JP3958595B2 - 情報提供装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報提供装置に関し、より詳細には、タクシーなどの輸送体の乗務員に対し、乗客の輸送条件に関する情報を提供するための情報提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、タクシーの乗客は、タクシーに乗ると乗務員に対し、輸送先はもちろんのこと、該輸送先までの走行に関する走行条件など、前記輸送先まで輸送してもらうための輸送条件を口頭で説明しなければならなかった。なお、前記走行条件としては、例えば、有料である高速道路を走行してでも、前記輸送先へ早く到着して欲しいといったことや、前記輸送先の到着まで時間がかかってもいいから、有料道路を走行せずに一般道路だけを走行して、前記輸送先まで輸送して欲しいといったことなどが挙げられる。
【0003】
また、過去に利用したことのあるタクシーと、同じ会社のタクシーを利用し、以前と同じ輸送先へ輸送してもらう場合であったとしても、乗客は乗務員に対し、やはり以前と同じ説明をしなければならず、乗客にとって煩わしさがあった。また、乗務員の立場からすれば、乗客から前記輸送条件を詳しく説明してもらわなければ、乗客の好みや希望に合致した十分なサービスを提供することができないといった課題もあった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、乗客が口頭で説明しなくても、乗客の輸送先や該輸送先までの走行に関する走行条件など、輸送条件に関する情報をタクシーなどの輸送体の乗務員へ提供することのできる情報提供装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係る情報提供装置(1)は、乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供する情報提供装置であって、記憶媒体から乗客の輸送条件に関する個人情報を読み出す読出手段と、該読出手段で読み出された乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供する提供手段と、乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報を消去する消去手段とを備えていることを特徴としている。
【0006】
上記情報提供装置(1)によれば、前記記憶媒体から乗客の輸送条件(例えば、乗客の輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件)に関する個人情報を読み出し、その情報を乗務員へ提供することができる。
従って、乗客が口頭で説明しなくても、乗客の輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件(例えば、有料である高速道路を走行してでも、前記輸送先へ早く到着して欲しいといったことや、前記輸送先の到着まで時間がかかってもいいから、有料道路を走行せずに一般道路だけを走行して、前記輸送先まで輸送して欲しいといったこと)など、乗客の輸送条件をタクシーなどの輸送体の乗務員に対して紹介することができる。
さらに、乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報が消去されるので、乗客のプライバシーの保護を図ることができる。
【0007】
また、本発明に係る情報提供装置(2)は、上記情報提供装置(1)において、実際の輸送結果に基づいて、乗客の輸送条件に関する個人情報を前記記憶媒体へ登録する輸送条件登録手段を備えると共に、乗務員による乗客輸送の完了を示す前記操作がなされると、前記消去手段が、乗客の輸送条件に関する個人情報、及び輸送結果に関する情報を消去するものであることを特徴としている。
【0008】
上記情報提供装置(2)によれば、実際の輸送結果に基づいて、前記記憶媒体に記憶される輸送条件を更新していくことができる。従って、次回以降、更新した輸送条件を乗務員に対して紹介することができるので、乗務員は乗客の好みや希望に合致した、より一層充実したサービスを提供することができるようになる。
さらに、乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報、及び輸送結果に関する情報が消去されるので、乗客のプライバシーの保護を図ることができる。
【0009】
また、本発明に係る情報提供装置(3)は、上記情報提供装置(1)又は(2)において、前記記憶媒体から読み出された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する輸送条件算出手段を備え、前記提供手段が、前記輸送条件算出手段で算出された輸送条件に関する情報を提供することを特徴としている。
【0010】
上記情報提供装置(3)によれば、前記記憶媒体から読み出された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件が算出されるので、情報を絞り込んで、乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供することができる。
