して、接続端面での反射と損失を低減させる方法が用いられる。この接続方法を、図10に示すようなホーリーファイバ1に適用した場合、ホーリーファイバ1の端面に空孔4が開口していると、液体の屈折率整合剤が接続端面から空孔4の内部に流入してしまう。これにより、接続端面の屈折率整合剤の液切れが発生して、大きな反射や接続損失を引き起こす心配がある。
また、屈折率整合剤が不要な単心の光コネクタにおいても、ホーリーファイバ1の接続端面を研磨する際に、空孔4に入り込んだ研磨剤や研磨屑が、その後に外に出てきて接続端面に挟まり、ファイバ端面を損傷させたり、空隙が発生して光学特性を劣化させたりする問題がある。
このような問題に対して、従来、以下の技術が提案されている。
特許文献1には、フォトニック結晶ファイバ端部の細孔(空孔)の開口を、コア部よりも屈折率が低い閉塞材で塞ぐという方法が記載されている。
特許文献2においては、光ファイバの中空部(空孔)を封止する方法として、光ファイバの端面部を加熱してクラッド部を軟化して中空部をつぶす方法、中空部内に樹脂を充填して中空部を封止する方法が記載されている。
特許文献3には、光ファイバの端面から離れた位置をアーク放電によって空孔を溶融閉塞する方法が記載されている。
特開2004−4320号公報 特開2002−323625号公報 特開2005−24849号公報
長谷川、"フォトニック結晶ファイバおよびホーリーファイバの開発動向"、月刊誌「オプトロニクス」、オプトロニクス(株)発行、No.7、pp.203−208(2001)。
上記の特許文献2に記載の加熱によって空孔を有する光ファイバ自体を融かして空孔を封止する方法は、空孔への水などの進入を完全に防止できるから、特許文献1の記載の樹脂からなる閉塞材を用いて空孔を封止する方法に比べ、経年劣化のおそれがない利点がある。ただし、光ファイバ端面部を融かす方法は、コアの形状が乱れて光損失が発生しやすいこと、片持ちの光ファイバの端面部を加熱すると、溶融状態となる光ファイバ周方向の表面張力のアンバランスにより、加熱部分が折れ曲がったり膨れたりして望ましい形状にするのが困難であること、光ファイバ端部が膨れてコネクタ用フェルールの穴に入り難くなること、などの問題がある。
また、特許文献3では、光ファイバの端部の2箇所をV溝部にそれぞれ固定し、2つのV溝部相互間の位置精度を高めて、V溝部間の光ファイバの軸ずれや角度ずれを極力抑え、加熱溶融による空孔の閉塞部の折れ曲りを小さくすることが重要であるとしている。しかしながら、このように2つのV溝部間の位置精度を高めても、次のような問題がある。光ファイバは被覆を除去された後にV溝部に載せられるが、微小な被覆かすが光ファイバ表面に残存している可能性があり、この被覆かすがV溝部やV溝押さえに付着し、V溝部品による光ファイバの位置決め精度を悪化させて、光ファイバの空孔閉塞部に変形・曲りが生じてしまう。更に、被覆かすに限らず、空中に浮遊するごみ、清掃用の綿棒の繊維が悪影響を与える可能性もある。また、V溝部自体の精度、V溝押さえの不完全性により、光ファイバの空孔閉塞部にわずかな変形・曲りが発生してしまうので、その空孔閉塞部をコネクタ端面にするなら、接続損失のばらつきが生じることは避けられない。そのため、特許文献3では、コネクタ端面が非空孔閉塞部となるようにし、空孔閉塞部をコネクタフェルールに内蔵するようにしているが、この方法では、空孔閉塞部に変形を強制することから、長期的にはその部分が破断する懸念がある。また、コネクタ端面に空孔が露出することから、研磨時のくずが空孔に残りやすい問題がある。
なお、ホーリーファイバの空孔を封止する方法としては、ホーリーファイバの接続端面に一般の光ファイバを融着接続することも考えられる。しかし、当該方法では、融着接続部における軸ずれや角度ずれ、膨らみが発生しやすい。このような軸ずれ、角度ずれ、膨らみの発生によって、ホーリーファイバのフェルールへの取付けが難しくなり、その取付作業時にホーリーファイバの表面を損傷し易いなど、作業性や信頼性に課題がある。また、上記特許文献3に記載されたV溝部間の光ファイバを加熱により溶融閉塞する方法と比べても、ホーリーファイバと光ファイバとの融着接続部分の接続損失が過剰に発生しやすい。
本発明の目的は、ホーリーファイバなどの空孔を有する光ファイバの端部での封止加工に伴う接続損失の増加を大幅に低減できる光ファイバ端部加工方法および光ファイバ端部加工装置ならびに光ファイバ端部を提供することにある。
本発明の第1の態様は、コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部を加工する光ファイバ端部加工方法において、前記光ファイバの2箇所を固定する光ファイバ固定工程と、前記光ファイバ固定工程後に、前記固定された2箇所の固定部の間の前記光ファイバを加熱溶融手段によって加熱し溶融させて、前記光ファイバに第一加熱溶融域を形成する第一加熱溶融域形成工程と、前記第一加熱溶融域形成工程後に、前記光ファイバの2箇所を固定した状態のまま、前記固定された2箇所の固定部の間の前記光ファイバを前記加熱溶融手段によって加熱し溶融させながら、前記加
熱溶融手段を前記第一加熱溶融域側から前記光ファイバの基端部側に移動させると共に、前記加熱溶融手段の移動に同期して前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことにより、前記第一加熱溶融域に連続し、かつ、前記光ファイバの前記空孔が消滅された第二加熱溶融域を形成する第二加熱溶融域形成工程と、前記第二加熱溶融域形成工程後に、前記第二加熱溶融域内で前記光ファイバを切断して前記第一加熱溶融域を除去する除去工程と、を有する光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の光ファイバ端部加工方法において、前記光ファイバは、前記クラッド部の外周を取り囲む心線被覆を有し、前記光ファイバ固定工程は、前記光ファイバの端部に位置する前記心線被覆を除去して前記クラッド部の一部を露出させてから、前記光ファイバの前記露出されたクラッド部の箇所と前記心線被覆の箇所の2箇所で固定する光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の光ファイバ端部加工方法において、前記第二加熱溶融域形成工程において、前記第二加熱溶融域に位置する前記光ファイバの径が、前記加熱溶融手段によって加熱されていない前記光ファイバの径と実質同一となるように、前