JP2003004461A - 電子地図表示装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地図データの更新をリアルタイムに行うこと
ができ、かつ大容量の地図データを安定して提供するこ
とができる電子地図表示装置を提供する。 【解決手段】 書き換えできない大容量記録媒体に記憶
されている第１の地図データを読み込んで画面上に表示
する電子地図表示装置であって、書き換え可能な半導体
記憶媒体に記憶されている第２の地図データを読み込む
手段を備え、第１の地図データと第２の地図データの更
新時点を示すタイムスタンプを比較し、第１の地図デー
タのタイムスタンプよりも第２の地図データのタイムス
タンプの方が遅い場合には第２の地図データを読み込
み、第１の地図データのタイムスタンプと第２の地図デ
ータのタイムスタンプが同一又は第２の地図データのタ
イムスタンプの方が早い場合には、第１の地図データを
読み込んで、画面上に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カーナビゲーショ
ン装置等に使用される電子地図表示装置及び方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図７を参照しながら、従来から使用され
ている電子地図表示装置の一例として、地図データを画
面上に表示させることによって、目的地までの経路を示
して、利用者を目的地まで確実に案内するナビゲーショ
ン装置について説明する。

【０００３】図７（ａ）における光ディスク再生ナビゲ
ーション装置７５においては、書き換えできない光ディ
スク媒体７４に地図データを記憶させている。したがっ
て、現在使用している光ディスク媒体７４に地図データ
を記憶させた時点から年月が経過し、例えば新規に道路
等が設置される等によって実際の地理が変更になった場
合には、書き換えできない光ディスク媒体７４自体を交
換することにより対応していた。すなわち、書き換えで
きない光ディスク媒体７４内の地図データについては、
ある一定の期間ごとに更新することとし、新しい地図デ
ータを記憶させた別個体の書き換えできない光ディスク
媒体７４を利用者に配布することで、変更された地図デ
ータを入手できるようになっていた。

【０００４】また、図７（ｂ）における光ディスク記録
再生ナビゲーション装置７８においては、書き換えある
いは追記可能な光ディスク記録媒体７７を用いて地図デ
ータを記憶させている。この場合も同様に実際の地理が
変更になった場合には、記録装置７９あるいは光ディス
ク記録再生ナビゲーション装置７８自体を用いて、更新
された情報を直接、書き換えあるいは追記可能な光ディ
スク媒体に対して書き込むことで地図データを更新し、
光ディスク記録再生ナビゲーション装置７８で新たな地
図の表示を行っていた。

【０００５】さらに、図７（ｃ）における半導体記憶媒
体の記録再生ナビゲーション装置８１においては、書き
換えあるいは追記可能な半導体記憶媒体８０を用いて地
図データを記憶させている。この場合も同様に実際の地
理が変更になった場合には、記録装置７６あるいは半導
体記憶媒体の記録再生ナビゲーション装置８１自体を用
いて、更新された情報を直接、書き換えあるいは追記可
能な半導体記憶媒体８０に対して書き込むことで地図デ
ータを更新し、半導体記憶媒体の記録再生ナビゲーショ
ン装置８１で新たな地図の表示を行っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような光ディスク媒体の個体自体を更新するナビゲー
ション装置においては、地図データが更新された新たな
光ディスク媒体が配布されるまでの期間は、光ディスク
媒体内の地図情報は最新のものではないことから、利用
者にとって実際の地理とは異なる場合もあり、使用上不
便であった。また、光ディスク媒体の個体を更新した時
点で、過去の地図データを記憶している光ディスク媒体
の個体不要となることから、資源浪費の観点からも好ま
しくなかった。

【０００７】また、書き換え可能な記憶媒体に更新情報
を追記又は上書するナビゲーション装置では、光ディス
ク媒体に書き換えするに当たって専用の機器が必要とな
っていた。また、車に搭載されている光ディスク記録再
生ナビゲーション装置で追記あるいは上書きする方法で
あれば、専用の機器を別途接地する必要はないものの、
車の中のように高温であり、あるいは振動の多い場所で
は、書き換え動作を安定して行うことが困難であるとと
もに、場合によっては記憶しているデータが破壊される
おそれも残されているという問題点も残されていた。