【0011】
また、本発明に係る情報提供装置(4)は、乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員に提供する情報提供装置であって、外部の管理機関から乗客の輸送条件に関する個人情報を取得する取得手段と、該取得手段で取得された乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員に提供する提供手段と、乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報を消去する消去手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記情報提供装置(4)によれば、外部の管理機関から乗客の輸送条件(例えば、乗客の輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件)に関する個人情報を取得し、その情報を乗務員へ提供することができる。
従って、乗客が口頭で説明しなくても、乗客の輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件(例えば、有料である高速道路を走行してでも、前記輸送先へ早く到着して欲しいといったことや、前記輸送先の到着まで時間がかかってもいいから、有料道路を走行せずに一般道路だけを走行して、前記輸送先まで輸送して欲しいといったこと)など、乗客の輸送条件をタクシーなどの輸送体の乗務員に対して紹介することができる。
さらに、乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報が消去されるので、乗客のプライバシーの保護を図ることができる。
【0013】
また、本発明に係る情報提供装置(5)は、上記情報提供装置(4)において、前記管理機関から取得された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する輸送条件算出手段を備え、前記提供手段が、前記輸送条件算出手段で算出された輸送条件に関する情報を提供することを特徴としている。
【0014】
上記情報提供装置(5)によれば、前記管理機関から取得された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件が算出されるので、情報を絞り込んで、乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供することができる。
【0015】
また、本発明に係る情報提供装置(6)は、上記情報提供装置(3)又は(5)において、乗客の輸送条件に関する個人情報に、暦条件、及び/又は時刻条件が加味されたものが含まれており、前記輸送条件算出手段が、暦条件、及び/又は時刻条件が加味された乗客の輸送条件に関する個人情報と、乗客を輸送する暦、及び/又は時刻に関する情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴としている。
【0016】
上記情報提供装置(6)によれば、暦条件、及び/又は時刻条件が加味された乗客の輸送条件(例えば、平日には高速道路での走行を優先し、他方、休日には一般道路での走行を優先するといったことや、また、7時から19時までは高速道路での走行を優先し、他方、19時から翌7時までは一般道路を優先するといったこと)に関する個人情報と、乗客を実際に輸送する暦、及び/又は時刻に関する情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出し、その算出結果に基づいて、乗客の輸送条件を乗務員に対して紹介することができる。
従って、乗務員は乗客の好みや希望に合致し、充実したサービスを提供することができるようになる。
【0017】
また、本発明に係る情報提供装置(7)は、上記情報提供装置(3)、(5)、(6)のいずれかにおいて、乗客の輸送条件に関する個人情報に、地理的条件が加味されたものが含まれており、前記輸送条件算出手段が、地理的条件が加味された乗客の輸送条件に関する個人情報と、乗客を輸送する位置情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴としている。
【0018】
上記情報提供装置(7)によれば、地理的条件が加味された乗客の輸送条件(例えば、神戸市内では高速道路での走行を優先し、姫路市内では一般道路での走行を優先するといったこと)に関する個人情報と、乗客を輸送する位置情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出し、その算出結果に基づいて、乗客の輸送条件を乗務員に対して紹介することができる。
従って、乗務員は乗客の好みや希望に合致し、充実したサービスを提供することができるようになる。
【0019】
また、本発明に係る情報提供装置(8)は、上記情報提供装置(3)、(5)〜(7)のいずれかにおいて、前記輸送条件算出手段が、乗客の輸送条件に関する個人情報に含まれる2以上の条件を考慮に入れて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴としている。