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込む光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第4の態様は、コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部を加工する光ファイバ端部加工方法において、前記光ファイバと支持用ファイバとを、それぞれの端面を対向させた状態で固定するファイバ固定工程と、前記ファイバ固定工程後に、前記光ファイバと前記支持用ファイバとを加熱溶融手段により加熱し溶融させて、前記光ファイバと前記支持用ファイバとを融着接続して接続加熱溶融域を形成する接続加熱溶融域形成工程と、前記接続加熱溶融域形成工程後に、前記光ファイバ及び前記支持用ファイバを固定した状態のまま、前記光ファイバを前記加熱溶融手段によって加熱し溶融させながら、前記加熱溶融手段を前記接続加熱溶融域側から前記光ファイバ側に移動させると共に、前記加熱溶融手段の移動に同期して前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことにより、前記接続加熱溶融域に連続し、かつ、前記光ファイバの前記空孔が消滅されたファイバ加熱溶融域を形成するファイバ加熱溶融域形成工程と、前記ファイバ加熱溶融域形成工程後に、前記ファイバ加熱溶融域内で前記光ファイバを切断して前記接続加熱溶融域を除去する除去工程と、を有する光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の光ファイバ端部加工方法において、前記ファイバ加熱溶融域形成工程において、前記ファイバ加熱溶融域に位置する前記光ファイバの径が、前記加熱溶融手段によって加熱されていない前記光ファイバの径と実質同一となるように、前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込む光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかに記載の光ファイバ端部加工方法で加工した前記光ファイバの端部を、フェルール内に挿入して接着固定した後、前記フェルール端面を研磨し、研磨後の前記フェルール端面に、前記光ファイバ端部の前記空孔の消滅領域が位置するようにした光ファイバ端部加工方法である。
本発明の第7の態様は、第1〜第3の態様のいずれかに記載の光ファイバ端部加工方法を実施する光ファイバ端部加工装置であって、前記光ファイバの2箇所を固定するファイバ固定手段と、前記光ファイバを加熱し溶融させる加熱溶融手段と、前記ファイバ固定手段によって固定された2箇所の前記固定部間の前記光ファイバに、前記加熱溶融手段を制
御して前記第一加熱溶融域と前記第二加熱溶融域とを形成するための制御手段と、前記第二加熱溶融域の形成時に、前記光ファイバの加熱溶融部を、その長さ方向を縮める方向に押込むための押込み手段と、
を備えた光ファイバ端部加工装置である。
本発明の第8の態様は、第4または第5の態様に記載の光ファイバ端部加工方法を実施する光ファイバ端部加工装置であって、前記光ファイバと前記支持用ファイバのそれぞれを固定するファイバ固定手段と、前記光ファイバと前記支持用ファイバを加熱し溶融させる加熱溶融手段と、前記ファイバ固定手段によって固定された前記光ファイバ及び前記支持用ファイバに、前記加熱溶融手段を制御して前記接続加熱溶融域と前記ファイバ加熱溶融域を形成するための制御手段と、前記ファイバ加熱溶融域の形成時に、前記光ファイバの加熱溶融部を、その長さ方向を縮める方向に押込むための押込み手段と、を備えた光ファイバ端部加工装置である。
本発明の第9の態様は、コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部において、前記光ファイバの先端部では空孔が消滅された空孔消滅部が形成されており、前記光ファイバの外径と前記空孔消滅部での外径との差が±1.0μm以内であり、前記空孔消滅部の長さが1mm以上であり、前記光ファイバの先端
部の前記空孔消滅部に向けて前記空孔の径はテーパ状に縮小した形状であり、前記空孔消滅部において、前記コアはその形状に実質的に段差や曲がりがなく、軸方向に沿って連続している光ファイバ端部である。
本発明によれば、ホーリーファイバなどの空孔を有する光ファイバの端部での封止加工に伴う接続損失の増加を大幅に低減できる、信頼性の高い光ファイバ端部を作業性よく得ることができる。
本発明の第一の実施形態に係る光ファイバ端部加工方法の加工工程を示す工程図である。 本発明に係る第一の実施形態の光ファイバ端部加工方法における加工原理を説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る光ファイバ端部加工方法によって作製されたホーリーファイバの端部にフェルールを装着したホーリーファイバ端部を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る光ファイバ端部加工方法によって作製されたホーリーファイバ端部の顕微鏡写真である。 本発明の一実施形態に係るファイバの押込み条件と封止部外径の関係を求めるための計算モデルを示す図である。 理論式によるファイバ押込み速度Vと封止部外径Dとの関係を示すグラフである。 ホーリーファイバ端部のコネクタ接続損失を示すもので、(a)はファイバ押し込みがある場合のコネクタ接続損失のヒストグラム、(b)はファイバ押し込みがない場合のコネクタ接続損失のヒストグラムである。 ファイバの溶融封止部に曲がりが発生するか否かの相違を説明するために溶融封止部と非封止部との境界付近を示すもので、(a)はファイバ押込みある場合の模式図、(b)はファイバ押し込みがない場合の模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る光ファイバ端部加工方法の加工工程を示す工程図である。 本発明の一実施形態で用いたホーリーファイバの構造を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
以下に、本発明に係る光ファイバ端部加工方法および光ファイバ端部加工装置ならびに光ファイバ端部の一実施形態を説明する。
(第一の実施形態)