【０００８】さらに、記憶媒体として半導体記憶媒体を
用いる場合においては、半導体記憶媒体自体の記憶容量
が、光ディスク媒体の記憶容量に比べ、１／１０〜１／
１３０程度と小さいことから、一度に取り込めるデータ
量が小さくなってしまう。したがって、狭い範囲の地図
情報しか記録することができないことから、表示させた
い地区を変更するたびに半導体記憶媒体内のデータの更
新を行う必要が生じており、使用する上で操作が面倒で
あるという問題点が生じている。

【０００９】本発明は、上記問題を解決するために、地
図データの更新をリアルタイムに行うことができ、かつ
大容量の地図データを安定して提供することができる電
子地図表示装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にかかる電子地図表示装置は、書き換えできな
い大容量記録媒体に記憶されている第１の地図データを
読み込んで画面上に表示する電子地図表示装置であっ
て、書き換え可能な半導体記憶媒体に記憶されている第
２の地図データを読み込む手段を備え、第１の地図デー
タと第２の地図データの更新時点を示すタイムスタンプ
を比較し、第１の地図データのタイムスタンプよりも第
２の地図データのタイムスタンプの方が遅い場合には第
２の地図データを読み込み、第１の地図データのタイム
スタンプと第２の地図データのタイムスタンプが同一又
は第２の地図データのタイムスタンプの方が早い場合に
は、第１の地図データを読み込んで、画面上に表示する
ことを特徴とする。

【００１１】かかる構成により、光ディスク等の書き換
えできない大容量記憶媒体に地図のオリジナルデータを
記憶しておき、地理が変更になったときの更新情報を書
き換え可能な半導体記憶媒体に記録することで、範囲を
狭めることなく、最新の地図データを入手して表示させ
ることが可能となる。

【００１２】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第１の地図データ及び第２の地図データを任意の範
囲ごとにブロック化して記憶することが好ましい。さら
に狭い範囲についての更新情報のみを入手すれば良いこ
とから、より実際の地理条件に合致した正確な地図デー
タを入手することが期待できるからである。

【００１３】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、表示させたいブロックに対応する第２の地図データ
が存在しない場合には、第１の地図データを読み込んで
画面上に表示することが好ましい。地図データが更新さ
れていないからである。

【００１４】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第１の地図データは、一定の更新周期で更新され、
更新周期内において地理情報が変動した場合には、第２
の地図データを更新することが好ましい。オリジナルデ
ータは書き換えできない大容量に、リアルタイム性が要
求される局所情報は書き換え可能な半導体記憶媒体に、
それぞれ記録することにより、絶えず最新の地図データ
を入手して表示させることができるからである。

【００１５】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第２の地図データを、携帯可能なパッケージ内に備
えた半導体記憶カード、あるいは内部に固定された書き
換え可能な半導体素子に記憶することが好ましい。携帯
可能なパッケージ内に更新データを設けることにより、
どこでも簡単に更新ファイルを入手することが可能とな
り、また記録あるいは再生可能な機器間で更新ファイル
の共有化を図ることができるからである。

【００１６】さらに、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第２の地図データの更新を、通信手段を介して行う
ことが好ましい。

【００１７】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第２の地図データを含む情報に、機器情報や顧客情
報、購入時期の情報を含む認証コードを含み、認証コー
ドに基づいて、第２の地図データを更新できる条件を制
御することが好ましい。認証コードを用いることによっ
て、ナビゲーション装置を正規購入した顧客のみにデー
タの更新サービスを行うことができ、更新ファイルの不
正コピーや改竄を未然に防止することができるからであ
る。

【００１８】また、本発明にかかる電子地図表示装置
は、第２の地図データを含む情報に、料金を支払った証
明となるプリペイド情報を含み、プリペイド情報から所
定の料金を差し引くことが好ましい。更新ファイルを取
り込む料金を支払った証明を半導体記憶媒体内に設ける
ことで、現金支払いの煩雑さを解消することができるか
らである。