【0020】
上記情報提供装置()によれば、2以上の条件を考慮に入れて(例えば、2以上の条件の論理積、又は論理和をとる)、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出し、その算出結果に基づいて、乗客の輸送条件を乗務員に対して紹介することができる。
従って、乗務員は乗客の好みや希望に合致し、より一層充実したサービスを提供することができるようになる。
【0021】
また、本発明に係る情報提供装置()は、上記情報提供装置(1)〜()のいずれかにおいて、前記記憶媒体が、金融機関との取り引きが可能となるように構成されており、前記記憶媒体を用いて、料金の精算を行う精算手段を備えていることを特徴としている。
【0022】
上記情報提供装置()によれば、前記記憶媒体を用いて、料金の精算を行うことができるので、タクシー運賃の支払いなどをキャッシュレスで行うことができる。
【0023】
また、本発明に係る情報提供装置(10)は、上記情報提供装置(1)〜(3)、(9)のいずれかにおいて、外部との情報のやり取りを可能とする通信手段と、外部との情報のやり取りにより得られた情報など、前記やり取りの結果、及び/又は経過に関する情報を、所定のタイミングで前記記憶媒体へ登録する結果経過登録手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記情報提供装置(10)によれば、外部との情報のやり取りにより得られた情報など、前記やり取りの結果、及び/又は経過に関する情報(例えば、インターネットに接続可能な場合、閲覧中のWebページ履歴や、送受信したEメールなど)を、前記所定のタイミング(例えば、タクシーの運賃メーターが「賃走」から「支払」に切り替わったタイミング)で前記記憶媒体へ登録することができる。
従って、乗客は前記輸送体から降りた後、前記記憶媒体に記憶されている内容を取り出すことによって、例えば、自宅のパソコンなどでも前記輸送体で閲覧していた情報などを見ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る情報提供装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、参考の形態(1)に係る記憶媒体に記憶されている、乗客の輸送条件(例えば、輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件)に関する情報の一例を示した図である。
【0032】
図1に示したように、上記記憶媒体には、各輸送先毎に種別又はその名称、座標(緯度,経度)、住所などの情報が記憶され、さらに、走行条件として、平日には高速道路での走行を優先し、休日には一般道路での走行を優先するといった情報(すなわち、暦条件が加味された走行条件に関する情報)や、7時から19時までは高速道路での走行を優先し、他方、0時から7時までと19時から0時までは一般道路での走行を優先するといった情報(すなわち、時刻条件が加味された走行条件に関する情報)などが記憶されている。
【0033】
従って、上記参考の形態(1)に係る記憶媒体によれば、乗客の輸送条件に関する情報が記憶されているので、この記憶媒体を情報提供装置に装填し、該情報提供装置で前記情報を読み出し、利用することによって、乗客が口頭で説明しなくても、輸送先や、該輸送先までの走行条件など、輸送条件をタクシーなどの輸送体の乗務員に対して紹介することができる。
【0034】
また、記憶媒体については、書き換え可能な記憶部を設けて構成されており、利用者自身が予め自分の好みに応じて、輸送条件を登録させておいたり、また、輸送条件の更新を行ったりすることができるようになっている。
【0035】
なお、上記参考の形態(1)に係る記憶媒体では、暦条件が加味された走行条件に関する情報と、時刻条件が加味された走行条件に関する情報とが記憶されている場合についてのみ説明しているが、走行条件はこれらだけに限定されるものではなく、例えば、地理的条件が加味された走行条件(例えば、神戸市内では高速道路での走行を優先し、姫路市内では一般道路での走行を優先するといったこと)に関する情報を記憶させておいても良い。
【0036】
また、記憶媒体には輸送先や該輸送先までの走行条件など、輸送条件だけでなく、乗客個人の嗜好情報や、乗客個人の好む音楽情報や、所望の情報を送信する宛て先(例えば、自宅のパソコンのアドレス)に関する情報などを記憶させておいても良い。
【0037】
これにより、例えば、タクシー無線で地域情報などが放送されている場合に、乗客の好みに合致した情報を自動的に抜き出して、希望の情報の提供を容易に受けることができたり、また、自分の好きな曲を流したり、また、タクシー乗車中に閲覧していたWebページの履歴や、送受信したEメールなどを自宅のパソコンへ簡単に送信することができるようになる。
さらに、別の参考の形態に係る記憶媒体では、金融機関との取り引きが可能となるように構成されており、タクシー運賃の支払いなどをキャッシュレスで行うことができるようになっている。
【0038】