図10に、第一の実施形態に係る光ファイバ端部加工方法で用いたホーリーファイバを示す。図10(a)は縦断面図、図10(b)は横断面図である。図10に示すホーリーファイバ1は、コア部2と、コア部2の外周に形成されたクラッド部3と、コア部2の周囲を取り囲むように、クラッド部3内にコア部2の軸方向に沿って形成された複数の空孔4とから構成される。本実施形態のホーリーファイバ1では、6つの空孔4が、コア部2を中心とする正六角形の頂点の位置にそれぞれ設けられている。また、本実施形態のホーリーファイバ1は、石英系の材料からなり、例えばコア部2にはゲルマニウムが添加され、コア部2の屈折率はクラッド部3の屈折率よりも高くなっている。ホーリーファイバ1の外周部は、通常、紫外線硬化樹脂などの樹脂の被覆によって保護されており、コネクタ等との接続の際には、端部の被覆を剥ぎ、裸の状態のホーリーファイバ1にして接続される。
なお、本発明の光ファイバは、コア部の周囲に、コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔を有する構造の光ファイバであればよく、ホーリーファイバ、フォトニック結晶ファイバなどが該当する。図10の空孔構造の光ファイバ(ホリーファイバ)は、コア部の屈折率がクラッド部の屈折率よりも高くなっているが、本発明が対象とする光ファイバは、コア部とクラッド部とが同一材料からなり、コア部の周囲に空孔が規則正しく配列した構造のクラッド部を持つ光ファイバでもよい。このような構造の光ファイバは、通常、フォトニック結晶ファイバと呼ばれることが多く、多数(通常、数十個)の空孔がハニカム格子などに配列されて、フォトニック結晶構造ないしフォトニックバンドギャップ構造を形成する。
図1(a)〜(f)は、本発明の第一の実施形態に係る光ファイバ端部加工方法の各工程を示すものであり、光ファイバ端部加工装置を用いた光ファイバ端部の加工を上方から眺めた平面図となっている。
図1(a)は、ホーリーファイバ1の端部を固定するためのV溝部品10を示している。V溝部品10の両端部には、ホーリーファイバ1を載せるV溝11を有する、固定部としてのV溝部12がある。V溝部12、12間には、ホーリーファイバ1の加熱作業を行うための間隙部(空隙部)13がある。このような構造のV溝部品10は、市販の光ファイバ融着接続機に使用されている、中央に空隙を有する精密一体加工のV溝部品と同等のものである。V溝部品10両端のV溝11、11は相互に位置ずれがないように精密に加工してあり、両側のV溝11、11にそれぞれ光ファイバを載せて固定したときに、2本の光ファイバの軸が合うようになっている。なお、最近の融着接続機には、多心テープ心線も接続できるように多条のV溝を形成したV溝部品があるが、このような多条のV溝部品を用いてもよい。その場合、ホーリーファイバ内蔵の多心テープ心線について、複数のホーリーファイバ端部を一括加工できることになる。
ホーリーファイバは、他の光ファイバと同様に、樹脂の被覆を被せた状態で使用されるが、ファイバ同士の接続、あるいは光学部品との接続などの際には被覆を除去する必要がある。ホーリーファイバ1の空孔4を閉塞・封止するときにも、まずホーリーファイバ心線6の心線被覆5を除去した裸の状態のホーリーファイバ1とし、ホーリーファイバ1の
端部の2箇所を、図1(b)に示すように、間隙部13をまたいで両側のV溝11に設置する。更に、V溝部品10のホーリーファイバ1の先端側には押込み用移動台17が設けられており、押込み用移動台17のV溝18にホーリーファイバ1の先端部が設置される。押込み用移動台17は、ホーリーファイバ1の長手方向に対して平行かつゆっくりと移動可能な機構を有し、ホーリーファイバ1の先端部をホーリーファイバ1の基端部側に押込むことができるように構成されている。なお、ホーリーファイバ心線6も動かないように支持台上に固定されるが、図示省略している。
次に、図1(c)に示すように、ホーリーファイバ1が、V溝部品10両側のV溝11,11にきちんと収まるようにV溝押さえ14−1,14−2で支持固定する。また、ホーリーファイバ1の先端部は、押込み用移動台17のV溝18に収まるよう、V溝押さえ14−3で支持固定する。
後の工程において、押込み用移動台17による押込み作業を可能にするために、V溝押さえ14−2では、ホーリーファイバ1がV溝11中を軸ずれなしに滑ることが可能(ホーリ-ファイバ1の長手方向に対して平行かつ右方向にスムーズに移動可能)なような構
造及び保持力でホーリーファイバ1を固定しておき、V溝押さえ14−1、14−3では、ホーリーファイバ1がV溝11,18内でそれぞれ滑って動くことのないように確実に固定しておく。
次に、V溝部品10のV溝11,11間のホーリーファイバ1を放電加熱によって溶融させる。放電加熱は、間隙部13に、例えば1対の放電電極15,15を配置して行う。放電電極15,15間には放電プラズマ領域16が形成され、放電プラズマ領域16のホーリーファイバ1が加熱される。放電電極15,15には、市販の融着接続機と同等の放電回路を接続すればよい。
放電加熱スタート時は、まず、図1(d)に示すように、V溝押さえ14−1、14−2で固定された、V溝11,11間のホーリーファイバ1におけるホーリーファイバ1の先端側の箇所を加熱し、当該加熱箇所のホーリーファイバ1が溶融して変形可能な状態とする。
このとき、もしホーリーファイバ心線6から除去した心線被覆5等のゴミがV溝11やV溝押さえ14−1,14−2に付着していると、ホーリーファイバ1両側のV溝部12、12間でホーリーファイバ1が軸ずれ・角度ずれした状態で把持され、ホーリーファイバ1内には応力が発生している(また、V溝部12のV溝11自体の精度、V溝押さえ14−1,14−2の不完全性によっても軸ずれ・角度ずれが生じている場合もある)。このため、放電加熱によるホーリーファイバ1の加熱溶融部は、非溶融部の応力が緩和するように変形する。
この加熱溶融部の変形を、図2の加工原理の説明図を用いて更に説明する。図2は、光ファイバ両側のV溝部12、12での把持に軸ずれがあった場合を想定して、模式的に示したものである。図2(a)は、上記スタート時(初期)の放電加熱を実施した後の状態を示す。ホーリーファイバ1の先端側加熱箇所(放電加熱のスタート地点)である第一加熱溶融域Aには変形が生じる。すなわち、放電加熱によって第一加熱溶融域Aが溶融した結果、軸ずれ状態で把持されることでホーリーファイバ1に発生した応力を緩和するように、第一加熱溶融域Aの部分に軸ずれ分の変形が生じる。このため、放電が終了すれば、V溝部12、12間のホーリーファイバ1は、全体にわたって応力が緩和される。この応力緩和によって、第一加熱溶融域Aよりも基端側(図2では右側)のホーリーファイバ1は真直で応力がない状態となる。