【００１９】次に、上記目的を達成するために本発明に
かかる電子地図表示方法は、書き換えできない大容量記
録媒体に記憶されている第１の地図データを読み込んで
画面上に表示する電子地図表示方法であって、書き換え
可能な半導体記憶媒体に記憶されている第２の地図デー
タを読み込む工程を含み、第１の地図データと第２の地
図データの更新時点を示すタイムスタンプを比較し、第
１の地図データのタイムスタンプよりも第２の地図デー
タのタイムスタンプの方が遅い場合には第２の地図デー
タを読み込み、第１の地図データのタイムスタンプと第
２の地図データのタイムスタンプが同一又は第２の地図
データのタイムスタンプの方が早い場合には、第１の地
図データを読み込んで、画面上に表示することを特徴と
する。

【００２０】かかる構成により、光ディスク等の書き換
えできない大容量記憶媒体に地図のオリジナルデータを
記憶しておき、地理が変更になったときの更新情報を書
き換え可能な半導体記憶媒体に記録することで、範囲を
狭めることなく、最新の地図データを入手して表示させ
ることが可能となる。

【００２１】また、本発明にかかる電子地図表示方法
は、第１の地図データ及び第２の地図データを任意の範
囲ごとにブロック化して記憶することが好ましい。さら
に狭い範囲についての更新情報のみを入手すれば良いこ
とから、より実際の地理条件に合致した正確な地図デー
タを入手することが期待できるからである。

【００２２】また、本発明にかかる電子地図表示方法
は、表示させたいブロックに対応する第２の地図データ
が存在しない場合には、第１の地図データを読み込んで
画面上に表示することが好ましい。地図データが更新さ
れていないからである。

【００２３】また、本発明にかかる電子地図表示方法
は、第１の地図データは、一定の更新周期で更新され、
更新周期内において地理情報が変動した場合には、第２
の地図データを更新することが好ましい。オリジナルデ
ータは書き換えできない大容量に、リアルタイム性が要
求される局所情報は書き換え可能な半導体記憶媒体に、
それぞれ記録することにより、絶えず最新の地図データ
を入手して表示させることができるからである。

【００２４】また、本発明にかかる電子地図表示方法
は、第２の地図データを含む情報に、機器情報や顧客情
報、購入時期の情報を含む認証コードを含み、認証コー
ドに基づいて、第２の地図データを更新できる条件を制
御することが好ましい。認証コードを用いることによっ
て、ナビゲーション装置を正規購入した顧客のみにデー
タの更新サービスを行うことができ、更新ファイルの不
正コピーや改竄を未然に防止することができるからであ
る。

【００２５】また、本発明にかかる電子地図表示方法
は、第２の地図データを含む情報に、料金を支払った証
明となるプリペイド情報を含み、プリペイド情報から所
定の料金を差し引くことが好ましい。更新ファイルを取
り込む料金を支払った証明を半導体記憶媒体内に設ける
ことで、現金支払いの煩雑さを解消することができるか
らである。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態にかか
る電子地図表示装置について、図面を参照しながら説明
する。図１は本発明の実施の形態にかかる電子地図表示
装置において、実際に地図を表示させ、車で移動する際
の経路を案内するシステム動作の一例を示したものであ
る。

【００２７】図１において、地図情報はブロックＡ、ブ
ロックＢ、ブロックＣ、及びブロックＤというように、
任意の範囲でブロック化されており、地図情報提供メー
カは、これら各ブロックごとにファイリングして地図デ
ータを作成している。そして、いずれかのブロック内に
おいて地理の変更があった場合には、変更のあったブロ
ック単位で地図データを更新する。例えば図１において
は、ブロックＡ及びブロックＢの地図データを更新し、
所定の方法で顧客に配信することになる。以下、具体的
に説明する。

【００２８】図１において、ブロックＡに存在する家５
からブロックＤにあるショッピングセンタ１５へ向かう
場合について説明する。この場合、ブロックＡに存在す
る家５からブロックＤにあるショッピングセンタ１５ま
での地図を表示させつつ、最短の経路を検索しながら経
路の案内を行うことになる。