図2は、実施の形態(1)に係る情報提供装置の要部を概略的に示したブロック図である。図中1は、情報提供装置を示しており、情報提供装置1は制御コントローラ2と、個人の輸送条件に関する情報が記憶されたプライベートカード7から情報を読み込むための読込部3と、プライベートカード7へ情報を書き込むための書込部4と、乗客の輸送条件を乗務員に対して紹介するための表示部5と、乗客が操作するための操作部を兼ねた表示部6とを含んで構成されている。なお、プライベートカード7は参考の形態(1)に係る記憶媒体であり、プライベートカード7に記憶されている情報の一例は、図1に示した通りである。
【0039】
また、制御コントローラ2はタクシーの料金メーター8と接続され、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わるのを把握することができ、また、制御コントローラ2はナビゲーション装置9とデータのやり取りなどを行うことができるようになっている。
【0040】
次に、実施の形態(1)に係る情報提供装置1における制御コントローラ2の行う処理動作[1] を図3に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、プライベートカード7が情報提供装置1のカード収容部(図示せず)に収容されていることを示すフラグfが1であるか否かを判断し(ステップS1)、フラグfが1でないと判断すれば、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されているか否かを判断する(ステップS2)。なお、この判断については、例えば、前記カード収容部にカードが収容されると、ON状態となるスイッチを前記カード収容部に設けておき、前記スイッチのON/OFF状態を示す信号を制御コントローラ2へ送信するといった方法が挙げられる。
【0041】
ステップS2において、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されていないと判断すれば、そのまま処理動作[1] を終了し、他方、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されていると判断すれば、フラグfを1にし(ステップS3)、その後、読込部3を介して、プライベートカード7に記憶されている輸送先の種別、又はその名称に関する情報を読み込んで(ステップS4)、読み込んだ情報に基づいて、輸送先の種別、又はその名称を、図4に示したように表示部(乗客用)6へ表示する(ステップS5)。
【0042】
なお、表示部6にはタッチパネルが採用されており、パネル上の所定の箇所に触れることによって、各種選択などを行うことができるようになっている。例えば、図4に示した表示画面を通じて、「自宅」、「勤務先」、「ABC商事」を輸送先として選択することができる。また、表示部6の設置場所としては、例えば、助手席のシートバックなどが挙げられ、助手席のシートバックに設置することによって、後部席に座った者が画面操作し易くなる。また、その場合には、表示部6付近にプライベートカード7を収容するカード収容部9を設けるのが望ましい。
【0043】
次に、図4に示した表示画面を通じて、輸送先が選択されたか否かを判断し(ステップS6)、前記輸送先が選択されていないと判断すれば、そのまま処理動作[1] を終了し、他方、前記輸送先が選択されたと判断すれば、次に、選択された輸送先の位置、住所に関する情報を読込部3を介して読み込む(ステップS7)。
【0044】
続いて、プライベートカード7に記憶されている走行条件に関する情報を読込部3を介して読み込み(ステップS8)、次に、その日の曜日と現在の時間とに基づいて、乗客が希望する走行条件を算出する(ステップS9)。例えば、平日の昼間に走行する場合には、高速道路での走行を優先し、休日の夜間に走行する場合には、一般道路での走行を優先する。ところで、平日の夜間や、休日の昼間のように、暦条件が加味された走行条件と、時刻条件が加味された走行条件とが一致しない場合には、例えば、一般道路での走行を優先するようになっている(もちろん、逆であっても問題はない)。
【0045】
ステップS9での走行条件の算出後、乗客が選択した輸送先の位置(緯度,経度)、住所に関する情報、及び走行条件に関する情報を、図5に示したように表示部(乗務員用)5へ表示し(ステップS10)、その後、表示部5へ輸送先や走行条件を表示したこと(換言すれば、乗客により輸送先が選択されたこと)を示すフラグfを1にする(ステップS11)。
【0046】
また、ステップS1において、フラグfが1である(すなわち、プライベートカード7が既にカード収容部に収容されている)と判断すれば、次に、フラグfが1であるか否かを判断し(ステップS12)、フラグfが1でない(すなわち、プライベートカード7はカード収容部に収容されているが、乗客は未だ輸送先を選択していない)と判断すれば、ステップS6へ進む。
一方、フラグfが1である(すなわち、プライベートカード7がカード収容部に収容され、さらに、乗客が既に輸送先を選択している)と判断すれば、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わったか否かを判断する(ステップS13)。