次に、図1(e)に示すように、放電加熱をスタートし、第一加熱溶融域Aが形成された後、放電を停止することなくそのまま放電加熱を続行し、放電電極15を第一加熱溶融
域A側からホーリーファイバ1の基端側(右側)に移動させると共に、押込み用移動台17を放電電極15と同じ方向に適切な速度で移動させて、ホーリーファイバ1をその基端側へと押込みつつ、空孔4が消滅された第二加熱溶融域Bを形成する。
従って、第一加熱溶融域Aから第二加熱溶融域Bにかけて、空孔4が連続して消滅している。また、第二加熱溶融域Bの方が、第一加熱溶融域Aよりも空孔4が消滅している領域が大きくなるようにされている。
加熱されて溶融したホーリーファイバ1では、溶融ガラスの表面張力によって内部の空孔4が自然に小さくなりホーリーファイバ1が縮径された状態で空孔4が消滅しようとする。ところが、ホーリーファイバ1の押込みを適切な条件で行うことによって、溶融ガラスが空孔4内に供給・充填されて封止されるため、封止部の外径を空孔4を有する非封止部の外径と同等に保つことができる(放電加熱前後において、光ファイバの外径をほぼ一定に保つことができる。)。これにより本来目的とする、空孔を消滅させた閉塞部・封止部が形成される。
なお、ここでは、ホーリーファイバ1の先端部側を基端部側に押込んで空孔4を消滅させたが、ホーリーファイバ1の基端部側を先端部側に押込んでもよい。すなわち、ホーリーファイバ1の加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込んで封止部の外径を非封止部の外径と同等に保つようにすればよい。また、光ファイバの押込み条件と封止部外径との関係については、後で詳述する。
放電加熱のスタート地点である第一加熱溶融域Aは、ホーリーファイバ1の固定部間の軸ずれなどでファイバ固定状態が悪い場合には、大きく変形し、また光を通した場合には大きな損失を生じる。第一加熱溶融域Aにおいて大きく変形させることにより、ホーリーファイバ1の応力が解消される結果、第一加熱溶融域Aよりもホーリーファイバの基端側では真直に保たれることになる。
図2(b)に、第二加熱溶融域Bを形成した後の状態を示す。ホーリーファイバ1に応力が働いていない状態で放電させ、溶融するまで静止状態にしておいてから、溶融ガラスの表面張力に逆らわずに適切な条件で押し込むため、第二加熱溶融域Bは、外径の変化がほとんどなく、空孔4が消滅しただけの変形となる (ただし、最初の部分では、ファイバ押込みのタイミングで外径が変化する場合もあるが、後述するように第二加熱溶融域B内でホーリーファイバ1を切断するので、この外径が変化した最初の部分も除去される。) 。そのため、ホーリーファイバ1のコア部2の真直性は保たれるので、光を伝搬させたときの、第二加熱溶融域Bでの損失増加はわずかである。
なお、光ファイバ端部加工装置に、V溝部品10によって固定された2箇所のV溝11、11間のホーリーファイバ1の長手方向に沿って広い範囲を、放電電極15,15によって加熱する放電加熱動作を制御する制御手段を設け、V溝部品10とは別に、ホーリーファイバ1の加熱溶融部をその長さを縮めるように押込むことが可能な機構を有する押込み手段と押込み速度を制御する制御手段を設け、上記2つの加熱溶融域A,Bの形成動作を連続的に実行し、これに同期した光ファイバ押込みを行う動作プログラムを制御手段に設定することにより、自動的に放電加熱を実施して封止部を形成することが可能となる。
次に、光ファイバ端部加工装置からホーリーファイバ1を取り外した後、図1(f)に示すように、少なくとも第一加熱溶融域Aが除去されるように、第二加熱溶融域B内、例えば第二加熱溶融域Bの中間点でホーリーファイバ1をカットする。
なお、コネクタフェルールに取り付ける場合には研磨分を考慮して、封止部(第二加熱溶融域B)の長さを長めに設定したり、カット位置Cを調整したりして、クラッド部3の露出長が長くなるようにすれば良い。本発明の場合、封止部の長さは放電時の電極移動量を設定するだけで長くできるので、カット位置Cの精度は問題にならない。
図3に、ホーリーファイバ1の端部にフェルール24を装着する光ファイバ端部加工方
法の一実施形態を示す。端部に第二加熱溶融域Bを有する上記端面加工後のホーリーファイバ1を、フェルール24のファイバ案内孔25に挿入して接着固定した後、フェルール端面26を研磨する。研磨後のフェルール端面26には、ホーリーファイバ1端部の空孔4の消滅した空孔消滅領域である第二加熱溶融域Bが位置する。なお、図3のフェルール24は、ホーリーファイバ心線6を保持する部分も有しているが、図示省略している。
なお、上記実施形態の図1(e)に示す放電電極15を移動させながらの放電加熱において、ホーリーファイバ1をその長さを縮める方向に押し込む(圧縮する)ことで、表面張力による空孔消滅によって生じる封止部(第二加熱溶融域B)の縮径化を、防止または軽減している。その利点について説明する。
ファイバ押込みを実施しない場合には、封止部の外径が非封止部よりも細くなってしまうので、もし封止部がわずかに曲がっていたり、軸がずれている場合でも、コネクタのフェルール穴に容易に挿入可能である。その場合、フェルール先端において、ファイバの封止部がフェルール穴に対して偏心することになり、コネクタの接続損失が大きくなってしまう。この接続損失の不良が、フェルールへの接着固定の後でしか発見できないというところに大きな問題がある。また、その合否判別に手間を要する問題もある。
ファイバ押込みによって封止部の外径変化を防止できると、ファイバに曲がりや軸ずれ変形があった場合に、コネクタフェルールの穴を通らなくなる。従って、コネクタフェルールの穴への光ファイバ挿入工程で不良を排除できるため、特別な検査も不要という利点がある。
また、本実施形態では、ホーリーファイバ心線6の心線被覆5を除去した裸の状態のホーリーファイバ(裸ファイバ)1をV溝11,11に固定するので、V溝11や、V溝押え14−1の材質選定や表面の平滑化、表面への保護コーティングなどの手段により、ホーリーファイバ1の基端側(図1で右側)に位置し、V溝11と接触する裸ファイバの表面に傷が付いて強度が低下しないように留意している。
これらの手段以外に、V溝押え14−1で、ホーリーファイバ心線6の心線被覆5端を押さえ、V溝押え14−2で、ホーリーファイバ(裸ファイバ)1を押さえるようにしても良い。そのためには、V溝押え14−1に位置するV溝11の形状寸法もホーリーファイバ心線6に合わせて変更し、V溝押え14−1、V溝押え14−2で支持固定した際にホーリーファイバ1の両固定箇所間でコア2の相対的軸ずれを生じにくくしておくことが重要である。