【００２９】そして、ブロックＡ内において、地理の変
更が生じている。すなわち、道路７が追加され、道路８
が削除されている。したがって、ブロックＡについての
地図データは、更新されたファイルを取り込むことによ
り画面上に表示させることになる。この場合、追加され
た道路７は、経路の検索の際に選択項目の対象になる
が、ブロックＤに存在するショッピングセンタ１５に行
くには遠回りになるため選択されることはない。また、
削除された道路８は、経路として選択の対象とはならな
いことから、家の前の道路６を南下することになる。

【００３０】次に、ブロックＡに存在する三叉路９にさ
しかかるまでに、例えば道路交通情報センタからの渋滞
情報を入手した場合には、ＶＩＣＳ用データを用いて渋
滞箇所１０を地図上に重ねて表示させ、経路の検索の際
に渋滞箇所１０を選択対象から除外する。したがって、
そのまま家の前の道路６をさらにまっすぐ南下すること
になる。

【００３１】また、ブロックＢ内においても、地理の変
更が生じている。すなわち、道路１３が追加され、道路
標識１２によって一方通行（進入禁止）の制約が付与さ
れている。したがって、ブロックＢについての地図デー
タは、更新されたファイルを取り込むことにより画面上
に表示させることになる。

【００３２】そして、南下してブロックＢに存在する三
叉路１１にさしかかる前に、新規に変更された道路標識
１２の情報によって車両進入禁止の道路を選択すること
なく南下し、新たに選択項目として加わった追加された
道路１３を選択して道なりに左折することになる。

【００３３】そして、三叉路１４にさしかかると右折の
指示を出して、道なりに左折した時点でブロックＤに進
入する。ブロックＤ内においては、地理の変更が生じて
いないことから、ブロックＤの地図データはオリジナル
ファイルを取り込むことにより画面上に表示され、ショ
ッピングセンタ１５の表示を行うことによって経路の案
内を行うことになる。

【００３４】次に、図２は半導体記憶媒体内の、図３は
光ディスク記憶媒体内の、それぞれファイル構造の模式
図を示している。光ディスク記憶媒体２８内には、図１
におけるブロックＡ、ブロックＢ、ブロックＣ、及びブ
ロックＤを含めて、その他にも広範囲の地図データが格
納されることになる。各ブロックの地図データを含んで
いるファイルのアドレスを示す地図ファイルアドレス情
報１７によって、各ファイルは管理されることになる。

【００３５】各ブロックごとの地図データについては、
図２に示すように記憶されている。例えば図１における
ブロックＡの地図データは、ブロックＡファイル２６内
に記憶されており、ブロックＡ内の地図データ１９と、
ブロックＡの緯度、経度を示す位置や、ファイルが更新
された日時、及び画面上に表示させる地図の縮尺に応じ
て道路やランドマークなどを個々に表示させるか否かを
示すデータ等を記憶するブロックＡ地図ファイル情報１
８と、ブロックＡ内の経路の検索や案内を行う際に必要
となるブロック内の座標を伴った経路情報を含むブロッ
クＡ内経路案内・検索用データ２０と、例えば道路交通
管理センタ等から発信され、無線等を経由して得られる
渋滞情報を画面上に表示させるためのブロックＡ内のＶ
ＩＣＳ用データ２１とで、構成されている。

【００３６】また、図３に示すように、光ディスク媒体
２８内にも半導体記憶媒体１６と同様に各ブロックの地
図データ２９と、ファイル情報３０と、経路案内・検索
用データ３１と、ＶＩＣＳ用データ３２が、図１に示す
ブロックＡ、ブロックＢ、ブロックＣ、ブロックＤ、あ
るいはその他のブロックごとに記録されており、それら
の各ブロックファイルは、半導体記憶媒体１６と同様に
ファイルアドレス情報３７によって管理されている。す
なわち、光ディスク媒体２８におけるトラックごとにブ
ロックＡのファイル３６、ブロックＢのファイル３５、
ブロックＣのファイル３４、ブロックＤのファイル３３
というように記録することになる。