【0047】
料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わったと判断すれば、輸送体が輸送先付近へ到着したということなので、ナビゲーション装置9で得られる乗客を輸送した輸送結果(例えば、輸送ルート)に基づいて、乗客の走行条件を算出し(ステップS14)、算出した走行条件に関する情報を書込部4を介してプライベートカード7へ書き込み(ステップS15)、その後、制御コントローラ2に保存されている乗客の輸送条件や、輸送結果に関するデータを消去して(ステップS16)、フラグf、fを0にする(ステップS17)。これにより、乗客のプライバシーの保護が図られる。
一方、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わっていないと判断すれば、前記輸送体が未だ輸送先付近まで到達していないということなので、そのまま処理動作[1] を終了する。
【0048】
上記実施の形態(1)に係る情報提供装置によれば、プライベートカード7から読み込んだ輸送条件(例えば、輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件)に関する情報に基づいて、乗務員に対して紹介すべき輸送条件を算出し、その算出結果に基づいて、乗客の輸送条件を表示部5へ表示することができる。
【0049】
従って、乗客が口頭で説明しなくても、輸送先や、該輸送先までの走行条件(例えば、高速道路を走行してでも、前記輸送先へ早く到着して欲しいといったことや、前記輸送先の到着まで時間がかかってもいいから、高速道路を走行せずに一般道路だけを走行して、前記輸送先まで輸送して欲しいといったこと)など、輸送条件をタクシーなどの輸送体の乗務員に対して紹介することができる。
【0050】
次に、実施の形態(2)に係る情報提供装置について説明する。但し、該情報提供装置については、制御コントローラ2、及び制御コントローラ2を含んで構成される情報提供装置1を除いて、図2に示した情報提供装置の構成と同様であるため、制御コントローラ、及び情報提供装置には異なる符号を付し、その他の説明をここでは省略する。
【0051】
図中11は、情報提供装置を示しており、情報提供装置11は制御コントローラ12と、読込部3と、書込部4と、表示部(乗務員用)5と、表示部(乗客用)6とを含んで構成されている。
【0052】
また、制御コントローラ12はタクシーの料金メーター8と接続され、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わるのを把握することができ、また、制御コントローラ12はナビゲーション装置9とデータのやり取りなどを行うことができるようになっている。
【0053】
次に、実施の形態(2)に係る情報提供装置11における制御コントローラ12の行う処理動作[2] を図6に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、プライベートカード7が情報提供装置11のカード収容部(図示せず)に収容されていることを示すフラグfが1であるか否かを判断し(ステップS21)、フラグfが1でないと判断すれば、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されているか否かを判断する(ステップS22)。なお、この判断については、例えば、前記カード収容部にカードが収容されると、ON状態となるスイッチを前記カード収容部に設けておき、前記スイッチのON/OFF状態を示す信号を制御コントローラ12へ送信するといった方法が挙げられる。
【0054】
ステップS22において、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されていないと判断すれば、そのまま処理動作[2] を終了し、他方、プライベートカード7が前記カード収容部に収容されていると判断すれば、フラグfを1にし(ステップS23)、その後、読込部3を介して、プライベートカード7に記憶されている輸送先の種別、又はその名称に関する情報を読み込んで(ステップS24)、読み込んだ情報に基づいて、輸送先の種別、又はその名称を、図4に示したように表示部(乗客用)6へ表示する(ステップS25)。
【0055】
なお、表示部6にはタッチパネルが採用されており、パネル上の所定の箇所に触れることによって、各種選択などを行うことができるようになっており、例えば、図4に示した表示画面を通じて、「自宅」、「勤務先」、「ABC商事」を輸送先として選択することができる。
【0056】
次に、図4に示した表示画面を通じて、輸送先が選択されたか否かを判断し(ステップS26)、前記輸送先が選択されていないと判断すれば、そのまま処理動作[2] を終了し、他方、前記輸送先が選択されたと判断すれば、続いて、選択された輸送先が「自宅」であるか否かを判断し(ステップS27)、「自宅」であると判断すれば、輸送先が「自宅」であることを示すフラグfを1にし(ステップS28)、その後、ステップS29へ進む。