もし、被覆寸法や押え力のばらつきなどで数十ミクロンの大きな軸ずれが生じた場合に、第一加熱溶融域Aを形成すると、この第一加熱溶融域Aにおける変形は大きくなり、この変形がその後の第二加熱溶融域Bに伝搬し、真直な第二加熱溶融域Bを得にくくなる。そこで、大きな軸ずれが生じ得る場合には、第二加熱溶融域Bの長さを十分に長くすることによって、第一加熱溶融域Aにおける変形の影響を徐々に小さくし、真直な第二加熱溶融域Bを得るようにすると良い。
例えば、V溝押え14−1で、ホーリーファイバ心線6の心線被覆5端を押さえるなど大きな軸ずれが生じ得る場合には、第二加熱溶融域Bを5mm以上とし、この第二加熱溶融域Bの中間点で切断するようにすれば良い。
また、放電電極15,15の移動を高速にすると、第一加熱溶融域A形成時(静止加熱の際)のファイバ温度と第二溶融加熱用域B形成時(移動加熱時)のファイバ温度の差が大きくなるため、溶融したガラスの粘度の違いから、第一加熱溶融域Aで発生した変形が、第二加熱溶融域Bへと伝搬しにくくなる効果がある。そこで、もっと積極的に、第一加熱溶融域A形成時(静止加熱の際)にだけファイバ温度が高くなるように放電電極15,15に印加する放電電流を変化させてもよい。
このように本発明では、軸ずれの影響を非常に小さくできるので、心線被覆5端で押える方法は、裸ファイバの表面に傷が付いて強度が低下してしまうことをより簡単に防止することができ、かつ、他の光ファイバとの接続時には接続損失を小さくすることができる
図4は、図1に示した方法で、第二加熱溶融域Bを形成しながらファイバ押込み動作を加えて作製した光ファイバ端部の顕微鏡写真である。
光ファイバとしてホーリーファイバを用いたが、この長手方向に沿って封止部(第二加熱溶融域B)の外径と空孔4を有する非封止部(ホーリーファイバ部)の外径とに変化はなく一定であり(外径125μm)、空孔4の径は、光ファイバの先端(図4で左側)に向かって徐々に細くなって、空孔4は、テーパ状の形状で消滅していることが分かる。
空孔端がテーパ状に連続的に変化することは、伝搬光のモードフィールドが急激に変化しないことになるため、光の接続損失が小さくなることや高次モードが発生しにくいなどのよい効果をもたらす。
図4に示した光ファイバ端部の具体的な製造方法について説明する。
この光ファイバ端部は、最初に放電電極15を1秒間静止して放電加熱して第一加熱溶融域Aを形成し、その後続けて9秒間の移動放電加熱とファイバの押込み動作とを行って第二加熱溶融域Bを形成してから、第二加熱溶融域Bの中間点で光ファイバを切断したものである。
電極の移動速度(放電電極15の移動速度)Vは0.5mm/秒、ファイバの押込み
は放電電極15の移動と同時に開始するようにし、押込み速度(押込み用移動台17の移動速度)Vは15μm/秒とした。また、ファイバの押込みの終了のタイミングは放電終了と一致させた。全加熱溶融域(=第一加熱溶融域A+第二加熱溶融域B)の長さは約5mmであった。なお、切断後の光ファイバ端部の空孔が消滅した第二加熱溶融域(空孔消滅部)Bの長さは1mm以上とするのが好ましい。
第一加熱溶融域A(ただし、図1(f)に示す工程で、この部分は除去されているため図4中には示されていない)は、押込みによる外径補償が少ないので第一加熱溶融域Aの外径は非加熱部より小さくなったが、第二加熱溶融域Bの外径は、非加熱部の外径との差が±1μmの測定精度内であり、実質的に非加熱部と同一の外径であった。
なお、放電電極15の移動に先行してファイバ押込みを開始すれば、第一加熱溶融域A(静止加熱部)の外径収縮は改善できるが、除去部分なので、第二加熱溶融域Bの精度(真直性)が出ているならば外径調整の必要はない。
わずかな軸ずれによる応力は、第一加熱溶融域Aを形成する際(静止加熱溶融の際)に解消され、第一加熱溶融域Aの微小変形は、加熱溶融部の移動とともに緩和されて溶融部が真直になる。封止部の外径変化量が±1μm以内であれば、コネクタ付けの際の問題はない。光ファイバ自体の外径変動もその程度は許容されているからである。
封止部の外径Dは、電極の移動速度Vとファイバの押込み速度Vの兼ね合いで決まるので、これらを調整することで行える。ただし、電極の移動速度Vを変えるとファイバ加熱温度が変化することになるので、押込み速度Vだけで調整するのが好ましい。
図5は、ファイバの押込み条件と封止部外径の関係を求めるための計算モデルを示す図である。
溶融部の外径が定常状態になるとしたとき、図5(a)をある時刻tの状態とすれば、そのΔt秒後の時刻t+Δtの状態は図5(b)となる。溶融時の石英ガラスの蒸発は無視し、体積が変化しないとすれば、次の式(1)が成り立つ。
式(1)の左辺が図5(a)の状態での体積、右辺が図5(b)の状態での体積である。図5に、体積の計算において対象としたファイバの領域(体積の計算対象の領域)を示す。
ここで、Aは非封止部の断面での石英ガラス部分の断面積、Aは封止部での石英ガラスの断面積、Lはファイバ先端部の非封止部の長さ、Lは時刻tでの封止部の長さ、Vは加熱手段(放電電極15)の移動速度、Vはファイバの押込み速度である。
式(1)を整理すると、次の式(2)が求まる。
ホーリーファイバ1の封止前の外径をd、空孔4の直径をd、空孔4の数をn、封止部の外径をDとすれば、
であるから、式(3)を式(2)に代入して整理すると、封止部の外径Dは式(4)になる。
この式(4)ではVがVf に近くなると、Dが大きくなってしまうが、これは図5の計算モデルからずれるためである。実際の製造条件ではV≫Vであるので、精度上の問題にはならない。
D=dとなるためのVの値は、式(4)にD=dを代入して、式(5)として求まる。
図6は、式(4)で計算した押込み速度Vと封止部外径Dの関係である。上記図4で示した製造条件の場合に対応して、V=0.5mm/秒、n=6、d=8.5μm、d=125.0μmとした。
この図6から、製造条件として付与したV=15μm/秒は、外径を125μmに保
つ条件にほぼ一致することがわかる。
式(5)からは、Vは13.9μm/秒と求まるが、図6から分かるように、押込み速度Vの違いによる封止部外径Dの変化はわずかである。溶融時の石英ガラスの蒸発を無視できない加熱条件においては、式(5)から求まるVの値を下限値と解釈し、実験的にもっと大きなVの最適値を求めることが好ましい。