【００３７】半導体記憶媒体１６内には、光ディスク媒
体２８に地図データを記録した時点から、年月を経て地
理情報に変更があった場合、例えば道路が新規に作られ
た場合、あるいは道路を無くして新規に建造物を建築し
た場合等の、実際の地理情報と異なるデータになってし
まった場合には、変更が生じたブロックに関する地図デ
ータ関連情報のみ更新することになる。すなわち図１の
例では、地理情報に変更のあったブロックＡ及びブロッ
クＢを示すファイルの内容を更新し、更新したブロック
ＡとブロックＢファイルのみを半導体記憶媒体１６内に
記録し、更新ファイルのアドレス情報を地図ファイルア
ドレス情報１７に記録することになる。

【００３８】図４は、図２における半導体記憶媒体及び
図３における光ディスク媒体からのデータを用いて、最
新の地図情報を表示させるための電子地図表示装置（ナ
ビゲーション装置）における処理の流れ図である。以
下、車での使用を前提としたナビゲーション装置を代表
例として説明する。

【００３９】図４において、ナビゲーション装置をスタ
ートさせたら、まず表示希望地区を選択することになる
（ステップＳ４０１）。次に、半導体記憶媒体内４０及
び光ディスク媒体内４１に記憶しているファイルのアド
レス情報を確認し（ステップＳ４０２、Ｓ４０３）、半
導体記憶媒体あるいは光ディスク媒体内のデータのいず
れか一方を選択する（ステップＳ４０４）。

【００４０】ステップＳ４０４における選択条件として
は、半導体記憶媒体４０内あるいは光ディスク媒体内４
１のファイル情報に含まれるファイルの更新時期を比較
することにより時間的に新しいものを選択することが考
えられる。なお、特にこれに限定されるものではなく、
例えば半導体記憶媒体内４０に表示したい範囲のファイ
ルのアドレス情報が無ければ、光ディスク媒体内４１の
ファイルアドレス情報を確認して表示したい地区のファ
イルを優先して取り込んで画面上に表示する等の条件で
あっても良い。

【００４１】次に、ステップＳ４０４において半導体記
憶媒体４４内のデータを選択した場合には、半導体記憶
媒体の地図データを表示し（ステップＳ４０５）、光デ
ィスク媒体４３内のデータを選択した場合には、光ディ
スク媒体内の地図データを表示する（ステップＳ４０
６）。

【００４２】そして、ファイル内の経路案内・検索用デ
ータに基づいて、表示したい経路の検索を行い（ステッ
プＳ４０７）、画面上に表示を行いながら経路案内の表
示を行うことになる（ステップＳ４０８、Ｓ４０９）。

【００４３】また、道路交通管理センタ等から発信され
る渋滞情報のサービスを提供される地域において、渋滞
情報を入手、すなわちＶＩＣＳ用データを入手した場合
には（ステップＳ４１０：Ｙｅｓ）、画面上に渋滞情報
を表示させるためのＶＩＣＳ用データから画面上に渋滞
情報を表示する（ステップＳ４１１、Ｓ４１２）。この
場合、渋滞道路として表示された経路は、経路を検索す
る時に可能な限り回避される。そして、結果としての最
短経路を画面上に表示することになる（ステップＳ４１
３）。一方、渋滞情報を入手しなかった場合には（ステ
ップＳ４１０：Ｎｏ）、そのまま渋滞情報は表示せず
に、経路の案内のみを画面上に表示することになる。

【００４４】そして、表示したい地区を変更するごとに
（ステップＳ４１４）、半導体記憶媒体４０内及び光デ
ィスク媒体４１内のファイルアドレス情報の確認から開
始する上記手順を繰り返し行うことで、画面上に地図情
報を表示することになる。

【００４５】次に、図５は、半導体記憶媒体に地図デー
タの更新ファイルを記録するための機器等の説明図であ
る。なお、図５においては、半導体記憶媒体として携帯
可能なパッケージに収められた半導体記憶カード１６を
用いた場合について示しているが、特にこれに限定され
るものではない。