一方、選択された輸送先が「自宅」以外であると判断すれば、フラグfを1にする必要がないので、ステップS28を飛ばして、ステップS29へ進む。
【0057】
ステップS29では、選択された輸送先の位置、住所に関する情報を読込部3を介して読み込み、続いて、プライベートカード7に記憶されている走行条件に関する情報を読込部3を介して読み込み(ステップS30)、次に、その日の曜日と現在の時間とに基づいて、乗客が希望する走行条件を算出する(ステップS31)。
【0058】
ステップS31での走行条件の算出後、フラグfが1であるか否かを判断し(ステップS32)、フラグfが1である(すなわち、輸送先が自宅である)と判断すれば、輸送先の位置を凡その位置となるように、輸送先の住所を凡そのものとし(ステップS33)、次に、乗客が選択した輸送先の凡その住所に関する情報、及び走行条件を、図7に示したように表示部(乗務員用)5へ表示し(ステップS34)、その後、表示部5へ輸送先や走行条件を表示したこと(換言すれば、乗客により輸送先が選択されたこと)を示すフラグfを1にする(ステップS35)。
【0059】
一方、フラグfが1でない(すなわち、輸送先が自宅以外である)と判断すれば、乗客が選択した輸送先の住所に関する情報、及び走行条件を、図8に示したように表示部(乗務員用)5へ表示し(ステップS36)、その後、フラグfを1にする(ステップS35)。
【0060】
また、ステップS21において、フラグfが1である(すなわち、プライベートカード7が既にカード収容部に収容されている)と判断すれば、次に、フラグfが1であるか否かを判断し(ステップS37)、フラグfが1でない(すなわち、プライベートカード7はカード収容部に収容されているが、乗客は未だ輸送先を選択していない)と判断すれば、ステップS26へ進む。
一方、フラグfが1である(すなわち、プライベートカード7がカード収容部に収容され、さらに、乗客が既に輸送先を選択している)と判断すれば、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わったか否かを判断する(ステップS38)。
【0061】
料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わったと判断すれば、輸送体が輸送先付近へ到着したということなので、ナビゲーション装置9で得られる、乗客を輸送した輸送結果(例えば、輸送ルート)に基づいて、乗客の走行条件を算出し(ステップS39)、算出した走行条件に関する情報を書込部4を介してプライベートカード7へ書き込み(ステップS40)、その後、制御コントローラ12に保存されている乗客の輸送条件や、輸送結果に関するデータを消去して(ステップS41)、フラグf、f、fを0にする(ステップS42)。これにより、乗客のプライバシーの保護が図られる。
一方、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わっていないと判断すれば、前記輸送体が未だ輸送先付近まで到達していないということなので、そのまま処理動作[2] を終了する。
【0062】
上記実施の形態(2)に係る情報提供装置によれば、プライベートカード7から読み込んだ輸送条件(例えば、輸送先や、該輸送先までの走行に関する走行条件)に関する情報に基づいて、乗務員に対して紹介すべき輸送条件を算出し、その算出結果に基づいて、乗客の輸送条件を表示部5へ表示することができる。
【0063】
従って、乗客が口頭で説明しなくても、輸送先や、該輸送先までの走行条件(例えば、高速道路を走行してでも、前記輸送先へ早く到着して欲しいといったことや、前記輸送先の到着まで時間がかかってもいいから、高速道路を走行せずに一般道路だけを走行して、前記輸送先まで輸送して欲しいといったこと)など、輸送条件をタクシーなどの輸送体の乗務員に対して紹介することができる。
さらに、乗客が輸送先に自宅を選択した場合には、自宅の正確な位置が乗務員に知られないようにすることができるので、乗客のプライバシーの保護が図られる。
【0064】
また、上記実施の形態(1)又は(2)に係る情報提供装置では、プライベートカード7に記憶されている暦条件が加味された走行条件と、時刻条件が加味された走行条件とに基づいて、乗客の走行条件を求めるようにしているが、別の実施の形態に係る情報提供装置では、プライベートカード7に記憶されている地理的条件が加味された走行条件を考慮に入れるようにしても良い。
【0065】
さらに、別の実施の形態に係る情報提供装置では、乗客のプライバシー保護の向上を図るために、タクシーなどの輸送体の位置情報(これは、ナビゲーション装置9から得られる)に基づいて、前記輸送体の走行範囲外の輸送条件については、乗務員に紹介しないようにする。
【0066】
また、上記実施の形態(1)又は(2)に係る情報提供装置では、輸送先の位置に関する情報や、走行条件に関する情報を単に表示部5へ表示するだけであるが、別の実施の形態に係る情報提供装置では、これら情報をナビゲーション装置9へ出力し、ナビゲーション装置9で乗客の希望に合致した、前記輸送先までのルートを乗務員に対し紹介するようにしても良い。
【0067】