なお、式(4)、(5)は、ファイバ押込みの方向を放電電極の移動方向と一致させた場合であるが、ファイバ押込み方向と放電電極の移動方向とが逆方向の場合には、同様の計算手法によって、式(4)、(5)にそれぞれに対応した式(6)、(7)が導出されるので、式(6)、(7)を用いて製造条件を決めればよい。
図7(a)は、上記した図4の製造条件で作製した20個の封止部についてのコネクタ接続損失のヒストグラムである。封止部作製、コネクタ組み立ては、ごみの心配のないクリーンルーム内で実施し、マスタ−コネクタ(シングルモードファイバで製作した偏心が極小の高精度コネクタ)との接続損失を測定した。測定光の波長は1.55μmである。
接続損失の平均は0.12dB、標準偏差は0.053dBであった。
平均接続損失0.12dBは、シングルモードファイバでの特性と同等に低損失である
ことから、溶融封止によるファイバ外形の変形やコアの変形が微小であることが証明された。20回の封止部加工において、接続損失が0.3dB以上となるような不良品の発生
は皆無であり、安定した特性が再現性良く得られた。
図7(b)は、上記図4の製造条件におけるファイバ押込み速度V=15μm/秒を、ファイバ押込み速度だけV=0μm/秒に変更した場合(ファイバ押込み無しの場合)のコネクタ接続損失のヒストグラムである。サンプル数は30である。接続損失の平均は0.34dB、標準偏差は0.14dBであった。ファイバ押込みを省いたことで、接続損失が3倍近く増えている。コネクタのフェルール端面を観察すると、多くのサンプルで、フェルールのファイバ案内孔25内でファイバが偏心していたので、これが損失増の原因とわかった。これはファイバの溶融封止部で曲がりが生じていることを意味する。ファイバ押込みを省くとファイバ外径が小さくなるが、その数倍の長さの非封止部でファイバ案内孔内での位置決めがされるので、封止部で曲がりが生じていないと、封止部外径の縮小だけでは上記のような偏心は生じないからである。
一方、図7(a)のファイバ押込みを実施した時の溶融封止部は、外径変化がないにもかかわらずフェルール装着の際にも抵抗なくファイバ案内孔に挿入できたことから、このような曲がりが生じてないことは明白である。
上記のファイバの溶融封止部に曲がりが発生するか否かの相違が生じる理由・過程は以下のように説明できる。図8は軸ずれのある場合の溶融封止部と非封止部との境界付近の模式図であり、図8(a)はファイバ押込みで、溶融封止部の外径Dを非封止部の外径dと同等にしている場合(本発明の実施形態の場合)、図8(b)はファイバ押込みが無くて、溶融封止部の外径Dが縮小する場合である。表面を斜めに描いているところが加熱手段(放電電極)の移動に伴って形成される新規溶融部であり、空孔が消滅していく箇所である。空孔は図8には図示していない。また、図8中で、δは非封止部と溶融封止部間の軸ずれ、T、Tは溶融部のそれぞれの位置での表面張力、X1,X2は溶融部のそれぞれの位置における溶融封止部と非封止部との表面のずれを表わす。
図8(a)では、左側の溶融封止部には軸ずれδを軽減させる方向の力Fが働く。力Fは表面張力T、Tのそれぞれの分力TX1、TX2の合計であり、たとえTX1、TX2の大きさが異なっていたとしても同じ方向に働くことから、Fは安定した自己調心力として持続的に働くことになる。したがって、ある時点で溶融封止部と非封止部に軸ずれがあったとしても、溶融部の移動とともにその軸ずれは上記の自己調心力Fによって小さくなっていく。
一方、図8(b)の場合、同様に表面張力による自己調心力Fは発生するが不安定である。表面張力の分力TX1、TX2は方向が逆になることから、FはTX1とTX2の差となる。したがって、表面張力の分力TX1、TX2の大きさに揺らぎがあると、力Fの働く方向自体が定まらないことになる。
表面張力の揺らぎの大きな原因となるのは、加熱のムラと溶融部表面の流動である。1対の電極間の放電プラズマは不均質に分布するので、ファイバ周方向の表面温度もある程度の不均一性が生じる。またそれによって、溶融部表面の各所の粘度の違いが生じる。さらに溶融部外径が縮小する過程では、溶融部表面が小さくならざるを得ないので、ファイバ内部への流れ成分も発生して溶融部表面に不安定な流れが生じ、各所の粘度の違いと相まって、表面張力の働きにムラ・揺らぎが生じるのである。したがって、自己調心力Fは方向や大きさが定まらないので、封止部の曲がりが生じやすくなると考えられる。
図8(a)の場合では、外径収縮を防止していることから溶融部表面に流れは生じず表面張力が安定に働くため、加熱のムラがあっても自己調心力の方向がぶれないため真直形状の封止部が得られると考えられる。
なお、これまでの説明は、ファイバ一心についての封止として説明したが、V溝部品上のV溝を多条にし、押込み用移動台上で、平行に並んだ裸ファイバの先端を固定するようにすれば、多心一括封止が行える。ファイバ列と放電電極の空間配置は、市販の多心融着接続機と同様でよい。これにより多心テープ心線へのMTコネクタやMPOコネクタの取り付けが簡単に実施できることになる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態では、ホーリーファイバの他に、支持用ファイバを用いて、ホーリーファイバ端部加工を行っている。
図9(a)〜(e)は、本発明の第二の実施形態に係る光ファイバ端部加工方法の各工程を示すものであり、光ファイバ端部加工装置を用いた光ファイバ端部の加工を上方から眺めた平面図となっている。
まず、図9(a)に示すように、加工対象であるホーリーファイバ1と、石英系の支持用ファイバ7とを光ファイバ端部加工装置に取り付ける。本実施形態では、光ファイバ端部加工装置として、市販の調心機能付きの融着接続機を使用している。支持用ファイバ7は、端部の心線被覆8を除去した後に融着接続機に取り付けられる。支持用ファイバ7は、ホーリーファイバ1に融着接続された後の、ホーリーファイバ1の加熱溶融時の機械的支持のために使われるもので、光学特性の要求は特にない。したがって、支持用ファイバ7は、どのような種類のファイバであってもよく、例えば、コアのない石英ガラス棒(石英ガラス線)であってもよい。