【００４６】図５において、地図データの更新ファイル
を半導体記憶カード１６に記録する機器としては、まず
ナビゲーション装置６０自体に設けられている無線通信
手段５７が考えられる。また、携帯電話やＰＤＡ（Pers
onal Digital Assistant）等に代表される携帯端末５６
や、企業内等一定の範囲内で形成されたネットワークに
接続されたコンピュータ５５、及びインターネットに接
続されている電子機器５８、公共の場所あるいは店舗内
に設置された情報端末５９等、様々な電子機器を用いる
ことが可能である。

【００４７】また、図６は、一つの具体例として、半導
体記憶媒体に認証コードを設けた半導体メモリカードを
用いた時の各機器間の相互認証を行うシステムの概要を
示したものである。

【００４８】図６において、半導体記憶媒体１６内に
は、地図データがブロックごとに記録されているファイ
ルが記録されているデータ領域６８と、当該ファイルの
アドレスを管理するアドレス領域６９と、認証コード７
０とを備えている。認証コード７０内には、ナビゲーシ
ョン装置６０を購入した顧客を示す顧客コード７１、半
導体記憶媒体１６を再生する機器を限定する機器コード
７２、ナビゲーション装置６０あるいは地図データが収
められている光ディスク媒体６１を作成した時期に関す
る日付情報７３等が記録されている。

【００４９】かかる半導体記憶媒体１６をナビゲーショ
ン装置６０で再生させるためには、少なくともナビゲー
ション装置６０本体に、あるいは機器で再生する光ディ
スク媒体６１内の少なくともどちらか一方に記録されて
いる機器コード６５及び顧客コード６３を確認し、機器
コード６５あるいは顧客コード６３のいずれか一方、も
しくは両方が、半導体記憶媒体１６内の機器コード７２
及び顧客コード７１と一致した場合にのみ、半導体記憶
媒体１６を再生することが可能となる。

【００５０】また、地図情報提供メーカ６1から提供さ
れる地図データの更新ファイルを半導体記憶媒体１６内
に記録する機器には、各々機器コード６５を備えてお
り、半導体記憶媒体１６の機器コード７２と一致するか
否かを確認して、一致した機器からのみ更新ファイルの
記録を行うことができる。さらに、機器コード６５及び
７２が一致した機器が、地図情報提供メーカ６１からの
更新ファイルを取り込む際にも、顧客コード６３、機器
コード６５、購入日付け情報６４、がそれぞれ一致して
いるか否かを確認し、地図情報提供メーカ６１でも管理
されている認証コードと一致した場合にのみ更新ファイ
ルを転送するようにする。

【００５１】これらの認証コードを用いることによっ
て、更新ファイルの不正コピーや改竄を未然に防止する
ことができる。また、日付情報を用いることによって、
例えばナビゲーション装置６０を購入した時点から一定
期間内は更新ファイルの取り込みを無償とし、一定期間
を過ぎれば別途料金が発生するといった課金システムを
有する地図データ配布システムを構築することも可能と
なる。

【００５２】また、半導体記憶媒体１６内に所定の方法
で料金を支払った証明となるプリペイド情報６２を記録
しておき、更新ファイルを取り込むときに料金が発生す
る場合に、プリペイド情報６２から料金に相当する金額
を差し引くことで、現金の受け渡しの煩雑さを解消する
システムを構築することも可能となる。

【００５３】なお、本実施の形態においては、車で移動
する際のナビゲーション装置を例に挙げて説明している
が、特にこれに限定されるものではなく、電子地図情報
を画面上に表示させる機器であれば、同様のシステムを
構築することができることは言うまでもない。

【００５４】以上のように本実施の形態によれば、実際
の地理に変更があったブロックのみの更新ファイルを書
き込むことで、光ディスク媒体に比べて容量の小さい書
き換え可能な半導体記憶媒体においても広範囲の地図デ
ータを記録することができることから、地理の変更をリ
アルタイムに地図データに反映させることができ、カー
ナビゲーションの場合にはより的確な経路案内を行うこ
とが可能となる。

【００５５】

【発明の効果】以上のように本発明にかかる電子地図表
示装置によれば、実際の地理の変化があったブロックの
み更新ファイルを書き込むことで、光ディスク媒体に比
べて容量の小さい書き換え可能な半導体記憶媒体であっ
ても広範囲の地図データを更新することができることか
ら、リアルタイムに地図データの変更を反映させること
ができ、特にカーナビゲーションの場合には、より的確
な経路案内を行うことが可能となる。