図9は、実施の形態(3)に係る情報提供装置の要部を概略的に示したブロック図である。但し、ここでは図2に示した情報提供装置と同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図中21は、情報提供装置を示しており、情報提供装置21は制御コントローラ22と、個人の輸送条件に関する情報が記憶されたプライベートカード23から情報を読み込むための読込部3と、プライベートカード23へ情報を書き込むための書込部4と、乗客の輸送条件を乗務員に対して紹介するための表示部5と、乗客が操作するための操作部を兼ねた表示部6とを含んで構成されている。
【0069】
なお、プライベートカード23には、図1に示したような個人の輸送条件に関する情報以外に、乗客個人の嗜好情報や、乗客個人の好む音楽情報や、所望の情報を送信する宛て先(例えば、自宅のパソコンのアドレス)に関する情報などが記憶されている。さらには、プライベートカード23は金融機関との取り引きが可能となるように構成されている。
【0070】
また、制御コントローラ22はタクシーの料金メーター8と接続され、料金メーター8が「賃走」から「支払」に切り替わるのを把握することができ、また、制御コントローラ22はナビゲーション装置9とデータのやり取りなどを行うことができ、さらに、制御コントローラ22は、実施の形態(1)又は(2)に係る情報提供装置1、11における制御コントローラ2、12と同様に、図3又は図6に示したフローチャートに基づいて処理動作を行うことができるようになっているが、ここではその説明を省略する。
【0071】
また、制御コントローラ22はタクシーに搭載されている無線機24と接続されており、無線機24を介して管理センター25とのデータのやり取りなどを行うことができ、例えば、管理センター25を介して、地域情報を受信したり、インターネットや金融機関と繋がったりすることができるようになっている。
【0072】
次に、管理センター25を介して、地域情報を受信したり、インターネットや金融危難と繋がる場合における、本発明の特徴部分について説明する。
a.制御コントローラ22は、プライベートカード23に記憶されている乗客個人の嗜好情報を読み込み、例えば、無線機24で地域情報などを受信することができる場合に、前記嗜好情報に基づいて、乗客の好みに合致した情報を抜き出して、乗客に提供することができるように構成されている。
【0073】
b−1.制御コントローラ22は、プライベートカード23に記憶されている乗客の所望する宛て先(例えば、自宅のパソコンの宛て先)に関する情報を読み込み、例えば、無線機24及び管理センター25を介して、インターネットに接続可能な場合に、タクシー乗車中に閲覧していたWebページの履歴や、送受信したEメールなどを、乗客の所望する宛て先へ送信することができるように構成されている。
b−2.タクシー乗車中に閲覧していたWebページの履歴や、送受信したEメールなどを、書込部4を介してプライベートカード23へ書き込むことができるように構成しても良い。
【0074】
c.プライベートカード23が金融機関との取り引きが可能となるように構成され、さらには、無線機24及び管理センター25を介して、金融機関に接続可能な場合、料金メーター8からタクシー運賃に関する情報を取得し、タクシー運賃の支払いなどをキャッシュレスで行うことができるように構成しても良い。
【0075】
また、上記実施の形態(1)〜(3)に係る情報提供装置では、乗客の輸送条件に関する情報をプライベートカード7、23から読み込むようにしているが、別の実施の形態に係る情報提供装置では、タクシーなどの輸送体を管理する管理センターに登録されている輸送条件に関する情報を取得するようにしても良い。
【0076】
なお、この場合には乗客それぞれを識別する必要があり、乗客の識別方法としては、例えば、乗客自身にパスワードなどを入力させたり、近距離の無線通信技術を採用して、乗客の携帯電話とワイヤレス通信認証を行うようするといった方法などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考の形態(1)に係る記憶媒体に記憶されている、乗客の輸送条件に関する情報の一例を示した図である。
【図2】 本発明の実施の形態(1)に係る情報提供装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【図3】 実施の形態(1)に係る情報提供装置における制御コントローラの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図4】 実施の形態(1)に係る情報提供装置における表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図5】 実施の形態(1)に係る情報提供装置における表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図6】 実施の形態(2)に係る情報提供装置における制御コントローラの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図7】 実施の形態(2)に係る情報提供装置における表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図8】 実施の形態(2)に係る情報提供装置における表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図9】 実施の形態(3)に係る情報提供装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【符号の説明】