融着接続機には心線被覆部を微動台に直接取り付ける方式もあるが、ここでは融着接続機の心線ホルダ20に取り付けた後に、微動台に取り付ける方式を前提に説明する。(この方式では、光ファイバ裸部をV溝などの他の部材に接触させる必要がないので、クラッド部表面に傷が付かず、接続部信頼性が高い利点がある。)ホーリーファイバ1の心線被覆5部および支持用ファイバ7の心線被覆8部をそれぞれ心線ホルダ20に取り付ける。心線ホルダ20の心線ホルダ本体21には心線ストッパ22が形成されていて、心線ストッパ22に心線被覆5,8部の被覆端を接触させることにより、被覆端の位置決めがなされる。23は、心線クランプである。双方のファイバ1,7を心線ホルダ20に取り付けた直後の状態では、図9(a)に示すように、相互のファイバ1,7の軸は大きくずれている。そこで、まず、軸合わせの事前処理として、カメラ映像データをもとに両ファイバ1,7の端面を近接させる。
図9(b)は、その次の軸合わせ状態を表わしている。ファイバ1,7の外形を基準に、カメラ映像データをもとに自動的に調心する。図9において、右側の心線ホルダ20に
取り付けられたホーリーファイバ1を紙面に対して平行に紙面の上下方向に水平微動し、左側の心線ホルダ20に取り付けられた支持用ファイバ7を紙面に対して垂直方向に垂直微動して調心する。
その後、図9(c)に示すように、ホーリーファイバ1と支持用ファイバ7を融着接続する。融着接続には、第一の実施形態と同様に、例えば一対の放電電極15を用い、放電電極15,15間に形成される放電プラズマ領域16で加熱する。加熱溶融される融着接続部の光学性能は問題とされないので、融着接続時の細かい条件調整は不要である。接続加熱によるファイバ溶融部の流動が収まるまで、放電を持続させればよい。通常の融着接続条件では数秒でよい。
ホーリーファイバ1と支持用ファイバ7との間に軸ずれや角度ずれがあると、融着接続箇所の接続加熱溶融域A’には変形が生じる。なお、融着接続機の調心機能の精度は高いので、融着接続条件を最適化すれば軸ずれを低減化することは可能であるが、心線ホルダ20の取り付け時から生じている両ファイバ1,7間の角度ずれは解消できない。この角度ずれによる接続加熱溶融域A’の変形は、例えば光ファイバをコネクタフェルール内のファイバ案内孔に挿入する際に障害になる。
次に、接続加熱溶融域A’が形成された後、図9(d)に示すように、放電を停止することなくそのまま放電加熱を続行しながら、放電電極15を接続加熱溶融域A’からホーリーファイバ1側方向(図9では右側方向)に、放電電極15を移動させると共に、支持用ファイバ7が取り付けられた心線ホルダ20をホーリーファイバ1側、つまり、溶融部に向かって押し込んでファイバ加熱溶融域B’を形成する。このファイバ加熱溶融域B’は、第一の実施形態の第二加熱溶融域Bに相当する。なお、ホーリーファイバ1の心線ホルダ20を支持用ファイバ7側に押込んでファイバ加熱溶融域B’を形成してもよい。
押込み動作の開始は、放電電極15の移動開始と一致させる必要はないが、ホーリーファイバ1が溶融した後でなければならない。支持用ファイバ7の押込み速度(微動台の移動速度)は、第一の実施形態と同様に、ファイバ加熱溶融域B’の外径が変化しないように設定する。こうして、外径の変化なしにホーリーファイバ1の空孔4を消滅させる。これにより、ホーリーファイバ1には、目的とする空孔消滅領域であるファイバ加熱溶融域B’が形成される。
その後、図9(e)に示すように、融着接続部である接続加熱溶融域A’を除去するために、ホーリーファイバ1のファイバ加熱溶融域B’内のカット位置Cでカットすればよい。
上述した本実記形態の放電電極15の移動動作は、市販の調心機能付き融着接続機で可能になっている。調心機能付き融着接続機は、たとえば、スウィープ放電と呼ばれる機能を備えており、融着接続後に放電電極15を往復させて加熱処理ができるようにしている。また、本実施形態の放電加熱動作を融着接続機で自動的に実施させることは、融着接続機の動作プログラムを少し変更することで可能である。ホーリーファイバ1を加熱して溶融させながらファイバ押込みを同時に実施して、外径を変化させずにファイバ加熱溶融域B’を形成することも、同様に動作プログラムの変更で容易に実現できる。
また、心線被覆5の心線被覆端の位置情報は、心線ホルダ20に心線ストッパ22を設けたことにより融着接続機には既知であるため、心線被覆端からファイバ加熱溶融域B’の中央までの長さを正確に制御することができる。また、市販の光ファイバカッタでは、融着接続機の心線ホルダに心線を装着した状態でカット操作が可能であることから、高精度のカット位置が得られる。
なお、以上で説明した融着接続機は、調心機能付きであるが、第一の実施形態のV溝部品相当品を利用した軸合せを原理とする固定V溝方式の融着接続機でも、電極移動によるスウィープ放電が可能になるように構成し、動作プログラムを実装すれば、本発明を実施できる。この場合、接続加熱溶融域A’では、第一の実施形態での第一加熱溶融域Aと同
様、初期軸ずれが反映した曲がりが生じる。また、固定V溝方式では多条のV溝により多心テープ心線同士の接続が可能であるから、ホーリーファイバの多心テープ心線にMTコネクタを取り付ける場合に対応した多心一括封止処理が可能になる利点がある。また、このような機能を持つ多心融着接続機において、ファイバ押込みができる側の心線ホルダを裸ファイバ部分が固定できるようにすれば、より作業が簡単な第一の実施形態に基づく多心一括封止も可能になる。
なお、上記第一、第二の実施形態の説明では、光ファイバの加熱に放電を使う場合を述べたが、放電以外にも、融着接続に利用されてきた炭酸ガスレーザやカーボンヒータを加熱溶融手段として使用することができる。また、本発明の光ファイバ端部加工方法は、空孔を有する光ファイバの空孔封止を、高い信頼性を保ちつつ損失増加を抑制できるものであり、単心のみならず多心のコネクタ取付やスプライス接続にも適用でき、空孔を有するホーリーファイバ、フォトニック結晶ファイバなどの今後の多様な利用に貢献できる。
1 ホーリーファイバ(光ファイバ)
2 コア部
3 クラッド部
4 空孔
5 心線被覆
6 ホーリーファイバ心線
7 支持用ファイバ
8 心線被覆
10 V溝部品
11 V溝
12 V溝部(固定部)
13 間隙部
14−1,14−2,14−3 V溝押え
15 放電電極(加熱溶融手段)
16 放電プラズマ領域
17 押込み用移動台(押込み手段)
20 心線ホルダ
21 心線ホルダ本体
22 心線ストッパ
23 心線クランプ
24 フェルール
25 ファイバ案内孔
26 フェルール端面
A 第一加熱溶融域
B 第二加熱溶融域
C カット位置
A’ 接続加熱溶融域
B’ ファイバ加熱溶融域

Claims (9)

  1. コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部を加工する光ファイバ端部加工方法において、
    前記光ファイバの2箇所を固定する光ファイバ固定工程と、