【００５６】また、携帯可能な半導体記憶カードを用い
る場合においては、携帯電話等の携帯端末や、会社等の
一定範囲内のネットワークで接続されたコンピュータ、
インターネットに接続している電子機器等、様々な機器
を選択しつつ更新ファイルの記録を行うことができ、各
機器間においても更新データの互換が可能となる。

【００５７】また、認証コードを用いることによって、
電子地図表示装置を正規購入した顧客のみにデータの更
新サービスを行うことができ、例えば購入時期から一定
期間の更新ファイルのロードを無償で許可するなど時間
的な管理を行ったり、所定の方法で更新ファイルを取り
込む料金を支払った証明を半導体記憶媒体内に設けるこ
とで現金支払いの煩雑さを解消するシステムも実現する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置における具体例の説明図

【図２】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置における半導体記憶媒体のファイル構造図

【図３】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置における光ディスク記憶媒体のファイル構造図

【図４】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置における処理流れ図

【図５】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置における更新ファイル記録形態の例示図

【図６】 本発明の実施の形態にかかる電子地図表示装
置におけるシステム全体図

【図７】 従来の電子地図表示装置の概要図

【符号の説明】

５ 家 ６ 家の前の道路 ７、８、１３ 道路 ９、１１、１４ 三叉路 １０ 渋滞個所 １２ 道路標識 １４ 三叉路Ｃ １５ ショッピングセンタ １６ 半導体記憶媒体 １７ 地図ファイルアドレス情報 １８ ブロックＡ地図ファイル情報 １９ ブロックＡ地図データ ２０ ブロックＡ内経路案内・検索用データ ２１ ブロックＡ内ＶＩＣＳ用データ ２２ ブロックＢ地図ファイル情報 ２３ ブロックＢ地図データ ２４ ブロックＢ内経路案内・検索用データ ２５ ブロックＢ内ＶＩＣＳ用データ ２６ ブロックＡファイル ２７ ブロックＢファイル ２８ 光ディスク記憶媒体 ２９ 地図データ ３０ ファイル情報 ３１ 経路案内・検索用データ ３２ ＶＩＣＳ用データ ３３ ブロックＤファイル ３４ ブロックＣファイル ３５ ブロックＢファイル ３６ ブロックＡファイル ３７ ファイルアドレス情報 ５５ コンピュータ ５６ 携帯端末 ５７ 無線通信手段 ５８ インターネットに接続された電子機器 ５９ 公共の場あるいは店舗等にに設置された情報端末 ６０ ナビゲーション装置 ６１ 地図情報提供メーカ ６２ プリペイド情報 ６３、７１ 顧客コード ６４、７３ 購入日付情報 ６５、７２ 機器コード ６８ データ領域 ６９ アドレス情報 ７０ 認証コード ７４ 書き換え出来ない光ディスク媒体 ７５ 光ディスク再生専用ナビゲーション装置 ７６ 光ディスク記録装置 ７７ 書き換え可能な光ディスク媒体 ７８ 光ディスク記録再生ナビゲーション装置 ７９ 半導体記憶装置の記録装置 ８０ 半導体記憶媒体 ８１ 半導体記憶媒体の記録再生ナビゲーション装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０９Ｂ 29/10 Ｇ０９Ｂ 29/10 Ａ (72)発明者 五島 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 早川 豊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2C032 HB02 HB05 HB12 HB21 HB24 HB25 HC08 HD16 HD23 HD24 2F029 AA02 AC06 AC14 AC20 5B050 AA10 BA17 FA02 GA08 5H180 AA01 BB02 BB04 BB05 BB13 BB15 EE10 FF12 FF13