1、11、21 情報提供装置
2、12、22 制御コントローラ
3 読込部
4 書込部
5、6 表示部
7 プライベートカード
24 無線機
25 管理センター

Claims (10)

  1. 乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供する情報提供装置であって、
    記憶媒体から乗客の輸送条件に関する個人情報を読み出す読出手段と、
    該読出手段で読み出された乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員へ提供する提供手段と、
    乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報を消去する消去手段とを備えていることを特徴とする情報提供装置。
  2. 実際の輸送結果に基づいて、乗客の輸送条件に関する個人情報を前記記憶媒体へ登録する輸送条件登録手段を備えると共に、
    乗務員による乗客輸送の完了を示す前記操作がなされると、
    前記消去手段が、乗客の輸送条件に関する個人情報、及び輸送結果に関する情報を消去するものであることを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
  3. 前記記憶媒体から読み出された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する輸送条件算出手段を備え、
    前記提供手段が、前記輸送条件算出手段で算出された輸送条件に関する情報を提供することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報提供装置。
  4. 乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員に提供する情報提供装置であって、
    外部の管理機関から乗客の輸送条件に関する個人情報を取得する取得手段と、
    該取得手段で取得された乗客の輸送条件に関する個人情報を乗務員に提供する提供手段と、
    乗務員による乗客輸送の完了を示す、料金メーターを賃走から支払に切り替える操作がなされると、乗客の輸送条件に関する個人情報を消去する消去手段とを備えていることを特徴とする情報提供装置。
  5. 前記管理機関から取得された乗客の輸送条件に関する個人情報に基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する輸送条件算出手段を備え、
    前記提供手段が、前記輸送条件算出手段で算出された輸送条件に関する情報を提供することを特徴とする請求項4記載の情報提供装置。
  6. 乗客の輸送条件に関する個人情報に、暦条件、及び/又は時刻条件が加味されたものが含まれており、
    前記輸送条件算出手段が、
    暦条件、及び/又は時刻条件が加味された乗客の輸送条件に関する個人情報と、乗客を輸送する暦、及び/又は時刻に関する情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴とする請求項3又は請求項5記載の情報提供装置。
  7. 乗客の輸送条件に関する個人情報に、地理的条件が加味されたものが含まれており、
    前記輸送条件算出手段が、
    地理的条件が加味された乗客の輸送条件に関する個人情報と、乗客を輸送する位置情報とに基づいて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴とする請求項3、5、6のうちのいずれかの項に記載の情報提供装置。
  8. 前記輸送条件算出手段が、
    乗客の輸送条件に関する個人情報に含まれる2以上の条件を考慮に入れて、乗務員へ提供すべき輸送条件を算出する機能を有するものであることを特徴とする請求項3、5〜7のうちのいずれかの項に記載の情報提供装置。
  9. 前記記憶媒体が、金融機関との取り引きが可能となるように構成されており、
    前記記憶媒体を用いて、料金の精算を行う精算手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかの項に記載の情報提供装置。
  10. 外部との情報のやり取りを可能とする通信手段と、
    外部との情報のやり取りにより得られた情報など、前記やり取りの結果、及び/又は経過に関する情報を、所定のタイミングで前記記憶媒体へ登録する結果経過登録手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜3、9のうちのいずれかの項に記載の情報提供装置。
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