    前記光ファイバ固定工程後に、前記固定された2箇所の固定部の間の前記光ファイバを加熱溶融手段によって加熱し溶融させて、前記光ファイバに第一加熱溶融域を形成する第一加熱溶融域形成工程と、
    前記第一加熱溶融域形成工程後に、前記光ファイバの2箇所を固定した状態のまま、前記固定された2箇所の固定部の間の前記光ファイバを前記加熱溶融手段によって加熱し溶融させながら、前記加熱溶融手段を前記第一加熱溶融域側から前記光ファイバの基端部側に移動させると共に、前記加熱溶融手段の移動に同期して前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことにより、前記第一加熱溶融域に連続し、かつ、前記光ファイバの前記空孔が消滅された第二加熱溶融域を形成する第二加熱溶融域形成工程と、
    前記第二加熱溶融域形成工程後に、前記第二加熱溶融域内で前記光ファイバを切断して前記第一加熱溶融域を除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする光ファイバ端部加工方法。
  2. 前記光ファイバは、前記クラッド部の外周を取り囲む心線被覆を有し、
    前記光ファイバ固定工程は、
    前記光ファイバの端部に位置する前記心線被覆を除去して前記クラッド部の一部を露出させてから、前記光ファイバの前記露出されたクラッド部の箇所と前記心線被覆の箇所の2箇所で固定することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ端部加工方法。
  3. 前記第二加熱溶融域形成工程において、前記第二加熱溶融域に位置する前記光ファイバの径が、前記加熱溶融手段によって加熱されていない前記光ファイバの径と実質同一となるように、前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ端部加工方法。
  4. コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部を加工する光ファイバ端部加工方法において、
    前記光ファイバと支持用ファイバとを、それぞれの端面を対向させた状態で固定するファイバ固定工程と、
    前記ファイバ固定工程後に、前記光ファイバと前記支持用ファイバとを加熱溶融手段により加熱し溶融させて、前記光ファイバと前記支持用ファイバとを融着接続して接続加熱溶融域を形成する接続加熱溶融域形成工程と、
    前記接続加熱溶融域形成工程後に、前記光ファイバ及び前記支持用ファイバを固定した状態のまま、前記光ファイバを前記加熱溶融手段によって加熱し溶融させながら、前記加熱溶融手段を前記接続加熱溶融域側から前記光ファイバ側に移動させると共に、前記加熱溶融手段の移動に同期して前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことにより、前記接続加熱溶融域に連続し、かつ、前記光ファイバの前記空孔が消滅されたファイバ加熱溶融域を形成するファイバ加熱溶融域形成工程と、
    前記ファイバ加熱溶融域形成工程後に、前記ファイバ加熱溶融域内で前記光ファイバを切断して前記接続加熱溶融域を除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする光ファイバ端部加工方法。
  5. 前記ファイバ加熱溶融域形成工程において、前記ファイバ加熱溶融域に位置する前記光
    ファイバの径が、前記加熱溶融手段によって加熱されていない前記光ファイバの径と実質同一となるように、前記光ファイバの加熱溶融部を、その軸方向の長さを縮める方向に押込むことを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ端部加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバ端部加工方法で加工した前記光ファイバの端部を、フェルール内に挿入して接着固定した後、前記フェルール端面を研磨し、研磨後の前記フェルール端面に、前記光ファイバ端部の前記空孔の消滅領域が位置するようにしたことを特徴とする光ファイバ端部加工方法。
  7. 請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバ端部加工方法を実施する光ファイバ端部加工装置であって、
    前記光ファイバの2箇所を固定するファイバ固定手段と、
    前記光ファイバを加熱し溶融させる加熱溶融手段と、
    前記ファイバ固定手段によって固定された2箇所の前記固定部間の前記光ファイバに、前記加熱溶融手段を制御して前記第一加熱溶融域と前記第二加熱溶融域とを形成するための制御手段と、
    前記第二加熱溶融域の形成時に、前記光ファイバの加熱溶融部を、その長さ方向を縮める方向に押込むための押込み手段と、
    を備えた光ファイバ端部加工装置。
  8. 請求項4または5に記載の光ファイバ端部加工方法を実施する光ファイバ端部加工装置であって、
    前記光ファイバと前記支持用ファイバのそれぞれを固定するファイバ固定手段と、
    前記光ファイバと前記支持用ファイバを加熱し溶融させる加熱溶融手段と、
    前記ファイバ固定手段によって固定された前記光ファイバ及び前記支持用ファイバに、前記加熱溶融手段を制御して前記接続加熱溶融域と前記ファイバ加熱溶融域を形成するための制御手段と、
    前記ファイバ加熱溶融域の形成時に、前記光ファイバの加熱溶融部を、その長さ方向を縮める方向に押込むための押込み手段と、
    を備えた光ファイバ端部加工装置。
  9. コア部と、前記コア部の外周を取り囲むクラッド部と、前記クラッド部内の前記コア部の周囲に、前記コア部の軸方向に沿って形成される複数の空孔とを有する光ファイバの端部において、
    前記光ファイバの先端部では空孔が消滅された空孔消滅部が形成されており、
    前記光ファイバの外径と前記空孔消滅部での外径との差が±1.0μm以内であり、
    前記空孔消滅部の長さが1mm以上であり、
    前記光ファイバの先端部の前記空孔消滅部に向けて、前記空孔の径はテーパ状に縮小した形状であり、
    前記空孔消滅部において、前記コアはその形状に実質的に段差や曲がりがなく、軸方向に沿って連続していることを特徴とする光ファイバ端部。
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