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 書き換えできない大容量記録媒体に記憶
   されている第１の地図データを読み込んで画面上に表示
   する電子地図表示装置であって、 書き換え可能な半導体記憶媒体に記憶されている第２の
   地図データを読み込む手段を備え、 前記第１の地図データと前記第２の地図データの更新時
   点を示すタイムスタンプを比較し、前記第１の地図デー
   タのタイムスタンプよりも前記第２の地図データのタイ
   ムスタンプの方が遅い場合には前記第２の地図データを
   読み込み、 前記第１の地図データのタイムスタンプと前記第２の地
   図データのタイムスタンプが同一又は前記第２の地図デ
   ータのタイムスタンプの方が早い場合には、前記第１の
   地図データを読み込んで、画面上に表示することを特徴
   とする電子地図表示装置。
2. 【請求項２】 前記第１の地図データ及び前記第２の地
   図データを任意の範囲ごとにブロック化して記憶する請
   求項１記載の電子地図表示装置。
3. 【請求項３】 表示させたい前記ブロックに対応する前
   記第２の地図データが存在しない場合には、前記第１の
   地図データを読み込んで画面上に表示する請求項２記載
   の電子地図表示装置。
4. 【請求項４】 前記第１の地図データは、一定の更新周
   期で更新され、前記更新周期内において地理情報が変動
   した場合には、前記第２の地図データを更新する請求項
   １から３のいずれか一項に記載の電子地図表示装置。
5. 【請求項５】 前記第２の地図データを、携帯可能なパ
   ッケージ内に備えた半導体記憶カード、あるいは内部に
   固定された書き換え可能な半導体素子に記憶する請求項
   １から４のいずれか一項に記載の電子地図表示装置。
6. 【請求項６】 前記第２の地図データの更新を、通信手
   段を介して行う請求項１から５のいずれか一項に記載の
   電子地図表示装置。
7. 【請求項７】 前記第２の地図データを含む情報に、機
   器情報や顧客情報、購入時期の情報を含む認証コードを
   含み、 前記認証コードに基づいて、前記第２の地図データを更
   新できる条件を制御する請求項１から６のいずれか一項
   に記載の電子地図表示装置。
8. 【請求項８】 前記第２の地図データを含む情報に、料
   金を支払った証明となるプリペイド情報を含み、前記プ
   リペイド情報から所定の料金を差し引く請求項１から７
   のいずれか一項に記載の電子地図表示装置。
9. 【請求項９】 書き換えできない大容量記録媒体に記憶
   されている第１の地図データを読み込んで画面上に表示
   する電子地図表示方法であって、 書き換え可能な半導体記憶媒体に記憶されている第２の
   地図データを読み込む工程を含み、 前記第１の地図データと前記第２の地図データの更新時
   点を示すタイムスタンプを比較し、前記第１の地図デー
   タのタイムスタンプよりも前記第２の地図データのタイ
   ムスタンプの方が遅い場合には前記第２の地図データを
   読み込み、 前記第１の地図データのタイムスタンプと前記第２の地
   図データのタイムスタンプが同一又は前記第２の地図デ
   ータのタイムスタンプの方が早い場合には、前記第１の
   地図データを読み込んで、画面上に表示することを特徴
   とする電子地図表示方法。
10. 【請求項１０】 前記第１の地図データ及び前記第２の
    地図データを任意の範囲ごとにブロック化して記憶する
    請求項９記載の電子地図表示方法。
11. 【請求項１１】 表示させたい前記ブロックに対応する
    前記第２の地図データが存在しない場合には、前記第１
    の地図データを読み込んで画面上に表示する請求項１０
    記載の電子地図表示方法。
12. 【請求項１２】 前記第１の地図データは、一定の更新
    周期で更新され、前記更新周期内において地理情報が変
    動した場合には、前記第２の地図データを更新する請求
    項９から１１のいずれか一項に記載の電子地図表示方
    法。
13. 【請求項１３】 前記第２の地図データを含む情報に、
    機器情報や顧客情報、購入時期の情報を含む認証コード
    を含み、 前記認証コードに基づいて、前記第２の地図データを更
    新できる条件を制御する請求項９から１２のいずれか一
    項に記載の電子地図表示方法。
14. 【請求項１４】 前記第２の地図データを含む情報に、
    料金を支払った証明となるプリペイド情報を含み、前記
    プリペイド情報から所定の料金を差し引く請求項９から
    １３のいずれか一項に記載の電子地図表示方法。